JPH11221609A - 鋼板の蛇行防止装置およびそれを用いた鋼板の蛇行防止方法 - Google Patents

鋼板の蛇行防止装置およびそれを用いた鋼板の蛇行防止方法

Info

Publication number
JPH11221609A
JPH11221609A JP2578298A JP2578298A JPH11221609A JP H11221609 A JPH11221609 A JP H11221609A JP 2578298 A JP2578298 A JP 2578298A JP 2578298 A JP2578298 A JP 2578298A JP H11221609 A JPH11221609 A JP H11221609A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
magnet
steel
meandering
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2578298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3443305B2 (ja
Inventor
Yasuhiro Mayumi
康弘 真弓
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP02578298A priority Critical patent/JP3443305B2/ja
Publication of JPH11221609A publication Critical patent/JPH11221609A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3443305B2 publication Critical patent/JP3443305B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Winding, Rewinding, Material Storage Devices (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ないロールで鋼板のセンタリング力を向上
することができ、垂直パスで使用することができ、しか
も鋼板を損傷させない蛇行防止装置およびそれを用いた
鋼板の蛇行防止方法を提供する。 【解決手段】 所定の経路に沿って連続的に通板される
帯状の鋼板を支持する複数の組のロール2が前記所定の
経路の中心線から鋼板の幅方向へ離れるにつれて前記鋼
板の搬送方向における下流側に向かうように逆ハの字状
に傾いて配置された鋼板の蛇行防止装置であって、前記
鋼板の搬送方向に並ぶ隣接する2個のロール2のあいだ
に前記鋼板に接触しないように磁石3が配設されてなる
鋼板の蛇行防止装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋼板の蛇行防止装置
およびそれを用いた鋼板の蛇行防止方法に関する。さら
に詳しくは少ないロールで鋼板のセンタリング力を向上
することができる蛇行防止装置およびそれを用いた鋼板
の蛇行防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、連続焼鈍炉などにおいて、連
続的に通板される帯状の鋼板を複数の組のロールで支持
しながら搬送している。そして、所定の経路に沿って搬
送される鋼板の蛇行を防止するために、従来より種々の
蛇行防止装置が用いられている。
【0003】図11に示される蛇行防止装置31は、所
定の経路の中心線Cから鋼板Sの幅方向へ離れるにつれ
て前記鋼板Sの搬送方向Dにおける下流側に向かうよう
に逆ハの字状に傾いて配置された複数の組のロール32
と、当該ロール32を回転自在に支持するステージ33
とから構成されている。この逆ハの字状に配置されたロ
ール32を備えた蛇行防止装置31は、連続焼鈍炉など
のルーパ内の通板テーブルに多く使用されている。
【0004】図11において、複数の組のロール32
が、逆ハの字状にθ1゜だけ傾いて配置されているた
め、鋼板Sがロール32から受ける動摩擦力F1、F2
は、それぞれF1X、F1Y、およびF2X、F2Yに
分解される。
【0005】ここで、F1=μ×m1×g (1) F2=μ×m2×g (2) (μ:鋼板Sとロール32とのあいだの動摩擦係数、m
1、m2:1本のロール32当たりの鋼板Sの分布荷重
(kg)、g:重力加速度(9.8m/s2)) およびF1X=F1×sinθ1 (3) F1Y=F1×cosθ1 (4) F2X=F2×sinθ1 (5) F2Y=F2×cosθ1 (6)
【0006】たとえば、鋼板Sが搬送方向Dからみて右
側に蛇行力Fkで蛇行しようとするときには、ロール3
2にかかる分布荷重mlが小さくなり、m2が大きくな
る。そのため、前記F1Xは小さくなり、F2Xは大き
くなりF1XとF2Xとの差がセンタリング力ΔF(=
F2X−F1X)として鋼板に作用することになる。こ
のセンタリング力ΔFが前記鋼板の蛇行力Fkより大き
いばあいには鋼板は経路に沿うようにセンタリング力Δ
Fと前記鋼板の蛇行力Fkとがつりあうところまで補正
されることになるが、大なり小なりのオフセットを持っ
たまま通板される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図11に示さ
れる逆ハの字状に配置されたロール32を備えた蛇行防
止装置31は、鋼板Sの自重のみの力により、鋼板Sの
センタリングを行なっているため、ロール32によって
生じるF1XまたはF2Xによるセンタリング機能を発
揮するためにはロール本数が数十〜数百本も使用する必
要がある。しかも、ロールが多いとロール磨耗などによ
り、ロールを取り替えるなどのメンテナンス作業、コス
トが非常に大変である。
【0008】とくに、搬送される鋼板に耳波や中波など
があり形状が非常にわるいばあいや、片波などにより張
力の張り方が幅方向に不均一なばあいには前記鋼板の蛇
行力Fkがセンタリング力ΔFを大きく上回ることがあ
り、鋼板がロールアウトにまで至り板破断をおこすこと
がある。
【0009】ここで、耳波とは、鋼板の両方のエッジが
波形状になっているもの、中波とは、鋼板の中央部分が
波形状になっているもの、片波とは、鋼板の片方のエッ
ジが波形状になっているものである。耳波および中波が
あるばあい、逆ハの字ロールとの接触が不均一となりや
すく、鋼板が左右どちらでも片寄る傾向にある。また、
片波があるばあい、張力の張り方が幅方向に不均一で波
形状の方向に大きく片寄る。
【0010】しかも、前記逆ハの字状に配置されたロー
ルが連続焼鈍炉などのルーパ内に使用されているのは通
板テーブルなどの水平パスのみであり、フリーループの
ような張力がほとんどなく通板テーブル長が短いばあ
い、または垂直パス(鋼板が垂直方向に延びる経路)の
ばあいには前記逆ハの字状に配置されたロール32を使
用することができない。したがって、従来では垂直パス
において図12に示されるサイドガイドロール方式の蛇
行防止装置が多く使用されている。
【0011】図12に示されるサイドガイドロール方式
の蛇行防止装置34は、鋼板Sのサイドからロール35
を押し当てるものであり、鋼板Sの板幅に応じてモータ
36でロール35をプリセットする。
【0012】しかし、図12に示される蛇行防止装置3
4のばあい、ロール35が直接に鋼板Sに接触するた
め、押圧力が強すぎたり、プリセットミスがあると鋼板
Sのエッジを損傷するという問題がある。
【0013】本発明はかかる問題を解消するためになさ
れたものであり、少ないロールで鋼板のセンタリング力
を向上することができ、垂直パスで使用することがで
き、しかも鋼板を損傷させない蛇行防止装置およびそれ
を用いた鋼板の蛇行防止方法を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の鋼板の蛇行防止
装置は、所定の経路に沿って連続的に通板される帯状の
鋼板を支持する複数の組のロールが前記所定の経路の中
心線から鋼板の幅方向へ離れるにつれて前記鋼板の搬送
方向における下流側に向かうように逆ハの字状に傾いて
配置された鋼板の蛇行防止装置であって、前記鋼板の搬
送方向に並ぶ隣接する2個のロールのあいだに前記鋼板
に接触しないように磁石が配設されてなることを特徴と
するものである。
【0015】前記磁石が前記所定の経路の中心線から鋼
板の幅方向へ離れるにつれて前記鋼板に近付くように傾
斜されてなるのが好ましい。
【0016】前記ロールが前記所定の経路の中心線付近
に配置された支点を中心として揺動しうるのが好まし
い。
【0017】前記磁石が前記所定の経路の中心線付近に
配置された支点を中心として揺動しうるのが好ましい。
【0018】前記ロールまたは磁石が揺動する角度を規
制するためのストッパを有するのが好ましい。
【0019】前記ロールまたは磁石が揺動するときに復
原力を与える弾性手段を有するのが好ましい。
【0020】また、本発明の鋼帯の蛇行防止装置を用い
た鋼板の蛇行防止方法は、前記鋼板がループ状にたわ
み、張力が実質的にかからない垂直パスに前記蛇行防止
装置を設置して鋼板の蛇行防止を行なうことを特徴とす
るものである。
【0021】本発明の鋼板の蛇行防止装置は、所定の経
路に沿って連続的に通板される帯状の鋼板を支持する複
数の組のロールが前記所定の経路の中心線から鋼板の幅
方向へ離れるにつれて前記鋼板の搬送方向における下流
側に向かうように逆ハの字状に傾いて配置されたロー
ル、いわゆる逆ハの字ロールを有しており、さらに前記
鋼板の搬送方向に並ぶ隣接する2個のロールのあいだに
前記鋼板に接触しないように磁石が配設されている。そ
のため、鋼板の自重による力および磁石の吸引力の合力
により、充分な鋼板のセンタリング力をうることができ
る。
【0022】また、前記磁石が前記所定の経路の中心線
から鋼板の幅方向へ離れるにつれて前記鋼板に近付くよ
うに傾斜されていれば、鋼板が蛇行して所定の経路から
外れるほど鋼板と磁石との距離が近付くため、当該距離
が短くなるにつれて鋼板に対する磁石の吸引力が増大
し、鋼板のセンタリング力をさらに強くすることとがで
きる。
【0023】
【発明の実施の形態】つぎに、図面を参照しながら、本
発明の鋼板の蛇行防止装置およびそれを用いた鋼板の蛇
行防止方法を詳細に説明する。図1は本発明の鋼板の蛇
行防止装置が設置される場所を示す鋼板の経路の説明
図、図2は本発明の鋼板の蛇行防止装置の一実施例を示
す平面図、図3は図2のIII−III線断面図、図4は本発
明の鋼板の蛇行防止装置の他の実施例を示す水平に配置
された磁石を有する蛇行防止装置の部分拡大図、図5は
本発明の鋼板の蛇行防止装置のさらに他の実施例を示す
ロールシーソ方式の蛇行防止装置の部分拡大図および図
6は本発明の鋼板の蛇行防止装置のさらに他の実施例を
示す磁石シーソ方式の蛇行防止装置の部分拡大図であ
る。
【0024】図1に示されるように、本実施の形態の鋼
板Sの蛇行防止装置1は、鋼板Sの自重だけでなく後述
するように磁石の吸引力を利用して鋼板Sをロールに押
圧させる。そのため、連続焼鈍炉などの垂直パスルーパ
VLPだけでなく、フリーループFL、または垂直パス
ルーパVLP前のブライドルロールBRとフリーループ
FLとのあいだの垂直パスVPに設置して鋼板Sの蛇行
防止を行なうことができる。このばあい、従来のサイド
ガイド用のロール35(図12参照)を用いるばあいと
比較して鋼板Sのエッジを損傷することがほとんどな
い。なお、従来の逆ハの字状のロール32(図11参
照)のように、水平パスHPに設置してもよいことはい
うまでもない。なお、図1において、WDはウェルダ、
TRはトリマである。
【0025】また、図示されていないが、蛇行防止装置
1を水平パスルーパに設置してもよい。水平パスルーパ
は図1に示す垂直パスルーパVLPをちょうど水平に倒
したような形のものであり重り(ウエイト)WEに相当
する部分にループカという台車が設置されている。水平
パス長は100m程度であり、台車を移動させることに
より鋼板の溜め込み量を調整できる構造となっている。
【0026】図2〜3に示されるように、鋼板Sの蛇行
防止装置1は、ロール2と、磁石3と、前記ロール2お
よび磁石3を支持するステージ4とから構成されてい
る。
【0027】ロール2は、所定の経路を連続的に通板さ
れる帯状の鋼板Sを支持するための複数の組のロールか
らなり、ステージ4に回転自在に支持されている。各組
のロール2は、所定の経路の中心線Cから鋼板Sの幅方
向へ離れるにつれて前記鋼板Sの搬送方向における下流
側に向かうように逆ハの字状にθ2゜(4〜5゜程度)
傾いて配置されている。前記所定の経路の中心線Cは各
組のロール2の中間位置を通過する。θ2°は、角度を
大きくすると制御状態が振動を伴なうようになり、ロー
ルもよく摩耗し、一方、角度が小さいと制御性がわるい
ので、4〜5°にするのが好ましい。
【0028】ロール2は、鋼板Sを支持できるものであ
れば、種々の材質または形状のものを採用してもよい
が、とくに鋼板よりも軟質で摩擦係数が大きいものが最
適である。たとえば、摩擦係数を大きくするためにロー
ル2の表面に螺旋状の溝が形成されたロール、いわゆる
スレッディングロールを用いれば、より鋼板Sのセンタ
リング力を大きくすることができる。また、ロール2
は、ウレタン樹脂によって作製すれば、従来のMCナイ
ロン系のロールよりも摩擦しにくく、鋼板Sに傷をつけ
ないため好ましい。また、ロール2が逆ハの字状に傾く
角度θ2°を調整できるようにしてもよい。
【0029】磁石3は、鋼板Sの搬送方向に並ぶ隣接す
る2個のロール2のあいだに鋼板Sに接触しないように
鋼板Sから離間してステージ4に配設されている。
【0030】磁石3と鋼板Sとの距離は、以下のような
手順で調整される。
【0031】まず、ロール間距離を設定する。鋼板S
の搬送方向における隣接する2個のロール間の距離は、
最小寸法にすることが重要である。さらに、磁石のサイ
ズも考慮する必要がある。したがって、ロール間距離
は、200mm程度に設定される。
【0032】ついで、ロール2の上に通板される鋼板
のうちで最も板厚の薄いものを置く。そののち、鋼板S
の下から磁石3を近づけていき、鋼板Sが吸着される直
前で磁石3を固定するその距離は15〜20mm程度に
設定される。
【0033】磁石3の傾斜については、図7に示され
るように、外側が前記の15〜20mm程度であり、内
側がその2倍(30〜40mm)になるように設定され
る。
【0034】このように磁石3を傾斜させれば、図7
(b)のグラフより明らかなように、磁石の吸引力は距
離の2乗に反比例することから、相対的に比較すると、
外側の吸引力を100とすると内側の吸引力は25程度
になる。
【0035】図2において、複数の組のロール2が、逆
ハの字状にθ2゜だけ傾いて配置されているため、鋼板
Sがロール2から受ける動摩擦力F3、F4は、それぞ
れF3X、F3Y、およびF4X、F4Yに分解され
る。
【0036】 ここで、F3=μ×m3×g+FM1×μ×α (7) F4=μ×m4×g+FM2×μ×α (8) (μ:鋼板Sとロール2とのあいだの動摩擦係数、m
3、m4:1本のロール2当たりの鋼板Sの分布荷重
(kg)、g:重力加速度(9.8m/s2)、FM
1、FM2:1本の磁石3当たりの所定の経路上の鋼板
Sに対する吸引力(kgf)、α:面積補正係数)
【0037】ここで、面積補正係数αについて説明す
る。磁石がないばあいには張力がかけられた鋼板Sはロ
ール2に対してほとんど線接触する。一方、本発明のご
とく前記磁石3があるばあいには、図8に示されるよう
に、張力がかけられても、鋼板Sが磁力FM1に吸引さ
れるため、鋼板Sがロール2に巻き付き、面接触とな
る。実験結果によれば、張力1kg/mm2、m×g≒
FM1の条件で面積補正係数αは20〜30となり、逆
ハの字ロール20〜30個分に相当するセンタリング力
をうることができる。張力が大きいと、巻き付き面積S
m(図8(a)の破線で示される三角形の領域の面積)
は小さくなるが、磁力FM1、FM2を大きくすること
ができ、一方、張力が小さいと巻き付き面積Smを大き
くすることができるが磁力FM1、FM2は鋼板の吸着
の観点から大きくできない、などの関係がある。したが
って、面積補正係数αは、前記張力または磁力などの変
化に応じて変化するため、固定値ではない。
【0038】
【数1】
【0039】(B:磁束密度(T)、So:磁石面積
(m2)、uo:真空中の透磁率(=4π×10-7)) およびF3X=F3×sinθ2 (10) F3Y=F3×cosθ2 (11) F4X=F4×sinθ2 (12) F4Y=F4×cosθ2 (13)
【0040】鋼板Sが所定の経路からずれて蛇行しよう
とするとき、左右いずれかのロール32にかかる分布荷
重m3、m4および磁石吸引力FM1、FM2のいずれ
かが大きくなる。そのため、前記F3XとF4Xとの差
がセンタリング力ΔF(=F4X−F3X)として鋼板
Sに作用することにより、鋼板Sは所定の経路に沿うよ
うに補正される。このとき、鋼板Sの自重による力およ
び磁石3の吸引力の合力により、鋼板Sが従来よりも強
くロール2に押し付けられるため、2〜3本のロール2
のみで数十本に相当する鋼板Sのセンタリング力をうる
ことができる。
【0041】図2〜3に示される磁石3は、磁石ブロッ
ク3aと、当該磁石ブロック3aを収納するための鋼板
Sに対向する面が開放された断面コの字状のフレーム3
bとから構成されている。磁石ブロック3aは、フレー
ム3b内部を移動することができ、位置決めツマミ(図
示せず)によって任意の位置に位置決めすることができ
る。
【0042】さらに、図3に示されるように、磁石3
は、前記所定の経路の中心線Cから鋼板Sの幅方向へ離
れるにつれて前記鋼板Sに近付くように傾斜されてい
る。
【0043】鋼板Sと磁石3との距離は、前記手順〜
および図7に基づいて設定される。磁石3が傾斜して
配置されたばあい、水平配置のばあいと比較して大きな
センタリング力ΔFをうることができる。この点につい
て、以下、図9〜10を見ながら詳細に説明する(な
お、図10は後述する図4に示される蛇行防止装置の磁
石3の配置と共通する)。
【0044】磁石3が傾斜して配置されたばあい(図9
参照)と水平配置のばあい(図10参照)の2つのばあ
いを見たばあい、鋼板Sが図9〜10の右側へ片寄った
ときに、鋼板Sが左右のローラから受ける幅方向の分力
F3X、F4Xは左右対称の位置から各々P1、P2へ移
動してセンタリング力ΔF(=F4X−F3X)が発生
する。図9〜10のセンタリング力ΔFを比較したばあ
い、磁石3を傾斜させた図9のセンタリング力ΔFの方
がはるかに大きい。なぜならば、前述のごとく、磁力が
距離の2乗に反比例するからである。一方、図10に示
されるように、磁石3が水平配置のばあいでは、左右一
対の磁石3をみれば吸引力は右側の磁石3の方が相対的
には強くなるが、鋼板Sの位置とF3XまたはF4Xと
の関係は比例関係だけでしかないため、結果的には図9
に示されるセンタリング力ΔFと比較して、図10に示
されるセンタリング力ΔFは小さくなる。
【0045】なお、他の実施の形態として、図4に示さ
れる磁石3のように、鋼板Sと平行になるように配置し
たばあいでも、鋼板Sの自重による力および磁石3の吸
引力の合力により、従来よりも強力な鋼板Sのセンタリ
ング力をうることができる。
【0046】さらに他の実施の形態として、図5に示さ
れるように、前記ロール2が所定の経路の中心線C付近
に配置された支点を中心として揺動しうるのが好まし
い。
【0047】図5に示される例では、揺動テーブル6が
ステージ4に対して支点であるピン5により揺動自在に
支持され、前記ロール2が揺動テーブル6に回転自在に
支持されている。かかる構成により、鋼板Sが蛇行し始
めれば、鋼板Sが片寄った方の磁石3の吸引力が、その
反対側より大きくなるため、鋼板Sおよびロール2がピ
ン5回りに揺動することにより、鋼板Sと磁石3とのあ
いだの距離を縮めることができる。それにより、磁石3
の吸引力を増大させることができる。その結果、磁石3
の吸引力を図3〜4のばあいと比較してさらに増大させ
ることができるため、鋼板Sのセンタリング力をさらに
強化することができ、鋼板Sの制御性(いいかえれば修
正動作の応答性)がよくなる。
【0048】さらに他の実施の形態として、図6に示さ
れるように、前記磁石3が所定の経路の中心線C付近に
配置された支点を中心として揺動しうるのが好ましい。
図6に示される例では、図5の場合と比較して、揺動テ
ーブル6にロール2の代わりに磁石3が設けられている
点で異なり、その他の点では図5と構成が共通してい
る。図6のばあいでは、鋼板Sが蛇行し始めれば、鋼板
Sが片寄った方の磁石3の吸引力が、その反対側より大
きくなるため、磁石3がピン5回りに揺動するため、鋼
板Sと磁石3とのあいだの距離を縮めることができる。
それにより、磁石3の吸引力を増大させることができ
る。また、前述と同様に、磁石3の吸引力を図3〜4の
ばあいと比較してさらに増大させることができるため、
鋼板Sのセンタリング力をさらに強化することができ、
鋼板Sの制御性がよくなる。
【0049】さらに他の実施例として、図5の例と図6
の例を組み合わせた例として、ロール2および磁石3の
両方をそれぞれ専用の揺動テーブル6上に設けて揺動可
能にすれば、図5〜6のばあいと比較して、さらに鋼板
Sと磁石3とのあいだの距離を縮めることができる。そ
れにより、磁石の吸引力をさらに増大させることがで
き、その結果、鋼板Sのセンタリング力をさらに強化す
るとともに鋼板Sの制御性をさらに向上することができ
る。
【0050】図5〜6に示されるように、前記ロール2
および/または磁石3が揺動する角度を規制するために
ストッパ7を有するのが好ましい。ストッパ7は、揺動
テーブル6に衝突することにより、前記ロール2または
磁石3が揺動する角度を規制することができる。ストッ
パ7として、ボルトなどを用いれば、ボルト先端の高さ
を調節することにより、任意の揺動角度を設定すること
ができる。
【0051】さらに、図5〜6に示されるように、前記
ロール2または磁石3が揺動するときに復原力を与える
弾性手段を有するのが好ましい。図5〜6では、弾性手
段として、引張コイルバネ8が用いられているが、その
他にもゴムなどの種々の公知の弾性手段を採用してもよ
い。弾性手段を用いることにより、鋼板Sの蛇行に伴っ
てロール2および/または磁石3が揺れ動いても迅速に
左右のバランスをとることができるため、姿勢を安定さ
せることができる点で好ましい。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、少ないロールで鋼板の
センタリング力を向上することができる。しかも、磁石
の吸引力を利用して鋼板をロールに押圧するため、垂直
パスでも使用することができ、しかも従来のように鋼板
を損傷させることがない。
【0053】したがって、フリーループなどの鋼板の拘
束力が非常に弱い場所において、磁石の吸引力により鋼
板を逆ハの字ロールに吸着することにより、鋼板に対し
てセンタリング力を付与することができるので、鋼板の
安定通板が可能になり、さらにラインの高速化が可能に
なる。
【0054】また、従来では、ロールに磁石を内蔵した
磁石ロールなどを使用することにより、ロール表面に鉄
粉が付着し、鋼板表面に傷を発生させてしまうなどの問
題が発生していたが、本発明では、ロールと磁石とを分
離し、かつ磁石と鋼板とを接触しないようにしているた
め、鋼板に対して傷を与える心配がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋼板の蛇行防止装置が設置される場所
を示す鋼板の経路の説明図である。
【図2】本発明の鋼板の蛇行防止装置の一実施例を示す
平面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】本発明の鋼板の蛇行防止装置の他の実施例を示
す水平に配置された磁石を有する蛇行防止装置の部分拡
大図である。
【図5】本発明の鋼板の蛇行防止装置のさらに他の実施
例を示すロールシーソ方式の蛇行防止装置の部分拡大図
である。
【図6】本発明の鋼板の蛇行防止装置のさらに他の実施
例を示す磁石シーソ方式の蛇行防止装置の部分拡大図で
ある。
【図7】図2の蛇行防止装置の鋼板と磁石との距離に対
する磁石の吸引力の関係を示す説明図である。
【図8】図2のロールに鋼板が巻き付く様子を示す説明
図である。
【図9】図2の蛇行防止装置において、鋼板が片寄った
ときに発生するセンタリング力ΔFの大きさを示す説明
図である。
【図10】図4の蛇行防止装置において、鋼板が片寄っ
たときに発生するセンタリング力ΔFの大きさを示す説
明図である。
【図11】従来の逆ハの字ロール方式の鋼板の蛇行防止
装置の平面図である。
【図12】従来のサイドガイドロール方式の鋼板の蛇行
防止装置の正面図である。
【符号の説明】
1 蛇行防止装置 2 ロール 3 磁石 4 ステージ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の経路に沿って連続的に通板される
    帯状の鋼板を支持する複数の組のロールが前記所定の経
    路の中心線から鋼板の幅方向へ離れるにつれて前記鋼板
    の搬送方向における下流側に向かうように逆ハの字状に
    傾いて配置された鋼板の蛇行防止装置であって、 前記鋼板の搬送方向に並ぶ隣接する2個のロールのあい
    だに前記鋼板に接触しないように磁石が配設されてなる
    鋼板の蛇行防止装置。
  2. 【請求項2】 前記磁石が前記所定の経路の中心線から
    鋼板の幅方向へ離れるにつれて前記鋼板に近付くように
    傾斜されてなる請求項1記載の鋼帯の蛇行防止装置。
  3. 【請求項3】 前記ロールが前記所定の経路の中心線付
    近に配置された支点を中心として揺動しうる請求項1ま
    たは2記載の鋼帯の蛇行防止装置。
  4. 【請求項4】 前記磁石が前記所定の経路の中心線付近
    に配置された支点を中心として揺動しうる請求項1、2
    または3記載の鋼帯の蛇行防止装置。
  5. 【請求項5】 前記ロールまたは磁石が揺動する角度を
    規制するためのストッパを有する請求項3または4記載
    の鋼帯の蛇行防止装置。
  6. 【請求項6】 前記ロールまたは磁石が揺動するときに
    復原力を与える弾性手段を有する請求項3、4または5
    記載の鋼帯の蛇行防止装置。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5または6記載
    の鋼帯の蛇行防止装置を用いた鋼板の蛇行防止方法であ
    って、 前記鋼板がループ状にたわみ、張力が実質的にかからな
    い垂直パスに前記蛇行防止装置を設置して鋼板の蛇行防
    止を行なう鋼板の蛇行防止方法。
JP02578298A 1998-02-06 1998-02-06 鋼板の蛇行防止装置およびそれを用いた鋼板の蛇行防止方法 Expired - Fee Related JP3443305B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02578298A JP3443305B2 (ja) 1998-02-06 1998-02-06 鋼板の蛇行防止装置およびそれを用いた鋼板の蛇行防止方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02578298A JP3443305B2 (ja) 1998-02-06 1998-02-06 鋼板の蛇行防止装置およびそれを用いた鋼板の蛇行防止方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11221609A true JPH11221609A (ja) 1999-08-17
JP3443305B2 JP3443305B2 (ja) 2003-09-02

Family

ID=12175414

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02578298A Expired - Fee Related JP3443305B2 (ja) 1998-02-06 1998-02-06 鋼板の蛇行防止装置およびそれを用いた鋼板の蛇行防止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3443305B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020048156A (ko) * 2000-12-16 2002-06-22 이구택 강판 스트립의 센터링 유도장치
JP2005240117A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Jfe Steel Kk 帯状体の蛇行矯正方法及び装置
JP2006097106A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Jfe Steel Kk 鋼帯の蛇行矯正方法および装置
JP2007204193A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Jfe Steel Kk 鋼帯の連続通板ラインにおける蛇行矯正方法および装置
JP2010240703A (ja) * 2009-04-08 2010-10-28 Jfe Steel Corp 金属帯の搬送設備
KR101204836B1 (ko) * 2010-06-29 2012-11-26 현대제철 주식회사 소재 이송장치
KR101225770B1 (ko) * 2010-10-27 2013-01-23 현대제철 주식회사 스트립 이송장치
KR101225763B1 (ko) * 2010-06-29 2013-01-23 현대제철 주식회사 스트립 이송장치
KR101310832B1 (ko) * 2011-09-29 2013-09-25 현대제철 주식회사 소재 교정장치
KR101330541B1 (ko) * 2011-09-29 2013-11-18 현대제철 주식회사 스트립 이송장치
KR101330543B1 (ko) * 2011-10-28 2013-11-18 현대제철 주식회사 스트립 이송장치
CN117583405A (zh) * 2024-01-18 2024-02-23 三鑫特材(常州)股份有限公司 一种钢锭轧制用调头机

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020048156A (ko) * 2000-12-16 2002-06-22 이구택 강판 스트립의 센터링 유도장치
JP2005240117A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Jfe Steel Kk 帯状体の蛇行矯正方法及び装置
JP2006097106A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Jfe Steel Kk 鋼帯の蛇行矯正方法および装置
JP2007204193A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Jfe Steel Kk 鋼帯の連続通板ラインにおける蛇行矯正方法および装置
JP2010240703A (ja) * 2009-04-08 2010-10-28 Jfe Steel Corp 金属帯の搬送設備
KR101225763B1 (ko) * 2010-06-29 2013-01-23 현대제철 주식회사 스트립 이송장치
KR101204836B1 (ko) * 2010-06-29 2012-11-26 현대제철 주식회사 소재 이송장치
KR101225770B1 (ko) * 2010-10-27 2013-01-23 현대제철 주식회사 스트립 이송장치
KR101310832B1 (ko) * 2011-09-29 2013-09-25 현대제철 주식회사 소재 교정장치
KR101330541B1 (ko) * 2011-09-29 2013-11-18 현대제철 주식회사 스트립 이송장치
KR101330543B1 (ko) * 2011-10-28 2013-11-18 현대제철 주식회사 스트립 이송장치
CN117583405A (zh) * 2024-01-18 2024-02-23 三鑫特材(常州)股份有限公司 一种钢锭轧制用调头机
CN117583405B (zh) * 2024-01-18 2024-04-05 三鑫特材(常州)股份有限公司 一种钢锭轧制用调头机

Also Published As

Publication number Publication date
JP3443305B2 (ja) 2003-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11221609A (ja) 鋼板の蛇行防止装置およびそれを用いた鋼板の蛇行防止方法
JP2958839B2 (ja) 自動原稿搬送装置
JP2752579B2 (ja) ベルトコンベヤ乗継部の支持装置
US3089697A (en) Stack conditioning apparatus
JP4064061B2 (ja) シート状材料搬送装置
JP2001058751A (ja) 印刷装置の排紙機構
JPH04303363A (ja) 枚葉紙のガイド装置
JP2664555B2 (ja) シート材の送り装置
JPH0420443A (ja) シート搬送装置
JPH061553Y2 (ja) アライナ装置
JPS62264151A (ja) テンタ−クリツプ装置
JPH0952613A (ja) ローラーチェン用ガイドレール
EP0545443A1 (en) Conveyor belt return training device
JP2930041B2 (ja) 紙葉類供給機構
JP4382407B2 (ja) 媒体幅寄せ装置
KR950007147Y1 (ko) 급지장치
JPS6312556A (ja) 搬送金属板のステアリング装置
JPS60171936A (ja) 給紙カセツト
JPH09255119A (ja) リニヤ式2重ベルトコンベア
CA2021815A1 (en) Tray of discharged paper for recording apparatus
JP3530350B2 (ja) 給紙分離装置
JPS6357446A (ja) 給紙装置
JP2766454B2 (ja) ベルトサンダー
JP2560040Y2 (ja) 物品搬送用トレイ
JPH0432431A (ja) 用紙分離装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030527

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080620

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090620

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090620

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100620

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100620

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110620

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110620

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120620

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130620

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130620

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130620

Year of fee payment: 10

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130620

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees