JPH11217125A - 画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フロントローディング方式の画像形成装置に
おいて装置本体から給紙トレイを取り外すことなく、用
紙の補給やジャム処理の為の作業を作業性良く安全に行
うことを可能とした画像形成装置を提供する。 【解決手段】 画像形成装置本体１の前面下方に形成し
た開口４内の収納位置に出入れ自在に収納され、収納位
置から前方に移動することにより開口から引き出される
給紙トレイ５を備えた画像形成装置において、給紙トレ
イは、給紙トレイ内に用紙の補給が可能となる補給位置
と、該補給位置から更に前方に引き出したガイド離脱位
置において給紙トレイの奥側一点２７を支点として給紙
トレイを水平に回動させることにより開口前方から退避
させるジャム取り位置に移動し得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は複写機、プリンタ、
ファクシミリ装置等の画像形成装置において使用される
給紙装置の改良に関し、特にフロントローディング方式
の画像形成装置において装置本体から給紙トレイを取り
外すことなく、用紙の補給やジャム処理の為の作業を効
率良く安全に行うことを可能とした画像形成装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】省スペース化に有利である為に現在主流
となっているフロントローディング方式の画像形成装置
は、画像形成部、スキャナ等を備えた装置本体上部と、
給紙装置を備えた装置本体下部とから成り、給紙装置を
構成する給紙トレイを装置本体下部の前面に設けた開口
内の収納位置から前後方向に引出し可能に支持してい
る。また、給紙装置においては、給紙トレイの引出し方
向と直交する方向に給紙トレイ上の用紙を引き出して上
部に位置する画像形成部に搬送するようにしている。こ
のように給紙トレイの引出し方向と給紙方向とが直交し
ているため、給紙トレイから少し引き出された状態でジ
ャムした用紙を取り除く為に給紙トレイを手前側に引き
出そうとすると、給紙ローラ対等により一部をニップさ
れた状態のジャム用紙を無理に手前側へ引き出すことに
なるので、用紙が破れて一部が給紙トレイの奥側位置に
残ったり、或は破れないまでもクシャクシャになった用
紙が人手を入れることができない奥側へ偏移し易くな
り、その結果ユーザサイドでのジャム処理が不可能とな
り、サービスマンを呼ぶ必要が発生することとなる。こ
のような不具合をなくする為に、現状では給紙トレイを
装置本体の開口から引き出して取り外すことができるよ
うに構成し、用紙の補給時には給紙トレイを引き出した
状態で補給作業を行い、ジャム処理時には給紙トレイを
装置本体から取り外して処理を行うようにしたものが一
般的である。しかしこのような構成であると、ジャム処
理の為に重い給紙トレイを取り外す必要がある為作業性
が悪くなり、また取り外した給紙トレイを一時的に載置
する場所も必要となるので、作業スペースの確保等の必
要性も発生し、更に作業性、操作性が悪化する。

【０００３】このような不具合を解消する手段として本
出願人は次のような給紙装置を提案した（未公知）。即
ち、この給紙装置は、フロントローディング方式の画像
形成装置の給紙装置において、給紙トレイを用紙補給が
可能となる第１の位置と、該第１の位置よりも更に引き
出した第２の位置に２段階式に引出し可能に構成し、第
１の位置では補給性を損なわない程度に給紙トレイを必
要十分なだけ引き出す一方で、第２の位置では給紙トレ
イを第１の位置よりも更に引き出すので、給紙装置奥部
に位置するジャム用紙に手が届くまで、開口から腕を深
く差し入れることが可能となり、ジャム取り操作性を向
上することができる。また、給紙トレイをジャム取り可
能な第２の位置まで引き出した時には装置本体内部の電
源を切ることにより、装置内部に差し入れられた人手が
電気部や駆動部に触れても怪我する虞れを無くし、その
結果各部に保護カバー等を設ける必要をなくして、コス
トダウンを図ることができる。更に、画像形成装置本体
が通常の動作中には、給紙トレイを第２の位置まで引出
すことができないように構成することにより、画像形成
動作中に誤って第２の位置まで引き出すことにより電源
断となって用紙ジャムが発生するという事態を未然に防
止することができる。しかし、この給紙装置にあって
は、ジャム処理時に給紙トレイを直線的に画像形成装置
の前面方向に引き出せるだけであるので、給紙トレイを
ジャム処理の為の第２の位置に引き出した場合において
も、画像形成装置側の開口内に腕を十分に差し入れるに
は依然として給紙トレイが邪魔となり、ジャム処理作業
性を十分に高めることはできなかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、フロントローディング方式の画像形成装置
において装置本体から給紙トレイを取り外すことなく、
用紙の補給やジャム処理の為の作業を作業性良く安全に
行うことを可能とした画像形成装置を提供することにあ
る。更に詳細には、給紙トレイを装置本体から単に引き
出しただけでは不十分であったジャム処理時の作業スペ
ースを十分に確保して作業性を向上するとともに、作業
時の安全性向上、更なる作業性の向上を図ることを課題
とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、請求項１の発明は、画像形成装置本体の前面下方に
形成した開口内の収納位置に出入れ自在に収納され、収
納位置から前方に移動することにより開口から引き出さ
れる給紙トレイを備えた画像形成装置において、上記給
紙トレイは、給紙トレイ内に用紙の補給が可能となる引
出し位置としての補給位置と、該補給位置から更に前方
に引き出したガイド離脱位置において給紙トレイの奥側
一点を支点として給紙トレイを水平に回動させることに
より開口前方から退避させるジャム取り位置に移動し得
ることを特徴とする。請求項２の発明は、記画像形成装
置本体内において用紙がジャムを起こした時のみ、上記
給紙トレイを上記ガイド離脱位置に引出し可能とするス
トッパ機構を備えたことを特徴とする。請求項３の発明
は、上記給紙トレイを上記ガイド離脱位置に引き出すこ
とを阻止するストッパ機構を備え、上記画像形成装置本
体側に設けた操作部を操作することにより上記ストッパ
機構を解除状態にし、画像形成装置本体内でジャムが発
生していない時であっても、上記給紙トレイをガイド離
脱位置に引出し可能としたことを特徴とする。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した形態
例により詳細に説明する。図１は本発明のフロントロー
ディング方式の画像形成装置の一例の外観斜視図であ
り、図２(a) は図１の装置本体を平面Ａ−Ａ−Ａ’−
Ａ’で切断した横断面図、(b) は(a) のＢ−Ｂ断面図で
ある。また、図３は給紙トレイを用紙補給位置に引き出
した状態を示す横断面図、図４はガイド離脱位置に引き
出した状態を示す横断面図である。図１に示した画像形
成装置は、所謂フロントローディング方式であり、上面
に自動原稿給紙装置２を装備した画像形成装置本体１
は、その内部上方に図示しないスキャナや、画像形成部
を備えると共に、下方には給紙装置３を備えている。こ
の給紙装置３は、装置本体１の前面下部に設けた開口４
内の収納位置に給紙トレイ５を前方へ向けて引出し自在
に支持している。各給紙トレイ５に対しては、夫々給紙
トレイ上に用紙を給紙する為の給紙機構（呼び出しコ
ロ、給紙コロ等）が設けられており、給紙機構による用
紙の取り出し方向は給紙トレイ５の引出し方向と直交す
る方向となっている。符号６は操作部であり、操作部６
に設けた各種キー、スイッチ類を操作することにより、
画像形成装置に所望のジョブを実行させることができ
る。給紙トレイ５は、前面板１０と、前面板１０の内側
に一体化され上面に用紙の収容部１２を有したトレイ本
体１１と、収容部１２内において用紙束Ｐの両側面をガ
イドするサイドフェンス１５と、用紙束Ｐの後端面をガ
イドするエンドフェンス１６と、を有する。トレイ本体
１１の奥側の左右両端縁には夫々短尺の第１の突出部２
０と、長尺の第２の突出部２１を一体的に形成する。各
突出部２０、２１は、いずれも給紙トレイの引出し方向
と平行に延びている。第１の突出部２０を含むトレイ本
体１１の左側端縁は、給紙装置３側に設けた断面Ｌ字型
の第１のレール２５によって引出し方向へ進退可能に支
持される。第２の突出部２１を含むトレイ本体１１の右
側端縁は給紙装置側に設けた断面コ字型の第２のレール
２６により引出し方向へ進退可能に支持されると共に、
第２の突出部２１の奥側上面に突設した突起２７が第２
のレール２６の上面に形成したガイドスリット２８に遊
嵌している。ガイドスリット２８は、給紙トレイの引出
し方向と平行に延び、開口４の前端近傍まで延在してい
る。

【０００７】第２のレール２６の手前側適所には、スト
ッパ機構３０が配置されている。このストッパ機構３０
は、給紙装置内の適所に固定されたブラケット３１と、
ブラケット３１上に固定されたソレノイド３２と、ブラ
ケット３１の上面適所に突設された軸３１ａによって水
平方向に回動自在に支持されると共にソレノイド３２の
プランシャ３２ａに対して一端部を回動可能に連結され
たストッパ片３３と、ストッパ片３３の他端部とブラケ
ット３１の適所との間に張設されてストッパ片３３を図
２(a) の時計廻り方向に付勢するコイルバネ等の弾性体
３４とを有する。ストッパ片３３はストッパ突起３３ａ
を有し、図２(a) に示した給紙トレイの収納状態におい
ては、このストッパ突起３３ａがガイドスリット２８に
沿った突起２７の移動経路に突出している。要するにス
トッパ機構３０は、給紙トレイが図３に示した用紙補給
位置から図４に実線で示したガイド離脱位置まで移動す
ることを阻止する手段であり、ストッパ機構３０が解除
されることにより、ガイド離脱位置までの引出しが可能
となる。

【０００８】以上の構成を備えた給紙装置において、図
３及び図４に基づいて用紙補給状態と、ジャム取り状態
について説明する。まず図３の用紙補給状態は、給紙ト
レイ５を用紙を補給し易い位置に引き出した状態であ
り、ジャム発生時以外は、図示のようにストッパ片３３
のストッパ突起３３ａが第２の突出部２１上に突出した
突起２７の移動経路に突出して、突起２７のそれ以上の
引出し方向への移動を禁止している。つまり、ソレノイ
ド３２がＯＦＦの状態にある為、弾性部材３４の力によ
りストッパ片３３は図示の突出位置に保持される。な
お、画像形成装置内、特に給紙装置内においてジャム発
生が検知された場合、図示しない制御部（ＣＰＵ、ＲＯ
Ｍ、ＲＡＭ、Ｉ／Ｏポート）は、ソレノイド３２をＯＮ
させてプランジャ３２ａを弾性部材３４に抗して引っ込
め、ストッパ片３３を反時計廻り方向に回動させてスト
ッパ突起３３ａを突起２７の移動経路から退避させる
（図４参照）。この結果、給紙トレイ５を図４に実線で
示したガイド離脱位置まで引き出すことが可能となる。
給紙トレイをガイド離脱位置まで引き出すと、トレイ本
体１１の奥側に突出する短尺な第１の突出部２０が第１
のレール２５の先端部から離脱し、その結果、トレイ本
体１１は鎖線で示すように突起２７を中心として反時計
廻り方向へ水平に回動することが可能となる。鎖線で示
したように給紙トレイ本体１１が開口４の前面から退避
した位置がジャム取り位置であり、この位置においては
開口４が給紙トレイによって邪魔されていないので、人
手を開口４から差し入れて給紙装置内部のジャム発生部
に位置するジャム紙を除去する作業を容易に行うことが
できる。しかも、ジャム発生には自動的に画像形成装置
の駆動が停止し、電源も断となるように構成することに
より、給紙装置内部の電気部品、駆動部品に人手が接し
て怪我等をすることがなくなる。また、これらの部品に
保護カバーを設ける必要もなくなるので、コストダウン
を図ることができる。なお、ソレノイド３２のＯＮ、Ｏ
ＦＦを、装置本体の操作部６に設けたスイッチ等を操作
することにより実現することにより、ジャム発生時以外
であっても、給紙トレイをガイド離脱位置に引き出した
上でジャム取り位置に回動させて退避させることができ
る。即ち、このように構成すれば、ジャム発生時以外に
おいて給紙装置内に手を差し入れた作業を行う必要があ
る場合、例えば、給紙トレイ上に用紙を大量に積載し過
ぎた場合等に用紙が給紙トレイ奥側から装置内に落下し
た場合等に便利である。

【０００９】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、フロント
ローディング方式の画像形成装置において装置本体から
給紙トレイを取り外すことなく、用紙の補給やジャム処
理の為の作業を作業性良く安全に行うことを可能とした
画像形成装置を提供するができ、更に詳細には、給紙ト
レイを装置本体から単に引き出しただけでは不十分であ
ったジャム処理時の作業スペースを十分に確保して作業
性を向上するとともに、作業時の安全性向上、更なる作
業性の向上を図ることができる。即ち、請求項１の発明
では、用紙補給に適した第１の引出し位置から更に引き
出したガイド離脱位置まで引出し可能に構成し、更にガ
イド離脱位置において給紙トレイをその奥側一支点を中
心として水平方向に回動させることができるので、給紙
トレイを装置本体の開口の前方から完全に退避させるこ
とができ、その結果ジャム取り作業時のために手を開口
内に差し入れるに際して給紙トレイが障害となることが
ない。また、請求項２の発明では、装置本体内でジャム
が発生した時のみ、ストッパ機構を解除して、給紙トレ
イが用紙補給位置からガイド離脱位置（ジャム取り位
置）に移動することを許容するので、用紙補給時等のジ
ャム発生時以外に誤って給紙トレイを用紙の補給位置か
ら更に引き出して給紙トレイを回動させてジャム取り位
置に移動させることがなくなる。このため、ユーザは、
補給の為に給紙トレイを引き出しただけであるのに給紙
トレイが回動した結果、給紙トレイに身体をぶつける等
の事故の発生を未然に防止して安全性を高めることがで
きる。請求項３の発明では、ストッパ機構、即ちソレノ
イドのＯＮ、ＯＦＦを、装置本体の操作部に設けたスイ
ッチ等を操作することにより実現することにより、ジャ
ム発生時以外であっても、給紙トレイをガイド離脱位置
に引き出した上でジャム取り位置に回動させて退避させ
ることが可能となる。即ち、このように構成すれば、ジ
ャム発生時以外において給紙装置内に手を差し入れた作
業を行う必要がある場合、例えば、給紙トレイ上に用紙
を大量に積載し過ぎた場合等に用紙が給紙トレイ奥側か
ら装置内に落下した場合等に便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のフロントローディング方式の画像形成
装置の一例の外観斜視図。

【図２】(a) は図１の装置本体を平面Ａ−Ａ−Ａ’−
Ａ’で切断した横断面図、(b) は(a) のＢ−Ｂ断面図。

【図３】給紙トレイを用紙補給位置に引き出した状態を
示す横断面図。

【図４】ガイド離脱位置に引き出した状態を示す横断面
図。

【符号の説明】

１ 画像形成装置本体、２ 自動原稿給紙装置、３ 給
紙装置、４ 開口、５給紙トレイ、６ 操作部、１０
前面板、１１ トレイ本体、１２ 収容部、１５ サイ
ドフェンス、１６ エンドフェンス、２０ 第１の突出
部、２１ 第２の突出部、２５ 第１のレール、２６
第２のレール、２７ 突起、２８ ガイドスリット、３
０ ストッパ機構、３１ ブラケット、３２ ソレノイ
ド、３３ストッパ片。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像形成装置本体の前面下方に形成した
   開口内の収納位置に出入れ自在に収納され、収納位置か
   ら前方に移動することにより開口から引き出される給紙
   トレイを備えた画像形成装置において、 上記給紙トレイは、 給紙トレイ内に用紙の補給が可能となる引出し位置であ
   る補給位置と、該補給位置から更に前方に引き出したガ
   イド離脱位置において給紙トレイの奥側一点を支点とし
   て給紙トレイを水平に回動させることにより開口前方か
   ら退避させるジャム取り位置に移動し得ることを特徴と
   する画像形成装置。
2. 【請求項２】 上記画像形成装置本体内において用紙が
   ジャムを起こした時のみ、上記給紙トレイを上記ガイド
   離脱位置に引出し可能とするストッパ機構を備えたこと
   を特徴とする請求項１記載の画像形成装置。
3. 【請求項３】 上記給紙トレイを上記ガイド離脱位置に
   引き出すことを阻止するストッパ機構を備え、 上記画像形成装置本体側に設けた操作部を操作すること
   により上記ストッパ機構を解除状態にし、画像形成装置
   本体内でジャムが発生していない時であっても、上記給
   紙トレイをガイド離脱位置に引出し可能としたことを特
   徴とする請求項１記載の画像形成装置。