JPH11207915A - 化粧シート及び化粧板 - Google Patents

化粧シート及び化粧板

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JPH11207915A
JPH11207915A JP2504398A JP2504398A JPH11207915A JP H11207915 A JPH11207915 A JP H11207915A JP 2504398 A JP2504398 A JP 2504398A JP 2504398 A JP2504398 A JP 2504398A JP H11207915 A JPH11207915 A JP H11207915A
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JP
Japan
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formaldehyde
layer
decorative
decorative sheet
sheet
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JP2504398A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Horio
義明 堀尾
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害なホルムアルデヒドの捕捉機能を有する
化粧シートとそれを貼着した化粧板を提供することであ
る。 【解決手段】 基材シートの一方の面に装飾処理層、表
面保護層が順次形成された化粧シートにおいて、少なく
とも前記表面保護層にホルムアルデヒド捕捉剤が含有さ
れている化粧シートとそれを貼着した化粧板とすること
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種家具類や建築
内装材等に用いられる化粧シートあるいは化粧板に関す
るものであり、基材からの放出あるいは屋内の他の部材
から放出されるホルムアルデヒドを捕捉する機能を有す
る化粧シートあるいは化粧板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の化粧シートは、基材シー
トに紙又は合成樹脂シートを使用し、これに印刷を施し
てなる印刷シートがそのまま用いられ、被着体の表面に
貼り合わせて化粧板として使用されている。ところが、
化粧シートを貼り合わせる被着体の中には、ホルムアル
デヒドを発生させる材料が用いられているものが多く存
在する。たとえば、木材合板、パーティクルボード、木
質繊維板(主にMDF)等を形成するための接着剤、F
RPを構成する樹脂、あるいは、樹脂基体を構成する樹
脂それ自体に尿素樹脂等のホルムアルデヒド発生物質が
用いられている。従って、このような被着体に印刷シー
トをそのまま貼り合わせるだけであると、ホルムアルデ
ヒドが室内等に放出され、室内の衛生環境を損なうこと
になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、これらの被着
体からのホルムアルデヒドの放出を防止する方法として
数多くの提案がなされている。たとえば、酢酸ビニル系
樹脂等のホルムアルデヒドを含まない樹脂を使用した
り、尿素樹脂等のホルムアルデヒドを発生する樹脂の中
に有機アミノ化合物からなるホルムアルデヒド捕捉物質
を添加するなどの対策が採られているが、ホルムアルデ
ヒドを含まない樹脂は接着力が弱いために、合板の場合
には層間の接着力が不十分になる(特に初期接着力が弱
い)という問題があり、パーティクルボード、木質繊維
板、FRPの場合には強度等の物性が変わってしまうと
いう問題がある。また、ホルムアルデヒド捕捉物質を被
着体自体に添加して使用すると、価格が高くなる上に、
出来上がったものの物性が変わる恐れがあるという問題
点もある。また、化粧板に化粧シートを貼着する接着剤
からもホルムアルデヒドが放出される恐れがあるという
問題もあった。
【0004】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、有害なホ
ルムアルデヒドの捕捉機能を有する化粧シートとそれを
貼着した化粧板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の解決手段は、基材シートの一方の面に装飾処
理層、表面保護層が形成された化粧シートにおいて、少
なくとも前記表面保護層にホルムアルデヒド捕捉剤が含
有されている化粧シートとすることである。こうするこ
とにより、必要な表面物性が得られる化粧シートの必須
構成要件のみにおいて、基材あるいは基材に化粧シート
を貼着するために使用する接着剤や、屋内に存在する他
の部材から発生するホルムアルデヒドを捕捉、吸着する
ため、屋内に存在するホルムアルデヒドの量を少なく、
あるいは無くすことができる。
【0006】また、前記基材シートと前記装飾処理層の
間、あるいは基材シートの他方の面にホルムアルデヒド
捕捉剤を含有するホルムアルデヒド捕捉層が形成されて
いる化粧シートとすることにより、さらに表面から、あ
るいは基材シート側からのホルムアルデヒドの捕捉、吸
着効果を高くすることができる。
【0007】前記基材シートが紙質系シートからなる化
粧シートとすることにより、通気性を有するものとな
り、基材から発生するホルムアルデヒドを捕捉、吸着す
るとともに、その通気性によりホルムアルデヒドが基材
端面から放出される可能性が少なくなるので、より有効
にホルムアルデヒド捕捉剤により捕捉、吸着し、表面へ
の放出をより少なくでき、屋内に存在するホルムアルデ
ヒドの量をさらに少なくすることができる。また、基材
への貼着についても、エマルジョン溶液等により簡易に
行うことが可能となる。
【0008】前記表面保護層がイソシアネート基により
ウレタン結合する樹脂からなる化粧シートとすることに
より、耐磨耗性、耐水性、耐汚染性、耐薬品性等の化粧
シートとして有効な表面物性を備えることができるもの
である。
【0009】また、イソシアネート基によりウレタン結
合する樹脂からなる表面保護層に含有されるホルムアル
デヒド捕捉剤をホルムアルデヒド捕捉物質を無機質系粒
子に担持させたものとすることにより、表面保護層を形
成するための溶液における状態で確実に分散し、均一な
塗膜を形成可能となるので、ホルムアルデヒドを捕捉、
吸着でき、また、表面保護層からホルムアルデヒド捕捉
剤を表出させることもできるので、安定したホルムアル
デヒドの捕捉、吸着性能も得ることが可能である。
【0010】さらに、無機質系粒子をシリカとすること
により、ホルムアルデヒド捕捉剤を溶液中あるいは、イ
ンキ中により多く入れることが可能となるので、ホルム
アルデヒドの捕捉、吸着性能を高くすることができる。
また、表面保護層自体を着色してしまうことがないので
利用し易く、さらに、粒子を比較的小さく形成できるの
で、表面保護層から表出する表面積を大きくすることも
可能であり、その点でも捕捉、吸着性能の優れたものと
できる。また、前記ホルムアルデヒド捕捉物質をスルフ
ァニル酸とすることにより、無機質系粒子に担持させや
すく、ホルムアルデヒドの捕捉、吸着効果を十分に得る
ことが可能となる。
【0011】また、前記化粧シートを、前記表面保護層
が形成されていない面を基材に貼着した化粧板とするこ
とにより、化粧板としての必要な要件である表面物性を
得るとともに、基材あるいは基材に化粧シートを貼着す
るために使用する接着剤や、屋内に存在する他の部材か
ら発生するホルムアルデヒドを捕捉、吸着するため、屋
内に存在するホルムアルデヒドの量を少なく、あるいは
無くすことができる。
【0012】さらに、前記化粧シートを貼着した面と反
対側にホルムアルデヒド捕捉性、ホルムアルデヒド不透
過性および防湿性のうち少なくとも1つを有する層を形
成した化粧板としてもよい。この化粧板は片面にホルム
アルデヒド捕捉性を有し、もう一つの面にホルムアルデ
ヒド捕捉性、あるいは、ホルムアルデヒド不透過性を有
しているため、基材あるいは基材に化粧シートを貼着す
るために使用する接着剤から発生するホルムアルデヒド
はホルムアルデヒド捕捉層中のホルムアルデヒド捕捉剤
により捕捉、吸着されるか、またはホルムアルデヒド不
透過性層によって遮断されるため、ホルムアルデヒドが
表面に放出されることがない。よってホルムアルデヒド
による刺激臭がすることの非常に少なくなるものであ
る。また、基材の裏面からの吸湿あるいは放湿による化
粧板自体の反りも防止できるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
を図面を参照しながら説明する。図1〜図3は本発明の
化粧シートの実施形態の積層構成を示す断面図、図4〜
図5は本発明の化粧板の実施形態の積層構成を示す断面
図であり、1a、1b、1cは化粧シート、2は基材シ
ート、3は装飾処理層、3aはベタインキ層、3bは絵
柄インキ層、4は表面保護層、5はホルムアルデヒド捕
捉層、6は基材、7は接着剤層、8は防湿層、8aは熱
可塑性樹脂層、8bは薄葉紙、10、20は化粧板をそ
れぞれ表している。
【0014】本発明の化粧シート1aの構成は図1に示
すように、基材シート2の上面にベタインキ層3aと絵
柄インキ層3bからなる装飾処理層3及び表面保護層4
を積層し、この表面保護層4にホルムアルデヒド捕捉剤
が含有されているものであり、このような構成とするこ
とにより、ホルムアルデヒドの捕捉・吸着を可能とした
ことを特徴としている。
【0015】また、本発明の化粧シートの第2の実施形
態の積層構成は図2に示すように、基材シート2の上面
にホルムアルデヒド捕捉層5及びベタインキ層3aと絵
柄インキ層3bからなる装飾処理層3を積層し、その上
からホルムアルデヒド捕捉剤を含有した表面保護層4を
設けた構成、あるいは図3に示すように、図1に示した
化粧シート1aの表面保護層4と反対側にホルムアルデ
ヒド捕捉層5を設けた構成とすることにより、さらに、
ホルムアルデヒドの捕捉、吸着効果を良くしたことを特
徴としている。
【0016】本発明に用いられる基材シート2として
は、例えば、薄葉紙、晒クラフト紙、チタン紙、板紙、
石膏ボード紙等の紙、ポリエチレンフイルム、ポリプロ
ピレンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリエチレ
ンテレフタレートフイルム、ポリカーボネートフイル
ム、ナイロンフイルム等のプラスチックフイルム等の単
層あるいは2種類以上の複数層からなるものであり、特
に重さが20〜80g/m2 の薄葉紙が、価格が安価で
あるだけでなく、基材への貼着にエマルジョン系接着剤
により簡易に行うことが可能であり、ホルムアルデヒド
捕捉層を形成する場合においても、塗工適性に優れてい
る点および通気性に優れている点から好ましいものであ
る。
【0017】また、基材シート2には、顔料又は染料の
練り込みによる着色インキによる着色ベタ層、例えば、
木目、石目、布目、皮絞、文字、図形等の模様を現出す
る絵柄印刷層及びこれらの印刷層を保護するための透明
樹脂層等の装飾処理層4がグラビア印刷、オフセット印
刷、スクリーン印刷等の通常の印刷方式によって形成さ
れている。装飾処理層4を形成する印刷インキは、硝化
綿/アルキッド系、セルロース系、塩化ビニル系、塩−
酢ビ系、アクリル系、アクリルポリオール系等の溶剤系
バインダー用樹脂を利用したものが用いられ、、木目の
「照り」を良く表現できるようにするためには、パール
顔料や金属粉などの光輝性顔料を添加したものが好まし
い。
【0018】次に、本発明の化粧シート、あるいは基材
に貼着された化粧板の最表面には、摩耗、水、化学薬品
等の影響から保護するために、透明性を有する樹脂から
なる表面保護層4が形成されている。使用される樹脂と
しては、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、二液硬化
ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂、フッ素樹脂等があり、特に、イソシアネート基に
よりウレタン結合する二液硬化ポリウレタン樹脂で表面
保護層が形成される場合には、耐磨耗性、耐水性、耐汚
染性、耐薬品性等の化粧シートとして有効な表面物性を
備えることができる。
【0019】ここで、表面保護層に含有される、代表的
なホルムアルデヒド捕捉剤としては、主に有機アミノ化
合物があり、この化合物はホルムアルデヒドと容易に反
応し、その生成物がホルムアルデヒドを解離せず、無害
で安定な物質であって、例えば、ジシアンジアミド、尿
素などのアミド類、エチレン尿素、プロピレン尿素、5
−ヒドロキシプロピレン尿素、5−メトキシプロピレン
尿素、5−メチルプロピレン尿素、パラバン酸(グリオ
キザールモノウイレン)、4,5−ジメトキシエチレン
尿素等の環状アルキレン尿素、ピロリジン、ピペリジ
ン、ホルモリン等の飽和環状第二アミン、2−ヒドラゾ
ベンゾチアゾールもしくはその誘導体、スルファニル酸
等のアミン類、酸イミド類などが挙げられる。また、必
要に応じて水酸化アンモニウムを添加してもよく、さら
には、上記のホルムアルデヒド捕捉物質を、シリカ、タ
ルク、クレー、ゼオライト、セピオライト等の無機質系
粒子に担持させたものとして用いることも可能である。
例えば、前述した化粧シートの表面保護層として適して
いるイソシアネート基によりウレタン結合する二液硬化
ポリウレタン樹脂からなる表面保護層の場合には、スル
ファニル酸等をシリカに担持させたホルムアルデヒド捕
捉剤を使用することにより、その効果を十分に発揮でき
るものとなり、さらに後述のホルムアルデヒド捕捉層5
と組み合わせることでホルムアルデヒド捕捉効果がより
大きくなるものである。
【0020】また、ホルムアルデヒド捕捉層5は、前記
基材シート2に、上記したホルムアルデヒド捕捉剤と同
様のものを、これらのホルムアルデヒド捕捉剤を含有す
る溶液を通常のグラビアコート、ロールコート、ナイフ
コート等の塗装機を用いて基材シート2面に塗工するこ
とにより形成される。これらのホルムアルデヒド捕捉剤
を混練りするバインダーとしては、例えばセルロース系
樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂等に、アルコール、酢酸エチル、トルエン等の有
機溶剤を適宜加え、必要に応じてその他の添加剤を加え
たものを用いることができる。また、上記表面保護層4
の場合と同様に、シリカ、タルク、クレー、ゼオライ
ト、セピオライト等の無機質系粒子に担持したものを用
いることで、混練りするバインダーの幅を広げることも
可能である。また、上記実施例では一方の面のみに塗工
した場合について説明を行っているが、両面に塗工形成
することにより、さらに捕捉、吸着効果を高くした構成
としてもよいものである。
【0021】また、ここでは特に説明を行わなかった
が、基材シート2の上面に形成される装飾処理層3、好
ましくはベタインキ層3aに、上記ホルムアルデヒド捕
捉層5を形成するのと同様にホルムアルデヒド捕捉剤を
含有させることにより、ホルムアルデヒド捕捉効果を奏
するようにすることも可能である。
【0022】本発明のホルムアルデヒド捕捉用シート1
bを貼着した化粧板の第1の実施形態の化粧板10の積
層構成を図4に示す。以下、既に説明した構成要素と同
一の符号によって表記し、重複する説明は省略する。化
粧板10は基材6の表面に接着剤層7を介して基材シー
ト2の上面にホルムアルデヒド捕捉層5及びベタインキ
層3aと絵柄インキ層3bからなる装飾処理層3を積層
し、その上からホルムアルデヒド捕捉剤を含有した表面
保護層4を設けた化粧シート1bを貼着した構成とさ
れ、化粧板としての必要な表面物性を得るとともに、基
材あるいは基材に化粧シートを貼着するために使用する
接着剤や、屋内に存在する他の部材から発生するホルム
アルデヒドを捕捉、吸着するため、屋内に存在するホル
ムアルデヒドの量を少なく、あるいは無くすことができ
るものである。
【0023】本発明の化粧板の第2の実施形態の化粧板
20の積層構成を図5に示す。本実施形態の化粧板20
は図4と同様の表面構成において、基材6の下面(裏
面)に接着剤層7を介して、熱可塑性樹脂層8aの両面
に薄葉紙8bを貼着した3層構造の防湿層8を貼着した
ものを示している。ここで、熱可塑性樹脂層8aはホル
ムアルデヒドを透過させにくい性能と防湿性を有してい
るため、基材6の吸湿または放湿による反りと、ホルム
アルデヒドの放出を同時に防止することができる。
【0024】また、基材6側の薄葉紙8b等に前述した
ホルムアルデヒド捕捉剤を含有した溶液を塗工すること
により、ホルムアルデヒド捕捉効果を有するものとして
も勿論良いものであり、さらには必要に応じて、抗菌剤
や防カビ剤等を本発明の化粧シート、あるいは化粧板の
基材以外の層に添加等を行い、必要な性能を有するもの
としても良いものである。さらに、防湿性やホルムアル
デヒド捕捉性を塗膜により形成したものとしても構わな
いものである。
【0025】本発明の化粧シート1a、1b、1cを貼
り合わせる基材6としては、ホルムアルデヒド発散性樹
脂を層間の接着剤として用いた木材合板(所謂集成材も
含む)、ホルムアルデヒド発散性樹脂をバインダーとす
る木質繊維板(MDF等)又はパーティクルボード等が
あり、その他に、本発明においては、ホルムアルデヒド
発散性樹脂単体、ホルムアルデヒド発散性樹脂を繊維質
材料と混練又は含浸して複合化したもの(広義のFR
P)等も用いることができる。
【0026】上記化粧板の第1、第2の実施形態におい
て、各基材への貼合せ方法としては、例えば、(1)接
着剤を間に介して板状基材に加圧ローラーで加圧して積
層する方法、(2)基材の表面に化粧シートを間に接着
剤層を介して対向乃至は載置し、基材側から真空吸引に
よる圧力差により化粧シートを基材表面に積層する方
法、(3)円柱、多角柱層の柱状基材の長軸方向に、化
粧シートを間に接着剤層を介して供給しつつ、複数の向
きの異なるローラーにより柱状体を構成する複数の側面
に順次化粧シートを加圧接着して積層していく、所謂ラ
ッピング加工方法等がある。なお本発明の化粧板は第1
の実施形態に示すような基材の一方の表面のみに貼られ
ただけのものでも効果を奏するが、より大きな効果を上
げるためには第2の実施形態に示すような構成の基材の
表裏両面に貼るのが好ましい。
【0027】実施例1 秤量30g/m2 の紙間強化薄葉紙(天間特殊製紙
(株)製「HP−30」)を使用し、その薄葉紙の上面
にセルロース系インキ(昭和インク工業所(株)製「S
AM」)を使用してグラビア印刷で着色ベタインキ層お
よび木目柄を印刷して装飾処理層を形成し、前記装飾処
理層上に2液硬化型ポリウレタン系樹脂塗料(ザ・イン
クテック(株)製「KR−92」)にスルファニル酸を
担持したシリカ系無機粒子からなるホルムアルデヒド捕
捉剤を20%添加した塗料を3g/m2 (乾燥時)にな
るように塗工、乾燥し、ホルムアルデヒド捕捉剤を含有
する表面保護層を形成して化粧シートAを得た。
【0028】実施例2 秤量30g/m2 の紙間強化薄葉紙(天間特殊製紙
(株)製「HP−30」)を使用し、その薄葉紙の上面
にホルムアルデヒド捕捉剤(三木理研(株)製「C−6
3」)を24%添加したアクリル−セルロース系塗料
(ザ・インクテック(株)製「FCコート液〔C〕」)
を2g/m2 (乾燥時)になるように塗工し、ホルムア
ルデヒド捕捉層を形成し、そのホルムアルデヒド捕捉層
の上面にセルロース系インキ(昭和インク工業所(株)
製「SAM」)を使用してグラビア印刷で着色ベタイン
キ層および木目柄を印刷して装飾処理層を形成し、前記
装飾処理層上に2液硬化型ポリウレタン系樹脂塗料(ザ
・インクテック(株)製「KR−92」)にスルファニ
ル酸を担持したシリカ系無機粒子からなるホルムアルデ
ヒド捕捉剤を20%添加した塗料を3g/m2 (乾燥
時)になるように塗工、乾燥し、ホルムアルデヒド捕捉
剤を含有する表面保護層を形成して化粧シートBを得
た。
【0029】実施例3 秤量30g/m2 の紙間強化薄葉紙(天間特殊製紙
(株)製「HP−30」)を使用し、その薄葉紙の上面
にホルムアルデヒド捕捉剤(三木理研(株)製「C−6
3」)を24%添加したアクリル−セルロース系塗料
(ザ・インクテック(株)製「FCコート液〔C〕」)
を2g/m2 (乾燥時)になるように塗工し、ホルムア
ルデヒド捕捉層を形成し、そのホルムアルデヒド捕捉層
の上面にセルロース系インキ(昭和インク工業所(株)
製「SAM」)を使用してグラビア印刷で着色ベタイン
キ層および木目柄を印刷して装飾処理層を形成し、前記
装飾処理層上に2液硬化型ポリウレタン系樹脂塗料(ザ
・インクテック(株)製「KR−92」)にホルムアル
デヒド捕捉物質であるスルファニル酸を担持したセピオ
ライト系無機粒子を15%添加したを3g/m2 (乾燥
時)になるように塗工、乾燥し、ホルムアルデヒド捕捉
剤を含有する表面保護層を形成して化粧シートCを得
た。
【0030】比較例1 秤量30g/m2 の紙間強化薄葉紙(天間特殊製紙
(株)製「HP−30」)を使用し、その薄葉紙の上面
にセルロース系インキ(昭和インク工業所(株)製「S
AM」)を使用してグラビア印刷で着色ベタインキ層お
よび木目柄を印刷して装飾処理層を形成し、前記装飾処
理層上に2液硬化型ポリウレタン系樹脂塗料(ザ・イン
クテック(株)製「KR−92」)を3g/m2 (乾燥
時)になるように塗工、乾燥し、表面保護層を形成して
化粧シートDを得た。
【0031】比較例2 秤量30g/m2 の紙間強化薄葉紙(天間特殊製紙
(株)製「HP−30」)を使用し、その薄葉紙の上面
にホルムアルデヒド捕捉剤(三木理研(株)製「C−6
3」)を24%添加したアクリル−セルロース系塗料
(ザ・インクテック(株)製「FCコート液〔C〕」)
を2g/m2 (乾燥時)になるように塗工し、ホルムア
ルデヒド捕捉層を形成し、そのホルムアルデヒド捕捉層
の上面にセルロース系インキ(昭和インク工業所(株)
製「SAM」)を使用してグラビア印刷で着色ベタイン
キ層および木目柄を印刷して装飾処理層を形成し、前記
装飾処理層上に2液硬化型ポリウレタン系樹脂塗料(ザ
・インクテック(株)製「KR−92」)を3g/m2
(乾燥時)になるように塗工、乾燥し、表面保護層を形
成して化粧シートEを得た。
【0032】上記の実施例1、2、3および比較例1、
2の各化粧シートA、B、C、D、Eを2.7mmのM
DF(E2規格品)の両面に酢酸ビニル系エマルジョン
型接着剤を用いてそれぞれ貼合せた化粧板を作製した。
【0033】そして、上記の化粧板から5×15cmの
試料片12枚を切り取り、その試料片を直径24cmの
デシケーター中に入れ、そのデシケーターの底部中央に
置いた結晶皿に300mlの蒸留水を入れ、20℃で2
4時間静置したあと、蒸留水に吸収されたホルムアルデ
ヒドの量をアセチルアセトン比色法で測定した。このよ
うにしてホルムアルデヒド濃度を測定した結果、ホルム
アルデヒドの水中濃度は、実施例1の化粧板で1.21
mg/l、実施例2の化粧板では0.53mg/l、実
施例3の化粧板で0.65mg/l、比較例1の化粧板
で1.70mg/l、比較例2の化粧板では1.14m
g/lであった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の化粧シー
トは、基材シートの一方の面に装飾処理層、表面保護層
が形成された化粧シートにおいて、少なくとも前記表面
保護層にホルムアルデヒド捕捉剤が含有されている化粧
シートとすることで、化粧シートを構成する必須構成要
件のみにて必要な表面物性が得られるとともに、基材あ
るいは基材に化粧シートを貼着するために使用する接着
剤や、屋内に存在する他の部材から発生するホルムアル
デヒドを捕捉、吸着できるため、屋内に存在するホルム
アルデヒドの量を少なく、あるいは無くすことができ
る。
【0035】また、基材シートと前記装飾処理層の間、
あるいは基材シートの他方の面にホルムアルデヒド捕捉
剤を含有するホルムアルデヒド捕捉層が形成されている
化粧シートとすることにより、さらに表面から、あるい
は基材シート側からのホルムアルデヒドの捕捉、吸着効
果を高くすることができ、さらに、基材シートが紙質系
シートからなる化粧シートとすることにより、通気性を
有するものとなり、基材から発生するホルムアルデヒド
を捕捉、吸着するとともに、その通気性によりホルムア
ルデヒドが基材端面から放出される可能性が少なくなる
ので、より有効にホルムアルデヒド捕捉剤により捕捉、
吸着し、表面への放出がより少なくなるので、屋内に存
在するホルムアルデヒドの量をさらに少なくすることが
できる。また、基材への貼着についても、エマルジョン
溶液等により簡易に行うことが可能である。
【0036】さらに、表面保護層がイソシアネート基に
よりウレタン結合する樹脂からなる化粧シートとするこ
とにより、耐磨耗性、耐水性、耐汚染性、耐薬品性等の
化粧シートとして有効な表面物性を備えることができる
ものである。また、その表面保護層に含有されるホルム
アルデヒド捕捉剤をスルファニル酸からなるホルムアル
デヒド捕捉物質をシリカからなる無機質系粒子に担持さ
せたものとすることにより、表面保護層を形成するため
の溶液における状態でより多くの量を確実に分散でき、
均一な塗膜を形成可能となるので、より多くのホルムア
ルデヒドを捕捉、吸着できる。また、表面保護層からホ
ルムアルデヒド捕捉物質を表出させることもできるの
で、化粧シートの表面からの安定したホルムアルデヒド
の捕捉、吸着性能も得ることが可能である。
【0037】また、前記化粧シートを、前記表面保護層
と反対面を基材に貼着した化粧板とすることにより、化
粧板としての必要な要件である表面物性を得るととも
に、基材あるいは基材に化粧シートを貼着するために使
用する接着剤や、屋内に存在する他の部材から発生する
ホルムアルデヒドを捕捉、吸着するため、屋内に存在す
るホルムアルデヒドの量を少なく、あるいは無くすこと
ができ、さらに、前記化粧シートを貼着した面と反対側
にホルムアルデヒド捕捉性、ホルムアルデヒド不透過性
および防湿性のうち少なくとも1つを有する層を形成し
た化粧板としてもよい。この化粧板は片面にホルムアル
デヒド捕捉性を有し、もう一つの面にホルムアルデヒド
捕捉性、あるいは、ホルムアルデヒド不透過性を有して
いるため、基材あるいは基材に化粧シートを貼着するた
めに使用する接着剤から発生するホルムアルデヒドはホ
ルムアルデヒド捕捉層中のホルムアルデヒド捕捉剤によ
り捕捉、吸着されるか、またはホルムアルデヒド不透過
性層によって遮断されるため、ホルムアルデヒドが表面
に放出されることがない。よってホルムアルデヒドによ
る刺激臭がすることの非常に少なくなるものである。ま
た、基材の裏面からの吸湿あるいは放湿による化粧板自
体の反りも防止できる化粧板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの第1の実施形態の積層構
成を示す断面図である。
【図2】本発明の化粧シートの第2の実施形態の積層構
成を示す断面図である。
【図3】本発明の化粧シートの第3の実施形態の積層構
成を示す断面図である。
【図4】本発明の化粧板の第1の実施形態の積層構成を
示す断面図である。
【図5】本発明の化粧板の第2の実施形態の積層構成を
示す断面図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c 化粧シート 2 基材シート 3 装飾処理層 3a ベタインキ層 3b 絵柄インキ層 4 表面保護層 5 ホルムアルデヒド捕捉層 6 基材 7 接着剤層 8 防湿層 8a 熱可塑性樹脂層 8b 薄葉紙 10、20 化粧板

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートの一方の面に装飾処理層、表
    面保護層が順次形成された化粧シートにおいて、少なく
    とも前記表面保護層にホルムアルデヒド捕捉剤が含有さ
    れていることを特徴とする化粧シート。
  2. 【請求項2】 前記基材シートと前記装飾処理層の間、
    あるいは基材シートの他方の面にホルムアルデヒド捕捉
    剤を含有するホルムアルデヒド捕捉層が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 【請求項3】 前記基材シートが紙質系シートからなる
    ことを特徴とする請求項1、2に記載のホルムアルデヒ
    ド捕捉用シート。
  4. 【請求項4】 前記表面保護層がイソシアネート基によ
    りウレタン結合する樹脂からなることを特徴とする請求
    項1〜3に記載する化粧シート。
  5. 【請求項5】 前記表面保護層に含有されるホルムアル
    デヒド捕捉剤がホルムアルデヒド捕捉物質を無機質系粒
    子に担持させたものであることを特徴とする請求項4に
    記載する化粧シート。
  6. 【請求項6】 前記無機質系粒子がシリカからなること
    を特徴とする請求項5に記載する化粧シート。
  7. 【請求項7】 前記ホルムアルデヒド捕捉物質がスルフ
    ァニル酸からなることを特徴とする請求項5、6に記載
    する化粧シート。
  8. 【請求項8】 前記請求項1〜7記載の化粧シートを前
    記表面保護層が形成されていない面を基材に貼着したこ
    とを特徴とする化粧板。
  9. 【請求項9】 前記基材の前記化粧シートを貼着した面
    と反対面にホルムアルデヒド捕捉性、ホルムアルデヒド
    不透過性および防湿性のうち少なくとも1つを有する層
    を形成したことを特徴とする請求項8記載の化粧板。
JP2504398A 1998-01-21 1998-01-21 化粧シート及び化粧板 Withdrawn JPH11207915A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002053838A (ja) * 2000-08-09 2002-02-19 Nankyou Efunika Kk アルデヒド除去用組成物
JP2005324488A (ja) * 2004-05-17 2005-11-24 Toppan Printing Co Ltd 化粧シート

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