JPH1120682A - 先頭車両用複合材構体の前頭部構造 - Google Patents

先頭車両用複合材構体の前頭部構造

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JPH1120682A
JPH1120682A JP9173925A JP17392597A JPH1120682A JP H1120682 A JPH1120682 A JP H1120682A JP 9173925 A JP9173925 A JP 9173925A JP 17392597 A JP17392597 A JP 17392597A JP H1120682 A JPH1120682 A JP H1120682A
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誠 古川
Koichi Ogura
孝一 小椋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複合材構体の先端開口を圧力隔壁で確実に遮
蔽できる先頭車両用複合材構体の前頭部構造を提供す
る。 【解決手段】 プラスチック成形体2Aからなる複合材
構体2の先端を車体の前後方向に対し直交する方向に分
割し、この分割位置の先端開口2Bを圧力隔壁8により
遮蔽した先頭車両用複合材構体1の前頭部構造で、プラ
スチック成形体2Aの先端周縁部2dを中実薄板状に形
成するとともに、先端周縁部2dを延長して開口2Bの
中心に向けて半径方向に折り曲げ、複合材構体2の先端
開口2Bに対応させてあらかじめ形成したアルミニウム
合金製の圧力隔壁8を先端周縁延長部11e上に添接し
てボルト孔18を穿設し、ボルト17で結合している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、新幹線などの先
頭車両用構体に関し、詳しくはプラスチック成形体から
なる複合材構体の先端を車体の前後方向に対し直交する
方向に分割し、この分割位置にできる前記構体の先端開
口を圧力隔壁により遮蔽した先頭車両用複合材構体の前
頭部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記した新幹線の先頭車両は、高速運転
時の空気抵抗を減少するために前頭部を流線形形状(曲
面形状ともいう)にしている。こうした先頭車両を含め
鉄道車両用複合材構体の骨組み21は、図6に示すよう
に、円弧状や逆U字状に連続する周方向材(横骨部材)
22と長手方向に連続する縦通材(縦骨部材)23と
の、それぞれが交差する位置にスリット(図示せず)を
設け、前記周方向材22と縦通材23とを前記交差位置
でスリット同士を嵌め合わせ、溶接して接合することに
より構体の骨組みを作る。そして、骨組み21の外面に
薄い金属製外板(図示せず)を添わせてハンマー等でた
たくことにより骨組み21の外面に相応する曲面形状に
加工し、溶接により接合して張り付けることにより、構
体を製作するというのが一般的である。また、構体を構
成する周方向材22、縦通材23および外板には、アル
ミニウム合金などの金属材料が使用されている。
【0003】この種の鉄道車両用構体の製作方法に関す
る先行技術として、例えば特開昭62−160954号
公報および特開昭62−160955号公報に記載の方
法がある。いずれの製作方法も、周方向材と縦通材の交
差部に対応するスリットをそれぞれ設け、スリット同士
を嵌合して溶接により接合するものである。また、複合
材を用いた高速型車両の先行技術として、特開平5−3
45567号公報および特開平7−96833号公報に
記載のものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の金属製
構体を用いた先頭車両用構体では、特に曲面形状を形成
するのが困難で製作に時間がかかるうえに、製作費用が
高く、車両重量の軽量化を図るのが難しいなどの問題点
がある。
【0005】そこで、主に曲面形状を要求される例えば
先頭車両の前頭部を、上記公報にも記載されているよう
に、プラスチック成形体からなる複合材構体を用いて製
作することが考えられる。しかし、こうした複合材構体
を製作するためには、次のような課題を解決しなければ
ならない。すなわち、 この種の複合材構体、すなわちプラスチック成形体
は一般にオートクレーブ成型法を使用して成形される
が、現在、日本に存在する最大級のオートクレーブ設備
でも、長さが12m程度であるから、全長16mの新幹
線車両用複合材構体の成形には小さく、構体全体を一体
成形することはできない。
【0006】 仮に新幹線車両用複合材構体を一体成
形できるとしても、道路交通法で規制された長さ(12
m)あるいは幅(3.5m)を超える場合には、各県警
の許可を採って誘導してもらわないと輸送できない。
【0007】 硬質プラスチック発泡体の芯材の表面
に繊維強化プラスチック材層の外皮を一体に被覆したサ
ンドイッチ構造のプラスチック成形体で構体を製作する
場合には、面外方向の引っ張りに弱いので、圧力隔壁を
外皮に直接結合すると、特に車両がトンネルに入ったと
きの圧力変動により、外皮が芯材から剥離するおそれが
ある。
【0008】 前照灯取付部は切り欠いて形成してい
るので、成形時の熱応力によって変形しやすく、構造上
も剛性が劣る。
【0009】この発明は、曲面形状の製作が容易で、低
コスト化および軽量化を図れるプラスチック成形体から
なる複合材構体を用いて新幹線の先頭車両用複合材構体
を製作する際に伴う上記課題を解決し、複合材構体の先
端開口を圧力隔壁で確実に遮蔽できる先頭車両用複合材
構体の前頭部構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の先頭車両用複合材構体の前頭部構造は、プ
ラスチック成形体からなる複合材構体の先端を車体の前
後方向に対し直交する方向に分割し、この分割位置にで
きる前記構体の先端開口を圧力隔壁により遮蔽した先頭
車両用複合材構体の前頭部構造であって、前記プラスチ
ック成形体の先端周縁部を中実薄板状に形成するととも
に、該先端周縁部を延長して前記先端開口中心に向け半
径方向に折り曲げ、前記複合材構体の前記先端開口に対
応させてあらかじめ形成した別体の圧力隔壁を前記先端
周縁延長部上に添接し、止具で結合している。
【0011】上記の構成を有する本発明の先頭車両用複
合材構体の前頭部構造によれば、プラスチック成形体か
らなる複合材構体の先端を前後方向に対し直交する方向
に分割したことで長さを短縮できるから、オートクレー
ブ成型法での一体成形が可能になり、精度が高く、また
加熱の際に圧力を加えるため、成形体の内部に気泡が発
生しにくく、耐衝撃力(特に耐鳥衝突力)に優れたプラ
スチック成形体を製造できる。また、通常のトラック便
によるプラスチック成形体の輸送が可能になるため、複
合材の成形工場と車両の組立工場とが離れていても、制
約がなく、低コスト化が図れる。さらに、複合材構体の
先端(開口)と圧力隔壁との結合を、中実薄板状に一体
に硬化させた先端周縁部を延長して半径方向内方に折り
曲げた部分に、別体の圧力隔壁を添接し、止具で結合す
ることにより行うので、剛性が高く、十分な結合強度が
得られる。このため、複合材構体が例えば前照灯取付部
のように切り欠きされた部分を備え、その近傍に圧力隔
壁を結合する場合でも、成形時の変形が少なく、確実に
結合できる。また、プラスチック成形体はオートクレー
ブ成型法などにより金型を用いて一体に成形されるの
で、寸法精度が高く、したがって圧力隔壁を精度よく製
作することにより、結合作業が効率よくかつ容易に行え
る。さらに、圧力隔壁を結合して複合材構体の先端開口
を遮断する構造にして室内の気密性を保てるようにした
ので、先頭車両用複合材構体が軽量で曲面形状の成形が
容易で仕上がりが美しく、疲労強度に優れ、耐久性に富
み、長期間安定した高速走行が可能になる。
【0012】請求項2記載のように、前記圧力隔壁の前
方に連結器を配置し、この連結器用カバーの一端周縁部
を、前記プラスチック成形体の先端周縁部上に添接し、
止具で結合することができる。
【0013】請求項2記載の先頭車両用複合材構体の前
頭部構造によれば、圧力隔壁より前方は内部を密閉する
必要がないため、トンネルに入ったとき等にも外側と内
側との間に風圧による圧力差が生じず、したがって必要
な強度さえ確保できれば気密性を考慮することなく、プ
ラスチック成形体の先端に連続させて止具で簡単に結合
できる。前記連結器カバーは、複合材構体の前方に配置
され、新幹線の先頭車両では通常、曲面形状をなす部分
であるので、プラスチック成形板で形成することにより
加工精度が高く、外観が美しく仕上がるが、強度上から
繊維強化プラスチック板で形成するのが望ましい。
【0014】請求項3記載のように、前記プラスチック
成形体を、芯材としての硬質発泡プラスチック材を炭素
繊維強化プラスチック材層で一体に被覆したサンドイッ
チ構造の成形体から形成し、前記先端周縁部を、炭素繊
維強化プラスチック材層を積層して中実薄板状に形成す
ることが好ましい。
【0015】請求項3記載の先頭車両用複合材構体の前
頭部構造によれば、外面および内面が炭素繊維強化プラ
スチック材により被覆されているから、破壊強度が高
く、例えば275km/h以上の高速運転時に鳥などが
衝突しても十分に耐えられ、耐久性に富み、また、内部
に硬質発泡プラスチック材を具備しているから、内外装
の炭素繊維強化プラスチック材と一体となって全体強度
を高める作用を発揮するだけでなく、断熱材および遮音
材としても作用する。さらに、サンドイッチ構造のプラ
スチック成形体は、表面のプラスチック材層が面外方向
の引っ張りに弱く、剥離しやすいが、先端周縁部を、炭
素繊維強化プラスチック材層を積層して中実薄板状に形
成し延長して折り曲げた部分に圧力隔壁を結合するの
で、剛性が高く、確実に結合でき、耐久性に優れてい
る。
【0016】請求項4記載のように、前記圧力隔壁に、
アルミニウム合金板の外面にリブを格子状に組み合わせ
たアルミニウム合金製の補強材を一体に備えた構造のも
のを使用することができる。
【0017】請求項4記載の先頭車両用複合材構体の前
頭部構造によれば、アルミニウム合金板を用いることで
製作が容易で、低コスト化が図れ、また補強材を一体に
備えた構造とすることで、アルミニウム合金板の厚みを
ある程度薄くしても圧力変動時の変形が抑えられ、軽量
化が図れる。
【0018】請求項5記載のように、前記止具に、剪断
型ボルトを使用できる。
【0019】請求項5記載の先頭車両用複合材構体の前
頭部構造によれば、プラスチック成形板は寸法精度がき
わめて高い反面、アルミニウム合金板ほどの変形能がな
いため、止具を通すための穴は通常、現場で現物合わせ
にて加工するのが一般であるが、大径の穴を設けること
は難しく、止具に軸径の小さなものを使用せざるを得な
いという事情があっても、強度的にアルミニウム合金板
は厚みを薄くできるので、剪断型ボルトを使用すると、
その軸体が曲がる等の不都合は生じにくいため、ボルト
を設ける間隔を的確に定めることにより十分な結合強度
を発揮する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる先頭車両
用複合材構体の前頭部構造についての実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0021】図1(a)は本発明の実施例にかかる新幹線
の先頭車両用構体を前上方から見た斜視図、図1(b)は
図1(a)の前頭部付近を示す側面図、図2は先頭車両の
前頭部の二分割した左側の複合材構体を示す斜視図、図
3は図1のA−A線に沿った拡大断面図、図4は図1
(a)・図2の前照灯取付部の一部を断面で表した拡大斜
視図、図5は図4のK−K線に沿った拡大断面図であ
る。
【0022】図1に示すように、新幹線の先頭車両用構
体1の主要部は、プラスチック成形体2Aを備えた前部
の複合材構体2とアルミニウム合金製の骨組みを備えた
後部のアルミニウム合金製構体3とを結合して製作され
ている。複合材構体2は、図3・図5に示すように硬質
発泡プラスチック(本例ではポリメタクリルイミドの発
泡体)2aを芯材とし、その周囲を被覆するように繊維
強化プラスチック(FRP、本例では炭素繊維強化プラ
スチック)材層(外皮ともいう)2bを一体に設けたサ
ンドイッチ構造のプラスチック成形体2Aを主要構成と
して備えている。また、プラスチック成形体2Aは、本
例では、図2にその一方を示すように左右に二分割し、
それぞれオートクレーブ成型法(図示せず)により一体
成形される。
【0023】左右一対のプラスチック成形体2Aは、そ
れぞれクレーンで吊り下げられ、車体下部のシャーシ4
上に載置され、取り付けられる。プラスチック成形体2
Aの載置されるシャーシ4上には、電装品や配線類をは
じめとし、ほとんど全ての装備品(図示せず)が組み付
けられる。左右一対のプラスチック成形体2Aを備えた
前部の複合材構体2は、シャーシ4上に装備品を包み込
むようにかぶせられ、左右の分割面が接着剤で一体に接
着された状態で、後部のアルミニウム合金製構体3に対
して結合されている。
【0024】一方、複合材構体2の先端は、図1(b)の
ように車体の前後方向(長手方向)に対し直交する方向
に分断(分割)されている。複合材構体2内は運転手な
どの乗務員が乗車するとともに、乗客が乗車する後部構
体3の内部と連通しているので、トンネル内を通過する
時に外部と遮断して気密状態にする必要がある。このた
め、複合材構体2の先端を分割したことにより生じる先
端開口2Bを、後述するように圧力隔壁8を取り付けて
遮蔽する必要がある。
【0025】複合材構体2の前方下部には連結器5が配
備され、図1(a)のように円弧状に湾曲した連結器カバ
ー6が装着されている。この前方、すなわち先頭車両用
複合材構体1の最前端には、半球形状のキャップ7が着
脱可能に取り付けられている。圧力隔壁8より前方の室
内は気密状態にする必要がなく、いわゆる外部開放状態
でよいので、連結器カバー6には圧力変動が作用しな
い。このため、面外方向の強度を考慮する必要がないの
で、後述するように連結器カバー6の周縁部を厚さ方向
に貫通する多数のブラインドファスナー9により結合し
ている。なお、連結器カバー6は曲面形状をなすため、
加工の容易さ、仕上がりの美しさおよび軽量化から、繊
維強化プラスチック板(FRP板)で形成されるが、鳥
が衝突する時の破損防止の観点から比較的厚みを厚くし
ている。
【0026】さて、圧力隔壁8は、本例ではアルミニウ
ム合金板8aで形成し、圧力変動が作用したときの変形
(トンネル内通過時にはとりわけ外方へ凸状に膨らむよ
うに変形)を考慮して、所定幅に裁断したアルミニウム
合金板のリブを格子状に組み合わせた補強材8bをアル
ミニウム合金板8aの前面に溶接等で一体に固着してい
る。アルミニウム合金板8aの形状は、図2のプラスチ
ック成形体2Aの左右一対を接着して得られる複合材構
体2の先端開口2Bに対応する略半円形状からなる。プ
ラスチック成形体2Aは、図4の前照灯取付部2Cを除
き、図3のようには硬質発泡プラスチック2aの芯材を
備えている。前照灯取付部2Cは、FRP材層2bを積
層し一体に硬化させて成形した中実薄板状部を図4・図
5に示すように、凹状に窪ませて前照灯10の照射室1
1に形成している。この照射室11の前方の開口11a
の周囲は、FRP材層2bで取り囲んで厚みを一段高く
し、一段低くなったFRP材層2bの部分2cにFRP
材層からなる環状枠12を複数のブラインドリベット1
3により結合し、環状枠12上に取付具14を介してガ
ラス板15を着脱可能に取り付けている。ガラス板15
には、鳥などの衝突強度を考慮して比較的厚い(8mm
程度)ポリカボネートガラスを使用している。前照灯1
0は、照射室11の奥の垂直壁11bに交換可能に取り
付けられる。
【0027】プラスチック成形体2Aの先端周縁部2d
はFRP材層2bを積層し一体に硬化させて中実薄板状
に形成するとともに、該先端周縁部2dを延長して開口
2Bの中心に向け半径方向に折り曲げ、取付フランジ2
eに形成する。この取付フランジ2eは、プラスチック
成形体2Aの先端開口2Bの内周部に連続して形成され
る。
【0028】圧力隔壁8の周縁部を取付フランジ2eに
添接し、両者の厚み方向に一連に貫通するボルト孔8f
・2fを穿設する。このボルト孔は周方向に等間隔に穿
設する。また、下方のシャーシ4上に、アングル材16
を車幅方向に溶接により固設し、アングル材16にも等
間隔に圧力隔壁8から一連に貫通するボルト孔16f・
2fを穿設する。
【0029】そして、圧力隔壁8側から各ボルト孔8f
に剪断型ボルト17を挿通し、内側のナット17aに螺
合して締め付ける。通常は圧力隔壁8の下方に開口があ
るので、そこから作業者が手を入れてナット17aをボ
ルト17に螺合して締め付けるが、そのような開口がな
い場合には、ブラインドファスナーを用いることによ
り、外部作業だけで圧力隔壁8を取付フランジ2eに取
り付けることができる。
【0030】あらかじめ成形した連結器カバー6の一端
周縁部をプラスチック成形体2Aの先端周縁部2d上に
添接し、両者の厚み方向に貫通する取付孔18を穿設し
て図3のようにブラインドファスナー9により結合して
いる。また、図3・図5のように、連結器カバー6とプ
ラスチック成形体2Aの隙間にパテ(シーラント)19
を充填している。
【0031】上記のようにして、複合材構体2の先端開
口2Bがアルミニウム合金製の圧力隔壁8により遮蔽さ
れる。この構成によって先頭車両用構体1の圧力隔壁8
より後方の室内が気密状態に保持されるが、上記実施例
には次のような利点がある。
【0032】(a) サンドイッチ構造のプラスチック成形
体2Aと圧力隔壁8との結合を、FRP材層2bを積層
して中実薄板状に一体に硬化させて、しかも略直角に折
り曲げて形成した取付フランジ2eに対して圧力隔壁8
をボルト止めすることにより行うので、剛性が高く、ま
た、外皮2bへの結合と違って面外方向に剥離しにく
い。したがって、前照灯取付部2Cのように切り欠きさ
れた部分の近傍であっても、成形時の変形が少なく、確
実に結合できる。
【0033】(b) プラスチック成形体2Aの圧力隔壁8
との結合面がオートクレーブ成型法により一体に成形さ
れるので、寸法精度が高く、したがって圧力隔壁8を精
度よく製作することにより、結合作業が容易に行える。
【0034】(c) 複合材構体2を複数に分割したプラス
チック成形体2Aを接合して製作することができるの
で、オートクレーブ設備を備えた複合材成形工場と車両
の組立工場とが離れている場合にも、通常のトラック便
で簡単に輸送できる。
【0035】(d) 圧力隔壁8を結合して先端開口2Bを
遮断する構造にして室内の気密性を保てるようにしたこ
とから、軽量で曲面形状の成形が容易で疲労強度に優れ
た複合材構体2を新幹線の先頭車両に適用できる。
【0036】(e) 圧力隔壁8の本体をアルミニウム合金
板8aで形成し、表面に補強材8bを一体に設けたこと
で、板厚を薄くすることができ、結合手段として剪断型
ボルト17を用いることで、軸径をあまり太くしないで
も、ボルト17の間隔をある程度広くして使用本数を減
らし、結合作業を容易にして作業能率を向上し、十分な
結合強度が得られるようになった。トンネル通過時の圧
力変動が圧力隔壁8に作用し、圧力隔壁8が膨らんだり
凹んだりするが、補強材8bにより変形量が小さく抑制
される。
【0037】上記に本発明の先頭車両用複合材構体の前
頭部構造の一実施例を説明したが、下記のように実施す
ることもできる。
【0038】(A) 前部構体2のプラスチック成形体2A
は輸送等の取り扱い上からは分割して形成したのち一体
に接合するのが望ましいが、分割せずに全体を一体に形
成することもできる。
【0039】(B) 圧力隔壁8にはアルミニウム合金板以
外に、炭素繊維強化プラスチック板やガラス繊維強化プ
ラスチック板を使用することも可能である。
【0040】(C) プラスチック成形体2Aの外皮(被覆
層)2bは、炭素繊維強化プラスチック材のほか、例え
ばケブラー(商標、アラミド繊維)等の高弾性織り布で
強化したプラスチック材でもよい。
【0041】(D) 本発明は新幹線の先頭車両用構体1に
限らず、曲面形状をなす在来線の先頭車両用構体として
も適用できることは言うまでもない。
【0042】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の先頭車両用複合材構体の前頭部構造には、次の
ような効果がある。
【0043】(1) 請求項1の発明は、プラスチック成形
体からなる複合材構体の長さを短縮できるから、オート
クレーブ成型法での一体成形が可能になり、精度が高
く、また加熱の際に圧力を加えるため、成形体の内部に
気泡が発生しにくく、耐衝撃力(特に耐鳥衝突力)に優
れたプラスチック成形体を製造でき、しかも、通常のト
ラック便によるプラスチック成形体の輸送が可能になる
ため、複合材の成形工場と車両の組立工場とが離れてい
ても、制約を受けるところがなく、低コスト化が図れ
る。
【0044】複合材構体と圧力隔壁との結合を中実薄板
状に一体に硬化させた先端周縁部を延長して半径方向内
方に折り曲げた部分に、別体の圧力隔壁を添接し、止具
で結合することにより行うので、剛性が高く、十分な結
合強度が得られる。したがって、前照灯取付部のように
切り欠きされた部分の近傍に圧力隔壁を結合する場合で
も、確実に結合できる。
【0045】また、複合材構体はオートクレーブ成型法
などにより金型を用いて一体に成形されるので、寸法精
度が高く、圧力隔壁を精度よく製作すれば、結合作業が
効率よくかつ容易に行える。さらに圧力隔壁を結合して
複合材構体の先端開口を遮断する構造にして室内の気密
性を保てるようにしたので、先頭車両用複合材構体が軽
量で曲面形状の成形が容易で仕上がりが美しく、疲労強
度に優れ、耐久性に富み、長期間安定した高速運転が可
能になる。
【0046】(2) 請求項2記載の発明は、圧力隔壁より
前方は内部を密閉する必要がないため、トンネルに入っ
たとき等にも外側と内側の間に風圧による圧力差が生じ
ず、必要な強度さえ確保すれば気密性を考慮することな
く、プラスチック成形体の先端に連続させて止具で簡単
に結合できる。
【0047】(3) 請求項3記載の発明は、外面および内
面が炭素繊維強化プラスチック材により被覆されている
から、破壊強度が高く、高速走行時に鳥などが衝突して
も十分に耐えられ、耐久性に富み、また、内部に硬質発
泡プラスチック材を具備しているから、内外装の炭素繊
維強化プラスチック材と一体となって全体強度を高める
作用を発揮するだけでなく、断熱材および遮音材として
も作用する。さらに、サンドイッチ構造のプラスチック
成形体は、表面のプラスチック材層が面外方向の引っ張
りに弱く、剥離しやすいが、先端周縁部を、炭素繊維強
化プラスチック材層を積層して中実薄板状に形成し延長
して折り曲げた部分に圧力隔壁を結合するので、剛性が
高く、耐久性に優れている。
【0048】(4) 請求項4記載の発明は、圧力隔壁にア
ルミニウム合金板を用いることで製作が容易で、低コス
ト化が図れ、また補強材を一体に備えた構造とすること
で、アルミニウム合金板の厚みをある程度薄くしても圧
力変動時の変形が抑えられ、軽量化が図れる。
【0049】(5) 請求項5記載の発明では、強度的にア
ルミニウム合金板の厚みを薄くできるので、剪断型ボル
トを使用すると、その軸体が曲がる等の不都合は生じに
くいため、ボルトを設ける間隔を的確に定めることによ
り十分な結合強度が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の実施例にかかる新幹線の先
頭車両用構体を前上方から見た斜視図、図1(b)は図1
(a)の前頭部付近を示す側面図である。
【図2】先頭車両の前頭部の二分割した左側の複合材構
体を示す斜視図である。
【図3】図1のA−A線に沿った拡大断面図である。
【図4】図1(a)・図2の前照灯取付部の一部を断面で
表した拡大斜視図である。
【図5】図4のK−K線に沿った拡大断面図である。
【図6】新幹線先頭車両の従来の一般的な金属製構体の
骨組み構造(左半分)を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 先頭車両用構体 2 複合材構体 2A プラスチック成形体 2B 先端開口 2a 硬質発泡プラスチック 2b 繊維強化プラスチック皮膜層 2d 周縁部分 2e 取付フランジ(延長部) 3 アルミニウム合金製構体 4 シャーシ 5 連結器 6 連結器カバー 7 キャップ 8 圧力隔壁 8a アルミニウム合金板 8b 補強材(リブ) 10 前照灯 11 照射室 17 ボルト 17a ナット 18 ボルト孔
フロントページの続き (72)発明者 小椋 孝一 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工業 株式会社岐阜工場内 (72)発明者 小西 昌昭 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工業 株式会社岐阜工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック成形体からなる複合材構体
    の先端を車体の前後方向に対し直交する方向に分割し、
    この分割位置にできる前記構体の先端開口を圧力隔壁に
    より遮蔽した先頭車両用複合材構体の前頭部構造であっ
    て、 前記プラスチック成形体の先端周縁部を中実薄板状に形
    成するとともに、該先端周縁部を延長して前記先端開口
    中心に向け半径方向に折り曲げ、 前記複合材構体の前記先端開口に対応させてあらかじめ
    形成した別体の圧力隔壁を前記先端周縁延長部上に添接
    し、止具で結合したことを特徴とする先頭車両用複合材
    構体の前頭部構造。
  2. 【請求項2】 前記圧力隔壁の前方に連結器が配置さ
    れ、この連結器用カバーの一端周縁部が、前記プラスチ
    ック成形体の先端周縁部上に添接され、止具で結合され
    た請求項1記載の先頭車両用複合材構体の前頭部構造。
  3. 【請求項3】 前記プラスチック成形体が、芯材として
    の硬質発泡プラスチック材を炭素繊維強化プラスチック
    材層で一体に被覆したサンドイッチ構造の成形体からな
    り、 前記先端周縁部を、炭素繊維強化プラスチック材層を積
    層して中実薄板状に形成した請求項1又は2記載の先頭
    車両用複合材構体の前頭部構造。
  4. 【請求項4】 前記圧力隔壁が、アルミニウム合金板の
    外面にリブを格子状に組み合わせたアルミニウム合金製
    の補強材を一体に備えている請求項1〜3のいずれかに
    記載の先頭車両用複合材構体の前頭部構造。
  5. 【請求項5】 前記止具が、剪断型ボルトである請求項
    1〜4のいずれかに記載の先頭車両用複合材構体の前頭
    部構造。
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