JPH11203942A - 透明帯電防止樹脂板 - Google Patents

透明帯電防止樹脂板

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JPH11203942A
JPH11203942A JP10016330A JP1633098A JPH11203942A JP H11203942 A JPH11203942 A JP H11203942A JP 10016330 A JP10016330 A JP 10016330A JP 1633098 A JP1633098 A JP 1633098A JP H11203942 A JPH11203942 A JP H11203942A
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JP
Japan
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antistatic
transparent
resin plate
plate
haze value
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Application number
JP10016330A
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English (en)
Inventor
Masaki Ishii
正樹 石井
Akihiro Mochizuki
明廣 望月
Takao Igarashi
孝雄 五十嵐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11203942A publication Critical patent/JPH11203942A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーンルームの間仕切りやディスプレー装
置の前面板として有用な、透明度が高く且つヘーズ値の
小さい帯電防止性の樹脂板を提供する。 【解決手段】 透明樹脂基板上にアンチモンをドープし
た平均粒径が0.2μm以下の酸化スズの微粒子を60
〜80重量%含有する制電層を有する透明帯電防止樹脂
板であって、該透明帯電防止樹脂板の表面抵抗値が1×
109 Ω以下であり、全光線透過率が85%以上であ
り、且つヘーズ値が透明樹脂基板のヘーズ値に0.8%
を加えた値を超えないことを特徴とする透明帯電防止樹
脂板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリーンルームの
間仕切りやディスプレー装置の前面板として有用な、透
明度が高く且つヘーズ値の小さい帯電防止性の樹脂板に
関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂製の板は、通常、非常に帯電しやす
い性質を有しており、室内に放置していると、浮遊ゴミ
を吸着して外観を損なったり、クリーンルームにおける
汚染源となったりする。これを防止するため種々の帯電
防止樹脂板が提案されている。樹脂製板に帯電防止性能
を付与するためには、樹脂板の表面の抵抗値を低下させ
ることが有効である。その方策として、樹脂表面を親水
性にして水分子が吸着しやすくすることが知られてお
り、実際に、ポリエチレングリコールのような親水性の
官能基を有する樹脂をその樹脂板の製造時に練り込むこ
とが行われている。しかしながら、この方法によって得
られる樹脂板の表面の抵抗値は約1011Ωに過ぎず、ま
た帯電した電荷の半減期は数秒から数十秒程度である。
このような従来技術における欠点を改良するために、光
の波長より充分小さい粒径を有する導電性微粒子を分散
させた層を樹脂表面に設けることで表面抵抗を低下させ
る方法が提案されている(特公昭63−33778号公
報参照)。この方法では、導電性の微粒子として、アン
チモンをドープした酸化スズ微粒子が用いられている。
この方法によって得られる樹脂板の表面の抵抗値は約1
8 Ωであり、帯電した電荷の半減期は1秒以下にな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来知られている帯電防止性樹脂板は、透明性に問
題があり、特に曇りが増加する傾向がある。特にヘーズ
値が2%以上になると外見上曇りが大きいという印象を
強く受ける。本発明の目的は、かかる問題点を解消し、
クリーンルームの間仕切りやディスプレー装置の前面板
として有用な、透明度が高く且つヘーズ値の小さい帯電
防止性の樹脂板を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、本発明に
よれば、透明樹脂基板上にアンチモンをドープした平均
粒径が0.2μm以下の酸化スズの微粒子を60〜80
重量%含有する制電層を有する透明帯電防止樹脂板であ
って、該透明帯電防止樹脂板の表面抵抗値が1×109
Ω以下であり、全光線透過率が85%以上であり、且つ
ヘーズ値が透明樹脂基板のヘーズ値に0.8%を加えた
値を超えないものであることを特徴とする透明帯電防止
樹脂板により解決することができる。
【0005】本発明において基板として用いることがで
きる樹脂は、透明性を有するものであればよく、その具
体例としてメタクリル樹脂、ポリカーボネート、塩化ビ
ニル樹脂などを挙げることができる。これらの透明樹脂
からなる基板上には、通常ホットメルト接着剤等の粘着
層を介して、アンチモンをドープした酸化スズの微粒子
を60〜80重量%含有する制電層が設けられる。酸化
スズの平均粒径は0.2μm以下であることを要し、そ
の場合は微粒子の大きさが可視光の波長よりも充分小さ
いために、可視光の散乱が少なくなり、透明帯電防止樹
脂板の透明性が確保される。
【0006】酸化スズ微粒子は多く含有される方が粒子
間距離が小さくなり表面抵抗値を小さくすることができ
るが、含有量が80重量%を超えるとヘーズ値が大きく
なり、曇りが大きい印象を受けるようになる。一方、酸
化スズ微粒子の含有量が60重量%未満になると、透明
帯電防止樹脂板の表面抵抗値が1×109 Ωを超えるこ
ととなり、帯電荷の半減期が1秒以上となるので好まし
くない。
【0007】本発明の透明帯電防止樹脂板は、その全光
線透過率が85%以上であることが必要である。全光線
透過率が85%未満であると、視覚上の透明感が明かに
損なわれるので好ましくない。
【0008】また、本発明の透明帯電防止樹脂板におい
ては、そのヘーズ値が透明樹脂基板のヘーズ値に0.8
%を加えた値を超えないことが必要である。ヘーズ値が
透明樹脂基板のヘーズ値に0.8%を加えた値以上にな
ると、樹脂板に曇り感が目立つようになり好ましくな
い。
【0009】本発明の透明帯電防止樹脂板は、ロール転
写法により製造するのが適当である。例えばポリエチレ
ンテレフタレート(以下、PETと略称する場合があ
る)などの樹脂製フィルム上に離型層、制電層および粘
着層をこれらの順に積層し、得られた積層フィルムを透
明樹脂基板上に加圧ロールによって張り合わせた後に、
積層フィルムのみを剥離することにより、目的とする透
明帯電防止樹脂板を製造することができる。制電層は透
明樹脂基板の片面に設けてもよいが、両面に設けても差
支えない。
【0010】本発明において制電層は薄い方がヘーズ値
が小さくなる傾向がある。特に制電層のヘーズ値を1%
以下にするためには、その厚さを1.5μm以下にする
のがよい。このような薄い制電層を透明樹脂基板上に均
一に設けるためには、該樹脂板上に直接制電層を設ける
よりも、一旦樹脂フィルム上に設けたものを透明樹脂基
板に転写する方が容易である。
【0011】また、本発明において制電層をより高い温
度で乾燥する方がヘーズ値が小さくなる傾向がある。ポ
リエチレンテレフタレートなどの樹脂フィルムの方が、
メタクリル樹脂などの透明樹脂基板よりも高温による処
理が容易なので、制電層は樹脂フィルム上に設ける方が
有利であり、この点からも、制電層を樹脂フィルム上に
設け、これを透明樹脂基板に転写する方が有利である。
本発明において制電層は、架橋構造を有したハードコー
ト塗料をマトリックスとしてもよく、この層の硬化には
熱硬化、紫外線硬化等が好適に用いられる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を具体的に詳しく説明する。な
お、実施例および比較例におけるヘーズ値は、JIS−
K7105法に従い測定したものである。表面抵抗値は
ADVANTEST社製R8340超高抵抗/微小電流
計を用いて測定した。
【0013】実施例1 厚さ25μmのPETフィルムにシリコン型の離型剤を
塗布、乾燥したのち、アンチモンをドープした平均粒径
が0.2μm以下の酸化スズ微粒子を70重量%含有し
たアクリル系塗料を約1μm塗布乾燥し、次いでアクリ
ル系粘着剤をその上より塗布乾燥した。こうして得られ
たフィルムを厚さ3mmのポリメチルメタクリレート
(以下、PMMAと略称する場合がある)樹脂基板とあ
わせ、150℃に加熱したロールを用いて、圧着した
後、PETフィルムを剥がし、制電板を得た。この操作
を基板のもう一方の面についても行った。こうして得ら
れた制電板は、ヘーズ値がPMMA樹脂基板の0.2%
に0.6%を加えた0.8%であり、表面抵抗値が6×
107 Ωであった。
【0014】実施例2 制電層の厚さを0.8μmとした以外は実施例1と同様
にして透明制電板を得た。この制電板はヘーズ値が0.
6%であり、表面抵抗値が1×109 Ωであった。
【0015】実施例3 制電層の厚さを1.2μmとした以外は実施例1と同様
にして制電板を得た。この制電板はヘーズ値が1.0%
であった。
【0016】実施例4 制電層のマトリックス中に架橋剤を加え、塗布した後に
紫外線を照射し、ハードコート層とした。その後、ポリ
ブチラールからなる中間層を塗布した後、粘着層を塗布
し、転写フィルムを作製した。この転写フィルムを用い
て実施例1と同様にPMMA樹脂基板に転写し、制電板
を得た。ヘーズ値および表面抵抗値は、実施例1と同様
であり、耐擦傷性もスチールウールで100回擦った前
後のヘーズ値の変化(ΔH)が0.2〜0.3%と非常
に低い値となった。
【0017】比較例1〜3 市場で入手した制電板について、ヘーズ値を測定したと
ころ、いずれも2%以上と非常に大きな値であった。ま
た比較例1で用いた制電板は、バフ研磨の痕が残り、表
面荒さ(Rz)が0.6μm以上であった。
【0018】比較例4 制電層の厚さを1.5μmとした以外は実施例1と同様
にして制電板を得た。ヘーズ値が1.2%と大きくなっ
た。
【0019】比較例5 制電層の乾燥条件を120℃とした以外は実施例1と同
様にして制電板を得た。ヘーズ値が1.5%と大きくな
った。
【0020】比較例6 離型層の乾燥条件を100℃とした以外は実施例1と同
様にして制電板を得た。転写層にむらが生じ外観不良と
なった。
【0021】実施例5 制電層の導電性微粒子の含有量を60%とした以外は実
施例1と同様にして制電板を得た。この制電板は、表面
抵抗値が1×109 Ωとなった。
【0022】比較例7 制電層の導電性微粒子の含有量を52%とした以外は実
施例1と同様にして制電板を得た。この制電板は表面抵
抗値が3×109 Ωとなった。
【0023】比較例8 制電層の導電性微粒子の含有量を85%とした以外は実
施例1と同様にして制電板を得た。この制電板は、導電
性微粒子の凝集が生じて異物として観察されるようにな
り外観が劣化した。上記の実施例1〜5および比較例1
〜8において、得られた制電板の電気的特性、光学特性
等をまとめて表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明により、クリーンルームの間仕切
りやディスプレー装置の前面板として有用な、透明度が
高く且つヘーズ値の小さい帯電防止性の樹脂板を提供す
ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 9/00 H05K 9/00 V

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明樹脂基板上にアンチモンをドープし
    た平均粒径が0.2μm以下の酸化スズの微粒子を60
    〜80重量%含有する制電層を有する透明帯電防止樹脂
    板であって、該透明帯電防止樹脂板の表面抵抗値が1×
    109 Ω以下であり、全光線透過率が85%以上であ
    り、且つヘーズ値が透明樹脂基板のヘーズ値に0.8%
    を加えた値を超えないものであることを特徴とする透明
    帯電防止樹脂板。
JP10016330A 1998-01-12 1998-01-12 透明帯電防止樹脂板 Pending JPH11203942A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001087591A1 (fr) * 2000-05-19 2001-11-22 Tdk Corporation Film fonctionnel
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JP2006181791A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Kuraray Co Ltd 転写材および積層体

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