JPH11203820A - 磁気テープカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気テープカセットが落下したときの磁気テ
ープの巻弛みを防止することができる磁気テープカセッ
トを提供する。 【解決手段】 リールロック部材10が、一対のリール3,
4 間に摺動自在に配置されるスライド胴部11と、各下フ
ランジ5,6 に係合すべくスライド胴部11に突設された一
対の係止アーム14,15 とを有すると共に、これら係止ア
ーム14,15 が各下フランジ5,6 に係合する方向へ摺動で
きるように圧縮コイルばね24によりスライド胴部11を付
勢されている。一対の係止アーム14,15 には、先端係合
部14a,15aをスライド胴部11と揺動可能に連結するヒン
ジ部12,13 が設けられる。下カセットハーフ２には、先
端係合部14a,15a とヒンジ部12,13 との間で係止アーム
14,15 に当接することにより先端係合部14a,15a の揺動
量を規制する隔壁17,18 の角部17a,18a 及びストッパー
ピン20,21 が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオテープカセ
ットなどに適用して好適な磁気テープカセットに関し、
さらに詳しくは、磁気テープを巻装したリールのフラン
ジに係合してリール回転を阻止するリール用ロック部材
が改善された磁気テープカセットに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の磁気テープカセットには種々の形
態のものがあるが、例えば図７にその内部構造を示すビ
デオテープカセット６０は、カセットケースを構成する
下カセットハーフ（図は上カセットハーフを取り除いた
状態を示す）６１内に一対のリール６２，６３が回転可
能に配置され、この両リール６２，６３に磁気テープ６
５が巻回されている。磁気テープ６５は、カセット前方
（図では上側）で且つ左右両側のテープガイド６６，６
７によって案内され、下カセットハーフ６１の前面側の
開口６８を通過するようになっている。そして、リール
６２，６３の下フランジ７０，７１の周縁には、全周に
亘って係合歯７０ａ，７１ａが形成されている。

【０００３】一方、ビデオテープカセット６０をビデオ
デッキ（図示せず）に装填していないときに、すなわ
ち、カセットの保管時や持ち運び時において磁気テープ
６５が弛むのを防止するため、カセット後方側で且つリ
ールの間に形成された略三角形状のスペース７３に、リ
ール６２，６３の回動を阻止するリールロック部材７５
が配置されている。

【０００４】下カセットハーフ６１の後板部６１ａから
リール６２，６３の間には、略三角形状の隔壁７６，７
７が設けられている。これら隔壁７６，７７の直線部７
６ａ，７７ａは対向配置され、これらの直線部７６ａ，
７７ａの間に前記リールロック部材７５が摺動自在に挿
入されている。前記リールロック部材７５は、下カセッ
トハーフ６１の底壁面から突設された支軸８０に適宜支
持されたねじりコイルばね８１の付勢力によりカセット
前方に付勢されている。このねじりコイルばね８１は、
そのコイル部分が支軸８０に貫通され、一端が隔壁７６
の一部に係合し、他端がリールロック部材７５の後面に
係合するものである。そして、このリールロック部材７
５の底壁面には、ビデオデッキのロック解除ピン（図示
せず）を挿入するための挿入穴８２が設けられている。
下カセットハーフ６１の底壁には、リールロック部材７
５の挿入穴８２に対応する開口（図示せず）が設けられ
ている。

【０００５】前記リールロック部材７５は、例えば適宜
弾性を有する樹脂で形成され、安定良く摺動させるため
に比較的広い底面積を有する矩形のスライド胴部８３が
設けられている。そして、このスライド胴部８３の前端
面には、前記下フランジ７０，７１に形成された係合歯
７０ａ，７１ａに係合可能な係止アーム８４，８５が一
体成形されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
磁気テープカセット６０は、例えば落下したとき、落下
による衝撃力で各リール６２，６３が移動して一対の係
止アーム８４，８５を押圧すると、この押圧力がスライ
ド胴部８３に伝わり、スライド胴部８３がねじりコイル
ばね８１の付勢力に抗してロック解除位置まで移動して
しまうので、係止アーム８４，８５がリール６２，６３
の係合歯７０ａ，７１ａから離れてしまうことがある。
この為、リール６２，６３が回転してしまい、リール６
２，６３に巻回していた磁気テープ６５に巻弛みが発生
するという問題がある。そこで、本発明の目的は上記課
題を解消することにあり、磁気テープカセットが落下し
たときの磁気テープの巻弛みを防止することができる磁
気テープカセットを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、カ
セットケース内に磁気テープを巻回して回動自在に取付
けられた一対のリールと、該リールのフランジに係合し
てリール回動を阻止するリールロック部材とを具備する
磁気テープカセットにおいて、前記リールロック部材
は、前記一対のリール間に摺動自在に配置されるスライ
ド胴部と、前記各フランジに係合すべく前記スライド胴
部に突設された一対の係止アームとを有すると共に、こ
れら係止アームが前記フランジに係合する方向へ摺動で
きるようにばね部材により前記スライド胴部を付勢され
ており、前記一対の係止アームには、先端係合部を前記
スライド胴部と揺動可能に連結するヒンジ部が設けら
れ、前記カセットケース又は前記一対の係止アームの少
なくとも一方には、前記先端係合部と前記ヒンジ部との
間で互いに当接することにより前記先端係合部の内側へ
の揺動量を規制する第１のストッパー部が設けられると
共に、前記カセットケース又は前記一対の係止アームの
少なくとも一方には、前記係止アームの先端係合部とヒ
ンジ部との間で互いに当接することにより前記先端係合
部の外側への揺動量を規制する第２のストッパー部が設
けられることを特徴とする磁気テープカセットにより達
成される。

【０００８】又、本発明の上記目的は、カセットケース
内に磁気テープを巻回して回動自在に取付けられた一対
のリールと、該リールのフランジに係合してリール回動
を阻止するリールロック部材とを具備する磁気テープカ
セットにおいて、前記リールロック部材は、前記一対の
リール間に摺動自在に配置されるスライド胴部と、前記
各フランジに係合すべく前記スライド胴部に突設された
一対の係止アームとを有すると共に、これら係止アーム
が前記フランジに係合する方向へ摺動できるようにばね
部材により前記スライド胴部を付勢されており、前記一
対の係止アームには、先端係合部を前記スライド胴部と
揺動可能に連結するヒンジ部が設けられ、前記スライド
胴部又は前記一対の係止アームの少なくとも一方には、
前記先端係合部と前記ヒンジ部との間で互いに当接する
ことにより前記先端係合部の内側への揺動量を規制する
第１のストッパー部が設けられると共に、前記カセット
ケース又は前記一対の係止アームの少なくとも一方に
は、前記係止アームの先端係合部とヒンジ部との間で互
いに当接することにより前記先端係合部の外側への揺動
量を規制する第２のストッパー部が設けられることを特
徴とする磁気テープカセットにより達成される。

【０００９】上記各構成によれば、磁気テープカセット
が落下したとき、落下による衝撃力で各リールがカセッ
トケース内で移動し、リールロック部材の係止アームが
ロック解除方向へ押圧されると、この押圧力で各係止ア
ームの先端係合部がヒンジ部から外側又は内側に揺動す
る。そして、各係止アームの先端係合部が所定量揺動す
ると、各係止アームはカセットケース又はリールロック
部材に設けられた第１又は第２のストッパー部に当接し
て揺動を規制される。

【００１０】即ち、前記第１及び第２のストッパー部
は、各アームの先端係合部を介して作用する各リールの
押圧力を受けることができ、各リールの押圧力が前記ス
ライド胴部に直接伝わるのを防ぐことができる。これに
より、リールロック部材は、スライド胴部がばね部材の
付勢力に抗してロック解除方向に摺動する量を最小限に
抑えることができ、一対の係止アームが各フランジに係
合した状態を保つことができる。

【００１１】尚、好ましくは前記リールロック部材にお
ける前記スライド胴部又は前記一対の係止アームの少な
くとも一方には、前記先端係合部と前記ヒンジ部との間
で前記スライド胴部に当接することにより前記係止アー
ムの内側への倒れ量を規制する規制突起が設けられる。
前記規制突起を備えたリールロック部材によれば、該リ
ールロック部材の成形時や部品集積時における前記係止
アームの内側への倒れ量を規制するができ、該リールロ
ック部材のヒンジ部が内側へ過度に折り曲げられるのを
防止することができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の一実施形態に係るビデオテープカセットをを詳細に説
明する。図１に示すように、本発明に係るビデオテープ
カセット１は、カセットケースを構成する下カセットハ
ーフ２（図は上カセットハーフを取り除いた状態を示
す）内に一対のリール３，４が回転可能に配置され、こ
の両リールには磁気テープ（図示せず）が巻回されてい
る。前記リール３，４の下フランジ５，６の周縁には、
全周に亘って係合歯５ａ，６ａが形成されている。

【００１３】一方、ビデオテープカセット１をビデオデ
ッキ（図示せず）に装填していないときに、磁気テープ
が弛むのを防止するため、リール３，４の間に形成され
た略三角形状のスペース８には、前記下フランジ５，６
の係合歯５ａ，６ａに係合してリール回動を阻止するリ
ールロック部材１０が配置されている。なお、リールロ
ック部材１０以外の各部の動作は、図７で説明した従来
のビデオテープカセット５０と同一であり、ここでは説
明を省略する。

【００１４】前記リールロック部材１０は、例えば合成
樹脂で形成され、前記一対のリール３，４間に摺動自在
に配置されたスライド胴部１１と、前記各下フランジ
５，６の係合歯５ａ，６ａに係合すべく前記スライド胴
部１１に突設された一対の係止アーム１４，１５とを有
すると共に、これら係止アーム１４，１５が前記各下フ
ランジ５，６に係合する方向へ摺動できるようにばね部
材としての圧縮コイルばね２４により前記スライド胴部
１１を付勢されている。

【００１５】又、前記スライド胴部１１の下面には、解
除ピン挿入部１１ａが設けられ、その後側にガイド部１
１ｂが設けられている。後述のように、ビデオテープカ
セット１をビデオデッキに装着したとき、ビデオデッキ
のロック解除ピン（図示せず）で押されたスライド胴部
１１が後退し、これによって、前記リール３，４のロッ
クが解除されるようになっている。前記スライド胴部１
１は、下カセットハーフ２のガイド部材２７，２８に摺
動可能に嵌め込まれると共に、前記ガイド部１１ｂの下
端面には下カセットハーフ２のガイドレール２９，３０
に摺動可能に嵌め込まれている。これによって、スライ
ド胴部１１が直線的に摺動するようになっている。

【００１６】前記スライド胴部１１の両側面に突設され
た係止アーム１４，１５には、先端係合部１４ａ，１５
ａを前記スライド胴部１１と揺動可能に連結する薄肉の
ヒンジ部１２，１３が設けられている。即ち、前記係止
アーム１４，１５は、各アームの先端係合部１４ａ，１
５ａを介して各リール３，４から所定以上の押圧力を受
けると、前記ヒンジ部１２，１３を支点にして外側（矢
印Ａ方向）や内側（矢印Ｂ方向）に揺動することができ
る。又、前記係止アーム１４，１５は、先端係合部１４
ａ，１５ａが各リール３，４の係合歯５ａ，６ａと確実
に係合できるように、リール３，４の中心方向に向かっ
て適宜角度で屈曲されている。

【００１７】前記下ハーフカセット２の底壁面には、前
記リール３，４半径方向の移動を規制する円弧形の隔壁
１７，１８が突設されているが、前記係止アーム１４，
１５の外側近傍に位置するこれら隔壁１７，１８の角部
１７ａ，１８ａは、それぞれ先端係合部１４ａ，１５ａ
とヒンジ部１２，１３との間で前記係止アーム１４，１
５に当接することにより前記先端係合部１４ａ，１５ａ
の外側（矢印Ａ方向）への揺動量を規制する第２のスト
ッパー部とされている。又、前記係止アーム１４，１５
の内側近傍に位置する前記下ハーフカセット２の底壁面
には、ストッパーピン２０，２１が突設されており、そ
れぞれ先端係合部１４ａ，１５ａとヒンジ部１２，１３
との間で前記係止アーム１４，１５に当接することによ
り前記先端係合部１４ａ，１５ａの内側（矢印Ｂ方向）
への揺動量を規制する第１のストッパー部とされてい
る。

【００１８】尚、本実施形態においては、前記先端係合
部１４ａ，１５ａの外側（矢印Ａ方向）への揺動量を規
制する第２のストッパー部が、前記隔壁１７，１８の角
部１７ａ，１８ａを前記係止アーム１４，１５の外側近
傍まで延設することによって構成されたが、これに代え
て、例えば前記ストッパーピン２０，２１のように隔壁
１７，１８から独立したストッパーピンやリブを下カセ
ットハーフ２に設けてもよい。

【００１９】前記下カセットハーフ２には、スライド胴
部１１の前進移動量を規制するため略三角形状のストッ
パー３２が設けられている。スライド胴部１１がストッ
パー３２に当接した状態では、前記係止アーム１４，１
５がリール３，４の係合歯５ａ，６ａに確実に係合さ
れ、これらリール３，４の回動が確実に阻止される。さ
らに、下カセットハーフ２には、ストッパー３２の後方
側に、スライド胴部１１の解除ピン挿入部１１ａに対応
させて、ビデオデッキのロック解除ピンを挿入するため
のピン挿入穴２ａが設けられている。

【００２０】次に、本発明に係るビデオテープカセット
１のリールロック部材１０の作用を図１〜図４に基づい
て説明する。図１はビデオテープカセット１をビデオデ
ッキに装填していない状態を示す。前記圧縮コイルばね
２４により下フランジ５，６に係合する方向へ付勢され
た前記リールロック部材１０は、係止アーム１４，１５
の先端係合部１４ａ，１５ａが各リール３，４の係合歯
５ａ，６ａと係合し、リール３，４の回動を阻止する。
この際、前記先端係合部１４ａ，１５ａが前記ヒンジ部
１２，１３を支点にして揺動することはなく、各リール
３，４の係合歯５ａ，６ａと確実に係合する。

【００２１】図２はビデオテープカセット１が平行に落
下した状態を示す。落下による衝撃力で各リール３，４
がカセットケース内で矢印Ｃ方向に移動すると、リール
３，４からの所定以上の押圧力が係止アーム１４，１５
に作用し、スライド胴部１１が瞬間的にロック解除方向
（矢印Ｄの方向）に僅かに摺動すると同時に、係止アー
ム１４，１５の先端係合部１４ａ，１５ａがヒンジ部１
２，１３を支点にしてそれぞれ外側（矢印Ａの方向）に
揺動する。

【００２２】そして、係止アーム１４，１５の先端係合
部１４ａ，１５ａがリール３，４の係合歯５ａ，６ａに
係合した状態で所定量揺動されると、これら係止アーム
１４，１５は下カセットハーフ２に設けられた第２のス
トッパー部である前記隔壁１７，１８の角部１７ａ，１
８ａに当接して揺動を規制される。即ち、前記角部１７
ａ，１８ａは、各アームの先端係合部１４ａ，１５ａを
介して作用する各リール３，４の押圧力を受けることが
でき、各リール３，４の押圧力が前記スライド胴部１１
に直接伝わるのを防ぐことができる。これにより、リー
ルロック部材１０は、スライド胴部１１が圧縮コイルば
ね２４の付勢力に抗してロック解除方向に摺動する量を
最小限に抑えることができ、一対の係止アーム１４，１
５が前記係合歯５ａ，６ａに係合した状態を保つことが
できる。

【００２３】次に、図３はビデオテープカセット１が斜
めに落下した状態を示す。例えば、落下による衝撃力で
リール４がカセットケース内で係止アーム１５に対向す
る方向（矢印Ｅ方向）に移動すると、リール４からの所
定以上の押圧力が係止アーム１５に作用し、スライド胴
部１１が瞬間的にロック解除方向（矢印Ｄの方向）に僅
かに摺動すると同時に、係止アーム１５の先端係合部１
５ａがヒンジ部１３を支点にして内側（矢印Ｂの方向）
に揺動する。

【００２４】そして、係止アーム１５の先端係合部１５
ａがリール４の係合歯６ａに係合した状態で所定量揺動
されると、該係止アーム１５は下カセットハーフ２に設
けられた第１のストッパー部である前記ストッパーピン
２１に当接して揺動を規制される。即ち、前記ストッパ
ーピン２１は、アームの先端係合部１５ａを介して作用
するリール４の押圧力を受けることができ、リール４の
押圧力が前記スライド胴部１１に直接伝わるのを防ぐこ
とができる。これにより、リールロック部材１０は、ス
ライド胴部１１が圧縮コイルばね２４の付勢力に抗して
ロック解除方向に摺動する量を最小限に抑えることがで
き、一対の係止アーム１４，１５が前記係合歯５ａ，６
ａに係合した状態を保つことができる。尚、落下による
衝撃力でリール３がカセットケース内で係止アーム１４
に対向する方向に移動する場合は、係止アーム１４がス
トッパーピン２０により揺動を規制され、同様にリール
３の押圧力が前記スライド胴部１１に直接伝わるのを防
ぐことができる。

【００２５】従って、前記ビデオテープカセット１は、
落下したときにも、前記係止アーム１４，１５と各リー
ル３，４の係合歯５ａ，６ａとの係合が確実に保持さ
れ、磁気テープの巻弛みを防止することができる。尚、
落下による衝撃力が解除されるとヒンジ部１２，１３の
弾性復元力で、前記リールロック部材１０は図１に示し
た状態に戻る。

【００２６】図４はビデオデッキにビデオテープカセッ
ト１を装着した使用状態を示す。図示した如く前記スラ
イド胴部１１がビデオデッキのロック解除ピン（図示せ
ず）に押されて矢印Ｄ方向に後退すると、前記係止アー
ム１４，１５が前記角部１７ａ，１８ａ及びストッパー
ピン２０，２１に当接することはなく、前記リールロッ
ク部材１０はロック解除位置まで摺動して、係止アーム
１４，１５をリール３，４の係合歯５ａ，６ａから離す
ことができる。従って、リール３，４は回動自在とな
り、ビデオデッキの図示しない回転駆動軸により回転駆
動される。

【００２７】尚、上記実施形態においては、前記隔壁１
７，１８の角部１７ａ，１８ａ及びストッパーピン２
０，２１が、前記係止アーム１４，１５の内外側近傍に
設けられることにより、前記先端係合部１４ａ，１５ａ
の揺動量を規制する第１及び第２のストッパー部を構成
しているが、例えば図５に示したリールロック部材５０
のように、係止アーム４２，４３内側面の先端係合部４
２ａ，４３ｂとヒンジ部４０，４１との間に膨出部４
４，４５を突設し、これら膨出部４４，４５を第１のス
トッパー部としてそれぞれ下カセットハーフ又はスライ
ド胴部に当接させることにより前記先端係合部４２ａ，
４３ｂの内側への揺動量を規制することもできる。又、
係止アーム外側面に第２のストッパー部として膨出部を
突設した場合も、同様に先端係合部の外側への揺動量を
規制することができる。

【００２８】即ち、係止アームの内外側面に突設される
前記膨出部の形状を適宜設定すれば、下カセットハーフ
に設ける第１及び第２のストッパー部をストッパーピン
として別個に形成したり、隔壁の形状を変更したりして
設ける必要がなく、リールロック部材のみを交換するだ
けで本発明に係る磁気テープカセットを構成することも
できる。

【００２９】更に、前記係止アーム１４，１５の内側に
設けられた膨出部４４，４５は、規制突起として前記係
止アーム１４，１５の内側への倒れ量を規制することに
より、ヒンジ部４０，４１が内側へ過度に折り曲げられ
るのを防止することができる。そこで、前記リールロッ
ク部材５０の成形時や部品集積時に、該係止アーム１
４，１５に対して内側への過大な押圧力が作用した場合
にも、ヒンジ部４０，４１が過度に折り曲げられて永久
変形を生じることはない。

【００３０】図６は、本発明の他の実施形態に係るリー
ルロック部材５１を備えたビデオテープカセットの要部
拡大斜視図である。尚、リールロック部材５１に設けた
規制突起としての規制リブ５２以外の構成部品は、図１
に示した前記ビデオテープカセット１と同様の構成を有
するので、同符号を付して詳細な説明を省略する。前記
リールロック部材５１は、図６に示したように、図示し
ない一対のリール３，４間に摺動自在に配置されたスラ
イド胴部１１と、これらリール３，４の各下フランジ
５，６の係合歯５ａ，６ａに係合すべく前記スライド胴
部１１に突設された一対の係止アーム１４，１５とを有
する。

【００３１】更に、前記スライド胴部１１の両側面に
は、前記先端係合部１４ａ，１５ａとヒンジ部１２，１
３との間で前記係止アーム１４，１５に当接することに
より前記係止アーム１４，１５の内側への倒れ量を規制
する規制突起である一対の規制リブ５２が突設されてい
る。前記規制リブ５２は、前記係止アーム１４，１５が
通常状態で使用される範囲内では正常に揺動可能とし、
これら係止アーム１４，１５が前記ストッパーピン２
０，２１に当接するのを妨げることがない突出高さに適
宜設定される。

【００３２】又、前記規制リブ５２は、前記スライド胴
部１１がビデオデッキのロック解除ピン（図示せず）に
押されてロック解除位置まで後退する際に、前記ストッ
パーピン２０，２１と干渉することがないように、これ
らストッパーピン２０，２１の先端部に対してカセット
ケース厚み方向にクリアランスＸを有する位置に突設さ
れる。

【００３３】即ち、前記スライド胴部１１の両側面に設
けられた前記規制リブ５２は、前記係止アーム１４，１
５の内側への倒れ量を規制することにより、ヒンジ部１
２，１３が内側へ過度に折り曲げられるのを防止するこ
とができる。そこで、前記リールロック部材５１の成形
時や部品集積時に、該係止アーム１４，１５に対して内
側への過大な押圧力が作用した場合にも、ヒンジ部１
２，１３が過度に折り曲げられて永久変形を生じること
はない。尚、前記規制リブ５２を第１のストッパー部と
してそれぞれ係止アーム１４，１５に当接させることに
より前記先端係合部１４ａ，１５ａの内側への揺動量を
規制することもできる。この場合、前記下ハーフカセッ
ト２の底壁面に突設されるストッパーピン２０，２１を
省略することができる。

【００３４】更に、本発明の磁気テープカセットは、上
記実施形態におけるリールロック部材やストッパ部の構
成に限定されるものではなく、種々の形態を採りうるこ
とは言うまでもなく、スライド胴部や係止アームの形
状、ヒンジ部の形状、及びストッパー部の形状は、本発
明の主旨に基づき、磁気テープカセットの種別等に応じ
て適宜変更することができる。

【００３５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気テー
プカセットによれば、磁気テープカセットが落下したと
き、落下による衝撃力で各リールがカセットケース内で
移動し、リールロック部材の係止アームがロック解除方
向へ押圧されると、この押圧力で各係止アームの先端係
合部がヒンジ部から外側又は内側に揺動する。そして、
各係止アームの先端係合部が所定量揺動すると、各係止
アームはカセットハーフに設けられた第１又は第２のス
トッパー部に当接して揺動を規制される。

【００３６】即ち、前記第１及び第２のストッパー部
は、各アームの先端係合部を介して作用する各リールの
押圧力を受けることができ、各リールの押圧力が前記ス
ライド胴部に直接伝わるのを防ぐことができる。これに
より、リールロック部材は、スライド胴部がばね部材の
付勢力に抗してロック解除方向に摺動する量を最小限に
抑えることができ、一対の係止アームが各フランジに係
合した状態を保つことができる。従って、前記ビデオテ
ープカセットは、落下したときにも、前記係止アームと
各リールの係合歯との係合が確実に保持され、磁気テー
プの巻弛みを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係るビデオテープカセッ
トの要部平面図である。

【図２】図１に示したビデオテープカセットが平行に落
下した状態の説明図である。

【図３】図１に示したビデオテープカセットが斜めに落
下した状態の説明図である。

【図４】図１に示したビデオテープカセットの使用状態
の説明図である。

【図５】リールロック部材の変形例を示す平面図であ
る。

【図６】本発明の他の実施形態に係るリールロック部材
を備えたビデオテープカセットの要部拡大斜視図であ
る。

【図７】従来のビデオテープカセットを示す概略構成図
である。

【符号の説明】

１ ビデオテープカセット ３，４ リール ５，６ 下フランジ ５ａ，６ａ 係合歯 １１ スライド胴部 １２，１３ ヒンジ部 １４，１５ 係止アーム １７，１８ 隔壁 １７ａ，１８ａ 角部 ２０，２１ ストッパーピン ２４ 圧縮コイルばね

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カセットケース内に磁気テープを巻回し
   て回動自在に取付けられた一対のリールと、該リールの
   フランジに係合してリール回動を阻止するリールロック
   部材とを具備する磁気テープカセットにおいて、 前記リールロック部材は、前記一対のリール間に摺動自
   在に配置されるスライド胴部と、前記各フランジに係合
   すべく前記スライド胴部に突設された一対の係止アーム
   とを有すると共に、これら係止アームが前記フランジに
   係合する方向へ摺動できるようにばね部材により前記ス
   ライド胴部を付勢されており、 前記一対の係止アームには、先端係合部を前記スライド
   胴部と揺動可能に連結するヒンジ部が設けられ、 前記カセットケース又は前記一対の係止アームの少なく
   とも一方には、前記先端係合部と前記ヒンジ部との間で
   互いに当接することにより前記先端係合部の内側への揺
   動量を規制する第１のストッパー部が設けられると共
   に、 前記カセットケース又は前記一対の係止アームの少なく
   とも一方には、前記係止アームの先端係合部とヒンジ部
   との間で互いに当接することにより前記先端係合部の外
   側への揺動量を規制する第２のストッパー部が設けられ
   ることを特徴とする磁気テープカセット。
2. 【請求項２】 カセットケース内に磁気テープを巻回し
   て回動自在に取付けられた一対のリールと、該リールの
   フランジに係合してリール回動を阻止するリールロック
   部材とを具備する磁気テープカセットにおいて、 前記リールロック部材は、前記一対のリール間に摺動自
   在に配置されるスライド胴部と、前記各フランジに係合
   すべく前記スライド胴部に突設された一対の係止アーム
   とを有すると共に、これら係止アームが前記フランジに
   係合する方向へ摺動できるようにばね部材により前記ス
   ライド胴部を付勢されており、 前記一対の係止アームには、先端係合部を前記スライド
   胴部と揺動可能に連結するヒンジ部が設けられ、 前記スライド胴部又は前記一対の係止アームの少なくと
   も一方には、前記先端係合部と前記ヒンジ部との間で互
   いに当接することにより前記先端係合部の内側への揺動
   量を規制する第１のストッパー部が設けられると共に、 前記カセットケース又は前記一対の係止アームの少なく
   とも一方には、前記係止アームの先端係合部とヒンジ部
   との間で互いに当接することにより前記先端係合部の外
   側への揺動量を規制する第２のストッパー部が設けられ
   ることを特徴とする磁気テープカセット。