JPH1120362A - バインディング装置におけるバインド部材の成形機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】綴じ用紙１の紙厚に応じて簡単にバインド部材
３の脚部３ｂの成形態様を変更することができるバイン
ディング装置におけるバインド部材３の成形機構 【解決手段】バインド部材３と、バインド部材３の真直
部３ａを脚部３ｂ側に向けて打ち出すドライバプレート
７と、円弧状の成形ガイド溝４と、成形ガイド溝４の一
端近傍の内側に設けられて成形ガイド溝４の一端に向け
て打ち出されたバインド部材３の脚部３ｂの側面に係合
して脚部３ｂを折り曲げ成形する成形支点を構成する支
点部材６とを備え、打ち出された後に脚部３ｂが支点部
材６と成形ガイド溝４４によりリング状に形成されるま
での間に、綴じ用紙１のパンチ穴２に脚部３ｂを貫通さ
せるバインディングで装置であって、成形ガイド溝４を
複数のガイド部材によって形成し、これら複数のガイド
部材を交換することによって脚部３ｂの成形態様を変更
可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は綴じ用紙に形成した
パンチ穴にバインド部材の脚部を貫通してリング状に成
形することにより上記綴じ用紙を綴じるバインディング
装置におけるバインド部材の成形機構に関する。

【０００２】

【従来技術】複写した複数の用紙を綴じて会議やプレゼ
ンテーションの席に提出する場合などのように、綴じ用
紙をバインディングするための手段としては、ステープ
ルで留めるものが一般的であるが、これは見開き部分が
見にくいという欠点がある。また、ホットメルトで用紙
の端面を互いに接着する手段も知られている。ところ
が、ホットメルトで留めるものは接着剤を加熱した後に
冷却しなければならないので時間がかかるという問題が
ある。さらに、真直部に対して一定の間隔をおいて複数
のＵ字片を直角に突出したバインド部材を用い、綴じ用
紙の端縁に沿ってパンチ穴にそれぞれバインド部材のＵ
字状片を貫通させた後にＵ字状片をリング状に折り曲げ
てバインディングする装置も知られている。しかし、こ
れは１個のバインド部材に多数のＵ字状片が設けられて
いるので、バインド部材自体が大きく高価であるととも
に、一度に数多くのバインディング作業をする場合、バ
インド部材の数量が大きくなってスペースを要するほ
か、Ｕ字状片同士が絡まり合いやすいので、作業が煩雑
になるという欠点があった。

【０００３】そこで、完全に見開きでき、しかも迅速に
綴じることができるものとして、図１４(a) に示された
ように、断面が円弧状の曲面ガイド３０の一端近傍に成
形支点３１を設けておき、この成形支点３１と曲面ガイ
ド３０の端部との間に針金材３２を押し込むバインディ
ング装置が考えられている。この装置によれば、成形支
点３１と曲面ガイド３０の端部との間にコ字形の針金材
３２を垂直に押し下げると、針状材３２の先端が曲面ガ
イド３０に当たるまでは曲がらないが、さらに押し下げ
ると、矢印で示されるように針状材３２の先端は曲面ガ
イド３０に沿って曲がるように案内されるので、針状材
３２は成形支点３１に係合した部位を越えるところから
折れ曲がり、成形支点３１を越えた部分が次々に曲げら
れる。このため、針金材３２は同図(b) に示されたよう
にリング状に成形される。このようにして、成形支点３
１と曲面ガイド３０により真直状の針金材をリング状に
形成することができる。打ち出されてからリング状に形
成されるまでの間で、上記針状材を綴じ用紙３３の端縁
部のパンチ穴に貫通させれば、上記綴じ用紙３３を綴る
ことができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、綴られ
る綴じ用紙の厚さは大小いろいろであり、紙厚に拘らず
紙を円滑にめくることができるためにはリング部の径も
紙厚に対応して調整しなければならない。綴じ用紙の厚
さに対してリング部の径が小さすぎると、綴じ部分がき
つくて用紙をめくりにくく、破損することがあり、また
リング部の径が大きすぎると、綴じ用紙の表裏面からリ
ング部が大きく突出して他の綴じ用紙と重ねるときに邪
魔になる。

【０００５】また、針状材をほぼ完全なリングにしてし
まうと、閉じ用紙のパンチ穴も全体として弯曲するよう
に形成しないと端面が揃わないという不都合がある。

【０００６】本発明は上記問題点を解消し、綴じ用紙の
紙厚に応じて簡単にバインド部材の脚部の成形態様を変
更することができるバインディング装置におけるバイン
ド部材の成形機構を提供することをその課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係るバインディング装置におけるバインド
部材の成形機構は、真直部から直角に平行な脚部を形成
したバインド部材と、バインド部材の真直部を脚部側に
向けて打ち出すドライバプレートと、上記脚部に対応し
て形成された弯曲状の成形ガイド溝と、成形ガイド溝の
一端近傍の内側に設けられて成形ガイド溝の一端に向け
て打ち出されたバインド部材の脚部の側面に係合して上
記脚部を折り曲げ成形する成形支点を構成する支点部材
とを備え、打ち出された後にその脚部が上記支点部材と
成形ガイド溝によりリング状に形成されるまでの間に、
綴じ用紙の端縁部に形成したパンチ穴に上記脚部を貫通
させるバインディング装置であって、上記成形ガイド溝
を複数のガイド部材によって形成し、これら複数のガイ
ド部材を交換することによって上記脚部の成形態様を変
更可能にしたことを特徴とする。

【０００８】なお、前記成形ガイド溝を複数のガイド部
材によって形成し、これら複数のガイド部材を交換する
ことに代え、前記支点部材を前記成形ガイド溝に対して
相対的に移動調整可能とし、支点部材を相対的に移動す
ることによって前記脚部の成形態様を変更可能にするよ
うに構成してもよい。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１において符号１は重ね合わさ
れてバインディングすべき複数の綴じ用紙を示す。この
綴じ用紙１の端縁には図示しないパンチによって１対ず
つ２組のパンチ穴２が穿孔されている。３はバインド部
材を示す。バインド部材３は真直部３ａの両端から１対
の平行な脚部３ｂを直角に形成したコ字形の金属製部材
で、通常は複数のものが接着されて連結バインド部材と
して構成されている。

【００１０】図２(a) はバインディング装置の斜視図、
同図(b) はその断面図を示す。このバインディング装置
はバインド部材３をリング状に曲げ成形するもので、１
対の成形ガイド溝４を有する成形台５と、成形台５の上
部に設けられたフェースプレート６と、フェースプレー
ト６の裏面に沿って案内されて上下動するドライバプレ
ート７とを備え、フェースプレート６の後方には連結バ
インド部材３の供給通路８が形成され、供給通路８内の
連結バインド部材３は図示しない押圧手段により常時フ
ェースプレート６の背面側（前方）に向かって押し付け
られ、先頭のバインド部材３はドライバプレート７の下
方に配置されている。

【００１１】成形台５は断面が略Ｊ字形に形成され、内
側弯曲面には上記１対の成形ガイド溝４が平行に形成さ
れている。成形ガイド溝４の溝底は円弧状に形成されて
いる。成形ガイド溝４の上端は供給通路８の先頭のバイ
ンド部材３の脚部３ｂの延長上にあるように配置されて
いる。

【００１２】ところで、図３に示されるように、上記成
形ガイド溝４は成形台５に２個の略平行なベース溝１０
を形成し、各ベース溝１０にガイドプレート１１を挿入
し適宜手段で固定することによって構成されている。ベ
ース溝１０の溝幅はバインド部材３の径よりもわずかに
大きく形成され、またガイドプレート１１の上面には円
弧状の曲面が形成されている。このため、ベース溝１０
の内側の対向側面とガイドプレート１１の上面とによっ
て成形ガイド溝４が形成されている。なお、ガイドプレ
ート１１は着脱自在である。

【００１３】また、フェースプレート６の下部中央は切
欠かれて凹部１２が形成され、この凹部１２の上端面は
傾斜して上部ガイド面１３が形成されている。凹部１２
の両側先端の突部１４の内側も傾斜して側部ガイド面１
５が形成されている。

【００１４】次に、上記構成のバインディング装置の使
用態様について説明すると、まず図４(a) のように成形
台５の成形ガイド溝４の先端の延長上に上記綴じ用紙１
のパンチ穴２が対応するように配置する。ここで、ドラ
イバプレート７をフェースプレート６とともにその背面
に沿って下方に作動させると、フェースプレート６は所
定位置まで下がって停止し、その両側突部１４は成形支
点Ｐとなって支点部材をも兼用する。これに対して、ド
ライバプレート７は先頭のバインド部材３の真直部３ａ
に当たり、さらにこれを脚部３ｂ側に向けて押し下げる
ので、バインド部材３の両側の脚部３ｂはドライバプレ
ート７の先端と成形ガイド溝４との間の空間を通り、そ
の先端が成形台５の成形ガイド溝４の溝底に当たって同
図(b) に示したようにドライバプレート７の突部１４
（成形支点Ｐ）によってガイド溝４の曲面に沿って折れ
曲がるように案内されて弯曲する。そして、成形ガイド
溝４の先端からはみ出すと、この部分は弯曲したまま綴
じ用紙１のパンチ穴２内に挿入され、さらにパンチ穴２
を貫通した後、図５(a) (b) に示したようにフェースプ
レート６の凹部１２に接近してフェースプレート６の側
部ガイド面１５で内側にガイドされるとともに、上部ガ
イド面１３でガイドされ、図６に示すようにバインド部
材３の脚部３ｂの内側面に当接する。下死点に達した
後、ドライバプレート７は上方に作動して初期位置に復
帰し、同時にフェースプレート６も上動して初期位置に
戻り、フェースプレート６の先端部（成形支点Ｐ）はバ
インド部材３の前面から退避するから、綴じ用紙１をバ
インディングした状態で成形台５から取り出すことがで
きる。これによって、１対の脚部３ｂは１対の円形のリ
ング状に形成され、２個のバインド部材３により図７に
示すようにバインディングが行なわれる。

【００１５】ところで、上記のバインディング装置によ
れば、バインド部材３の脚部３ｂの曲がり具合はガイド
プレート１１によって決定する。したがって、図８のよ
うに円弧状弯曲面４ａの半径が異なるガイドプレート１
１ａ、１１ｂ等を複数種類用意しておくことにより、こ
れを交換することにより成形ガイド溝の大きさを最適な
ものに変更することができる。綴じ用紙１の厚みとバイ
ンド部材３のリング部ａ（図６参照）の大きさとを対応
させ、どの程度の綴じ用紙１の厚みにはリング部ａの大
きさ及びガイド溝４の大きさをどの程度にすればよいか
は予め知ることができるから、綴じ用紙１の厚みに応じ
たガイドプレート１１を用いることにより、その綴じ用
紙１の厚みに最もよく対応する脚部３ｂを調整して成形
することができる。

【００１６】なお、成形ガイド溝４の変更については上
記図示例に限定されない。例えば、図９のように成形台
５上に凹部２２を形成する一方、ガイドブロック１６の
両側面に、一方の溝側面と溝底とを形成したガイド部２
３を形成し、このガイドブロック１６ａ、１６ｂ等を上
記凹部１２に嵌合することによって成形ガイド溝４を形
成する構成とし、異なるガイド部２３を形成した複数種
類のガイドブロック１６ａ、１６ｂ等を用意しておき、
ガイドブロック１６を適宜交換することによって成形ガ
イド溝４の大きさを変更するようにしてもよい。

【００１７】また、成形ガイド溝４は断面が半円弧状に
示されているが、これに限定されない。例えば、４分の
１円状、４分の３円状等の円弧に形成してもよい。

【００１８】ところで、図１０(a) のように成形ガイド
溝４を傾斜平面状に形成することにより、バインド部材
３の脚部３ｂはドライバプレートに打ち出されてその先
端部が成形ガイド溝４に当たるが、その部位の傾斜角が
円弧状のガイド溝に比べて浅いので、上記先端部は脚部
３ｂの軸心に対して直角の方向に急激に案内されて移動
する。このため、脚部３ｂは支点部材２０に係合した部
分から急角度で折り曲げられ、この屈曲部が成形ガイド
溝４に当たり、同様にしてその上方部分が折り曲げられ
る。このようにして脚部３ｂは成形ガイド溝４の傾斜角
に応じて同図(b) に示すように多角形状のリング部ａを
得ることができる。なお距離Ａ１はＡ２とほぼ等しくな
る。したがって、この場合も、図１１のように、成形ガ
イド溝４の溝底をガイドプレート１７によって構成し、
このガイドプレート１７を軸１８で連結し、軸１８の端
部にダイヤル１９（プーリーでもよい）を固定し、ダイ
ヤル１９やプーリーを回転させることによってガイドプ
レート１７の傾斜角を変えることで、リング部ａの内角
を調整して綴じ用紙１の厚みに最もよく対応する脚部３
ｂを成形調整することができる。

【００１９】なお、上述のように成形ガイド溝４を複数
のガイド部材によって形成する代りに、支点部材を移動
調整することによって脚部３ｂの成形態様を変更するこ
とができる。すなわち、図１２(a) に示したように、成
形支点Ｐを構成する支点部材２０を上方に移動すると、
バインド部材３の脚部３ｂの先端部から支点部材２０に
係合する部位までの距離Ｌ１が長くなるから、この調整
により得られたリング部は同図(b) のように脚部３ｂの
先端側の直線部分２１が長いものとなる。したがって、
綴じ用紙１のパンチ穴２に上記直線部分２１を貫通させ
ることによって厚い綴じ用紙１をその端面が揃うように
綴じることができる。

【００２０】反対に、図１３に示したように、支点部材
２０を下方に移動すると、バインド部材３の脚部３ｂの
先端部から支点部材２０に係合する部位までの距離Ｌ２
が短くなるから、リング部の脚部３ｂの先端側の直線部
分２１が短いものとなる。したがって、綴じ用紙１のパ
ンチ穴２に上記直線部分２１を貫通させることによって
薄い綴じ用紙１をその端面が揃うように綴じることがで
きる。

【００２１】同様に、上記支点部材２０を右又は左に移
動調整した場合であっても、同じような成形態様変更効
果が得られる。

【００２２】また、支点部材の調整による成形態様の変
更効果は、図１０のようにリング部を多角形状にする場
合においても同様に得られる。

【００２３】なお、バインド部材３の形状は断面が円形
の線状であるものに限定されない。例えば、帯状材でも
よい。また、２本の脚部を有するものに限定されない。
３本以上の脚部を有するものであってもよい。また、バ
インディング装置は真直状のバインド部材を装置内で２
本の脚部を有するコ字形に成形した後に打ち出す方式で
あってもよい。

【００２４】さらに、上記図示例では、成形支点はフェ
ースプレート６の突部１４に形成され、フェースプレー
ト６が支点部材を兼ねているが、支点部材は必ずしもフ
ェースプレート６と一体に形成する必要はない。例え
ば、フェースプレートの下方に上下動又は水平移動可能
な支点部材（図示せず）を設ける構成であってもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】綴じ用紙とバインド部材の斜視図

【図２】(a) (b) はそれぞれ本発明に係るバインディン
グ装置の斜視図と縦断面図

【図３】成形ガイド溝の構成態様説明図

【図４】(a) (b) はそれぞれバインディング装置の作動
態様説明図

【図５】(a) (b) はドライバプレートが下死点に至った
ときの縦断面図と斜視図

【図６】バインド部材の成形完了状態の斜視図

【図７】綴じの完成図

【図８】種類の異なるガイドプレートの斜視図

【図９】成形ガイド溝の他の構成例の斜視図

【図１０】(a) (b) は他のバインディング装置の例の説
明図とバインド部材の成形状態説明図

【図１１】図１０の例のバインド部材装置の成形を調整
する部材の説明図

【図１２】(a) (b) は成形支点を変更した状態の説明図

【図１３】(a) (b) は成形支点を他に変更した状態の説
明図

【図１４】(a) (b) は従来のバインド部材による成形態
様説明図

【符号の説明】

１ 綴じ用紙 ２ パンチ穴 ３ バインド部材 ３ａ 真直部 ３ｂ 脚部 ４ 成形ガイド溝 ６ フェースプレート（支点部材） ７ ドライバプレート １１、１１ａ、１１ｂ、１７ ガイドプレート（ガイド
部材） １６ ガイドブロック（ガイド部材）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 真直部から直角に平行な脚部を形成した
   バインド部材と、バインド部材の真直部を脚部側に向け
   て打ち出すドライバプレートと、上記脚部に対応して形
   成された弯曲状の成形ガイド溝と、成形ガイド溝の一端
   近傍の内側に設けられて成形ガイド溝の一端に向けて打
   ち出されたバインド部材の脚部の側面に係合して上記脚
   部を折り曲げ成形する成形支点を構成する支点部材とを
   備え、打ち出された後にその脚部が上記支点部材と成形
   ガイド溝によりリング状に形成されるまでの間に、綴じ
   用紙の端縁部に形成したパンチ穴に上記脚部を貫通させ
   るバインディング装置であって、 上記成形ガイド溝を複数のガイド部材によって形成し、
   これら複数のガイド部材を交換することによって上記脚
   部の成形態様を変更可能にしたことを特徴とするバイン
   ディング装置におけるバインド部材の成形機構。
2. 【請求項２】 前記成形ガイド溝を複数のガイド部材に
   よって形成し、これら複数のガイド部材を交換すること
   に代え、前記支点部材を前記成形ガイド溝に対して相対
   的に移動調整可能とし、支点部材を相対的に移動するこ
   とによって前記脚部の成形態様を変更可能にした請求項
   １記載のバインディング装置におけるバインド部材の成
   形機構。