JPH11200144A - 難燃性に優れた弾性フィラメント - Google Patents

難燃性に優れた弾性フィラメント

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JPH11200144A
JPH11200144A JP173998A JP173998A JPH11200144A JP H11200144 A JPH11200144 A JP H11200144A JP 173998 A JP173998 A JP 173998A JP 173998 A JP173998 A JP 173998A JP H11200144 A JPH11200144 A JP H11200144A
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JP
Japan
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elongation
block copolymer
flame retardancy
group
filament
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Application number
JP173998A
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Inventor
Yasuo Ota
康雄 大田
Hidetaka Miyaji
英孝 宮地
Takahiro Kuramoto
隆宏 倉本
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 力学特性および弾性回復性に優れかつ、難燃
性・耐熱性・耐候性に優れる各種産業資材用途に最適な
複合ポリエステル弾性フィラメントを提供する。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分と
し、脂肪族及び/又は脂環族のジヒドロキシ化合物を主
たるグリコール成分とし、さらに燐原子含有量が分子量
400〜6000の低融点重合体セグメントに対し50
0〜50000ppm共重合してなる熱可塑性ポリエステ
ルブロック共重合体を主体とする、破断伸度が80%以
上、破断強度が0.5g/d以上で、且つ80℃におけ
る30%伸長後の伸長回復率が90%以上である難燃性
に優れた弾性フィラメント。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伸縮回復性に優れ
るロープ、漁網、ネット、あるいは事務用及び車両用椅
子などの各種産業資材、更にはテキスタイル分野に使用
可能なマルチあるいはモノフィラメントとして、従来に
無い難燃性、耐熱性、着色性、耐候性、伸長回復特性お
よび引っ張り特性に優れるポリエステル系弾性フィラメ
ントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】比較的高い引っ張り強度を有し、しかも
高度な伸長および曲げ変形に対する回復特性に優れる熱
可塑性ポリエステルブロック共重合体を組成とする分子
配向フィラメントを伸縮回復性に優れるロープ、漁網、
ネット、あるいは布帛形態として、その弾性特性を利用
して従来のウレタンなどのクッション材の代替となるよ
うな高性能の事務用及び車両用椅子用途などの産業資材
に応用しようとする場合、例えば通常のポリエステル等
の繊維に比べるとその難燃性や耐候性、耐熱老化性とい
った使用環境に対する安定性に乏しいことが知られてお
り、これらの特性が上記での応用を限られたものにして
いた。
【0003】ここで、熱可塑性ポリエステルブロック共
重合体から成るフィラメントの難燃性を改善する技術と
して、共重合体にヘキサブロモベンゼンやデカブロモフ
ェニルエーテル等の有機ハロゲン化合物と、難燃助剤と
して三酸化アンチモン等の無機化合物を併用することが
従来より知られている。
【0004】ところが、このような方法ではフィラメン
トを例えば屋外などで長期に使用した場合、難燃剤がブ
リードアウトすることで外観不良や、熱や光劣化で難燃
効果が無くなり、可燃性になる可能性があり、さらには
熱可塑性ポリエステルブロック共重合体を原料とするフ
ィラメントの特徴である伸長回復性や比較的高い強度等
の力学特性が損なわれる等の問題があった。
【0005】そこで、こうした難燃性と滞留安定性の問
題を解決する方法として、高分子量ハロゲン化ビスフェ
ノールA型フェノキシ樹脂と無機系難燃助剤を添加する
方法(特公平4−14132)や、臭素化エポキシ樹脂
を添加する方法(特公昭53−18068)等が提案さ
れている。しかし、これらの場合でも、難燃性を付与す
る場合には上記の難燃剤を多量に添加する必要が有り、
高温成形時でのゲル化による成形不良や、光による機械
的物性の低下や、特に伸長回復性が低下する問題があ
る。
【0006】また、さらに上記の問題点の改良の目的
で、ポリマー製造時に難燃性を付与物質を添加して、共
重合する方法が有り、従来から種々の燐化合物が用いる
方法(特公昭55−41610)が提案されている。た
だし、これらの場合では、期待する難燃性が不足する等
の問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、難燃性、耐候性及び耐熱老化性のいずれにも優れ、
しかもフィラメントが使用される形状における伸長回復
性等の力学特性に優れる熱可塑性ポリエステル系弾性フ
ィラメントを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ジカル
ボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族及び/又は脂環族の
ジヒドロキシ化合物を主たるグリコール成分とし、さら
に燐原子含有量が分子量400〜6000の低融点重合
体セグメントに対し500〜50000ppm 共重合して
なる熱可塑性ポリエステルブロック共重合体を主体とす
る、破断伸度が80%以上、破断強度が0.5g/d以
上で、且つ80℃における30%伸長後の伸長回復率が
90%以上であることを特徴とする難燃性に優れた弾性
フィラメント、及び芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分
とし、脂肪族及び/又は脂環族のジヒドロキシ化合物を
主たるグリコール成分とし、さらに燐原子含有量が分子
量400〜6000の低融点重合体セグメントに対し5
00〜50000ppm 共重合してなる熱可塑性ポリエス
テルブロック共重合体に、トリアジン系化合物及び/又
はその誘導体を含有してなり且つ、その限界酸素指数
(L.O.I)が20以上であることを満足することを
特徴とする難燃性に優れた弾性フィラメントである。そ
して好ましくは熱可塑性ポリエステルブロック共重合体
が下記一般式(I)で示される燐化合物を共重合してな
ることを特徴とする上記に記載の難燃性に優れた弾性フ
ィラメント、
【0009】
【化5】 (ただし式中、R1, は一価のエステル成形性官能基、
R2、R3は同じかまたは、異なる基であって、それぞ
れハロゲン原子、炭素原子数1〜10の炭化水素基、R
1より選ばれ、Aは二価もしくは三価の有機残基を表
す。またn1は1または2、n2は0〜4の整数を表
す。) 及び、トリアジン系化合物及び/又はその誘導体が、下
記一般式(II)〜(IV)で示される難燃性ポリエステル
ブロック共重合体組成物からなることを特徴とする請求
項2記載の難燃性に優れた弾性フィラメントである。
【0010】
【化6】
【0011】
【化7】
【0012】
【化8】 (式中R1,R2,R3は水素原子、アミノ基、アルキ
ル基、アニール基、フェニル基であり、R1,R2,R
3は同一であっても異なっていても良い。)
【0013】本発明におけるフィラメントの原料である
熱可塑性ポリエステルブロック共重合体とは、高融点硬
ポリエステルセグメントと分子量400〜6000の低
融点重合体セグメントとからなる共重合体であり、高融
点ポリエステルセグメント構成成分だけで高重合体を形
成した場合の融点が150℃以上であり、低融点重合体
セグメント構成成分のみで測定した場合の融点ないし軟
化点が80℃以下の構成成分からなる熱可塑性ポリエス
テルブロック共重合体である。
【0014】このフィラメントの原料であるポリエステ
ルブロック共重合体をさらに詳しく述べると、高融点硬
ポリエステルセグメント構成成分としては、例えばテレ
フタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジ
フェニルジカルボン酸、ビス(4−カルボキシフェニ
ル)メタン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン
等の芳香族ジカルボン酸又はそのエステルと、
【0015】エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコ
ール、2,2−ジメチルトリメチレングリコール、ヘキ
サメチレングリコール、デカメチレングリコール、p−
キシリレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等
のジオールから製造されるポリエステルあるいはこれら
の2種類以上のジカルボン酸あるいは2種類以上のジオ
ールを用いたコポリエステル
【0016】p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸
などのオキシ酸およびそれらのエステルから誘導される
ポリエステル、ポリピバロラクトンなどのポリラクト
ン、1,2−ビス(4,4’−ジカルボキシフェノキ
シ)エタン等の芳香族エーテルジカルボン酸と前述のジ
オールとから製造されるポリエーテルエステル、さらに
以上のジカルボン酸類、オキシ酸類、ジオール類を組み
合わせたコポリエステル類などを示すことができる。
【0017】分子量400〜6000の低融点重合体セ
グメント構成成分としては、例えばポリ(エチレンオキ
サイド)グリコール、ポリ(プロピレンオキサイド)グ
リコール、ポリ(テトラメチレンオキサイド)グリコー
ル等のポリアルキレンエーテルグリコール及びこれらの
混合物さらにこれらのポリエーテルグリコール構成成分
を共重合した共重合ポリエーテルグリコール等を示すこ
とができる。また炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸
と炭素数2〜10の脂肪族グリコールから製造されるポ
リエステル、例えばポリエチレナジペート、ポリテトラ
アメチレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリ
ネオベンチルセバケート、ポリテトラメチレンドデカネ
ート、ポリテトラメチレンアゼレート、ポリヘキサメチ
レンアゼレート、ポリ−ε−カプロラクトンなどを示す
ことができる。さらに上記ポリエステルとポリエーテル
を組み合わせたポリエステルポリエーテル共重合体など
も示すことができる。上記ポリエステルブロック共重合
体での低融点重合体グメント構成成分の割合は5〜80
重量%が好ましく、より好ましくは20〜50重量%で
ある。
【0018】上記ポリエステル中の燐原子含有量が50
0〜50000ppmとなるように、下記一般式(I)
で示される燐化合物を添加することを特徴とするもので
ある。
【0019】
【化9】 (ただし式中、R1, は一価のエステル成形性官能基、
R2、R3は同じかまたは、異なる基であって、それぞ
れハロゲン原子、炭素原子数1〜10の炭化水素基、R
1より選ばれ、Aは二価もしくは三価の有機残基を表
す。またn1は1または2、n2は0〜4の整数を表
す。)
【0020】本発明において耐難燃性熱可塑性エラスト
マーフィラメントの原料となる重合組成物を得る際に用
いられる燐化合物は、前記化学式(I)で示されるもの
であるが、式中R1として、具体的にはカルボキシル
基、カルボキシル基の炭素原子数が1〜6のアルキルエ
ステル、シクロアルキルエステル、アニールエステル、
ヒドロキシル基、炭素原子数2〜7のヒドロキシルアル
コキシカルボニル基等が挙げられる。
【0021】また、R2,R3としては、塩素原子、臭
素原子等のハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル
基、シクロアルキル基、アニール基及び上記したR1の
一価の基等が好ましいものとして挙げられる。一方Aと
して好ましいものはメチレン、エチレン、1,2−プロ
ピレン、1,3プロピレンなどの低級アルキレン基、
1,3−フェニレン、1,4−フェニレン等のアリーレ
ン基、1,3−キシリレン、1,4−キシリレン、等の
2価の基、さらには3価以上の基であっても良い。なお
上記の炭化水素基は塩素原子、臭素原子等のハロゲン基
で置換されていても良い。
【0022】本発明においては、一般式(I)で示され
る燐化合物は、ポリマー中に燐原子として500〜50
000ppm含まれるように使用するのが適当であり、
特に1000〜10000ppmに使用するの好まし
い。上記燐化合物の使用量が上記の範囲より小さい場合
では、期待した難燃性の熱可塑性エラストマーが得られ
ず、一方使用量が上記の範囲より多い場合では、機械的
強度が劣り好ましくない。
【0023】これらのポリエステルブロック共重合体は
通常の重縮合法によって製造することができる。好適な
方法としては芳香族ジカルボン酸またはそのジメチルエ
ステル、低融点セグメント形成性ジオール及び分子量ジ
オールを触媒の存在下に約150〜260℃の温度に加
熱し、次いで重縮合反応またはエステル交換反応により
形成された水またはメタノールを除去し、生成したプレ
ポリマーを真空下に加熱して過剰の低分子量ジオールを
除去することにより高重合度のポリエステル型ブロック
共重合体とする方法、あらかじめ調整した高融点ポリエ
ステルセグメント形成性プレポリマー及び低融点重合体
セグメント形成性プレポリマーにそれなのプレポリマー
の末端官能基と反応する2官能性の化合物を混合反応さ
せたのち、系を高真空に保ち、揮発成分を除去すること
によりポリエステルブロック共重合体とする方法、高重
合度の高融点ポリエステルとラクトンモノマーを加熱混
合し、ラクトンを開環重合させつつエステルブロック共
重合体とする方法などがある。
【0024】上記燐化合物を添加する方法としては、エ
ステル交換反応の際に添加しても、エステル交換後の重
縮合前または重縮合反応の比較的初期段階で添加するこ
ともでき、特に添加方法としては、限定されない。
【0025】本発明においては上記熱可塑性ポリエステ
ルブロック共重合体に加えて下記一般式(II)〜(IV)
で示されるトリアジン系化合物及び/又はその誘導体を
添加してもよい。
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】 (式中R1,R2,R3は水素原子、アミノ基、アルキ
ル基、アニール基、フェニル基であり、R1,R2,R
3は同一であっても異なっていても良い。)
【0029】さらにトリアジン系化合物の誘導体として
は、下記の一般式で示されるイソシアネート基含有化合
物も挙げられる。 R1−(NCO)n (ここでn=1〜4、R1の構造は任意である。) これらのうちでもっとも一般的なものは、MDI、TD
I等のウレタンの原料として使用されているものであ
る。これらの中でポリエステルブロック共重合体の物性
を低下させず、ブルーミングを生じないという点で、メ
ラミンとシアヌール酸の付加物であるメラミンシアヌレ
ートが特に好ましい。更に好ましくは、粉末状のメラミ
ンシアヌレートであり、走査型電子顕微鏡(SEM)で
撮影した概粉末の像をイメージアナライザーで分析した
ときの、概粉末の平均粒径が、2μm〜100μmであ
る。トリアジン系化合物及び/又はその誘導体としての
添加量としては、ポリエステルブロック共重合体,10
0重量部に対して、0.5〜20重量部が好ましい。特
に1〜5重量部が、柔軟性と難燃性の面から好ましい。
【0030】上記燐化合物を添加する方法としては、エ
ステル交換反応の際に添加しても、エステル交換後の重
縮合前または重縮合反応の比較的初期段階で添加するこ
とや、加熱ロール、押出機、バンバリミキサー等の混練
機を用いて混合することができ、特に添加方法として
は、限定されない。
【0031】さらに本発明の組成物は、添加物として公
知のヒンダートフェノール系、硫黄系、燐系等の酸化防
止剤、ヒンダートアミン系、トリアゾール系、ベンゾフ
ェノン系、ベンゾエート系、ニッケル系、サリチル系等
の光安定剤、帯電防止剤、滑剤、過酸化物等の分子調整
剤、金属不活性化剤、有機及び無機系の核剤、中和剤、
制酸剤、防菌剤、蛍光増白剤、充填剤、難燃剤、難燃助
剤等を一種類以上を添加することができる。
【0032】ヒンダードフェノール系酸化防止剤として
は、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−トルエ
ン、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネー
ト、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t
−ブチルー4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6’−
トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒイドロキシベ
ンジル)ベンゼン、カルシウム(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−ベンジル−モノエチル−フォスフ
ェート)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−
t−ブチル−5−メチルー4ーヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート]、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2
−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、
ビス[3,3−ビス(4’ヒドロキシ−3’−t−ブチ
ルフェニル)酪酸]グリコールエステル、トコフェロー
ル、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチ
ルフェノール)、N,N’−ビス[3−(3,5−ジー
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]
ヒドラジン、2,2’−オキサミドビス[エチル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、1,1,3−トリス(2−メチル−
4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、
1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,
4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−
トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジ
メチルベンジル)イソシアヌレート、3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミックアシドトリ
エステルウイズ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシ
エチル)−S−トリアジン−2,4,6(1H,3H,
5H)等を挙げることができる。
【0033】硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリル−
3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル
−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジステアリ
ル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ラウリル
ステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、
ジオクタデシルサルファイド、ペンタエリストリトール
−テトラ(β−ラウリル−チオプロピオネート)エステ
ル等を挙げることができる。
【0034】燐系酸化防止剤としては、トリス(ミック
スド、モノ及びジノリルフェニル)フォスファイト、ト
リス(2,3−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイ
ト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t
−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)フォスファイト、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシル
フォスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ビ
ス(2、4ージ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリ
トール−ジ−フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンフォ
スファナイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェニル)ペンタエリストール−ジ−フォスファイ
ト、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブ
チルフェニル)−2−エチルヘキシル−フォスファイ
ト、ビス(2,4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペン
タエリスリトール−ジ−フォスファイト、トリフェニル
ホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジデシ
ルフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、ト
リオクチルホスファイト、トリドデシルホスファイト、
トリオクタデシルフォスファイト、トリノニルフェニル
ホスファイト、トリドデシルトリチオホスファイト等を
挙げることが出来る。
【0035】ヒンダードアミン系としては、琥珀酸ジメ
チルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペロジンとの重縮合
物、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラブチル)イ
ミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル]ヘキ
サメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)イミル]]、2−n−ブチルマロン酸のビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)エステル、テトラキス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテト
ラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)セバケート、N,N’−ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘ
キサメチレンジアミンと1,2−ジブロモエタンとの重
縮合物、ポリ[(N,N’−ビス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミ
ン)−(4−モノホリノ−1,3,5−トリアジン2、
6−ジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラミチルピ
ペラジノン)、トリス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)−ドデシル−1,2,3,4−ブタ
ンテトラカルボキシレート、トリス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−ドデシル−1,
2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート、1,6,11−トリス[{4,6−ビ
ス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメ
チルピペリジン−4−イル)アミノ−1,3,5−トリ
アジン−2−イル}アミノ]ウンデカン、1−[2−
[3−5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトロメチル
ピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメ
チル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ
[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイ
ルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミ
ン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6
−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等を挙げるこ
とができる。
【0036】トリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベン
ゾエート系、ニッケル系、サリチル酸系等の光安定剤ト
リアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ニ
ッケル系、サリチル酸系等の光安定剤としては、2,
2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、p
−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−
ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンゾエート、2−(2’−ヒドオキシ−5’−メ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒド
ロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルーフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−
ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ
−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2,5−ビス−[5’−t−ブチルベンゾキサゾリ
ル−(2)]−チオフェン、[ビス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル燐酸モノエチルエステ
ル]ニッケル塩、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’
−エチルオキサリックアシッド−ビス−アニリド85〜
90%と2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチル
−4’−t−ブチルオキサリックアシッド−ビス−アニ
リド10〜15%の混合物、2−(3,5−ジ−t−ブ
チル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチ
ルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、
2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビス
アニリド、2−[2’ヒドオキシ−5’−メチル−3’
−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフ
タルイミド−メチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、
ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシ
フェニル)メタン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t
−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロ
キシ−4−i−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−オクタデシルオキシベンゾフェノン等を挙げ
ることができる。
【0037】帯電防止剤としては、グリセリン脂肪酸
(C8〜C22)エステル、ソルビタン脂肪酸(C8〜
C22)エステル、プロピレングリコール脂肪酸(C8
〜C22)エステル、ショ糖酸脂肪酸(C8〜C22)
エステル、クエン酸モノ(ジ又はトリ)ステアリルエス
テル、ペンタエリスリトール脂肪酸(C8〜C18)エ
ステル、トリメチロールプロパン脂肪酸(C8〜C1
8)エスエル、ポリグリセリン脂肪酸(C8〜C22)
エステル、ポリオキシエチレン(20モル)グリセリン
脂肪酸(C12〜C18)エステル、オイリオキシエチ
レン(20モル)ソルビタン脂肪酸(C12〜C18)
エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸(C8〜C2
2)エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコール(C
12〜C20)エーテル、ポリオキシエチレン(4〜5
0モル)アルキル(C4以上)フェニルエーテル、N,
N−ビス(2−ヒドロキシエチル)脂肪(C8〜C1
8)アミン、脂肪酸とジエタノールアミンによる縮合生
成物、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロッ
クポリマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコールなどの非イオン性界面活性剤;アルキル(C
10〜C20)スルホン酸塩(Na,K,NH4)、ア
ルキルナフタリンスルホン酸塩(Na)、ソジウムジア
ルキル(C4〜C16)スルホンサクシネート、アルキ
ル(C8〜C20)サルフェート(Na,K,NH
4)、脂肪酸(C8〜C22)塩(Na,K,NH4)
等の陰イオン性界面活性剤;N−アシル(C8〜C1
8)ザルコシネート等の両イオン性界面活性剤;ポリア
クリル酸及びそのナトリウム塩等のその他の助剤等を挙
げることができる。
【0038】滑剤としては、ヘキシルアミド、オクチル
アミド、ステアリルアミド、オレイルアミド、エルシル
アミドエチレンビスステアリルアミド、ラウリルアミ
ド、ベヘニルアミド、メチレンビスステアリルアミド、
リシノールアミド等の炭素数3〜30の飽和或いは不飽
和脂肪族アミド及びその誘導体;ブチルステアリート、
イソブチルステアレート等の等の炭素数3〜30の飽和
或いは不飽和脂肪族エステル及びその誘導体;市販のシ
リコーン離型剤シリコーンオイル、シリコーンガム等の
シリコーン化合物;市販のフッ素系離型剤、4フッ化エ
チレン等のフッ素系化合物等を挙げることができる。
【0039】金属不活性剤としては、3−N’−サリチ
ロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、サリチルア
ルデヒド、サリチルヒドラジン、N,N’−ビス−[3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニル]ヒドラジン、オキサリル−ビス[ベ
ンジリデンヒドラジド]、9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイ
ド、3,4,5,6−ジベンゾ−1,2−オキサフォス
ファン−2−オキサイド、トリス[2−t−ブチル−4
−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5−t−ブ
チル)フェニル−5−メチル]フェニルフォスファイ
ト、2,2’−オキサミド−ビス−[エチル−3(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]等を挙げることができる。
【0040】核剤としては、1,3,2,4−ジ−ベン
ジリデン−ソルビートル、1,3,2,4−ジ−ジ−
(p−メチル−ベンジリデン)ソルビトール、1,3,
2,4−ジ−(p−エチル−ベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3,2,4−ジ−(2’,4’−ジ−メチル−
ベンジリデン)ソルビトール、1,3−p−クロロ−ベ
ンジリデン−2,4−p−メチル−ベンジリデン−ソル
ビトール、1,3,2,4−ジ−(p−プロピル−ベン
ジリデン)ソルビトール、アルミニウム−モノ−ヒドロ
キシ−ジ−p−t−ブチルベンゾエート、ソジウム−ビ
ス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ソジウ
ム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブ
チル−フェニル)フォスフェート、タルク、安息香酸ナ
トリウム、リチウム−2,2’−メチレン−ビス−
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート等
を挙げることができる。
【0041】中和剤及び制酸剤としては、リチウムステ
アレート、1,2−ヒドロキシリチウムステアレート、
ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアリン酸ソーダ、ス
テアリン酸カリウム、ベヘン酸リチウム、モンタンリチ
ウム、ベヘン酸ナトリウム、モンタン酸ナトリウム、ス
テアリル乳酸カルシウム、ベヘン酸カルシウム、モンタ
ン酸カルシウム、ステアリン酸カドニウム、ラウリル酸
カドミウム、リシノール酸カドミウム、ナフテン酸バリ
ウム、2−エチルヘキソイン酸バリウム、ステアリン酸
バリウム、2−エチルヘキソイン酸バリウム、ステアリ
ン酸カルシウム、ラウリル酸カルシウム、リシノール酸
カルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン
酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、2−エチ
ルヘキソイン酸亜鉛、ステアリン亜鉛、二塩基性ステア
リン酸鉛、ナフテン酸鉛、ステアリン酸錫、ステアリン
酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂
肪酸、アルキル乳酸のアルカリ又はアルカリ土類金属
塩;塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキ
シ・カーボネート・ハイドレート(ハイドロタルサイ
ト)、塩基性ゼオライト、エピクロルヒドリンとビスフ
ェノールA重合物類、エポキシ化大豆油類、エポキシ化
脂肪化モノエスエル類、エポキシ化脂環式脂肪酸エステ
ル類、ポリカルボジイミド類、イソシアネート系化合物
等を挙げることができる。
【0042】充填剤としては、カーボンブラック、酸化
マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化カル
シウム、酸化チタン、酸化クロム(III) 、酸化鉄、酸化
亜鉛、シリカ、珪藻土、アルミナ繊維、酸化アンチモ
ン、バリウムフェライト、ストロンチムフェライト、酸
化ベリリウム、軽石、軽石バルーン等の酸化物、水酸化
マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネ
シウム等の塩基性物又は水酸化物;炭酸マグネシウム、
炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜
硫酸カルシウム、ドロマイト、ドーソナイト等の炭酸
塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウ
ム、亜硫酸カルシウム、塩基性硫酸マグネシウム等の
(亜)硫酸塩;珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪
酸アルミニウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、タル
ク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、モンモ
リロライト、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ペントナ
イト等の珪酸塩;カオリン(陶土)、パーライト、鉄
粉、銅粉、鉛粉、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボ
ロン繊維、炭化珪素繊維、黄銅繊維、チタン酸カリウ
ム、チタン酸ジルコン酸鉛、硼酸亜鉛、硼酸アルミニウ
ム、メタ硼酸バリウム、硼酸カルシウム、硼酸ナトリウ
ム等を挙げることができる。特に、フィラメントの耐光
劣化を向上させる目的において、特にモノフィラメント
形状での光の遮蔽効果としてはカーボンブラックが好適
である。
【0043】上記組成からなる弾性フィラメントは破断
伸度が80%以上、破断強度が0.5g/d以上で、且
つ80℃における30%伸長後の伸長回復率が90%以
上であることを要する。即ち破断伸度が80%未満であ
ると適正なエラストマー的な特徴が発揮できないといっ
た問題が生じる。好ましくは100%以上である。また
破断強度が0.5g/d未満では形成される布帛の強力
が不十分で静的な荷重に耐えないといった問題が生じ
る。好ましくは0.8g/d 以上さらに好ましくは1.5
g/d 以上である、ただし繊維の強度が逆に4.0g/d を
超えると布帛の初期の荷重勾配が立ち上がり布帛設計上
好ましくない。更に80℃における30%伸長後の伸長
回復率はクッション材料としての耐久性の観点から非常
に重要であり、それが90%未満であると繰り返し使用
により弾性特性が低下するとともに布帛に弛みが生じ製
品上も好ましくない。このような観点から好ましい弾性
回復率は95%以上である。
【0044】上記組成のうち熱可塑性ポリエステルブロ
ック共重合体に、トリアジン系化合物及び/又はその誘
導体を含有してなるポリマーは、限界酸素指数が20以
上であることを要する。限界酸素指数が20未満である
と難燃焼性において不十分な効果しか得られない。
【0045】以下実施例により本発明を説明する。 (実施例1)ジメチルテレフタレート60部、1,4−
ブタンジオール38部、分子量約1000のポリ(テト
ラメチレンオキサイド)グリコール37部、下記式で示
す燐化合物(V)を、
【0046】
【化13】
【0047】生成するポリマーに対し、10000pp
mとなるように添加し、触媒としてテトラブチルチタネ
ートを金属チタンとして、生成するポリマーに対し、1
50ppmとなるように添加し、150〜230℃でエ
ステル交換を行った。次いで生成したオリゴマーにヒン
ダートフェノール系安定剤[チバ・ガイギー(株)製
品;Irganox1010]0.2重量部をそれぞれ
1,4−ブタンジオールのスラリーとして添加し、3t
orr以下の減圧下、230〜250℃で溶融重合を行
いポリマーを得た。さらにこのポリマーに、二軸押し出
し機を用いて、燐酸トリフェニル,10部、メラミンシ
アヌレート,5部およびカーボンブラック0.2部を添
加し、所望のポリマーを得た。得られたポリマーのL.O.
I 値は23であり、特に後者から難燃性が向上している
ことが判明した。
【0048】このポリマーを、0.1mmHGの真空
度、80℃の雰囲気温度下で4時間予備乾燥したのち、
同真空条件で120℃で12時間乾燥処理をほどこし
た。乾燥したレジンを、融解押出し装置を有する紡糸機
を用いて240℃溶融し、吐出量を22.2g/min
となるように調整し、230℃に設定した2Φの直径を
有するノズルを介して紡糸を実施した。紡出される糸の
状態は安定であった。吐出されたポリマーは50mmの
エアーギャップを有して設置された約30℃の水槽をく
ぐる事で冷却されて、続いて90℃に表面温度をコント
ロールされた20m/minの速度を有するネルソン型
ローラーと引き取りローラーの間で5倍に延伸されて、
引き続いて150℃の長さに設定されたスリット型ヒー
ター間でやく2%リラックスさせながらもう一対のネル
ソンローラーに引き取られて、直ちに巻き取られた。最
終の糸のデニールは約2500デニールであった。力学
特性と難燃特性共に優れた結果が得られた。
【0049】(実施例2)実施例1で重合し、燐酸トリ
フェニル,10部、メラミンシアヌレート,5部および
カーボンブラック0.2部を同様の手法で配合したポリ
マーレジンを用いて、同様の乾燥・融解条件により融解
しての後、230℃に調整した20ホールを有するノズ
ルを介して総吐出量33g/minで押出して後、0.
4m/secの風速を有するエアーで冷却して後、10
00m/minで一旦巻き取った。この未延伸糸、2対
のネルソン型ローラー間に50cmの150℃に設定し
たスリット型ヒーターを配置して、このローラー間で3
倍に延伸して、延伸マルチフィラメントを得た。なお、
供給側のローラー表面を80℃に設定した。
【0050】(実施例3)実施例1で重合した同じポリ
マーレジンを用いて、カーボンブラック0.2部を実施
例1と同様の方法で配合した他は、実施例で用いた燐酸
トリフェニル,10部およびメラミンシアヌレート,5
部は添加名しないポリマーを用意した他は実施例1と同
じ方法によりモノフィラメントを作成した。実施例に比
べると難燃焼性のレベルは若干劣るものの折るものの、
製糸時の糸切れなどなくまた、延伸性も極めて良好で力
学特性に優れるフィラメントを得ることができた。尚、
得られたポリマーの L.O.I値は22と実施例1に比べる
と低かったが難燃性は向上していた。
【0051】(比較例1)ジメチルテレフタレート60
部、1,4−ブタンジオール38部、分子量約1000
のポリ(テトラメチレンオキサイド)グリコール37
部、触媒としてテトラブチルチタネートを金属チタンと
して、生成するポリマーに対し、150ppmとなるよ
うに添加し、150〜230℃でエステル交換を行っ
た。次いで生成したオリゴマーにヒンダートフェノール
系安定剤[チバ・ガイギー(株)製品;Irganox
1010]0.2重量部をそれぞれ1,4−ブタンジオ
ールのスラリーとして添加し、3torr以下の減圧
下、230〜250℃で溶融重合を行い、ポリマーを得
た。得られたポリマーの L.O.I値は19であった。この
ポリマーを原料にして、実施例1と同じ操作によりモノ
フィラメントを作成した。力学特性は実施例に比べると
ほぼ同程度か若干向上するが、難燃性は非常に低いレベ
ルであった。
【0052】
【表1】
【0053】(評価方法)本特許明細および実施例に記
載の評価方法を示す。 (ポリマーの限界酸素指数(L.O.I)法)JIS,K7201 (A
−1号)法に基づく (強伸度特性)オリエンテック社製テンシロンTM測定
装置を用いて、試料長100mm を100%/分の歪み率で温度
25%、相対湿度65%雰囲気下で測定し、求めた歪み
・応力曲線より破断強度と伸度を評価した。各測定は各
々5回の平均値をその値とした。 (伸長回復率)80℃の温度に調整した加熱槽を上記の
測定装置に設置し、同じく100mm の試料長にセット後、
2分間の加熱後、100%/ 分の歪み速度で30%まで伸長し
て直ちに同じ速度で0%まで変形を戻した。変形が戻って
から10秒後に再び同じ歪み速度で30%までの伸長変形を
与えた。この時の一連の歪み・応力曲線の記録から、2
回目の伸長により応力が発生開始する歪み量(x%)を
求めて、以下の式で伸長回復性を評価した。 伸長回復率(%)=100−x (難燃性)各実験で得られた繊維を約2500デニール
となるように合糸し、(実施例1および比較例1はその
まま用いた)それぞれ経緯糸に配置して25本/インチ
となる打ち込み密度と成るように平織り布を作成し燃焼
試験を実施した。燃焼性試験は基本的にはJIS−L1
091のA2法(メッケルバーナー法)に基づいた。す
なわち、上記織物を経、緯それぞれを長手方向に350
mm×250mmに切断し、それぞれn=3の燃焼試験をJ
ISと同じ条件で実施し、合計n=6での最長炭化距離
をもって難燃性の指標とした。
【0054】
【発明の効果】本発明によると、伸長回復特性などの力
学特性を維持しつつ高度の難燃性・耐熱性・耐候性を有
する弾性フィラメントを提供することを可能とした。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分と
    し、脂肪族及び/又は脂環族のジヒドロキシ化合物を主
    たるグリコール成分とし、さらに燐原子含有量が分子量
    400〜6000の低融点重合体セグメントに対し50
    0〜50000ppm 共重合してなる熱可塑性ポリエステ
    ルブロック共重合体を主体とする、破断伸度が80%以
    上、破断強度が0.5g/d以上で、且つ80℃におけ
    る30%伸長後の伸長回復率が90%以上であることを
    特徴とする難燃性に優れた弾性フィラメント。
  2. 【請求項2】 芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分と
    し、脂肪族及び/又は脂環族のジヒドロキシ化合物を主
    たるグリコール成分とし、さらに燐原子含有量が分子量
    400〜6000の低融点重合体セグメントに対し50
    0〜50000ppm 共重合してなる熱可塑性ポリエステ
    ルブロック共重合体に、トリアジン系化合物及び/又は
    その誘導体を含有してなり、且つ、その限界酸素指数
    (L.O.I)が20以上であることを満足することを
    特徴とする難燃性に優れた弾性フィラメント。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ポリエステルブロック共重合体
    が下記一般式(I)で示される燐化合物を共重合してな
    ることを特徴とする請求項1及び2に記載の難燃性に優
    れた弾性フィラメント。 【化1】 (ただし式中、R1, は一価のエステル成形性官能基、
    R2、R3は同じかまたは、異なる基であって、それぞ
    れハロゲン原子、炭素原子数1〜10の炭化水素基、R
    1より選ばれ、Aは二価もしくは三価の有機残基を表
    す。またn1は1または2、n2は0〜4の整数を表
    す。)
  4. 【請求項4】 トリアジン系化合物及び/又はその誘導
    体が、下記一般式(II)〜(IV)で示される難燃性ポリ
    エステルブロック共重合体組成物からなることを特徴と
    する請求項2記載の難燃性に優れた弾性フィラメント。 【化2】 【化3】 【化4】 (式中R1,R2,R3は水素原子、アミノ基、アルキ
    ル基、アニール基、フェニル基であり、R1,R2,R
    3は同一であっても異なっていても良い。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001261857A (ja) * 2000-03-17 2001-09-26 Toyobo Co Ltd 難燃抗菌性ポリエステルフィルム
KR20220092665A (ko) * 2020-12-24 2022-07-04 하이테크필라(주) 내광성을 개선한 신발 갑피용 폴리에테르에스테르 모노 필라멘트 원사의 제조방법

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