JPH11199508A - 臓器不全治療剤 - Google Patents

臓器不全治療剤

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JPH11199508A
JPH11199508A JP10001924A JP192498A JPH11199508A JP H11199508 A JPH11199508 A JP H11199508A JP 10001924 A JP10001924 A JP 10001924A JP 192498 A JP192498 A JP 192498A JP H11199508 A JPH11199508 A JP H11199508A
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JP
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protein
uti
organ failure
agent
human
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JP10001924A
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Hideo Segami
秀雄 瀬上
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Mochida Pharmaceutical Co Ltd
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Mochida Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の原因により生じる全身性炎症反応症候
群や多臓器不全の予防・治療のために用いる臓器不全予
防・治療剤を提供する。 【解決手段】 臓器不全予防・治療剤が、ウリナスタチ
ンとトロンボモジュリン様蛋白質を有効成分として組み
合わせてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は外傷、手術、火傷、
感染、放射線被爆等の種々の原因により生じる全身性炎
症反応症候群(以下、SIRSと略す)や多臓器不全
(以下、MODSと略す)の予防・治療のために用いる
臓器不全予防・治療剤、さらに詳しくはウリナスタチン
(以下、UTIと略す)とトロンボモジュリン(以下、
TMと略す)様蛋白質を有効成分として組み合わせてな
る臓器不全予防・治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】種々の原因により生じるMODSの予防
又は治療に対し、メシル酸ガベキサート(エフオーワ
イ、小野薬品工業株式会社)、メシル酸ナファモスタッ
ト(フサン、鳥居薬品株式会社)等の合成プロテアーゼ
阻害剤が、臨床的に有効性を有することが知られてい
る。しかしながら、これらの効果は必ずしも十分とはい
えず、無効症例がしばしば認められ、臨床上の問題とな
っている。
【0003】また、UTIはヒト尿由来の天然プロテア
ーゼ阻害剤であり、上記合成プロテアーゼ阻害剤と同様
の作用を有している。UTIは急性膵炎、慢性再発性膵
炎の急性憎悪期治療剤および急性循環不全治療剤ミラク
リッド(持田製薬株式会社)として市販されており、安
全性の高い医薬品である。
【0004】一方、TM様蛋白質は、トロンビンと結合
してトロンビンの凝固促進作用を抑制するとともにトロ
ンビンによるプロテインC活性化を著しく促進させる物
質である。TM様蛋白質は効率よく凝固系を抑制するこ
とから、播種性血管内凝固症候群(以下、DICと略
す)、各種血栓症等の予防や治療に有用であることが示
唆されている。また、臓器障害に基づく疾患の予防・治
療作用あるいはSIRSに伴うMODSの予防・治療作
用を有することは公知である(特開平8−231413
号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、臓器症
状の改善のために使用する医薬組成物として、上述のU
TI単独投与あるいはTM様蛋白質単独投与よりも有効
性が高く、かつ安全性の高いものが求められている。そ
こで、本発明は、種々の原因により生じるSIRSやM
ODSの予防・治療のために用いる医薬組成物であり、
合成プロテアーゼ阻害剤が無効あるいは副作用等で投与
できない患者に対しても有効であり、しかもUTI単独
投与あるいはTM様蛋白質単独投与よりも有効性が高
く、かつ安全性が更に高い医薬組成物を提供することを
課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の課題を達成するた
め、本発明は、有効成分として、UTIとTM様蛋白質
とを併用することを特徴とする臓器不全予防・治療剤を
提供する。
【0007】特に、この臓器不全予防・治療剤として、
TM様蛋白質が可溶性TM様蛋白質である態様、中でも
TM様蛋白質がヒト尿由来可溶性TM様蛋白質又は遺伝
子組み換えヒト可溶性TM様蛋白質である態様を提供す
る。
【0008】また、この臓器不全予防・治療剤を構成す
るUTIとTM様蛋白質とが同時に投与される態様と、
別々に投与される態様との双方を提供する。
【0009】従来、臓器症状の改善作用に関してUTI
とTM様蛋白質との併用効果は知られていない。むし
ろ、UTIはTMによるプロテインC活性化に影響しな
いことが報告されている(ミムラ、ケイら(Mimur
a,K et al.)、トロンボシス アンド ヘモスタ
シス(Thrombosis and Haemosta
sis)、62巻、382頁、演題1198、1989
年)。これに対し、本発明は、UTIとTM様蛋白質と
を併用することにより、種々の原因により生じるSIR
SやMODSに対する相乗的な予防・治療効果を得るこ
とを可能とするものである。
【0010】また、本発明によれば、SIRSやMOD
Sに対する所定の予防・治療効果を得るために必要とさ
れるUTIとTM様蛋白質の各々の投与量を減量するこ
とが可能となり、副作用も軽減されて安全性が更に高く
なることが期待される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明の臓器不全予防・治療剤は、有効成
分として、UTIとTM様蛋白質とを併用することを特
徴としている。
【0013】ここで、UTIは公知の方法で取得するこ
とができ、例えば、プロクシェ(Proksch)の方
法(ザ ジャーナル オブ ラボラトリー アンド クリニ
カルメテ゛ィスン(The Journal of Laborato
ry and Clinical Medicine)、
79巻、491−499頁、1972年)、あるいは須
見らの方法(ジャーナル オブ バイオケミストリー(J
ournal of Biochemistry)、83
巻、141−147頁、1978年)等に準じて製造す
ることができる。また、市販品を使用することもでき
る。
【0014】UTIは、ヒト由来の物質であり、薬品と
しての安全性の高いことが確認されている。
【0015】一方、本発明において、「TM様蛋白質」
の語は、TMおよびTMの生物学的もしくは免疫学的活
性に必要な一部分のアミノ酸配列を有するペプチドまた
はそれらの類似物を意味する。すなわち、本発明に用い
るTM様蛋白質は、トロンビンと結合してトロンビンの
凝固促進作用を抑制するとともにトロンビンによるプロ
テインC活性化を著しく促進させる蛋白性物質をすべて
含む。従って、天然型あるいは遺伝子工学的に産生され
たもののいずれでも良く、遺伝子工学手法により得られ
る改変型あるいはキメラ型であってもよい。
【0016】医薬品とする場合、ヒト由来のTM様蛋白
質(以下、ヒトTM様蛋白質と略する)が好ましい。ま
た、ヒト由来のTMは膜結合性であり、完全長のアミノ
酸配列を持つものは水に対する溶解性が低い。このた
め、本発明においては完全長のアミノ酸配列を持たず、
溶解性の高いTM様蛋白質(以下、可溶性TM様蛋白質
と略す)、例えば、天然型のヒト尿由来の可溶性TM様
蛋白質もしくは遺伝子組み換えによるヒト可溶性TM様
蛋白質がさらに好ましい。なお、遺伝子組み換え技術等
を利用して産生された、TMのアミノ酸配列の部分構造
を有する様々なTM様蛋白質も、トロンビンと結合して
トロンビンの凝固促進作用を抑制するとともにトロンビ
ンによるプロテインC活性化を著しく促進させる効果を
有するものは、本発明に含まれる。
【0017】このようなTM様蛋白質は、天然型につい
ては、例えば、特開昭60−199819号公報に開示
されているヒト胎盤由来のTM、ヒト尿由来の可溶性T
M様蛋白質として、特開平3−86900号公報に開示
されている非還元状態での分子量が55,000〜5
8,000および60,000〜65,000の可溶性
TM様蛋白質および特開平3−218399号公報に開
示されている非還元状態での分子量が72,000±
3,000および79,000±3,000の可溶性T
M様蛋白質、ジャーナル オブ バイオケミストリー
(Journal of Biochemistr
y)、113巻、433−440頁、1993年に記載
されている非還元状態での分子量が55,000及び6
0,000の可溶性TM様蛋白質およびヨーロピアン
ジャーナル オブ バイオケミストリー(Europe
an Journal of Biochemistr
y)、221巻、1079−1087頁、1994年に
記載されている非還元状態での分子量が57,000お
よび63,000の可溶性TM様蛋白質があげられる。
【0018】遺伝子組み換え型については、例えば、遺
伝子組み換えヒト可溶性TM様蛋白質として、特開平1
−6219号公報に開示されている少なくともアミノ末
端から345−462番目のアミノ酸配列を含む可溶性
TM様蛋白質およびWO92/00325号公報に開示
されている少なくともアミノ末端から4−446番目の
アミノ酸配列を含む可溶性TM様蛋白質があげられる。
【0019】また、特開平2−255699号公報、特
開平3−259084号公報あるいは特開平5−213
998号公報に開示されているTMの構成アミノ酸が一
部欠如しているTM様蛋白質、特表平5−508150
号公報、WO93/15755号公報、WO93/25
675号公報あるいは特開平5−310787号公報に
開示されている一部が他のアミノ酸に置換されたTM様
蛋白質があげられる。例えば、メチオニンを他のアミノ
酸に置換することによって酸化を防止したもの(特表平
5−508150号公報)、あるいはアミノ酸配列を修
飾することによって蛋白分解酵素による分解を防止した
もの、(WO93/15755号公報)等があげられ
る。
【0020】また、WO91/04276号公報、WO
91/05803号公報、あるいは特開平3−1333
80号公報に開示されているコンドロイチン及び/又は
コンドロイチン硫酸を含む糖鎖を有するTM様蛋白質、
特開平6−279497号公報に開示されているウシT
M由来の酸性アミノ酸配列を含むO−グリコシド糖鎖結
合部位を付加し、コンドロイチン硫酸糖鎖を結合させた
TM様蛋白質、あるいは、WO92/03149号公報
に開示されているO−グリコシル化部位領域の糖鎖を修
飾あるいはO−グリコシル化部位領域を欠失させたTM
様蛋白質、特開平4−210700号公報に開示されて
いるコンドロイチン及び/またはコンドロイチン硫酸を
含まないTM様蛋白質などがあげられる。さらに、特表
平4−505554号公報に開示されているヒト組織プ
ラスミノーゲンアクチベーター等のアミノ酸配列の一部
を含んでいてもよいTM様蛋白質があげられる。
【0021】このようなTM様蛋白質は、現在臨床開発
中のDIC治療薬として用いられており、ヘパリンによ
る治療に付随するような出血傾向などの副作用も少な
く、医薬品としての安全性の高いことが期待される(タ
カハシ、ワイら(Takahashi,Y et a
l.)、トロンボシス アンド ヘモスタシス(Thro
mbosis and Haemostasis)、77
巻、789−795頁、1997年)。
【0022】また、本発明において「併用」の語は、本
発明の臓器不全予防・治療剤の有効成分であるUTIと
TM様蛋白質とを各々が別個に含有される複数剤とし、
この複数剤を同時投与すること、もしくはこの複数剤を
逐次投与すること、又はUTIとTM様蛋白質とを混合
して一剤の形で同時投与することを包含する。ここで、
複数剤は、UTIとTM様蛋白質とが各々別個に含有さ
れる二剤構成としてもよく、また、そのような二剤と、
UTIやTM様蛋白質を含有せずに後述する種々の任
意成分からなるその他の剤との三剤以上の構成としても
よい。さらにまた、UTI又はTM様蛋白質を含有する
剤自体を、そこに含有される任意成分等が異なる複数剤
としてもよい。また、上述の逐次投与の形態としては、
例えば、本発明の臓器不全予防・治療剤を、UTIとT
M様蛋白質とが各々別個に含有される二剤から構成した
場合に、この二剤のうちUTIが含有される一方の剤を
先に投与し、その後TM様蛋白質が含有されるもう一方
を投与すること、又は複数剤のうちTM様蛋白質が含有
される一方の剤を先に投与し、その後UTIが含有され
るもう一方を投与することを包含する。
【0023】本発明の臓器不全予防・治療剤の製剤方法
としては、有効成分としてUTIおよびTM様蛋白質が
各々別個に、あるいはそれらが混合して使用される限
り、公知の種々の製剤学的製法をとることができる。
【0024】したがって、UTIおよびTM様蛋白質
は、各々別個に製剤する場合でも、あるいはそれらを混
合した単一剤を製剤する場合でも、一般的に用いられる
適当な担体または媒体、例えば滅菌水や生理食塩水、植
物油、鉱油、高級アルコール、高級脂肪酸、無害性有機
溶媒等、さらには必要に応じて精製あるいは遺伝子工学
的に製造したヒト血清アルブミン、賦形剤、着色剤、乳
化剤、懸濁剤、界面活性剤、溶解補助剤、吸着防止剤、
安定化剤、保存剤、保湿剤、酸化防止剤、緩衝剤、張化
剤、無痛化剤等の任意成分と適宜組合わせて、生体に効
果的に投与するのに適した注射剤、経皮吸収剤、点眼
剤、経鼻吸収剤、経口剤等の医薬品製剤、好ましくは注
射剤に調製することができる。注射剤の製剤形態として
は、例えば凍結乾燥品、注射用水剤、あるいは浸透圧ポ
ンプに封入した形等で提供でき、特に、凍結乾燥品で提
供することが好ましい。
【0025】本発明の臓器不全予防・治療剤の投与方法
としては、動脈内注射、静脈内注射、皮下注射、筋肉注
射等とすることができ、また、必要に応じて腹腔内投
与、脳槽内投与、経口投与とすることもできる。この場
合の投与量としては、例えば、UTIの蛋白量として一
日約1〜1000mg、好ましくは4〜200mgとす
ることができる。TM様蛋白質の蛋白量として一日約
0.01〜1000μg/kg、好ましくは、約0.1
〜500μg/kg、さらに好ましくは1〜200μg
/kgとすることができる。
【0026】さらに本発明の有効成分であるUTIおよ
びTM様蛋白質をリポソーム形成物質(特開昭60−2
43022号公報あるいは特開昭64−85920号公
報の記載参照)に封入した後、リポソームとして投与す
ることもできる。あるいは、浸透圧ポンプ等に封入し生
体に留置することにより連続的に投与することもでき
る。また、徐放性製剤の剤形として外科的にその製剤を
埋め込んでもよく、経皮吸収剤として、外科的手術部
に、液剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、バップ剤等の
方法により局所適用することもできる。この場合、UT
I濃度は、例えば約0.1〜1000mg/mL、好ま
しくは1〜200mg/mLとすることができる。TM
様蛋白質濃度は、例えば約0.001〜1000μg/
mL、好ましくは、0.01〜500μg/mL、さら
に好ましくは0.1〜200μg/mLとすることがで
きる。
【0027】UTIとTM様蛋白質との割合は、臓器不
全の予防・治療作用を発揮する割合であれば良く、広範
に変化させることができる。例えば、重量比で1:10
〜100:1、好ましくは1:20〜40:1、更に好
ましくは1:1〜10:1とすることができる。
【0028】また、上記の投与量は、剤形、投与方法、
1日あたりの投与回数、症状の程度、体重、年齢、UT
IとTM様蛋白質の投与量の割合、同時投与または逐次
投与等の条件によって適宜増減することができる。
【0029】
【実施例】取得例 以下にUTIおよびTM様蛋白質の取得例をあげて、本
発明をより具体的に説明するが、本発明に用いるUTI
およびTM様蛋白質はこれらに限定されるものではな
い。
【0030】1-1)UTIの取得例 プロクシェ(Proksch)の方法(ザ ジャーナル
オブ ラボラトリー アンド クリニカル メディスン(T
he Journal of Laboratory an
d Clinical Medicine)、79巻、4
91−499頁、1972年)に準じた。健康成人尿6
50Lを濃縮し、脱イオン水に対して透析した後、1N
水酸化ナトリウム溶液でpH7.8に調整し、次いで、
0.05Mトリス−塩酸暖衝液(pH7.8)で均衡化
したDEAEセルロースカラム(20×80cm)に通
過させ、UTIを吸着させた。このカラムを同暖衝液4
0Lで洗浄した後、0.3M塩化ナトリウムを含む同暖
衝液を用いて、吸着しているUTIを溶出させ,この溶
出液を60℃、20分間の加熱処理を行い、混入してい
るプロテアーゼを失活せしめて、粗製のUTIを16g
を得た。この粗製UTIを0.02Mグリシン−塩酸暖
衝液(pH3.4)で平衡化したDEAEセルロースカ
ラム(8×60cm)に吸着させた。このカラムを同暖
衝液10L、次に0.2M塩化ナトリウムを含む同暖衝
液10Lで順次洗浄した後、0.4M塩化ナトリウムを
含む同暖衝液8LでUTIを溶出した。溶出液を限外濃
縮で濃縮した後、セファデックスG−100を充填した
カラム(10×95cm)を用い、生食塩水を展開溶媒
としてゲルクロマトグラフィーを行ない、精製UTIを
得た。ここに得られたUTIの比活性は2500u/m
gであった。
【0031】1-2) ヒト尿由来の可溶性TM様蛋白質の
取得例 特開平3−218399号公報に記載された方法に準じ
て調製した。すなわち、原尿100Lをアクリル繊維で
濾過して尿中のウロキナーゼを吸着除去し、通過尿を限
外濾過膜を使用して脱塩濃縮した。次いで、DEAEセ
ルロース(ワットマン社製)カラム、DIP−トロンビ
ン−アガロースクロマトグラフィーおよびセファクリル
S−300(ファルマシアファインケミカル社製)カラ
ムを用いて順次精製し、活性画分を採取した(以下、U
TM0と略す)。この画分は一晩蒸留水に対して透析し
た後凍結乾燥した。
【0032】1-3) 遺伝子組み換え型のヒト可溶性TM
様蛋白質の取得例 WO92/00325号公報の方法に準じて製造した。
すなわち、ヒト胎盤cDNAライブラリーより釣り上げ
たDNAを利用してアミノ末端のアミノ酸配列がAla
−Pro−Ala−であるアミノ酸456残基よりなる
可溶性TM様蛋白質を発現するベクターを調製し、これ
をCHO細胞に組み込んだ後、遺伝子増幅を行って高発
現株を得た。この高発現株の培養液をDIP−トロンビ
ン−アガロースカラムとゲル濾過により精製し目的物を
得た。
【0033】1-4) 遺伝子組み換え型のヒト可溶性TM
様蛋白質の取得例 WO92/00325号公報の方法に準じて製造した。
すなわち、ヒト胎盤cDNAライブラリーより釣り上げ
たDNAを利用してアミノ末端のアミノ酸配列がAla
−Pro−Ala−であるアミノ酸498残基よりなる
可溶性TM様蛋白質を発現するベクターを調製し、これ
をCHO細胞に組み込んだ後、遺伝子増幅を行って高発
現株を得た。この高発現株の培養液をDIP−トロンビ
ン−アガロースカラムとゲル濾過により精製し目的物を
得た。
【0034】2.UTIとTM様蛋白質の併用効果 急性胆嚢胆管炎および敗血症を基礎疾患とし、DICと
診断された58歳の男性(体重49Kg)で、エフオー
ワイ(FOY)2000mg/日、2日間投与で無効で
あった患者に対し、UTI(ミラクリッド、持田製薬株
式会社)30万U/日およびTM様蛋白質(UTM0)
4900TMU/日を3日間点滴静注し、さらに、TM
様蛋白質(UTM0)4900TMU/日を2日間点滴
静注した。投与開始前および終了翌日に臓器症状の観
察、生化学的検査とともに凝血学検査、DICスコア判
定(厚生省特定疾患血液凝固異常症調査研究班、198
8年)を行った。結果を表1に記す。
【0035】
【表1】 項 目 投与開始前 投与終了翌日 臓器症状 + − 血清クレアチニン 0.9 0.5 (mg/dl) 血清GOT(IU/L) 317 23 血清GPT(IU/L) 304 95 尿蛋白 ++ − 出血症状 + − DICスコア 8 3
【0036】表1に示すとおり、UTIとTM様蛋白質
の併用によって、腎臓および肝臓の機能検査値が改善さ
れ、臓器症状の著明な全般的改善が認められた。また、
出血症状、DICスコアも改善された。一方、副作用は
認められなかった。
【0037】3.製剤例 以下に製剤例をあげて、本発明の具体的態様を説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】(例1)UTI(取得例1-1で得たもの)
4.0gを200mLの生食塩水に溶解し、メンブラン
フイルターを用いて無菌的に濾過する。濾液を滅菌した
ガラス容器に1mLずつ充填し、常法により凍結乾燥し
て、凍結乾燥製剤とした。
【0039】この凍結乾燥剤は、別途任意の剤型に調製
したTM様蛋白質含有剤と共に使用される。
【0040】 (例2) UTM0(取得例1-2で得たもの) 10mg マルトース 100mg 精製ゼラチン 100mg プルロニックF68 10mg リン酸水素二ナトリウム・12水和物 0.77mg リン酸二水素ナトリウム・2水和物 0.18mg 塩化ナトリウム 81.8mg 上記成分を注射用蒸留水10mLに溶解し、無菌濾過し
たあとに1.0mLずつ無菌バイアルに分注し、凍結乾
燥して注射用製剤を調製した。
【0041】この注射用製剤は、別途任意の剤型に調製
したUTI含有剤と共に使用される。
【0042】 (例3)UTI・TM合剤 UTI(取得例1-1で得たもの) 200mg UTM0(取得例1-2で得たもの) 5mg 精製ゼラチン 50mg リン酸ナトリウム 34.8mg 塩化ナトリウム 81.8mg マンニトール 25mg 上記成分を注射用蒸留水10mLに溶解し、無菌濾過し
たあとに1.0mLずつ無菌バイアルに分注し、凍結乾
燥して注射用製剤を調製した。
【0043】 (例4)UTI・TM合剤 UTI(取得例1-1で得たもの) 200mg UTM0(取得例1-2で得たもの) 10mg マルトース 100mg 精製ゼラチン 100mg プルロニックF68 10mg リン酸水素二ナトリウム・12水和物 0.77mg リン酸二水素ナトリウム・2水和物 0.18mg 塩化ナトリウム 81.8mg 上記成分を注射用蒸留水10mLに溶解し、無菌濾過し
たあとに1.0mLずつ無菌バイアルに分注し、凍結乾
燥して注射用製剤を調製した。
【0044】
【発明の効果】本発明の臓器不全予防・治療剤によれ
ば、UTIとTM様蛋白質を併用するので、外傷、手
術、火傷、感染、放射線被爆等、種々の原因に起因する
SIRSおよび引き続き起きるMODSの予防・治療効
果を、UTIとTM様蛋白質を各々単独で使用した場合
に比して相乗的に得られる。また、投与量を減少させる
ことが可能であり、副作用も軽減されて安全性が更に高
くなる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有効成分として、ウリナスタチンとトロン
    ボモジュリン様蛋白質とを併用することを特徴とする臓
    器不全予防・治療剤。
  2. 【請求項2】トロンボモジュリン様蛋白質が、可溶性ト
    ロンボモジュリン様蛋白質である請求項1記載の臓器不
    全予防・治療剤。
  3. 【請求項3】トロンボモジュリン様蛋白質が、ヒト尿由
    来可溶性トロンボモジュリン様蛋白質である請求項2記
    載の臓器不全予防・治療剤。
  4. 【請求項4】トロンボモジュリン様蛋白質が、遺伝子組
    み換えヒト可溶性トロンボモジュリン様蛋白質である請
    求項2記載の臓器不全予防・治療剤。
  5. 【請求項5】単一または複数の製剤からなる請求項1〜
    4のいずれかに記載の臓器不全予防・治療剤。
  6. 【請求項6】ウリナスタチンとトロンボモジュリン様蛋
    白質とが同時に投与される請求項1〜5のいずれかに記
    載の臓器不全予防・治療剤。
  7. 【請求項7】ウリナスタチンとトロンボモジュリン様蛋
    白質とが別々に投与される請求項1〜5のいずれかに記
    載の臓器不全予防・治療剤。
JP10001924A 1998-01-07 1998-01-07 臓器不全治療剤 Pending JPH11199508A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010006634A1 (en) * 2008-07-16 2010-01-21 Paion Deutschland Gmbh Prevention and treatment of radiation injury
CN109010290A (zh) * 2018-08-29 2018-12-18 江苏艾迪药业有限公司 一种乌司他丁冻干粉制剂的制备方法

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