JPH11191987A - スウィッチトリラクタンスモータ - Google Patents

スウィッチトリラクタンスモータ

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JPH11191987A
JPH11191987A JP10152809A JP15280998A JPH11191987A JP H11191987 A JPH11191987 A JP H11191987A JP 10152809 A JP10152809 A JP 10152809A JP 15280998 A JP15280998 A JP 15280998A JP H11191987 A JPH11191987 A JP H11191987A
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K19/00Synchronous motors or generators
    • H02K19/02Synchronous motors
    • H02K19/10Synchronous motors for multi-phase current
    • H02K19/103Motors having windings on the stator and a variable reluctance soft-iron rotor without windings

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  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】トルクリップルの小さなスウィッチトリラクタ
ンスモータとその制御装置を実現すること、その高速回
転運転を実現すること。 【解決手段】 6個の約30度の幅のステータ突極と4
個の約50度の幅のロータ突極と各ステータ突極に巻回
され直列に接続された励磁巻き線を持つスウィッチトリ
ラクタンスモータ(NRM)と、各励磁巻き線を直列に
接続して、励磁指令信号(FCM)に従いモータを励磁
するため直流励磁電流(ID)を各励磁巻き線へ供給す
る励磁駆動手段(FCC,FD)と、トルク指令(TC
M)に従った大きさの電流を、トルク指令の極性によ
り、6個のステータ磁極のトルク巻き線に、ロータ回転
角に応じて順次、通電するトルク電流駆動手段(PW)
を備えているスウィッチトリラクタンスモータとその制
御装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスウィッチトリラク
タンスモータの改良に関する。特に低コストであり、汎
用の産業用モータとして利用可能なモータの改良に関
し、更に、ロータが堅牢であることより、遠心力がロー
タ強度上問題となるような高速回転モータとして有用な
モータに関する。
【0002】
【従来の技術】電動機を高速で回転させる必要がある場
合、例えば、マシニングセンタ等の工作機械の高速回転
主軸では、モータのロータ直径が100mm程度で3万
回転/分以上の回転が必要となっている。
【0003】このような用途では従来誘導電動機が使用
されているが、遠心力に耐えられるようにロータのスロ
ットは開口させず、閉じたスロットとすることが多く、
ロータコイルエンドの処理にもそれなりの強化が図られ
ることが多い。
【0004】しかしながら、これらの従来装置では、コ
スト高になったり、モータ特性を多少犠牲にした構造強
化策が採られる問題があった。
【0005】ロータの強度が高いモータとしてはスウィ
ッチトリラクランスモータが研究され、一部実用化され
てきている。
【0006】このモータの具体的な代表的例のモータ断
面図を図17に示す。その駆動アルゴリズムを図18に
示す。ロータは珪素鋼板を軸方向に積層したシンプルな
塊であり、非常に強固であるため、その点では、高速回
転に向いている。
【0007】図23のモータのステータ1は、6個の突
極20を持っており、各突極20の幅はロータ回転角度
換算で、約30度である。各突極20にはそれぞれ巻き
線が巻回されている。ロータ2は4個の突極21を持っ
ており、各突極21の幅はロータ回転角度換算で、約3
0度である。
【0008】次に、このスウィッチトリラクランスモー
タの動作について説明する。例えば図23の状態で反時
計方向に回転トルクを発生させる場合、TC1,TC2
およびTF1,TF2で示す巻き線に電流を流してロー
タの突極を引き寄せることにより回転トルクを発生させ
る。この時、TC1,TC2で示す巻き線に流す電流と
TF1,TF2で示す巻き線に流す電流との方向は逆向
きとし、生成される磁束がロータを貫通するように電流
を流す。さらに、ロータが反時計方向に回転した場合、
ロータの突極がTC1,TC2の巻き線が巻回されてい
るステータ突極に一致する位置までくるとこの場所での
回転トルクは発生しなくなる。この時、反時計方向の隣
のロータ突極はTE1,TE2で示される巻き線が巻回
されたステータ突極に近接しているので、TC1,TC
2の巻き線の電流を零とすると同時に、TE1,TE2
で示される巻き線およびTB1,TB2で示される巻き
線へ電流を流すことにより反時計方向の回転トルクを発
生させる。このように、各ステータ巻き線へ順次、適切
な断続的電流を流すことにより、継続的に回転トルクを
発生させることができる。
【0009】同様に、図23の状態で、時計方向に回転
トルクを発生させる場合、TB1,TB2で示す巻き線
に電流を流してロータの突極を引き寄せることにより回
転トルクを発生させることができる。
【0010】なお、発生するトルクは各巻き線の電流と
ステータとロータとの相対位置に関係し、原理的にはロ
ータの回転速度との関係はない。
【0011】図23のスウィッチトリラクタンスモータ
の駆動装置の電力増幅部の具体例を後に本発明でも説明
する図5に示す。巻き線WAは図23のTA1,TA2
で示される巻き線であり、巻き線WDは図23のTD
1,TD2で示される巻き線であり、両巻き線の向きは
逆向きに巻回されている。この巻き線WA,WDに流れ
る電流IADは、特に図示しないが、ごく一般的にモー
タ電流制御で行われているように、電流指令と電流IA
Dの検出値との差分により、PWM制御され、電流指令
値に対し精密に制御される。微視的な動作は、トランジ
スタ8,9をONすることにより巻き線WA,WDに電
圧が印加され、電流IADが増加する。トランジスタ
8,9をOFFすれば、その時の通電電流に起因したモ
ータ磁気エネルギー及び運動エネルギーは、ダイオード
10,11を経由してDCパワー電源VSおよびVLへ
回生され、電流が減少していく。これらの動作を適切に
繰り返すことにより、電流指令値に対する電流IADの
平均電流の制御がなされる。他の2相についても同様に
制御される。
【0012】なお、図5、図23で使用されている各巻
き線及び各電流の記号のうちアルファベットA,B,
C,D,E,Fはモータの各ステータ磁極を示してい
る。
【0013】次に、図23のスウィッチトリラクタンス
モータの動作を整理して、その駆動アルゴリズムを図2
4に示す。横軸RAは図23に示すロータ回転位置であ
る。反時計回転方向にトルクを発生させる場合、図24
の(a),(b)、(c)の特性の電流を通電する。反
時計回転方向にトルクを発生させる場合、図18の
(d),(e)、(f)の特性の電流を通電する。電流
の振幅が大きくなるとトルクも大きくなる関係となって
いる。
【0014】このスウィッチトリラクランスモータの特
徴は、モータ構造が簡単でステータ巻き線が簡単な巻き
構造であるため製作コストが低いこと、ステータ巻き線
のコイルエンドが短くできるのでモータの全体長が比較
的短いこと、ロータが堅牢なので物理的に高速回転が可
能なこと、駆動アルゴリズムが簡単で電流の方向が片方
だけでよいので駆動回路を簡単にできる可能性があるこ
と等が挙げられる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】一方、このスウィッチ
トリラクランスモータの問題点もいくつかある。供給す
る電気エネルギーとモータ内部に蓄積される磁気エネル
ギーと機械出力エネルギーとの関係を均一にする制御ア
ルゴリズムも十分に確立されていないことから、結果と
して、トルクリップルが大きいという問題がある。一方
法として、トルクリップルを補償するように電流を補償
して通電してトルクリップルを低減する方法も提案され
ているが、制御が煩雑である等の別の問題がある。トル
クリップルに加え、各突極が発生するトルクが断続的で
あることもモータ強度上ステータの変形に荷担している
と考えられ、モータ駆動時の振動、騒音が大きいという
問題がある。図24の特性からも、回転位置RAが増加
して電流が零となるタイミングが少し遅れると、意図し
たトルクの反対のトルクが生成されることが示されてい
る。
【0016】高速に回転する場合、非常に高速の電流ス
イッチングが必要であるなどの問題もある。またモータ
内部の磁気エネルギの供給および回生を頻繁に行う必要
があることから力率の問題もある。
【0017】
【課題を解決するための手段】これらの諸問題に対し、
改良したスウィッチトリラクタンスモータとその制御装
置を提案する。
【0018】モータの概略特徴は、各ロータの突極に発
生するトルクをモータ全体として連続的に発生でき、基
本アルゴリズム的にトルクリップルの少ないモータであ
る。モータの振動、騒音も小さいモータである。
【0019】以下、課題を解決するための手段を示す。
【0020】具体的なモータ構造の例を図1に示すよう
に、各ステータ突極にトルク巻き線とは別個に励磁巻き
線を巻き、全てのステータ突極の励磁巻き線に励磁電流
を図4に示すように通電する。
【0021】あるいは、各ステータ突極の励磁巻き線の
代わりに各ステータ突極に永久磁石を図9に示すように
配置する。
【0022】図1,図2に示すように、スタータの突極
幅は約30度、スタータの突極数は6とし、ロータの突
極幅は例として40度幅で5度の構造的スキューをもた
せ、ロータの突極数は4である。
【0023】これらのリラクタンスモータの各ステータ
のトルク巻き線に流すトルク電流を制御するトルク電流
制御部を備える。
【0024】又、他の本発明リラクタンスモータの構成
として、前記励磁巻き線を省略し、トルク巻き線に励磁
電流も重畳させるトルク電流制御部を備える。
【0025】ステータの各突極に巻き線を2組並列に巻
き、1組のステータ巻き線にトランジスタONして電圧
及び電流を供給して電流を増加させ、電流を減少させる
場合はトランジスタをOFFして、電磁気的に結合して
いる他の1組のステータ巻き線に誘起する電圧でダイオ
ードを介して電源側にエネルギーを回生させることによ
りそのステータのトータルステータ電流を減少させる。
【0026】トルクリップルの低減策として、ロータあ
るいはステータを軸方向に複数に分割し、モータの発生
するトルクリップルの周波数成分の周期の1/2だけ回
転方向にシフトする構造とする。
【0027】高速回転の運転を行う場合、ステータ突極
に巻かれた巻き線の中間タップが外部に取り出されてい
るか、あるいは、ステータ突極に2組以上の巻き線が巻
かれ、それらの巻き線が直列に接続された状態と巻き線
の一部に接続された状態とを切り換える切り換え手段を
備える。
【0028】また、具体的なモータ構造は、図17に示
すように、ロータ回転角換算で60度より小さいが、ほ
ぼ60度の幅を持つ6個のステータ磁極と、各ステータ
磁極に巻回された励磁巻き線は、隣り合う励磁巻き線が
逆直列となるように、各励磁巻き線が直列に接続された
励磁巻き線であり、各ステータ磁極に巻回されたトルク
巻き線は3相となっており、各相の巻き線はお互いに1
80度離れた、ロータ回転中心に対して反対側の1対の
巻き線であり、逆直列に接続されており、ロータ回転角
換算で60度から120度の大きさの幅を持つ2個のロ
ータ磁極とを備えるモータである。
【0029】その制御装置は、各励磁巻き線を直列に接
続して、励磁指令信号に従いモータを励磁するため直流
励磁電流を各励磁巻き線へ供給する励磁駆動手段と、ト
ルク指令に従った大きさの電流を、トルク指令の極性に
より、例えばトルク指令が正の時は反時計回転方向トル
クを表すとして、トルク指令が正の時はロータ磁極の突
極部の反時計方向端が位置するステータ磁極のトルク巻
き線に通電し、トルク指令が負の時はロータ磁極の突極
部の時計方向端が位置するステータ磁極のトルク巻き線
に通電するトルク電流駆動手段を備えている。
【0030】また、トルクリップルを少なく、トルク電
流を増減する制御アルゴリズムについても提案する。
【0031】もう一つの他のモータは、各ステータ磁極
に巻回された共通のステータ巻き線である前記同様のモ
ータである。
【0032】その制御装置は、励磁指令信号に従いモー
タを励磁するための励磁電流をもとめ、トルク指令に従
った大きさの電流を、トルク指令の極性により、例えば
トルク指令が正の時は反時計回転方向トルクを表すとし
て、トルク指令が正の時はロータ磁極の突極部の反時計
方向端が位置するステータ磁極の共通巻き線にトルク電
流が通電されるものとして求め、トルク指令が負の時は
ロータ磁極の突極部の時計方向端が位置するステータ磁
極の共通巻き線にトルク電流が通電されるものとして求
め、前記励磁電流と前記トルク電流との和の電流を各共
通巻き線へ通電する共通巻き線電流駆動手段を備えてい
る。
【0033】
【作用】具体的なモータ構造の例を図1に示すように、
各ステータ突極に励磁巻き線を巻き、全てのステータ突
極の励磁巻き線を直列にし励磁電流を図4に示すように
通電する。
【0034】あるいは、各ステータ突極の励磁巻き線の
代わりに各ステータ突極に永久磁石を図9に示すように
配置してモータの励磁を行う。
【0035】図1,図2に示すように、スタータの突極
幅は約30度、スタータの突極数は6とし、ロータの突
極幅は例として40度幅で5度の構造的スキューをもた
せ、ロータの突極数は4である。
【0036】これらのリラクタンスモータの電流制御に
おける各ステータのトルク巻き線に流すトルク電流制御
は、ロータの回転角に応じて振幅制御を行う。この振幅
制御、即ち、電流の増減は、そのステータがトルクを発
生しない領域であるステータの突極とロータの突極が全
て対向している回転角の領域、あるいは、ステータの突
極とロータの突極が全てが対向していない回転角の領域
で行う電流制御部を備える。少し具体的には、力行運転
時は、ロータ突極が該当ステータ突極にさしかかるまで
であって、ステータ突極がロータの凹部幅BROの間に
ある時間に、該当するトルク巻き線のトルク電流を零か
らトルク指令値TCMに相当するトルク電流値IP1に
増加させ、前記ロータ突極が該当する前記トルク巻き線
の巻かれたステータ突極にさしかかる間に回転トルクを
生成し、前記ステータ突極がロータ突極の幅BRTの間
に存在する間にトルク電流をIP1から零に減ずるよう
に制御し、回生運転時は、ステータ突極がロータ突極の
幅BRTの間に存在する間にそのステータのトルク電流
を零からトルク指令値TCMに相当するトルク電流値I
P1に通電し、前記ロータ突極が該当する前記トルク巻
き線の巻かれたステータ突極から離れていく間に回生す
る回転トルクを生成し、ロータ突極が該当ステータから
離れてそのステータ突極がロータの凹部の幅BROの間
にある時間に前記トルク電流値IP1から零に減ずるよ
うに制御する電流制御部を備える。
【0037】又、他の本発明リラクタンスモータの構成
として、前記励磁巻き線を省略し、トルク巻き線に励磁
電流も重畳させる方法がある。この特長は、励磁巻き線
が不要なのでモータ巻き線が簡素化されること、励磁回
路が不要なので駆動回路が簡素化されることがある。逆
に負担としては、励磁電流分の負担が回路規模の大きい
トルク電流駆動回路側にかかる。
【0038】さらに、この励磁巻き線を省略したモータ
構造において、トルク指令の逆方向にトルクを発生する
励磁電流分を除去するように制御することもできる。
【0039】ステータの各突極に巻き線を2組並列に巻
き、1組のステータ巻き線にトランジスタONして電圧
及び電流を供給して電流を増加させ、電流を減少させる
場合はトランジスタをOFFして、電磁気的に結合して
いる他の1組のステータ巻き線に誘起する電圧でダイオ
ードを介して電源側にエネルギーを回生させることによ
りそのステータのトータルステータ電流を減少させる。
【0040】トルクリップルの低減策として、ロータあ
るいはステータを軸方向に2個に分割し、モータの発生
するトルクリップルのある周波数成分の周期の1/2だ
け回転方向にシフトする構造とし、その周波数成分のト
ルクリップルを除去する。さらにその手法を積み重ね、
他の2個のロータについても同じ構成とし、2組のロー
タを相対的にその他の周波数成分の周期の1/2だけ回
転方向にシフトする。このような構成でトルクリップル
の2つの周波数成分が低減される。
【0041】高速回転の運転を行う場合、ステータ突極
に巻かれた巻き線の中間タップが外部に取り出されてい
るか、あるいは、ステータ突極に2組以上の巻き線が巻
かれ、それらの巻き線が直列に接続された状態と巻き線
の一部に接続された状態とを切り換える切り換え手段を
備える。電圧の低い巻き線で制御することにより、高速
回転の制御を可能とする。
【0042】2極のロータは、極性はロータの位置によ
り変わるが、常に一定の磁束を存在させられる構造とな
っている。従って、モータ内部の磁気エネルギーを、ロ
ータ回転位置に関わらず、基本的に一定にすることがで
きる。各励磁巻き線を全て直列に接続して励磁電流を流
した場合、回転に伴い、どの巻き線かは磁束が減少し負
の電圧を発生し、同時に、どの巻き線かは磁束が増加す
るので正の電圧を発生するので、トータルとして直列に
接続された励磁巻き線のトータル電圧は、巻き線抵抗分
の電圧効果のみで、磁束の増減に伴う電圧は基本的に発
生しない。従って、駆動装置の励磁制御は非常に簡単な
もので済む。なお、隣り合うステータ磁極の間の隙間に
ついては、隙間が小さければ隙間の悪影響は小さく、多
少大きくてもロータかステータのどちらかにスキューを
行うことによりその悪影響を低減できる。
【0043】トルクの発生は磁気的吸引力により得られ
るので、ロータが対向しているステータ磁極の内、発生
させたいトルク方向のステータ磁極のトルク巻き線にト
ルク電流を通電することにより所望のトルクを発生させ
ることができる。この動作を回転に伴い、順次各ステー
タ磁極のトルク巻き線に行うことにより連続した回転ト
ルクを得ることができる。
【0044】なお、各ステータ磁極とロータ突極との全
面が対向しているか、あるいは、全面が全く対向してい
ない回転位置があり、その回転位置を利用してトルク巻
き線の電流の増減を行うことにより、トルクリップルを
発生させない制御を可能とする。
【0045】また、モータと駆動装置のトータルコスト
の低減方法として、モータの各ステータ磁極に回生用の
巻き線を備え、各ステータ磁極の磁気エネルギーをロー
タの回転と共に電源に回生するため、各回生用の巻き線
と電源との間に直列に、アノードが電源の低電圧側に向
いてカソードが電源の高電圧側に向いて接続されたダイ
オードを備えることによりモータエネルギーの回生回路
を簡単に構成し、駆動用のパワートランジスタとダイオ
ードを6個から3個に減少させる。
【0046】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1に示す。
【0047】1はステータであり、ロータ回転角でほぼ
30度の幅を持つ6個のステータ突極20を備えてい
る。各ステータ突極20には、励磁巻き線とトルク巻き
線が巻回されている。励磁巻き線は、HA3,HA4で
示される巻き線がWAF、HB3,HB4で示される巻
き線がWBF、HC3,HC4で示される巻き線がWC
F、HD3,HD4で示される巻き線がWDF、HE
3,HE4で示される巻き線がWEF、HF3,HF4
で示される巻き線がWFFである。トルク巻き線は、H
A1とHA2で示される巻き線がWAT,HB1とHB
2で示される巻き線がWBT,HC1とHC2で示され
る巻き線がWCT,HD1とHD2で示される巻き線が
WDT,HE1とHE2で示される巻き線がWET,H
F1とHF2で示される巻き線がWFTである。なお、
これら記号の内A,B,C,D,E,Fは、各ステータ
突極を表している。
【0048】ステータ、ロータは、珪素鋼板を軸方向に
積層している。
【0049】2はロータの軸である。
【0050】ロータにはロータ回転角で約40度の幅を
持つ突極21を4個備え、積層時に5度のスキューがな
されている。図2にロータの表面形状をロータ回転方向
に平面展開した図を示す。図2に示すようにロータ突極
の回転方向幅は、スキュー部も含め、50度である。
【0051】図3は、モータの速度制御装置の構成例で
ある。
【0052】NRMは図1に示すモータである。
【0053】Eはロータの回転角を検出するエンコーダ
で、位置検出信号PSを出力する。
【0054】PSCは速度検出部で、位置検出信号PS
を入力とし速度信号VELを検出する。
【0055】VCは速度制御部で、速度指令VCMと速
度信号VELとを入力とし、速度制御器VCCでトルク
指令信号TCMを求め、界磁電流制御器FCCで界磁電
流指令FCMを求め出力する。
【0056】FDは界磁電流制御部で、界磁電流指令F
CMに従いモータNRMへ界磁電流IDを供給する。界
磁電流指令FCMはモータが基底回転数以下では一定の
値とし、基底回転数以上では、モータ誘起電圧を電源電
圧以下に低減するため、回転数と共に徐々に小さな値と
する。回転数と共に界磁電流指令FCMを小さくする、
いわゆる界磁弱め制御の典型的な例は、基底回転数以上
では界磁電流指令FCMをモータ回転数の逆関数とする
方法である。また、トルク指令が小さな領域では、小さ
な界磁電流指令値とし、モータの発熱を低減すると共に
トルクリップルを低減することも実用上有効である。
【0057】図4は、界磁電流制御部FDのパワー回路
と各励磁巻き線の接続関係を示す図である。各ステータ
突極に巻回された各励磁巻き線、WAF、WBF、WC
F、WDF、WEF、WFFは、図4に示すように直流
電流を流した時、各ステータ突極は図1に示されるN
極,S極に励磁されるように、隣り合う各ステータ磁極
の各励磁巻き線が逆向きに巻回されている。5は界磁電
流制御回路であり界磁電流IDを適切に制御し、6は駆
動トランジスタ、4はフライホイールダイオードであ
る。
【0058】図1に示すように、ロータの突極とステー
タの突極とが対向している部分の面積はロータの回転位
置に関係なく一定の関係となっており、全てのステータ
突極はN極かS極に励磁されており、磁束の極性はロー
タの位置により変わるが、磁束の絶対値は常に一定の量
が存在する構造となっている。従って、モータ内部の磁
気エネルギーを、ロータ回転位置に関わらず、基本的に
一定にすることができる。各励磁巻き線を全て直列に接
続して励磁電流を流した場合、ロータが回転してもモー
タの総磁束は変化しないのであるから、どの励磁巻き線
かは磁束が減少し負の電圧を発生し、同時に、他のどの
励磁巻き線かは磁束が増加するので正の電圧を発生し、
トータルとして直列に接続された励磁巻き線のトータル
電圧は、巻き線抵抗分の電圧効果のみで、磁束の増減に
伴う電圧は基本的に発生しない。従って、界磁電流制御
部による励磁制御は、図4に示すように、非常に簡単な
もので済む。さらには例えば、(電圧VS−VL)=
(励磁電流ID)×(励磁巻き線の総抵抗)となるよう
に励磁巻き線の抵抗を選べば、電源に励磁巻き線を接続
するだけで良く、図4に示す励磁回路FDも不要であ
る。
【0059】なお、各3相励磁巻き線を2組に分割し
て、それぞれに励磁電流駆動回路を接続しても同様の効
果が得られる。界磁電流制御部FDは図4の回路に限定
するものではない。
【0060】図1のような構成の機能的な利点は、特に
高速回転の制御を従来の考え方で行う場合制御装置の励
磁電流駆動の電圧負担が大きくなるが、図1方式では励
磁巻き線間で勝手に磁気エネルギのやりとりを行うので
トルク電流の制御装置の負担が減少する点である。
【0061】なお、磁気エネルギーが一定で回転トルク
を発生しない現象は、他の見方をすれば、ロータの両端
で正のトルクと負のトルクが発生していて、キャンセル
し合っているとも言える。従って、励磁電流のみが通電
されている時は、モータ全体としてリラクタンストルク
は発生しない。ステータ突極とロータ突極が接近すると
きあるいは離れるときに、その境界部でわずかに不連続
性があるが、基本的に、トルクリップルは小さい。ま
た、このトルクリップルの発生は、ロータかステータの
どちらかにスキューを行うことによりその悪影響を低減
できる。
【0062】回転トルクの生成は、後でも説明するが、
この励磁電流が通電された状態でトルク電流を付加する
ことにより得ることができる。その時トルク電流の力率
は電流と電圧とが時間位相的にほぼ一致しているので高
力率である。
【0063】TCはトルク制御部であり、トルク指令信
号TCMと位置検出信号PSを入力とし、モータNRM
の各相電流指令IADS,IBES,ICFS及び各相
の端子電圧を推定した各相の電圧フィードフォワード信
号VAD,VBE,VCFを出力する。
【0064】TDは電流制御部で、1相について説明す
ると、電流指令IADSと電流IADの検出値の差分を
求め、電流制御器ICRで比例積分制御等の処理を行
い、電圧フィードフォワード信号VADを加算し、電圧
指令信号をパワー増幅回路PWへ出力する。他の2相に
ついても同様の動作が行われる。
【0065】パワー増幅回路PWは、電流IADの相に
ついて説明すると、前記電圧指令信号を入力し、ごく一
般的なPWM動作により図5に示すトランジスタ8,9
を駆動し、モータNRMへ電流IADを供給する。
【0066】図5にパワー増幅回路PWのパワー回路と
ステータの各トルク巻き線の接続関係を示す。TWAは
HA1とHA2で示されるトルク巻き線,WDTはHD
1とHD2で示されるトルク巻き線である。8および9
は駆動トランジスタであり、10及び11は回生用のフ
ライホイールダイオードである。WATとWDTとは逆
向きに直列に接続されている,なお、各ステータ磁極の
励磁巻き線の電流の向きとトルク巻き線の電流の向きと
は一致している。トルク電流IADを流すときトランジ
スタ8,9がONし、トランジスタ8,9がOFFする
と電流IADはフライホイールダイオード10,11を
介して電源VS、VLへ回生される。VLはパワー回路
のコモン線である。
【0067】このようなPWM制御の結果、電流指令I
ADSに対して電流IADはPWM制御の分だけ脈動的
になるが、概略の電流は指令通りに制御され、電流の平
均値は電流指令IADSの通りとなる。
【0068】他の2相の巻き線WBT,WETの電流I
BEおよびWCT,WFTの電流ICFの電流制御につ
いても電流IADと同様の動作を行う。
【0069】また、励磁電流とトルク電流とのモータ内
部の磁気エネルギの関係を定性的に説明をする。図6は
モータの磁気特性をモデル的に示すもので、横軸は起磁
力H、縦軸は磁束密度Bである。励磁電流は、起磁力が
H0となる値に通電し、励磁されたモータの磁気回路部
の磁束密度は、B0となり、動作点はX0である。磁気回
路内部の磁気エネルギーは三角形OX0B0で示される。
この状態でトルク電流がH1とH0の差分だけ通電された
とすると、動作点はX1に移動するがモータ内部の磁気
エネルギの変化は小さく、図6のモデル図では零であ
る。従って、トルク電流の可変制御においてトルク電流
による磁束変化が小さいのであるから、そのインダクタ
ンスは小さく、制御性が高いと言える。
【0070】次にトルクの発生および各巻き線の電流と
の関係について、図7、図8の各電流値と回転角RAの
特性で示す。
【0071】図1において、水平に書いたロータの中心
線に対するロータ突極の反時計回転方向端までの角度を
RAと定義する。
【0072】今、電流振幅IP1に相当する反時計回転
方向のトルクを連続的に生成する場合について説明す
る。まず、励磁電流IDは回転角RAに無関係に一定値
ID1である。
【0073】回転角RAが零から次第に増加する時、即
ち、反時計回転方向へ回転していると仮定すると、各巻
き線電流は、図7の(a)、(b)、(c)に示すよう
に、それぞれロータ回転角RAで60度の位相差を持っ
て、通電されることにより一定のトルクを生成する。ロ
ータ回転角RA30度から150度の範囲を拡大して図
7の(d)、(e)、(f)に示し、その具体的動作に
ついて説明する。実線は通電電流、一点鎖線はトルク巻
き線に誘起される誘起電圧を示す。
【0074】まず、各相の巻き線に誘起される誘起電圧
について説明する。
【0075】図7(d)に示すように、反時計回転方向
CCWへ一定回転速度で回転していると仮定すると、ト
ルク巻き線WAT,WDTに誘起する電圧は、各巻き線
に鎖交する磁束の変化率に比例するので、RAが30度
から35度まではロータの端のスキューされた一部がス
テータ突極の位置からはずれ始めるので負の電圧が発生
し始め、35度から60度まではロータ突極が回転と共
にステータ突極の位置からはずれていくので一定電圧−
V1が誘起し、60度から65度の間はロータのスキュ
ー部の端がはずれていくので次第に電圧が零まで減少
し、65度から75度までの間はロータ突極がステータ
突極に対向していないので電圧は発生せず、75度から
80度まではロータの端のスキューされた一部がステー
タ突極にかかり始めるので正の電圧が増加80度から1
05度まではロータ突極が回転と共にステータ突極に対
向する部分が増加するので一定電圧V1が誘起し、10
5度から110度の間はロータのスキュー部のCCW端
がステータ突極からずれていくので次第に電圧が零まで
減少し、110度から120度の間はステータ突極がロ
ータ突極の幅の中に入っているので電圧は発生しない。
以下同様のサイクルを繰り返すことになる。
【0076】次に、トルク巻き線WAT,WDTに通電
する電流について説明する。具体的な電流の通電方法と
しては、電圧の発生していない時間帯に電流を増減し、
電流の増減時はトルクを発生しない制御を行っている。
従って、この期間内で有れば、電流の増減の形状等はモ
ータトルクに影響しないので、最大電圧を印加した電流
の急峻な増減が容易に可能である。ロータ回転角RAが
60度から75度の間に電流を零からIP1に増加し、
75度から110度の間は一定値IP1とし、110か
ら120度の間にIP1から零に減少させる。電力は電
流、電圧の積であるから、75度から110度の間にモ
ータへエネルギが供給され、この間の電圧に比例したト
ルクが生成されることになる。
【0077】他のトルク巻き線WBT,WETの電圧、
電流は同様に、図7(e)に示す通りであり、図7
(d)より60度だけ位相が遅れた関係になっている。
また、トルク巻き線WCT,WFTの電圧、電流は同様
に、図7(f)に示す通りであり、図7(d)より12
0度だけ位相が遅れた関係になっている。 図7
(a)、(b)、(c)の3相分のトルクを合計すると
どのロータ回転角でも一定値となっている。
【0078】次に、回転方向は反時計回転方向CCW
で、電流振幅IP1に相当する時計回転方向CWのトル
クを連続的に生成する場合について説明する。モータが
回生動作を行う場合である。
【0079】まず、励磁電流IDは回転角RAに無関係
に一定値ID1である。
【0080】回転角RAが零から次第に増加する時、即
ち、反時計回転方向へ回転していると仮定すると、各巻
き線電流は、図8の(a)、(b)、(c)に示すよう
に、それぞれロータ回転角RAで60度の位相差を持っ
て、通電されることにより一定のトルクを生成する。ロ
ータ回転角RA30度から150度の範囲を拡大して図
7の(d)、(e)、(f)に示し、その具体的動作に
ついて説明する。実線は通電電流、一点鎖線はトルク巻
き線に誘起される誘起電圧を示す。
【0081】まず、各相の巻き線に誘起される誘起電圧
について考えると、回転方向と励磁電流が図7の場合と
同じなので、誘起電圧は図7(d)、(e)、(f)と
同じである。
【0082】次に、トルク巻き線WAT,WDTに通電
する電流について説明する。具体的な電流の通電方法と
しては、電圧の発生していない時間帯に電流を増減し、
電流の増減時はトルクを発生しない制御を行っている。
図7の場合に比較し、トルクの方向が逆なので、電流の
通電するタイミングも逆のタイミングとなる。
【0083】図8(d)において、ロータ回転角RAが
30度から65度の間は一定値IP1とし、65から7
5度の間にIP1から零に減少させ、75度から110
度は零とし、110から120度の間に零からIP1ま
で増加させる。電力は電流、電圧の積であるから、75
度から110度の間は負電力となり、モータからエネル
ギが電源に回生され、この間は制動トルクが発生してい
る。制動トルクの大きさは、電圧に比例したトルクが生
成されることになる。
【0084】他のトルク巻き線WBT,WETの電圧、
電流は同様に、図8(e)に示す通りであり、図8
(d)より60度だけ位相が遅れた関係になっている。
また、トルク巻き線WCT,WFTの電圧、電流は同様
に、図8(f)に示す通りであり、図8(d)より12
0度だけ位相が遅れた関係になっている。 図(a)、
(b)、(c)の3相分のトルクを合計するとどのロー
タ回転角でも負の一定値となっており、一定の制動トル
クが発生している。
【0085】また、図7,図8の一点鎖線で示す誘起電
圧の内、各相の電流通電中の誘起電圧は各相の電圧フィ
ードフォワード信号VAD,VBE,VCFでもある。
【0086】なお、トルクの生成は各電流と回転位置と
に関係し、回転方向、回転速度には関係しない。
【0087】次に本発明の他の実施形態を図9に示し、
説明する。
【0088】図9のモータは、図1のモータと比較し、
励磁巻き線が無く、永久磁石22が各ステータの突極部
に挿入してある。励磁巻き線の起磁力を永久磁石が発生
するものである。このモータの駆動装置、制御方法は図
1のモータの場合とほぼ同じである。励磁巻き線がない
のでモータの効率が向上する特長がある。また、サーボ
モータとして使用する場合、停電時、非常停止などにお
いてモータをダイナミックブレーキで停止させる必要が
あるが、図1のモータでは、永久磁石が無くダイナミッ
クブレーキが困難である。この点、図9のモータは永久
磁石で励磁しており、ダイナミックブレーキを適用する
ことが可能である。
【0089】次に本発明の他の実施形態を図10に示
し、説明する。
【0090】図10のモータは、図のモータにおいてス
テータの励磁巻き線とトルク巻き線とを共通化し、励磁
電流とトルク電流を加算してトルク巻き線に通電するも
のである。
【0091】速度制御装置は、特に図示しないが、図3
の速度制御装置において界磁電流制御部を取り除き、ト
ルク制御部において各ステータ巻き線の励磁電流分も求
めトルク電流分と加算して各電流指令IADS,IBE
S,ICFSを作成する。その他は図3の速度制御装置
と同じである。
【0092】次にトルクの発生および各巻き線の電流と
の関係について、図11の各電流値と回転角RAの特性
で示す。
【0093】今、電流振幅IP1に相当する反時計回転
方向のトルクを連続的に生成する場合について説明す
る。
【0094】回転角RAが零から次第に増加する時、即
ち、反時計回転方向へ回転していると仮定すると、各ス
テータ巻き線の電流IAD,IBE,ICFは図11の
(a)、(b)、(c)に示すように制御される。特
に、ロータ回転角RAが30度から150度の範囲を拡
大して図11の(d)、(e)、(f)に示す。
【0095】まず、一点鎖線で示す誘起電圧について
は、図7の場合と合成電流は同じなのであるから、図7
の(d)、(e)、(f)と同じである。次に各ステー
タ巻き線の電流IAD,IBE,ICFは、図7の
(d)、(e)、(f)に示す電流に励磁電流分ID1
が加算されている。その他の動作等は図7の(d)、
(e)、(f)と同じである。得られるトルク特性も同
じである。ただし、このモータと速度制御装置で制御す
る場合、図5に示すパワー増幅回路PWの各トランジス
タの電流負担が増すこと、高速回転において速度制御装
置の電流制御が励磁電流の負担分だけ理想値より遅れた
場合、モータの振動、騒音が増加する傾向にある。
【0096】次に、図10の電動機を図11とは異なる
制御法で制御するタイムチャートを図12に示す。
【0097】この方法は、図11の制御法においてはト
ルク指令の方向にトルクを発生しない、むしろ逆方向の
トルクを生成する電流成分があることに鑑み、この逆方
向トルク成分の電流成分を零とするものである。
【0098】今、電流振幅IP1に相当する反時計回転
方向のトルクを連続的に生成する場合について説明す
る。
【0099】回転角RAが零から次第に増加する時、即
ち、反時計回転方向へ回転していると仮定すると、各ス
テータ巻き線の電流IAD,IBE,ICFは図12の
(a)、(b)、(c)に示すように制御される。特
に、ロータ回転角RAが30度から150度の範囲を拡
大して図12の(d)、(e)、(f)に示す。
【0100】まず、電流IADについて説明すると、ロ
ータ回転角0度から65度までは電流IADを零とす
る。65度から75度の間に電流IADを零からIP2
へ増加し、75度から110度までは電流IADをIP
2に保つ。図11と同様に、一点鎖線は巻き線に誘起す
る電圧であり、これらの電圧と電流との積である電力が
速度制御装置からモータへ供給されることになる。この
電力の一部は、モータ内部の磁気エネルギーになり、他
の電力はモータの発生トルクとなり機械出力となる。7
5度から80度の間はロータ突極のスキューした端部が
さしかかる回転位置であり回転と共に徐々に電圧が上昇
していき、磁気エネルギ分はモータ内部に蓄積され、他
の電力は機械エネルギに変換されている。80度から1
05度の間は、前記のID1×V1/2は磁気エネルギ
としてモータ内部に蓄積され、他の電力は機械エネルギ
にに変換されている。ここで機械エネルギとは、主に、
モータのロータを含めた負荷側の運動エネルギ及び実負
荷のことを指している。110度から120度の間に電
流IADをIP2から零に減少させる。この間はロータ
突極とステータ突極が完全に対向している回転位置であ
り、お互いの回転方向吸引力、即ち回転トルクは発生せ
ず、電圧と電流の積である負の電力が供給されている。
即ち、モータ内部の磁気エネルギがモータからパワー増
幅回路PWへ回生されている。このようにモータの回転
と共に、パワー増幅回路PWからモータへ磁気エネルギ
の供給と回生とを伴いながら機械エネルギがモータ側へ
供給されている。また、図11の(d)に比較し、ロー
タ回転角RAが0度から65度の間の電流ID1、即
ち、励磁電流が図12の(d)では零としており、回転
の逆方向である時計回転方向トルクは零となっている。
従って、図12の制御法の方がその分だけ大きな回転ト
ルクを得られる。ただし、この例では110度から12
0度の短時間に磁気エネルギをパワー増幅回路PW側へ
変換する必要があり、パワー増幅回路の電圧VSも限ら
れていることから、この制御アルゴリズムを実現できる
高速側の回転数にも限界が出てくる。
【0101】電流IBEの動作は、電流IADに比較
し、60度の位相遅れで同一の制御が行われる。電流I
CFの動作は、電流IADに比較し、120度の位相遅
れで同一の制御が行われる。以下、各相が同じ動作をロ
ータ回転角RAに応じて繰り返す。
【0102】図12の制御の特長は、逆方向トルクの発
生が無くなるので、モータ全体としても発生トルクが増
加する点にある。ただし、課題としては、図7に示した
制御法に比較してパワー増幅回路PWの各トランジスタ
の電流負担が増すこと、高速回転において速度制御装置
の電流制御が励磁電流及び電圧の負担分だけ理想値より
遅れた場合、モータの振動、騒音が増加する傾向にあ
る。
【0103】高速回転域でのパワー増幅回路からモータ
側へのエネルギ注入法として、図12(d)の電流IA
Dにおいて、ロータ回転角RAが60度から80度の間
はモータ端子電圧が低いことから図12(d)に示した
電流より大きな電流を流し、105度となる前に電流を
減少させるように制御しても良い。他の相の電流IB
E、ICFも同様に制御する。この方法により高速回転
域での回転トルクを増加させることができる。但しこの
時トルクリップルは増加することになり、振動、騒音は
増加するという課題は発生する。高速回転域であり、振
動、騒音の周波数が高いことから、用途にもよるが実用
的な設計も可能である。
【0104】次に本発明の他の実施形態を図13に示
し、説明する。
【0105】図13に示すスウィッチトリラクタンスモ
ータの構造は、図1に示したスウィッチトリラクタンス
モータに対して、ロータの突極幅とステータの突極幅と
の関係が逆になっている。具体的には、ロータは30度
幅の突極を5度スキューしており、結局ロータ突極の回
転方向の端から端までは40度となっている。ステータ
突極の幅は50度となっている。
【0106】このモータの動作は、図1のモータの考え
方と同じであり、ロータ突極が該当するステータ突極と
完全に対向している間か、あるいは、ロータ突極が該当
するステータ突極と完全に離れている間に該当するステ
ータ突極のトルク巻き線の電流を増減することによりト
ルクリップルの小さなモータを実現するものである。図
1のモータと同様に、励磁巻き線の動作をトルク巻き線
で代行することも可能である。
【0107】図1のモータに比較してこのモータの長短
は、ロータイナーシャを小さくできる点は優れており、
反面、ステータ巻き線の製作がステータ突極の形状から
難しくなる点、ステータ巻き線の巻回スペースが減少す
る点に少し難がある。
【0108】次に本発明のモータと制御装置の他の実施
形態について説明する。
【0109】図14に図4に相当する電流制御部のパワ
ー増幅部とモータの各巻き線との関係を示す。モータの
各ステータ磁極にはそれぞれ2組の巻き線WAとWA
G、WBとWBG、WCとWCG、WDとWDG、WE
とWEG、WFとWFGが巻回されている。前記2組の
巻き線は磁気的に結合されており、図14に示す接続関
係になっている。
【0110】図15に周期TでPWM制御動作を行う図
5と図14のパワー増幅部の動作のごく一部をタイムチ
ャートで示す。例えばPWM動作を10kHzで行う場
合は、各トランジスタがON、OFF動作を行う時間周
期は100μsecとごく短い時間である。図11の
(a)、(b)、(c)は図5のパワー増幅部のPWM
動作の例であり、(a)はトランジスタ8,9の指令信
号TADであり、(b)は巻き線に印加される電圧VP
W、(c)はPWM制御された電流IADである。図1
5の(d)、(e)、(f)、(g)は図14のパワー
増幅部のPWM動作の例であり、(d)はトランジスタ
12の指令信号TADであり、(e)は巻き線に印加さ
れる電圧、(f)はPWM制御された電流IAD、
(g)はPWM制御された電流IAGである。(f)、
(g)に示す電流IAD、IAGを加算すると(c)の
電流IADと同じ値となる。少し具体的に説明すると、
ステータ磁極AとDに電流IADを流すときトランジス
タ12をONし、電流IADが増加したところでトラン
ジスタをOFFすると電流IADは電流路が無くなるの
で零となり、同時に、巻き線WAG、WDGにも電圧が
発生するのでダイオード13を介して電流IAGが流
れ、直流電源VS、VLに回生するので電流は次第に減
少する。この動作をPWM制御動作として繰り返すこと
により電流IAD,IAGの精密な制御がなされる。他
の2相についても同様の動作が行われる。
【0111】図14のパワー増幅部の特徴は、図5のパ
ワー増幅部に比較し、トランジスタ、ダイオードの数を
半減することができ、制御回路が低コスト化できること
である。短所としては、ステータ巻き線が複雑になるこ
と、モータの巻き線抵抗が大きくなり効率が低下するこ
とがある。
【0112】次に本発明のモータと制御装置の他の実施
形態について説明する。
【0113】図16は、図5におけるモータ巻き線を分
割してステータ巻き線の中間部へ接続できるようにし、
かつ、切り替えスウィッチを設けている。低速回転時は
全巻き線に通電し、高速回転時はモータ端子電圧が大き
くなるので、ステータ巻き線の中間部へ接続してモータ
端子電圧を低くし、電流を容易に供給できるようにして
高速回転運転を実現するものである。具体的には図16
に示すように、モータ端子PAD1とPAD2の内部巻
き線及び回路は、図5のステータ巻き線WAT,WDT
をそれぞれWA1,WA2とWD1,WD2に分割し、
切り替えスウィッチで高速回転用端子SWHと低速回転
用端子SWLが選択できるようになっている。他の2相
についても同様である。
【0114】次に、図1のスウィッチトリラクタンスモ
ータにおけるトルクリップルの低減策について説明す
る。ここまでの説明では図1のモータ特性をモデル化し
てそのモデルで説明したが、現実にはロータ突極及びス
テータ突極の回転方向側面及び軸方向側面の空隙中にも
それぞれの磁気抵抗に応じた磁束が存在し、かつ、モー
タの珪素鋼板の磁気特性も非線形な磁気飽和特性を示す
ことから、前記の単純な論理だけでは除去できないトル
クリップル成分が存在する。この残ったトルクリップル
成分をその各高調波成分ごとに分割し、それぞれをうち
消し合うようにロータ構造を改良してトルクリップルを
低減するものである。今例えば周期TRP1とTRP2
のトルクリップル成分があるものとして、これらのトル
クリップル成分を低減する方法について説明する。軸方
向に珪素鋼板を積層したロータを軸方向に4分割し、R
T1,RT2,RT3,RT4とする。RT1とRT2
とを回転方向にTRP1/2のピッチだけシフトし、R
T3とRT4についても回転方向にTRP1/2のピッ
チだけシフトする。さらに、RT1とRT2の組とRT
3とRT4の組を回転方向に相対的にTRP2/2のピ
ッチだけシフトする。このようにトルクリップルの各高
調波成分を独立に消去することによりトルクリップルを
論理的に低減することが可能である。また、各ロータR
T1,RT2,RT3,RT4の軸方向境界部へステン
レス等の非磁性体を挟むことにより相互の磁気結合を低
減することができ、より効率よくトルクリップルを低減
できる。ロータを分割して回転方向へシフトする代わり
にステータをシフトすることもできる。
【0115】なお、図1に示すようにロータをスキュー
することによりトルクリップルは低減しているが、更に
各突極の回転方向角部を多角形化したり、扇形などの曲
線とする方法もトルクリップル低減に有効である。前記
トルクリップル低減策との組み合わせにより、低トルク
リップルな特性を実現できる。
【0116】次に、本発明の更に他の実施形態につい
て、図17を用いて説明する。
【0117】図17は、提案するモータの断面図であ
る。1Hはステータであり、ロータ回転角で60度より
は小さいがほぼ60度の幅を持つ6個のステータ磁極を
備えている。各ステータ磁極には、HA3とHA4、H
B3とHB4,HC3とHC4,HD3とHD4,HE
3とHE4,HF3とHF4で示される各励磁巻き線、
HA1とHA2,HB1とHB2,HC1とHC2,H
D1とHD2,HE1とHE2,HF1とHF2で示さ
れる各トルク巻き線を備えている。
【0118】3は、ロータであり、ロータ回転角で約8
0度の幅を持つ突極を持っている。ロータの突極の幅P
Aは、60度から120度までの幅であればあらゆる回
転位置で正負のトルク生成が可能である。なお、後でも
述べるが、ロータかステータのどちらかをスキューする
ことにより、ステータ磁極の幅及びロータ磁極の幅の限
界値が変わる。
【0119】モータの速度制御装置は図3の回路を用い
る。
【0120】次にトルクの発生および各巻き線の電流と
の関係について、図18、図19の各電流値と回転角R
Aの特性で示す。
【0121】今、電流振幅IP1に相当する反時計回転
方向のトルクを連続的に生成する場合について説明す
る。まず、励磁電流IDは図18の(d)に示すよう
に、回転角RAに無関係に一定値ID1である。
【0122】回転角RAが零から次第に増加する時、即
ち、反時計回転方向へ回転していると仮定すると、RA
が零の位置では巻き線WAT,WDTの電流IADをI
P1にし、他の電流IBE,ICFは零とする。RAが
零から30度までの間は、巻き線WAT,WDTがトル
クを生成する。
【0123】RAが20度に達すると巻き線WBT,W
ETの電流IBEを増加させ始め、RAが30度に達す
るときに電流値をIP1まで増加させる。この間はまだ
ロータ突極が巻き線WBT、WETのステータ磁極まで
達していないのでトルクを発生せず、その後のトルク生
成のための準備動作である。
【0124】RAが30度から90度までは巻き線WB
T、WETがトルクを生成する。この時同時にRAが3
0度から40度の間は電流IADは電流をIP1から零
まで減少させる。この間は、巻き線WATとWDTが巻
回されたステータ磁極はロータ突極に全面が対向してい
るので、トルクの生成には基本的には寄与しない。
【0125】RAが80度から90度の間は巻き線W
C、WFに流れる電流ICFを零からIP1まで増加
し、トルク生成の準備をし、RAが90度から150度
の間は電流ICFによりトルクを生成する。同時にRA
が90度から100度の間に電流IBEをIP1から零
に減少させる。
【0126】以下同様に各電流を通電することにより、
トルクリップルの少ない反時計方向の一定のトルクを生
成し続けることができる。
【0127】図18の各図において、一点鎖線はモータ
の各巻き線に鎖交する磁束の変化に伴う誘起電圧であ
る。従って、その誘起電圧の振幅は回転速度に比例して
いる。なお、巻き線の漏れ磁束の変化分、巻き線抵抗分
による電圧降下は無視している。また、図18の一点鎖
線で示す誘起電圧の内、各相の電流通電中の誘起電圧は
各相の電圧フィードフォワード信号IADS,IBE
S,ICFSでもある。通電していない領域の誘起電圧
に相当する信号も電圧フィードフォワード信号に加えて
も特に弊害は無く、回路方式によっては負電圧に相当す
る電圧フィードフォワード信号が必要な場合もあるが、
通常は不要である。さらに精密に制御するためには、こ
れらの誘起電圧信号に各巻き線の漏れ磁束の変化分に相
当する電圧成分及び巻き線抵抗の電圧降下分も加算して
電圧フィードフォワード信号を作ることも可能である。
【0128】なお、ステータ磁極の幅が60度でロータ
磁極の幅が80度なので、図18の特性において、電流
の立ち上がりを例えば5度程度早め、電流の立ち下がり
も5度程度遅らせて電流の通電幅を広めることも可能で
あり、モータの発生するトルクは変わらない。電流の通
電幅を広めることは、高速で回転するときに電流を高速
に変化させる必要性が高くなることから、電流制御の時
間的マージンを確保する意味で有効である。ステータ磁
極の幅を例えば90度程度に広くすれば、さらに、電流
制御の時間的マージンを大きくすることもできる。ただ
し、電流の通電幅をむやみに広めることはモータの銅損
を増すことになり、モータの効率運転という観点では不
利である。
【0129】従って、電流制御の時間的マージンを必要
最小限とし、電流通電幅を極力狭くした方が、モータの
損失を低減でき、その分モータの出力を増加させること
も可能となる。具体的には、図18の特性において、低
速回転時には電流通電幅を小さくし、回転数が上がると
ともに電流通電幅を電流制御の時間的マージンが得られ
る程度に広めていく方法が有効である。
【0130】なお、RAが20度から30度の間の巻き
線WBT,WETの電流IBEのように、トルクを発生
しない期間にその巻き線に電流を流し、磁気エネルギー
を蓄えておくことは、その直後に蓄えられた磁気エネル
ギーの一部が回転エネルギーに変換されるので、駆動装
置にとって駆動効率を上げることになり、有効である。
【0131】次に、電流IP1に相当する時計回転方向
のトルクを連続的に生成する場合について説明する。ま
ず、励磁電流IDは図19の(d)に示すように回転角
RAに無関係に一定値ID1である。
【0132】回転角RAが零から次第に増加すると仮定
すると、RAが零の位置では巻き線WCT,WFTの電
流ICFをIP1にし、他の電流IAD,IBEは零と
する。RAが零から50度までの間は、巻き線WCT,
WFTがトルクを生成する。
【0133】RAが40度に達すると巻き線WAT,W
DTの電流IADを増加させ始め、RAが50度に達す
るときに電流値をIP1まで増加させる。RAが30か
ら50度の間はまだ巻き線WATとWDTが巻回された
ステータ磁極はロータ突極に全面が対向しているので、
トルクの生成には基本的には寄与しない。その後のトル
ク生成のための準備動作である。
【0134】RAが50度から110度までは巻き線W
AT、WDTがトルクを生成する。この時同時にRAが
50度から60度の間は電流ICFは電流をIP1から
零まで減少させる。この間は、巻き線WCTとWFTが
巻回されたステータ磁極はロータ突極に全面が対向して
いないので、トルクの生成には基本的には寄与しない。
【0135】RAが100度から110度の間は巻き線
WBT、WETに流れる電流IBEを零からIP1まで
増加し、トルク生成の準備をし、RAが110度から1
70度の間は電流IBEによりトルクを生成する。同時
にRAが110度から120度の間に電流IADをIP
1から零に減少させる。
【0136】以下同様に各電流を通電することにより、
トルクリップルの少ない時計方向の一定のトルクを生成
し続けることができる。
【0137】図19の各図において、一点鎖線はモータ
の各巻き線に鎖交する磁束の変化に伴う誘起電圧であ
る。従って、電力的には正の電流と負の電圧の積であ
り、物理的にも反時計回転中に時計方向トルクを発生し
ているのであるから、モータは発電して回生を行ってい
る。その誘起電圧の振幅は回転速度に比例している。ま
た、巻き線の漏れ磁束の変化分、巻き線抵抗分による電
圧降下は無視している。
【0138】また、図19の一点鎖線で示す誘起電圧の
内、各相の電流通電中の誘起電圧は各相の電圧フィード
フォワード信号VAD,VBE,VCFでもある。
【0139】なお、図19に示す特性は、反時計回転方
向トルク発生時の運転動作の説明でも記述したように、
電流通電幅を広げることが可能である。ロータ磁極幅を
変更した場合は、ロータ磁極幅に応じた特性とする必要
がある。
【0140】なお、トルクの生成は各電流と回転位置と
に関係し、回転方向、回転速度には関係しない。
【0141】また、各ステータ磁極とロータ突極との全
面が対向しているか、あるいは、全面が全く対向してい
ない回転位置、即ち、各巻き線の誘起電圧が発生しない
回転位置の領域があり、その回転位置の領域を利用して
トルク巻き線の電流の増減を行えばトルクリップルを発
生させない制御が可能であるとも言える。
【0142】次に、図17のロータを回転方向に10度
スキューした場合の制御について説明する。ロータもし
くはステータをスキューする効果は、隣り合うステータ
磁極間の隙間に起因するトルクリップルを低減する効果
がある。また、図18,図19での一点鎖線で示す電圧
フィードフォワード信号は矩形波状である。これは、ロ
ータが回転してステータ磁極にさしかかる時にロータの
回転方向全面がステータ磁極と対向することになり、磁
束の回転変化率がステップ状に変化するためである。ロ
ータ回転角RAに対して電圧フィードフォワード信号が
矩形波状に変化する境界領域における、信号の曖昧さの
問題と、一瞬にしてパワー部の電圧を変化させることの
困難さの問題がある。スキューはこれらの問題も軽減す
る効果がある。
【0143】図18の(e)はロータを10度スキュー
し、反時計回転方向に回転しながら反時計回転方向トル
クを発生する場合の電流IADとその巻き線に誘起する
電圧である。例えばロータを10度スキューすれば、ロ
ータが回転してステータ磁極にさしかかる時にロータの
回転方向のスキューされた一部がステータ磁極にさしか
かり、徐々に対向する部分が増加していくことになり、
磁束の回転変化率が直線的に増加し、スキュー部を通り
過ぎると一定になる。結果として、ステップ状に変化す
る電圧信号を台形波状に変えることができ、電圧フィー
ドフォワード信号を徐々に変化させればよいので、前記
課題である境界領域における信号の曖昧さの問題と制御
的な電圧の急激な可変の困難さの課題が軽減される。特
に高速回転になるほど、この効果は大きい。
【0144】電流IADの増減は巻き線の誘起電圧が発
生しない領域で行えば、増減によるトルクへの影響は小
さいので、有効な電圧が発生する領域の前後で行うよう
にすればよい。
【0145】電流IADが流れる相について説明した
が、他の2相についてもロータ回転角RAに対する位相
がそれぞれ120度、240度遅れる関係となってお
り、動作内容は同じである。
【0146】図19の(e)はロータを10度スキュー
し、反時計回転方向に回転しながら時計回転方向トルク
を発生する場合の電流IADとその巻き線に誘起する電
圧である。前記と同様に、電圧信号を台形波状にするこ
とができ、制御的な困難さが軽減されている。他の2相
についてもロータ回転角RAに対する位相がそれぞれ1
20度、240度遅れる関係となっており、動作内容は
同じである。
【0147】次に、図20のモータとそのモータに関わ
る本発明の他の実施形態を説明する。
【0148】図20のモータは、図17のモータにおい
てステータの励磁巻き線とトルク巻き線とを共通化し、
共通巻き線としたモータである。制御的には、励磁電流
IDと各トルク電流を加えた値を各相の共通巻き線電流
として制御するものである。
【0149】図21は、このモータの速度制御装置の例
である。図3の速度制御装置に比較して、界磁電流制御
部を除去している。
【0150】次にトルクの発生および各巻き線の電流と
の関係について、図22の各電流値と回転角RAの特性
で示す。
【0151】今、電流振幅IP1に相当する反時計回転
方向のトルクを連続的に生成する場合について説明す
る。回転角RAが零から次第に増加する時、即ち、反時
計回転方向へ回転していると仮定すると、RAが零の位
置では、巻き線WAT,WDTの電流IADを図22
(a)に示すようにIP2とし、他の電流IBE,IC
Fは電流値をID1とする。IP2の値は図18におけ
る励磁電流ID1とトルク電流IP1との和に相当す
る。RAが零から30度までの間は、巻き線WAT,W
DTがトルクを生成する。
【0152】RAが20度に達すると巻き線WBT,W
ETの電流IBEを増加させ始め、RAが30度に達す
るときに電流値をIP2まで増加させる。この間はまだ
ロータ突極が巻き線WBT、WETのステータ磁極まで
達していないのでトルクを発生せず、その後のトルク生
成のための準備動作である。
【0153】RAが30度から90度までは巻き線WB
T、WETがトルクを生成する。この時同時にRAが3
0度から40度の間は電流IADは電流をIP2からI
D1まで減少させる。この間は、巻き線WATとWDT
が巻回されたステータ磁極はロータ突極に全面が対向し
ているので、トルクの生成には基本的には寄与しない。
RAが80度から90度の間は巻き線WCT、WFTに
流れる電流ICFをID1からIP2まで増加し、トル
ク生成の準備をし、RAが90度から150度の間は電
流ICFによりトルクを生成する。同時にRAが90度
から100度の間に電流IBEをIP2からID1に減
少させる。
【0154】以下同様に各電流を通電することにより、
トルクリップルの少ない反時計方向の一定のトルクを生
成し続けることができる。ロータ磁極の磁性はステータ
磁極の極性に支配され、図20に示すような分布になっ
ており、その分布はロータの回転とともに変化してい
く。
【0155】図22の各図において、一点鎖線及び二点
鎖線はモータの各巻き線に鎖交する磁束の変化に伴う誘
起電圧である。従って、その誘起電圧の振幅は回転速度
に比例している。なお、巻き線の漏れ磁束の変化分、巻
き線抵抗分による電圧降下は無視している。また、図2
2の一点鎖線及び二点鎖線で示す誘起電圧は、各相の電
圧フィードフォワード信号VAD,VBE,VCFでも
ある。さらに精密に制御するためには、これらの誘起電
圧信号に各巻き線の漏れ磁束の変化分に相当する電圧成
分及び巻き線抵抗の電圧降下分も加算して電圧フィード
フォワード信号を作ることも可能である。
【0156】次に他の制御方法について説明する。
【0157】図22の(a),(b),(c)におい
て、各相の電流値が励磁電流ID1としている領域で
は、破線で示すように電流値を零とすることもできる。
その場合には、二点鎖線で示す誘起電圧は励磁電流が零
なので、当然、零となる。この場合の方が図22に示す
実線で示した電流値を通電するより大きなトルクを発生
することができる。ただし、励磁電流ID1により得ら
れるトルクは起磁力Hと磁束密度Bの特性におけるコエ
ネルギー成分であり、電流が同一値であればトルク電流
により得られるトルクの半分である。
【0158】この時、各相の電圧フィードフォワード信
号IADS,IBES,ICFSは、図22の(a),
(b),(c)において一点鎖線で示す信号である。二
点鎖線で示す誘起電圧成分に相当する電圧フィードフォ
ワード信号は不要である。
【0159】次にエネルギー的観点から、図20のモー
タ、図22(a),(b),(c)の制御特性を説明す
る。説明で仮定する前提条件は、ステータ磁極とロータ
磁極の間の磁束透過部の内、最も狭い磁束透過部が励磁
電流ID1によりほぼ飽和磁束密度に励磁されること、
ステータ磁極とロータ磁極を構成する珪素鋼板の起磁力
Hと磁束密度Bの磁気特性は、起磁力Hの増加に伴い磁
束密度Bが直線的に増加し、飽和磁束密度以上では磁束
密度がほぼ一定になることである。
【0160】各相の電流値が図22(a),(b),
(c)の実線の場合、図21の制御装置からモータへ投
入される電力P1は、例えばロータ回転角RA=180
度の点では、電流IADの相が作用し、次式となる。
【0161】
【数1】 P1=(IP2)×(誘起電圧VA) =(IP1+ID1)×(誘起電圧VA) P1の内、(IP1)×(誘起電圧VA)と(ID1)
×(誘起電圧VA)の1/2はトルクとして機械エネル
ギーが出力される。ID1×(誘起電圧VA)の残り1
/2はモータ内部の磁気エネルギであり、図21の駆動
装置からモータ内部へ供給される。
【0162】一方、モータから図21の駆動装置へ回生
される電力P2は、電流ICFの相が作用し、次式とな
る。
【0163】
【数2】P2=−(ID1)×(誘起電圧VA) P2の内、1/2は回転方向と反対方向のトルクとして
機械エネルギーが図21の駆動装置へ回生され、残り1
/2はモータ内部の磁気エネルギがモータ内部から図2
1の駆動装置へ回生される。
【0164】結果として、モータの機械出力パワーP3
は、次式となる。
【0165】
【数3】 P3=P1−P2 =(IP1)×(誘起電圧VA) 次に、図22の(a),(b),(c)において、各相
の電流値が励磁電流ID1としている領域では、破線で
示すように電流値を零とすることができ、その場合につ
いてエネルギー的観点から、図20のモータ、図22
(a),(b),(c)の制御特性を説明する。各相の
電流値が図22(a),(b),(c)の実線の場合、
図21の制御装置からモータへ投入される電力P1は、
例えばロータ回転角RA=180度の点では、電流IA
Dの相が作用し、次式となる。
【0166】
【数4】 P1=(IP2)×(誘起電圧VA) =(IP1+ID1)×(誘起電圧VA) P1の内、(IP1)×(誘起電圧VA)と(ID1)
×(誘起電圧VA)の1/2はトルクとして機械エネル
ギーが出力される。ID1×(誘起電圧VA)の残り1
/2はモータ内部の磁気エネルギであり、図21の駆動
装置からモータ内部へ供給される。
【0167】一方、モータから図21の駆動装置へ回生
される電力P2は、電流ICFが零であり、かつ、励磁
電流もないので誘起電圧も零であり、全くエネルギーの
出入りがない。
【0168】結果として、モータの機械出力パワーP3
は、次式となる。
【0169】
【数5】 P3=P1−(ID1)×(誘起電圧VA)×1/2−P2 =P1−(ID1)×(誘起電圧VA)×1/2 =(IP1+ID1/2)×(誘起電圧VA) ここで、P1のうち、ID1×(誘起電圧VA)の1/
2はモータ内部の磁気エネルギであり、出力トルクには
寄与しないことに注意を要する。
【0170】図20のモータの長所としては、図17に
示したモータより巻き線が単純化されること、制御回路
に図4に示す励磁回路が不要となり回路が単純化される
ことが挙げられる。逆に短所としては、高速回転時のモ
ータ端子電圧が図17に示したモータより大きくなるた
め電流制御部の負担が増えること、モータ電流も励磁電
流分だけ大きくなり電流制御部の電流容量も大きくする
必要があることが上げられる。従って、図17のモータ
と図20のモータでは、使用回転数及び出力パワーによ
って長短があるため、一般的には、高速回転あるいは出
力パワーの大きいときは図3のモータの方が有利であ
る。
【0171】次に、図20のロータを回転方向に10度
スキューした場合の制御について説明する。スキューの
作用、効果は前述したように、スキューによりロータが
回転してステータ磁極にさしかかる時にロータの回転方
向のスキューされた一部がステータ磁極にさしかかり、
徐々に対向する部分が増加していくことになり、磁束の
回転変化率が直線的に増加し、スキュー部を通り過ぎる
と一定になる。結果として、スキューがない時ステップ
状に変化する誘起電圧を台形波状に変えることができ、
電圧フィードフォワード信号を徐々に変化させればよい
ので、前記課題である境界領域における信号の曖昧さの
問題と制御的な電圧の急激な可変の困難さの課題が軽減
される。
【0172】電流IADの相について具体的な制御特性
を図22の(e)に示す。誘起電圧は一点鎖線、二点鎖
線で示す特性である。また、前述と同様に、実線で示す
電流IADを破線に変更する事も可能であり、その時は
二点鎖線で示す誘起電圧は零となる。
【0173】電流IBE、ICFの他の相については、
ロータ回転角RAに対する位相がそれぞれ120度、2
40度だけシフトしている関係となっている。
【0174】以上本発明のスウィッチトリラクタンスモ
ータとその制御装置について説明したが、それぞれ、種
々応用、変形が可能であり、それらも本発明に含むもの
である。
【0175】例えば、図3に示す制御装置の構成例とし
て示した各演算部の替わりにマイクロプロセッサとメモ
リにより制御パターンを記憶して、最終的には同一の制
御を実現することが可能である。ファジイー制御、ニュ
ーラルネット的記憶で制御することも可能である。
【0176】ロータの回転位置を検出する方法としては
エンコーダを使用せず、センサレス位置検出も可能であ
る。
【0177】モータの高速回転制御を行う場合は、励磁
電流を弱め、いわゆる界磁弱め制御を行うことも応用可
能である。
【0178】ステータ突極数を3としロータ突極数を2
と少なくしたり、逆に突極数を多くすることも可能であ
る。
【0179】スキューについてはロータ側をスキューす
る例について紹介したがステータ側をスキューすること
も可能である。ロータを軸方向に数分割し少しずつ回転
方向にシフトし、スキューと同様の効果を得ることも可
能である。
【0180】また、いくつかの制御方法について説明し
たが、モータの回転条件等に応じて自動的に制御モード
を切り換えを切り換えて、各制御状態に応じてより適切
な運転モードへ自動的に切り換えることも可能である。
例えば、低速回転時と高速回転時では制御アルゴリズム
を切り換える方法、あるいは、徐々に移行するなどの方
法である。
【0181】
【発明の効果】本発明のスウィッチトリラクタンスモー
タとその制御装置は、トルクリップルを小さく制御で
き、振動及び騒音の小さな駆動システムを実現すること
ができる。3相誘導電動機の制御では、パワー増幅部に
通常、6個のトランジスタと6個のダイオードが必要で
あるが、本発明では3個のトランジスタと3個のダイオ
ードでも制御でき、安価な制御装置の実現が可能であ
る。より高速な回転駆動が可能となる。トルクリップル
低減策によりより静粛な駆動が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスウィッチトリラクタンスモータの
断面図である。
【図2】 本発明のスウィッチトリラクタンスモータの
ロータの回転方向表面を直線展開した図である。
【図3】 本発明に係わるモータ制御装置の好適な実施
形態を示す構成例のブロック図である。
【図4】 界磁電流制御部FDの実施形態を示す構成例
である。
【図5】 電流制御部のパワー増幅回路PWの例であ
る。
【図6】 モータ磁気材料の磁気特性をモデル的に示す
図である。
【図7】 本発明制御装置の制御特性図である。
【図8】 本発明制御装置の制御特性図である。
【図9】 本発明のスウィッチトリラクタンスモータの
断面図である。
【図10】 本発明のスウィッチトリラクタンスモータ
の断面図である。
【図11】 本発明制御装置の制御特性図である。
【図12】 本発明制御装置の制御特性図である。
【図13】 本発明のスウィッチトリラクタンスモータ
の断面図である。
【図14】 本発明に係わるスウィッチトリラクタンス
モータの巻き線構成とパワー増幅回路PWのである。
【図15】 本発明制御装置の制御特性図である。
【図16】 本発明に係わるスウィッチトリラクタンス
モータの巻き線構成の例である。
【図17】 本発明の制御装置の対象としているモータ
の他の実施形態の構成図である。
【図18】 本発明制御装置の制御特性図である。
【図19】 本発明制御装置の制御特性図である。
【図20】 本発明制御装置の対象としているモータの
他の構成図である。
【図21】 本発明に係わるモータ制御装置の他の実施
形態の構成図である。
【図22】 本発明制御装置の制御特性図である。
【図23】 従来のスウィッチトリラクタンスモータの
構成図である。
【図24】 従来のスウィッチトリラクタンスモータの
制御特性の図である。
【符号の説明】
2 軸、3 ロータ、4,10,11 フライホイール
ダイオード、5 界磁電流制御回路、6,8,9 駆動
トランジスタ。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステータの内周にほぼ均等配置された複
    数のステータ突極と、 前記各ステータ突極に巻回された励磁巻き線と、 前記各ステータ突極に巻回されたトルク巻き線と、 前記各ステータ突極に巻回された各励磁巻き線を直列に
    接続して直流電流を通電する励磁手段を備えることを特
    徴とするスウィッチトリラクタンスモータ。
  2. 【請求項2】 ステータの内周にほぼ均等配置された複
    数のステータ突極と、 前記各ステータ突極の一部に配置された永久磁石と、 前記各ステータ突極に巻回されたトルク巻き線と、 を備えることを特徴とするスウィッチトリラクタンスモ
    ータ。
  3. 【請求項3】 回転方向の幅がBSTであるステータ突
    極と、 各ステータ突極に挟まれた幅BSOの凹部と、 ロータに前記ステータ突極の幅BSTより大きな幅BR
    Tである複数の突極と、 ロータに前記ステータ突極の幅BSTより大きな幅BR
    Oである前記ロータ突極に挟まれた複数の凹部と、 力行運転時は、ロータ突極が該当ステータ突極にさしか
    かるまでであって、ステータ突極がロータの凹部幅BR
    Oの間にある時間に、該当するトルク巻き線のトルク電
    流を零からトルク指令値TCMに相当するトルク電流値
    IP1に増加させ、前記ロータ突極が該当する前記トル
    ク巻き線の巻かれたステータ突極にさしかかる間に回転
    トルクを生成し、前記ステータ突極がロータ突極の幅B
    RTの間に存在する間にトルク電流をIP1から零に減
    ずるように制御し、 回生運転時は、ステータ突極がロータ突極の幅BRTの
    間に存在する間にそのステータのトルク電流を零からト
    ルク指令値TCMに相当するトルク電流値IP1に通電
    し、前記ロータ突極が該当する前記トルク巻き線の巻か
    れたステータ突極から離れていく間に回生する回転トル
    クを生成し、ロータ突極が該当ステータから離れてその
    ステータ突極がロータの凹部の幅BROの間にある時間
    に前記トルク電流値IP1から零に減ずるように制御す
    る電流制御部を備えることを特徴とする請求項1項、又
    は請求項2項記載のスウィッチトリラクタンスモータ。
  4. 【請求項4】 ステータの内周にほぼ均等配置され回転
    方向の幅がBSTのNS個のステータ突極と、 前記各ステータ突極に巻回されたトルク巻き線と、 ロータに前記ステータ突極の幅BSTより大きな幅BR
    TのNSより小さな数のNR個の複数の突極と、 前記ロータ突極に挟まれたの複数の凹部であってロータ
    突極の幅BRTとほぼ同じ幅BROであるNR個のロー
    タの凹部と、 を備えることを特徴とするスウィッチトリラクタンスモ
    ータ。
  5. 【請求項5】 請求項4のスウィッチトリラクタンスモ
    ータと、 力行運転時は、ロータが回転しているとき、該当ステー
    タ突極がロータ突極に挟まれた凹部の幅BSOの間にあ
    る時間に電流値を励磁電流ID1からトルク指令値TC
    Mに相当する電流値IP2を該当する前記トルク巻き線
    に通電し、前記ロータ突極が該当する前記トルク巻き線
    の巻かれた突極にさしかかる間に回転トルクを生成し、
    前記ステータ突極がロータ突極の幅BROの間に存在す
    る間にトルク電流をIP2から前記励磁電流ID1に減
    ずるように制御し、 回生運転時は、ステータ突極がロータ突極の幅BRTの
    間に存在する間にそのステータのトルク電流値を励磁電
    流ID1からトルク指令値TCMに相当するトルク電流
    値IP2に通電し、前記ステータ突極がロータ突極から
    離れていく間に回生する回転トルクを生成し、ステータ
    突極がロータ突極から離れてロータ突極との間に挟まれ
    た凹部の幅BROの間にある時間にステータ巻き線の電
    流を前記トルク電流値IP2から前記励磁電流ID1に
    減ずるように制御する電流制御部を備えることを特徴と
    するスウィッチトリラクタンスモータ。
  6. 【請求項6】 請求項4のスウィッチトリラクタンスモ
    ータと、 力行運転時は、ロータが回転しているとき、該当ステー
    タ突極がロータ突極に挟まれた凹部の幅BSOの間にあ
    る時間に電流値を零からトルク指令値TCMに相当する
    電流値IP2を該当する前記トルク巻き線に通電し、前
    記ロータ突極が該当する前記トルク巻き線の巻かれた突
    極にさしかかる間に回転トルクを生成し、前記ステータ
    突極がロータ突極の幅BROの間に存在する間にトルク
    電流をIP2から零に減ずるように制御し、回生運転時
    は、ステータ突極がロータ突極の幅BRTの間に存在す
    る間にそのステータのトルク電流値を零からトルク指令
    値TCMに相当するトルク電流値IP2に通電し、前記
    ステータ突極がロータ突極から離れていく間に回生する
    回転トルクを生成し、ステータ突極がロータ突極から離
    れてロータ突極との間に挟まれた凹部の幅BROの間に
    ある時間にステータ巻き線の電流を前記トルク電流値I
    P2から零に減ずるように制御する電流制御部を備える
    ことを特徴とするスウィッチトリラクタンスモータ。
  7. 【請求項7】 ステータの内周にほぼ均等配置された複
    数のステータ突極と、 モータを駆動するインバータの正電源VSと、 モータを駆動するインバータの負電源VLと、 前記正電源VSから負電源VLの間にステータ突極の電
    力供給側巻き線とトランジスタが直列に接続され、 前記正電源VSから負電源VLの間に前記ステータ突極
    の前記電力供給側巻き線に並列に巻かれ電磁気的には逆
    向きの電力回生側巻き線とアノードが負電源側VLに向
    いたダイオードとが直列に接続され、 前記トランジスタのON、OFFにより前記電力供給側
    巻き線と前記電力回生側巻き線の電流を制御することを
    特徴とするスウィッチトリラクタンスモータ。
  8. 【請求項8】 ロータあるいはステータを軸方向に複数
    に分割し、モータの発生するトルクリップルの周波数成
    分の周期の1/2だけ回転方向にシフトする構造とした
    ことを特徴とする請求項1,2,4,7項のいずれかに
    記載のスウィッチトリラクタンスモータ。
  9. 【請求項9】 ステータ突極に巻かれた巻き線の中間タ
    ップが外部に取り出されているか、あるいは、ステータ
    突極に2組以上の巻き線が巻かれ、 それらの巻き線が直列に接続された状態と巻き線の一部
    に接続された状態とを切り換える切り換え手段を備える
    ことを特徴とする請求項1,2,4,7項のいずれかに
    記載のリラクタンスモータ。
  10. 【請求項10】 ロータ回転角換算で60度より小さい
    が、ほぼ60度の幅を持つ6個のステータ磁極と、各ス
    テータ磁極に巻回された励磁巻き線と、各ステータ磁極
    に巻回されたトルク巻き線と、ロータ回転角換算で60
    度から120度の大きさの幅を持つ2個の磁気的に突極
    状のロータ磁極を備えるモータの制御装置において、 各励磁巻き線を直列に接続して、励磁指令信号に従いモ
    ータを励磁するため直流励磁電流を各励磁巻き線へ供給
    する励磁駆動手段と、 トルク指令に従った大きさの電流を、トルク指令が正の
    時はロータ磁極の突極部の反時計方向端が位置するステ
    ータ磁極のトルク巻き線に通電し、 トルク指令が負の時はロータ磁極の突極部の時計方向端
    が位置するステータ磁極のトルク巻き線に通電するトル
    ク電流駆動手段を備えることを特徴とするモータ制御装
    置。
  11. 【請求項11】 ロータが反時計方向に回転していてト
    ルク指令が正の時、各ステータのトルク巻き線のロータ
    回転に依存したトルク電流の増加はステータ磁極の時計
    方向端の位置よりロータ磁極の突極部の反時計方向端の
    位置が時計方向側に位置する間に行い、各ステータのト
    ルク巻き線のロータ回転に依存したトルク電流の減少は
    ステータ磁極の反時計方向端の位置よりロータ磁極の突
    極部の時計方向端の位置が反時計方向側に位置する間に
    行い、ロータが反時計方向に回転していてトルク指令が
    負の時、各ステータのトルク巻き線のロータ回転に依存
    したトルク電流の増加はステータ磁極がロータ磁極の幅
    の中に位置している間に行い、各ステータのトルク巻き
    線のロータ回転に依存したトルク電流の減少はステータ
    磁極とロータ磁極とが全く向かい合っていない状態に位
    置している間に行うことを特徴とする請求項10記載の
    モータ制御装置。
  12. 【請求項12】 ロータ回転角換算で60度より小さい
    が、ほぼ60度の幅を持つ6個のステータ磁極と、各ス
    テータ磁極に巻回された共通巻き線と、ロータ回転角換
    算で60度から120度の大きさの幅を持つ2個の磁気
    的に突極状のロータ磁極を備えるモータの制御装置にお
    いて、 励磁指令信号に従いモータを励磁するための励磁電流を
    もとめ、トルク指令に従った大きさの電流を、トルク指
    令が正の時はロータ磁極の突極部の反時計方向端が位置
    するステータ磁極の共通巻き線にトルク電流が通電され
    るものとして求め、トルク指令が負の時はロータ磁極の
    突極部の時計方向端が位置するステータ磁極の共通巻き
    線にトルク電流が通電されるものとして求め、前記励磁
    電流と前記トルク電流との和の電流を各共通巻き線へ通
    電する共通巻き線電流駆動手段を備えることを特徴とす
    るモータ制御装置。
  13. 【請求項13】 ロータが反時計方向に回転していてト
    ルク指令が正の時、各ステータの共通巻き線のロータ回
    転に依存した電流の増加はステータ磁極の時計方向端の
    位置よりロータ磁極の突極部の反時計方向端の位置が時
    計方向側に位置する間に行い、各ステータの共通巻き線
    のロータ回転に依存したトルク電流の減少はステータ磁
    極の反時計方向端の位置よりロータ磁極の突極部の時計
    方向端の位置が反時計方向側に位置する間に行い、 ロータが反時計方向に回転していてトルク指令が負の
    時、各ステータの共通巻き線のロータ回転に依存したト
    ルク電流の増加はステータ磁極がロータ磁極の幅の中に
    位置している間に行い、各ステータの共通巻き線のロー
    タ回転に依存したトルク電流の減少はステータ磁極とロ
    ータ磁極とが全く向かい合っていない状態に位置してい
    る間に行うことを特徴とする請求項12記載のモータ制
    御装置。
  14. 【請求項14】 ロータが反時計方向に回転していてト
    ルク指令が正の時、各ステータのロータ回転に依存した
    電流の増加はステータ磁極の時計方向端の位置よりロー
    タ磁極の突極部の反時計方向端の位置が時計方向側に位
    置するYDA度の間に行い、各ステータのロータ回転に
    依存したトルク電流の減少はステータ磁極の反時計方向
    端の位置よりロータ磁極の突極部の時計方向端の位置が
    反時計方向側に位置するYDA度の間に行い、 ロータが反時計方向に回転していてトルク指令が負の
    時、各ステータの共通巻き線のロータ回転に依存したト
    ルク電流の増加はステータ磁極の時計方向端の位置より
    ロータ磁極の突極部の時計方向端の位置が時計方向側に
    位置するYDA度の間に行い、各ステータのロータ回転
    に依存したトルク電流の減少はステータ磁極の反時計方
    向端の位置よりロータ磁極の突極部の時計方向端の位置
    が反時計方向側に位置するYDA度の間に行い、 前記角度YDA度は、モータ回転数が小さいときは小さ
    な値とし、モータ回転数が大きくなると大きな値とする
    ことを特徴とする請求項11又は13のいずれかに記載
    のモータ制御装置。
  15. 【請求項15】 モータの各ステータ磁極に回生用の巻
    き線を備え、 各ステータ磁極の磁気エネルギーをロータの回転と共に
    電源に回生するため、各回生用の巻き線と電源との間に
    直列に、アノードが電源の低電圧側に向いてカソードが
    電源の高電圧側に向いて接続されたダイオードを備えた
    ことを特徴とする請求項10又は請求項12のいずれか
    に記載のモータ制御装置。
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