JPH1119077A - 放射線画像における腫瘤影の検出方法及び装置 - Google Patents

放射線画像における腫瘤影の検出方法及び装置

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JPH1119077A
JPH1119077A JP9174017A JP17401797A JPH1119077A JP H1119077 A JPH1119077 A JP H1119077A JP 9174017 A JP9174017 A JP 9174017A JP 17401797 A JP17401797 A JP 17401797A JP H1119077 A JPH1119077 A JP H1119077A
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tumor
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shadow
detecting
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Miki Goto
三樹 五藤
Hiroshi Fujita
広志 藤田
Hitoshi Yoshimura
仁 吉村
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は放射線画像における腫瘤影の検出方
法及び装置に関し、真の腫瘤影を検出することができる
放射線画像における腫瘤影の検出方法及び装置を提供す
ることを目的としている。 【解決手段】 放射線画像から腫瘤影を検出する装置に
おいて、医療用放射線画像上の腫瘤影の候補陰影に対
し、前記抽出された腫瘤影候補の辺縁上の複数の画素を
選択し、前記選択された画素のそれぞれについて前記画
素を起点とする所定の長さの第1の複数の線分を設定
し、前記第1の複数の線分のそれぞれに対応する画素列
の特徴量をそれぞれ求め、前記特徴量に基づいて前記第
1の複数の線分のそれぞれがスピキュラ上に位置するか
どうかを判別する腫瘤影の検出手段を具備して構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線画像における
腫瘤影の検出方法及び装置に関し、更に詳しくは、X線
画像やCT画像などの医療用放射線画像から検出した肺
ガンや乳ガンなどの腫瘤影について、悪性の腫瘤の特徴
である腫瘤影の周辺に存在する針状、線状の陰影を精度
良く検出し得る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタル放射線画像技術やパタ
ーン認識技術の向上により、放射線画像の中に含まれる
異常陰影を検出する技術の開発が進んできている。これ
は、X線写真による肺ガンや乳ガンの集団検診が盛んに
行われるようになってきており、多量のX線画像を短時
間に読影するために、医師の補助をコンピュータにより
行うことを目的としている。
【0003】肺ガンや乳ガンの陰影は、X線画像上では
円形の白い陰影として現れるため、これらの陰影を検出
する方法として、白い円形のパターンを強調するフィル
タ処理を行い、強調された陰影を探索する技術などが提
案され、検出率も90%を越えるようになってきてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の検出方法ではガンによる腫瘤影の他に、胸部画像では
血管や肋骨などの重なった陰影、***X線画像では脂肪
組織などが同様のパターンを持つために、それらの陰影
を異常の候補として多数検出してしまう。
【0005】また、ガンなどの悪性の腫瘤影にはこれら
の正常組織と違い、腫瘤影の周辺にスピキュラと呼ばれ
る針状又は線状の陰影が現れることが知られている。こ
のため、検出した腫瘤影の形状を調べ、正常組織による
候補(偽陽性)を削除する方法が提案されているが、十
分な性能を持っておらず、偽陽性を十分に削除できない
か、逆に真の腫瘤影(真陽性)をも削除してしまうとい
った問題点があった。
【0006】本発明はこのような課題に鑑みてなされた
ものであって、真の腫瘤影を検出することができる放射
線画像における腫瘤影の検出方法及び装置を提供するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
第1の発明は、 (1)医療用放射線画像データ上の抽出された腫瘤影候
補について、前記抽出された腫瘤影候補の辺縁上の複数
の画素を選択し、前記選択された画素のそれぞれについ
て前記画素を起点とする所定の長さの第1の複数の線分
を設定し、前記第1の複数の線分のそれぞれに対応する
画素列の特徴量をそれぞれ求め、前記特徴量に基づいて
前記第1の複数の線分のそれぞれがスピキュラ上に位置
するかどうかを判別することを特徴としている。
【0008】この発明の構成によれば、前記第1の複数
の線分のそれぞれがスピキュラ上に位置するかどうかを
判別することにより、候補陰影が腫瘤であるかどうかの
判定を行なう情報を得ることができる。
【0009】(2)この場合において、前記第1の複数
の線分のいずれかがスピキュラ上に位置すると判別され
た場合に、スピキュラ上に位置すると判別された前記第
1の線分の終点の画素を起点とする所定の長さの第2の
複数の線分を設定し、前記第2の複数の線分のそれぞれ
に対応する画素列の特徴量をそれぞれ求め、前記特徴量
に基づいて前記第2の複数の線分のそれぞれがスピキュ
ラ上に位置するかどうかを判別することを特徴としてい
る。
【0010】この発明の構成によれば、前記第1の線分
から第2の線分を求めて、該第2の複数の線分のそれぞ
れがスピキュラ上に位置するかどうかを判別することに
より、折れ曲ったスピキュラであっても検出することが
可能になり、候補陰影が腫瘤であるかどうかの判定を行
なう情報を得ることができる。
【0011】(3)また、前記スピキュラ上に位置する
と判別された線分の数が所定の範囲である場合に、前記
腫瘤影候補が腫瘤影であると判別することを特徴として
いる。
【0012】この発明の構成によれば、前記第1の線分
及び/又は第2の線分がスピキュラ上に位置するものが
多数の場合に、前記腫瘤影候補が腫瘤影であるとより正
確に判別することができる。
【0013】(4)また、前記スピキュラ上に位置する
と判別された線分の全て若しくは主要な線分の前記特徴
量に基づいて、前記腫瘤影候補が腫瘤影であるかどうか
を判別することを特徴としている。
【0014】この発明の構成によれば、判別された線分
に対応するパターンがスピキュラであるかどうかをより
詳しく調べることが可能となり、前記腫瘤影候補が腫瘤
影であるかどうかより正確に判別することができる。
【0015】(5)また、前記第1および第2の線分の
長さが、抽出された腫瘤影の平均的な半径の0.2倍か
ら2倍の範囲にあることを特徴としている。この発明の
構成によれば、抽出された腫瘤影の平均的な半径の0.
2倍から2倍の範囲にある長さのスピキュラを検出する
ことが可能となり、当該腫瘤影が悪性のものである可能
性が高いと判別することができる。
【0016】(6)また、腫瘤影の重心を中心とし腫瘤
影の平均的な半径の1.2倍から3倍の半径を持つ第1
の円上に、前記第1の線分の終点があることを特徴とし
ている。
【0017】この発明の構成によれば、腫瘤影の重心を
中心とし腫瘤影の平均的な半径の1.2倍から3倍の半
径を持つ第1の円上に、前記第1の線分の終点を設定す
るため、より効率的に当該腫瘤影が悪性のものである可
能性が高いと判別することができる。
【0018】(7)また、腫瘤影の重心を中心とし腫瘤
影の平均的な半径の2倍から4倍の半径を持つ第2の円
上に、前記第2の線分の終点があることを特徴としてい
る。この発明の構成によれば、腫瘤影の重心を中心とし
腫瘤影の平均的な半径の2倍から4倍の半径を持つ第2
の円上に、前記第2の線分の終点を設定するため、より
効率的に当該腫瘤影が悪性のものである可能性が高いと
判別することができる。
【0019】(8)また、スピキュラ上に位置するかど
うかを判別するための前記特徴量を求める画像データと
して、腫瘤影を抽出した画像データに比べ高周波成分を
強調された画像データを用いることを特徴としている。
【0020】この発明の構成によれば、高周波成分を強
調することによりスピキュラの検出精度を向上させるこ
とができる。 (9)また、スピキュラ上に位置するかどうかを判別す
るための前記特徴量を求める画像データとして、多項式
近似による背景トレンド除去処理を行った画像データを
用いることを特徴としている。
【0021】この発明の構成によれば、多項式近似によ
る背景トレンド除去処理を行った画像データを用いるこ
とにより、スピキュラのパターンがより鮮明となり、腫
瘤影を正確に判別することが可能となる。
【0022】(10)更に、スピキュラ上に位置するか
どうかを判別するための前記特徴量を求める画像データ
として、所定の閾値による2値化を行なった画像を用
い、前記第1若しくは第2の線分に対応する画素列にお
ける白画素の割合を前記特徴量として用いることを特徴
としている。
【0023】この発明の構成によれば、所定の閾値によ
る2値化を行なった画像を用い、前記第1若しくは第2
の線分に対応する画素列における白画素の割合を前記特
徴量として用いることにより、腫瘤影の正確な判別が容
易に可能となる。
【0024】前記した課題を解決する第2の発明は、 (11)放射線画像から腫瘤影を検出する装置におい
て、医療用放射線画像上の腫瘤影の候補陰影に対し、前
記抽出された腫瘤影候補の辺縁上の複数の画素を選択
し、前記選択された画素のそれぞれについて前記画素を
起点とする所定の長さの第1の複数の線分を設定し、前
記第1の複数の線分のそれぞれに対応する画8;素列の特
徴量をそれぞれ求め、前記特徴量に基づい前記第1の複
数の線分のそれぞれがスピキュラ上に位置するかどうか
を判別する腫瘤影の検出手段を具備することを特徴とし
ている。
【0025】この発明の構成によれば、前記第1の複数
の線分のそれぞれがスピキュラ上に位置するかどうかを
判別することにより、候補陰影が腫瘤であるかどうかの
判定を行なう情報を得ることができる。
【0026】(12)この場合において、前記検出手段
は、前記第1の複数の線分のいずれかがスピキュラ上に
位置すると判別された場合に、スピキュラ上に位置する
と判別された前記第1の線分の終点の画素を起点とする
所定の長さの第2の複数の線分を設定し、前記第2の複
数の線分のそれぞれに対応する画素列の特徴量をそれぞ
れ求め、前記特徴量に基づいて前記第2の複数の線分の
それぞれがスピキュラ上に位置するかどうかを判別する
ことを特徴としている。
【0027】この発明の構成によれば、前記第1の線分
から第2の線分を求めて、該第2の複数の線分のそれぞ
れがスピキュラ上に位置するかどうかを判別することに
より、折れ曲ったスピキュラであっても検出することが
可能になり、候補陰影が腫瘤であるかどうかの判定を行
なう情報を得ることができる。
【0028】(13)また、前記検出手段は、前記スピ
キュラ上に位置すると判別された線分の数が所定の範囲
である場合に、前記腫瘤影候補が腫瘤影であると判別す
ることを特徴としている。
【0029】この発明の構成によれば、前記第1の線分
及び/又は第2の線分がスピキュラ上に位置するものが
多数の場合に、前記腫瘤影候補が腫瘤影であるとより正
確に判別することができる。
【0030】(14)また、前記検出手段は、前記スピ
キュラ上に位置すると判別された線分の全て若しくは主
要な線分の前記特徴量に基づいて、前記腫瘤影候補が腫
瘤影であるかどうかを判別することを特徴としている。
【0031】この発明の構成によれば、判別された線分
に対応するパターンがスピキュラであるかどうかをより
詳しく調べることが可能となり、前記腫瘤影候補が腫瘤
影であるかどうかをより正確に判別することができる。
【0032】(15)また、前記第1および第2の線分
の長さが、抽出された腫瘤影の平均的な半径の0.2倍
から2倍の範囲にあることを特徴としている。この発明
の構成によれば、抽出された腫瘤影の平均的な半径の
0.2倍から2倍の範囲にある長さのスピキュラを検出
することが可能となり、当該腫瘤影が悪性のもである可
能性が高いと判別することができる。
【0033】(16)また、腫瘤影の重心を中心とし腫
瘤影の平均的な半径の1.2倍から3倍の半径を持つ第
1の円上に、前記第1の線分の終点があることを特徴と
している。
【0034】この発明の構成によれば、腫瘤影の重心を
中心とし腫瘤影の平均的な半径の1.2倍から3倍の半
径を持つ第1の円上に、前記第1の線分の終点を設定す
るため、より効率的に当該腫瘤影が悪性のものである可
能性が高いと判別することができる。
【0035】(17)また、腫瘤影の重心を中心とし腫
瘤影の平均的な半径の2倍から4倍の半径を持つ第2の
円上に、前記第2の線分の終点があることを特徴として
いる。
【0036】この発明の構成によれば、腫瘤影の重心を
中心とし腫瘤影の平均的な半径の2倍から4倍の半径を
持つ第2の円上に、前記第2の線分の終点を設定するた
め、より効率的に悪性のものである可能性が高いと判別
することができる。
【0037】(18)また、スピキュラ上に位置するか
どうかを判別するための前記特徴量を求める画像データ
として、腫瘤影を抽出した画像データに比べ高周波成分
を強調された画像データを用いることを特徴としてい
る。
【0038】この発明の構成によれば、高周波成分を強
調することによりスピキュラの検出精度を向上させるこ
とができる。 (19)また、スピキュラ上に位置するかどうかを判別
するための前記特徴量を求める画像データとして、多項
式近似による背景トレンド除去処理を行った画像データ
を用いることを特徴としている。
【0039】この発明の構成によれば、多項式近似によ
る背景トレンド除去処理を行なった画像データを用いる
ことにより、スピキュラのパターンがより鮮明となり、
腫瘤影を正確に判別することが可能となる。
【0040】(20)更に、スピキュラ上に位置するか
どうかを判別するための前記特徴量を求める画像データ
として、所定の閾値による2値化を行なった画像を用
い、前記第1若しくは第2の線分に対応する画素列にお
ける白画素の割合を前記特徴量として用いることを特徴
としている。
【0041】この発明の構成によれば、所定の閾値によ
る2値化を行なった画像を用い、前記第1若しくは第2
の線分に対応する画素列における白画素の割合を前記特
徴量として用いることにより、腫瘤影の正確な判別が容
易に可能となる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態例を詳細に説明する。図1は本発明の一実施の
形態例を示すブロック図である。本実施の形態例では、
***X線写真から腫瘤影を検出するシステムを例にとっ
て説明を行なう。マンモグラムと呼ばれる***X線写真
は、高解像度のスクリーン/フィルムを用いて撮影さ
れ、現像後、通常はライトボックスにかけられ医師によ
り読影診断される。本実施例は、このマンモグラムをフ
ィルムディジタイザでディジタル画像データに変換し、
本発明による腫瘤影の検出処理を行い、高解像度CRT
に画像表示を行い、医師が読影すると共に、検出された
腫瘤影の候補を画像上に表示することにより、医師の読
影の支援を行うものである。
【0043】図において、10はX線フィルムから腫瘤
影候補画像を抽出するサーバシステム、20は該サーバ
システム10から送られてくる腫瘤影候補画像を表示す
るクライアント端末である。サーバシステム10におい
て、11はX線フィルムから画像情報を読み取り、ディ
ジタル画像データに変換するフィルムディジタイザであ
る。
【0044】マンモグラムのディジタイズには、レーザ
フィルムディジタイザを用いる。これは、細いレーザビ
ームによりフィルム上を走査し、透過したレーザ光をフ
ォトマルなどの光電変換器により電気信号の強度に変換
し、得られた電気信号をアナログ−ディジタル変換する
ことにより、2次元のディジタル画像データとして得る
ものである。マンモグラムでは腫瘤の他に乳ガンの初期
陰影である微小な石灰化陰影も含まれるため、50μm
のサンプリングピッチでディジタイズされる。ただし、
本発明の対象である腫瘤影では、そのサイズは数ミリか
ら数十ミリに達するため100μmから数百μmのサン
プリングピッチでも十分である。マンモグラムは、その
濃度分布はかなり広いため、フィルムのカブリ濃度であ
る光学濃度0.2前後から皮膚の境界部分の光学濃度
3.0以上、場合によっては濃度4.0程度まで読みと
ることが必要である。また、広い濃度範囲を細かく解析
するために、12ビット階調でディジタイズしている。
【0045】なお、最近は、CRやディジタルマンモグ
ラム装置により、X線フィルムを用いずに直接ディジタ
ルデータを取得することが可能になっており、これらの
装置を用いても、同様の構成をとることが可能である。
【0046】12はフィルムディジタイザ11でディジ
タイズされたマンモグラム画像を、いったん保存する画
像データ記憶手段である。該画像データ記憶手段12と
しては、例えば磁気ディスクなどの画像データ記憶手段
が用いられる。長期的な保存のためには、医用画像の電
子保存の共通規格に適合した光磁気ディスクなどに保存
され、将来の再利用に備えることができる。
【0047】13は画像データ記憶手段12に保存され
たマンモグラム画像データを読み出して腫瘤影候補を検
出する腫瘤影検出手段であり、本発明を特徴づける部分
である。該腫瘤影検出手段13により検出された腫瘤影
候補画像データは、いったん画像データ記憶手段12に
保存される。14は画像データ記憶手段12を検索し
て、保存されている腫瘤影候補画像データを読み出して
クライアント端末20側に伝送する検索・送信手段であ
る。
【0048】クライアント端末20側において、21は
サーバシステム10側から伝送されてきた腫瘤影候補画
像データを表示する表示手段である。該表示手段21と
しては、例えば高解像度のCRT等が用いられる。この
ように構成された装置の動作を図2に示すフローチャー
トに従って、詳細に説明する。
【0049】図2は本発明の動作を示すフローチャート
である。本発明は、***領域を検出する処理(工程1)
と、***画像の分類を行なう処理(工程2)と、腫瘤影
候補の検出を行なう処理(工程3)と、偽陽性候補の削
除を行なう処理(工程4)と、スピキュラを検出する処
理(工程5)と、良悪性の判別処理(工程6)から構成
されている。以下、それぞれの処理の詳細について説明
する。これらの工程の処理は、腫瘤影検出手段13が行
なうものである。
【0050】1.***領域検出処理(工程1) マンモグラムでは、通常***領域は一部であり、直接X
線が照射された素抜け領域が含まれており、この部分は
以後の解析処理に不要なため、かかる素抜け領域を解析
の対象から外すために、***領域(被写体領域)の抽出
がまず行われる。
【0051】直接X線領域と***領域とでは、その濃度
が大きく異なるために、乳頭−胸壁方向に1ラインごと
に濃度分布を調べることにより、容易に分離することが
可能である。ここで、***領域の境界の検出のためには
1mm程度の解像度で十分なため、平均化あるいは間引
きにより縮小された画像が用いられる。分離された直接
X線領域にはマスクが設定され、今後の処理・解析の対
象から外される。このため、***領域のみの処理を行な
うことで処理時間を短縮することが可能となる。また、
この***領域を含む最小の矩形領域が設定され、他の部
分の画像データは破棄される。
【0052】腫瘤の検出のためには、0.3〜0.4m
m程度の画素サイズでの解析で十分であるため、原画像
から平均化により適切な画素サイズに縮小処理が行われ
る。ここでは、0.4mmの画素サイズを使用してい
る。
【0053】2.***画像の分類処理(工程2) 工程1で検出された***領域について、その画素値のヒ
ストグラムがまず求められる。このヒストグラムは、乳
房領域の広さの影響を取り除くために、***領域の画素
数により正規化される。この正規化されたヒストグラム
に対し、移動平均処理によるスムージング処理を施し、
細かな凹凸を除去する。このようにして得られたヒスト
グラムの形状を基に、個々のマンモグラムをその***領
域の組織分布について下記の4つタイプに分類する。 厚い乳腺領域とその周辺の脂肪領域に分割が可能な画
像 厚い乳腺領域が存在せずに全体が脂肪領域である画像 全体が厚い乳腺領域である画像 検出対象外とする画像 に分類された画像は、以降の処理は行わない。
【0054】3.腫瘤陰影候補の検出処理(工程3)腫
瘤陰影はマンモグラム上では白く現れることから、腫瘤
陰影候補の第1次検出として低濃度領域の抽出を行う。
ここでは、乳腺領域及び脂肪領域、胸筋領域、乳腺領域
周辺の3種の領域に対し、個別に低濃度領域の抽出を行
う。
【0055】抽出した低濃度領域には、腫瘤陰影以外の
陰影を含んでいるため、それらの除去を行う。ここで
は、抽出した領域の面積、領域辺縁の円形度、領域内の
画素値の標準偏差を用いて、次の3つに分類する。 真陽性候補 偽陽性候補 再検討が必要な候補 に分類された領域は、その領域内で更に低濃度領域の
再抽出が行われる。再抽出された領域に対し、面積、円
形度、画素値の標準偏差による分類が、に分類される
領域が無くなるまで繰り返し行われる。最終的に、の
偽陽性候補は破棄されの真陽性候補のみが、次工程の
処理に送られる。
【0056】4.偽陽性候補の削除(工程4) 前工程3で検出された真陽性候補に対し、差分統計量と
同時生起行列によるテクスチャ解析を行い、さらに偽陽
性候補の削除を行う。ここでは、解析対象の画像とし
て、前工程3で検出された腫瘤候補の領域の縦横のサイ
ズのそれぞれ2倍の矩形領域で切り出した小画像を用い
た。同時生起行列においては、2次モーメント、エント
ロピー、逆差分モーメントなど5種類の特徴量を抽出
し、差分統計量においてはコントラストの特徴量を抽出
し、それらの特徴量に基づいて偽陽性候補を判別し削除
する。
【0057】ここまでの処理で、約85%の腫瘤影の検
出が可能である。しかし、まだ1画像あたり約1.7個
の偽陽性候補が残っていることが、これまでのテストで
判明している。これらの偽陽性は、良性の組織構造であ
るため、スピキュラ陰影はほとんど含まれていないた
め、本発明による以下に説明を行うスピキュラの検出処
理により、悪性の腫瘤候補を高い確率で識別することが
可能となる。
【0058】5.スピキュラの検出(工程5) 本工程は本発明を特徴づける処理工程である。スピキュ
ラとは、前述したように、腫瘤影の周辺に現れる針状乃
至は線状の陰影のことである。工程3の検出処理で抽出
された腫瘤陰影候補の領域について、その領域の重心を
中心に、領域の面積に基づいた矩形領域を設定し、その
矩形領域内の画素値の特徴量を基に2値化のための閾値
を設定し、その矩形領域内の2値化を行い、抽出された
領域の辺縁を求め、これを腫瘤陰影の辺縁とする。
【0059】マンモグラムには、主に***の厚みの変化
に起因する「背景トレンド」と呼ばれる緩やかな濃度変
化がある。このため、多項式曲面によりこの濃度変化を
近似し、原画像から減算することにより、「背景トレン
ド」の除去を行う。
【0060】これによれば、多項式近似による背景トレ
ンド除去処理を行なった画像データを用いることによ
り、腫瘤陰影内の濃度勾配を除去して腫瘤影を正確に判
別することが可能となる。
【0061】前記背景トレンド除去を行った画像に対
し、スピキュラ陰影の強調を行うために、非鮮鋭マスク
処理による高周波成分の強調処理を行う。ここでは、処
理時間の短縮のため非鮮鋭マスク処理を用いたが、スピ
キュラのような線成分を効果的に強調できるフィルタ処
理を適宜用いることは可能である。
【0062】これによれば、画像データに対して高周波
成分を強調することにより、スピキュラの検出精度を向
上させることができる。次に、前記高周波強調を行った
画像に対し、スピキュラを抽出するための2値化を行
う。ここでは、多項式近似による背景トレンドの除去を
行っており、画像データの正規化ができているために、
予め定めた閾値での2値化を行っている。閾値の定め方
としては、特にこの方法に限る必要はなく、対象領域の
画素値の特徴量を用いてその都度最適な閾値を求める方
法をとることでももちろんかまわない。
【0063】前に求めた腫瘤陰影の辺縁の情報を用い、
前述の2値化画像に対し腫瘤陰影の辺縁上の画素それぞ
れについて、「振り子型フィルタ」により、順次下記の
解析を行う。図3は振り子型フィルタによるスピキュラ
検出処理の説明図である。図において、30は腫瘤、3
1は該腫瘤30の辺縁に形成されるスピキュラである。
【0064】辺縁上の画素をAとし、腫瘤の中心の画
素をOとする。画素Oの画素Aに対し点対称の画素をB
とし、線分ABを設定する。すなわち線分ABの長さは
画素Aから画素Oの距離となる。
【0065】線分ABを中心に左右それぞれ45度の
範囲で、長さがABと同じ線分を、画素Aを起点とし
て、複数設定する。 それぞれの線分ごとに、各線分に対応する画素列の画
素値を調べ、白画素の割合が90%を越えるもので、隣
接する部分に白画素がない場合、また、原画像上の対応
する画素列の濃度勾配の値が一定の範囲の場合に、その
線分AB’をスピキュラの候補とする。いずれの線分に
対応する画素列も条件に対応しない場合は、画素Aを起
点とするスピキュラは存在しないと判断し、以下の、
の処理はスキップする。
【0066】これによれば、第1の複数の線分の特徴量
を求め、該特徴量に基づいて複数の第1の線分のそれぞ
れがスピキュラ上に位置するかどうかを判別することに
より、腫瘤であるかどうかの判定を行なう情報を得るこ
とができる。
【0067】スピキュラとして検出された線分につい
て、その線分の終点のB’を起点とし、線分AB’と同
じ長さの線分B’Cを線分AB’の延長上に設定する。
その線分B’Cの左右それぞれ45度の範囲に、B’を
起点とし、長さがB’Cと同じ線分を複数設定する。
【0068】前記の場合と同様に、各線分に対応す
る画素列を調べ、スピキュラの候補となる線分B’C’
を検出する。条件に対応する線分が無い場合は、線分A
B’に対応するスピキュラは短いと判断する。
【0069】これによれば、第1の線分から第2の線分
を求めて、該第2の複数の線分のそれぞれがスピキュラ
上に位置するかどうかを判別することにより、腫瘤であ
るかどうかの判定を行なう情報を得ることができる。
【0070】また、において線分BCがスピキュラと
判定された場合には、と同様に新たな線分を設定し、
と同様の判定をスピキュラと判定する線分が無くなる
まで繰り返す構成を取ることも可能である。
【0071】前記からの処理を、辺縁上の画素につ
いて順次行い、スピキュラの候補を検出する。 6.良悪性の判別(工程6) 前工程5で検出されたスピキュラの候補となる線分のデ
ータを基に、対応する腫瘤陰影が正常構造などの良性の
ものか腫瘍などの悪性のものかを判別する。
【0072】スピキュラとして検出された線分の数、長
さ、それぞれの線分に対応する白画素の割合、それぞれ
の線分に対応する原画像上の画素列の画素値の特徴量な
どのデータを基に、総合的に判断する。本実施例では、
これらのデータを入力とし良悪性のレベルを出力するニ
ューラルネットワークを用いている。これは、すでに良
性・悪性がわかっている腫瘤候補を多数用意し、前述の
データと良悪性のデータとを学習させたものを用いるも
のである。
【0073】これによれば、前記第1の線分及び/又は
第2の線分がスピキュラ上に位置する場合に、前記腫瘤
影候補が腫瘤影であると判別することができる。また、
前記スピキュラ上に位置すると判別された線分の全て若
しくは主要な線分の前記特徴量に基づいて、前記腫瘤影
候補が腫瘤影であるかどうかを判別することにより、前
記腫瘤影候補が腫瘤影であるかどうかを判別することが
できる。
【0074】また、前記第1および第2の線分の長さ
が、抽出された腫瘤影の平均的な半径の0.2倍から2
倍の範囲にあることを検出することにより、前記第1及
び第2の線分の長さが、抽出された腫瘤影の平均的な半
径の0.2倍から2倍の範囲にある場合に、当該腫瘤影
が悪性のものてある可能性が高いと判別することができ
る。
【0075】また、腫瘤影の重心を中心とし腫瘤影の平
均的な半径の1.2倍から3倍の半径を持つ第1の円上
に、前記第1の線分の終点があることを検出することに
より、腫瘤影の重心を中心とし腫瘤影の平均的な半径の
1.2倍から3倍の半径を持つ第1の円上に、前記第1
の線分の終点がある場合に、当該腫瘤影が悪性のものて
ある可能性が高いと判別することができる。
【0076】また、腫瘤影の重心を中心とし腫瘤影の平
均的な半径の2倍から4倍の半径を持つ第2の円上に、
前記第2の線分の終点があることを検出することによ
り、腫瘤影の重心を中心とし腫瘤影の平均的な半径の2
倍から4倍の半径を持つ第2の円上に、前記第2の線分
の終点がある場合に、当該腫瘤影が悪性のものてある可
能性が高いと判別することができる。
【0077】前述の実施の形態例では、良悪性の判別に
ニューラルネットワークを用いた場合を例にとった。し
かしながら、本発明はこれに限るものではなく、ニュー
ラルネットを用いなくても、良悪性の鑑別に対しドミナ
ント(支配的)なデータ項目を解析により求め、そこか
ら判断することでも、かまわない。
【0078】以上の解析処理により検出された悪性の可
能性の高い腫瘤陰影の候補は、医師がマンモグラムを読
影診断される際に提示され、診断の参考として利用され
る。本実施の形態例例では、図1に示すように、マンモ
グラムのディジタイズおよび、以上に説明した腫瘤陰影
の検出処理をUNIXワークステーションを使用したサ
ーバシステムを用いて行っており、腫瘤陰影の検出結果
は画像データと対応されてサーバシステムの画像データ
記憶手段12に保存される。本サーバシステム10は、
WWWサーバとしての機能を持っており、クライアント
からのHTTP要求に対応し、画像データおよび腫瘤陰
影の検出結果および結果を表示するためのJAVAアプ
レット(画像表示するための小単位のプログラム)をネ
ットワークを経由してクライアント端末20側に送出す
る。
【0079】読影を行う医師は、自分の手元にあるパー
ソナルコンピュータをクライアント端末20として使用
し、表示手段として汎用のWWWブラウザを起動し、前
述のサーバシステム10にアクセスし、画面の表示に従
い自分が読影を行う検査画像を指定する。サーバシステ
ム10は医師の要求に従い、指定された画像データと腫
瘤陰影などの検出結果、読影診断に必要な機能を拡張す
るためのJAVAアプレットを検索・送信手段により送
出する。クライアント端末20は、サーバシステムから
送られてきた画像データを表示手段21に表示するとと
もに、JAVAアプレットを利用し、腫瘤陰影の検出候
補を、表示画像上にマークとして表示する。
【0080】このJAVAアプレットには、画像表示の
階調をコントロールする機能や、指定の部分を拡大表示
する機能を持っており、医師がより細かく画像を観察す
ることを可能にしている。医師は、端末のCRTを利用
するだけでなく、オリジナルのマンモグラムをライトボ
ックスにかけて、本実施例による表示を参考にしなが
ら、フィルムに対し読影診断を行うことも可能である。
【0081】医師が読影した結果は、前述のクライアン
ト端末20上で、レポートとして入力し、最終的にどの
腫瘤陰影候補が腫瘤であったかを入力する。この情報は
サーバシステムにフィードバックされ、腫瘤陰影の検出
技術の改善に用いられる。
【0082】上述の実施の形態例では、***X線写真か
らの乳ガン腫瘤陰影の検出について述べたが、本発明は
同様の腫瘤陰影の性質をもつ肺ガン陰影についても、適
用することが可能である。
【0083】
【発明の効果】以上、説明したように、 (1)第1の発明によれば、医療用放射線画像データ上
の抽出された腫瘤影候補について、前記抽出された腫瘤
影候補の辺縁上の複数の画素を選択し、前記選択された
画素のそれぞれについて前記画素を起点とする所定の長
さの第1の複数の線分を設定し、前記第1の複数の線分
のそれぞれに対応する画素列の特徴量をそれぞれ求め、
前記特徴量に基づいて前記第1の複数の線分のそれぞれ
がスピキュラ上に位置するかどうかを判別することによ
り、前記第1の複数の線分のそれぞれがスピキュラ上に
位置するかどうかを判別して、候補陰影が腫瘤であるか
どうかの判定を行なう情報を得ることができる。
【0084】(2)この場合において、前記第1の複数
の線分のいずれかがスピキュラ上に位置すると判別され
た場合に、スピキュラ上に位置すると判別された前記第
1の線分の終点の画素を起点とする所定の長さの第2の
複数の線分を設定し、前記第2の複数の線分のそれぞれ
に対応する画素列の特徴量をそれぞれ求め、前記特徴量
に基づいて前記第2の複数の線分のそれぞれがスピキュ
ラ上に位置するかどうかを判別することにより、前記第
1の線分から第2の線分を求めて、該第2の複数の線分
のそれぞれがスピキュラ上に位置するかどうかを判別し
て、折れ曲ったスピキュラであっても検出することが可
能になり、候補陰影が腫瘤であるかどうかの判定を行な
う情報を得ることができる。
【0085】(3)また、前記スピキュラ上に位置する
と判別された線分の数が所定の範囲である場合に、前記
腫瘤影候補が腫瘤影であると判別することにより、この
発明の構成によれば、前記第1の線分及び/又は第2の
線分がスピキュラ上に位置するものが多数の場合に、前
記腫瘤影候補が腫瘤影であるとより正確に判別すること
ができる。
【0086】(4)また、前記スピキュラ上に位置する
と判別された線分の全て若しくは主要な線分の前記特徴
量に基づいて、前記腫瘤影候補が腫瘤影であるかどうか
を判別することにより、判別された線分に対応するパタ
ーンがスピキュラであるかどうかをより詳しく調べるこ
とが可能となり、前記腫瘤影候補が腫瘤影であるかどう
かをより正確に判別することができる。
【0087】(5)また、前記第1および第2の線分の
長さが、抽出された腫瘤影の平均的な半径の0.2倍か
ら2倍の範囲にあることにより、抽出された腫瘤影の平
均的な半径の0.2倍から2倍の範囲にある長さのスピ
キュラを検出することが可能となり、当該腫瘤影が悪性
のものである可能性が高いと判別することができる。
【0088】(6)また、腫瘤影の重心を中心とし腫瘤
影の平均的な半径の1.2倍から3倍の半径を持つ第1
の円上に、前記第1の線分の終点があることにより、よ
り効率的に当該腫瘤影が悪性のものである可能性が高い
と判別することができる。
【0089】(7)また、腫瘤影の重心を中心とし腫瘤
影の平均的な半径の2倍から4倍の半径を持つ第2の円
上に、前記第2の線分の終点があることにより、より効
率的に当該腫瘤影が悪性のものである可能性が高いと判
別することができる。
【0090】(8)また、スピキュラ上に位置するかど
うかを判別するための前記特徴量を求める画像データと
して、腫瘤影を抽出した画像データに比べ高周波成分を
強調された画像データを用いることにより、高周波成分
を強調することによりスピキュラの検出精度を向上させ
ることができる。
【0091】(9)また、スピキュラ上に位置するかど
うかを判別するための前記特徴量を求める画像データと
して、多項式近似による背景トレンド除去処理を行った
画像データを用いることにより、スピキュラのパターン
がより鮮明となり、腫瘤影を正確に判別することが可能
となる。
【0092】(10)更に、スピキュラ上に位置するか
どうかを判別するための前記特徴量を求める画像データ
として、所定の閾値による2値化を行なった画像を用
い、前記第1若しくは第2の線分に対応する画素列にお
ける白画素の割合を前記特徴量として用いることによ
り、腫瘤影の正確な判別が容易に可能となる。
【0093】(11) 第2の発明によれば、放射線画
像から腫瘤影を検出する装置において、医療用放射線画
像上の腫瘤影の候補陰影に対し、前記抽出された腫瘤影
候補の辺縁上の複数の画素を選択し、前記選択された画
素のそれぞれについて前記画素を起点とする所定の長さ
の第1の複数の線分を設定し、前記第1の複数の線分の
それぞれに対応する画素列の特徴量をそれぞれ求め、前
記特徴量に基づい前記第1の複数の線分のそれぞれがス
ピキュラ上に位置するかどうかを判別する腫瘤影の検出
手段を具備することにより、前記第1の複数の線分のそ
れぞれがスピキュラ上に位置するかどうかを判別して、
候補陰影が腫瘤であるかどうかの判定を行なう情報を得
ることができる。
【0094】(12)この場合において、前記検出手段
は、前記第1の複数の線分のいずれかがスピキュラ上に
位置すると判別された場合に、スピキュラ上に位置する
と判別された前記第1の線分の終点の画素を起点とする
所定の長さの第2の複数の線分を設定し、前記第2の複
数の線分のそれぞれに対応する画素列の特徴量をそれぞ
れ求め、前記特徴量に基づいて前記第2の複数の線分の
それぞれがスピキュラ上に位置するかどうかを判別する
ことにより、前記第1の線分から第2の線分を求めて、
該第2の複数の線分のそれぞれがスピキュラ上に位置す
るかどうかを判別して、折れ曲ったスピキュラであって
も検出することがかのうになり、候補陰影陰影が腫瘤で
あるかどうかの判定を行なう情報を得ることができる。
【0095】(13)また、前記検出手段は、前記スピ
キュラ上に位置すると判別された線分の数が所定の範囲
である場合に、前記腫瘤影候補が腫瘤影であると判別す
ることにより、前記第1の線分及び/又は第2の線分が
スピキュラ上に位置するものが多数の場合に、前記腫瘤
影候補が腫瘤影であるとより正確に判別することができ
る。
【0096】(14)また、前記検出手段は、前記スピ
キュラ上に位置すると判別された線分の全て若しくは主
要な線分の前記特徴量に基づいて、前記腫瘤影候補が腫
瘤影であるかどうかを判別することにより、判別された
線分に対応するパターンがスピキュラであるかどうかを
より詳しく調べることが可能となり、前記腫瘤影候補が
腫瘤影であるかどうかをより正確に判別することができ
る。
【0097】(15)また、前記第1および第2の線分
の長さが、抽出された腫瘤影の平均的な半径の0.2倍
から2倍の範囲にあることにより、抽出された腫瘤影の
平均的な半径の0.2倍から2倍の範囲にある長さのス
ピキュラを検出することが可能となり、当該腫瘤影が悪
性のもである可能性が高いと判別することができる。
【0098】(16)また、腫瘤影の重心を中心とし腫
瘤影の平均的な半径の1.2倍から3倍の半径を持つ第
1の円上に、前記第1の線分の終点があることにより、
より効率的に当該腫瘤影が悪性のものである可能性が高
いと判別することができる。
【0099】(17)また、腫瘤影の重心を中心とし腫
瘤影の平均的な半径の2倍から4倍の半径を持つ第2の
円上に、前記第2の線分の終点があることにより、より
効率的に当該腫瘤影が悪性のものである可能性が高いと
判別することができる。
【0100】(18)また、スピキュラ上に位置するか
どうかを判別するための前記特徴量を求める画像データ
として、腫瘤影を抽出した画像データに比べ高周波成分
を強調された画像データを用いることにより、高周波成
分を強調することによりスピキュラの検出精度を向上さ
せることができる。
【0101】(19)また、スピキュラ上に位置するか
どうかを判別するための前記特徴量を求める画像データ
として、多項式近似による背景トレンド除去処理を行っ
た画像データを用いることにより、スピキュラのパター
ンがより鮮明となり腫瘤影を正確に判別することが可能
となる。
【0102】(20)更に、スピキュラ上に位置するか
どうかを判別するための前記特徴量を求める画像データ
として、所定の閾値による2値化を行なった画像を用
い、前記第1若しくは第2の線分に対応する画素列にお
ける白画素の割合を前記特徴量として用いることによ
り、腫瘤影の正確な判別が容易に可能となる。
【0103】このように、本発明によれば、医療用の放
射線画像上の腫瘤影候補について、腫陰影の周囲に存在
するスピキュラの有無を、効果的にかつ精度よく判別す
ることが可能となる。スピキュラの存在は悪性の腫瘤影
であることを示しているため、本発明によりスピキュラ
の存在の有無を判別できるようになり、検出の対象とし
た腫瘤影の良性・悪性の判別を精度よく行なうことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例を示すブロック図であ
る。
【図2】本発明の動作を示すフローチャートである。
【図3】振り子型フィルタによるスピキュラ検出処理の
説明図である。
【符号の説明】
10 サーバシステム 11 フィルムディジタイザ 12 画像データ記憶手段 13 腫瘤影検出手段 14 検索・送信手段 20 クライアント端末 21 表示手段

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医療用放射線画像データ上の抽出された
    腫瘤影候補について、 前記抽出された腫瘤影候補の辺縁上の複数の画素を選択
    し、 前記選択された画素のそれぞれについて前記画素を起点
    とする所定の長さの第1の複数の線分を設定し、 前記第1の複数の線分のそれぞれに対応する画素列の特
    徴量をそれぞれ求め、 前記特徴量に基づいて前記第1の複数の線分のそれぞれ
    がスピキュラ上に位置するかどうかを判別することを特
    徴とする放射線画像における腫瘤影の検出方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の複数の線分のいずれかがスピ
    キュラ上に位置すると判別された場合に、 スピキュラ上に位置すると判別された前記第1の線分の
    終点の画素を起点とする所定の長さの第2の複数の線分
    を設定し、 前記第2の複数の線分のそれぞれに対応する画素列の特
    徴量をそれぞれ求め、前記特徴量に基づいて前記第2の
    複数の線分のそれぞれがスピキュラ上に位置するかどう
    かを判別することを特徴とする請求項1記載の放射線画
    像における腫瘤影の検出方法。
  3. 【請求項3】 前記スピキュラ上に位置すると判別され
    た線分の数が所定の範囲である場合に、 前記腫瘤影候補が腫瘤影であると判別することを特徴と
    する請求項1乃至2の何れかに記載の放射線画像におけ
    る腫瘤影の検出方法。
  4. 【請求項4】 前記スピキュラ上に位置すると判別され
    た線分の全て若しくは主要な線分の前記特徴量に基づい
    て、 前記腫瘤影候補が腫瘤影であるかどうかを判別すること
    を特徴とする請求項1乃至2の何れかに記載の放射線画
    像における腫瘤影の検出方法。
  5. 【請求項5】 前記第1および第2の線分の長さが、抽
    出された腫瘤影の平均的な半径の0.2倍から2倍の範
    囲にあることを特徴とする請求項1乃至2の何れかに記
    載の放射線画像における腫瘤影の検出方法。
  6. 【請求項6】 腫瘤影の重心を中心とし腫瘤影の平均的
    な半径の1.2倍から3倍の半径を持つ第1の円上に、
    前記第1の線分の終点があることを特徴とする請求項1
    乃至2の何れかに記載の放射線画像における腫瘤影の検
    出方法。
  7. 【請求項7】 腫瘤影の重心を中心とし腫瘤影の平均的
    な半径の2倍から4倍の半径を持つ第2の円上に、前記
    第2の線分の終点があることを特徴とする請求項6記載
    の放射線画像における腫瘤影の検出方法。
  8. 【請求項8】 スピキュラ上に位置するかどうかを判別
    するための前記特徴量を求める画像データとして、腫瘤
    影を抽出した画像データに比べ高周波成分を強調された
    画像データを用いることを特徴とする請求項1乃至7の
    何れかに記載の放射線画像における腫瘤影の検出方法。
  9. 【請求項9】 スピキュラ上に位置するかどうかを判別
    するための前記特徴量を求める画像データとして、多項
    式近似による背景トレンド除去処理を行った画像データ
    を用いることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記
    載の放射線画像における腫瘤影の検出方法。
  10. 【請求項10】 スピキュラ上に位置するかどうかを判
    別するための前記特徴量を求める画像データとして、所
    定の閾値による2値化を行なった画像を用い、前記第1
    若しくは第2の線分に対応する画素列における白画素の
    割合を前記特徴量として用いることを特徴とする請求項
    1乃至9の何れかに記載の放射線画像における腫瘤影の
    検出方法。
  11. 【請求項11】 放射線画像から腫瘤影を検出する装置
    において、 医療用放射線画像上の腫瘤影の候補陰影に対し、 前記抽出された腫瘤影候補の辺縁上の複数の画素を選択
    し、 前記選択された画素のそれぞれについて前記画素を起点
    とする所定の長さの第1の複数の線分を設定し、 前記第1の複数の線分のそれぞれに対応する画素列の特
    徴量をそれぞれ求め、 前記特徴量に基づいて前記第1の複数の線分のそれぞれ
    がスピキュラ上に位置するかどうかを判別する腫瘤影の
    検出手段を具備することを特徴とする放射線画像におけ
    る腫瘤影の検出装置。
  12. 【請求項12】 前記検出手段は、前記第1の複数の線
    分のいずれかがスピキュラ上に位置すると判別された場
    合に、 スピキュラ上に位置すると判別された前記第1の線分の
    終点の画素を起点とする所定の長さの第2の複数の線分
    を設定し、 前記第2の複数の線分のそれぞれに対応する画素列の特
    徴量をそれぞれ求め、前記特徴量に基づいて前記第2の
    複数の線分のそれぞれがスピキュラ上に位置するかどう
    かを判別することを特徴とする請求項11記載の放射線
    画像における腫瘤影の検出装置。
  13. 【請求項13】 前記検出手段は、前記スピキュラ上に
    位置すると判別された線分の数が所定の範囲である場合
    に、 前記腫瘤影候補が腫瘤影であると判別することを特徴と
    する請求項11乃至12の何れかに記載の放射線画像に
    おける腫瘤影の検出装置。
  14. 【請求項14】 前記検出手段は、前記スピキュラ上に
    位置すると判別された線分の全て若しくは主要な線分の
    前記特徴量に基づいて、 前記腫瘤影候補が腫瘤影であるかどうかを判別すること
    を特徴とする請求項11乃至12の何れかに記載の放射
    線画像における腫瘤影の検出装置。
  15. 【請求項15】 前記第1および第2の線分の長さが、
    抽出された腫瘤影の平均的な半径の0.2倍から2倍の
    範囲にあることを特徴とする請求項11乃至12の何れ
    かに記載の放射線画像における腫瘤影の検出装置。
  16. 【請求項16】 腫瘤影の重心を中心とし腫瘤影の平均
    的な半径の1.2倍から3倍の半径を持つ第1の円上
    に、前記第1の線分の終点があることを特徴とする請求
    項11乃至12の何れかに記載の放射線画像における腫
    瘤影の検出装置。
  17. 【請求項17】 腫瘤影の重心を中心とし腫瘤影の平均
    的な半径の2倍から4倍の半径を持つ第2の円上に、前
    記第2の線分の終点があることを特徴とする請求項16
    記載の放射線画像における腫瘤影の検出装置。
  18. 【請求項18】 スピキュラ上に位置するかどうかを判
    別するための前記特徴量を求める画像データとして、腫
    瘤影を抽出した画像データに比べ高周波成分を強調され
    た画像データを用いることを特徴とする請求項11乃至
    17の何れかに記載の放射線画像における腫瘤影の検出
    装置。
  19. 【請求項19】 スピキュラ上に位置するかどうかを判
    別するための前記特徴量を求める画像データとして、多
    項式近似による背景トレンド除去処理を行った画像デー
    タを用いることを特徴とする請求項11乃至18の何れ
    かに記載の放射線画像における腫瘤影の検出装置。
  20. 【請求項20】 スピキュラ上に位置するかどうかを判
    別するための前記特徴量を求める画像データとして、所
    定の閾値による2値化を行なった画像を用い、前記第1
    若しくは第2の線分に対応する画素列における白画素の
    割合を前記特徴量として用いることを特徴とする請求項
    11乃至19の何れかに記載の放射線画像における腫瘤
    影の検出装置。
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