JP2004351100A - 医用画像処理システム及び医用画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異常陰影候補の判定に、既に正常画像か異常画像かの分類がなされている複数の画像との比較判定を用いることにより、判定精度の向上を図ることができる医用画像処理システムとする。
【解決手段】医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段14を備えた医用画像処理システム10である。得られた異常陰影候補領域を解析することにより特徴量を算出する特徴量算出手段15を有し、複数のグループに分類された既知画像を特徴量算出手段19に入力することにより得られた特徴量が、複数のグループに分類して記録されたデータ記憶手段12を有し、異常陰影候補領域と既知画像の特徴量を比較照合して異常陰影候補領域と類似した既知画像を選択し、既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて、異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う異常陰影候補判定手段16を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段14を備えた医用画像処理システム10である。得られた異常陰影候補領域を解析することにより特徴量を算出する特徴量算出手段15を有し、複数のグループに分類された既知画像を特徴量算出手段19に入力することにより得られた特徴量が、複数のグループに分類して記録されたデータ記憶手段12を有し、異常陰影候補領域と既知画像の特徴量を比較照合して異常陰影候補領域と類似した既知画像を選択し、既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて、異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う異常陰影候補判定手段16を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医用画像処理システム及び医用画像処理方法に係り、特には患者を撮影した医用画像から異常陰影候補を検出する医用画像処理システム及び医用画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療の分野においては、例えばコンピュータ放射線画像読取装置(以下、CR;Computed Radiographyという。)や核磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI;Magnetic Resonance Imagingという。)等の各種医用画像生成装置によりデジタル医用画像データを取得する技術が開発され、医用画像の電子保存が可能となっている。
【0003】
そして、フィルムや表示手段に出力された医用画像データを医師が読影して病変部と思われる異常陰影を検出し、その病変部の状態や経時変化を観察して診断を行うことが一般的に行われている。しかしながら、異常陰影の検出は、読影を行う医師(以下、読影医という。)の技量に依存するため、異常陰影の検出結果は読影医によって差が生じる可能性がある。また、集団検診等により大量の医用画像を取り扱う場合、読影作業は読影医にとってかなりの負担であった。
【0004】
そこで、的確な異常陰影検出や読影医の負担軽減を目的として、撮影された医用画像を画像処理することにより、自動的に異常陰影の候補を検出するコンピュータ診断支援装置(Computed−Aided Diagnosis;以下、CADという。)と呼ばれる医用画像処理システムが開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−112986号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記CADでは、正常組織や良性の病変部である偽陽性陰影を除外して、悪性の病変部である真陽性陰影のみを異常陰影候補として検出するために、検出した異常陰影の候補領域の内部や辺縁の特徴を示す特徴量を用いてその候補が偽陽性かどうかを判定し、偽陽性と判定されたものは検出結果から削除することが行われている。
【0007】
しかし、前記したような方法を持ってしても、偽陽性陰影を完全に削除できるものではなく、さらに様々な方法で異常陰影候補の判定を行っていく必要がある。
【0008】
そこで、本発明の課題は、異常陰影候補の判定に、既に正常画像(偽陽性陰影)か異常画像(真陽性陰影)かの分類がなされている複数の画像との比較判定を用いることにより、判定精度の向上を図ることができる医用画像処理システム及び医用画像処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、
患者を撮影した医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段を備えた医用画像処理システムであって、
前記異常陰影候補検出手段より得られた異常陰影候補領域を解析することにより特徴量を算出する特徴量算出手段を有し、
複数のグループに分類されている既知画像を前記特徴量算出手段に入力することにより得られた特徴量が、複数のグループに分類して記録されているデータ記憶手段を有し、
前記異常陰影候補領域の特徴量と前記既知画像の特徴量を比較照合して異常陰影候補領域と類似した既知画像を選択し、
選択された既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて、前記異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う異常陰影候補判定手段を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項25に記載の発明は、
患者を撮影した医用画像から異常陰影候補を検出する医用画像処理方法であって、
得られた異常陰影候補領域を解析することにより特徴量を算出し、
複数のグループに分類されている既知画像より得られた特徴量が、複数のグループに分類して記録され、
前記異常陰影候補領域の特徴量と前記既知画像の特徴量を比較照合して異常陰影候補領域と類似した既知画像を選択し、
選択された既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて、前記異常陰影候補領域が属するグループの判定を行うことを特徴としている。
【0011】
請求項1、25に記載の発明によれば、異常陰影候補領域と類似した既知画像のがどのグループに含まれているかの割合に基づいて、異常陰影候補領域が属するグループ、例えば、異常画像か正常画像かの判定を行うため、従来とは異なる判定方法によって異常陰影候補の判定を行うことができ、判定精度を向上させることができる。従って、陰影の偽陽性と真陽性の判別精度が向上し、異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記異常陰影候補判定手段は、選択された既知画像が単数、複数のどちらにも対応できることを特徴としている。
【0013】
請求項26に記載の発明は、請求項25に記載の医用画像処理方法において、
前記異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う際、選択された既知画像が単数、複数のどちらにも対応できることを特徴としている。
【0014】
請求項2、26に記載の発明によれば、選択された既知画像が単数、複数のどちらの場合にも対応できるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段では、前記既知画像が異常画像グループと正常画像グループとに分類されて記録されていることを特徴としている。
【0016】
請求項27に記載の発明は、請求項25又は26に記載の医用画像処理方法において、
前記既知画像が異常画像グループと正常画像グループとに分類されて記録されていることを特徴としている。
【0017】
請求項3、27に記載の発明によれば、既知画像が異常画像グループと正常画像グループとに分類されて記録されているため、当該グループに属するかどうかの判定に関する異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段では、前記既知画像が異常画像グループ、正常画像グループ及び正常か異常かが判断できない画像グループに分類されて記録されていることを特徴としている。
【0019】
請求項28に記載の発明は、請求項25又は26に記載の医用画像処理方法において、
前記既知画像が異常画像グループ、正常画像グループ及び正常か異常かが判断できない画像グループに分類されて記録されていることを特徴としている。
【0020】
請求項4、28に記載の発明によれば、既知画像が異常画像グループ、正常画像グループ及び正常か異常かが判断できない画像グループに分類されて記録されているため、当該グループに属するかどうかの判定に関する異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段では、前記既知画像が病変の種類及び/又は正常構造の種類に対応したグループに分類されて記録されていることを特徴としている。
【0022】
請求項29に記載の発明は、請求項25〜28のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記既知画像が病変の種類及び/又は正常構造の種類に対応したグループに分類されて記録されていることを特徴としている。
【0023】
請求項5、29に記載の発明によれば、既知画像が病変の種類及び/又は正常構造の種類に対応したグループに分類されて記録されているため、当該グループに属するかどうかの判定に関する異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0024】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段では、前記既知画像が病変の種類に対応したグループに分類されて記録されており、
前記異常陰影候補判定手段は、選択された複数の既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて病変が良性か悪性か分類することが可能であることを特徴としている。
【0025】
請求項30に記載の発明は、請求項25〜28のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記既知画像が病変の種類に対応したグループに分類されて記録されており、
前記異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う際には、選択された複数の既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて病変が良性か悪性か分類することが可能であることを特徴としている。
【0026】
請求項6、30に記載の発明によれば、既知画像が病変の種類に対応したグループに分類されて記録されており、選択された複数の既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて病変が良性か悪性か分類することが可能であるため、さらに高精細な異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0027】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段は、選択する複数の既知画像の数を変更可能であることを特徴としている。
【0028】
請求項31に記載の発明は、請求項25〜30のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
選択する複数の既知画像の数を変更可能であることを特徴としている。
【0029】
請求項7、31に記載の発明によれば、選択する複数の既知画像の数を変更可能であるため、異常陰影候補領域に応じて異常陰影候補の検出精度をより向上させることができる。
【0030】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段は、前記特徴量算出手段により算出された既知画像の特徴量として、異常陰影候補領域における特徴量と同じ特徴量算出手段を用いることを特徴としている。
【0031】
請求項32に記載の発明は、請求項25〜31のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
算出された既知画像の特徴量として、異常陰影候補領域における特徴量と同じ特徴量算出手段を用いることを特徴としている。
【0032】
請求項8、32に記載の発明によれば、算出された既知画像の特徴量と、異常陰影候補領域における特徴量とが、同じ特徴量算出手段を用いるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができ、さらにシステムの構成を簡単にすることができる。
【0033】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記異常陰影候補判定手段は、既知画像の各グループの特徴量を1つのデータにまとめた上で異常陰影候補領域の特徴量と類似した複数の既知画像を選択することを特徴としている。
【0034】
請求項33に記載の発明は、請求項25〜32のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
既知画像を選択する際に、既知画像の各グループの特徴量を1つのデータにまとめた上で異常陰影候補領域の特徴量と類似した複数の既知画像を選択することを特徴としている。
【0035】
請求項9、33に記載の発明によれば、既知画像の各グループの特徴量を1つのデータにまとめた上で異常陰影候補領域の特徴量と類似した複数の既知画像を選択するため、データ処理が簡単に行えるようにすることができる。
【0036】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記特徴量は、画像信号値を直接記録したものであることを特徴としている。
【0037】
請求項34に記載の発明は、請求項25〜33のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記特徴量は、画像信号値を直接記録したものであることを特徴としている。
【0038】
請求項10、34に記載の発明によれば、特徴量は、画像信号値を直接記録したものであるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0039】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記特徴量には、構造物のコントラストに関する特徴量を含むことができることを特徴としている。
【0040】
請求項35に記載の発明は、請求項25〜34のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記特徴量には、構造物のコントラストに関する特徴量を含むことができることを特徴としている。
【0041】
請求項11、35に記載の発明によれば、特徴量には、構造物のコントラストに関する特徴量を含むことができるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0042】
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記特徴量には、構造物の形状に関する特徴量を含むことができることを特徴としている。
【0043】
請求項36に記載の発明は、請求項25〜35のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記特徴量には、構造物の形状に関する特徴量を含むことができることを特徴としている。
【0044】
請求項12、36に記載の発明によれば、特徴量には、構造物の形状に関する特徴量を含むことができるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0045】
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記特徴量には、テクスチャに関する特徴量を含むことができることを特徴としている。
【0046】
請求項37に記載の発明は、請求項25〜36のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記特徴量には、テクスチャに関する特徴量を含むことができることを特徴としている。
【0047】
請求項13、37に記載の発明によれば、特徴量には、テクスチャに関する特徴量を含むことができるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0048】
請求項14に記載の発明は、請求項1〜13のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記異常陰影候補判定手段は、出力する判定結果に異常陰影候補に関する位置情報を含むことを特徴としている。
【0049】
請求項38に記載の発明は、請求項25〜37のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う際には、出力する判定結果に異常陰影候補に関する位置情報を含むことを特徴としている。
【0050】
請求項14、38に記載の発明によれば、出力する判定結果に異常陰影候補に関する位置情報を含むため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0051】
請求項15に記載の発明は、請求項1〜14のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記特徴量算出手段は、算出する特徴量を、多次元ベクトルで表現することを特徴としている。
【0052】
請求項39に記載の発明は、請求項25〜38のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記特徴量を算出する際には、算出する特徴量を、多次元ベクトルで表現することを特徴としている。
【0053】
請求項15、39に記載の発明によれば、算出する特徴量を、多次元ベクトルで表現するため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0054】
請求項16に記載の発明は、請求項1〜15のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記異常陰影候補判定手段は、多変量解析部と比較照合部とを有することを特徴としている。
【0055】
請求項40に記載の発明は、請求項25〜39のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う手段には、多変量解析部と比較照合部とを有することを特徴としている。
【0056】
請求項16、40に記載の発明によれば、異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う手段、すなわち異常陰影候補判定手段は、多変量解析部と比較照合部とを有するため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0057】
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記多変量解析部は、特徴量を入力データとして使用することを特徴としている。
【0058】
請求項41に記載の発明は、請求項40に記載の医用画像処理方法において、
前記多変量解析部は、特徴量を入力データとして使用することを特徴としている。
【0059】
請求項17、41に記載の発明によれば、多変量解析部は、特徴量を入力データとして使用するため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0060】
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記多変量解析部は、多次元ベクトルで表現された特徴量の次元数を、多変量解析によって変換することを特徴としている。
【0061】
請求項42に記載の発明は、請求項41に記載の医用画像処理方法において、
前記多変量解析部は、多次元ベクトルで表現された特徴量の次元数を、多変量解析によって変換することを特徴としている。
【0062】
請求項18、42に記載の発明によれば、多変量解析部は、多次元ベクトルで表現された特徴量の次元数を、多変量解析によって変換するため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0063】
請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離の測定による画像の比較照合を行うことを特徴としている。
【0064】
請求項43に記載の発明は、請求項42に記載の医用画像処理方法において、
前記比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離の測定による画像の比較照合を行うことを特徴としている。
【0065】
請求項19、43に記載の発明によれば、比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離の測定による画像の比較照合を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0066】
請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離に応じて順位を付け、所定の順位までに含まれる既知画像の属するグループの割合によって前記異常陰影候補領域がどのグループに属するかの判定を行うことを特徴としている。
【0067】
請求項44に記載の発明は、請求項43に記載の医用画像処理方法において、
前記比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離に応じて順位を付け、所定の順位までに含まれる既知画像の属するグループの割合によって前記異常陰影候補領域がどのグループに属するかの判定を行うことを特徴としている。
【0068】
請求項20、44に記載の発明によれば、比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離に応じて順位を付け、所定の順位までに含まれる既知画像の属するグループの割合によって前記異常陰影候補領域がどのグループに属するかの判定を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0069】
請求項21に記載の発明は、請求項16〜20のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記多変量解析部は、主成分分析によって多変量解析を行うことを特徴としている。
【0070】
請求項45に記載の発明は、請求項40〜44のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記多変量解析部は、主成分分析によって多変量解析を行うことを特徴としている。
【0071】
請求項21、45に記載の発明によれば、多変量解析部が、主成分分析によって多変量解析を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0072】
請求項22に記載の発明は、請求項16〜21のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記多変量解析部は、判別分析によって多変量解析を行うことを特徴としている。
【0073】
請求項46に記載の発明は、請求項40〜45のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記多変量解析部は、判別分析によって多変量解析を行うことを特徴としている。
【0074】
請求項22、46に記載の発明によれば、多変量解析部が、判別分析によって多変量解析を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0075】
請求項23に記載の発明は、請求項16〜22のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記多変量解析部は、人工ニューラルネットワークによって多変量解析を行うことを特徴としている。
【0076】
請求項47に記載の発明は、請求項40〜46のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記多変量解析部は、人工ニューラルネットワークによって多変量解析を行うことを特徴としている。
【0077】
請求項23、47に記載の発明によれば、多変量解析部が、人工ニューラルネットワークによって多変量解析を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0078】
請求項24に記載の発明は、請求項1〜23のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段は、特徴量の数の2倍以上の画像数を有していることを特徴としている。
【0079】
請求項48に記載の発明は、請求項25〜47のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
特徴量の数の2倍以上の画像数を有していることを特徴としている。
【0080】
請求項24、48に記載の発明によれば、特徴量の数の2倍以上の画像数を有しているため、異常陰影候補の検出精度をより向上させることができる。
【0081】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本実施の形態では、検出した異常陰影候補が真陽性か偽陽性かを判定する際に、その異常陰影候補と類似した複数の画像と比較照合し、当該複数の画像のうち異常画像(真陽性陰影)及び正常画像(偽陽性陰影)の割合に基づいて、前記異常陰影候補を判定する例を説明する。また、本実施の形態では、患者の***を撮影したマンモグラフィから異常陰影候補を検出する例を説明するが、検出対象はこれに限らず、胸部や腹部等の他の部位を撮影し、その画像から各部位に応じた異常陰影候補を検出することとしてもよい。また、本実施の形態では、真陽性か偽陽性かの判定について判定するようになっているが、これに限らず、異常陰影の良性と悪性の判定等、複数のグループのいずれに属するかの判定を行う種々の場合に適用可能である。
【0082】
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における医用画像処理システム10の機能的構成を示す。
図1に示すように、医用画像処理システム10は、画像データ入力手段11、データ記憶手段12、画像処理手段13、異常陰影候補検出手段14、特徴量算出手段15,19、異常陰影候補判定手段16、制御手段17、出力手段18を備えて構成される。
【0083】
画像データ入力手段11は、例えばレーザデジタイザ等であり、患者を撮影した未知画像としての医用画像が記録されたフィルム上をレーザビームで走査し、透過した光量を測定してその測定値をアナログデジタル変換することにより、医用画像をデジタル画像データとして医用画像処理システム10へ入力する。
【0084】
なお、画像データ入力手段11は、上記レーザデジタイザに限らず、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の光検出素子を適用して、医用画像が記録されたフィルム上を光走査し、その反射光をCCDにより光電変換してデジタル画像データを入力することとしてもよい。
【0085】
また、フィルムに記録された医用画像を読み取るのではなく、蓄積性蛍光体を用いて撮影された医用画像をデジタル変換して医用画像データを生成する撮影装置と接続可能な構成とし、この撮影装置からデジタル画像データを医用画像処理システム10に入力することとしてもよい。この場合には、フィルムが不要であり、コストダウンを図ることが可能となる。
【0086】
また、画像データ入力手段11は、放射線画像を撮像して電気信号として出力するフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector;以下、FPDという。)を接続可能な構成とし、このFPDからデジタル画像データを入力することとしてもよい。FPDは、特開平6−342098号公報に記載されているように、照射された放射線の強度に応じた電荷を生成する放射線検出素子と、この放射線検出素子により生成された電荷を蓄積するコンデンサとが2次元的に配列されたものである。
【0087】
また、画像データ入力手段11は、特開平9−90048号公報に記載されているように、蛍光強度を検出するフォトダイオード、CCD、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)センサ等の光検出素子を画素毎に設けた光検出器を備えた構成とし、放射線を増感紙等の蛍光体層に吸収させて蛍光を発光させ、その蛍光強度を光検出器で検出し、光電変換を行ってデジタル医用画像データを入力することとしてもよい。また、放射線の照射により可視光を発する放射線シンチレータと、レンズアイ及び各々のレンズに対応するエリアセンサと組み合わせた構成であってもよい。
【0088】
また、画像データ入力手段11は、撮影された医用画像データを記録したCD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory)やフロッピー(登録商標)等の各種記憶媒体から医用画像データを読み取り可能な構成であってもよいし、ネットワークを介して外部装置から医用画像データを受信可能な構成であってもよい。
【0089】
なお、上述した種々の構成によりデジタル医用画像データを得る際には、撮影部位にもよるが、例えばマンモグラフィに対しては、画像の実行画素サイズが200μm以下であることが好ましく、さらには100μm以下であることが好ましい。医用画像処理システム10の性能を最大限に発揮させるためには、例えば実行画素サイズ50μm程度の医用画像データを入力することが好ましい。
【0090】
なお、画像データ入力手段11により入力された医用画像データにはヘッダ領域が設けられており、このヘッダ領域に、その医用画像に関する情報、例えば撮影された患者の氏名、患者ID(患者を個別に識別するためのID)、性別等の患者情報、撮影部位、撮影日等の撮影情報、画像がどの検査に属するかを示す検査ID(検査を個別に識別するためのID)等の検査情報等が記録されていることとする。
【0091】
データ記憶手段12は、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリ等により構成され、医師の診断により予め異常画像か正常画像かの判定がなされている複数の既知画像が記録されている。この実施の形態では、既知画像は、正常画像グループと異常画像グループに分類されて記憶されている。さらに、この実施の形態では、既知画像は、その特徴量が多次元ベクトルに変換されて記録されている。その特徴量としては、単純な画像信号値のみでも可能で、簡単に述べると画像そのものを用いることが可能である。これを一般的にテンプレートマッチングといい、画像同士の信号値を比較して相関値により一致度を計算する手法と同じである。また、異常陰影候補として入力された医用画像データは、医師による判定がなされた後、既知画像として記憶しておくと、比較データ量を増加させることができて良い。
また、このとき、必要に応じてデータ圧縮を施すこととする。データ圧縮方法としては、公知のJPEG、DPCM、ウェーブレット圧縮等の手法により、可逆圧縮又は不可逆圧縮を行うことが可能であるが、データ圧縮に伴う画像データの劣化が無い可逆圧縮が好ましい。
【0092】
画像処理手段13は、画像データ入力手段11により得られた医用画像データに各種画像処理を施して出力手段18に出力する。各種画像処理には、コントラストを調整する階調処理、コントラストが小さくなりやすい乳腺や腫瘤の低濃度領域の濃度階調を拡大し、逆に微小石灰化クラスタの画像が存在する可能性が少ない脂肪領域の濃度階調を圧縮するように補正を行うコントラスト補正処理、画像の鮮鋭度を調整するアンシャープネスマスク処理、ダイナミックレンジの広い画像を被写体の細部のコントラストを低下させることなく見やすい濃度範囲に収めるためのダイナミックレンジ圧縮処理等が含まれる。そして、判定結果に含んでいる異常陰影の位置に画像処理を行い、出力する。
【0093】
異常陰影候補検出手段14では、画像データ入力手段11から得られた画像データから画像解析を行うことにより、異常陰影と思われる候補領域を検出する。検出した候補領域に対しては、特徴量算出手段15により特徴量を算出して、異常陰影候補判定手段16に出力する。また、異常陰影候補判定手段16は、検出した各候補に対する判定を行い、制御手段17に判定結果を出力する。
【0094】
マンモグラフィでは、乳癌の特徴である腫瘤や微小石灰化クラスタと思われる陰影を検出する。腫瘤陰影は、ある程度の大きさを有する塊であり、マンモグラフィ上では、ガウス分布に近い、白っぽく丸い陰影として現れる。微小石灰化クラスタは、微小石灰化した部分が集まって(クラスタ化して)存在するとそこが初期癌である可能性が高い。マングラフィ上では、略円錐構造を持った白っぽく丸い陰影として現れる。
【0095】
上記腫瘤及び微小石灰化クラスタの陰影は、その形状や形態、辺縁などの特徴により医学的に分類されており、その陰影の特徴から良悪性が鑑別されるため、陰影の特徴は診断を行う読影医にとって非常に重要な情報である。
【0096】
腫瘤陰影の場合、その形状については、円形、楕円形、多角形、分葉形、不整形等に分類され、陰影の境界については、境界が明瞭な境界明瞭平滑、境界が不明瞭な境界不明瞭に分類される。また、陰影の辺縁については、陰影の境界から白い微細なスジがのびる微細分葉状、スピキュラと呼ばれる白いスジが陰影の中心部から放射状にのびるスピキュラ状等に分類される。
【0097】
微小石灰化クラスタの場合、石灰化の形態については、微細な円を描く微細円形石灰化、点を描く点状石灰化、薄く不明瞭な石灰化、多形性或いは不均一な石灰化、微細線状又は微細分枝状石灰化等に分類される。また、その分布形態として、瀰漫性又は散在性、分布の領域性、区域性、集簇性等に分類される。
【0098】
以下、上述した腫瘤陰影及び微小石灰化クラスタ陰影を検出する手法について説明する。
異常陰影候補検出手段14では、腫瘤陰影の検出に適した手法として、以下の論文に記載された公知の検出方法を適用することが可能である。
【0099】
・左右***を比較することによって検出する方法
(Med.Phys.,Vol.21.No.3,pp.445−452)
・アイリスフィルタを用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J75−D−11,no.3,pp.663−670,1992)
・Quoitフィルタを用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J76−D−11,no.3,pp.279−287,1993)
・分割した***領域の画素値のヒストグラムに基づく2値化により検出する方法
(JAMIT Frontier 講演論文集,pp.84−85,1995)
・方向性のある多数のラプラシアンフィルタの最小出力をとる最小方向差分フィルタ)
(信学論(D−11),Vol.J76−D−11,no.2,pp.241−249,1993)
・フラクタル次元を利用して腫瘤陰影の良悪性を鑑別する方法
(Medical Imaging Technology17(5),pp.577−584,1999)
【0100】
また、微小石灰化クラスタ陰影の検出に適した方法として、以下の論文に記載された公知の検出方法を適用することができる。
【0101】
・***領域から石灰化の疑いがある領域を局部化し、陰影像の光学濃度差や境界濃度差の標準偏差値等から偽陽性候補を削除する方法
(IEEE Trans Biomed Eng BME−26(4):213−219,1979)
・ラプラシアンフィルタ処理を行った画像を用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J71−D−11,no.10,pp.1994−2001,1988)
・乳腺等の背景パターンの影響を抑えるためにモルフォロジー解析した画像を使用する検出方法
(信学論(D−11),Vol.J71−D−11,no.7,pp.1170−1176,1992)
【0102】
異常陰影候補検出手段14は、上述したような手法を用いて異常陰影候補の検出を行い、その候補の任意の倍率で領域を得る。この領域を候補領域と呼び、特徴量算出手段15に出力する。
【0103】
特徴量算出手段15,19は、その候補領域について、候補領域の大きさ(面積)、縦横比、円形度、候補領域内のコントラスト、標準偏差、陰影の周辺部から中心部にかけての濃度勾配の強度成分、方向成分等の多種の特徴量を算出する。算出された特徴量は、候補領域の検出結果として異常陰影候補判定手段16に出力される。なお、特徴量には、単純な画像信号値も含む。また、既知画像の特徴量と、異常陰影候補領域における特徴量とが、同じ特徴量算出手段を用いて算出するようになっていても良い。
【0104】
異常陰影候補判定手段16は、1段階目に、多変量解析部で、異常陰影候補検出手段14により検出された異常陰影候補について算出された特徴量を用いて複数段階の多変量解析を行い、これに基づき異常陰影候補と特徴量が類似した複数の既知画像を取り出す。そして、2段階目に、比較照合部で、前記複数の既知画像における異常画像及び正常画像の割合に基づき、検出された各候補の判定を行う。判定結果は、制御手段17に出力される。また、取り出される既知画像が単数である場合もある。このときは、取り出された既知画像が正常か異常かによって、判定がなされる。
なお、本実施の形態では、判定結果は異常画像(真陽性)か正常画像(偽陽性)か、どちらかを明確にするようになっているが、これに限るものではない。例えば、判定結果として、「偽陽性である可能性が高い。」等の断言する形でないものとしても良いし、「真陽性である可能性が30%である」等の確率で結果表示するようになっていても良い。
ここでは、判定結果が異常や正常である場合、正常画像は偽陽性として判定結果を制御手段17に出力しない。
【0105】
多変量解析手法としては、例えばANN(人工ニューラルネットワーク)、主成分分析、判別分析等が適用可能である。
なお、主成分分析は、相関関係にあるいくつかの要因を要約して、いくつかの成分にし、その総合力や特性を求める方法である。主成分分析では、他の多変量解析の重回帰分析や判別分析のように目的変量はあたえられていない。説明変量を要約してその特性を調べるものである。
例えば、異常陰影候補検出手段によって検出された候補の円形度・標準偏差・コントラストの3つの特徴量から、この3つの要因を要約し1成分のデータにすることにより、その候補が正常陰影であるか異常陰影であるかを調べる方法である。
【0106】
具体的には、まず、主成分を調べる。主成分を求めるということは、できるだけ特徴量から求められる情報を失わないように1つの情報に合成することをいい、一般には標本データの重心を通り、各標本データから距離が最小になるような直線を求め、この重心と各標本データからこの直線へ下ろした垂線の点との距離を主成分得点とする。n個の特徴量がある場合、第n主成分まで求めることが出来る。
ここでは、第1主成分だけを使用しても良いし、任意の寄与率を求める方法、例えば寄与率が75%を超える主成分まで使用して主成分得点を求めても良い。
【0107】
本実施の形態では、図2に示すように、複数の既知画像から多数決法により未知画像が異常陰影であるか正常陰影であるかを判別する。
その方法としてまず、既知画像としてのサンプル画像から特徴量を取り出すことを行う。この特徴量には異常陰影の特徴を用いる。この異常陰影は主に腫瘤陰影と微小石灰化クラスタに分けられ、腫瘤陰影の場合、スピキュラ状、境界明瞭、微細分葉状、分葉状、不整系などがあり、微小石灰化クラスタの場合、微細、点状、淡い、多形成、分枝状、び慢性、散在性、領域性、区域性、線状、集ぞく性といった項目の特徴量を有する。
それぞれの特徴量は、例えば、腫瘤陰影の場合の「境界明瞭」を判断するためには、濃度分布を示すヒストグラムや、隣り合う画素間の差分値を特徴量とする。
【0108】
このように取り出してきた画像ごとの特徴量を多次元ベクトルに整理し多変量解析の入力として用いる。この多変量解析は特徴量の多次元ベクトルの次元数を変換し、特徴量の要約及び拡張をすることが出来る。本実施の形態では、この多変量解析に主成分分析を用い、特徴量の情報量を実験により算出された情報量の割合(寄与率)まで次元数を減らし、検索に有効な新しい多次元ベクトルに要約する。実験の方法は次元数を徐々に減らしていき寄与率とのグラフを作成し、文献等で調べた損失率(1−寄与率)等を考慮して、経験的に寄与率を決定する。
【0109】
この各画像と要約された各画像の特徴量を並べた多次元ベクトルを記録する。この記録する画像データ記憶手段の所在は医用画像処理装置の中でも良いし、装置の外、例えばインターネット等のネットワーク上でも良い。この記録は、正常陰影や異常陰影別に記録するが、特徴量の数と群に含まれるサンプル画像の数が一定の割合(1:2)以上(kline1994の文献参照)を保てば、この異常陰影の中でも良性のもの悪性のものに分けることが出来る。
【0110】
例として異常陰影の良性、悪性の所見は、
腫瘤陰影では、良性か悪性か、形態が放射型か類円形か、棘状型か分葉状か、凹凸不整か、辺縁が不整か平滑かhaloか、濃度が濃いか淡いか、濃淡均一が不均一か均一か等があり、
微小石灰化クラスタでは、大きさが微細か粗大か、分布が集簇か散在か、数が多いか少ないか、形状が不整か円形か、濃度が不均一か均一か等がある。
また、病変の種類により、良悪性を見分けることができる。
【0111】
またこの良性悪性は、医師は5段階のカテゴリーで分類して検出しており、この分類による多次元ベクトルのデータベースへの記録にすると更に良い。また正常陰影においても、その異常陰影検出処理において取り出されてくるものは、胸筋のリンパ球、乳腺の交差、乳腺にその偽陽性の出来る意味ごとに分けることができる。
【0112】
そして、異常陰影候補(未知画像)が入力されると、この未知画像をサンプル画像(既知画像)と同じ手順で特徴量を取り出して多次元ベクトルにする。この多次元ベクトルよりサンプル画像で主成分分析により要約された次元数分の特徴量を取り出す。
多次元ベクトルとして記録されている既知画像と要約された特徴量とを照合し、近い特徴量を持つサンプル画像を複数個取り出す。取り出された複数個のサンプル画像が正常画像であるか異常画像であるかの割合を判定に用い、異常陰影を検出する。このとき、異常画像の数が正常画像の数より多い場合には、当該未知画像は異常陰影であると判定される。また、異常画像の数が正常画像の数より少ない場合には、当該未知画像は正常陰影であると判定される。なお、判別方法として、多数決法以外の方法、例えば確率等を用いても良い。
【0113】
制御手段17は、医用画像データとその異常陰影候補の検出結果との出力制御を行う。制御手段17は、画像処理手段13から入力された処理画像データを出力手段18に出力する際に、異常陰影候補検出手段14による異常陰影の検出結果に基づいて、処理画像データにおける異常陰影候補の画像領域を矢印でマークする、色を変える等して、異常陰影候補の画像領域を識別可能に出力させる。本実施の形態では、算出する特徴量を、画像に含まれている構造物の位置に対して不変としているため、異常陰影の位置情報が不変であり、当該位置情報が不変の異常陰影候補に画像処理を施して出力する。
【0114】
出力手段18は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ等からなる表示手段が適用可能であり、制御手段17から入力された医用画像データを表示出力する。表示手段としては、医用画像専用の精細高輝度のものが好ましい。また、他の出力手段としては、紙などの記録媒体へ印刷出力を行うプリンタや、フィルムへの出力を行う露光装置等が適用可能である。
【0115】
次に、本実施の形態における動作を説明する。
本実施の形態では、まず第1段階の多変量解析で陰影の特徴毎にどれだけその特徴を有しているかを示す指標値を求め、この指標値を第2段階の多変量解析に入力値として異常陰影候補の悪性度を出力する例を説明する。
【0116】
図3は、医用画像処理システム10により実行される異常陰影候補検出処理を説明するフローチャートである。
図3に示す異常陰影候補検出処理では、まずステップS1において、異常陰影候補の検出対象である医用画像データが画像データ入力手段11により入力される。
【0117】
次いで、ステップS2では、異常陰影候補検出手段14による異常陰影候補の検出が行われる。そして、異常陰影候補検出手段14により検出された候補領域の特徴量を特徴量算出手段15により算出し、異常陰影候補判定手段16に出力される。
【0118】
ステップS3では、異常陰影候補判定手段16により、検出された各候補が悪性かどうかの判定が行われる。図4を参照して、その判定方法について詳細に説明する。図4は、異常陰影候補判定手段16により実行される異常陰影候補の判定処理を示すフローチャートである。この異常陰影候補の判定処理では、特徴量を多変量データとして複数段階で多変量解析が行われ、その後、検出された各候補の判定がなされる。
【0119】
まず、ステップS31では、特徴量の抽出が行われる。ここでは、全ての特徴量が抽出される。次に、ステップS32では、S31で抽出された特徴量の要約が行われる。そして、ステップS33では、画像データ記憶手段12からの多次元ベクトルの入力が行われる。
このデータ記憶手段12からの多次元ベクトルの入力は、図5に示すように、正常画像及び異常画像等のサンプル画像(既知画像)データの入力(ステップS331)を行い、特徴量算出手段19による全ての特徴量の抽出(ステップS332)を行い、特徴量の要約(ステップS333)を行う。そして、グループ毎に多次元ベクトルの形で記憶(ステップS334)が行われ、全てのサンプル画像のデータを記憶したかどうかの判定を行い(ステップS335)、全て記憶するまでS331からの処理を繰り返す。そして、全て記憶したら、図4のステップS34で要約された特徴量と既知画像の特徴量との照合、すなわち未知画像と複数のサンプル画像(既知画像)との照合により近いものの抽出を行う。それから、ステップS35で判定処理、すなわち多数決法による真陽性か偽陽性かの判定を行う。
その後、ステップS4で判定結果に基づいて、偽陽性候補を検出結果から削除し、ステップS5では、制御手段17により異常陰影候補の検出結果の出力制御が行われ、画像処理手段13により画像処理された医用画像データと、異常陰影候補の検出結果とが出力手段18に出力される。
【0120】
以上のように、本実施の形態の医用画像処理システム及び医用画像処理方法によれば、異常陰影候補領域と類似した既知画像のがどのグループに含まれているかの割合に基づいて、異常陰影候補領域が属するグループ、例えば、異常画像か正常画像かの判定を行うため、従来とは異なる判定方法によって異常陰影候補の判定を行うことができ、判定精度を向上させることができる。従って、陰影の偽陽性と真陽性の判別精度が向上し、異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0121】
また、本実施の形態では、選択された既知画像が単数、複数のどちらの場合にも対応できるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0122】
さらに、本実施の形態では、既知画像が異常画像グループと正常画像グループとに分類されて記録されているため、当該グループに属するかどうかの判定に関する異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0123】
またさらに、既知画像が異常画像グループ、正常画像グループ及び正常か異常かが判断できない画像グループに分類されて記録されている場合には、当該グループに属するかどうかの判定に関する異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0124】
また、既知画像が病変の種類及び/又は正常構造の種類に対応したグループに分類されて記録されている場合には、当該グループに属するかどうかの判定に関する異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0125】
さらに、既知画像が病変の種類に対応したグループに分類されて記録されており、選択された複数の既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて病変が良性か悪性か分類することが可能である場合には、さらに高精細な異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0126】
またさらに、本実施の形態では、選択する複数の既知画像の数を変更可能であるため、異常陰影候補領域に応じて異常陰影候補の検出精度をより向上させることができる。
【0127】
また、算出された既知画像の特徴量と、異常陰影候補領域における特徴量とが、同じ特徴量算出手段を用いると、具体的に請求項1、25の効果を奏することができ、さらにシステムの構成を簡単にすることができる。
【0128】
さらに、本実施の形態では、既知画像の各グループの特徴量を1つのデータにまとめた上で異常陰影候補領域の特徴量と類似した複数の既知画像を選択するため、データ処理が簡単に行えるようにすることができる。
【0129】
またさらに、本実施の形態では、特徴量は、画像信号値を直接記録したものであるため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0130】
また、本実施の形態では、特徴量には、構造物のコントラストに関する特徴量を含むことができるため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0131】
さらに、本実施の形態では、特徴量には、構造物の形状に関する特徴量を含むことができるため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0132】
またさらに、本実施の形態では、特徴量には、テクスチャに関する特徴量を含むことができるため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0133】
また、本実施の形態では、出力する判定結果に異常陰影候補に関する位置情報を含むため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0134】
さらに、本実施の形態では、算出する特徴量を、多次元ベクトルで表現するため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0135】
またさらに、本実施の形態では、異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う手段、すなわち異常陰影候補判定手段は、多変量解析部と比較照合部とを有するため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0136】
また、本実施の形態では、多変量解析部は、特徴量を入力データとして使用するため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0137】
さらに、本実施の形態では、多変量解析部は、多次元ベクトルで表現された特徴量の次元数を、多変量解析によって変換するため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0138】
またさらに、本実施の形態では、比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離の測定による画像の比較照合を行うため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0139】
また、本実施の形態では、比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離に応じて順位を付け、所定の順位までに含まれる既知画像の属するグループの割合によって前記異常陰影候補領域がどのグループに属するかの判定を行うため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0140】
さらに、本実施の形態では、多変量解析部が、主成分分析によって多変量解析を行うため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0141】
またさらに、本実施の形態では、多変量解析部が、判別分析によって多変量解析を行うため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0142】
また、本実施の形態では、多変量解析部が、人工ニューラルネットワークによって多変量解析を行うため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0143】
さらに、本実施の形態では、特徴量の数の2倍以上の画像数を有しているため、異常陰影候補の検出精度をより向上させることができる。
【0144】
なお、本実施の形態における記述内容は、本発明を適用した医用画像処理システム10の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0145】
その他、本実施の形態における医用画像処理システム10の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0146】
【発明の効果】
請求項1、25に記載の発明によれば、異常陰影候補領域と類似した既知画像のがどのグループに含まれているかの割合に基づいて、異常陰影候補領域が属するグループ、例えば、異常画像か正常画像かの判定を行うため、従来とは異なる判定方法によって異常陰影候補の判定を行うことができ、判定精度を向上させることができる。従って、陰影の偽陽性と真陽性の判別精度が向上し、異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0147】
請求項2、26に記載の発明によれば、選択された既知画像が単数、複数のどちらの場合にも対応できるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0148】
請求項3、27に記載の発明によれば、既知画像が異常画像グループと正常画像グループとに分類されて記録されているため、当該グループに属するかどうかの判定に関する異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0149】
請求項4、28に記載の発明によれば、既知画像が異常画像グループ、正常画像グループ及び正常か異常かが判断できない画像グループに分類されて記録されているため、当該グループに属するかどうかの判定に関する異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0150】
請求項5、29に記載の発明によれば、既知画像が病変の種類及び/又は正常構造の種類に対応したグループに分類されて記録されているため、当該グループに属するかどうかの判定に関する異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0151】
請求項6、30に記載の発明によれば、既知画像が病変の種類に対応したグループに分類されて記録されており、選択された複数の既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて病変が良性か悪性か分類することが可能であるため、さらに高精細な異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0152】
請求項7、31に記載の発明によれば、選択する複数の既知画像の数を変更可能であるため、異常陰影候補領域に応じて異常陰影候補の検出精度をより向上させることができる。
【0153】
請求項8、32に記載の発明によれば、算出された既知画像の特徴量と、異常陰影候補領域における特徴量とが、同じ特徴量算出手段を用いるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができ、さらにシステムの構成を簡単にすることができる。
【0154】
請求項9、33に記載の発明によれば、既知画像の各グループの特徴量を1つのデータにまとめた上で異常陰影候補領域の特徴量と類似した複数の既知画像を選択するため、データ処理が簡単に行えるようにすることができる。
【0155】
請求項10、34に記載の発明によれば、特徴量は、画像信号値を直接記録したものであるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0156】
請求項11、35に記載の発明によれば、特徴量には、構造物のコントラストに関する特徴量を含むことができるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0157】
請求項12、36に記載の発明によれば、特徴量には、構造物の形状に関する特徴量を含むことができるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0158】
請求項13、37に記載の発明によれば、特徴量には、テクスチャに関する特徴量を含むことができるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0159】
請求項14、38に記載の発明によれば、出力する判定結果に異常陰影候補に関する位置情報を含むため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0160】
請求項15、39に記載の発明によれば、算出する特徴量を、多次元ベクトルで表現するため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0161】
請求項16、40に記載の発明によれば、異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う手段、すなわち異常陰影候補判定手段は、多変量解析部と比較照合部とを有するため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0162】
請求項17、41に記載の発明によれば、多変量解析部は、特徴量を入力データとして使用するため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0163】
請求項18、42に記載の発明によれば、多変量解析部は、多次元ベクトルで表現された特徴量の次元数を、多変量解析によって変換するため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0164】
請求項19、43に記載の発明によれば、比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離の測定による画像の比較照合を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0165】
請求項20、44に記載の発明によれば、比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離に応じて順位を付け、所定の順位までに含まれる既知画像の属するグループの割合によって前記異常陰影候補領域がどのグループに属するかの判定を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0166】
請求項21、45に記載の発明によれば、多変量解析部が、主成分分析によって多変量解析を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0167】
請求項22、46に記載の発明によれば、多変量解析部が、判別分析によって多変量解析を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0168】
請求項23、47に記載の発明によれば、多変量解析部が、人工ニューラルネットワークによって多変量解析を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0169】
請求項24、48に記載の発明によれば、特徴量の数の2倍以上の画像数を有しているため、異常陰影候補の検出精度をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態の医用画像処理システム10の機能的構成を示す図である。
【図2】未知画像の判定に関する流れを示す図である。
【図3】医用画像処理システム10により実行される異常陰影候補検出処理を説明するフローチャートである。
【図4】医用画像処理システム10により実行される異常陰影候補の判定処理を説明するフローチャートである。
【図5】医用画像処理システム10により実行される記憶手段からの多次元ベクトルの入力処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 医用画像処理システム
11 画像データ入力手段
12 データ記憶手段
13 画像処理手段
14 異常陰影候補検出手段
15,19 特徴量算出手段
16 異常陰影候補判定手段
17 制御手段
18 出力手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、医用画像処理システム及び医用画像処理方法に係り、特には患者を撮影した医用画像から異常陰影候補を検出する医用画像処理システム及び医用画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療の分野においては、例えばコンピュータ放射線画像読取装置(以下、CR;Computed Radiographyという。)や核磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI;Magnetic Resonance Imagingという。)等の各種医用画像生成装置によりデジタル医用画像データを取得する技術が開発され、医用画像の電子保存が可能となっている。
【0003】
そして、フィルムや表示手段に出力された医用画像データを医師が読影して病変部と思われる異常陰影を検出し、その病変部の状態や経時変化を観察して診断を行うことが一般的に行われている。しかしながら、異常陰影の検出は、読影を行う医師(以下、読影医という。)の技量に依存するため、異常陰影の検出結果は読影医によって差が生じる可能性がある。また、集団検診等により大量の医用画像を取り扱う場合、読影作業は読影医にとってかなりの負担であった。
【0004】
そこで、的確な異常陰影検出や読影医の負担軽減を目的として、撮影された医用画像を画像処理することにより、自動的に異常陰影の候補を検出するコンピュータ診断支援装置(Computed−Aided Diagnosis;以下、CADという。)と呼ばれる医用画像処理システムが開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−112986号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記CADでは、正常組織や良性の病変部である偽陽性陰影を除外して、悪性の病変部である真陽性陰影のみを異常陰影候補として検出するために、検出した異常陰影の候補領域の内部や辺縁の特徴を示す特徴量を用いてその候補が偽陽性かどうかを判定し、偽陽性と判定されたものは検出結果から削除することが行われている。
【0007】
しかし、前記したような方法を持ってしても、偽陽性陰影を完全に削除できるものではなく、さらに様々な方法で異常陰影候補の判定を行っていく必要がある。
【0008】
そこで、本発明の課題は、異常陰影候補の判定に、既に正常画像(偽陽性陰影)か異常画像(真陽性陰影)かの分類がなされている複数の画像との比較判定を用いることにより、判定精度の向上を図ることができる医用画像処理システム及び医用画像処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、
患者を撮影した医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段を備えた医用画像処理システムであって、
前記異常陰影候補検出手段より得られた異常陰影候補領域を解析することにより特徴量を算出する特徴量算出手段を有し、
複数のグループに分類されている既知画像を前記特徴量算出手段に入力することにより得られた特徴量が、複数のグループに分類して記録されているデータ記憶手段を有し、
前記異常陰影候補領域の特徴量と前記既知画像の特徴量を比較照合して異常陰影候補領域と類似した既知画像を選択し、
選択された既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて、前記異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う異常陰影候補判定手段を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項25に記載の発明は、
患者を撮影した医用画像から異常陰影候補を検出する医用画像処理方法であって、
得られた異常陰影候補領域を解析することにより特徴量を算出し、
複数のグループに分類されている既知画像より得られた特徴量が、複数のグループに分類して記録され、
前記異常陰影候補領域の特徴量と前記既知画像の特徴量を比較照合して異常陰影候補領域と類似した既知画像を選択し、
選択された既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて、前記異常陰影候補領域が属するグループの判定を行うことを特徴としている。
【0011】
請求項1、25に記載の発明によれば、異常陰影候補領域と類似した既知画像のがどのグループに含まれているかの割合に基づいて、異常陰影候補領域が属するグループ、例えば、異常画像か正常画像かの判定を行うため、従来とは異なる判定方法によって異常陰影候補の判定を行うことができ、判定精度を向上させることができる。従って、陰影の偽陽性と真陽性の判別精度が向上し、異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記異常陰影候補判定手段は、選択された既知画像が単数、複数のどちらにも対応できることを特徴としている。
【0013】
請求項26に記載の発明は、請求項25に記載の医用画像処理方法において、
前記異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う際、選択された既知画像が単数、複数のどちらにも対応できることを特徴としている。
【0014】
請求項2、26に記載の発明によれば、選択された既知画像が単数、複数のどちらの場合にも対応できるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段では、前記既知画像が異常画像グループと正常画像グループとに分類されて記録されていることを特徴としている。
【0016】
請求項27に記載の発明は、請求項25又は26に記載の医用画像処理方法において、
前記既知画像が異常画像グループと正常画像グループとに分類されて記録されていることを特徴としている。
【0017】
請求項3、27に記載の発明によれば、既知画像が異常画像グループと正常画像グループとに分類されて記録されているため、当該グループに属するかどうかの判定に関する異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段では、前記既知画像が異常画像グループ、正常画像グループ及び正常か異常かが判断できない画像グループに分類されて記録されていることを特徴としている。
【0019】
請求項28に記載の発明は、請求項25又は26に記載の医用画像処理方法において、
前記既知画像が異常画像グループ、正常画像グループ及び正常か異常かが判断できない画像グループに分類されて記録されていることを特徴としている。
【0020】
請求項4、28に記載の発明によれば、既知画像が異常画像グループ、正常画像グループ及び正常か異常かが判断できない画像グループに分類されて記録されているため、当該グループに属するかどうかの判定に関する異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段では、前記既知画像が病変の種類及び/又は正常構造の種類に対応したグループに分類されて記録されていることを特徴としている。
【0022】
請求項29に記載の発明は、請求項25〜28のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記既知画像が病変の種類及び/又は正常構造の種類に対応したグループに分類されて記録されていることを特徴としている。
【0023】
請求項5、29に記載の発明によれば、既知画像が病変の種類及び/又は正常構造の種類に対応したグループに分類されて記録されているため、当該グループに属するかどうかの判定に関する異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0024】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段では、前記既知画像が病変の種類に対応したグループに分類されて記録されており、
前記異常陰影候補判定手段は、選択された複数の既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて病変が良性か悪性か分類することが可能であることを特徴としている。
【0025】
請求項30に記載の発明は、請求項25〜28のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記既知画像が病変の種類に対応したグループに分類されて記録されており、
前記異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う際には、選択された複数の既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて病変が良性か悪性か分類することが可能であることを特徴としている。
【0026】
請求項6、30に記載の発明によれば、既知画像が病変の種類に対応したグループに分類されて記録されており、選択された複数の既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて病変が良性か悪性か分類することが可能であるため、さらに高精細な異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0027】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段は、選択する複数の既知画像の数を変更可能であることを特徴としている。
【0028】
請求項31に記載の発明は、請求項25〜30のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
選択する複数の既知画像の数を変更可能であることを特徴としている。
【0029】
請求項7、31に記載の発明によれば、選択する複数の既知画像の数を変更可能であるため、異常陰影候補領域に応じて異常陰影候補の検出精度をより向上させることができる。
【0030】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段は、前記特徴量算出手段により算出された既知画像の特徴量として、異常陰影候補領域における特徴量と同じ特徴量算出手段を用いることを特徴としている。
【0031】
請求項32に記載の発明は、請求項25〜31のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
算出された既知画像の特徴量として、異常陰影候補領域における特徴量と同じ特徴量算出手段を用いることを特徴としている。
【0032】
請求項8、32に記載の発明によれば、算出された既知画像の特徴量と、異常陰影候補領域における特徴量とが、同じ特徴量算出手段を用いるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができ、さらにシステムの構成を簡単にすることができる。
【0033】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記異常陰影候補判定手段は、既知画像の各グループの特徴量を1つのデータにまとめた上で異常陰影候補領域の特徴量と類似した複数の既知画像を選択することを特徴としている。
【0034】
請求項33に記載の発明は、請求項25〜32のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
既知画像を選択する際に、既知画像の各グループの特徴量を1つのデータにまとめた上で異常陰影候補領域の特徴量と類似した複数の既知画像を選択することを特徴としている。
【0035】
請求項9、33に記載の発明によれば、既知画像の各グループの特徴量を1つのデータにまとめた上で異常陰影候補領域の特徴量と類似した複数の既知画像を選択するため、データ処理が簡単に行えるようにすることができる。
【0036】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記特徴量は、画像信号値を直接記録したものであることを特徴としている。
【0037】
請求項34に記載の発明は、請求項25〜33のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記特徴量は、画像信号値を直接記録したものであることを特徴としている。
【0038】
請求項10、34に記載の発明によれば、特徴量は、画像信号値を直接記録したものであるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0039】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記特徴量には、構造物のコントラストに関する特徴量を含むことができることを特徴としている。
【0040】
請求項35に記載の発明は、請求項25〜34のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記特徴量には、構造物のコントラストに関する特徴量を含むことができることを特徴としている。
【0041】
請求項11、35に記載の発明によれば、特徴量には、構造物のコントラストに関する特徴量を含むことができるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0042】
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記特徴量には、構造物の形状に関する特徴量を含むことができることを特徴としている。
【0043】
請求項36に記載の発明は、請求項25〜35のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記特徴量には、構造物の形状に関する特徴量を含むことができることを特徴としている。
【0044】
請求項12、36に記載の発明によれば、特徴量には、構造物の形状に関する特徴量を含むことができるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0045】
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記特徴量には、テクスチャに関する特徴量を含むことができることを特徴としている。
【0046】
請求項37に記載の発明は、請求項25〜36のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記特徴量には、テクスチャに関する特徴量を含むことができることを特徴としている。
【0047】
請求項13、37に記載の発明によれば、特徴量には、テクスチャに関する特徴量を含むことができるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0048】
請求項14に記載の発明は、請求項1〜13のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記異常陰影候補判定手段は、出力する判定結果に異常陰影候補に関する位置情報を含むことを特徴としている。
【0049】
請求項38に記載の発明は、請求項25〜37のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う際には、出力する判定結果に異常陰影候補に関する位置情報を含むことを特徴としている。
【0050】
請求項14、38に記載の発明によれば、出力する判定結果に異常陰影候補に関する位置情報を含むため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0051】
請求項15に記載の発明は、請求項1〜14のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記特徴量算出手段は、算出する特徴量を、多次元ベクトルで表現することを特徴としている。
【0052】
請求項39に記載の発明は、請求項25〜38のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記特徴量を算出する際には、算出する特徴量を、多次元ベクトルで表現することを特徴としている。
【0053】
請求項15、39に記載の発明によれば、算出する特徴量を、多次元ベクトルで表現するため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0054】
請求項16に記載の発明は、請求項1〜15のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記異常陰影候補判定手段は、多変量解析部と比較照合部とを有することを特徴としている。
【0055】
請求項40に記載の発明は、請求項25〜39のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う手段には、多変量解析部と比較照合部とを有することを特徴としている。
【0056】
請求項16、40に記載の発明によれば、異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う手段、すなわち異常陰影候補判定手段は、多変量解析部と比較照合部とを有するため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0057】
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記多変量解析部は、特徴量を入力データとして使用することを特徴としている。
【0058】
請求項41に記載の発明は、請求項40に記載の医用画像処理方法において、
前記多変量解析部は、特徴量を入力データとして使用することを特徴としている。
【0059】
請求項17、41に記載の発明によれば、多変量解析部は、特徴量を入力データとして使用するため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0060】
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記多変量解析部は、多次元ベクトルで表現された特徴量の次元数を、多変量解析によって変換することを特徴としている。
【0061】
請求項42に記載の発明は、請求項41に記載の医用画像処理方法において、
前記多変量解析部は、多次元ベクトルで表現された特徴量の次元数を、多変量解析によって変換することを特徴としている。
【0062】
請求項18、42に記載の発明によれば、多変量解析部は、多次元ベクトルで表現された特徴量の次元数を、多変量解析によって変換するため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0063】
請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離の測定による画像の比較照合を行うことを特徴としている。
【0064】
請求項43に記載の発明は、請求項42に記載の医用画像処理方法において、
前記比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離の測定による画像の比較照合を行うことを特徴としている。
【0065】
請求項19、43に記載の発明によれば、比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離の測定による画像の比較照合を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0066】
請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離に応じて順位を付け、所定の順位までに含まれる既知画像の属するグループの割合によって前記異常陰影候補領域がどのグループに属するかの判定を行うことを特徴としている。
【0067】
請求項44に記載の発明は、請求項43に記載の医用画像処理方法において、
前記比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離に応じて順位を付け、所定の順位までに含まれる既知画像の属するグループの割合によって前記異常陰影候補領域がどのグループに属するかの判定を行うことを特徴としている。
【0068】
請求項20、44に記載の発明によれば、比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離に応じて順位を付け、所定の順位までに含まれる既知画像の属するグループの割合によって前記異常陰影候補領域がどのグループに属するかの判定を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0069】
請求項21に記載の発明は、請求項16〜20のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記多変量解析部は、主成分分析によって多変量解析を行うことを特徴としている。
【0070】
請求項45に記載の発明は、請求項40〜44のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記多変量解析部は、主成分分析によって多変量解析を行うことを特徴としている。
【0071】
請求項21、45に記載の発明によれば、多変量解析部が、主成分分析によって多変量解析を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0072】
請求項22に記載の発明は、請求項16〜21のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記多変量解析部は、判別分析によって多変量解析を行うことを特徴としている。
【0073】
請求項46に記載の発明は、請求項40〜45のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記多変量解析部は、判別分析によって多変量解析を行うことを特徴としている。
【0074】
請求項22、46に記載の発明によれば、多変量解析部が、判別分析によって多変量解析を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0075】
請求項23に記載の発明は、請求項16〜22のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記多変量解析部は、人工ニューラルネットワークによって多変量解析を行うことを特徴としている。
【0076】
請求項47に記載の発明は、請求項40〜46のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記多変量解析部は、人工ニューラルネットワークによって多変量解析を行うことを特徴としている。
【0077】
請求項23、47に記載の発明によれば、多変量解析部が、人工ニューラルネットワークによって多変量解析を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0078】
請求項24に記載の発明は、請求項1〜23のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段は、特徴量の数の2倍以上の画像数を有していることを特徴としている。
【0079】
請求項48に記載の発明は、請求項25〜47のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
特徴量の数の2倍以上の画像数を有していることを特徴としている。
【0080】
請求項24、48に記載の発明によれば、特徴量の数の2倍以上の画像数を有しているため、異常陰影候補の検出精度をより向上させることができる。
【0081】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本実施の形態では、検出した異常陰影候補が真陽性か偽陽性かを判定する際に、その異常陰影候補と類似した複数の画像と比較照合し、当該複数の画像のうち異常画像(真陽性陰影)及び正常画像(偽陽性陰影)の割合に基づいて、前記異常陰影候補を判定する例を説明する。また、本実施の形態では、患者の***を撮影したマンモグラフィから異常陰影候補を検出する例を説明するが、検出対象はこれに限らず、胸部や腹部等の他の部位を撮影し、その画像から各部位に応じた異常陰影候補を検出することとしてもよい。また、本実施の形態では、真陽性か偽陽性かの判定について判定するようになっているが、これに限らず、異常陰影の良性と悪性の判定等、複数のグループのいずれに属するかの判定を行う種々の場合に適用可能である。
【0082】
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における医用画像処理システム10の機能的構成を示す。
図1に示すように、医用画像処理システム10は、画像データ入力手段11、データ記憶手段12、画像処理手段13、異常陰影候補検出手段14、特徴量算出手段15,19、異常陰影候補判定手段16、制御手段17、出力手段18を備えて構成される。
【0083】
画像データ入力手段11は、例えばレーザデジタイザ等であり、患者を撮影した未知画像としての医用画像が記録されたフィルム上をレーザビームで走査し、透過した光量を測定してその測定値をアナログデジタル変換することにより、医用画像をデジタル画像データとして医用画像処理システム10へ入力する。
【0084】
なお、画像データ入力手段11は、上記レーザデジタイザに限らず、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の光検出素子を適用して、医用画像が記録されたフィルム上を光走査し、その反射光をCCDにより光電変換してデジタル画像データを入力することとしてもよい。
【0085】
また、フィルムに記録された医用画像を読み取るのではなく、蓄積性蛍光体を用いて撮影された医用画像をデジタル変換して医用画像データを生成する撮影装置と接続可能な構成とし、この撮影装置からデジタル画像データを医用画像処理システム10に入力することとしてもよい。この場合には、フィルムが不要であり、コストダウンを図ることが可能となる。
【0086】
また、画像データ入力手段11は、放射線画像を撮像して電気信号として出力するフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector;以下、FPDという。)を接続可能な構成とし、このFPDからデジタル画像データを入力することとしてもよい。FPDは、特開平6−342098号公報に記載されているように、照射された放射線の強度に応じた電荷を生成する放射線検出素子と、この放射線検出素子により生成された電荷を蓄積するコンデンサとが2次元的に配列されたものである。
【0087】
また、画像データ入力手段11は、特開平9−90048号公報に記載されているように、蛍光強度を検出するフォトダイオード、CCD、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)センサ等の光検出素子を画素毎に設けた光検出器を備えた構成とし、放射線を増感紙等の蛍光体層に吸収させて蛍光を発光させ、その蛍光強度を光検出器で検出し、光電変換を行ってデジタル医用画像データを入力することとしてもよい。また、放射線の照射により可視光を発する放射線シンチレータと、レンズアイ及び各々のレンズに対応するエリアセンサと組み合わせた構成であってもよい。
【0088】
また、画像データ入力手段11は、撮影された医用画像データを記録したCD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory)やフロッピー(登録商標)等の各種記憶媒体から医用画像データを読み取り可能な構成であってもよいし、ネットワークを介して外部装置から医用画像データを受信可能な構成であってもよい。
【0089】
なお、上述した種々の構成によりデジタル医用画像データを得る際には、撮影部位にもよるが、例えばマンモグラフィに対しては、画像の実行画素サイズが200μm以下であることが好ましく、さらには100μm以下であることが好ましい。医用画像処理システム10の性能を最大限に発揮させるためには、例えば実行画素サイズ50μm程度の医用画像データを入力することが好ましい。
【0090】
なお、画像データ入力手段11により入力された医用画像データにはヘッダ領域が設けられており、このヘッダ領域に、その医用画像に関する情報、例えば撮影された患者の氏名、患者ID(患者を個別に識別するためのID)、性別等の患者情報、撮影部位、撮影日等の撮影情報、画像がどの検査に属するかを示す検査ID(検査を個別に識別するためのID)等の検査情報等が記録されていることとする。
【0091】
データ記憶手段12は、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリ等により構成され、医師の診断により予め異常画像か正常画像かの判定がなされている複数の既知画像が記録されている。この実施の形態では、既知画像は、正常画像グループと異常画像グループに分類されて記憶されている。さらに、この実施の形態では、既知画像は、その特徴量が多次元ベクトルに変換されて記録されている。その特徴量としては、単純な画像信号値のみでも可能で、簡単に述べると画像そのものを用いることが可能である。これを一般的にテンプレートマッチングといい、画像同士の信号値を比較して相関値により一致度を計算する手法と同じである。また、異常陰影候補として入力された医用画像データは、医師による判定がなされた後、既知画像として記憶しておくと、比較データ量を増加させることができて良い。
また、このとき、必要に応じてデータ圧縮を施すこととする。データ圧縮方法としては、公知のJPEG、DPCM、ウェーブレット圧縮等の手法により、可逆圧縮又は不可逆圧縮を行うことが可能であるが、データ圧縮に伴う画像データの劣化が無い可逆圧縮が好ましい。
【0092】
画像処理手段13は、画像データ入力手段11により得られた医用画像データに各種画像処理を施して出力手段18に出力する。各種画像処理には、コントラストを調整する階調処理、コントラストが小さくなりやすい乳腺や腫瘤の低濃度領域の濃度階調を拡大し、逆に微小石灰化クラスタの画像が存在する可能性が少ない脂肪領域の濃度階調を圧縮するように補正を行うコントラスト補正処理、画像の鮮鋭度を調整するアンシャープネスマスク処理、ダイナミックレンジの広い画像を被写体の細部のコントラストを低下させることなく見やすい濃度範囲に収めるためのダイナミックレンジ圧縮処理等が含まれる。そして、判定結果に含んでいる異常陰影の位置に画像処理を行い、出力する。
【0093】
異常陰影候補検出手段14では、画像データ入力手段11から得られた画像データから画像解析を行うことにより、異常陰影と思われる候補領域を検出する。検出した候補領域に対しては、特徴量算出手段15により特徴量を算出して、異常陰影候補判定手段16に出力する。また、異常陰影候補判定手段16は、検出した各候補に対する判定を行い、制御手段17に判定結果を出力する。
【0094】
マンモグラフィでは、乳癌の特徴である腫瘤や微小石灰化クラスタと思われる陰影を検出する。腫瘤陰影は、ある程度の大きさを有する塊であり、マンモグラフィ上では、ガウス分布に近い、白っぽく丸い陰影として現れる。微小石灰化クラスタは、微小石灰化した部分が集まって(クラスタ化して)存在するとそこが初期癌である可能性が高い。マングラフィ上では、略円錐構造を持った白っぽく丸い陰影として現れる。
【0095】
上記腫瘤及び微小石灰化クラスタの陰影は、その形状や形態、辺縁などの特徴により医学的に分類されており、その陰影の特徴から良悪性が鑑別されるため、陰影の特徴は診断を行う読影医にとって非常に重要な情報である。
【0096】
腫瘤陰影の場合、その形状については、円形、楕円形、多角形、分葉形、不整形等に分類され、陰影の境界については、境界が明瞭な境界明瞭平滑、境界が不明瞭な境界不明瞭に分類される。また、陰影の辺縁については、陰影の境界から白い微細なスジがのびる微細分葉状、スピキュラと呼ばれる白いスジが陰影の中心部から放射状にのびるスピキュラ状等に分類される。
【0097】
微小石灰化クラスタの場合、石灰化の形態については、微細な円を描く微細円形石灰化、点を描く点状石灰化、薄く不明瞭な石灰化、多形性或いは不均一な石灰化、微細線状又は微細分枝状石灰化等に分類される。また、その分布形態として、瀰漫性又は散在性、分布の領域性、区域性、集簇性等に分類される。
【0098】
以下、上述した腫瘤陰影及び微小石灰化クラスタ陰影を検出する手法について説明する。
異常陰影候補検出手段14では、腫瘤陰影の検出に適した手法として、以下の論文に記載された公知の検出方法を適用することが可能である。
【0099】
・左右***を比較することによって検出する方法
(Med.Phys.,Vol.21.No.3,pp.445−452)
・アイリスフィルタを用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J75−D−11,no.3,pp.663−670,1992)
・Quoitフィルタを用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J76−D−11,no.3,pp.279−287,1993)
・分割した***領域の画素値のヒストグラムに基づく2値化により検出する方法
(JAMIT Frontier 講演論文集,pp.84−85,1995)
・方向性のある多数のラプラシアンフィルタの最小出力をとる最小方向差分フィルタ)
(信学論(D−11),Vol.J76−D−11,no.2,pp.241−249,1993)
・フラクタル次元を利用して腫瘤陰影の良悪性を鑑別する方法
(Medical Imaging Technology17(5),pp.577−584,1999)
【0100】
また、微小石灰化クラスタ陰影の検出に適した方法として、以下の論文に記載された公知の検出方法を適用することができる。
【0101】
・***領域から石灰化の疑いがある領域を局部化し、陰影像の光学濃度差や境界濃度差の標準偏差値等から偽陽性候補を削除する方法
(IEEE Trans Biomed Eng BME−26(4):213−219,1979)
・ラプラシアンフィルタ処理を行った画像を用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J71−D−11,no.10,pp.1994−2001,1988)
・乳腺等の背景パターンの影響を抑えるためにモルフォロジー解析した画像を使用する検出方法
(信学論(D−11),Vol.J71−D−11,no.7,pp.1170−1176,1992)
【0102】
異常陰影候補検出手段14は、上述したような手法を用いて異常陰影候補の検出を行い、その候補の任意の倍率で領域を得る。この領域を候補領域と呼び、特徴量算出手段15に出力する。
【0103】
特徴量算出手段15,19は、その候補領域について、候補領域の大きさ(面積)、縦横比、円形度、候補領域内のコントラスト、標準偏差、陰影の周辺部から中心部にかけての濃度勾配の強度成分、方向成分等の多種の特徴量を算出する。算出された特徴量は、候補領域の検出結果として異常陰影候補判定手段16に出力される。なお、特徴量には、単純な画像信号値も含む。また、既知画像の特徴量と、異常陰影候補領域における特徴量とが、同じ特徴量算出手段を用いて算出するようになっていても良い。
【0104】
異常陰影候補判定手段16は、1段階目に、多変量解析部で、異常陰影候補検出手段14により検出された異常陰影候補について算出された特徴量を用いて複数段階の多変量解析を行い、これに基づき異常陰影候補と特徴量が類似した複数の既知画像を取り出す。そして、2段階目に、比較照合部で、前記複数の既知画像における異常画像及び正常画像の割合に基づき、検出された各候補の判定を行う。判定結果は、制御手段17に出力される。また、取り出される既知画像が単数である場合もある。このときは、取り出された既知画像が正常か異常かによって、判定がなされる。
なお、本実施の形態では、判定結果は異常画像(真陽性)か正常画像(偽陽性)か、どちらかを明確にするようになっているが、これに限るものではない。例えば、判定結果として、「偽陽性である可能性が高い。」等の断言する形でないものとしても良いし、「真陽性である可能性が30%である」等の確率で結果表示するようになっていても良い。
ここでは、判定結果が異常や正常である場合、正常画像は偽陽性として判定結果を制御手段17に出力しない。
【0105】
多変量解析手法としては、例えばANN(人工ニューラルネットワーク)、主成分分析、判別分析等が適用可能である。
なお、主成分分析は、相関関係にあるいくつかの要因を要約して、いくつかの成分にし、その総合力や特性を求める方法である。主成分分析では、他の多変量解析の重回帰分析や判別分析のように目的変量はあたえられていない。説明変量を要約してその特性を調べるものである。
例えば、異常陰影候補検出手段によって検出された候補の円形度・標準偏差・コントラストの3つの特徴量から、この3つの要因を要約し1成分のデータにすることにより、その候補が正常陰影であるか異常陰影であるかを調べる方法である。
【0106】
具体的には、まず、主成分を調べる。主成分を求めるということは、できるだけ特徴量から求められる情報を失わないように1つの情報に合成することをいい、一般には標本データの重心を通り、各標本データから距離が最小になるような直線を求め、この重心と各標本データからこの直線へ下ろした垂線の点との距離を主成分得点とする。n個の特徴量がある場合、第n主成分まで求めることが出来る。
ここでは、第1主成分だけを使用しても良いし、任意の寄与率を求める方法、例えば寄与率が75%を超える主成分まで使用して主成分得点を求めても良い。
【0107】
本実施の形態では、図2に示すように、複数の既知画像から多数決法により未知画像が異常陰影であるか正常陰影であるかを判別する。
その方法としてまず、既知画像としてのサンプル画像から特徴量を取り出すことを行う。この特徴量には異常陰影の特徴を用いる。この異常陰影は主に腫瘤陰影と微小石灰化クラスタに分けられ、腫瘤陰影の場合、スピキュラ状、境界明瞭、微細分葉状、分葉状、不整系などがあり、微小石灰化クラスタの場合、微細、点状、淡い、多形成、分枝状、び慢性、散在性、領域性、区域性、線状、集ぞく性といった項目の特徴量を有する。
それぞれの特徴量は、例えば、腫瘤陰影の場合の「境界明瞭」を判断するためには、濃度分布を示すヒストグラムや、隣り合う画素間の差分値を特徴量とする。
【0108】
このように取り出してきた画像ごとの特徴量を多次元ベクトルに整理し多変量解析の入力として用いる。この多変量解析は特徴量の多次元ベクトルの次元数を変換し、特徴量の要約及び拡張をすることが出来る。本実施の形態では、この多変量解析に主成分分析を用い、特徴量の情報量を実験により算出された情報量の割合(寄与率)まで次元数を減らし、検索に有効な新しい多次元ベクトルに要約する。実験の方法は次元数を徐々に減らしていき寄与率とのグラフを作成し、文献等で調べた損失率(1−寄与率)等を考慮して、経験的に寄与率を決定する。
【0109】
この各画像と要約された各画像の特徴量を並べた多次元ベクトルを記録する。この記録する画像データ記憶手段の所在は医用画像処理装置の中でも良いし、装置の外、例えばインターネット等のネットワーク上でも良い。この記録は、正常陰影や異常陰影別に記録するが、特徴量の数と群に含まれるサンプル画像の数が一定の割合(1:2)以上(kline1994の文献参照)を保てば、この異常陰影の中でも良性のもの悪性のものに分けることが出来る。
【0110】
例として異常陰影の良性、悪性の所見は、
腫瘤陰影では、良性か悪性か、形態が放射型か類円形か、棘状型か分葉状か、凹凸不整か、辺縁が不整か平滑かhaloか、濃度が濃いか淡いか、濃淡均一が不均一か均一か等があり、
微小石灰化クラスタでは、大きさが微細か粗大か、分布が集簇か散在か、数が多いか少ないか、形状が不整か円形か、濃度が不均一か均一か等がある。
また、病変の種類により、良悪性を見分けることができる。
【0111】
またこの良性悪性は、医師は5段階のカテゴリーで分類して検出しており、この分類による多次元ベクトルのデータベースへの記録にすると更に良い。また正常陰影においても、その異常陰影検出処理において取り出されてくるものは、胸筋のリンパ球、乳腺の交差、乳腺にその偽陽性の出来る意味ごとに分けることができる。
【0112】
そして、異常陰影候補(未知画像)が入力されると、この未知画像をサンプル画像(既知画像)と同じ手順で特徴量を取り出して多次元ベクトルにする。この多次元ベクトルよりサンプル画像で主成分分析により要約された次元数分の特徴量を取り出す。
多次元ベクトルとして記録されている既知画像と要約された特徴量とを照合し、近い特徴量を持つサンプル画像を複数個取り出す。取り出された複数個のサンプル画像が正常画像であるか異常画像であるかの割合を判定に用い、異常陰影を検出する。このとき、異常画像の数が正常画像の数より多い場合には、当該未知画像は異常陰影であると判定される。また、異常画像の数が正常画像の数より少ない場合には、当該未知画像は正常陰影であると判定される。なお、判別方法として、多数決法以外の方法、例えば確率等を用いても良い。
【0113】
制御手段17は、医用画像データとその異常陰影候補の検出結果との出力制御を行う。制御手段17は、画像処理手段13から入力された処理画像データを出力手段18に出力する際に、異常陰影候補検出手段14による異常陰影の検出結果に基づいて、処理画像データにおける異常陰影候補の画像領域を矢印でマークする、色を変える等して、異常陰影候補の画像領域を識別可能に出力させる。本実施の形態では、算出する特徴量を、画像に含まれている構造物の位置に対して不変としているため、異常陰影の位置情報が不変であり、当該位置情報が不変の異常陰影候補に画像処理を施して出力する。
【0114】
出力手段18は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ等からなる表示手段が適用可能であり、制御手段17から入力された医用画像データを表示出力する。表示手段としては、医用画像専用の精細高輝度のものが好ましい。また、他の出力手段としては、紙などの記録媒体へ印刷出力を行うプリンタや、フィルムへの出力を行う露光装置等が適用可能である。
【0115】
次に、本実施の形態における動作を説明する。
本実施の形態では、まず第1段階の多変量解析で陰影の特徴毎にどれだけその特徴を有しているかを示す指標値を求め、この指標値を第2段階の多変量解析に入力値として異常陰影候補の悪性度を出力する例を説明する。
【0116】
図3は、医用画像処理システム10により実行される異常陰影候補検出処理を説明するフローチャートである。
図3に示す異常陰影候補検出処理では、まずステップS1において、異常陰影候補の検出対象である医用画像データが画像データ入力手段11により入力される。
【0117】
次いで、ステップS2では、異常陰影候補検出手段14による異常陰影候補の検出が行われる。そして、異常陰影候補検出手段14により検出された候補領域の特徴量を特徴量算出手段15により算出し、異常陰影候補判定手段16に出力される。
【0118】
ステップS3では、異常陰影候補判定手段16により、検出された各候補が悪性かどうかの判定が行われる。図4を参照して、その判定方法について詳細に説明する。図4は、異常陰影候補判定手段16により実行される異常陰影候補の判定処理を示すフローチャートである。この異常陰影候補の判定処理では、特徴量を多変量データとして複数段階で多変量解析が行われ、その後、検出された各候補の判定がなされる。
【0119】
まず、ステップS31では、特徴量の抽出が行われる。ここでは、全ての特徴量が抽出される。次に、ステップS32では、S31で抽出された特徴量の要約が行われる。そして、ステップS33では、画像データ記憶手段12からの多次元ベクトルの入力が行われる。
このデータ記憶手段12からの多次元ベクトルの入力は、図5に示すように、正常画像及び異常画像等のサンプル画像(既知画像)データの入力(ステップS331)を行い、特徴量算出手段19による全ての特徴量の抽出(ステップS332)を行い、特徴量の要約(ステップS333)を行う。そして、グループ毎に多次元ベクトルの形で記憶(ステップS334)が行われ、全てのサンプル画像のデータを記憶したかどうかの判定を行い(ステップS335)、全て記憶するまでS331からの処理を繰り返す。そして、全て記憶したら、図4のステップS34で要約された特徴量と既知画像の特徴量との照合、すなわち未知画像と複数のサンプル画像(既知画像)との照合により近いものの抽出を行う。それから、ステップS35で判定処理、すなわち多数決法による真陽性か偽陽性かの判定を行う。
その後、ステップS4で判定結果に基づいて、偽陽性候補を検出結果から削除し、ステップS5では、制御手段17により異常陰影候補の検出結果の出力制御が行われ、画像処理手段13により画像処理された医用画像データと、異常陰影候補の検出結果とが出力手段18に出力される。
【0120】
以上のように、本実施の形態の医用画像処理システム及び医用画像処理方法によれば、異常陰影候補領域と類似した既知画像のがどのグループに含まれているかの割合に基づいて、異常陰影候補領域が属するグループ、例えば、異常画像か正常画像かの判定を行うため、従来とは異なる判定方法によって異常陰影候補の判定を行うことができ、判定精度を向上させることができる。従って、陰影の偽陽性と真陽性の判別精度が向上し、異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0121】
また、本実施の形態では、選択された既知画像が単数、複数のどちらの場合にも対応できるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0122】
さらに、本実施の形態では、既知画像が異常画像グループと正常画像グループとに分類されて記録されているため、当該グループに属するかどうかの判定に関する異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0123】
またさらに、既知画像が異常画像グループ、正常画像グループ及び正常か異常かが判断できない画像グループに分類されて記録されている場合には、当該グループに属するかどうかの判定に関する異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0124】
また、既知画像が病変の種類及び/又は正常構造の種類に対応したグループに分類されて記録されている場合には、当該グループに属するかどうかの判定に関する異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0125】
さらに、既知画像が病変の種類に対応したグループに分類されて記録されており、選択された複数の既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて病変が良性か悪性か分類することが可能である場合には、さらに高精細な異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0126】
またさらに、本実施の形態では、選択する複数の既知画像の数を変更可能であるため、異常陰影候補領域に応じて異常陰影候補の検出精度をより向上させることができる。
【0127】
また、算出された既知画像の特徴量と、異常陰影候補領域における特徴量とが、同じ特徴量算出手段を用いると、具体的に請求項1、25の効果を奏することができ、さらにシステムの構成を簡単にすることができる。
【0128】
さらに、本実施の形態では、既知画像の各グループの特徴量を1つのデータにまとめた上で異常陰影候補領域の特徴量と類似した複数の既知画像を選択するため、データ処理が簡単に行えるようにすることができる。
【0129】
またさらに、本実施の形態では、特徴量は、画像信号値を直接記録したものであるため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0130】
また、本実施の形態では、特徴量には、構造物のコントラストに関する特徴量を含むことができるため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0131】
さらに、本実施の形態では、特徴量には、構造物の形状に関する特徴量を含むことができるため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0132】
またさらに、本実施の形態では、特徴量には、テクスチャに関する特徴量を含むことができるため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0133】
また、本実施の形態では、出力する判定結果に異常陰影候補に関する位置情報を含むため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0134】
さらに、本実施の形態では、算出する特徴量を、多次元ベクトルで表現するため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0135】
またさらに、本実施の形態では、異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う手段、すなわち異常陰影候補判定手段は、多変量解析部と比較照合部とを有するため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0136】
また、本実施の形態では、多変量解析部は、特徴量を入力データとして使用するため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0137】
さらに、本実施の形態では、多変量解析部は、多次元ベクトルで表現された特徴量の次元数を、多変量解析によって変換するため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0138】
またさらに、本実施の形態では、比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離の測定による画像の比較照合を行うため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0139】
また、本実施の形態では、比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離に応じて順位を付け、所定の順位までに含まれる既知画像の属するグループの割合によって前記異常陰影候補領域がどのグループに属するかの判定を行うため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0140】
さらに、本実施の形態では、多変量解析部が、主成分分析によって多変量解析を行うため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0141】
またさらに、本実施の形態では、多変量解析部が、判別分析によって多変量解析を行うため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0142】
また、本実施の形態では、多変量解析部が、人工ニューラルネットワークによって多変量解析を行うため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0143】
さらに、本実施の形態では、特徴量の数の2倍以上の画像数を有しているため、異常陰影候補の検出精度をより向上させることができる。
【0144】
なお、本実施の形態における記述内容は、本発明を適用した医用画像処理システム10の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0145】
その他、本実施の形態における医用画像処理システム10の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0146】
【発明の効果】
請求項1、25に記載の発明によれば、異常陰影候補領域と類似した既知画像のがどのグループに含まれているかの割合に基づいて、異常陰影候補領域が属するグループ、例えば、異常画像か正常画像かの判定を行うため、従来とは異なる判定方法によって異常陰影候補の判定を行うことができ、判定精度を向上させることができる。従って、陰影の偽陽性と真陽性の判別精度が向上し、異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0147】
請求項2、26に記載の発明によれば、選択された既知画像が単数、複数のどちらの場合にも対応できるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0148】
請求項3、27に記載の発明によれば、既知画像が異常画像グループと正常画像グループとに分類されて記録されているため、当該グループに属するかどうかの判定に関する異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0149】
請求項4、28に記載の発明によれば、既知画像が異常画像グループ、正常画像グループ及び正常か異常かが判断できない画像グループに分類されて記録されているため、当該グループに属するかどうかの判定に関する異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0150】
請求項5、29に記載の発明によれば、既知画像が病変の種類及び/又は正常構造の種類に対応したグループに分類されて記録されているため、当該グループに属するかどうかの判定に関する異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。
【0151】
請求項6、30に記載の発明によれば、既知画像が病変の種類に対応したグループに分類されて記録されており、選択された複数の既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて病変が良性か悪性か分類することが可能であるため、さらに高精細な異常陰影候補の検出を行うことができる。
【0152】
請求項7、31に記載の発明によれば、選択する複数の既知画像の数を変更可能であるため、異常陰影候補領域に応じて異常陰影候補の検出精度をより向上させることができる。
【0153】
請求項8、32に記載の発明によれば、算出された既知画像の特徴量と、異常陰影候補領域における特徴量とが、同じ特徴量算出手段を用いるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができ、さらにシステムの構成を簡単にすることができる。
【0154】
請求項9、33に記載の発明によれば、既知画像の各グループの特徴量を1つのデータにまとめた上で異常陰影候補領域の特徴量と類似した複数の既知画像を選択するため、データ処理が簡単に行えるようにすることができる。
【0155】
請求項10、34に記載の発明によれば、特徴量は、画像信号値を直接記録したものであるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0156】
請求項11、35に記載の発明によれば、特徴量には、構造物のコントラストに関する特徴量を含むことができるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0157】
請求項12、36に記載の発明によれば、特徴量には、構造物の形状に関する特徴量を含むことができるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0158】
請求項13、37に記載の発明によれば、特徴量には、テクスチャに関する特徴量を含むことができるため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0159】
請求項14、38に記載の発明によれば、出力する判定結果に異常陰影候補に関する位置情報を含むため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0160】
請求項15、39に記載の発明によれば、算出する特徴量を、多次元ベクトルで表現するため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0161】
請求項16、40に記載の発明によれば、異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う手段、すなわち異常陰影候補判定手段は、多変量解析部と比較照合部とを有するため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0162】
請求項17、41に記載の発明によれば、多変量解析部は、特徴量を入力データとして使用するため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0163】
請求項18、42に記載の発明によれば、多変量解析部は、多次元ベクトルで表現された特徴量の次元数を、多変量解析によって変換するため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0164】
請求項19、43に記載の発明によれば、比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離の測定による画像の比較照合を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0165】
請求項20、44に記載の発明によれば、比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離に応じて順位を付け、所定の順位までに含まれる既知画像の属するグループの割合によって前記異常陰影候補領域がどのグループに属するかの判定を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0166】
請求項21、45に記載の発明によれば、多変量解析部が、主成分分析によって多変量解析を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0167】
請求項22、46に記載の発明によれば、多変量解析部が、判別分析によって多変量解析を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0168】
請求項23、47に記載の発明によれば、多変量解析部が、人工ニューラルネットワークによって多変量解析を行うため、具体的に請求項1、25の効果を奏することができる。
【0169】
請求項24、48に記載の発明によれば、特徴量の数の2倍以上の画像数を有しているため、異常陰影候補の検出精度をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態の医用画像処理システム10の機能的構成を示す図である。
【図2】未知画像の判定に関する流れを示す図である。
【図3】医用画像処理システム10により実行される異常陰影候補検出処理を説明するフローチャートである。
【図4】医用画像処理システム10により実行される異常陰影候補の判定処理を説明するフローチャートである。
【図5】医用画像処理システム10により実行される記憶手段からの多次元ベクトルの入力処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 医用画像処理システム
11 画像データ入力手段
12 データ記憶手段
13 画像処理手段
14 異常陰影候補検出手段
15,19 特徴量算出手段
16 異常陰影候補判定手段
17 制御手段
18 出力手段
Claims (48)
- 患者を撮影した医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段を備えた医用画像処理システムであって、
前記異常陰影候補検出手段より得られた異常陰影候補領域を解析することにより特徴量を算出する特徴量算出手段を有し、
複数のグループに分類されている既知画像を前記特徴量算出手段に入力することにより得られた特徴量が、複数のグループに分類して記録されているデータ記憶手段を有し、
前記異常陰影候補領域の特徴量と前記既知画像の特徴量を比較照合して異常陰影候補領域と類似した既知画像を選択し、
選択された既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて、前記異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う異常陰影候補判定手段を備えることを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項1に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記異常陰影候補判定手段は、選択された既知画像が単数、複数のどちらにも対応できることを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項1又は2に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段では、前記既知画像が異常画像グループと正常画像グループとに分類されて記録されていることを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項1又は2に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段では、前記既知画像が異常画像グループ、正常画像グループ及び正常か異常かが判断できない画像グループに分類されて記録されていることを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段では、前記既知画像が病変の種類及び/又は正常構造の種類に対応したグループに分類されて記録されていることを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段では、前記既知画像が病変の種類に対応したグループに分類されて記録されており、
前記異常陰影候補判定手段は、選択された複数の既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて病変が良性か悪性か分類することが可能であることを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段は、選択する複数の既知画像の数を変更可能であることを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段は、前記特徴量算出手段により算出された既知画像の特徴量として、異常陰影候補領域における特徴量と同じ特徴量算出手段を用いることを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記異常陰影候補判定手段は、既知画像の各グループの特徴量を1つのデータにまとめた上で異常陰影候補領域の特徴量と類似した複数の既知画像を選択することを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記特徴量は、画像信号値を直接記録したものであることを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項1〜10のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記特徴量には、構造物のコントラストに関する特徴量を含むことができることを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項1〜11のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記特徴量には、構造物の形状に関する特徴量を含むことができることを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項1〜12のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記特徴量には、テクスチャに関する特徴量を含むことができることを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項1〜13のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記異常陰影候補判定手段は、出力する判定結果に異常陰影候補に関する位置情報を含むことを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項1〜14のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記特徴量算出手段は、算出する特徴量を、多次元ベクトルで表現することを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項1〜15のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記異常陰影候補判定手段は、多変量解析部と比較照合部とを有することを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項16に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記多変量解析部は、特徴量を入力データとして使用することを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項17に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記多変量解析部は、多次元ベクトルで表現された特徴量の次元数を、多変量解析によって変換することを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項18に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離の測定による画像の比較照合を行うことを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項19に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離に応じて順位を付け、所定の順位までに含まれる既知画像の属するグループの割合によって前記異常陰影候補領域がどのグループに属するかの判定を行うことを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項16〜20のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記多変量解析部は、主成分分析によって多変量解析を行うことを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項16〜21のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記多変量解析部は、判別分析によって多変量解析を行うことを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項16〜22のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記多変量解析部は、人工ニューラルネットワークによって多変量解析を行うことを特徴とする医用画像処理システム。 - 請求項1〜23のいずれか一項に記載の医用画像処理システムにおいて、
前記データ記憶手段は、特徴量の数の2倍以上の画像数を有していることを特徴とする医用画像処理システム。 - 患者を撮影した医用画像から異常陰影候補を検出する医用画像処理方法であって、
得られた異常陰影候補領域を解析することにより特徴量を算出し、
複数のグループに分類されている既知画像より得られた特徴量が、複数のグループに分類して記録され、
前記異常陰影候補領域の特徴量と前記既知画像の特徴量を比較照合して異常陰影候補領域と類似した既知画像を選択し、
選択された既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて、前記異常陰影候補領域が属するグループの判定を行うことを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項25に記載の医用画像処理方法において、
前記異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う際、選択された既知画像が単数、複数のどちらにも対応できることを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項25又は26に記載の医用画像処理方法において、
前記既知画像が異常画像グループと正常画像グループとに分類されて記録されていることを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項25又は26に記載の医用画像処理方法において、
前記既知画像が異常画像グループ、正常画像グループ及び正常か異常かが判断できない画像グループに分類されて記録されていることを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項25〜28のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記既知画像が病変の種類及び/又は正常構造の種類に対応したグループに分類されて記録されていることを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項25〜28のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記既知画像が病変の種類に対応したグループに分類されて記録されており、
前記異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う際には、選択された複数の既知画像がどのグループに含まれているかの割合に基づいて病変が良性か悪性か分類することが可能であることを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項25〜30のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
選択する複数の既知画像の数を変更可能であることを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項25〜31のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
算出された既知画像の特徴量として、異常陰影候補領域における特徴量と同じ特徴量算出手段を用いることを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項25〜32のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
既知画像を選択する際に、既知画像の各グループの特徴量を1つのデータにまとめた上で異常陰影候補領域の特徴量と類似した複数の既知画像を選択することを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項25〜33のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記特徴量は、画像信号値を直接記録したものであることを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項25〜34のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記特徴量には、構造物のコントラストに関する特徴量を含むことができることを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項25〜35のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記特徴量には、構造物の形状に関する特徴量を含むことができることを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項25〜36のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記特徴量には、テクスチャに関する特徴量を含むことができることを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項25〜37のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う際には、出力する判定結果に異常陰影候補に関する位置情報を含むことを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項25〜38のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記特徴量を算出する際には、算出する特徴量を、多次元ベクトルで表現することを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項25〜39のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記異常陰影候補領域が属するグループの判定を行う手段には、多変量解析部と比較照合部とを有することを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項40に記載の医用画像処理方法において、
前記多変量解析部は、特徴量を入力データとして使用することを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項41に記載の医用画像処理方法において、
前記多変量解析部は、多次元ベクトルで表現された特徴量の次元数を、多変量解析によって変換することを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項42に記載の医用画像処理方法において、
前記比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離の測定による画像の比較照合を行うことを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項43に記載の医用画像処理方法において、
前記比較照合部は、多変量解析によって変換された多次元ベクトル間の距離に応じて順位を付け、所定の順位までに含まれる既知画像の属するグループの割合によって前記異常陰影候補領域がどのグループに属するかの判定を行うことを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項40〜44のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記多変量解析部は、主成分分析によって多変量解析を行うことを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項40〜45のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記多変量解析部は、判別分析によって多変量解析を行うことを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項40〜46のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
前記多変量解析部は、人工ニューラルネットワークによって多変量解析を行うことを特徴とする医用画像処理方法。 - 請求項25〜47のいずれか一項に記載の医用画像処理方法において、
特徴量の数の2倍以上の画像数を有していることを特徴とする医用画像処理方法。
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- 2003-05-30 JP JP2003155214A patent/JP2004351100A/ja active Pending
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