JPH11190743A - 移動体搭載用三軸加速度検出装置 - Google Patents

移動体搭載用三軸加速度検出装置

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JPH11190743A
JPH11190743A JP9359415A JP35941597A JPH11190743A JP H11190743 A JPH11190743 A JP H11190743A JP 9359415 A JP9359415 A JP 9359415A JP 35941597 A JP35941597 A JP 35941597A JP H11190743 A JPH11190743 A JP H11190743A
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axis
acceleration
axis direction
component
signal
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JP9359415A
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English (en)
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Koji Fukuhisa
孝治 福久
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Hokuriku Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Hokuriku Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重力加速度のX軸方向成分の影響を除去した
補正X軸方向加速度信号を得ることができる移動体搭載
用三軸加速度検出装置を提供することにある。 【解決手段】 傾斜検出手段6は、三軸加速度センサ1
の出力、特にZ軸方向加速度信号に基づいて移動体の傾
斜角度と傾斜方向とを求める。重力加速度成分演算手段
5は、傾斜角度と傾斜方向とに基づいて重力加速度のX
軸方向成分を求め、重力加速度のX軸方向成分に対応す
るX軸方向重力加速度信号Vgxを出力する。補正演算手
段8は、X軸方向加速度信号VX にX軸方向重力加速度
信号Vgxを加減算して、移動体の傾斜により発生する重
力加速度成分が原因となって生じる誤差分を除去した補
正X軸方向加速度信号VX'を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体に搭載され
る三軸加速度検出装置に関するものであり、特に重力加
速度の影響を補正した補正X軸方向加速度信号を出力す
ることができる三軸加速度検出装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車のカーナビゲーション・システム
では、自動車の位置を特定するために、自動車の走行距
離を演算している。走行距離の演算方式は種々提案され
ている。その中に、三軸加速度検出装置から得られる進
行方向の加速度信号(三軸加速度センサのX軸方向を車
両のX軸方向即ち進行方向と一致させているものとし
て、以下X軸方向加速度信号と言う)を用いて、自動車
の走行距離を演算する演算方法が知られている。このよ
うな演算方法を用いる場合、X軸方向加速度信号の精度
が走行距離の演算精度を決定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら三軸加速
度検出装置に用いる三軸加速度センサとして、重錘を固
定したダイアフラムの変形に応じて重錘に作用する加速
度のX軸方向成分、Y軸方向成分及びZ軸方向成分に対
応するX軸方向加速度信号、Y軸方向加速度信号及びZ
軸方向加速度信号を出力する三軸加速度センサを用いた
場合には、走行距離の演算精度が悪くなることが分かっ
た。
【0004】これは自動車が坂道を走行している場合に
は、重錘に作用する重力加速度のX軸方向成分が、三軸
加速度センサで検出する加速度のX軸方向加速度成分に
加わるためである。すなわち上り坂では、重力加速度の
X軸方向成分の分だけ三軸加速度センサで検出するX軸
方向加速度成分が小さくなり、下り坂では、重力加速度
のX軸方向成分の分だけ三軸加速度センサで検出するX
軸方向加速度成分が大きくなるからである。
【0005】本発明の目的は、重力加速度のX軸方向成
分の影響を除去した補正X軸方向加速度信号を得ること
ができる移動体搭載用三軸加速度検出装置を提供するこ
とにある。
【0006】本発明の他の目的は、別個に傾斜検出手段
を用意することなく、三軸加速度センサの出力から傾斜
角度及び傾斜方向を検出することができる移動体搭載用
三軸加速度検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このダイアフ
ラムに対して固定された重錘に作用する加速度によるダ
イアフラムの変形に応じて重錘に作用する加速度のX軸
方向成分、Y軸方向成分及びZ軸方向成分に対応するX
軸方向加速度信号、Y軸方向加速度信号及びZ軸方向加
速度信号を出力する三軸加速度センサを具備し、三軸加
速度センサのX軸を移動体の進行方向に沿わせるように
移動体に搭載される移動体搭載用三軸加速度検出装置を
改良の対象とする。ダイアフラムは、一般的には金属製
であるがその材質は任意である。そして一般的にはダイ
アフラムの外周部は、加速度が作用した重錘の変位また
は移動を許容する空間を形成するようにして台座に支持
される。三軸加速度センサは、静電容量の変化を利用す
るものや、応力を受けると自発分極電荷を発生する圧電
セラミックス基板を用いるもの等種々のものを用いるこ
とができる。
【0008】そして移動体とは、一般的には、自動車、
オートバイ及び自転車等の車両であり、移動体が無人で
移動するものであってもよいのは勿論である。また移動
体の進行方向とは、自動車であればシャーシが延びる前
後方向であり、三軸加速度センサはシャーシの中心部に
設置するのが好ましい。
【0009】本発明においては、移動体の傾斜角度と傾
斜方向を求める傾斜検出手段を用いる。この傾斜検出手
段は、主要部が機械式のものでもよいし、また電気的に
傾斜角度と傾斜方向を検出するものでもよく、その構成
は任意である。但し、三軸加速度センサの出力(X軸方
向加速度信号、Y軸方向加速度信号及びZ軸方向加速度
信号)に基いて、移動体の傾斜角度と傾斜方向を求める
ことができる傾斜検出手段を用いれば、物理的に別個の
傾斜検出手段を用意する必要がなくなるので、構成が簡
単になるだけでなく、全体の寸法もコンパクトにするこ
とができる。
【0010】三軸加速度センサの出力には、移動体の傾
斜角度及び傾斜方向に関する情報が含まれている。移動
体のX軸(移動体の進行方向に延びる仮想の軸)の角度
(X軸が水平軸また水平面に対して傾斜する角度)が変
わる場合について見ると、移動体がそのX軸を傾斜させ
るように移動を開始するかまたは傾斜した状態から水平
な状態に戻ろうとするときに(自動車が坂道を上り始め
るときや、坂道を終了するとき等に)、Z軸方向加速度
信号にはその傾斜に応じた信号の変化が現われる。上り
始めで一方の極性の信号の変化が発生すると、上りの終
了で他方の極性の信号の変化が発生する。これは自動車
でみれば、前輪が坂道に入ってから後輪が坂道に入るま
で、または前輪が坂道を抜けてから後輪が坂道を抜ける
までの間において、Z軸方向の加速度に変化が生じるた
めである。そしてこの変化のピーク値と傾斜角度の変化
分θとの間には、正比例の関係がある。具体的には、移
動体のY軸には傾斜がなく、X軸についてのみ傾斜があ
る場合において、ピーク値=k(θ/2)の関係が生じ
る。ここでkは定数である。
【0011】Z軸方向加速度信号から傾斜情報を得るた
めには、ノイズを除去する必要がある。ノイズの多く
は、移動体の移動時に加わる振動に基づくノイズであ
る。この種のノイズは周波数が高いことが分かっている
ので、帯域フィルタを用いて所定の周波数(例えば10
Hzまたは5Hz)以上の周波数成分を除去してZ軸方
向低周波信号VLZを得る。そしてこのZ軸方向低周波信
号VLZに現われる信号の変化のピーク値を求め、このピ
ーク値から傾斜角度の変化分と傾斜方向を検出する。圧
電セラミック基板に発生する自発分極電荷に基いてZ軸
方向加速度信号を得る場合には、圧電セラミックス基板
に加わる応力の変化がなくなると、自発分極電荷がなく
なるため、傾斜の開始時、傾斜角度の変更時、傾斜の終
了時にZ軸方向低周波信号VLZにはピークを持ったパル
ス状の信号変化が現われる。したがってピーク値を検出
することが容易である。静電容量の変化を利用して加速
度を検出するタイプの三軸加速度センサの出力を利用す
る場合には、傾斜の開始時、傾斜角度の変更時、傾斜の
終了時にZ軸方向低周波信号VLZに変化が現われるの
で、微分回路を用いてZ軸方向低周波信号VLZを微分
し、微分信号からピーク値を得るようにすればよい。但
し実際には、移動体のY軸も傾斜するのが一般的である
から、このY軸の傾斜も考慮して傾斜角度を求める必要
がある。
【0012】圧電セラミックス基板を用いた三軸加速度
センサを用いる場合の傾斜検出手段では、まずX軸方向
加速度信号及びZ軸方向加速度信号から振動等によって
発生する高い周波数成分を除去したX軸方向低周波信号
VLX及びZ軸方向低周波信号VLZを出力する帯域フィル
タを設ける。そしてピーク値検出手段により帯域フィル
タから出力されるZ軸方向低周波信号VLZのピーク値を
検出する。次に、累積ピーク値記憶手段によって、順次
検出されるピーク値をその極性に応じて順次加減算しな
がら累積して累積ピーク値Vipとして記憶する。例え
ば、移動体にX軸の傾斜だけを生じさせるような直線状
の一定傾斜角度の坂道を移動体が上り始めたときに発生
する信号変化のピーク値が+Vp であるとすると、その
坂道が終了したときに発生するピーク値は−Vp であ
り、これを累積するとVp −Vp =0となってその時点
での傾斜角度が0となる。したがって累積ピーク値に基
づいて、移動体の傾斜角度と傾斜方向を検出することが
可能になる。但し、実際には移動体のY軸の傾斜も存在
するため、ピーク値を検出したときのX軸方向低周波信
号VLXと累積ピーク値Vipとから移動体のX軸の傾斜角
度θx と傾斜方向とを求める傾斜方向及び傾斜角度決定
手段を設けている。この傾斜方向及び傾斜角度決定手段
は,arctan(Vip/VLX)により傾斜角度θx を求め、
累積ピーク値Vipの極性により傾斜方向を決定する。
【0013】本発明では、重力加速度成分演算手段が、
このように検出した傾斜角度と傾斜方向とに基づいて重
力加速度のX軸方向成分を求めて、重力加速度のX軸方
向成分に対応するX軸方向重力加速度信号を出力する。
そして補正演算手段は、X軸方向加速度信号にX軸方向
重力加速度信号を加減算して、移動体の傾斜により発生
する重力加速度成分が原因となって生じる誤差分を除去
した補正X軸方向加速度信号を出力する。なおこの演算
で用いるX軸方向加速度信号として、前述のX軸方向低
周波信号のように高い周波数成分(ノイズ)を除去した
ものを用いると精度が高くなる。
【0014】本発明のように、重力加速度のX軸方向成
分を求め、X軸方向加速度信号にX軸方向重力加速度信
号を加減算して、重力加速度成分が原因となって生じる
誤差分を除去した補正X軸方向加速度信号を出力できる
ようにすると、速度や移動距離の演算精度が高くなる利
点がある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の移動
体搭載用三軸加速度検出装置を自動車のナビゲーション
・システムに使用する場合の実施の形態の一例のブロッ
ク図である。同図において、1は三軸加速度センサであ
る。この三軸加速度センサの基本構成は図2に示す通り
である。図において11は、センサ本体であり、このセ
ンサ本体はX軸方向加速度を検出するX軸方向加速度検
出用電極、Y軸方向加速度を検出するY軸方向加速度検
出用電極及びZ軸方向加速度を検出するZ軸方向加速度
検出用電極を含む電極パターン12が表面に形成され且
つ裏面にこの電極パターン12と対向する対向電極パタ
ーン13が形成され、X軸方向加速度検出用電極と、Y
軸方向加速度検出用電極及びZ軸方向加速度検出用電極
と対向電極パターン13との間の部分が分極処理されて
いる圧電セラミックス基板14とを備えている。圧電セ
ラミックス基板14は、金属製またはガラス製等のダイ
アフラム15にエポキシ系の接着剤を介して接合されて
いる。ダイアフラム15の中央部には、接着剤等の適宜
の接合手段を介して重錘16が固定されている。そして
ダイアフラム15の外周部は重錘16の変位(移動)を
許容するように構成された台座17によって支持されて
いる。なお図示していないが、重錘16に作用する加速
度のX軸方向成分、Y軸方向成分及びZ軸方向成分に対
応するX軸方向加速度信号、Y軸方向加速度信号及びZ
軸方向加速度信号を出力する処理回路が設けられて三軸
加速度センサが構成されている。なおこのタイプの三軸
加速度センサの基本原理については、国際公開WO93
/02342(PCT/JP92/00882号)に示
されている。
【0016】なお図1の三軸加速度センサ1は、そのX
軸方向(2つのX軸方向加速度検出用電極が並ぶ方向に
沿って延びる仮想の軸)が自動車の進行方向(自動車の
シャーシの前後方向)となるように自動車のシャーシの
中央に配置される。三軸加速度センサ1の出力には、自
動車の傾斜角度及び傾斜方向に関する情報が含まれてい
る。自動車のX軸の角度(X軸が水平軸また水平面に対
して傾斜する角度)が変わる場合について見ると、自動
車が坂道を上り始めるときや、坂道を終了するとき等
に、Z軸方向加速度信号VZ にはその傾斜に応じた信号
の変化が現われる。Z軸方向加速度信号VZ から傾斜情
報を得るためには、ノイズを除去する必要がある。ノイ
ズの多くは、自動車の走行時に発生する振動が原因とな
って発生するノイズである。この種のノイズは周波数が
高いことが分かっているので、帯域フィルタ2を用いて
所定の周波数(10Hzまたは5Hz)以上の周波数成
分を除去したZ軸方向低周波信号VLZを得ている。この
例では、後の信号処理の関係からX軸方向加速度信号V
X も帯域フィルタ2によりノイズを除去している。
【0017】ノイズを含まないZ軸方向低周波信号VLZ
に現われる信号の変化は、自動車の傾斜角度と傾斜方向
とを示している。図3(A)及び(B)に示すように、
自動車が坂を上り始めると、Z軸方向低周波信号VLZに
は一方の極性の信号P1の変化が発生する。そして自動
車が上り坂を終了する時点でZ軸方向低周波信号VLZに
は他方の極性の信号P2の変化が発生する。これは自動
車と坂との関係で見れば、自動車の前輪が坂道に入って
から後輪が坂道に入るまで、または前輪が坂道を抜けて
から後輪が坂道を抜けるまでの間において、Z軸方向
(上下方向)の加速度に変化が生じるためである。そし
てこの信号P1及びP2の変化のピーク値と傾斜角度の
変化分Δθとの間には、正比例の関係がある。具体的に
は、自動車のY軸(シャーシの前後方向をX軸方向とし
たときにこのX軸方向と横方向で直交する方向)には傾
斜がなく、X軸についてのみ傾斜がある(自動車のX軸
と水平軸または水平面HLとの間にのみ傾斜がある)場
合において、信号P1及びP2のピーク値Vpと傾斜角
度θとの間にはVp=k(θ/2)の関係が生じる。こ
こでkは定数である。但し実際には、坂道はY軸方向に
も傾斜して、自動車はX軸方向だけでなくY軸方向にも
傾斜しているのが一般的であるから、このY軸の傾斜も
考慮して傾斜角度を求める必要がある。
【0018】この例のように圧電セラミック基板に発生
する自発分極電荷に基づいてZ軸方向加速度信号を得る
場合には、圧電セラミックス基板に加わる応力の変化が
なくなると、自発分極電荷がなくなるため、図3(B)
及び(D)に示すように傾斜の開始時、傾斜角度の変更
時、傾斜の終了時にZ軸方向低周波信号VLZにはピーク
を持ったパルス状の信号P1〜P4,P11〜P16の変化
が現われる。したがって特に微分回路等の信号処理回路
を用いることなくピーク値を持った信号を検出すること
ができる。
【0019】圧電セラミックス基板を用いた三軸加速度
センサ1を用いるには、図1に示すように帯域フィルタ
2から出力されたZ軸方向低周波信号VLZをピーク値検
出手段3に入力してピーク値を検出する。ピーク値検出
手段3は、公知の電圧サンプリングホールド回路により
構成することができ、帯域フィルタ2から出力されたZ
軸方向低周波信号VLZに含まれる信号P1等のピーク値
Vp とその極性を検出する。例えば、サンプリング周期
は1〜5msec であり、1つの信号P1の周期は例えば
50msec 程度である。したがってほぼ正確なピーク値
を検出することが可能である。
【0020】次に、累積ピーク値記憶手段4によって、
順次検出されるピーク値Vp をその極性に応じて順次加
減算しながら累積して累積ピーク値Vipとして記憶す
る。例えば、図3(A)に示すように自動車にX軸の傾
斜だけを生じさせるような直線状の一定傾斜角度の坂道
を自動車が上り始めたときに発生する信号P1の変化の
ピーク値が+Vp であるとすると、その坂道が終了した
ときに発生するピーク値は−Vp となり、これを累積す
るとVp −Vp =0となってその時点での傾斜角度は0
となる。また図3(C)に示すように、坂の途中で角度
の変更がある場合には、最初の信号P11のピーク値Vp1
1 と、2番目の信号P12のピーク値Vp12と、3番目の
信号P13のピーク値−Vp13 とが加算されて、Vp11 +
Vp12 −Vp13 =0となる。坂道を降りる場合には、4
番目の信号P14のピーク値−Vp14と、5番目の信号P1
5のピーク値Vp15 と6番目の信号P16のピーク値VP16
とが加算されて−Vp14 +Vp15 +VP16 =0とな
る。したがって累積ピーク値Vipとその極性に基づい
て、自動車の傾斜角度と傾斜方向とを検出することが可
能になる。累積ピーク値記憶手段4は、例えばピーク値
検出手段3の出力をデジタル信号に変換するA/D変換
回路と、このデジタル信号を加減算するカウンタ回路を
構成するマイクロコンピュータ等を用いて構成すること
ができる。カウンタ回路のカウント値はマイクロコンピ
ュータのメモリに記憶される。
【0021】また、ピーク値Vp を検出したときのX軸
方向低周波信号VLXと累積ピーク値Vipとから自動車の
X軸の傾斜角度θx と傾斜方向を求める傾斜方向及び傾
斜角度決定手段5を設けている。この傾斜方向及び傾斜
角度決定手段5では,θx =arctan(Vip/VLX)の式
により傾斜角度θx を求め、累積ピーク値Vipの極性に
より傾斜方向を決定する。傾斜方向及び傾斜角度決定手
段5は、前述の累積ピーク値記憶手段4を構成するマイ
クロコンピュータを用いて簡単に構成することができ
る。
【0022】この例では、帯域フィルタ2、ピーク値検
出手段3、累積ピーク値記憶手段4、傾斜方向及び傾斜
角度決定手段5によって、自動車の傾斜角度と傾斜方向
を検出する傾斜検出手段6が構成されている。なお図示
していないが、累積ピーク値記憶手段4の記憶内容を0
にする即ちリセットするリセット回路が設けられてい
る。したがってこの装置を始動する場合には、平地にお
いてリセット回路を動作させて累積ピーク値記憶手段4
をリセットすればよい。
【0023】そしてこの例では、重力加速度成分演算手
段7において、このように検出した傾斜角度θx に基づ
いて重力加速度GのX軸方向成分Gx =Gsin θx を求
めて、重力加速度のX軸方向成分Gx に対応するX軸方
向重力加速度信号Vgxを出力する。このX軸方向重力加
速度信号Vgxには、傾斜方向に応じて極性が付与されて
いる。重力加速度成分演算手段7も、前述の累積ピーク
値記憶手段4を構成するマイクロコンピュータを用いて
構成される。
【0024】補正演算手段8は、X軸方向加速度信号V
X またはX軸方向低周波信号VLXにX軸方向重力加速度
信号Vgxを加減算して、自動車の傾斜により発生する重
力加速度成分Gx が原因となって生じる誤差分を除去し
た補正X軸方向加速度信号VX'を出力する。この例では
演算精度を高めるためにX軸方向低周波信号VLXを用い
ている。具体的には、上り坂であれば、補正X軸方向加
速度信号VX'はVX'=VX +VgxまたはVX'=VLX+V
gxとなり、下り坂であれば補正X軸方向加速度信号VX'
はVX'=VX −VgxまたはVX'=VLX−Vgxと演算され
る。三軸加速度センサ1の処理回路が帯域フィルタを含
んでいる場合には、帯域フィルタ2は不要であり、X軸
方向加速度信号はX軸方向低周波信号そのものとなる。
【0025】補正X軸方向加速度信号VX'を用いて自動
車の速度や走行距離を演算すると、従来よりも正確な速
度や走行距離を得ることができる。したがってこの例の
移動体搭載用三軸加速度検出装置を搭載したナビゲーシ
ョン・システムの位置検出精度は従来よりも大幅に向上
する。
【0026】なお自動車のY軸方向の傾斜角度及び傾斜
方向も検出することが可能であり、自動車の傾斜により
発生する重力加速度成分GY が原因となって生じる誤差
分を除去した補正Y軸方向加速度信号VY'を得ることも
可能である。その場合には、帯域フィルタ2にX軸方向
加速度信号に代えてY軸方向加速度信号を入力し、Y軸
方向低周波信号VLYを得て、このY軸方向低周波信号V
LYを傾斜方向及び傾斜角度決定手段5に入力する。傾斜
方向及び傾斜角度決定手段5では、θY =arctan(Vip
/VLY)の式により傾斜角度θY を求め、累積ピーク値
Vipの極性により傾斜方向を決定する。そして重力加速
度成分演算手段7では、重力加速度GのY軸方向成分G
Y =Gsin θY を求め、また傾斜方向を考慮してY軸方
向重力加速度信号Vgyを得る。最後に、補正演算手段8
でY軸方向加速度信号VY またはY軸方向低周波信号V
LYにY軸方向重力加速度信号Vgyを加減算して、自動車
の傾斜により発生する重力加速度成分GY が原因となっ
て生じる誤差分を除去した補正Y軸方向加速度信号VY'
を得ることができる。
【0027】上記例では、傾斜検出手段6として三軸加
速度センサ1の出力信号を用いて、自動車の傾斜角度と
傾斜方向を検出するものを用いている。しかしながら本
発明は、三軸加速度センサ1の出力信号を用いて自動車
の傾斜角度と傾斜方向を検出する傾斜検出手段6を用い
る場合に限定されるものではなく、機械式のジャイロの
ように機械的に自動車の傾斜角度と傾斜方向とを検出し
て信号を出力する傾斜検出手段を用いてもよい。またそ
の他の構成の傾斜検出手段を用いて自動車の傾斜角度及
び傾斜方向のデータを得てもよい。
【0028】また上記例は、圧電セラミックス基板を用
いた圧電型の三軸加速度センサを用いているが、静電容
量の変化に基づいて加速度を検出するタイプの三軸加速
度センサを用いる場合にも本発明はできるものであり、
三軸加速度センサの構造及び種類には限定されない。
【0029】
【発明の効果】本発明のように、重力加速度のX軸方向
成分を求め、X軸方向加速度信号にX軸方向重力加速度
信号を加減算して、重力加速度成分が原因となって生じ
る誤差分を除去した補正X軸方向加速度信号を出力でき
るようにすると、速度や移動距離の演算精度が高くなる
利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移動体搭載用三軸加速度検出装置を自
動車のナビゲーション・システムに使用する場合の実施
の形態の一例のブロック図である。
【図2】図1の実施例で用いる三軸加速度センサの基本
構造を示す図である。
【図3】(A)は自動車と坂との関係の一例を示す図で
あり、(B)は図3(A)の関係において発生するZ軸
方向低周波信号VLZを示しており、また(C)は自動車
と坂との関係の他の例を示す図であり、(D)は図3
(C)の関係にいおいて発生するZ軸方向低周波信号V
LZを示している。
【符号の説明】
1 三軸加速度センサ 2 帯域フィルタ 3 ピーク値検出手段 4 累積ピーク値記憶手段 5 傾斜方向及び傾斜角度決定手段 6 傾斜検出手段 7 重力加速度成分演算手段 8 補正演算手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイアフラムに対して固定された重錘に
    作用する加速度による前記ダイアフラムの変形に応じて
    前記重錘に作用する加速度のX軸方向成分、Y軸方向成
    分及びZ軸方向成分に対応するX軸方向加速度信号、Y
    軸方向加速度信号及びZ軸方向加速度信号を出力する三
    軸加速度センサを具備し、前記三軸加速度センサのX軸
    が移動体の進行方向に沿うように移動体に搭載される移
    動体搭載用三軸加速度検出装置であって、 前記移動体の傾斜角度と傾斜方向を求める傾斜検出手段
    と、 前記傾斜角度と前記傾斜方向とに基づいて前記重力加速
    度のX軸方向成分を求めて、前記重力加速度のX軸方向
    成分に対応するX軸方向重力加速度信号を出力する重力
    加速度成分演算手段と、 前記X軸方向加速度信号に前記X軸方向重力加速度信号
    を加減算して、前記移動体の傾斜により発生する重力加
    速度成分が原因となって生じる誤差分を除去した補正X
    軸方向加速度信号を出力する補正演算手段とを備えてな
    る移動体搭載用三軸加速度検出装置。
  2. 【請求項2】 ダイアフラムに対して固定された重錘に
    作用する加速度による前記ダイアフラムの変形に応じて
    前記重錘に作用する加速度のX軸方向成分、Y軸方向成
    分及びZ軸方向成分に対応するX軸方向加速度信号、Y
    軸方向加速度信号及びZ軸方向加速度信号を出力する三
    軸加速度センサを具備し、前記三軸加速度センサのX軸
    が移動体の進行方向に沿うように移動体に搭載される移
    動体搭載用加速度検出装置であって、 前記三軸加速度センサの出力に基づいて前記移動体の傾
    斜角度と傾斜方向とを求める傾斜検出手段と、 前記傾斜角度と前記傾斜方向とに基づいて前記重力加速
    度のX軸方向成分を求めて、前記重力加速度のX軸方向
    成分に対応するX軸方向重力加速度信号を出力する重力
    加速度成分演算手段と、 前記X軸方向加速度信号に前記X軸方向重力加速度信号
    を加減算して、前記移動体の傾斜により発生する重力加
    速度成分が原因となって生じる誤差分を除去した補正X
    軸方向加速度信号を出力する補正演算手段とを備えてな
    る移動体搭載用三軸加速度検出装置。
  3. 【請求項3】 X軸方向加速度を検出するX軸方向加速
    度検出用電極、Y軸方向加速度を検出するY軸方向加速
    度検出用電極及びZ軸方向加速度を検出するZ軸方向加
    速度検出用電極を含む電極パターンが表面に形成され且
    つ裏面に前記電極パターンと対向する対向電極パターン
    が形成され、前記X軸方向加速度検出用電極、前記Y軸
    方向加速度検出用電極及び前記Z軸方向加速度検出用電
    極と前記対向電極パターンとの間の部分が分極処理され
    ている圧電セラミックス基板と、 前記圧電セラミックス基板が接合されるダイアフラム
    と、 前記ダイアフラムに対して固定された重錘と、 前記重錘に作用する加速度のX軸方向成分、Y軸方向成
    分及びZ軸方向成分に対応するX軸方向加速度信号、Y
    軸方向加速度信号及びZ軸方向加速度信号を出力する処
    理回路とを備えた三軸加速度センサを具備し、移動体の
    進行方向に前記三軸加速度センサのX軸を沿わせるよう
    にして前記移動体に搭載される移動体搭載用加速度検出
    装置であって、 前記三軸加速度センサから出力されるX軸方向加速度信
    号及びZ軸方向加速度信号に基づいて前記移動体の傾斜
    角度と傾斜方向とを求める傾斜検出手段と、 前記傾斜角度と前記傾斜方向とに基づいて前記重力加速
    度のX軸方向成分を求めて、前記重力加速度のX軸方向
    成分に対応するX軸方向重力加速度信号を出力する重力
    加速度成分演算手段と、 前記X軸方向加速度信号に前記X軸方向重力加速度信号
    を加減算して、前記移動体の傾斜により発生する重力加
    速度成分が原因となって生じる誤差分を除去した補正X
    軸方向加速度信号を出力する補正演算手段とを備えてな
    る移動体搭載用三軸加速度検出装置。
  4. 【請求項4】 前記傾斜検出手段は、前記X軸方向加速
    度信号及び前記Z軸方向加速度信号から振動等によって
    発生する高い周波数成分を除去したX軸方向低周波信号
    VLX及びZ軸方向低周波信号VLZを出力する帯域フィル
    タと、 前記帯域フィルタから出力される前記Z軸方向低周波信
    号VLZのピーク値を検出するピーク値検出手段と、 順次検出されるピーク値をその極性に応じて順次加減算
    しながら累積して累積ピーク値Vipとして記憶する累積
    ピーク値記憶手段と、 前記ピーク値を検出したときの前記X軸方向低周波信号
    VLXと前記累積ピーク値Vipとから前記移動体のX軸の
    傾斜角度θx と傾斜方向を求める傾斜方向及び傾斜角度
    決定手段とを具備してなる請求項3に記載の三軸加速度
    検出装置。
  5. 【請求項5】 前記傾斜方向及び傾斜角度決定手段は,
    arctan(Vip/VLX)により前記傾斜角度θx を求め、
    前記累積ピーク値Vipの極性により前記傾斜方向を決定
    することを特徴とする請求項3に記載の三軸加速度検出
    装置。
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