JPH11188791A - 二軸延伸ポリエステルフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

二軸延伸ポリエステルフィルムおよびその製造方法

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JPH11188791A
JPH11188791A JP28655598A JP28655598A JPH11188791A JP H11188791 A JPH11188791 A JP H11188791A JP 28655598 A JP28655598 A JP 28655598A JP 28655598 A JP28655598 A JP 28655598A JP H11188791 A JPH11188791 A JP H11188791A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムの薄膜化に対応するべく高強度であ
りながら製膜安定性に優れた二軸延伸ポリエステルフィ
ルムを製造する。 【解決手段】 実質的に非晶状態のポリエステルフィル
ムをフィルムの複屈折(Δn)が0〜0.02、結晶化
度が6%以下となるように縦横二軸に延伸し、次いで先
の横延伸時の延伸温度よりも低温でさらに横方向に再横
延伸し、さらに縦方向に再縦延伸することを特徴とする
二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法、およびその
製造方法により製造された二軸延伸ポリエステルフィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二軸延伸ポリエス
テルフィルムおよびその製造方法に関し、詳しくは磁気
記録媒体用、プリンタリボン用、コンデンサー用、包装
用などとして好適な二軸延伸ポリエステルフィルムおよ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】二軸延伸ポリエステルフィルムはその優
れた熱安定性、寸法安定性及び機械特性から各種用途に
使用されているが、特に磁気テープ用などのベースフィ
ルムとして、その有用性は周知である。近年は器材の軽
量化、小型化と長時間記録化のためにベースフィルムの
一層の薄膜化が要求されている。また、熱転写リボン
用、コンデンサー用においても薄膜化の傾向が近年非常
に強い。
【0003】しかしながら、薄膜化すると機械的強度が
不十分となってフィルムの腰の強さが弱くなったり、伸
びやすくなる為、例えば磁気テープ用途ではテープダメ
ージを受けやすくなったり、ヘッドタッチが悪化し電磁
変換特性が低下するなどといった問題点があり、その他
の用途についても同様に機械強度不足などに起因する問
題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。すなわち、本発明の目的は、高
度に面配向し、フィルム長手方向と幅方向のいずれか一
方向のみでなく、二つの方向共にバランスのとれた強度
を有する、薄膜化され、かつ製膜安定性に優れた二軸延
伸ポリエステルフィルムとその製造方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法
は、実質的に非晶状態のポリエステルフィルムをフィル
ムの複屈折(Δn)が0〜0.02、結晶化度が6%以
下となるように縦横二軸に延伸し、次いで先の横延伸時
の延伸温度よりも低温でさらに横方向に再横延伸し、さ
らに縦方向に再縦延伸することを特徴とする方法からな
る。
【0006】本発明に係る二軸延伸ポリエステルフィル
ムは、このような方法によって得られるもので、フィル
ムの長手方向のヤング率(YmMD)とフィルム幅方向
のヤング率(YmTD)の和が12GPa〜30GP
a、フィルム長手方向と幅方向のヤング率の比(YmM
D/YmTD)が0.6〜1.5の範囲にあることを特
徴とするものからなる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、望ましい
実施の形態とともに詳細に説明する。本発明においてポ
リエステルとは、分子主鎖中にエステル結合を有する高
分子化合物であり、ジオールとジカルボン酸とから縮重
合により得られるポリマーである。ジカルボン酸とは、
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、アジピン酸、セバチン酸などで代表される
ものであり、また、ジオールとは、エチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノールなどで代表されるもの
である。本発明においては、特にポリエチレンテレフタ
レート(PET)またはその共重合体、ポリブチレンナ
フタレート(PBN)またはその共重合体、ポリブチレ
ンテレフタレート(PBT)またはその共重合体、およ
びポリエチレンナフタレート(PEN)およびその共重
合体などが好ましく用いられる。
【0008】これらのポリエステルの繰り返し単位は、
100以上、特に150以上であることが好ましく、ま
た固有粘度は0.6dl/g以上であり、好ましくは
0.7dl/g以上であることが好ましい。このような
場合、特に加工特性が優れているので好ましい。
【0009】もちろんこれらのポリエステルには、公知
の添加剤、例えば滑剤、安定剤、酸化防止剤、粘度調整
剤、帯電防止剤、着色剤、および顔料などを任意に配合
することができる。
【0010】また、特に限定されないが、本発明におけ
るポリエステルフィルムには易滑性を付与し、製造、加
工工程でのハンドリング性、製品である磁気テープなど
として使用したときの走行性を良好とするために無機粒
子、有機粒子などの不活性粒子を含有しているとより好
ましい。
【0011】無機粒子としては、二酸化珪素、炭酸カル
シウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなど、有
機粒子としてはエチルビニルベンゼン−ジビニルベンゼ
ン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、シリコーンなど
が挙げられる。これら不活性粒子は単独、あるいは2種
以上を組み合わせて用いられる。
【0012】また、本発明のポリエステルフィルムは2
層以上の積層フィルムであっても構わない。2層以上積
層された積層フィルムの場合は、少なくとも一層が層中
に含有する粒子の平均径(d)と層厚み(t)との比
(d/t)が0.1以上10以下であることが好まし
い。
【0013】本発明のポリエステルフィルムでは、二軸
延伸ポリエステルフィルムを溶融無配向化し、急冷固化
した後、DSC(示差走査熱量計)で測定した昇温カー
ブにおける結晶化発熱ピーク温度(Tcc)が110〜
145℃、より好ましくは115〜135℃の範囲であ
るポリエステルを好ましく用いることができる。このよ
うな場合、熱収縮率の低減に有効で好ましい。
【0014】ポリエステルのTccを変化させる方法と
しては、ポリエステル樹脂の重合時に使用するエステル
交換触媒(金属塩)と燐酸化合物の組み合わせで重合す
る方法、あるいはポリブチレンテレフタレート樹脂、ナ
イロン6樹脂や安息香酸ナトリウムなどの結晶増核作用
を持つ材料を添加する方法が挙げられる。特にポリエス
テル樹脂の重合時に使用するエステル交換触媒(金属
塩)と燐酸化合物の組み合わせで重合する方法が、フィ
ルムの結晶化の均一性から好ましい。特にエステル交換
触媒としては、酢酸マグネシウムが好ましく、また燐酸
化合物としてはジメチルフェニルフォスフォネートが好
ましい。また重合時にこれらの添加量を変化させること
でポリエステルのTccを変化させることができる。
【0015】次に、本発明のポリエステルフィルムの製
造方法について具体的に説明する。まず十分乾燥された
ポリエステル原料ペレットを公知の押出機に供給し、必
要に応じて選ばれたフィルターを通過させた後、T型口
金により、回転する金属製キャスティングドラム上にシ
ート状に押し出し、冷却固化せしめ、もしくは未乾燥ペ
レットをベント式押出機に供給し同様にして無配向状態
のフィルムを得る。また、この無配向状態のフィルムの
エッジ部の最大厚み(A)と幅方向中央部の厚み(B)
との比(A/B)が、2〜6のものが好ましく、より好
ましくは3〜5のものが、これ以降の延伸に好ましいの
で用いられる。
【0016】得られた無配向状態のポリエステルフィル
ムを十分に加熱された数本のロール上を通過させて十分
に加熱した後、ロールの周速差を利用して縦方向に延伸
する。延伸温度はポリエステルのガラス転移温度Tg〜
(Tg+60)℃、延伸倍率を1.2〜3倍の範囲で延
伸することが好ましく、より好ましくは延伸温度が(T
g+15)℃〜(Tg+45)℃、延伸倍率が1.5倍
〜2.5倍の範囲である。ここで、本発明で言うガラス
転移温度(Tg)とは、樹脂のTgである。また、縦延
伸を行うに際して上記延伸温度、倍率の範囲内であれば
1段階の延伸でも、2段階以上の温度勾配をつけた多段
延伸でもよい。
【0017】得られた縦延伸後のフィルムを続いて横方
向に延伸する。横方向への延伸方法としては、特に限定
はされないが、公知のステンターを用いて行う。延伸温
度は先の縦延伸温度と同様にポリエステルのガラス転移
温度Tg〜(Tg+60)℃、延伸倍率を1.2〜3倍
の範囲で延伸することが好ましく、より好ましくは延伸
温度が(Tg+15)℃〜(Tg+45)℃、延伸倍率
が1.5倍〜2.5倍の範囲である。
【0018】このようにして得られた縦横二軸延伸フィ
ルムの複屈折(Δn)は、0〜0.02の範囲、好まし
くは0〜0.01の範囲、さらに好ましくは0〜0.0
05の範囲であり、密度法による結晶化度は、6%以
下、好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下で
ある。また、このときのフィルムの長手方向および幅方
向の屈折率は、好ましくは1.590以下、より好まし
くは1.580以下である。複屈折が上記範囲内である
場合は、フィルム縦方向および横方向にバランスのとれ
た機械強度や優れた熱収縮特性を有するフィルムを得る
ことができる。また、複屈折率が0.02を超える場合
は、延伸性が悪化し、また上記のようなバランスのとれ
た機械強度や優れた熱収縮特性を有するフィルムを得る
ことができない。また、このときのフィルムの結晶化度
が前述した範囲以上になると、この後の延伸工程で延伸
性が不良となり、延伸時のフィルム破れが頻発するため
好ましくない。上記範囲の複屈折、結晶化度を同時に満
足する縦横二軸延伸フィルムとすることで、この後の延
伸工程でより高い機械強度を発現させることができる。
【0019】ここで、縦方向の延伸倍率とは、延伸工程
の延伸後のフィルム速度と延伸前のフィルム速度との比
(倍)であり、横方向の延伸倍率とは、延伸前のフィル
ムに幅方向に等間隔の複数線を長手方向に刻印して、延
伸後に刻印線の間隔の広がりを測定し、延伸後の刻印線
の間隔と延伸前の刻印の間隔の比(倍)を言う。
【0020】上記のようにして得られた縦横二軸延伸フ
ィルムを続いてさらに横方向に再横延伸する。再横延伸
は先の横延伸よりも低い温度で延伸することが必要であ
る。横方向の延伸は特に限定されるものではないが、公
知のステンターを用いて行う。延伸温度はポリエステル
のガラス転移温度(Tg)−15〜(Tg+25)℃、
延伸倍率を2〜5倍の範囲で行うことにより、横方向に
無理なく延伸でき、横方向の機械強度を向上させること
ができ、また横延伸後に再縦延伸、再々横延伸を行う場
合の延伸性も良好となるので好ましい。より好ましくは
延伸温度がポリエステルのガラス転移温度(Tg)−1
5〜(Tg+10)℃、延伸倍率が3〜5倍の範囲であ
る。また、横延伸後に必要に応じて熱処理を行うことも
できる。
【0021】さらに上記のようにして得られたフィルム
を再縦延伸する。好ましい延伸条件は、延伸温度がポリ
エステルのガラス転移温度(Tg)−25〜(Tg+8
5)℃、延伸倍率が1.2〜6倍の範囲である。より好
ましくは延伸温度がポリエステルのガラス転移温度(T
g)−15〜(Tg+75)℃の範囲である。また、再
縦延伸を行うに際して上記延伸温度、倍率の範囲内であ
れば1段階の延伸でも、2段階以上の温度勾配をつけた
多段延伸でもよい。
【0022】また、本発明では、再縦延伸後、再々横延
伸を行うこともできる。再々横延伸は、延伸温度が(先
の再縦延伸温度)〜{ポリエステルの融解温度(Tm)
−20℃}、延伸倍率が1.05倍〜3倍の範囲で行う
ことが好ましい。より好ましくは延伸温度が(先の再縦
延伸温度+10℃)〜{ポリエステルの融解温度(T
m)−40℃}、延伸倍率が1.1倍〜2.5倍の範囲
である。
【0023】このようにして得られた2軸延伸フィルム
は、平面性、熱寸法安定性を付与するために、緊張下ま
たは弛緩下で熱処理が施され、均一に徐冷後室温まで冷
やして巻き取られる。
【0024】以上のようにして製造された二軸延伸フィ
ルムの長手方向と横方向との合計延伸倍率は、40倍〜
140倍の範囲であることが好ましい。より好ましくは
45倍〜130倍の範囲である。合計延伸倍率が上記範
囲である場合には、高強度フィルムを安定的に得ること
ができる。
【0025】また、該二軸延伸フィルムは、長手方向の
ヤング率(YmMD)と幅方向のヤング率(YmTD)
の和が、12GPa〜30GPaの範囲であり、かつ、
フィルム長手方向と幅方向のヤング率の比(YmMD/
YmTD)が0.6〜1.5の範囲である。より好まし
くは長手方向のヤング率(YmMD)と幅方向のヤング
率(YmTD)の和が、13GPa〜25GPaの範囲
であり、かつ、フィルム長手方向と幅方向のヤング率の
比(YmMD/YmTD)が0.7〜1.2の範囲であ
る。上記のヤング率の和が12GPaよりも小さい場合
には応力による伸び変形が起こりやすく、30GPaよ
りも大きい場合にはフィルムの耐引裂性、熱収縮特性が
悪化する。また、上記のヤング率の比(YmMD/Ym
TD)が0.6〜1.5の範囲である場合には磁気テー
プとした場合のエッジダメージ抑制、耐削れ性、スリッ
ト性などの観点から好ましい。
【0026】なお、本発明におけるポリエステルフィル
ムの全体厚みは、特に限定されるものではないが、例と
して下記に説明する如く、用途、目的等に応じて適宜に
決定することができる。通常、磁気材料用途では1μm
以上20μm以下が好ましく、また、熱転写リボン用途
では1μm以上6μm以下、コンデンサ用途では0.1
μm以上15μm以下であることが好ましい。
【0027】また、本発明では、フィルムの表面にウレ
タン、アクリル、エステル、シリコン、ワックスなどで
代表される樹脂コート層を付設して表面改質したフィル
ムとしてもよい。この場合、表面改質は、製膜ラインの
途中で行う方が製造コスト低減などの点から好ましい。
【0028】[物性値の評価法] (1)複屈折(Δn) 偏光顕微鏡にべレックコンペンセータを使用してフィル
ムのレターデーションを測定し、次式により複屈折(Δ
n)を求めた。 Δn=R/d R:レターデーション d:フィルム厚み
【0029】(2)結晶化度 JIS−K−7112の密度勾配管法により、臭化ナト
リウム水溶液を用いてフィルムの密度を測定し、この密
度を用いて、ポリエステルの結晶化度、非晶密度から次
式で結晶化度(%)を求めた。 結晶化度= {(フィルムの密度−非晶密度)/(結晶密度−非晶密度)}×100 PETの場合:非晶密度:1.335g/cm3 結晶密度:1.455g/cm3
【0030】(3)フィルムのヤング率 ASTM−D882に規定された方法に従って、インス
トロンタイプの引張試験機を用いて測定した。測定は下
記の条件とした。 測定装置:オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動
測定装置“テンシロンAMF/RTA−100” 試料サイズ:幅10mm×試料長100mm 引張り速度:200m/分 測定環境:温度23℃、湿度65%RH
【0031】(4)固有粘度 o−クロロフェノールを溶媒として25℃にて測定し
た。
【0032】(5)ガラス転移温度Tg、結晶化温度T
cc、融解温度Tm 示差走査熱量計(DSC)として、セイコー電子工業株
式会社製ロボットDSC「RDC220」を用い、デー
タ解析装置として、同社製ディスクステーション「SS
C/5200」を用いて、アルミニウム製受皿に5mg
のサンプルを充填して、常温から20℃/分の昇温速度
で280℃まで昇温して5分間保持後、液体窒素で急冷
し、再度室温から昇温速度20℃/分で280℃まで昇
温したときに得られる熱カーブより、Tg、Tcc、T
mを求めた。
【0033】(6)破れ頻度 二軸延伸ポリエステルフィルムの製造工程において、破
れ頻度を次の基準で判定した。 ◎:エッジからの破れが48時間以上ない場合 ○:エッジからの破れが24時間以上ない場合 △:エッジからの破れが7時間以上ない場合 ×:エッジからの破れにより製膜が6時間以上連続して
できない場合 上記基準において、製膜安定性、収率などの理由によ
り、◎、○、△の判定結果が得られたフィルムを合格と
した。
【0034】
【実施例】以下に、本発明の効果をより明確にするため
に実施例、比較例を示す。 実施例1 公知の方法により得られたポリエチレンテレフタレート
(固有粘度0.65)のペレットを180℃で3時間真
空乾燥した後に、280℃に加熱された押出機に供給し
て溶融押出し、Tダイよりシート状に吐出した。さらに
このシートを表面温度25℃の冷却ドラム上に静電気力
で密着させて冷却固化し、実質的に無配向状態のフィル
ムを得た。このフィルムを、表1、2に示す条件で延伸
を行った。まず数本のロールの配置された縦延伸機を用
いて、ロールの周速差を利用して縦方向に延伸し、続い
てステンターにより横延伸を行い、さらにステンターに
より再横延伸を行い、さらにロール縦延伸機で再縦延伸
後、ステンターにより再々横延伸、熱処理を行い室温に
冷却後、フィルムエッジを除去し厚さ10.1μmの二
軸延伸フィルムを得た。
【0035】得られたフィルムの特性を表2に示した。
縦横二軸延伸後の物性が本発明の範囲内であったため、
フィルムの長手方向、幅方向共に高強度でしかも製膜安
定性に優れたフィルムを得ることができた。
【0036】実施例2〜8、比較例1〜5 実施例2〜5は実施例1と同様の原料を用い、延伸条件
のみを変更して製造した例である。実施例6については
公知の方法により得られた固有粘度0.86のポリエチ
レンテレフタレートのペレットを用いて実施例1と同様
に製造した例である。実施例7、8、比較例5について
は公知の方法により得られたポリエチレンナフタレート
(固有粘度0.65)のペレットを、実施例1と同様な
乾燥条件、押出機、Tダイ、延伸装置を用いて延伸を行
った例である。延伸条件は表1、2に示すとおりであ
り、得られたフィルムの物性を表2に示す。
【0037】縦横二軸延伸後の物性が本発明範囲の場
合、高強度でしかも製膜安定性に優れたフィルムを得る
ことができたが、縦横二軸延伸後の物性が本発明範囲か
ら外れる場合、高強度のフィルムが得られなかったり、
高強度だが製膜安定性が非常に悪いフィルムしか得られ
なかった。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明は、実質的に非晶状態のポリエス
テルフィルムをフィルムの複屈折(Δn)が0〜0.0
2、結晶化度が6%以下となるように縦横二軸に延伸
し、次いで先の横延伸時の延伸温度よりも低温でさらに
横方向に再横延伸し、さらに縦方向に再縦延伸すること
を特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法
としたので、フィルムの薄膜化に対応するべく高強度で
ありながら製膜安定性に優れた二軸延伸ポリエステルフ
ィルムを製造することができる。
【0041】本製造方法により得られるポリエステルフ
ィルムは、磁気記録媒体用、プリンタリボン用、コンデ
ンサー用、包装用などとして好適な二軸延伸ポリエステ
ルフィルムとして広く活用が可能である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に非晶状態のポリエステルフィル
    ムをフィルムの複屈折(Δn)が0〜0.02、結晶化
    度が6%以下となるように縦横二軸に延伸し、次いで先
    の横延伸時の延伸温度よりも低温でさらに横方向に再横
    延伸し、さらに縦方向に再縦延伸することを特徴とす
    る、二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 実質的に非晶状態のポリエステルフィル
    ムのエッジ部の最大厚み(A)と幅方向中央部の厚み
    (B)の比(A/B)が2〜6の範囲にあることを特徴
    とする、請求項1に記載の二軸延伸ポリエステルフィル
    ムの製造方法。
  3. 【請求項3】 実質的に非晶状態のポリエステルフィル
    ムを、ポリエステルのガラス転移温度Tg〜(Tg+6
    0)℃の延伸温度、1.2〜3倍の延伸倍率で縦延伸
    し、次いでガラス転移温度Tg〜(Tg+60)℃の延
    伸温度、1.2〜3倍の延伸倍率で横延伸することを特
    徴とする、請求項1または2に記載の二軸延伸ポリエス
    テルフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリエステルのガラス転移温度(Tg)
    −15〜(Tg+25)℃の延伸温度、2〜5倍の延伸
    倍率で再横延伸することを特徴とする、請求項1〜3の
    いずれかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 ポリエステルのガラス転移温度(Tg)
    −25〜(Tg+85)℃の延伸温度、1.2〜6倍の
    延伸倍率で再縦延伸することを特徴とする、請求項1〜
    4のいずれかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記二軸延伸ポリエステルフィルムを、
    再縦延伸した後に再々横延伸することを特徴とする、請
    求項1〜5のいずれかに記載の二軸延伸ポリエステルフ
    ィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 フィルムの長手方向と幅方向との合計延
    伸倍率が40倍〜140倍の範囲にあることを特徴とす
    る、請求項1〜6のいずれかに記載の二軸延伸ポリエス
    テルフィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 フィルムの長手方向のヤング率(YmM
    D)とフィルム幅方向のヤング率(YmTD)の和が1
    2GPa〜30GPa、フィルム長手方向と幅方向のヤ
    ング率の比(YmMD/YmTD)が0.6〜1.5の
    範囲にあることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか
    に記載の製造方法によって得られる二軸延伸ポリエステ
    ルフィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006274113A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Toray Ind Inc 二軸配向ポリエステルフィルム
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