JPH11188265A - イミド系触媒の再生方法およびイミド系触媒を用いた製造プロセス - Google Patents

イミド系触媒の再生方法およびイミド系触媒を用いた製造プロセス

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JPH11188265A
JPH11188265A JP9359013A JP35901397A JPH11188265A JP H11188265 A JPH11188265 A JP H11188265A JP 9359013 A JP9359013 A JP 9359013A JP 35901397 A JP35901397 A JP 35901397A JP H11188265 A JPH11188265 A JP H11188265A
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Tatsuya Nakano
達也 中野
Narihisa Hirai
成尚 平井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応に用いて失活したイミド系触媒を簡易に
再生する。 【解決手段】 下記式(1)で表されるイミド系触媒
(N−ヒドロキシフタルイミドなど)を反応に供し、失
活した触媒を、ヒドロキシルアミン又は酸で処理して前
記イミド系触媒を再生させる。失活触媒には、例えば、
N−ヒドロキシフタルイミドを酸化、カルボキシル化又
はニトロ化反応に用いることにより、少なくとも一部が
フタルイミド及び/又はN−置換オキシフタルイミドに
変化した触媒が含まれる。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、アリール基、シクロアルキル基などを示し、
1 及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族
性又は非芳香族性の環を形成してもよい。n=1〜3)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化反応、カルボ
キシル化反応、ニトロ化反応などに用いられるイミド系
触媒の再生方法及び再生装置、前記イミド系触媒の製造
法、並びに前記イミド系触媒を用いた有機化合物の製造
プロセス及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】イミド系化合物が優れた酸化反応触媒と
して作用することは知られている。例えば、特開平8−
38909号公報には、特定のイミド化合物で構成され
た酸化触媒の存在下、基質を酸素酸化し、対応するカル
ボン酸、アルコールまたはケトンを生成させることが開
示されている。しかし、上記イミド系化合物、特にN−
ヒドロキシイミド化合物を触媒として反応に用いると、
反応の経過と共に、前記イミド系化合物が、窒素原子に
隣接する酸素原子が脱離したイミド化合物や、窒素原子
に隣接する酸素原子に基質が結合したN−アルコキシイ
ミド化合物などに変化し、触媒活性が大きく低下する。
そのため、反応に用いた触媒をそのまま反応系にリサイ
クルしても、所望の反応成績を得ることができない。な
お、前記イミド系化合物は、対応する酸無水物とヒドロ
キシルアミンとを反応させることによって製造されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、失活
したイミド系触媒を簡易に再生する方法及び装置を提供
することにある。本発明の他の目的は、イミド系触媒の
簡易な製造法を提供することにある。本発明のさらに他
の目的は、イミド系触媒を用いた効率的かつ経済的な有
機化合物の製造プロセス及び製造装置を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、反応に供して失活した
イミド系触媒をヒドロキシルアミン又は酸で処理する
と、前記イミド系触媒を効率よく再生できることを見出
だし、本発明を完成した。すなわち、本発明は、下記式
(1)
【0005】
【化11】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
は非芳香族性の環を形成してもよい。nは1〜3の整数
を示す)で表されるイミド系触媒を反応に用いて失活し
た触媒から前記イミド系触媒を再生する方法であって、
前記失活した触媒をヒドロキシルアミン又は酸で処理す
るイミド系触媒の再生方法を提供する。式(1)で表さ
れるイミド系触媒において、R1 及びR2 は互いに結合
して芳香族性又は非芳香族性の5〜12員環を形成して
いてもよい。前記再生方法において、下記式(2)
【0006】
【化12】 [式中、R1 、R2 、nは前記と同じ。Xは水素原子ま
たは−OYを示す(Yは有機基を示す)]で表される化
合物を含む失活した触媒はヒドロキシルアミンで処理す
ることにより再生でき、下記式(3)
【0007】
【化13】 (式中、R1 、R2 、Y、nは前記と同じ)で表される
化合物を含む失活した触媒は酸で処理することにより再
生できる。本発明のイミド系触媒再生装置は、前記式
(1)で表されるイミド系触媒を反応に用いて失活した
触媒から前記イミド系触媒を再生するための装置であっ
て、前記失活した触媒をヒドロキシルアミン又は酸で処
理する処理装置を備えている。本発明は、さらに、前記
式(2)で表される化合物とヒドロキシルアミンとを反
応させて、前記式(1)で表されるイミド系化合物を生
成させるイミド系化合物の製造方法、および前記式
(3)で表される化合物を酸で処理して、前記式(1)
で表されるイミド系化合物を生成させるイミド系化合物
の製造方法を提供する。本発明の製造プロセスは、前記
式(1)で表されるイミド系触媒の存在下で有機基質を
反応に付す反応工程、この反応工程において生成した反
応生成物と触媒とを分離する分離工程、反応工程におい
て失活した触媒をヒドロキシルアミンまたは酸で処理し
て前記イミド系触媒を再生する再生工程、再生したイミ
ド系触媒を反応工程にリサイクルするリサイクル工程を
含む。反応には、例えば、有機基質を分子状酸素により
酸化する酸化反応、有機基質を一酸化炭素および酸素と
反応させてカルボキシル化するカルボキシル化反応、お
よび有機基質を窒素酸化物と反応させてニトロ化するニ
トロ化反応などが含まれる。有機基質として、例えば、
(a)不飽和結合の隣接部位にメチル基又はメチレン基
を有する化合物、(b)メチレン基を有する同素又は複
素環化合物、(c)メチン炭素原子を有する化合物、
(d)芳香族性環の隣接部位にメチル基又はメチレン基
を有する化合物、(e)カルボニル基の隣接部位にメチ
レン基を有する化合物、(f)共役化合物などが例示で
きる。反応工程において、触媒としてイミド系触媒と共
に助触媒を用いてもよい。助触媒として、周期表2A族
元素、遷移金属元素及び周期表3B族元素からなる群か
ら選択された少なくとも一種の元素を含む化合物などを
使用できる。本発明には、前記式(1)で表されるイミ
ド系触媒の存在下で有機基質を反応に付す反応装置、前
記反応で生成した反応生成物と触媒とを分離する分離装
置、前記反応で失活した触媒をヒドロキシルアミンまた
は酸で処理して前記イミド系触媒を再生するための再生
装置、および再生したイミド系触媒を前記反応装置にリ
サイクルするリサイクル手段を備えた有機化合物の製造
装置も含まれる。
【0008】
【発明の実施の形態】[イミド系触媒]前記式(1)で
表されるイミド系触媒において、置換基R1 及びR2
うちハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、塩素およびフッ
素が含まれる。アルキル基には、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s
−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、デシル基などの炭素数1〜10程度の直
鎖状又は分岐鎖状アルキル基が含まれる。好ましいアル
キル基としては、例えば、炭素数1〜6程度、特に炭素
数1〜4程度の低級アルキル基が挙げられる。
【0009】アリール基には、フェニル基、ナフチル基
などが含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロオクチル基などが含まれ
る。アルコキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキ
シ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基
などの炭素数1〜10程度、好ましくは炭素数1〜6程
度、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基が含まれ
る。
【0010】アルコキシカルボニル基には、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボ
ニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボ
ニル基などのアルコキシ部分の炭素数が1〜10程度の
アルコキシカルボニル基が含まれる。好ましいアルコキ
シカルボニル基にはアルコキシ部分の炭素数が1〜6程
度、特に1〜4程度の低級アルコキシカルボニル基が含
まれる。
【0011】アシル基としては、例えば、ホルミル、ア
セチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレ
リル、イソバレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6
程度のアシル基が例示できる。
【0012】前記置換基R1 及びR2 は、同一又は異な
っていてもよい。また、前記式(1)において、R1
よびR2 は互いに結合して、二重結合、または芳香族性
又は非芳香族性の環を形成してもよい。好ましい芳香族
性又は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環
程度であり、複素環又は縮合複素環であってもよいが、
炭化水素環である場合が多い。このような環には、例え
ば、非芳香族性脂環族環(シクロヘキサン環などの置換
基を有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセ
ン環などの置換基を有していてもよいシクロアルケン環
など)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環など
の置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環な
ど)、ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有して
いてもよい芳香族環が含まれる。前記環は、芳香族環で
構成される場合が多い。
【0013】好ましいイミド系触媒には、下記式で表さ
れる化合物が含まれる。
【0014】
【化14】 (式中、R3 〜R6 は、同一又は異なって、水素原子、
アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキ
シル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ニトロ
基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を示す。R1
2 およびnは前記に同じ) 置換基R3 〜R6 において、アルキル基には、前記例示
のアルキル基と同様のアルキル基、特に炭素数1〜6程
度のアルキル基が含まれ、アルコキシ基には、前記と同
様のアルコキシ基、特に炭素数1〜4程度の低級アルコ
キシ基、アルコキシカルボニル基には、前記と同様のア
ルコキシカルボニル基、特にアルコキシ部分の炭素数が
1〜4程度の低級アルコキシカルボニル基が含まれる。
また、アシル基としては、前記と同様のアシル基、特に
炭素数1〜6程度のアシル基が例示され、ハロゲン原子
としては、フッ素、塩素、臭素原子が例示できる。置換
基R3 〜R6 は、通常、水素原子、炭素数1〜4程度の
低級アルキル基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン
原子である場合が多い。前記式(1)において、nは、
通常、1〜3程度、好ましくは1又は2である。式
(1)で表される化合物は反応において一種又は二種以
上使用できる。
【0015】前記式(1)で表されるイミド化合物に対
応する酸無水物には、例えば、無水コハク酸、無水マレ
イン酸などの飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸無水
物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物)、
1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカルボン酸
1,2−無水物などの飽和又は不飽和非芳香族性環状多
価カルボン酸無水物(脂環族多価カルボン酸無水物)、
無水ヘット酸、無水ハイミック酸などの橋かけ環式多価
カルボン酸無水物(脂環族多価カルボン酸無水物)、無
水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ
無水フタル酸、無水ニトロフタル酸、無水トリメリット
酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水
ピロメリット酸、無水メリト酸、1,8;4,5−ナフ
タレンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カル
ボン酸無水物が含まれる。好ましいイミド化合物として
は、例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒド
ロキシマレイン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロ
フタル酸イミド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサ
ンテトラカルボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イ
ミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N
−ヒドロキシテトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロ
キシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミ
ド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N′−
ジヒドロキシピロメリット酸イミド、N,N′−ジヒド
ロキシナフタレンテトラカルボン酸イミドなどが挙げら
れる。特に好ましい化合物は、脂環族多価カルボン酸無
水物、なかでも芳香族多価カルボン酸無水物から誘導さ
れるN−ヒドロキシイミド化合物、例えば、N−ヒドロ
キシフタル酸イミドなどが含まれる。
【0016】このようなイミド化合物は触媒活性が高
く、温和な条件であっても種々の反応を促進する。この
ような反応には、例えば、分子状酸素による有機基質の
酸化、一酸化炭素及び酸素による有機基質のカルボキシ
ル化、窒素酸化物による有機基質のニトロ化などが挙げ
られる。以下、これらの反応について説明する。
【0017】[酸化反応]前記イミド化合物の存在下、
有機基質を分子状酸素と接触させることにより、有機基
質に対応するケトン類、アルコール類、アルデヒド類、
カルボン酸類などの酸化生成物を得ることができる。有
機基質としては、広い範囲の飽和又は不飽和化合物、例
えば、炭化水素類(脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素
類、芳香族炭化水素類)、複素環式化合物、アルコール
類、エーテル類、エステル類、ケトン類、アルデヒド
類、アミン類などが使用できる。好ましい基質には、例
えば、(a)不飽和結合の隣接部位にメチル基またはメ
チレン基を有する化合物、(b)メチレン基を有する同
素又は複素環化合物、(c)メチン炭素原子を有する化
合物、(d)芳香族性環の隣接部位にメチル基またはメ
チレン基を有する化合物、(e)カルボニル基の隣接部
位にメチレン基を有する化合物、(f)共役化合物など
が含まれる。 (a)不飽和結合の隣接部位にメチレン基を有する化合
物には、二重結合及び/又は三重結合を有する有機化合
物が含まれる。このような化合物としては、炭素数3〜
12程度の鎖状不飽和炭化水素類、例えば、プロピレ
ン,1−ブテン,2−ブテン,ブタジエン,1−ペンテ
ン,2−ペンテン,イソプレン,1−ヘキセン,2−ヘ
キセン,1,5−ヘキサジエン,2,3−ジメチル−2
−ブテン,3−ヘキセン,1−ヘプテン,2−ヘプテ
ン,1,6−ヘプタジエン,1−オクテン,2−オクテ
ン,3−オクテン,1,7−オクタジエン,2,6−オ
クタジエン,2−メチル−2−ブテン,1−ノネン,2
−ノネン,デカエン,デカジエン,ドデカエン,ドデカ
ジエン,ドデカトリエン,ウンデカエン,ウンデカジエ
ン,ウンデカトリエンなどが例示できる。
【0018】(b)メチレン基を有する同素環化合物
(b1)としては、例えば、シクロアルカン類(シクロプ
ロパン,シクロブタン,シクロペンタン,シクロペンテ
ン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサン,1,2−
ジメチルシクロヘキサン,イソプロピルシクロヘキサ
ン,シクロヘプタン,シクロオクタン,メチルシクロオ
クタン,シクロノナン,シクロデカン,シクロドデカ
ン,シクロトリデカン,シクロテトラデカン,シクロペ
ンタデカン,シクロヘキサデカン,シクロオクタデカ
ン,シクロノナデカンなどのC3-30シクロアルカン
類),シクロアルケン類(シクロプロペン,シクロブテ
ン,シクロペンテン,シクロヘキセン,1−メチル−1
−シクロヘキセン,シクロヘプテン,シクロオクテン,
シクロノネン,シクロデカエン,シクロドデカエンなど
のC3-30シクロアルケン類),シクロアルカジエン類
(シクロペンタジエン,シクロヘキサジエン,シクロヘ
プタジエン,シクロオクタジエン,シクロデカジエン,
シクロドデカジエンなどのC5-30シクロアルカジエン
類),シクロアルカトリエン類、シクロアルカテトラエ
ン類、5〜8員環が縮合した縮合多環式芳香族炭化水素
類(ジヒドロナフタレン,インデン,フルオレンなど)
などが例示できる。
【0019】(b)メチレン基を有する複素環化合物
(b2)には、窒素原子,酸素原子,硫黄原子から選ばれ
たヘテロ原子を有する5又は6員環化合物、又はヘテロ
原子を有する5又は6員環が芳香族性環に縮合した縮合
複素環化合物、例えば、ジヒドロフラン,テトラヒドロ
フラン,ピラン,ジヒドロピラン,テトラヒドロピラ
ン,ピペリジン,ピペラジン,ピロリジン,キサンテン
などが含まれる。
【0020】(c)メチン炭素原子(メチリジン基)を
有する化合物には、例えば、第3級炭素原子を有する鎖
状炭化水素類、橋架け環式炭化水素類などが含まれる。
第3級炭素原子を有する鎖状炭化水素類としては、例え
ば、イソブタン,イソペンタン,イソヘキサン,3−メ
チルペンタン,2,3−ジメチルブタン,2−メチルヘ
キサン,3−メチルヘキサン,2,3−ジメチルペンタ
ン,2,4−ジメチルペンタン,2,3,4−トリメチ
ルペンタン,3−エチルペンタン,2,3−ジメチルヘ
キサン,2,4−ジメチルヘキサン,3,4−ジメチル
ヘキサン,2,5−ジメチルヘキサン,2−プロピルヘ
キサン,2−メチルヘプタン,4−メチルヘプタン,2
−エチルヘプタン,3−エチルヘプタン,2,6−ジメ
チルヘプタン,2−メチルオクタン,3−メタルオクタ
ン,2,7−ジメチルオクタン,2−メチルノナンなど
の炭素数4〜10程度の脂肪族炭化水素類などが例示で
きる。橋架け環式炭化水素類には、架橋環式炭化水素類
(デカリン,ヘキサヒドロインダン、カラン,ボルナ
ン、ノルボルネン,ビニルノルボルネン,ノルボナジエ
ン,ノルボルナン,ホルミルノルボルネンなどの2環式
炭化水素類、ホモブレダン,アダマンタン,メチルアダ
マンタン,1,3−ジメチルアダマンタン,エチルアダ
マンタン,クロロアダマンタン,アダマンタノール,ア
ダマンタノン,メチルアダマンタノン,ジメチルアダマ
ンタノン,ホルミルアダマンタン,トリシクロ[4.
3.1.12,5 ]ウンデカンなどの3環式炭化水素類,
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカン
などの4環式炭化水素類など)、ジエン類の二量体又は
その水素添加物(ジシクロペンタン,ジシクロヘキサ
ン,ジシクロペンテン,ジシクロヘキサジエン,ジシク
ロペンタジエンなど)、テルペン類(リモネン,メンテ
ン,ピナン,ピネン,メントール,カンファー,ボルネ
ン,カリオフィレン,メントンなど)などが含まれる。
【0021】好ましいメチン炭素原子(メチリジン基)
を有する化合物には、炭素数7〜16程度(特に炭素数
6〜14程度)の橋架け環式炭化水素類(特にアダマン
タン又はその誘導体などの架橋環式炭化水素類)が含ま
れる。
【0022】(d)芳香族性環の隣接部位にメチル基又
はメチレン基を有する化合物としては、例えば、アルキ
ル基を有する芳香族炭化水素類(トルエン,キシレン,
メシチレン,デュレン,エチルベンゼン,プロピルベン
ゼン,クメン,メチルエチルベンゼン,メチルナフタレ
ン,ジメチルナフタレン,メチルアントラセン,ジメチ
ルアントラセン,トリメチルアントラセン,ジベンジ
ル,ジフェニルメタン,トリフェニルメタンなど),ア
ルキル基を有する複素環化合物(メチルフラン,メチル
ピラン,メチルクロマン,メチルピリジン(ピコリ
ン),ジメチルピリジン(ルチジン),トリメチルピリ
ジン(コリジン),エチルピリジン,メチルキノリン,
メチルインドール,インダン,インデン,テトラリン,
フルオレンなど)などが例示できる。好ましい化合物に
はベンジル位にメチル基又はメチレン基を有する化合物
が含まれる。
【0023】(e)カルボニル基の隣接部位に(活性)
メチレン基を有する化合物には、アルデヒド類,ケトン
類,カルボン酸又はその誘導体などが含まれる。アルデ
ヒド類には、脂肪族アルデヒド類(アセトアルデヒド,
プロピオンアルデヒド,ブチルアルデヒド,イソブチル
アルデヒド,ペンチルアルデヒド,ヘキシルアルデヒ
ド,ヘプチルアルデヒド,オクチルアルデヒド,ノニル
アルデヒド,デシルアルデヒドなどのC2-12アルキルモ
ノアルデヒド、マロンアルデヒド,スクシンアルデヒ
ド,アジピンアルデヒド,セバシンアルデヒドなどの脂
肪族ポリアルデヒドなど)、芳香族アルデヒド類(ベン
ズアルデヒド,アニスアルデヒドなど)、脂環族アルデ
ヒド(ホルミルシクロヘキサン,シクロネラールな
ど)、橋架け環式ケトン類(ホルミルノルボルネン,ホ
ルミルアダマンタンなど)、複素環アルデヒド(ニコチ
ンアルデヒド,フルフラールなど)などが含まれる。
【0024】ケトン類としては、脂肪族ケトン類(アセ
トン,メチルエチルケトン,メチルイソプロピルケト
ン,メチルイソブチルケトン,メチル−t−ブチルケト
ン,2−ペンタノン,3−ペンタノン,2−ヘキサノ
ン,3−ヘキサノン,2−ヘプタノン,3−ヘプタノ
ン,4−ヘプタノン,2−オクタノン,3−オクタノ
ン,4−オクタノン,2−ノナノン,2−デカノンな
ど)、環状ケトン類(シクロペンタノン,シクロヘキサ
ノン,メチルシクロヘキサノン,ジメチルシクロヘキサ
ノン,シクロヘプタノン,イソホロン,シクロヘプタノ
ン,シクロオクタノン,シクロノナノン,シクロデカノ
ン,シクロヘキサジオン,シクロオクタジオンなどの非
芳香族性環状モノ又はポリケトン類、α−テトラロン,
β−テトラロン,インダノンなどの芳香族性環を備えた
環状ケトン類)、橋架け環式ケトン類(アダマンタノ
ン,メチルアダマンタノン,ジメチルアダマンタノン,
メントンなど)、芳香族ケトン類(アセトフェノン,プ
ロピオフェノンなど)、複素環式ケトン類(インデン−
1−オン,フルオレン−9−オンなど)などが例示でき
る。カルボン酸又はその誘導体には、例えば、脂肪族ジ
カルボン酸又はその誘導体(マロン酸又はそのエステ
ル、コハク酸又はそのエステル,グルタル酸又はそのエ
ステルなど)などが例示できる。
【0025】(f)共役化合物には、共役ジエン類、
α,β−不飽和ニトリル、α,β−不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体などが含まれる。共役ジエン類として、
例えば、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
α,β−不飽和ニトリルとして、例えば、(メタ)アク
リロニトリルなどが例示される。また、α,β−不飽和
カルボン酸またはその誘導体には、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルア
ミド誘導体などが含まれる。
【0026】これらの基質には、適当な置換基、例え
ば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、オキソ
基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキ
ル基、メルカプト基、カルボキシル基、アルコキシカル
ボニル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、
置換アミノ基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、
アシル基などが置換していてもよい。
【0027】基質の酸化に利用される酸素は、活性酸素
であってもよいが、分子状酸素を利用するのが経済的に
有利である。分子状酸素は特に制限されず、純粋な酸素
を用いてもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭
素などの不活性ガスで希釈した酸素を使用してもよい。
操作性及び安全性のみならず経済性などの点から、空気
を使用するのが好ましい。酸素の使用量は、基質の種類
に応じて選択でき、通常、基質1モルに対して、0.5
モル以上(例えば、1モル以上)、好ましくは1〜10
0モル程度である。基質に対して過剰モルの酸素を使用
する場合が多く、特に空気や酸素などの分子状酸素を含
有する雰囲気下で反応させるのが有利である。
【0028】酸化反応において、前記イミド化合物の使
用量は、広い範囲で選択でき、例えば、基質1モルに対
して0.0001〜1モル(0.01〜100モル
%)、好ましくは0.001〜0.5モル、さらに好ま
しくは0.01〜0.3モル程度であり、0.01〜
0.25モル程度である場合が多い。
【0029】酸化反応には助触媒を用いてもよい。助触
媒として、金属化合物、例えば、周期表2A族元素(マ
グネシウム,カルシウム,ストロンチウム,バリウムな
ど)、遷移金属元素や、周期表3B族元素(ホウ素B、
アルミニウムAlなど)を含む化合物が含まれる。助触
媒は、一種又は二種以上組合わせて使用できる。前記遷
移金属の元素としては、例えば、周期表3A族元素(例
えば、スカンジウムSc、イットリウムYの外、ランタ
ンLa,セリウムCe、サマリウムSmなどのランタノ
イド元素、アクチノイドAcなどのアクチノイド元
素)、4A族元素(チタンTi、ジルコニウムZr、ハ
フニウムHfなど)、5A族元素(バナジウムV、ニオ
ブNb、タンタルTaなど)、6A族元素(クロムC
r、モリブデンMo、タングステンWなど)、7A族元
素(マンガンMn、テクネチウムTc、レニウムReな
ど)、8族元素(鉄Fe、ルテニウムRu、オスミウム
Os、コバルトCo、ロジウムRh、イリジウムIr、
ニッケルNi、パラジウムPd、白金Ptなど)、1B
族元素(銅Cu、銀Ag,金Auなど)、2B族元素
(亜鉛Zn、カドミウムCdなど)などが挙げられる。
好ましい助触媒を構成する元素には、遷移金属の元素
(例えば、Ceなどのランタノイド元素、アクチノイド
元素などの周期表3A族元素、4A族元素、5A族元
素、6A族元素、7A族元素、8族元素、1B族元素、
2B族元素)、3B族元素が含まれる。
【0030】助触媒は、金属単体、水酸化物などであっ
てもよいが、通常、前記元素を含む金属酸化物(複酸化
物、酸素酸又はその塩も含む)、有機酸塩(例えば、酢
酸塩など)、無機酸塩、ハロゲン化物、前記金属元素を
含む配位化合物(錯体)やポリ酸(ヘテロポリ酸やイソ
ポリ酸)又はその塩などである場合が多い。
【0031】錯体を形成する配位子としては、OH(ヒ
ドロキソ)、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキ
シ基などのアルコキシ基、アセチル(OAc)、プロピ
オニルなどのアシル基、メトキシカルボニル(アセタ
ト)、エトキシカルボニルなどのアルコキシカルボニル
基、アセチルアセトナト(AA)、シクロペンタジエニ
ル基、塩素、臭素などのハロゲン原子、CO、CN、酸
素原子、H2 O(アコ)、ホスフィン(例えば、トリフ
ェニルホスフィンなどのトリアリールホスフィン)など
のリン化合物、NH3 (アンミン)、NO、NO2 (ニ
トロ)、NO3 (ニトラト)、エチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、ピリジン、フェナントロリンなどの
窒素含有化合物などが挙げられる。錯体又は錯塩におい
て、同種又は異種の配位子は一種又は二種以上配位して
いてもよい。好ましい配位子には、例えば、OH、アル
コキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アセチ
ルアセトナト、ハロゲン原子、CO、CN、H2 O(ア
コ)、トリフェニルホスフィンなどのリン化合物や、N
3 、NO2 、NO3 を含めて窒素含有化合物が含まれ
る。助触媒の使用量は、反応性及び選択率を損なわない
範囲で選択でき、例えば、基質1モルに対して、0.0
0001〜1モル、好ましくは0.00005〜0.7
モル、さらに好ましくは0.0001〜0.5モル程度
であり、0.0002〜0.1モル程度である場合が多
い。式(1)で表されるイミド系触媒に対する助触媒の
割合は、反応速度や選択率を損なわない範囲で選択で
き、例えば、イミド系触媒1モルに対して、助触媒0.
001〜10モル、好ましくは0.003〜5モル程度
である。なお、助触媒の量が増加するにつれて、イミド
化合物の活性が低下する場合がある。そのため、触媒系
の高い活性を維持するためには、助触媒の割合は、イミ
ド系触媒1モルに対して、有効量以上であって0.1モ
ル以下(例えば、0.001〜0.1モル、好ましくは
0.003〜0.08モル程度)であるのが好ましい。
【0032】酸化反応は、通常、反応に不活性な有機溶
媒中で行われる。有機溶媒としては、例えば、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸などの有機カルボン酸やオキシカルボ
ン酸、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニト
リルなどのニトリル類、ホルムアミド、アセトアミド、
ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミ
ドなどのアミド類、t−ブタノール、t−アミルアルコ
ールなどのアルコール類、ヘキサン、オクタンなどの脂
肪族炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、クロロ
ホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭
素、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、ニトロ
ベンゼン、ニトロメタン、ニトロエタンなどのニトロ化
合物、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジエ
チルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサンな
どのエーテル類、これらの混合溶媒などが挙げられる。
なお、過剰量の基質を用いることにより、基質を反応溶
媒として用いてもよい。溶媒としては、酢酸などの有機
酸、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類
を用いる場合が多い。
【0033】反応をプロトン酸の存在下で行うと、酸化
反応を円滑に行うことができる。このプロトン酸は、前
記のように溶媒として用いてもよい。プロトン酸として
は、有機酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの有機カル
ボン酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸などのオキシカル
ボン酸のほか、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸な
どのアルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸などのアリールスルホン酸など)、無
機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸など)が含ま
れる。
【0034】反応温度は、例えば、0〜300℃、好ま
しくは30〜250℃、さらに好ましくは50〜200
℃程度であり、通常70〜150℃程度で反応する場合
が多い。反応は、常圧または加圧下で行うことができ、
加圧下で反応させる場合には、通常、1〜100atm
(例えば、1.5〜80atm)、好ましくは2〜70
tm程度である。反応時間は、反応温度及び圧力に応じ
て、例えば、30分〜48時間、好ましくは1〜36時
間、さらに好ましくは2〜24時間程度の範囲から適当
に選択できる。反応は、例えば、分子状酸素の存在下ま
たは分子状酸素の流通下、回分式、半回分式、連続式な
どの慣用の方法により行うことができる。
【0035】反応により、基質に対応したケトン類、ア
ルコール類、アルデヒド類、カルボン酸類などが生成す
る。例えば、(a)不飽和結合の隣接部位にメチル基ま
たはメチレン基を有する化合物を酸化すると、前記メチ
ルまたはメチレン炭素原子にオキソ基またはヒドロキシ
ル基が導入された化合物が主に生成する。(b)メチレ
ン基を有する同素又は複素環化合物を酸化すると、前記
メチレン炭素原子にオキソ基またはヒドロキシル基が導
入された化合物が生成するほか、環が酸化的に開裂して
対応するジカルボン酸が生成する場合がある。例えば、
シクロヘキサンを酸化すると、アジピン酸またはシクロ
ヘキサノンが生成する。(c)メチン炭素原子を有する
化合物を酸化すると、メチン炭素原子にヒドロキシル基
が導入された化合物が生成する。また、(d)芳香族性
環の隣接部位にメチル基またはメチレン基を有する化合
物を酸化すると、前記メチルまたはメチレン炭素原子に
ヒドロキシル基またはオキソ基が導入された化合物が生
成する。また、(f)共役化合物のうち、共役ジエン類
を酸化すると、対応するアルケンジオールが生成し、
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸または
その誘導体を酸化すると、3,3−ジヒドロキシプロピ
オニトリル、3,3−ジヒドロキシプロピオン酸または
その誘導体が生成する。
【0036】反応終了後、反応生成物は、慣用の方法、
例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラ
ムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組合
せた分離手段により、容易に分離精製できる。
【0037】[カルボキシル化反応]前記イミド化合物
の存在下、有機基質を、一酸化炭素及び酸素と接触させ
ることにより、基質をカルボキシル化できる。有機基質
としては、広い範囲の飽和又は不飽和化合物、例えば、
炭化水素類(脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類、芳
香族炭化水素類)、複素環式化合物、アルコール類、エ
ーテル類、エステル類、ケトン類、アルデヒド類、アミ
ン類などが使用できる。好ましい基質には、例えば、前
記(a)不飽和結合の隣接部位にメチル基またはメチレ
ン基を有する化合物、(b)メチレン基を有する同素又
は複素環化合物、(c)メチン炭素原子を有する化合
物、(d)芳香族性環の隣接部位にメチル基またはメチ
レン基を有する化合物、(e)カルボニル基の隣接部位
にメチレン基を有する化合物などが含まれる。前記一酸
化炭素及び酸素は、純粋な一酸化炭素や酸素であっても
よく、前記不活性ガスで希釈されていてもよい。なお、
酸素源は空気であってもよい。カルボキシル化反応は、
溶媒の存在下または非存在下で行うことができる。溶媒
としては、前記酸化反応において例示した溶媒などを使
用できる。好ましい溶媒には、有機酸(例えば、酢酸、
プロピオン酸など)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジ
クロロエタンなど)、ニトリル類(例えば、アセトニト
リルなど)などが含まれる。カルボキシル化反応におい
ても、前記酸化反応において例示した助触媒を使用する
ことができる。
【0038】前記イミド化合物及び助触媒の使用量は、
前記酸化反応の場合と同様である。
【0039】一酸化炭素の使用量は、例えば、基質1モ
ルに対して1モル以上(例えば、1〜100モル)の範
囲から選択でき、好ましくは過剰モルであり、例えば、
1.5〜100モル、さらに好ましくは2〜30モル程
度である。酸素の使用量は、例えば、基質1モルに対し
て0.5モル以上(例えば、0.5〜100モル)、好
ましくは0.5〜30モル、さらに好ましくは0.5〜
25モル程度の範囲から選択できる。なお、連続式反応
において、過剰量の一酸化炭素及び酸素を用いる場合、
一酸化炭素及び酸素を循環などにより、反応系に連続的
に供給して使用できる。
【0040】一酸化炭素(CO)と酸素(O2 )との割
合は、広い範囲、例えば、CO/O 2 (モル比)=1/
99〜99.99/0.01(例えば、70/30〜9
9/1)程度の範囲から選択できるが、酸素に対して一
酸化炭素を多く用いる方が有利である。COとO2 との
割合は、通常、CO/O2 (モル比)=1/99〜99
/1(例えば、10/90〜99/1)、好ましくは3
0/70〜98/2、さらに好ましくは50/50〜9
5/5、特に60/40〜90/10程度である。
【0041】反応温度は、イミド化合物や基質の種類に
応じて、例えば、0〜200℃、好ましくは10〜15
0℃(例えば、10〜120℃)、さらに好ましくは1
0〜100℃(例えば、10〜80℃)程度の範囲から
選択できる。また、反応は、常圧または加圧下で行うこ
とができる。反応は、回分式、半回分式、連続式の何れ
の方式で行うこともできる。
【0042】前記カルボキシル化反応により、基質にカ
ルボキシル基が導入された化合物が生成する。例えば、
前記基質(a)〜(e)をカルボキシル化反応に付す
と、メチル基若しくはメチレン基の炭素原子またはメチ
ン基の炭素原子にカルボキシル基を導入できる。特に、
基質(c)のメチン炭素原子を有する化合物、例えば、
アダマンタンなどの橋架け環式炭化水素をカルボキシル
化すると、環状メチン炭素原子にカルボキシル基が円滑
に導入され、例えば、1−カルボキシアダマンタンなど
のカルボキシル基含有化合物が高い収率で生成する。反
応終了後、反応生成物は、慣用の分離精製手段、例え
ば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、吸着、カ
ラムクロマトグラフィーなどの分離精製手段や、これら
を組合せた手段により容易に分離精製できる。
【0043】[ニトロ化反応]前記イミド化合物の存在
下、有機基質を、窒素酸化物と接触させることにより、
基質をニトロ化できる。有機基質としては、広い範囲の
飽和又は不飽和化合物、例えば、炭化水素類(脂肪族炭
化水素類、脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類)、複
素環式化合物、アルコール類、エーテル類、エステル
類、ケトン類、アルデヒド類、アミン類などが使用でき
る。好ましい基質には、例えば、前記(a)不飽和結合
の隣接部位にメチル基またはメチレン基を有する化合
物、(b)メチレン基を有する同素又は複素環化合物、
(c)メチン炭素原子を有する化合物、(d)芳香族性
環の隣接部位にメチル基またはメチレン基を有する化合
物、(e)カルボニル基の隣接部位にメチレン基を有す
る化合物などが含まれる。 窒素酸化物は、式 Nx y (式中xは1又は2の整数、yは1〜6の整数を示す)
で表すことができる。前記式で表される化合物におい
て、xが1である場合、yは通常1〜3の整数であり、
xが2である場合、yは通常1〜6の整数である。この
ような窒素酸化物には、例えば、N2 O,NO,N2
3 ,NO2 ,N24 ,N2 5 ,NO3 ,N2 6
どが例示できる。これらの窒素酸化物は単独で又は二種
以上組み合わせて使用できる。
【0044】好ましい窒素酸化物には、酸化二窒素
(N2 O)及び一酸化窒素(NO)から選択された少な
くとも一種の窒素化合物と酸素との反応により生成する
窒素酸化物(特にN2 3 )又はN2 3 を主成分とし
て含む窒素酸化物、二酸化窒素(NO2 )又はNO2
を主成分として含む窒素酸化物が含まれる。窒素酸化物
2 3 は、N2 O及び/又はNOと酸素との反応で容
易に得ることができる。より具体的には、反応器内に一
酸化窒素と酸素とを導入して、青色の液体N2 3 を生
成させることにより調製できる。そのため、N2 3
予め生成させることなく、N2 O及び/又はNOと酸素
とを反応系に導入することによりニトロ化反応を行って
もよい。なお、酸素は純粋な酸素であってもよく、不活
性ガス(二酸化炭素,窒素,ヘリウム,アルゴンなど)
で希釈して使用してもよい。また、酸素源は空気であっ
てもよい。
【0045】前記イミド化合物の使用量は、前記酸化反
応の場合と同様である。窒素酸化物の使用量は、ニトロ
基の導入量に応じて選択でき、例えば、基質1モルに対
して1〜50モル、好ましくは1.5〜30モル程度の
範囲から選択でき、通常、2〜25モル程度である場合
が多い。ニトロ化反応は、溶媒の存在下又は非存在下で
行うことができる。溶媒としては、反応に不活性な種々
の溶媒、例えば、前記酸化反応に用いる溶媒として例示
した溶媒を使用できる。反応温度は基質の種類などに応
じて、例えば、0℃〜150℃、好ましくは25〜12
5℃、さらに好ましくは30〜100℃程度の範囲から
選択できる。本発明の方法は、比較的低温、例えば、2
0〜60℃であっても円滑に進行する。反応圧力は、通
常、常圧または加圧下のいずれであってもよい。反応は
回分式、半回分式、連続式のいずれの方式でも行うこと
ができる。
【0046】前記ニトロ化反応により、基質にニトロ基
が導入された化合物が生成する。例えば、前記基質
(a)〜(e)をニトロ化反応に付すと、メチル基若し
くはメチレン基の炭素原子またはメチン基の炭素原子に
ニトロ基を導入できる。特に、基質(c)のメチン炭素
原子を有する化合物、例えば、アダマンタンなどの橋架
け環式炭化水素をカルボキシル化すると、環状メチン炭
素原子にカルボキシル基が円滑に導入され、例えば、1
−ニトロアダマンタンなどのカルボキシル基含有化合物
が高い収率で生成する。反応終了後、反応生成物は、慣
用の分離精製手段、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、
晶析、再結晶、吸着、カラムクロマトグラフィーなどの
分離精製手段や、これらを組合せた手段により容易に分
離精製できる。
【0047】このように、前記イミド化合物は、酸化、
カルボキシル化及びニトロ化などの反応触媒として有用
である。しかし、上記イミド化合物を触媒として用いる
と、ラジカル機構などにより、反応中に、例えば、前記
式(2)で表される化合物[例えば、(N−無置換)フ
タルイミド化合物およびN−置換オキシフタルイミド化
合物]、前記式(3)で表される化合物(例えば、N−
置換オキシフタルイミド化合物)、イミド化合物の開環
物,イミド化合物に対応する多価カルボン酸やその酸無
水物(例えば、フタル酸,無水フタル酸など)などに変
化し、触媒活性が大きく低下する。なお、式(2)及び
(3)において、有機基を示すYは、反応原料として用
いられる有機基質からプロトンを脱離した残基だけでな
く、ラジカルで開裂した残基に対応する。触媒活性の低
下した触媒は、次のようにして再生できる。
【0048】[イミド系触媒の再生方法及び再生装置]
本発明では、失活した触媒(以下、単に「失活触媒」と
いう場合がある)、特に前記イミド系触媒を反応に供す
ることにより失活した前記イミド系触媒を再生するた
め、失活触媒をヒドロキシルアミン又は酸で処理する。
また、本発明の再生装置は、前記失活触媒をヒドロキシ
ルアミン又は酸で処理する処理装置を備えている。本発
明の再生方法は、前記イミド系触媒のうち少なくとも一
部が他の化合物、特に、前記式(2)又は(3)で表さ
れる化合物に変化した失活触媒に適用される。失活触媒
が前記式(2)で表される化合物を含む場合には、ヒド
ロキシルアミンで処理する方法が有利であり、失活触媒
が前記式(3)で表される化合物を含む場合には、酸で
処理する方法が有利である。
【0049】この方法において、失活触媒を含む反応混
合液をそのまま触媒再生に付してもよく、反応混合液か
ら、目的生成物、副生物、溶媒、不溶物等を、慣用の分
離手段、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析などに
より分離した後、触媒混合液(触媒混合物)を触媒再生
に付してもよい。
【0050】失活触媒の再生処理は、例えば、失活触媒
とヒドロキシルアミン又は酸とを、適当な溶媒中で混合
し、反応させることにより行うことができる。触媒再生
のための処理装置は、例えば、失活触媒とヒドロキシル
アミン又は酸とを反応させるための反応器、前記成分を
反応器に供給するための供給手段(例えば、仕込みライ
ン、仕込みポンプなど)、前記成分を混合するための混
合手段(例えば、撹拌機など)、及び必要に応じて、反
応温度を調節するための反応温度調整手段、反応系のp
Hを調節するためのpH調整手段、反応混合物を反応器
から排出するための排出手段などで構成できる。
【0051】溶媒としては、水又は有機溶媒を用いるこ
とができる。前記有機溶媒としては、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノールなどのアルコール;ベンゼ
ン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、ク
ロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン
などのハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジエチルエ
ーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒
などが含まれる。溶媒は単独で又は二種以上混合して使
用できる。好ましい溶媒には、水、水と有機溶媒との混
合溶媒が含まれる。
【0052】ヒドロキシルアミンとしては、遊離のヒド
ロキシルアミンを用いてもよいが、反応系内でヒドロキ
シルアミンの塩に塩基を作用させて遊離させたヒドロキ
シルアミンを用いてもよい。前記ヒドロキシルアミンの
塩には、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機
酸塩;酢酸塩などの有機酸塩が含まれる。前記塩基とし
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカ
リ金属の水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシ
ウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウ
ムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸マグネシウムなど
のアルカリ土類金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウムなど
のアルカリ金属の炭酸水素塩などが挙げられる。失活触
媒の再生処理にヒドロキシルアミンを用いる場合、ヒド
ロキシルアミンの使用量は、失活触媒中に含まれる前記
式(2)及び(3)の化合物の総量1モルに対して、通
常、1モル以上、好ましくは1〜5モル、さらに好まし
くは1〜2モル程度であり、1〜1.5モル(特に1.
2〜1.5モル)程度である場合が多い。なお、必要に
より、ヒドロキシルアミンを再生溶媒として使用しても
よい。
【0053】失活触媒の再生処理に用いる酸としては、
フッ化水素、塩化水素、臭化水素、フッ化水素酸、塩
酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸;メ
タンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸などが例
示される。酸は無水であるのが好ましい。酸の使用量
は、前記式(3)の化合物1モルに対して、例えば、1
〜5モル程度、好ましくは1〜3モル程度、さらに好ま
しくは1〜2モル程度である。酸は再生溶媒として用い
てもよい。失活触媒の酸による処理は、水の存在下で行
ってもよく、水の使用量は、前記式(3)の化合物1モ
ルに対して、通常、0〜100モル程度、好ましくは0
〜50モル程度の範囲から選択してもよい。酸による再
生処理は、水の不存在下で行うのが有利である。
【0054】ヒドロキシルアミン又は酸による処理温度
(失活触媒とヒドロキシルアミン又は酸との反応温度)
は、例えば、0〜100℃程度、好ましくは5〜50℃
程度である。失活触媒の再生処理は、室温(例えば、1
0〜40℃程度)で行う場合が多い。ヒドロキシルアミ
ン又は酸による処理後、慣用の分離精製手段、例えば、
濾過、濃縮、抽出、晶析、再結晶などにより、再生した
イミド系触媒を分離精製できる。なお、酸性条件下(例
えば、pH=2〜6程度)での晶析や再結晶により、イ
ミド系触媒を容易に分離精製できる。上記再生方法及び
再生装置によれば、式(1)で表されるイミド系触媒が
高い収率で再生でき、再生されたイミド系触媒は反応系
で再利用できる。
【0055】[イミド系化合物の製造方法]本発明のイ
ミド系化合物の製造方法では、前記式(2)で表される
化合物をヒドロキシルアミンと反応させるか、または前
記式(3)で表される化合物を酸で処理する。式(2)
または(3)で表される化合物は、前記のように、式
(1)で表されるイミド系化合物を、酸化、カルボキシ
ル化、ニトロ化などの反応の触媒として使用した場合
に、前記イミド系化合物の変質物として得られる。式
(2)で表される化合物とヒドロキシルアミンとの反
応、及び式(3)で表される化合物の酸による処理は、
前記失活触媒の再生方法について記載された方法に準じ
て行うことができる。反応後、慣用の分離精製手段、例
えば、濾過、濃縮、抽出、晶析、再結晶など、またはこ
れらの組合せにより、前記式(1)で表されるイミド系
化合物を分離精製することができる。
【0056】[有機化合物の製造プロセス及び製造装
置]本発明の製造プロセスは、触媒の存在下での有機基
質の反応工程、反応混合物からの目的化合物と触媒成分
との分離工程、この分離工程で分離された触媒成分の再
生工程、および再生された触媒成分の反応系へのリサイ
クル工程を含む。また、本発明の製造装置は、反応装
置、分離装置、再生装置およびリサイクル手段を備えて
いる。図1は本発明の製造プロセスの一例を示す概略工
程図である。
【0057】反応工程では、ライン1より供給された有
機基質を前記イミド系触媒の存在下で反応に付す。イミ
ド系触媒としては、再生工程で再生され、かつライン5
を通じてリサイクルされた触媒を使用してもよく、必要
に応じて未使用の新触媒を使用してもよく、再生触媒と
未使用の新触媒とを併用してもよい。反応の種類はとし
ては、前記と同様に、前記酸化反応、カルボキシル化反
応、ニトロ化反応などが例示される。反応工程で用いる
反応装置は、例えば、有機基質を反応させるための反応
器、反応成分および触媒を反応器に供給するための供給
手段(例えば、仕込みライン、仕込みポンプなど)、反
応成分および触媒を混合するための混合手段(例えば、
撹拌機など)、及び必要に応じて、反応温度を調節する
ための反応温度調整手段、反応混合物を反応器から排出
するための排出手段などで構成できる。分離工程では、
反応工程からライン2により供給された反応混合物から
反応生成物と触媒とを分離する。反応生成物と触媒との
分離は、前記例示の分離精製手段又は分離装置(例え
ば、濾過装置、濃縮装置、蒸留装置、抽出装置、吸着装
置、カラムクロマトグラフなど)により行うことができ
る。分離された反応生成物は、ライン4を通じて回収さ
れ、必要に応じてさらに精製される。分離された触媒の
一部または全部は、ライン3を通じて再生工程に供さ
れ、再生される。なお、反応に用いた触媒の一部を再生
工程に供する場合、残りの触媒は再生することなく反応
工程にリサイクルできる。
【0058】再生工程では、前記の再生装置を使用し、
分離工程からライン3を通じて供給される失活触媒を、
前記と同様の方法により、ヒドロキシルアミンまたは酸
で処理することにより触媒を再生できる。リサイクル工
程では、再生工程からライン5を通じて回収された再生
触媒を反応工程にリサイクルする。再生触媒のリサイク
ルは、慣用の方法、例えば、そのまま、又は適当な溶媒
に溶解または懸濁させて、反応系に供給することにより
行うことができる。リサイクル手段としては、例えば、
ポンプ、ベルトコンベアなどを使用できる。なお、上記
各工程における操作は、連続式、バッチ式の何れの方式
で行ってもよい。
【0059】
【発明の効果】本発明の再生方法及び再生装置では、失
活したイミド系触媒を簡易に再生できる。本発明の製造
法では、イミド系触媒を簡易な手段で収率よく製造でき
る。さらに、本発明の製造プロセス及び製造装置では、
イミド系触媒を用いる有機化合物の製造法において、目
的化合物を効率的かつ経済的に製造できる。
【0060】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 実施例1 フラスコ内にヒドロキシルアミン硫酸塩2NH2 OH・
2 SO4 (1.03g、6.3ミリモル)を入れ水1
0mlで溶解した後、5%水酸化ナトリウム水溶液10
mlを加えて、ヒドロキシルアミンを遊離させた。得ら
れた水溶液に、撹拌下、粉末状のフタルイミド(1.4
7g、10ミリモル)をゆっくり加え、室温で1時間撹
拌した。この混合液に希塩酸を加えて、pHを約3に調
整したところ、結晶性の沈殿物が生成した。さらに1時
間撹拌した後、終夜放置した。生成した結晶を濾過し、
5%希酢酸で洗浄することにより、N−ヒドロキシフタ
ルイミド(1.28g、収率78%)を得た。
【0061】実施例2 フラスコ内にヒドロキシルアミン硫酸塩2NH2 OH・
2 SO4 (1.03g、6.3ミリモル)を入れ水1
0mlで溶解した後、5%水酸化ナトリウム水溶液10
mlを加えて、ヒドロキシルアミンを遊離させた。得ら
れた水溶液に、撹拌下、粉末状のN−シクロヘキシルオ
キシフタルイミド(2.45g、10ミリモル)をゆっ
くり加え、室温で1時間撹拌した。この混合液に希塩酸
を加えて、pHを約3に調整したところ、結晶性の沈殿
物が生成した。さらに1時間撹拌した後、終夜放置し
た。生成した結晶を濾過し、5%希酢酸で洗浄すること
により、N−ヒドロキシフタルイミド(1.08g、収
率66%)を得た。
【0062】実施例3 フラスコ内にN−シクロヘキシルオキシフタルイミド
(2.45g、10ミリモル)を入れ、ベンゼンに溶解
させた。この溶液に、塩酸を10重量%含むエタノール
7gを加え、6時間還流した。生成した沈殿を濾過し、
ベンゼンで洗浄することにより、N−ヒドロキシフタル
イミド(1.06g、収率65%)を得た。
【0063】実施例4 フラスコ内に、N−ヒドロキシフタルイミド(1.63
g、10ミリモル)、シクロヘキサン(8.41g、1
00ミリモル)、コバルトアセチルアセトナートCo
(AA)2 (0.015g、0.05ミリモル)及び酢
酸250mlを仕込み、酸素雰囲気下、100℃で6時
間撹拌した。反応混合液中の生成物をガスクロマトグラ
フィー及び高速液体クロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、シクロヘキサンの転化率40%でシクロヘキサノン
(収率13%),アジピン酸(収率11%)が得られ
た。使用したN−ヒドロキシフタルイミドのうち、42
%がそのまま残存し、24%がフタルイミドに、14%
がN−シクロヘキシルオキシフタルイミドに変化してい
た。上記反応混合液を、濃縮装置により濃縮して酢酸を
留去させた残渣に、5重量%ヒドロキシルアミン水溶液
10g(ヒドロキシルアミン15ミリモル)を加え、室
温で6時間撹拌した。反応混合液を高速液体クロマトグ
ラフィーにより分析したところ、N−ヒドロキシフタル
イミドが1.16g(7.1ミリモル)含まれていた。
N−ヒドロキシフタルイミドの再生率(変質したN−ヒ
ドロキシフタルイミドに対する再生したN−ヒドロキシ
フタルイミドの割合)は50%であった。上記混合液を
中性にした後、水を留去し、シリカゲルカラロクロマト
グラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)でN−ヒ
ドロキシフタルイミドを分離した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の製造プロセスの一例を示す概略
工程図である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
    ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
    ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
    は非芳香族性の環を形成してもよい。nは1〜3の整数
    を示す)で表されるイミド系触媒を反応に用いて失活し
    た触媒から前記イミド系触媒を再生する方法であって、
    前記失活した触媒をヒドロキシルアミン又は酸で処理す
    るイミド系触媒の再生方法。
  2. 【請求項2】 式(1)におけるR1 及びR2 が互いに
    結合して芳香族性又は非芳香族性の5〜12員環を形成
    しているイミド系触媒を再生する請求項1記載のイミド
    系触媒の再生方法。
  3. 【請求項3】 下記式(2) 【化2】 [式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
    ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
    ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
    は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは水素原子また
    は−OYを示し(Yは有機基を示す)、nは1〜3の整
    数を示す]で表される化合物を含む失活した触媒をヒド
    ロキシルアミンで処理する請求項1記載のイミド系触媒
    の再生方法。
  4. 【請求項4】 下記式(3) 【化3】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
    ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
    ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
    は非芳香族性の環を形成してもよい。Yは有機基を示
    し、nは1〜3の整数を示す)で表される化合物を含む
    失活した触媒を酸で処理する請求項1記載のイミド系触
    媒の再生方法。
  5. 【請求項5】 下記式(1) 【化4】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
    ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
    ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
    は非芳香族性の環を形成してもよい。nは1〜3の整数
    を示す)で表されるイミド系触媒を反応に用いて失活し
    た触媒から前記イミド系触媒を再生するための装置であ
    って、前記失活した触媒をヒドロキシルアミン又は酸で
    処理する処理装置を備えているイミド系触媒再生装置。
  6. 【請求項6】 下記式(2) 【化5】 [式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
    ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
    ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
    は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは水素原子また
    は−OYを示し(Yは有機基を示す)、nは1〜3の整
    数を示す]で表される化合物とヒドロキシルアミンとを
    反応させて、下記式(1) 【化6】 (式中、R1 、R2 及びnは前記と同じ)で表されるイ
    ミド系化合物を生成させるイミド系化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】 下記式(3) 【化7】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
    ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
    ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
    は非芳香族性の環を形成してもよい。Yは有機基を示
    し、nは1〜3の整数を示す)で表される化合物を酸で
    処理して、下記式(1) 【化8】 (式中、R1 、R2 及びnは前記と同じ)で表されるイ
    ミド系化合物を生成させるイミド系化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】 下記式(1) 【化9】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
    ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
    ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
    は非芳香族性の環を形成してもよい。nは1〜3の整数
    を示す)で表されるイミド系触媒の存在下で有機基質を
    反応に付す反応工程、反応工程において生成した反応生
    成物と触媒とを分離する分離工程、反応工程において失
    活した触媒をヒドロキシルアミンまたは酸で処理して前
    記イミド系触媒を再生する再生工程、再生したイミド系
    触媒を反応工程にリサイクルするリサイクル工程を含む
    有機化合物の製造プロセス。
  9. 【請求項9】 反応が、有機基質を分子状酸素により酸
    化する酸化反応、有機基質を一酸化炭素および酸素と反
    応させてカルボキシル化するカルボキシル化反応、およ
    び有機基質を窒素酸化物と反応させてニトロ化するニト
    ロ化反応から選ばれた反応である請求項8記載の製造プ
    ロセス。
  10. 【請求項10】 有機基質が、(a)不飽和結合の隣接
    部位にメチル基又はメチレン基を有する化合物、(b)
    メチレン基を有する同素又は複素環化合物、(c)メチ
    ン炭素原子を有する化合物、(d)芳香族性環の隣接部
    位にメチル基又はメチレン基を有する化合物、(e)カ
    ルボニル基の隣接部位にメチレン基を有する化合物、及
    び(f)共役化合物から選ばれた一種である請求項8記
    載の製造プロセス。
  11. 【請求項11】 反応工程において、触媒としてイミド
    系触媒と共に助触媒を用いる請求項8記載の製造プロセ
    ス。
  12. 【請求項12】 助触媒が、周期表2A族元素、遷移金
    属元素及び周期表3B族元素からなる群から選択された
    少なくとも一種の元素を含む化合物である請求項11記
    載の製造プロセス。
  13. 【請求項13】 下記式(1) 【化10】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
    ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
    ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
    は非芳香族性の環を形成してもよい。nは1〜3の整数
    を示す)で表されるイミド系触媒の存在下で有機基質を
    反応に付す反応装置、前記反応で生成した反応生成物と
    触媒とを分離する分離装置、前記反応で失活した触媒を
    ヒドロキシルアミンまたは酸で処理して前記イミド系触
    媒を再生するための再生装置、および再生したイミド系
    触媒を前記反応装置にリサイクルするリサイクル手段を
    備えた有機化合物の製造装置。
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