JPH11181396A - 接着剤およびその製造方法 - Google Patents
接着剤およびその製造方法Info
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- JPH11181396A JPH11181396A JP35256597A JP35256597A JPH11181396A JP H11181396 A JPH11181396 A JP H11181396A JP 35256597 A JP35256597 A JP 35256597A JP 35256597 A JP35256597 A JP 35256597A JP H11181396 A JPH11181396 A JP H11181396A
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Abstract
さらに主剤製造時の安定性が高く、しかも、比較的低温
において主剤を製造することができ、エネルギーコスト
が安くかつ生産性の高い接着剤の製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 (A)水性エマルジョンおよび(B)鹸
化度50モル%以上でかつカチオン性基を分子内に0.
1〜20モル%有するポリビニルアルコールを主剤と
し、これに(C)多価イソシアネートを含む接着剤、お
よび(A)に(B)を60℃以下で添加して主剤を調製
し、これに(C)を配合する接着剤の製造方法。
Description
製造方法に関し、詳しくは、接着強度および耐水性に優
れた接着剤および主剤製造時の安定性が高く、しかも、
比較的低温において主剤を製造することができるためエ
ネルギーコストが安くかつ生産性の高い、接着剤の製造
方法に関するものである。
イソシアネート系化合物を主成分とする接着剤は、従来
のアミノプラスト系接着剤とは異なりホルマリンの発生
がなく、常温で比較的短時間圧締するだけで、極めて高
い接着強度および耐水性が得られることから、木材用、
合板用、各種プラスチックス用接着剤として賞用されて
いる(例えば特開昭48−94739号公報,同50−
69139号公報)。このような状況下で、近年、水性
高分子およびイソシアネート系化合物からなる木材接着
剤についてのJISも制定されている。また、近年、こ
の種の接着剤は、接着剤からのホルマリンの発生が実質
的にないことから、アミノ樹脂系接着剤よりも人体や環
境に優しい接着剤として、特に合板製造用として注目さ
れている。
ソシアネート系化合物からなる接着剤は、従来、水性高
分子であるポリビニルアルコールを加熱溶解して得た水
溶液を水性エマルジョンに添加したものを主たる成分と
する主剤に、架橋剤としてイソシアネート化合物を使用
前に添加して使用されていた。ところが、生産ラインの
拡充や生産規模の拡大が行われる中で、より効率よく主
剤を製造する必要性が高まっている。そこで、比較的低
温において主剤を製造することができれば、水溶性高分
子を溶解して水溶液とするためのエネルギーコストが安
くなり、かつ接着剤主剤の生産性が上がり、効率良く主
剤を製造することが可能である。特に、水溶性高分子を
水性エマルジョンに添加し、比較的低温で短時間に溶解
することができれば、生産性、作業性が顕著に上がるだ
けではなく、接着剤を使用する場所、すなわち、オンサ
イトで容易に接着剤を配合できることからさらなるメリ
ットが生じる。
技術における課題を解決し、主剤製造時の安定性が高
く、しかも、比較的低温において主剤を製造することが
できるためエネルギーコストが安くかつ生産性の高い接
着剤の製造方法を提供し、さらに接着強度および耐水性
に優れた接着剤を提供することを目的とするものであ
る。
の下に鋭意研究を重ねたところ、(A)水性エマルジョ
ンおよび(B)鹸化度50モル%以上でかつカチオン性
基を分子内に0.1〜20モル%有するポリビニルアル
コールを主剤とし、これに(C)多価イソシアネートを
含む接着剤が所期の目的に適うものであることを見出し
た。さらに、(A)水性エマルジョンに(B)鹸化度5
0モル%以上でかつカチオン性基を分子内に0.1〜2
0モル%有するポリビニルアルコールを60℃以下で添
加して主剤を調製し、これに(C)多価イソシアネート
を配合することを特徴とする接着剤の製造方法を見出し
た。
水性エマルジョンは、分散剤として従来公知のアニオン
性、カチオン性、両性、非イオン性低分子界面活性剤や
各種ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロー
ス等の水溶性高分子(保護コロイド)を単独あるいは二
種以上含む水溶液中で、ラジカル重合可能なエチレン性
不飽和単量体及びジエン系単量体を乳化重合して得られ
る乳化重合型の水性エマルジョンやポリウレタンエマル
ジョンに代表されるポリマーの後乳化法により得られる
水性エマルジョンが単独あるいは二種以上併用される。
エマルジョンの分散質を構成するエチレン性不飽和単量
体としては、エチレン、プロピレン、イソブテン等のオ
レフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン類、蟻
酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチ
ック酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル
類、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、ア
クリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリ
ル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ヒドロキ
シプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等のアク
リル酸エステル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、
メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸ヒドロキ
シエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリ
ル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピ
ルトリメチルアンモニウムクロライド等のメタクリル酸
エステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−
メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸およびそのナトリウム塩のアクリルアミド、トリメチ
ル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−
アンモニウムクロライド、3−アクリルアミドプロピル
トリメチルアンモニウムクロライド、3−メタクリルア
ミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、N−
メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、ジ
アセトンアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等のニトリル類、酢酸アリル、塩化アリル等
のアリル化合物、スチレン、α−メチルスチレン、P−
メチルスチレンスルホン酸およびそのナトリウム、カリ
ウム塩等のスチレン系単量体類、その他N−ビニルピロ
リドン等が挙げられ、またジエン系単量体としては、ブ
タジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
エマルジョンを得るための乳化重合を実施するにあたっ
ては、水、上記の分散剤、および重合開始剤の存在下
に、上記単量体を一時または連続的に添加して、加熱、
攪拌するような通常の乳化重合法が実施しうるし、ま
た、単量体を予め分散剤水溶液と混合乳化したものを連
続的に添加する方法も実施し得る。重合開始剤として
は、特に制限されるものではなく、例えば、過硫酸カリ
ウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化
水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二
塩酸塩、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパ
ーオキサイド、イソプロピルベンゼンパーオキサイド等
が単独あるいは重亜硫酸ナトリウム、酒石酸、L−アス
コルビン酸、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレ
ート、硫酸第一鉄等の還元剤と併用したレドックス系で
用いられる。
ンにおける分散剤の使用量としては、乳化重合型水性エ
マルジョンあるいは後乳化型水性エマルジョン共に特に
制限はないが、通常単量体100重量部に対して0.1
〜50重量部、好ましくは0.5〜20重量部である。
分散剤が0.1重量部より少ない場合は、乳化安定性や
重合安定性が低下し、50部を越える場合には接着剤配
合における粘度安定性が低下することがある。
0モル%以上でかつカチオン性基を分子内に0.1〜2
0モル%有するポリビニルアルコールは、分子内にカチ
オン性基を有する変性ポリビニルアルコールであれば特
に制限はないが、代表的には下記一般式(I)で表され
るカチオン性基を分子中、とくに主鎖中に有する変性ポ
リビニルアルコールが挙げられる。
を、 R2はH、CH3、C2H5またはCR3R4(CH2)
nN+(CH3)3・Z-を、 R3、R4はそれぞれHまた
はCH3を、 nは1〜9の整数を、 Z-はアニオンを表
し、 AはCH(OH)CH2、C(CH3)(OH)C
H2またはCH(OH)CH2CH2を、BはN(R5)2
またはN+(R5)3・Z-を、 R5はCH3またはC2H5
を表す。}
ビニルエステル系単量体と下記一般式(II)で表され
る単量体とを共重合し、これを鹸化することにより得ら
れる。
表的には、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジ
メチルプロピル)−アンモニウムクロライド、3−アク
リルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、N−(3−アリルオキシ−2−ヒドロ
キシプロピル)ジメチルアミンの4級アンモニウム塩、
N−(4−アリルオキシ−3−ヒドロキシブチル)ジエ
チルアミンの4級アンモニウム塩さらにはアクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メタク
リルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチル
メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等
の4級アンモニウム塩等のカチオン性単量体が挙げられ
る。なお、上記のビニルエステル系単量体としては、酢
酸ビニル以外に、ギ酸ビニル,プロピオン酸ビニル,バ
ーサチック酸ビニル,ピバリン酸ビニルなどを用いるこ
とも可能である。
性基変性ポリビニルアルコールは、本発明の効果を損な
わない範囲で、他のエチレン性不飽和単量体を共重合し
たものでも良い。このようなエチレン性不飽和単量体と
しては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、
イソブテン等のオレフィン類、アクリル酸、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、
アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸
オクタデシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタク
リル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等の
メタクリル酸エステル類、メチルビニルエーテル、n−
プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテ
ル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエー
テル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエー
テル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル
類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリ
ル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フ
ッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、酢酸アリル、
塩化アリル等のアリル化合物、フマール酸、マレイン
酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水
トリメリット酸または無水イタコン酸等のカルボキシル
基含有化合物およびそのエステル、エチレンスルホン
酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスル
ホン酸基含有化合物、ビニルトリメトキシシラン等のビ
ニルシリル化合物、酢酸イソプロペニル等が挙げられ
る。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸など
のチオール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニル
エステル系単量体とカチオン性単量体を共重合し、それ
を鹸化することによって得られる末端変性ポリビニルア
ルコールも用いることができる。
性基変性ポリビニルアルコールは、鹸化度50モル%以
上かつカチオン性基変性量が0.1〜20モル%である
ことが必要であるが、鹸化度は好ましくは70モル%以
上であり、より好ましくは90モル%以上であり、さら
に好ましくは94モル%以上である。鹸化度が50モル
%よりも低い場合には、カチオン性基変性ポリビニルア
ルコールの水溶性が低下し、接着剤の生産性低下や水性
エマルジョンとの混和安定性が低下するため好ましくな
い。また、カチオン性基変性量は好ましくは0.2〜1
8モル%、さらに好ましくは0.3〜15モル%であ
る。カチオン性基変性量が0.1モル%よりも少ない場
合には、ポリビニルアルコールの水溶性が低下するため
接着剤の生産性の低下や、溶け残りのポリビニルアルコ
ール粉末の影響で接着力低下をもたらすことがあり好ま
しくない。また、カチオン性基変性量が20モル%を越
える場合には、本接着剤の本来の性能である耐水接着性
が低下することがある。さらに、本発明の接着剤を構成
するポリビニルアルコールの重合度は、特に制限はない
が、溶解速度や接着力の観点から、好ましくは100〜
8000、より好ましくは200〜4000が用いられ
る。また、本発明のカチオン基変性ポリビニルアルコー
ルは粉末として使用することがより好適である。粉末の
粒度は、特に制限はないが、溶解性等の観点から500
μm以下が好ましく、300μm以下がより好ましい。
該カチオン基変性ポリビニルアルコールの製造時の乾燥
条件は特に制限はないが、溶解速度等の観点から好まし
くは80℃以下、より好ましくは50℃以下である。
ジョンおよび(B)鹸化度50モル%以上かつカチオン
性基を分子内に0.1〜20モル%含有するポリビニル
アルコールを主剤とし、これに(C)多価イソシアネー
ト化合物を含む構成からなる。ここで(C)多価イソシ
アネート化合物は、分子中に2個以上のイソシアネート
基を有するものであり、例えば、トリレンジイソシアネ
ート(TDI);水素化TDI;トリメチロールプロパ
ン−TDIアダクト(例えばバイエル社製,商品名:D
esmodur L);トリフェニルメタントリイソシ
アネート;メチレンビスジフェニルイソシアネート(M
DI);水素化MDI;重合MDI;ヘキサメチレンジ
イソシアネート;キシリレンジイソシアネート;4,4
−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;イソホロ
ンジイソシアネート等があげられる。その他、ポリオー
ルに過剰のポリイソシアネートで予めポリマー化した末
端基がイソシアネート基を持つプレポリマーを用いても
よい。また、(C)多価イソシアネート化合物はそのま
ま主剤に配合しても良いが、イソシアネートと実質的に
反応しない各種溶剤、例えば、ジブチルフタレートやト
ルエン等で希釈して配合しても良い。 この(C)多価
イソシアネート化合物を配合することにより、優れた接
着強度、耐水性が付与される。
マルジョンと(B)鹸化度50モル%以上かつカチオン
性基を分子内に0.1〜20モル%含有するポリビニル
アルコールの配合割合は、固形分重量比で(A)/
(B)=99.5/0.5〜50/50が通常好ましい
範囲として採用される。また、(C)多価イソシアネー
ト化合物の配合割合は、固形分重量比で{(A)+
(B)}/(C)=100/0.5〜100/100の
範囲であることが好ましく、100/1〜100/80
の範囲がより好ましい。多価イソシアネート化合物がこ
の範囲より少ない場合、接着強度、耐水性が低くなり、
また、この範囲を越えて多くなると、多価イソシアネー
ト配合後のポットライフが短くなり実用的ではないとい
う問題がある。
て、でんぷん,変性でんぷん,酸化でんぷん,アルギン
酸ソーダ,カルボキシメチルセルロース,メチルセルロ
ース,ヒドロキシメチルセルロース,無水マレイン酸−
イソブテン共重合体,無水マレイン酸−スチレン共重合
体,無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体等
の水溶性高分子化合物や尿素−ホルマリン樹脂,尿素−
メラミン−ホルマリン樹脂,フェノール−ホルマリン樹
脂等、一般に接着剤として使用されている熱硬化性樹脂
もそれぞれ適宜使用することができる。さらに、本発明
の接着剤には、クレー,カオリン,タルク,炭酸カルシ
ウム,木粉等の充填剤、小麦粉等の増量剤、酸化チタン
等の顔料あるいはその他、防腐剤,防錆剤等の各種添加
剤を必要に応じて適宜添加することができる。
ンに(B)鹸化度50モル%以上でかつカチオン性基を
分子内に0.1〜20モル%含有するポリビニルアルコ
ールを60℃以下で添加して主剤を調製し、それに
(C)多価イソシアネートを配合することを特徴とする
接着剤の製造方法をも提供する。すなわち、本発明の接
着剤は、(A)水性エマルジョンおよび(B)鹸化度5
0モル%以上でかつカチオン性基を分子内に0.1〜2
0モル%含有するポリビニルアルコールを主剤とし、こ
れに(C)多価イソシアネートを含む構成からなってお
れば、その製造方法にとくに制限はないが、その製造方
法が(A)水性エマルジョンに(B)鹸化度50モル%
以上でかつカチオン性基を分子内に0.1〜20モル%
含有するポリビニルアルコールを60℃以下で添加して
主剤を調製し、それに(C)多価イソシアネートを配合
することを特徴とする製造方法である場合に、特に主剤
製造時の安定性が高く、しかも、比較的低温において主
剤を製造することができるためエネルギーコストが安く
かつ生産性の高い接着剤組成物を得ることができる。カ
チオン基変性ポリビニルアルコールの添加温度は、好ま
しくは50℃以下であり、より好ましくは45℃以下で
ある。また、水性エマルジョンにカチオン基変性ポリビ
ニルアルコールを添加した場合には、速やかに該ポリビ
ニルアルコールが溶解し、溶け残りやエマルジョンの凝
集を起こさせないことが必要であるが、目安として、カ
チオン基変性ポリビニルアルコールとしては、その10
重量%の所定温度の水に60%以上溶解するものが好ま
しく、70%以上溶解するものがより好ましい。さら
に、該ポリビニルアルコールを水性エマルジョンに添加
する場合、膨潤ポリビニルアルコール粒子同士が凝集す
るいわゆるママコ状態となり溶解性が低下するおそれが
あるため、例えば、ポリビニルアルコールに炭酸カルシ
ウム等の無機物をあらかじめ配合したものを添加する等
の手法も好ましく用いられる。
使用されるが、なかでも木材、合板、紙、繊維、各種プ
ラスチックス等の接着に好適である。塗布量は各種の状
況に応じて適宜選定すればよい。塗布方法としては、ハ
ケによる塗工,ロールによる塗工などが挙げられる。接
着剤を塗布した後の乾燥は、室温から200℃での加熱
乾燥でも良いが、本発明の接着剤は室温乾燥する場合で
あっても十分な接着力が発現する。
さらに具体的に説明する。尚、実施例および比較例中、
「部」および「%」は特に断りのない限り重量基準を示
すものとする。
0、固形分55%、クラレ製)にポリビニルアルコール
(1)(重合度1700、鹸化度95モル%、3−アク
リルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド
2モル%変性、粒度300μm)をエマルジョン固形分
100重量部あたり5部添加し、40℃で1時間撹拌し
て主剤を調製した。主剤固形分100重量部に、ポリメ
チレンポリフェニルイソシアネート(日本ポリウレタン
社製,商品名:ミリオネートMR−100)を15部添
加し接着剤を調製した。これを用いて、以下の条件によ
り試験を行った。結果を表1〜2に示す。
観察した ○:凝集物、溶け残りポリビニルアルコールなし △:凝集物、溶け残りポリビニルアルコール少ない ×:凝集物、溶け残りポリビニルアルコール多い 2.接着試験 上記接着剤を用いて、以下の条件で接着試験を行った。 被着材:カバ/カバ(マサ目)含水量8% 塗布量:250g/m2 (両面塗布) 堆積時間:1分 圧締条件:20℃,24時間,圧力10kg/cm2 (常態強度、煮沸繰返し試験片のみ) JIS K−6852による圧縮剪断接着強度を測定 常態強度 :20℃、7日間養生後そのままの状態で測
定 煮沸繰返し:20℃で7日間養生後、試験片を煮沸水中
に4時間浸漬した後、60℃の空気中で20時間乾燥
し、更に煮沸水中に4時間浸漬してから、室温の水中に
冷めるまで浸し、濡れたままの状態で試験に供した。
容器に、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコ
ール(重合度500、鹸化度88.2mol%、メルカ
プト基含量4.5×10-5モル/g−ポリビニルアルコ
ール)5部とイオン交換水100部を入れ加熱溶解し
た。それを冷却後、硫酸でpHを3.0とした後、窒素
バブリングを行いながら70℃に昇温した。攪拌を15
0rpmとし、メタクリル酸メチル10部とアクリル酸
nーブチル10部を添加し、さらに、1%過硫酸カリウ
ム水溶液10部を添加し重合を開始した。重合開始1時
間後に、メタクリル酸メチル40部、アクリル酸n−ブ
チル38部、メタクリル酸ヒドロキシエチル2部を2時
間にわたって均一に滴下した。滴下終了後、温度を80
℃にし、1時間放置した。固形分濃度48.5%のメタ
クリル酸メチル−アクリル酸n−ブチル−メタクリル酸
ヒドロキシエチル共重合体エマルジョン(アクリルE
m)が得られた。このエマルジョンに対してポリビニル
アルコール(1)をエマルジョン固形分100重量部あ
たりを5部添加し40℃で1時間撹拌して主剤を調製し
た。主剤固形分100重量部にポリメチレンポリフェニ
ルイソシアネート(日本ポリウレタン社製,商品名:ミ
リオネートMR−100)を15部添加し接着剤を調製
した。これを用いて、実施例1と同様の評価を行った。
結果を表1〜2に示す。
12,固形分濃度50%、旭化成製)に、ポリビニルア
ルコール(1)をエマルジョン固形分100重量部あた
り5部添加し40℃で1時間撹拌して主剤を調製した。
主剤固形分100重量部にポリメチレンポリフェニルイ
ソシアネート(日本ポリウレタン社製,商品名:ミリオ
ネートMR−100)を15部添加し接着剤を調製し
た。これを用いて、実施例1と同様の評価を行った。結
果を表1〜2に示す。
りにポリビニルアルコール(2)(重合度550、鹸化
度62モル%、3−メタクリルアミドプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロライド4モル%変性、粒度400μ
m)を用いる以外は実施例3と同様に主剤を調製し、主
剤固形分100重量部にポリメチレンポリフェニルイソ
シアネート(日本ポリウレタン社製,商品名:ミリオネ
ートMR−100)を15部添加し接着剤を調製した。
これを用いて、実施例1と同様の評価を行った。結果を
表1〜2に示す。
りにエマルジョン固形分100重量部あたりポリビニル
アルコール(1)2.5部とポリビニルアルコール
(3)(重合度1700、鹸化度88モル%、3−メタ
クリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライ
ド1モル%変性、粒度300μm)2.5部を用いる以
外は実施例3と同様に主剤を調製し、主剤固形分100
重量部にポリメチレンポリフェニルイソシアネート(日
本ポリウレタン社製,商品名:ミリオネートMR−10
0)を15部添加し接着剤を調製した。これを用いて、
実施例1と同様の評価を行った。結果を表1〜2に示
す。
ルジョン固形分100重量部あたり10部用いる以外は
実施例3と同様に主剤を調製し、主剤固形分100重量
部にポリメチレンポリフェニルイソシアネート(日本ポ
リウレタン社製,商品名:ミリオネートMR−100)
を15部添加し接着剤を調製した。これを用いて、実施
例1と同様の評価を行った。結果を表1〜2に示す。
ルジョン固形分100重量部あたり1部用いる以外は実
施例3と同様に主剤を調製し、主剤固形分100重量部
にポリメチレンポリフェニルイソシアネート(日本ポリ
ウレタン社製,商品名:ミリオネートMR−100)を
15部添加し接着剤を調製した。これを用いて、実施例
1と同様の評価を行った。結果を表1〜2に示す。
ネート(日本ポリウレタン社製,商品名:ミリオネート
MR−100)を3部を用いる以外は実施例3と同様に
接着剤を調製した。これを用いて、実施例1と同様の評
価を行った。結果を表1〜2に示す。
カルシウムを5重量%あらかじめ配合したものを添加す
る以外は実施例3と同様にした。結果を表1〜2に示
す。
度1700、鹸化度98モル%、無変性、粒度350μ
m)をエマルジョン固形分100重量部あたり5部用い
る以外は実施例3と同様に主剤を調製し、主剤固形分1
00重量部にポリメチレンポリフェニルイソシアネート
(日本ポリウレタン社製,商品名:ミリオネートMR−
100)を15部添加し接着剤を調製した。これを用い
て、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1〜2に
示す。
度1700、鹸化度45モル%、3−アクリルアミドプ
ロピルトリメチルアンモニウムクロライド2モル%変
性、粒度350μm)をエマルジョン固形分100重量
部あたり5部用いる以外は実施例3と同様に主剤を調製
し、主剤固形分100重量部にポリメチレンポリフェニ
ルイソシアネート(日本ポリウレタン社製,商品名:ミ
リオネートMR−100)を15部添加し接着剤を調製
した。これを用いて、実施例1と同様の評価を行った。
結果を表1〜2に示す。
外は実施例3と同様にした。これを用いて、実施例1と
同様の評価を行った。結果を表1〜2に示す。
ネート(日本ポリウレタン社製,商品名:ミリオネート
MR−100)を用いない以外は実施例3と同様にし
た。これを用いて、実施例1と同様の評価を行った。結
果を表1〜2に示す。
れた接着剤を提供することができ、さらに主剤製造時の
安定性が高く、しかも、比較的低温において主剤を製造
することができるためエネルギーコストが安くかつ生産
性の高い接着剤の製造方法を提供することができる。し
たがって、本発明の接着剤は、各種の被着体を接着する
場合に適用できるが、特に木材用、合板用接着剤に好適
に使用できる。また、木材同士の接着の他、木材と紙,
繊維製品類,無機質板,各種プラスチックス等との接着
にも使用可能である。
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)水性エマルジョンおよび(B)鹸
化度50モル%以上でかつカチオン性基を分子内に0.
1〜20モル%有するポリビニルアルコールを主剤と
し、これに(C)多価イソシアネートを含む接着剤。 - 【請求項2】 (A)水性エマルジョンと(B)鹸化度
50モル%以上でかつ下記一般式(I)で表されるカチ
オン性基を分子内に0.1〜20モル%有するポリビニ
ルアルコールを主剤とし、これに(C)多価イソシアネ
ートを含む接着剤。 【化1】 但し X;H または CH3 Y;CONR1R2 または CH2OCH2AB {R1はH、CH3、C2H5、n−C3H7またはi−C3
H7を、 R2はH、CH3、C2H5またはCR3R4(CH
2)nN+(CH3)3・Z-を、 R3、R4はそれぞれHま
たはCH3を、 nは1〜9の整数を、 Z-はアニオンを
表し、 AはCH(OH)CH2、C(CH3)(OH)
CH2またはCH(OH)CH2CH2を、BはN(R5)
2 またはN+(R5)3・Z−を、 R5はCH3またはC2
H5を表す。} - 【請求項3】 (A)水性エマルジョンに(B)鹸化度
50モル%以上でかつカチオン性基を分子内に0.1〜
20モル%有するポリビニルアルコールを60℃以下で
添加して主剤を調製し、これに(C)多価イソシアネー
トを配合することを特徴とする接着剤の製造方法。
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---|---|---|---|
JP35256597A JP3590514B2 (ja) | 1997-12-22 | 1997-12-22 | 接着剤およびその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005015710A (ja) * | 2003-06-27 | 2005-01-20 | Honen Corp | 水性2液型プラスチック材料用接着剤組成物 |
-
1997
- 1997-12-22 JP JP35256597A patent/JP3590514B2/ja not_active Expired - Fee Related
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