JPH11279506A - 水性接着剤の製造方法および積層体 - Google Patents

水性接着剤の製造方法および積層体

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JPH11279506A
JPH11279506A JP36089398A JP36089398A JPH11279506A JP H11279506 A JPH11279506 A JP H11279506A JP 36089398 A JP36089398 A JP 36089398A JP 36089398 A JP36089398 A JP 36089398A JP H11279506 A JPH11279506 A JP H11279506A
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JP
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adhesive
aqueous
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pva
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JP36089398A
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English (en)
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Masato Nakamae
昌人 仲前
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着強度、とくに初期接着強度に優れた水性
接着剤を提供し、さらに主剤製造時の安定性が高く、し
かも、比較的低温において主剤を製造することができ、
エネルギーコストが安くかつ生産性の高い水性接着剤の
製造方法を提供すること。 【解決手段】(A)水性エマルジョンに、(B)40℃の
水へ1時間浸漬後の溶解度が50重量%以上であり、か
つ1重量%水溶液の表面張力が45mN/m以上である
ポリビニルアルコール粉末を添加して主剤を調製し、こ
れに(C)多価イソシアネート系化合物を配合すること
を特徴とする水性接着剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性接着剤の製造
方法に関し、詳しくは、接着強度、とくに初期接着強度
に優れた、しかも主剤製造時の安定性が高く、さらに比
較的低温において主剤を製造することができるためエネ
ルギーコストが安くかつ生産性の高い水性接着剤の製造
方法に関するものものである。
【0002】
【従来の技術】水溶性高分子,水性エマルジョンおよび
イソシアネート系化合物を主成分とする接着剤は、従来
のアミノプラスト系接着剤とは異なりホルマリンの発生
がなく、常温で比較的短時間圧締するだけで、極めて高
い接着強度および耐水性が得られることから、木材用、
合板用、各種プラスチックス用接着剤として賞用されて
いる(例えば特開昭48−94739号公報,同50−
69139号公報)。このような状況下で、近年、水性
高分子およびイソシアネート系化合物からなる木材接着
剤についてのJISも制定されている。また、近年、こ
の種の接着剤は、接着剤からのホルマリンの発生が実質
的にないことから、アミノ樹脂系接着剤よりも人体や環
境に優しい接着剤として、特に合板製造用として注目さ
れている。
【0003】水溶性高分子、水性エマルジョンおよびイ
ソシアネート系化合物からなる接着剤は、従来、水性高
分子であるポリビニルアルコールを加熱溶解して得た水
溶液を水性エマルジョンに添加したものを主たる成分と
する主剤に、架橋剤としてイソシアネート化合物を使用
前に添加して使用されていた。ところが、生産ラインの
拡充や生産規模の拡大が行われる中で、より効率よく主
剤を製造する必要性が高まっている。そこで、比較的低
温において主剤を製造することができれば、水溶性高分
子を溶解して水溶液とするためのエネルギーコストが安
くなり、かつ接着剤主剤の生産性が上がり、効率良く主
剤を製造することが可能である。特に、水溶性高分子を
水性エマルジョンに添加し、比較的低温で短時間に溶解
することができれば、生産性、作業性が顕著に上がるだ
けではなく、接着剤を使用する場所、すなわち、オンサ
イトで容易に接着剤を配合できることからさらなるメリ
ットが生じる。また、上記の従来の接着剤は、初期接着
強度が充分満足すべきものではなく、さらに初期接着強
度の改善が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術における課題を解決し、主剤製造時の安定性が高
く、しかも、比較的低温において主剤を製造することが
できるためエネルギーコストが安くかつ生産性の高い水
性接着剤の製造方法を提供し、さらに接着強度、とくに
初期接着強度に優れた、さらに煮沸繰り返し強度の優れ
た水性接着剤を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、(A)水性
エマルジョンと(B)40℃の水へ1時間浸漬後の溶解
度が50重量%以上であり、かつ1重量%水溶液の表面
張力が45mN/m以上であるポリビニルアルコール粉
末を配合して主剤を調製し、これに(C)多価イソシア
ネート系化合物を配合する水性接着剤の製造方法を提供
することによって達成される。また、上記接着剤の製造
方法は、(A)と(B)を配合して、60℃以下の条件下
に主剤を調製することによってより好適に実施される。
また、上記接着剤の製造方法は、(B)ポリビニルアル
コール粉末として、粒度500μm以下のポリビニルア
ルコール粉末を使用することによってより好適に実施さ
れる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の水性接着剤を構成する
(A)水性エマルジョンは、分散剤として従来公知のア
ニオン性、カチオン性、両性、非イオン性低分子界面活
性剤や各種ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセ
ルロース等の水溶性高分子(保護コロイド)を単独ある
いは二種以上含む水溶液中で、ラジカル重合可能なエチ
レン性不飽和単量体及びジエン系単量体を乳化重合して
得られる乳化重合型の水性エマルジョンやポリウレタン
エマルジョンに代表されるポリマーの後乳化法により得
られる水性エマルジョンが単独あるいは二種以上併用さ
れる。
【0007】本発明の水性接着剤を構成する(A)水性
エマルジョンの分散質を構成するエチレン性不飽和単量
体としては、エチレン、プロピレン、イソブテン等のオ
レフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン類、蟻
酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチ
ック酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル
類、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、ア
クリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリ
ル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ヒドロキ
シプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等のアク
リル酸エステル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、
メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸ヒドロキ
シエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリ
ル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピ
ルトリメチルアンモニウムクロライド等のメタクリル酸
エステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−
メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸およびそのナトリウム塩のアクリルアミド、トリメチ
ル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−
アンモニウムクロライド、3−アクリルアミドプロピル
トリメチルアンモニウムクロライド、3−メタクリルア
ミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、N−
メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、ジ
アセトンアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等のニトリル類、酢酸アリル、塩化アリル等
のアリル化合物、スチレン、α−メチルスチレン、P−
メチルスチレンスルホン酸およびそのナトリウム、カリ
ウム塩等のスチレン系単量体類、その他N−ビニルピロ
リドン等が挙げられ、またジエン系単量体としては、ブ
タジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
これらの水性エマルジョンのうち、ブタジエンなどのジ
エン類を単量体単位として含有する重合体の水性エマル
ジョン、たとえばスチレンーブタジエン系共重合体水性
エマルジョン;(メタ)アクリル酸エステルを単量体単
位として含有する重合体水性エマルジョン、たとえばメ
タアクリ酸エステルーアクリル酸エステル系共重合体水
性エマルジョン;酢酸ビニルなどのビニルエステルを単
量体単位として含有する重合体水性エマルジョン、たと
えばエチレンー酢酸ビニル系共重合体水性エマルジョン
が好適なものとしてあげられる。
【0008】本発明の水性接着剤を構成する乳化重合型
水性エマルジョンを得るための乳化重合を実施するにあ
たっては、水、上記の分散剤、および重合開始剤の存在
下に、上記単量体を一時または連続的に添加して、加
熱、撹拌するような通常の乳化重合法が実施しうるし、
また、単量体を予め分散剤水溶液と混合乳化したものを
連続的に添加する方法も実施し得る。重合開始剤として
は、特に制限されるものではなく、例えば、過硫酸カリ
ウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化
水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二
塩酸塩、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパ
ーオキサイド、イソプロピルベンゼンパーオキサイド等
が単独あるいは重亜硫酸ナトリウム、酒石酸、L−アス
コルビン酸、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレ
ート、硫酸第一鉄等の還元剤と併用したレドックス系で
用いられる。
【0009】本発明の水性接着剤を構成する(A)水性
エマルジョンにおける分散剤の使用量としては、乳化重
合型水性エマルジョンあるいは後乳化型水性エマルジョ
ン共に特に制限はないが、通常単量体100重量部に対
して0.2〜50重量部、好ましくは0.5〜20重量
部である。分散剤が0.2重量部より少ない場合は、乳
化安定性や重合安定性が低下し、50部を越える場合に
は接着剤配合における粘度安定性が低下することがあ
る。
【0010】本発明の水性接着剤の製造方法に用いられ
る(B)ポリビニルアルコール(PVA)粉末は、40
℃の水へ1時間浸漬後の溶解度が50重量%以上であ
り、かつPVAの1重量%水溶液の表面張力が45mN
/m以上であることが重要である。この要件を満足する
PVA粉末を使用することにより、後述する実施例から
明らかなように、低温下で主剤を調製した場合でも、凝
集の発生はないかまたは少なく、そのために低エネルギ
ーで主剤を調製することができる。またこのようにして
得た主剤の低温粘度安定性は優れている。さらにまたこ
の主剤に多価イソシアネートを配合して得た接着剤はと
くに初期接着強度に優れ、さらに煮沸繰り返し接着強度
にも優れている。好適な溶解度は60重量%以上、さら
に好適には70重量%以上である。また好適な表面張力
は50mN/m以上であり、さらに好適には50〜70
mN/mである。
【0011】溶解度が50重量%より小さいか、または
表面張力が45mN/mより小さいPVA粉末を使用
し、低温下に主剤を調製する場合は、後述する比較例か
ら明らかなように凝集が発生したり、PVAの溶け残り
がああったり、また常態接着力。煮沸繰り返し接着力が
十分でなかったりする。このような溶解度を有するPV
Aは、PVAのけん化度、重合度、粒度、などを適宜選
択することによって得られ、また上記のような表面張力
を有するPVAは、けん化度、重合度を適宜選択するこ
とによって得られる。このように上記溶解度および表面
張力を有するPVAは上記の種々の要因によって得られ
るが、けん化度については70モル%以上、好適には8
0〜96モル%の範囲から、重合度については100〜
8000、好適には400〜4000の範囲から選ばれ
る。また、PVAは粉末であることが重要であり、その
粒度については好適には500μm以下の範囲から選ば
れる。PVA粉末を使用することにより、PVAを一旦水
に加え、加熱して水溶液とする必要がとくにないので、
エネルギーコストが安くなるし、また後述する実施例か
らも明らかなように初期接着強度の優れた、さらに煮沸
繰り返し強度の優れた接着剤を得ることができる。
【0012】このような条件を満足するPVA粉末とし
ては、たとえば、重合度1700タイプのPVAの場合
は、けん化度87モル%以上、好適には94モル%以上
で、粒度200以下のPVAが好適なものとして例示され
る。ここで、溶解度とは、40℃の水にPVAを10重
量%となるように添加し、1時間攪拌した後、200メ
ッシュ金網での濾過残さ率により算出した濾過率(重量
%)を示す。また、表面張力とは、1重量%のPVA水溶
液(20℃)を「ウイルヘルミ型表面張力計」で測定し
た値{mN(ミリニュートン)/m(メーター)}を示
す。
【0013】このようなPVAは様々な方法により得る
ことができるが、例えば、ビニルエステルを、バルク重
合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の従来公知の重合
方法により重合した重合体をアルカリあるいは酸条件下
で鹸化度70モル%以上に鹸化することにより得られ
る。この際の鹸化方式も特に制限はなく、従来公知のベ
ルト方式やスラリー方式が採用できる。ビニルエステル
としては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられるが、酢酸ビニル
が好ましい。
【0014】また、本発明の(B)PVA粉末として、
粒度500μm以下の粉末を用い、これを(A)水性エ
マルジョンに配合して主剤を調製することが、本発明の
目的を達成する上で最良でる。そのPVA粒度が300
μm以下であることが好適であり、さらに好適には20
0μm以下、最適には100μm以下である。また粒度
の下限値としては40μm以上、さらには50μm以上
が好適である。このような粒度を有するPVA粉末を使
用することにより、低エネルギーコストで主剤を調製す
ることができ、また高性能の接着剤を得ることができ
る。このようなPVA粉末を得る方法は特に制限はない
が、例えば、鹸化後に各種湿式あるいは乾式粉砕機を用
いて強制粉砕したものや工程上自然発生した微粉を物理
的にふるい分けしたものが通常用いられる。その際のP
VA粉末の乾燥条件は特に制限はないが、PVA粉末の
溶解速度等の観点から好ましくは80℃以下、さらに好
ましくは50℃以下である。なお、ここで、粒度は平均
粒子径であり、JIS篩によって測定した各分画毎の重
量の積算値が50%となる点の粒径(メデイアン径)と
して表わしたものである。
【0015】本発明の水性接着剤の製造方法に使用する
(B)PVA粉末は、本発明の効果を損なわない範囲
で、エチレン性不飽和単量体を共重合したものでも良
い。このようなエチレン性不飽和単量体としては、例え
ば、エチレン、プロピレン、イソブテン、アクリル酸、
メタクリル酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン
酸、(無水)イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリ
メチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピ
ル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩、エチル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピ
ロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩
化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチ
レン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸
ナトリウムなどが挙げられる。また、チオール酢酸、メ
ルカプトプロピオン酸などのチオール化合物の存在下
で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を重合
し、それを鹸化することによって得られる末端変性PV
Aも用いることができる。
【0016】上記(A)水性エマルジョンに(B)PV
A粉末を添加した主剤に、(C)多価イソシアネート化
合物を配合する。ここで(C)多価イソシアネート化合
物は、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するも
のであり、例えば、トリレンジイソシアネート(TD
I);水素化TDI;トリメチロールプロパン−TDI
アダクト(例えばバイエル社製,商品名:Desmod
ur L);トリフェニルメタントリイソシアネート;
メチレンビスジフェニルイソシアネート(MDI);水
素化MDI;重合MDI;ヘキサメチレンジイソシアネ
ート;キシリレンジイソシアネート;4,4−ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート;イソホロンジイソシ
アネート等があげられる。その他、ポリオールに過剰の
ポリイソシアネートで予めポリマー化した末端基がイソ
シアネート基を持つプレポリマーを用いてもよい。ま
た、(C)多価イソシアネート化合物はそのまま主剤に
配合しても良いが、イソシアネートと実質的に反応しな
い各種溶剤、例えば、ジブチルフタレートやトルエン等
で希釈して配合しても良い。 この(C)多価イソシア
ネート化合物を配合することにより、優れた接着強度お
よび煮沸繰り返し強度が付与される。
【0017】本発明の水性接着剤においては、(A)水
性エマルジョンと(B)PVA粉末の配合割合は、固形
分重量比で(A)/(B)=99.5/0.5〜50/
50が通常好ましい範囲として採用される。また、
(C)多価イソシアネート化合物の配合割合は、固形分
重量比で{(A)+(B)}/(C)=100/0.5
〜100/100の範囲であることが好ましく、100
/1〜100/80の範囲がより好ましい。多価イソシ
アネート化合物がこの範囲より少ない場合、接着強度、
煮沸繰り返し強度が低くなり、また、この範囲を越えて
多くなると、多価イソシアネート配合後のポットライフ
が短くなり実用的ではないという問題がある。
【0018】また、本発明の水性接着剤中には、必要に
応じて、でんぷん,変性でんぷん,酸化でんぷん,アル
ギン酸ソーダ,カルボキシメチルセルロース,メチルセ
ルロース,ヒドロキシメチルセルロース,無水マレイン
酸−イソブテン共重合体,無水マレイン酸−スチレン共
重合体,無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合
体等の水溶性高分子化合物や尿素−ホルマリン樹脂,尿
素−メラミン−ホルマリン樹脂,フェノール−ホルマリ
ン樹脂等、一般に接着剤として使用されている熱硬化性
樹脂もそれぞれ適宜使用することができる。さらに、本
発明の水性接着剤には、クレー,カオリン,タルク,炭
酸カルシウム,木粉等の充填剤、小麦粉等の増量剤、酸
化チタン等の顔料あるいはその他、防腐剤,防錆剤等の
各種添加剤を必要に応じて適宜添加することができる。
【0019】さらに、本発明は、(A)水性エマルジョ
ンに(B)PVA粉末を添加して60℃以下の条件下に
主剤を調製し、それに(C)多価イソシアネートを配合
する水性接着剤の製造方法をも提供する。本発明の製造
法は、特に主剤製造時の安定性が高く、しかも、比較的
低温において主剤を製造することができるためエネルギ
ーコストが安くかつ生産性の高い水性接着剤を得ること
ができる。 PVA粉末を、好ましくは50℃以下、よ
り好ましくは45℃以下の条件下に水性エマルジョンに
配合して主剤を調製する。好適な下限値は5℃以上、さ
らに好ましくは10℃以上である。さらに、該PVA粉
末を水性エマルジョンに添加する場合に、膨潤PVA粒
子同士が凝集するいわゆるママコ状態となり溶解性が低
下する恐れがある場合は、例えば、PVAに炭酸カルシ
ウム等の無機物をあらかじめ配合したものを添加する等
の手法も好ましく用いられる。
【0020】本発明の水性接着剤は、各種の被着体の接
着に使用され、各種積層体を得ることができる。被着体
としては、木材、合板、紙、繊維、各種プラスチックス
等が挙げられ、積層体としては木質系積層体、合板積層
体が好適なものとして挙げられる。塗布量は各種の状況
に応じて適宜選定すればよい。塗布方法としては、ハケ
による塗工,ロールによる塗工などが挙げられる。接着
剤を塗布した後の乾燥は、室温から200℃での加熱乾
燥でも良いが、本発明の接着剤は室温乾燥する場合であ
っても十分な接着力が発現する。
【0021】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。尚、実施例および比較例中、
「部」および「%」は特に断りのない限り重量基準を示
すものとする。
【0022】実施例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(OM-420
0、固形分55%、クラレ製)にPVA粉末(1)(重合度
1700、鹸化度95モル%、粒度90μm、溶解度8
8重量%、表面張力55mN/m)をエマルジョン固形
分100重量部あたり5部添加し、40℃で1時間攪拌
して主剤を調製した。主剤固形分100重量部に、ポリ
メチレンポリフェニルイソシアネート(日本ポリウレタ
ン社製,商品名:ミリオネートMR−100)を15部
添加し接着剤を調製した。これを用いて、以下の条件に
より試験を行った。結果を表1〜3に示す。
【0023】〔試験条件〕 1.主剤の低温粘度安定性:主剤を5℃で、7日間放置
した後、外観を観察した。 ○:外観上変化なし ×:ゲル化 2.主剤の状態: ・目視観察:主剤をガラス板状に薄く塗りつけた状態を
観察した ○:凝集物なし ×:凝集物多い 3.接着試験 上記接着剤を用いて、以下の条件で接着試験を行った。 被着材:カバ/カバ(マサ目)含水量8% 塗布量:250g/m2 (両面塗布) 堆積時間:1分 圧締条件:20℃,24時間,圧力10kg/cm
2(常態強度、煮沸繰返し試験片のみ) JIS K−6852による圧縮剪断接着強度を測定 常態強度 :20℃、7日間養生後そのままの状態で測
定 煮沸繰返し強度:20℃で7日間養生後、試験片を煮沸
水中に4時間浸漬した後、60℃の空気中で20時間乾
燥し、更に煮沸水中に4時間浸漬してから、室温の水中
に冷めるまで浸し、濡れたままの状態で試験に供した。 初期接着強度:はり合わせ後、20℃で、10kg/c
2の圧力で10分間圧締し、直ちに測定した。
【0024】実施例2 撹拌機、窒素吹き込み口、温度計を備えたガラス製重合
容器に、末端にメルカプト基を有するPVA(重合度5
00、鹸化度88.2mol%、メルカプト基含量4.
5×10-5モル/g−PVA)5部とイオン交換水10
0部を入れ加熱溶解した。それを冷却後、硫酸でpHを
3.0とした後、窒素バブリングを行いながら70℃に
昇温した。撹拌を150rpmとし、メタクリル酸メチ
ル10部とアクリル酸nーブチル10部を添加し、さら
に、1%過硫酸カリウム水溶液10部を添加し重合を開
始した。重合開始1時間後に、メタクリル酸メチル40
部、アクリル酸n−ブチル38部、メタクリル酸ヒドロ
キシエチル2部を2時間にわたって均一に滴下した。滴
下終了後、温度を80℃にし、1時間放置した。固形分
濃度48.5%のメタクリル酸メチル−アクリル酸n−
ブチル−メタクリル酸ヒドロキシエチル共重合体エマル
ジョン(アクリルEm)が得られた。このエマルジョン
に対してPVA粉末(1)をエマルジョン固形分100
重量部あたりを5部添加し40℃で1時間攪拌して主剤
を調製した。主剤固形分100重量部にポリメチレンポ
リフェニルイソシアネート(日本ポリウレタン社製,商
品名:ミリオネートMR−100)を15部添加し接着
剤を調製した。これを用いて、実施例1と同様の評価を
行った。結果を表1〜3に示す。
【0025】実施例3 スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン(DL−6
12,固形分濃度50%、旭化成製)に、PVA粉末
(1)をエマルジョン固形分100重量部あたり5部添
加し40℃で1時間攪拌して主剤を調製した。主剤固形
分100重量部にポリメチレンポリフェニルイソシアネ
ート(日本ポリウレタン社製,商品名:ミリオネートM
R−100)を15部添加し、接着剤を調製した。これ
を用いて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1
〜3に示す。
【0026】実施例4 実施例3において、PVA粉末(1)の代わりにPVA
粉末(2)(重合度550、鹸化度88モル%、粒度2
00μm、溶解度90重量%、表面張力50mN/m)
を用いる以外は実施例3と同様に主剤を調製し、主剤固
形分100重量部にポリメチレンポリフェニルイソシア
ネート(日本ポリウレタン社製,商品名:ミリオネート
MR−100)を15部添加し、接着剤を調製した。こ
れを用いて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表
1〜3に示す。
【0027】実施例5 実施例3において、PVA粉末(1)の代わりにエマル
ジョン固形分100重量部あたりPVA粉末(1)2.
5部とPVA粉末(3)(重合度1700、鹸化度88
モル%、粒度100μm、溶解度95重量%、表面張力
52mN/m)2.5部を用いる以外は実施例3と同様
に主剤を調製し、主剤固形分100重量部にポリメチレ
ンポリフェニルイソシアネート(日本ポリウレタン社
製,商品名:ミリオネートMR−100)を15部添加
し、接着剤を調製した。これを用いて、実施例1と同様
の評価を行った。結果を表1〜3に示す。
【0028】実施例6 実施例3において、PVA粉末(1)をエマルジョン固
形分100重量部あたり10部用いる以外は実施例3と
同様に主剤を調製し、主剤固形分100重量部にポリメ
チレンポリフェニルイソシアネート(日本ポリウレタン
社製,商品名:ミリオネートMR−100)を15部添
加し、接着剤を調製した。これを用いて、実施例1と同
様の評価を行った。結果を表1〜3に示す。
【0029】実施例7 実施例3において、PVA粉末(1)をエマルジョン固
形分100重量部あたり1部用いる以外は実施例3と同
様に主剤を調製し、主剤固形分100重量部にポリメチ
レンポリフェニルイソシアネート(日本ポリウレタン社
製,商品名:ミリオネートMR−100)を15部添加
し、接着剤を調製した。これを用いて、実施例1と同様
の評価を行った。結果を表1〜3に示す。
【0030】実施例8 実施例3において、ポリメチレンポリフェニルイソシア
ネート(日本ポリウレタン社製,商品名:ミリオネート
MR−100)を3部を用いる以外は実施例3と同様に
接着剤を調製した。これを用いて、実施例1と同様の評
価を行った。結果を表1〜3に示す。
【0031】実施例9 実施例3において、PVA粉末(1)に炭酸カルシウム
を5重量%あらかじめ配合したものを添加する以外は実
施例3と同様にした。結果を表1〜3に示す。
【0032】比較例1 実施例3において、PVA粉末(4)(重合度170
0、鹸化度70モル%、粒度600μm、溶解度99重
量%、表面張力42mN/m)をエマルジョン固形分1
00重量部あたり5部用いる以外は実施例3と同様に主
剤を調製し、主剤固形分100重量部にポリメチレンポ
リフェニルイソシアネート(日本ポリウレタン社製,商
品名:ミリオネートMR−100)を15部添加し、接
着剤を調製した。これを用いて、実施例1と同様の評価
を行った。結果を表1〜3に示す。
【0033】比較例2 実施例3において、PVA粉末(5)(重合度170
0、鹸化度95モル%、粒度600μm、溶解度45重
量%、表面張力55mN/m)をエマルジョン固形分1
00重量部あたり5部用いる以外は実施例3と同様に主
剤を調製し、主剤固形分100重量部にポリメチレンポ
リフェニルイソシアネート(日本ポリウレタン社製,商
品名:ミリオネートMR−100)を15部添加し、接
着剤を調製した。これを用いて、実施例1と同様の評価
を行った。結果を表1〜3に示す。
【0034】比較例3 実施例3において、PVA粉末(1)をエマルジョン固
形分100重量部あたり5重量部添加する代わりに、P
VA粉末(1)を95℃の水に入れ、1時間攪拌して得
たPVA水溶液(濃度10%)をエマルジョン固形分1
00重量部あたりPVA固形分で5重量部になるように
添加し、以下実施例3と同様にして接着剤を調製した。
これを用いて、実施例1と同様の評価を行った。結果を
表1〜3に示す。
【0035】比較例4 実施例3において、PVA粉末(1)をエマルジョン固
形分100重量部あたり5重量部添加する代わりに、P
VA粉末(6)(重合度1700、けん化度98モル
%、粒度600μm、溶解度21重量%、表面張力60
mN/m)を95℃の水に入れ、1時間攪拌して得たP
VA水溶液(濃度10%)をエマルジョン固形分100
重量部あたりPVA固形分で5重量部になるように添加
し、以下実施例3と同様にして接着剤を調製した。これ
を用いて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1
〜3に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、接着強度,とくに初期
接着強度の優れた、また煮沸繰り返し強度の優れた水性
接着剤を提供することができ、さらに主剤製造時の安定
性が高く、しかも、比較的低温において主剤を製造する
ことができるためエネルギーコストが安くかつ生産性の
高い水性接着剤の製造方法を提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)水性エマルジョンと(B)40℃の水
    へ1時間浸漬後の溶解度が50重量%以上であり、かつ
    1重量%水溶液の表面張力が45mN/m以上であるポ
    リビニルアルコール粉末を配合して主剤を調製し、これ
    に(C)多価イソシアネート系化合物を配合することを
    特徴とする水性接着剤の製造方法。
  2. 【請求項2】(A)と(B)を配合して、60℃以下の条
    件下に主剤を調製する請求項1記載の水性接着剤の製造
    方法。
  3. 【請求項3】(B)ポリビニルアルコール粉末が、粒度
    500μm以下のポリビニルアルコール粉末である請求
    項1または2記載の水性接着剤の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいづれかの項に記載の接着
    剤を用いて得られる積層体。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいづれかの項に記載の接着
    剤を用いて得られる木質系積層体。
  6. 【請求項6】請求項1〜3のいづれかの項に記載の接着
    剤を用いて得られる合板積層体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102807833A (zh) * 2012-08-28 2012-12-05 东莞市山力高分子材料科研有限公司 一种水性无机硅-有机硅-聚氨酯粘合剂及其制备方法
CN103031088A (zh) * 2012-12-03 2013-04-10 镇江智鹰照明光源有限公司 一种灯具专用粘合剂及其制备方法

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