JPH11178905A - シート状材料及びこれを用いた空気浄化用触媒構造体並びに空気清浄機 - Google Patents

シート状材料及びこれを用いた空気浄化用触媒構造体並びに空気清浄機

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JPH11178905A
JPH11178905A JP9354330A JP35433097A JPH11178905A JP H11178905 A JPH11178905 A JP H11178905A JP 9354330 A JP9354330 A JP 9354330A JP 35433097 A JP35433097 A JP 35433097A JP H11178905 A JPH11178905 A JP H11178905A
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Japan
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sheet
deodorizing
adsorbent
air
odorous
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Application number
JP9354330A
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English (en)
Inventor
Teiichi Usami
禎一 宇佐見
Kenkichi Kagawa
謙吉 香川
Takayuki Nakamura
隆之 中村
Tadashi Ino
忠 伊野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒又は吸着剤を含む柔軟なシート状材料
(1) を利用した空気清浄機を構成する。 【解決手段】 粉末状の触媒と吸着剤とをフィブリル化
したポリテトラフルオロエチレンに担持させて一体のシ
ート状材料(1) を形成する。このシート状材料(1) を所
定の幅及び長さに形成して、複数枚の脱臭シート(21a〜
21e) を形成する。また、一対の巻取りロール(22R,22L)
と一対のシートガイド(23R,23L) とを設け、各脱臭シ
ート(21a〜21e) の端部を両巻取りロール(22R,22L) に
取り付けると共に、各脱臭シート(21a〜21e) を両シー
トガイド(23R,23L) に掛け渡す。この状態で、巻取りロ
ール(22R,22L) の正逆転し、各脱臭シート(21a〜21e)
が、吸着部(26) を展開状態で左右に移動する。更に、
一方の巻取りロール(22R) を、再生部(27) の内部に設
ける。そして、ケーシング内に脱臭シート(21a〜21e)や
ファン等を収納し、空気清浄機を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末状の物質をシ
ート状に形成したシート状材料と、これを利用した空気
浄化用触媒構造体及び空調機に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、テトラフルオロエチレン(以
下、TFEという)を乳化重合して得られるポリテトラ
フルオロエチレン(以下、PTFEという)は、特開平
4−154842号公報に開示されているように、剪断
力を受けるとフィブリル化するという特異な性質を有す
ることが知られており、この性質を利用して粉体の結着
剤として利用されている。即ち、粉体に上記PTFEを
混入して攪拌するとPTFEがフィブリル化し、このフ
ィブリル化したPTFEによって粉体が担持されて団塊
状となり、これを更に圧延してシート状材料が形成され
ている。そして、例えば、WO96/12764に開示
されているように、粉末状の電極材料に結着剤としてP
TFEを加えて圧延したシート状材料は、電池用のシー
ト状電極として利用されている。
【0003】また、従来より、臭気物質又は有害物質を
吸着する吸着剤と臭気物質又は有害物質を分解する触媒
とが触媒構造体を形成し、この触媒構造体が空気清浄等
に利用されている。例えば、触媒構造体は、特開平5−
146683号公報に開示されているように、吸着剤と
してのゼオライト等と触媒としての白金族金属とから成
る触媒被覆層を、金属やガラス、セラミック等から成る
基材表面に形成して構成されている。そして、上記触媒
構造体は、臭気物質又は有害物質を吸着剤によって吸着
する一方、ヒータによって加熱され、吸着剤に吸着され
た臭気物質又は有害物質を脱離させることにより該吸着
剤の再生が行われる。この再生と同時に触媒が加熱によ
って活性化し、該触媒が、吸着剤より脱離した臭気物質
又は有害物質を分解し、該臭気物質又は有害物質を無臭
化及び無害化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PTF
Eによって粉体をシート状に形成することは従来より行
われているが、触媒や吸着剤から成る触媒構造体をシー
ト状に形成するためには活用されていないという問題が
あった。つまり、PTFEが粉末状の触媒や吸着剤の結
着剤として充分に活用されていないという問題があっ
た。
【0005】また、従来の触媒構造体は、金属等の基材
の表面に触媒被覆層を形成するようにしていたため、触
媒構造体を複雑な形状に形成することが困難で、触媒構
造体に充分な空気清浄能力を発揮させることができない
という問題があった。つまり、触媒構造体に充分な空気
清浄能力を発揮させるには触媒構造体の表面積を拡大
し、触媒構造体と空気との接触面積をなるべく大きくす
るのが望ましい。一方、触媒構造体は空調機等の内部の
限られたスペースに設置されるため、小型であることが
必要である。従って、触媒構造体の表面積の拡大と小型
化とを両立させるためには、例えば、ハニカム形状やひ
だ折り形状等の複雑な形状に形成することが必要とな
る。これに対して、従来の触媒構造体は、上記のような
複雑形状に形成することが困難であり、その表面積を拡
大することができず、この結果、充分な空気清浄能力を
発揮できないという問題があった。
【0006】また、吸着剤は臭気物質又は有害物質を所
定量吸着すると吸着能力が低下するため、吸着剤の加熱
して再生する必要がある。しかし、従来の触媒構造体
は、上述のように基材を備えているため柔軟性がなく、
吸着剤の再生を効率的に行うことができないという問題
があった。つまり、触媒構造体には柔軟性がないため、
臭気物質又は有害物質を吸着する際と同じ状態のままで
触媒構造体を加熱しなければならなかった。このため、
例えば、室内を冷房中に触媒構造体の再生を行う際に
は、触媒構造体からの放熱が多くなり、触媒構造体の加
熱を速やかに行うことができず、加熱に要するエネルギ
ーも多大に必要となり、この結果、吸着剤の再生を効率
的に行うことができないという問題があった。
【0007】また、柔軟な触媒構造体を形成する試み
は、従来より行われている。具体的には、一般的な有機
ポリマーをバインダーとして用いて粉末状の触媒又は吸
着剤をシート状に形成することが試みられている。しか
し、この触媒構造体では、厚さの薄いシート状に形成す
ることが困難で柔軟性が不十分であったり、有機ポリマ
ーが触媒や吸着剤の表面を覆ってしまって充分な空気清
浄能力を発揮できなくなるという問題があった。
【0008】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、触媒又は吸着剤を含
む柔軟なシート状材料を提供し、該シート状材料を利用
した触媒構造体を実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、粉末状の触媒
又は吸着剤をフィブリル化したPTFEに担持させてシ
ート状に形成するものである。
【0010】具体的に、請求項1記載の発明が講じた手
段は、粉末状の触媒又は吸着剤を、フィブリル化したポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)に担持させて一
体のシート層(2) に形成するものである。
【0011】また、請求項2記載の発明が講じた手段
は、請求項1記載の発明において、ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)を、テトラフルオロエチレン(T
FE)を界面活性剤を含む水溶液中で乳化重合して得ら
れる平均粒径0.05〜1μmの微粒子を溶媒中に分散
させて成る水性若しくは非水性の分散体、又は該微粒子
の凝集粉末をフィブリル化したものとするものである。
【0012】また、請求項3記載の発明が講じた手段
は、請求項1又は2記載の発明において、シート層(2)
における吸着剤を、空気中に含まれる臭気物質又は有害
物質を吸着するゼオライト又は活性炭で構成するもので
ある。
【0013】また、請求項4記載の発明が講じた手段
は、請求項1又は2記載の発明において、シート層(2)
における触媒を、空気中に含まれる臭気物質又は有害物
質を分解して無臭化又は無害化する空気浄化用触媒とす
るものである。
【0014】また、請求項5記載の発明が講じた手段
は、請求項4記載の発明において、触媒を、Al2O3、ZrO
2、CeO2、SiO2 及びゼオライトのうちから選ばれた1種
類以上の金属酸化物又は該金属酸化物と金属の複合酸化
物との混合物を担体とし、該担体に、触媒成分として A
g、Pd、Pt、Mn 及び Rh のうちから選ばれた1種類以上
の金属、該金属を含有する合金もしくは該金属の酸化
物、又はこれらの2種類以上の混合物を担持させて構成
するものである。
【0015】また、請求項6記載の発明が講じた手段
は、請求項1又は2記載の発明において、触媒を、所定
波長の光の照射を受けることにより臭気物質又は有害物
質を分解して無臭化又は無害化する光触媒とするもので
ある。
【0016】また、請求項7記載の発明が講じた手段
は、請求項3乃至5の何れか1記載の発明において、通
電によって発熱するシート状の面状発熱体層(4) と、該
面状発熱体層(4) によって加熱されると所定形状に変形
させる形状記憶物質より成る変形部材層(3) と一体に積
層形成するものである。
【0017】また、請求項8記載の発明が講じた手段
は、請求項3乃至5の何れか1記載のシート状材料(1)
から成り、所定の幅及び長さに形成された脱臭シート(2
1a〜21e) と、該脱臭シート(21a〜21e) が展開状態で横
断し、臭気成分又は有害成分を含む空気が上記脱臭シー
ト(21a〜21e) の幅方向に流れて該脱臭シート(21a〜21
e) に接触し、該臭気成分又は有害成分を脱臭シート(21
a〜21e) の吸着剤に吸着させる吸着部(26) と、上記吸
着部(26) の両側にそれぞれ設けられ、脱臭シート(21a
〜21e) の端部が取り付けられて該脱臭シート(21a〜21
e) が吸着部(26) を往復動するように脱臭シート(21a〜
21e) を巻き取る正逆転可能な巻取りロール(22R,22L)
と、上記吸着部(26) の両側に設けられた巻取りロール
(22R,22L) のうちの少なくとも一方に巻き取られた脱臭
シート(21a〜21e) の吸着剤に吸着された臭気物質又は
有害物質を脱離させて該吸着剤の再生を行い、且つ吸着
剤から脱離した臭気物質又は有害物質を分解して無臭化
又は無害化する再生部(27) とによって空気浄化用触媒
構造体(20) を構成するものである。
【0018】また、請求項9記載の発明が講じた手段
は、請求項3乃至5の何れか1記載のシート状材料(1)
から成り、エンドレスの輪状に形成された脱臭ベルト(3
0a〜30c) と、該脱臭ベルト(30a〜30c) がエンドレス状
に移動するように脱臭ベルト(30a〜30c) が巻回する第
1ローラ手段(31) 及び第2ローラ手段(33L) と、該第
1ローラ手段(31) と第2ローラ手段(33L) との間に形
成され、上記脱臭シートが平坦な展開状態で横切り、臭
気成分又は有害成分を含む空気が上記脱臭ベルト(30a〜
30c) の幅方向に流れて該脱臭シートに接触し、該臭気
成分又は有害成分を脱臭ベルト(30a〜30c) の吸着剤に
吸着させる吸着部(26) と、上記吸着部(26)の傍らに設
けられ、脱臭ベルト(30a〜30c) の吸着剤に吸着された
臭気物質又は有害物質を該吸着剤から脱離させて吸着剤
の再生を行い、且つ吸着剤から脱離した臭気物質又は有
害物質を分解して無臭化又は無害化する再生部(27) と
によって空気浄化用触媒構造体(20) を構成するもので
ある。
【0019】また、請求項10記載の発明が講じた手段
は、請求項3乃至5の何れか1記載のシート状材料(1)
から成り、所定の幅及び長さに形成された、展開状態と
折り畳み状態とに屈折可能な蛇腹状の脱臭シート(42)
と、該脱臭シート(42) が展開状態で横切り、臭気成分
又は有害成分を含む空気が幅方向に流れて該脱臭シート
(42) に接触し、該臭気成分又は有害成分を脱臭シート
(42) の吸着剤に吸着させる吸着部(26) と、上記吸着部
(26) の傍らに設けられ、上記脱臭シート(42) が折り畳
まれて収納され、収納した脱臭シート(42) の吸着剤に
吸着された臭気物質又は有害物質を該吸着剤から脱離さ
せて吸着剤の再生を行い、且つ吸着剤から脱離した臭気
物質又は有害物質を分解して無臭化又は無害化する再生
部(27) とによって空気浄化用触媒構造体(20) を構成す
るものである。
【0020】また、請求項11記載の発明が講じた手段
は、請求項3乃至5の何れか1記載のシート状材料(1)
を波形に形成して成る脱臭シート(53) と平坦なシート
状の区画シート(54) とが略同心円状に交互に配置され
て、両端が開放された円筒状に形成される一方、上記脱
臭シート(53) 及び区画シート(54) によって区画されて
円筒の一端から他端へと連通する多数の浄化通路(55)
が形成されている脱臭ロータ(51) と、上記脱臭ロータ
(51) を該脱臭ロータ(51) の中心軸周りに回転させる回
転駆動手段(56) と、上記脱臭ロータ(51) の一部を覆
い、脱臭ロータ(51) の浄化通路(55) 内部と脱臭ロータ
(51) の外部との間の空気の流通を遮断する一方、脱臭
ロータ(51) の吸着剤に吸着された臭気物質又は有害物
質を該吸着剤から脱離させて吸着剤の再生を行い、且つ
吸着剤から脱離した臭気物質又は有害物質を分解して無
臭化又は無害化する再生部(27) とによって空気浄化用
触媒構造体(20) を構成するものである。
【0021】また、請求項12記載の発明が講じた手段
は、請求項6記載のシート状材料から成る脱臭シート(7
1) と、上記脱臭シート(71) に所定波長の光を照射する
発光手段(73) とを設け、脱臭シート(71) の光触媒が発
光手段(73) の光を受けて活性化し、活性化した光触媒
によって空気に含まれる臭気成分又は有害成分を分解し
て無臭化又は無害化するように構成するものである。
【0022】また、請求項13記載の発明が講じた手段
は、請求項7記載のシート状材料(1) から成る脱臭シー
ト(62) と、臭気成分又は有害成分を含む空気と上記脱
臭シート(62) とを接触させ、該空気に含まれる臭気成
分又は有害成分を脱臭シート(62) の吸着剤に吸着させ
る吸着部(26) と、上記吸着部(26) の傍らに設けられ、
上記脱臭シート(62) の面状発熱体層(4) に通電し、変
形部材層(3) を加熱して該変形部材層(3) を変形させる
ことによって脱臭シート(62) が収納され、脱臭シート
(62) の吸着剤に吸着された臭気物質又は有害物質を該
吸着剤から脱離させて吸着剤の再生を行い、且つ吸着剤
から脱離した臭気物質又は有害物質を分解して無臭化又
は無害化する再生部(27) とによって空気浄化用触媒構
造体(20) を構成するものである。
【0023】また、請求項14記載の発明が講じた手段
は、請求項8乃至13の何れか1記載の空気浄化用触媒
構造体(20) と、ファン(16) と、吸込口(12) 及び吹出
口(13) が形成されたケーシング(11) とを備え、該ケー
シング(11) の内部に吸込口(12) から吹出口(13) へと
連通する空気通路(14) が形成する一方、該空気通路(1
4) に位置して、上記空気浄化用触媒構造体(20) とファ
ン(16) とを設けて空調機を構成するものである。
【0024】−作用− 請求項1記載の発明では、フィブリル化したPTFEが
粉末状の触媒又は吸着剤に絡みついて該触媒又は吸着剤
を担持し、該触媒又は吸着剤を担持したPTFEをシー
ト状に形成している。
【0025】また、請求項2記載の発明では、PTFE
は、TFEを乳化重合して得られる微粒子を含む分散体
と、粉末状の触媒又は吸着剤とを混合攪拌する際に、上
記微粒子に剪断力を作用させてフィブリル化している。
【0026】また、請求項3記載の発明では、粉末状の
ゼオライトがフィブリル化したPTFEに担持されるこ
とによってシート層(2) が形成され、該ゼオライトが空
気中の臭気物質又は有害物質を吸着する。
【0027】また、請求項4記載の発明では、吸着剤
が、空気中の臭気物質又は有害物質を吸着する一方、該
吸着剤から臭気物質又は有害物質を脱離させて吸着剤の
再生を行う際に、吸着剤から脱離した臭気物質又は有害
物質は触媒によって分解されて無臭化又は無害化され
る。
【0028】また、請求項5記載の発明では、所定の物
質によって触媒が構成され、臭気物質又は有害物質の分
解が確実に行われる。
【0029】また、請求項6記載の発明では、シート状
材料(1) に所定波長の光を照射すると、光触媒が活性化
して臭気物質又は有害物質が分解される。
【0030】また、請求項7記載の発明では、面状発熱
体層(4) がシート層(2) を加熱し、吸着剤に吸着された
臭気物質又は有害物質が該吸着剤から脱離し、吸着剤が
再生される。また、シート層(2) に含まれる触媒が加熱
されて活性化する触媒である場合には、吸着剤から脱離
した臭気物質又は有害物質は、活性化した触媒によって
分解される。一方、面状発熱体層(4) が変形部材層(3)
を加熱し、該変形部材層(3) が変形することによって所
定形状に変形する。
【0031】また、請求項8記載の発明では、一方の巻
取りロール(22L) に巻き取られた脱臭シート(21a〜21e)
は、他方の巻取りロール(22R) へ向かって、展開状態
で吸着部(26) を横断して移動し、他方の巻取りロール
(22R) に巻き取られる。そして、脱臭シート(21a〜21e)
は、吸着部(26) を横断する際に該吸着部(26) を流れ
る空気と接触し、該脱臭シート(21a〜21e) の吸着剤が
空気に含まれる臭気物質又は有害物質を吸着することに
よって空気から臭気物質又は有害物質を除去して空気の
浄化を行う。また、巻取りロール(22R,22L) に巻き取ら
れた脱臭シート(21a〜21e) の吸着剤は臭気物質又は有
害物質を吸着して吸着能力が低下した状態となっている
が、再生部(27) において吸着剤に吸着されていた臭気
物質又は有害物質が脱離されて吸着剤が再生される一
方、該吸着剤から脱離した臭気物質又は有害物質は再生
部(27) で分解されて無臭化又は無害化される。そし
て、吸着剤の再生がなされた脱臭シート(21a〜21e)
は、巻取りロール(22R,22L) が逆回転することによって
再び吸着部(26) を横断して移動し、空気の浄化を行
う。
【0032】また、請求項9記載の発明では、エンドレ
スに形成された脱臭ベルト(30a〜30c) が第1ローラ手
段(31) と第2ローラ手段(33L) とに巻回されて一方向
へ移動し、吸着部(26) と再生部(27) との間を循環す
る。そして、該脱臭ベルト(30a〜30c) は、展開状態で
吸着部(26) を移動する際に吸着部(26) を流れる空気と
接触し、該脱臭シートの吸着剤が空気に含まれる臭気物
質又は有害物質を吸着することによって空気から臭気物
質又は有害物質を除去して空気の浄化を行う。また、再
生部(27) では、脱臭ベルト(30a〜30c) が再生部(27)
を移動する間に、脱臭ベルト(30a〜30c) の吸着剤に吸
着されていた臭気物質又は有害物質が脱離されて該吸着
剤が再生される一方、該吸着剤から脱離した臭気物質又
は有害物質は分解されて無臭化又は無害化される。そし
て、吸着剤の再生がなされた脱臭ベルト(30a〜30c)
は、再び吸着部(26) に移動して、空気の浄化を行う。
【0033】また、請求項10記載の発明では、吸着部
(26) に展開状態となった脱臭シート(42) は、該吸着部
(26) を流れる空気と接触し、該脱臭シート(42) の吸着
剤が空気に含まれる臭気物質又は有害物質を吸着するこ
とによって空気から臭気物質又は有害物質を除去して空
気の浄化を行う。そして、所定時間に亘って空気の浄化
を行って吸着剤の吸着能力が低下すると、脱臭シート(4
2) は折り畳まれて再生部(27) に収納される。再生部(2
7) では、吸着剤に吸着されていた臭気物質又は有害物
質が脱離されて吸着剤が再生される一方、該吸着剤から
脱離した臭気物質又は有害物質は分解されて無臭化又は
無害化される。そして、吸着剤の再生がなされた脱臭シ
ート(42) は、再び吸着部(26) に展開状態となり、空気
の浄化を行う。
【0034】また、請求項11記載の発明では、脱臭ロ
ータ(51) に区画形成された浄化通路(55) を空気が流通
し、浄化通路(55) の壁面を形成する脱臭シート(53) と
空気とが接触する。そして、該脱臭シート(53) の吸着
剤が空気に含まれる臭気物質又は有害物質を吸着するこ
とによって空気から臭気物質又は有害物質を除去して空
気の浄化を行う。一方、上記脱臭ロータ(51) は、回転
駆動手段(56) によって定期的に所定角度ずつ回転移動
している。そして、回転移動して再生部(27)に覆われた
状態となっている脱臭ロータ(51) の部分では、この部
分の脱臭シート(53) の吸着剤に吸着されていた臭気物
質又は有害物質が脱離されて該吸着剤が再生される一
方、該吸着剤から脱離した臭気物質又は有害物質は分解
されて無臭化又は無害化される。また、再生部(27) で
は脱臭ロータ(51) の浄化通路(55)内部と脱臭ロータ(5
1) の外部との空気の流通が遮断されているため、吸着
剤から脱離した臭気物質又は有害物質は浄化通路(55)
から外部へと流出することなく分解されて無臭化又は無
害化される。そして、吸着剤の再生がなされた脱臭ロー
タ(51) は、回転移動して再び浄化通路(55) に空気が流
通する状態となり、空気の浄化を行う。
【0035】また、請求項12記載の発明では、発光手
段(73) で発生した所定波長の光を受けて脱臭シート(7
1) の光触媒が活性状態となる。そして活性状態の光触
媒が空気中の臭気物質又は有害物質を分解して無臭化又
は無害化し、これによって空気の浄化を行う。
【0036】また、請求項13記載の発明では、吸着部
(26) に展開状態となった脱臭シート(62) は、該吸着部
(26) を流れる空気と接触し、該脱臭シート(62) の吸着
剤が空気に含まれる臭気物質又は有害物質を吸着するこ
とによって空気から臭気物質又は有害物質を除去し、空
気の浄化を行う。そして、所定時間に亘って空気の浄化
を行って吸着剤の吸着能力が低下すると、面状発熱体層
(4) に通電して変形部材層(3) を加熱することによっ
て、脱臭シート(62) は折り畳まれて再生部(27) に収納
される。再生部(27) では、吸着剤に吸着されていた臭
気物質又は有害物質が脱離されて吸着剤が再生される一
方、該吸着剤から脱離した臭気物質又は有害物質は分解
されて無臭化又は無害化される。そして、吸着剤の再生
がなされた脱臭シート(62) は、再び吸着部(26) に展開
状態にされて、空気の浄化を行う。
【0037】また、請求項14記載の発明では、ファン
(16) によって吸込口(12) からケーシング(11) の内部
に流入した空気は、空気通路(14) を流れる。そして、
該空気通路(14) に設けられた空気浄化用触媒構造体(2
0) を通過する際に、空気に含まれる臭気物質又は有害
物質が吸着剤に吸着されることによって除去されて浄化
空気となる。そして、この浄化空気を吹出口(13) から
再びケーシング(11) の外部へと吹き出して、空調機に
よる空気の浄化が行われる。
【0038】
【発明の効果】従って、請求項1記載の発明によれば、
粉末状に形成された触媒又は吸着剤を担持したPTFE
によって柔軟なシート層(2) を形成することができる。
即ち、粉末状に形成されて表面積が拡大された触媒又は
吸着剤によってシート状材料(1) を形成することがで
き、シート状材料(1) の触媒性能又は吸着性能を向上さ
せることができる。
【0039】また、フィブリル化したPTFEが粉末粒
子に絡みついた状態となって該触媒又は吸着剤を担持し
ているため、触媒又は吸着剤と空気等との接触を妨げる
ことなくシート層(2) を形成することができる。この結
果、触媒又は吸着剤の作用を妨げることなくシート層
(2) を形成することができる。
【0040】また、請求項2記載の発明によれば、PT
FEを確実にフィブリル化することができるので、粉末
状の触媒又は吸着剤を該PTFEによって確実にシート
状に形成することができる。
【0041】また、請求項3記載の発明によれば、所定
の物質を吸着剤として用いているため、空気中の臭気物
質又は有害物質を確実に吸着することができる。
【0042】また、請求項4記載の発明によれば、空気
中の臭気物質又は有害物質を吸着剤で吸着するだけでな
く、吸着剤に吸着された臭気物質又は有害物質を触媒に
よって分解して無臭化又は無害化することができる。
【0043】また、請求項5記載の発明によれば、所定
の物質を触媒として用いているため、臭気物質又は有害
物質を確実に分解して無臭化又は無害化することができ
る。
【0044】また、請求項6記載の発明によれば、光触
媒を触媒として特定しているため、シート状材料(1) に
光を照射することによって、臭気物質又は有害物質を確
実に分解して無臭化又は無害化することができる。
【0045】また、請求項7記載の発明によれば、面状
発熱体層(4) によってシート層(2)を加熱するため、シ
ート層(2) の全体に亘って均一に加熱することができ、
吸着剤の再生や触媒による臭気物質又は有害物質の分解
を確実に行うことができる。また、吸着剤の再生を行う
際には、吸着剤から脱離した臭気物質又は有害物質が外
部へ流出するのを防ぐために、シート状材料(1) 全体を
所定の空間に収納して行うのが好ましいが、本発明によ
れば、面状発熱体によって変形部材層(3) を加熱するこ
とによってシート状材料(1) 全体を所定形状に変形させ
ることができるため、面状発熱体への通電のみによって
シート状材料(1) を所定の空間に収納して吸着剤の再生
を行うことができる。
【0046】また、請求項8記載の発明によれば、脱臭
シート(21a〜21e) がシート状材料(1) によって構成さ
れているので、空気清浄能力が十分に発揮される。ま
た、長尺に形成した脱臭シート(21a〜21e) を巻取りロ
ール(22R,22L) に巻き取っておき、これを順次、吸着部
(26) へと送り出すことができるため、長時間に亘って
連続的に空気の浄化を行うことができる。また、臭気物
質又は有害物質を吸着した脱臭シート(21a〜21e) を、
該他方の巻取りロール(22R) に巻き取った状態で再生部
(27) によって吸着剤の再生をすることができ、この結
果、吸着剤の再生に要するエネルギーを削減することが
できると共に、吸着剤の再生を効率的に行うことができ
る。
【0047】また、請求項9記載の発明によれば、請求
項8記載の発明と同様に空気清浄能力が十分に発揮され
ると共に、吸着剤の再生に要するエネルギーを削減する
ことができる。また、脱臭ベルト(30a〜30c) が吸着部
(26) と再生部(27) との間を循環し、吸着部(26) で空
気中の臭気物質又は有害物質を吸着して空気の浄化を行
うと同時に、再生部(27) では脱臭ベルト(30a〜30c) の
吸着剤を再生することができる。即ち、脱臭ベルト(30a
〜30c) の吸着剤による空気の浄化と、該吸着剤の再生
とが同時に並行して行うことができ、この結果、空気の
浄化を連続して行うことができる。
【0048】また、請求項10記載の発明によれば、脱
臭シート(42) がシート状材料(1)によって構成されてい
るので、空気清浄能力が十分に発揮される。また、脱臭
シート(42) を再生部(27) に収納した状態で、該脱臭シ
ート(42) の再生を行うことができる。即ち、再生部(2
7) の内部において臭気物質又は有害物質を脱臭シート
(42) の吸着剤から脱離させて吸着剤の再生を行い、且
つ該臭気物質又は有害物質を分解して無臭化又は無害化
することができる。この結果、吸着剤から脱離した臭気
物質又は有害物質を再生部(27) の外部へ流出させるこ
となく分解することができ、吸着剤の再生を確実に行う
ことができると共に、吸着剤の再生に要するエネルギー
を削減することができる。
【0049】また、請求項11記載の発明によれば、脱
臭シート(53) がシート状材料(1)によって構成されてい
るので、空気清浄能力が十分に発揮される。また、脱臭
シート(53) を波形形状に形成しているため、脱臭シー
ト(53) 空気との接触面積を拡大することができ、空気
の浄化を充分に行うことができる。また、脱臭ロータ(5
1) が回転駆動手段(56) によって回転移動しているた
め、空気が浄化通路(55)を流通することによって脱臭シ
ート(53) が空気中の臭気物質又は有害物質を吸着して
空気の浄化を行うと同時に、再生部(27) で吸着剤の再
生を行うことができる。従って、脱臭ロータ(51) の脱
臭シート(53) の吸着剤による空気の浄化と、該吸着剤
の再生とが同時に並行して行うことができる。この結
果、空気の浄化を連続して行うことができる。
【0050】また、再生部(27) では脱臭ロータ(51) の
浄化通路(55) 内部と脱臭ロータ(51) の外部との空気の
流通が遮断されているため、吸着剤から脱離した臭気物
質又は有害物質が浄化通路(55) から外部へと流出する
のを防ぐことができ、この結果、吸着剤の再生を確実に
行うことができる。
【0051】また、請求項12記載の発明によれば、脱
臭シート(71) がシート状材料(1)によって構成され
ているので、空気清浄能力が十分に発揮される。また、
発光手段(73) によって脱臭シート(71) に所定波
長の光を照射することによって臭気物質又は有害物質を
連続的に分解して無臭化又は無害化することができ、こ
の結果、空気の浄化を連続的に行うことができる。
【0052】また、請求項13記載の発明によれば、脱
臭シート(62) がシート状材料(1)によって構成されてい
るので、空気清浄能力が十分に発揮される。また、面状
発熱体層(4) に通電して変形部材層(3) を加熱するだけ
で脱臭シート(62) を再生部(27) に収納することがで
き、この結果、空気浄化用触媒構造体(20) の構成を簡
略化することができる。
【0053】また、請求項14記載の発明によれば、空
調機に本発明の空気浄化用触媒構造体(20) を組み込む
ことができ、該空調機によって空気の浄化を確実に行う
ことができる。
【0054】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態1を図
面に基づいて詳細に説明する。
【0055】図1に示すように、本実施形態1の空調機
は、ケーシング(11) 内にプレフィルタ(15) と空気浄化
部(20) とファン(16) とが収納されて成り、室内空気の
浄化を行う空気清浄機(10) に構成されている。
【0056】上記ケーシング(11) には吸込口(12) と吹
出口(13) とが形成される一方、ケーシング(11) の内部
には吸込口(12) から吹出口(13) へと連通する空気通路
(14) が形成されている。また、該ケーシング(11) 内部
には、吸込口(12) から吹出口(13) へ向かって順に、プ
レフィルタ(15) と空気浄化部(20) とファン(16) とが
配置されている。
【0057】上記ファン(16) はプロペラファンであっ
て、図示しないが、ファンモータが連結されている。そ
して、該ファン(16) は、ケーシング(11) 内部の空気通
路(14) に配置され、該ファン(16) が回転して空気が吸
込口(12) から空気通路(14)に流入し、吹出口(13) から
吹き出される。
【0058】上記プレフィルタ(15) は、目の細かい網
や不織布等によって形成されている。そして、該プレフ
ィルタ(15) は、ケーシング(11) 内部の空気通路(14)
における吸込口(12) の近傍に設けられ、吸込口(12) か
ら吸い込まれる室内空気に含まれる埃等の浮遊物質を除
去する。
【0059】上記空気浄化部(20) は、本発明の特徴と
するものであって、図2に示すように、5枚の脱臭シー
ト(21a〜21e) と、横方向に所定の間隔をおいて対向す
る位置に1本ずつ設けられて各脱臭シート(21a〜21e)
の端部が取り付けられる巻取りロール(22R,22L) と、該
両巻取りロール(22R,22L) の間に設けられ脱臭シート(2
1a〜21e) が掛け渡される一対のシートガイド(23R,23L)
と、脱臭シート(21a〜21e) の再生部(27) とを備え、
空気浄化用触媒構造体に構成されている。
【0060】上記脱臭シート(21a〜21e) は、シート状
材料(1) を所定の幅及び長さに形成したものである。ま
た、該シート状材料(1) には、粉末状の触媒及び吸着剤
にフィブリル化したPTFEが絡みついた状態となるこ
とによって、該触媒及び吸着剤をPTFEに担持させて
一体のシート層(2) が形成されている。
【0061】上記巻取りロール(22R,22L) は、所定の直
径を有し、脱臭シート(21a〜21e)の幅とほぼ同じ長さの
円筒形状に形成され、中心軸周りに回転自在に構成され
ている。また、両巻取りロール(22R,22L) は、所定間隔
をおいて1本ずつ設けられる一方、両巻取りロール(22
R,22L) の中心軸が平行で、且つほぼ同じ高さとなるよ
うに配置され、右に位置する右側巻取りロール(22R) と
左に位置する左側巻取りロール(22L) とに構成されてい
る。更に、両巻取りロール(22R,22L) には、図示しない
が、それぞれにモータが接続され、該モータによって駆
動されて中心軸周りに正逆転可能に構成されている。そ
して、両巻取りロール(22R,22L) の側面には上記5枚の
脱臭シート(21a〜21e) の端部が取り付けられ、巻取り
ロール(22R,22L) が正逆転することによって、脱臭シー
ト(21a〜21e) を巻き取り又は送り出す。
【0062】上記各シートガイド(23R,23L) は、上下方
向に所定間隔をおいて配置される4本の支持ローラ(24a
〜24d) と、同じく上下方向に所定間隔をおいて配置さ
れる2本のガイドローラ(25) とによってそれぞれが構
成されている。また、上記支持ローラ(24a〜24d) 及び
ガイドローラ(25) は、共に同一形状であって、上記巻
取りロール(22R,22L) よりもやや細く、脱臭シート(21a
〜21e) の幅とほぼ同じ長さの円筒形状に形成され、そ
れぞれが中心軸周りに回転自在に構成されると共に、支
持ローラ(24a〜24d) 及びガイドローラ(25) は、それぞ
れの中心軸が互いに並行となる姿勢で配置されている。
【0063】上記4本の支持ローラ(24a〜24d) は上下
方向にほぼ1列に配置され、上から順に第1、第2、第
3及び第4支持ローラ(24a〜24d) が構成されている。
また、第1支持ローラ(24a) と第2支持ローラ(24b) と
の間隔と、第3支持ローラ(24c) と第4支持ローラ(24
d) との間隔とが等しくなるように配置される一方、第
2支持ローラ(24b) と第3支持ローラ(24c) との間隔
は、第1支持ローラ(24a)と第2支持ローラ(24b) との
間隔のほぼ2倍となるように配置されている。
【0064】上記2本のガイドローラ(25) は、上下方
向にほぼ一列に配置されている。また、両ガイドローラ
(25) は、両者の間隔が上記脱臭シート(21a〜21e) 5枚
分の厚さとほぼ同じ又はやや広くなるように配置されて
いる。両ガイドローラ(25)は、上下に配置された上記4
本の支持ローラ(24a〜24d) のすぐ横であって、第2支
持ローラ(24b) と第3支持ローラ(24c) とのほぼ中間の
高さに位置するように配置されている。
【0065】また、両シートガイド(23R,23L) の支持ロ
ーラ(24a〜24d) 及びガイドローラ(25) の中心軸が上記
巻取りロール(22R,22L) の中心軸と平行となり、且つ、
両シートガイド(23R,23L) の支持ローラ(24a〜24d) が
向かい合う姿勢に配置され、上記両シートガイド(23R,2
3L) は、上記右側巻取りロール(22R) のすぐ左横に位置
する右側シートガイド(23R) と、左側巻取りロール(22
L) のすぐ右横に位置する左側シートガイド(23L) とに
構成されている。
【0066】そして、上記5枚の脱臭シート(21a〜21e)
は、右側巻取りロール(22R) に端部が取り付けられ、
上から順に第1〜第5の脱臭シート(21a〜21e) が5枚
重なった状態で右側シートガイド(23R) の2本のガイド
ローラ(25) の間を通っている。一方、第1の脱臭シー
ト(21a) は右側及び左側シートガイド(23R,23L) の第1
支持ローラ(24a) を巻回し、第2の脱臭シート(21b) は
右側及び左側シートガイド(23R,23L) の第2支持ローラ
(24b) を巻回し、第4の脱臭シート(21d) は右側及び左
側シートガイド(23R,23L) の第3支持ローラ(24c) を巻
回し、第5の脱臭シート(21e) は右側及び左側シートガ
イド(23R,23L) の第4支持ローラ(24d)を巻回してい
る。更に、上記各脱臭シート(21a〜21e) は右側シート
ガイド(23R)の2本のガイドローラ(25) の間を通ると共
に、第3の脱臭シート(21c) は何れの支持ローラ(24a〜
24d) をも巻回することなく左側シートガイド(23L) の
2本のガイドローラ(25) の間を通っている。そして、
上記第1〜第5の脱臭シート(21a〜21e) は再び5枚重
なった状態となって、各脱臭シート(21a〜21e) の端部
は左側巻取りロール(22L) に取り付けられている。
【0067】この状態で、上記右側及び左側シートガイ
ド(23R,23L) の間において、第1〜第5の脱臭シート(2
1a〜21e) は、それぞれの面が互いに平行となった展開
状態でほぼ一定の間隔をおいて配置されると共に、上記
巻取りロール(22R,22L) の正逆転に伴って各脱臭シート
(21a〜21e) が右側シートガイド(23R) と左側シートガ
イド(23L) との間を往復動する。そして、上記右側及び
左側シートガイド(23R,23L) の間の空間は、空気が上記
各脱臭シート(21a〜21e) の間を該各脱臭シート(21a〜2
1e) と接触しつつ流通し、該空気中の臭気物質又は有害
物質を各脱臭シート(21a〜21e) の吸着剤に吸着させる
吸着部(26) に構成されている。
【0068】上記再生部(27) は、円筒容器状に形成さ
れると共に、その壁面は断熱性を有する断熱壁に構成さ
れている。そして、図3に示すように、再生部(27) の
内部には上記右側巻取りロール(22R) が配置されると共
に、円筒の側面を形成する側壁には、所定幅で円筒の長
手方向に開口し、内部の右側巻取りロール(22R) に取り
付けられた脱臭シート(21a〜21e) が通されるスリット
(28) が形成されている。また、上記再生部(27) の内壁
面には、図示しないが電気ヒータが設けられ、該電気ヒ
ータで右側巻取りロール(22R) に巻き取られた脱臭シー
ト(21a〜21e)を加熱することによって、該脱臭シート(2
1a〜21e) の吸着剤に吸着された臭気物質又は有害物質
を脱離させると共に、脱臭シート(21a〜21e) の触媒を
活性化して該臭気物質又は有害物質を分解し無臭化又は
無害化するように構成されている。
【0069】そして、上記空気浄化部(20) は、吸着部
(26) がケーシング(11) 内に形成された空気通路(14)
に位置するように設けられ、該吸着部(26) において空
気通路(14) を流通する空気と脱臭シート(21a〜21e) と
が接触し、該脱臭シート(21a〜21e) の吸着材によって
空気中の臭気物質又は有害物質を吸着除去するように配
置されている。
【0070】−脱臭シートの製造方法− ここで、脱臭シート(21a〜21e) の製造方法について説
明すると、先ず、PTFEは、テトラフルオロエチレン
(TFE)を乳化重合して得られるもの。具体的には、
耐圧オートクレーブに界面活性剤を 100〜20000 ppm 含
む水を仕込み、脱気した後に、開始剤とTFEを仕込ん
で 0〜120℃、1〜50気圧で攪拌しながら反応させること
により、平均粒径 0.05〜1μmの微粒子状のPTFEが
得られる。尚、乳化重合の際、TFEはガス状態で加圧
されて連続的に供給される。そして、得られたPTFE
を凝析、乾燥すると、上記微粒子状のPTFEの凝集粉
末が得られる。
【0071】その後、上記シート状材料(1) は、粉末状
の触媒及び吸着剤と、該触媒及び吸着剤に対して 1〜20
重量%のPTFEとを混合攪拌したものをシート状に
圧延することにより、シート状材料(1) が形成されてい
る。具体的には、粉末状の触媒及び吸着剤を水に分散さ
せ、そこに上記PTFEの水性分散体を所定量加えて攪
拌する。これによって触媒及び吸着剤とPTFEとが均
一に混合され、その後水を蒸発させて触媒及び吸着剤と
PTFEとの混合物が得られる。そして、この混合物を
攪拌等してPTFEに剪断力を作用させるとPTFEが
フィブリル化し、このフィブリル化したPTFEが触媒
及び吸着剤に絡みついて団塊状となり、これを更に圧延
してシート層(2) に形成してシート状材料(1) が得られ
る。このシート状材料(1) を所定形状に裁断して脱臭シ
ート(21a〜21e) が形成されている。
【0072】一方、上記触媒は、Al2O3、ZrO2、CeO2、S
iO2 及びゼオライトのうちから選ばれた1種類以上の金
属酸化物又は該金属酸化物と金属の複合酸化物との混合
物を担体とし、該担体に、触媒成分として Ag、Pd、P
t、Mn 及び Rh のうちから選ばれた1種類以上の金属、
該金属を含有する合金もしくは該金属の酸化物、又はこ
れらの2種類以上の混合物が担持されて構成されてい
る。そして、約 200℃以上に加熱されて活性化し、臭気
物質又は有害物質を分解して無臭化又は無害化する。ま
た、上記吸着剤は、ゼオライトで構成され、臭気物質又
は有害物質を吸着する。
【0073】−運転動作− 上記空気清浄機(10) の動作について説明すると、ファ
ン(16) が回転することにより、室内空気が吸込口(12)
から空気通路(14) へと流入する。空気通路(14)へと流
入した空気はプレフィルタ(15) を流れ、該プレフィル
タ(15) で埃等の浮遊物質が除去される。その後、この
室内空気は、空気浄化部(20) の吸着部(26) へと流れ、
該吸着部(26) に展開状態に配置された脱臭シート(21a
〜21e) と接触しつつ該脱臭シート(21a〜21e) の幅方向
へと流れる際に、該室内空気に含まれる臭気物質又は有
害物質が脱臭シート(21a〜21e) の吸着剤に吸着除去さ
れ、浄化空気となる。そして、この浄化空気は、空気通
路(14) を流れて吹出口(13)から再び室内へと吹き出
す。
【0074】上記空気浄化部(20) は、空気清浄機(10)
の運転時には、以下のような浄化動作を行う。先ず、吸
着部(26) では脱臭シート(21a〜21e) が展開状態となっ
ており、脱臭シート(21a〜21e) の吸着剤が空気通路(1
4) を流通する室内空気に含まれる臭気物質又は有害物
質を吸着する。その後、該吸着剤が所定時間に亘って臭
気物質又は有害物質を吸着して吸着剤の吸着能力が低下
すると、右側及び左側巻取りロール(22R,22L) が正回転
して脱臭シート(21a〜21e) が吸着部(26) を左から右へ
と横断する。そして、該脱臭シート(21a〜21e) の吸着
能力の低下した吸着剤を含む部分が右側巻取りロール(2
2R) に巻き取られる一方、脱臭シート(21a〜21e) のう
ち左側巻取りロール(22L) に巻き取られていた部分が吸
着部(26) に展開された状態となる。即ち、まだ臭気物
質又は有害物質を吸着していない吸着剤を備えた脱臭シ
ート(21a〜21e) の部分が吸着部(26) に展開状態となっ
て空気清浄機(10) の空気通路(14) を流通する室内空気
と接触し、該室内空気に含まれる臭気物質又は有害物質
が確実に除去される。そして、脱臭シート(21a〜21e)を
右側巻取りロール(22R) へと巻ききるまで、この動作を
繰り返して空気の浄化を継続して行う。
【0075】次に、脱臭シート(21a〜21e) を右側巻取
りロール(22R) へと巻き取ると、再生動作を行う。その
際、右側巻取りロール(22R) に巻き取られた脱臭シート
(21a〜21e) の吸着剤は臭気物質又は有害物質を吸着し
た状態となっているが、該脱臭シート(21a〜21e) を再
生部(27) の電気ヒータによって加熱すると、吸着剤に
吸着されていた臭気物質又は有害物質が脱離して吸着剤
が再生される。一方、脱臭シート(21a〜21e) の触媒も
加熱されて活性化されているため、吸着剤から脱離した
臭気物質又は有害物質は該触媒によって分解されて無臭
化又は無害化される。そして、吸着剤が再生された脱臭
シート(21a〜21e) は、右側及び左側巻取りロール(22R,
22L) の逆回転によって右側巻取りロール(22R) から左
側巻取りロール(22L) へと移動し、左側巻取りロール(2
2L) に巻き取られ、その後、上記浄化動作が行われる。
【0076】−実施形態1の効果− 本実施形態1によれば、触媒作用又は吸着作用を向上さ
せるために表面積を拡大できる粉末状に形成された触媒
又は吸着剤を、PTFEによってシート層(2)を形成す
ることができる。また、フィブリル化したPTFEが粉
末粒子に絡みついた状態となって該触媒又は吸着剤を担
持しているため、触媒又は吸着剤と室内空気との接触を
妨げることなくシート層(2) を形成することができる。
この結果、触媒又は吸着剤の作用を妨げることなくシー
ト層(2) を形成し、シート状材料(1) を構成することが
できる。
【0077】また、脱臭シート(21a〜21e) には粉末状
の吸着剤と触媒とが含まれ、両者は均一に混合された状
態でシート状に形成されている。このため、上記空気浄
化部(20) の再生動作時においては、吸着剤から脱離し
た臭気物質又は有害物質を、脱離した直後に吸着剤のす
ぐ近くに存在する触媒によって分解して無臭化又は無害
化することができ、この結果、吸着剤から脱離した臭気
物質又は有害物質が再生部(27) から流出して室内空気
を汚染するのを確実に防ぐことができる。
【0078】また、長尺に形成した脱臭シート(21a〜21
e) を左側巻取りロール(22L) に巻き取っておき、これ
を順次吸着部(26) へと送り出すことができるため、長
時間に亘って連続的に空気の脱臭を行うことができる。
【0079】また、上記吸着部(26) では、展開状態の
5枚の脱臭シート(21a〜21e) の間を室内空気が該脱臭
シート(21a〜21e) の幅方向に流通するため、該室内空
気と脱臭シート(21a〜21e) との接触面積を大きく取る
ことができ、この結果、室内空気に含まれる臭気物質又
は有害物質を確実に吸着除去することができ、室内空気
の浄化を確実に行うことができる。
【0080】また、上記再生部(27) の内部に右側巻取
りロール(22R) を設け、該右側巻取りロール(22R) に脱
臭シート(21a〜21e) が巻き取られた状態で該脱臭シー
ト(21a〜21e) を電気ヒータで加熱し、該脱臭シート(21
a〜21e) の吸着剤を再生することができる。従って、再
生部(27) の内部のみを高温に維持するだけで吸着剤の
再生を行うことができ、吸着剤の再生に要するエネルギ
ーを削減することができる。また、再生部(27) に壁面
を断熱壁に構成しているため、上記再生動作時において
再生部(27) の内部から外部への放熱量を削減すること
ができ、これによっても吸着剤の再生に要するエネルギ
ーを削減することができる。また、脱臭シート(21a〜21
e) を高温に維持するため、脱臭シート(21a〜21e) に捕
捉した雑菌を殺菌することができる。
【0081】−実施形態1の変形例− 本実施形態1については、以下のような構成としてもよ
い。即ち、空気浄化部(20) には1つの再生部(27) を設
け、該再生部(27) の内部に右側巻取りロール(22R) を
設けたのに代えて、図4に示すように、空気浄化部(20)
に2つの再生部(27R,27L) を設け、該2つの再生部(27
R,27L) を右側巻取りロール(22R) が内部に設けられる
右側再生部(27R) と、左側巻取りロール(22L) が内部に
設けられる左側再生部(27L) とに構成するようにしても
よい。
【0082】これによると、脱臭シート(21a〜21e) が
左側巻取りロール(22L) に巻き取られた状態でも該脱臭
シート(21a〜21e) の吸着剤を再生することができる。
つまり、上記実施形態1において、再生動作によって脱
臭シート(21a〜21e) の吸着剤を再生した後に行ってい
た、右側及び左側巻取りロール(22R,22L) の逆回転によ
って右側巻取りロール(22R) に巻き取られていた脱臭シ
ート(21a〜21e) を左側巻取りロール(22L) へと巻き取
るという工程が不要となり、再生動作終了後すぐに、脱
臭シート(21a〜21e) を右側巻取りロール(22R) から左
側巻取りロール(22L) へと巻き取りながら浄化動作を行
うことができ、浄化動作終了から次の浄化動作を開始す
るまでに要する時間を短縮することができる。
【0083】
【発明の実施の形態2】本実施形態2は、上記実施形態
1の空気清浄機(10) において空気浄化部(20)の構成を
変更したものであって、空気浄化部(20) 以外の構成は
実施形態1と同様である。
【0084】本実施形態の空気浄化部(20) は、図5に
示すように、エンドレスの輪状に形成された3本の脱臭
ベルト(30a〜30c) と、各脱臭ベルト(30a〜30c) が巻回
される円筒状の駆動ローラ(31) と、該駆動ローラ(31)
の傍らに設けられる一対のガイドローラ(32a,32b) と、
所定の間隔をおいて配置され各脱臭ベルト(30a〜30c)が
巻回される一対のベルトガイド(33R,33L) と、該駆動ロ
ーラ(31) が内部に配置される再生部(27) とを備えてい
る。
【0085】上記脱臭ベルト(30a〜30c) は、実施形態
1の脱臭シートを形成したシート状材料(1) と同様のも
ので構成され、該シート状材料(1) をエンドレスの輪状
に形成したものである。そして、上記3本の脱臭ベルト
(30a〜30c) は、それぞれ異なる長さに形成され、長さ
の長い順に第1、第2及び第3脱臭ベルト(30a〜30c)に
構成されている。
【0086】上記一対のベルトガイド(33R,33L) は、そ
れぞれが上下方向にほぼ1列に配置される6本の支持ロ
ーラ(34R〜39R,34L〜39L) によって構成され、該6本の
支持ローラ(34R〜39R,34L〜39L) は、上から順に第1、
第2、第3、第4、第5及び第6支持ローラ(34R〜39R,
34L〜39L) に構成されている。該各支持ローラ(34R〜39
R,34L〜39L) は、上記駆動ローラ(31) よりもやや細
く、脱臭ベルト(30a〜30c) の幅とほぼ同じ長さの円筒
形状に形成され、中心軸周りに回転自在に構成される一
方、それぞれの中心軸が互いに平行となる姿勢で等間隔
に配置されている。そして、両ベルトガイド(33R,33L)
は、横方向に所定の間隔をおいて配置されると共に、右
側に位置する右側ベルトガイド(33R) と左側に位置する
左側ベルトガイド(33L) とに構成されている。該左側ベ
ルトガイド(33L) の各支持ローラ(34L〜39L)
が第2ローラ手段を構成している。
【0087】上記一対のガイドローラ(32a,32b) は、上
記駆動ローラ(31) よりもやや細く、脱臭ベルト(30a〜3
0c) の幅とほぼ同じ長さの円筒形状に形成され、中心軸
周りに回転自在に構成される一方、それぞれの中心軸が
互いに平行となる姿勢で、上記ベルトガイド(33R,33L)
の各支持ローラ(34R〜39R,34L〜39L) の間隔とほぼ同じ
間隔をおいて上下方向に配置され、上に位置する第1ガ
イドローラ(32a) と下に位置する第2ガイドローラ(32
b) に構成されている。そして、両ガイドローラ(32a,32
b) は、上記右側ベルトガイド(33R) の第3及び第4支
持ローラ(36R,37R) の右横に位置して配置されると共
に、両ガイドローラ(32a,32b) の中心軸がベルトガイド
(33R,33L) の支持ローラ(34R〜39R,34L〜39L) の中心軸
とが互いに平行となる姿勢で配置される。
【0088】上記駆動ローラ(31) は、所定の直径を有
し、脱臭ベルト(30a〜30c) の幅とほぼ同じ長さの円筒
形状に形成され、中心軸周りに回転自在に構成されると
共に、該駆動ローラ(31) には、図示しないが、モータ
が接続され、該モータによって駆動されて中心軸周りに
回転可能に構成されている。また、駆動ローラ(31)
は、上記ガイドローラ(32a,32b) の右横に位置し、駆動
ローラ(31) の中心軸とガイドローラ(32a,32b) の中心
軸とが平行となる姿勢で配置されている。更に、駆動ロ
ーラ(31) には、駆動ローラ(31) の中心軸方向と上記3
つの脱臭ベルト(30a〜30c) の幅方向とが平行となるよ
うに3つの脱臭ベルト(30a〜30c) が重なった状態で巻
き回されて、駆動ローラ(31) の回転に従って脱臭ベル
ト(30a〜30c) が移動するように構成され、駆動ローラ
(31) が第1ローラ手段を構成している。
【0089】そして、駆動ローラ(31) には第1〜第3
脱臭ベルト(30a〜30c) が、また左側ベルトガイド(33L)
の所定の支持ローラ(34R〜39R,34L〜39L) には所定の
脱臭ベルト(30a〜30c) が巻回されると同時に、各脱臭
ベルト(30a〜30c) はガイドローラ(32a,32b) 及び右側
ベルトガイド(33R) に掛けられている。具体的に、第1
脱臭ベルト(30a) は、駆動ローラ(31) に巻回し、第2
ガイドローラ(32b) の上と右側ベルトガイド(33R) の第
6支持ローラ(39R) の下とを通り、左側ベルトガイド(3
3L) の第6及び第1支持ローラ(39L,34L) に巻回し、右
側ベルトガイド(33R) の第1支持ローラ(34R) の上と第
1ガイドローラ(32a) の下とを通る。第2脱臭ベルト(3
0b) は、駆動ローラ(31) に巻回し、第2ガイドローラ
(32b) の上と右側ベルトガイド(33R) の第5支持ローラ
(38R) の下とを通り、左側ベルトガイド(33L) の第5及
び第2支持ローラ(38L,35L) に巻回し、右側ベルトガイ
ド(33R) の第2支持ローラ(35R) の上と第1ガイドロー
ラ(32a) の下とを通る。第3脱臭ベルト(30c) は、駆動
ローラ(31) に巻回し、第2ガイドローラ(32b) の上と
右側ベルトガイド(33R) の第4支持ローラ(37R) の下と
を通り、左側ベルトガイド(33L) の第4及び第3支持ロ
ーラ(37L,36L) に巻回し、右側ベルトガイド(33R) の第
3支持ローラ(36R) の上と第1ガイドローラ(32a) の下
とを通る。
【0090】この状態で、上記右側及び左側シートガイ
ド(23R,23L) の間において、第1〜第3脱臭ベルト(30a
〜30c) は、それぞれの面が互いに平行となった展開状
態でほぼ一定の間隔をおいて配置されると共に、上記駆
動ローラ(31) の回転に伴って各脱臭ベルト(30a〜30c)
が右側シートガイド(23R) と左側シートガイド(23L)と
の間を移動する。そして、上記右側及び左側シートガイ
ド(23R,23L) の間の空間は、上記各脱臭ベルト(30a〜30
c) の間を空気が該各脱臭ベルト(30a〜30c)と接触しつ
つ流通して該空気中の臭気物質又は有害物質を各脱臭ベ
ルト(30a〜30c) の吸着剤に吸着させる吸着部(26) に構
成されている。
【0091】上記再生部(27) は、円筒容器状に形成さ
れると共に、その壁面は断熱性を有する断熱壁に構成さ
れている。そして、図6に示すように、再生部(27) の
内部には上記駆動ローラ(31) が配置されると共に、円
筒の側面を形成する側壁には、所定幅で円筒の長手方向
に開口する2本のスリット(28) が所定の間隔をおいて
形成され、該スリット(28) には内部に配置された駆動
ローラ(31) に取り付けられた各脱臭ベルト(30a〜30c)
が通されるように構成されている。また、上記再生部(2
7) の内壁面には、図示しないが電気ヒータが設けら
れ、該電気ヒータで再生部(27) の内部に位置する脱臭
ベルト(30a〜30c) を加熱することによって、該脱臭ベ
ルト(30a〜30c) の吸着剤に吸着された臭気物質又は有
害物質を脱離させると共に、脱臭ベルト(30a〜30c) の
触媒を活性化して該臭気物質又は有害物質を分解し無臭
化又は無害化するように構成されている。
【0092】そして、上記空気浄化部(20) は、吸着部
(26) がケーシング(11) 内に形成された空気通路(14)
に位置するように設けられ、該吸着部(26) において空
気通路(14) を流通する空気と脱臭ベルト(30a〜30c) と
が接触し、該脱臭ベルト(30a〜30c) の吸着材によって
空気中の臭気物質又は有害物質が吸着され、除去され
る。
【0093】−運転動作− 上記空気清浄機(10) の動作について説明すると、吸込
口(12) から空気通路(14) へと流入した室内空気は、実
施形態1と同様に流れて空気浄化部(20) の吸着部(26)
へと流れる。そして、該室内空気は、該吸着部(26) に
展開状態に配置された脱臭ベルト(30a〜30c) と接触し
つつ該脱臭ベルト(30a〜30c) の幅方向へと流れる際
に、該室内空気に含まれる臭気物質又は有害物質が脱臭
ベルト(30a〜30c) の吸着剤に吸着されて除去され、浄
化空気となる。そして、この浄化空気は、空気通路(14)
を流れて吹出口(13) から再び室内へと吹き出され、室
内空気の浄化が行われる。
【0094】上記空気浄化部(20) は、空気清浄機(10)
の運転時には、以下のように動作する。先ず、駆動ロー
ラ(31) の回転に伴って、第1〜第3の各脱臭ベルト(30
a〜30c) が該駆動用ローラと左側ベルトガイド(33L) と
の間を循環移動している。具体的には、再生部(27) を
出た脱臭ベルト(30a〜30c) は、2本のガイドローラ(32
a,32b) の間を通り、右側ベルトガイド(33R) から左側
ベルトガイド(33L) へ向かって吸着部(26) を展開状態
で移動する。更に、該脱臭ベルト(30a〜30c) は、左側
ベルトガイド(33L) に沿って上方へ向かって移動した後
に、左側ベルトガイド(33L) から右側ベルトガイド(33
R) へ向かって吸着部(26) を展開状態で移動し、2本の
ガイドローラ(32a,32b) の間を通って、再び再生部(27)
へと移動する。そして、脱臭ベルト(30a〜30c) は吸着
部(26) を移動する際に空気清浄機(10) の空気通路(14)
を流通する室内空気と接触し、該脱臭ベルト(30a〜30
c) の吸着剤が該室内空気に含まれる臭気物質又は有害
物質を吸着除去する。これによって、室内空気の浄化が
行われる。
【0095】一方、再生部(27) では、脱臭ベルト(30a
〜30c) の再生が行われる。具体的には、再生部(27) の
電気ヒータによって該再生部(27) の内部に位置する脱
臭ベルト(30a〜30c) を加熱する。これによって該脱臭
ベルト(30a〜30c) の吸着剤に吸着された臭気物質又は
有害物質が脱離し、該吸着剤が再生される。また、脱臭
ベルト(30a〜30c) の触媒も加熱されて活性化されてい
るため、吸着剤から脱離した臭気物質又は有害物質は該
触媒によって分解されて無臭化又は無害化される。
【0096】従って、吸着部(26) を移動し、臭気物質
又は有害物質を吸着して吸着能力の低下した脱臭ベルト
(30a〜30c) は、再生部(27) で再生されて再び吸着能力
が回復した状態となって再び吸着部(26) へと移動して
ゆく。つまり、脱臭ベルト(30a〜30c) による空気の浄
化と、脱臭ベルト(30a〜30c) の再生とが並行して行わ
れるため、室内空気の浄化が連続して行われる。
【0097】−実施形態2の効果− 本実施形態2によれば、実施形態1と同様のシート状材
料(1) によって脱臭ベルト(30a〜30c) を形成してお
り、該シート状材料(1) を用いることにより得られる効
果は、実施形他1と同様である。
【0098】また、脱臭ベルト(30a〜30c) は吸着部(2
6) と再生部(27) との間を循環し、吸着部(26) で空気
中の臭気物質又は有害物質を吸着して空気の浄化を行う
一方、再生部(27) では脱臭ベルト(30a〜30c) の吸着剤
が再生される。即ち、脱臭ベルト(30a〜30c) の吸着剤
による空気の浄化と、該吸着剤の再生とが同時に並行し
て行うことができ、この結果、空気の浄化を連続して行
うことができる。
【0099】また、上記吸着部(26) では、展開状態の
3本の脱臭ベルト(30a〜30c) の間を室内空気が該脱臭
ベルト(30a〜30c) の幅方向に流通するため、該室内空
気と脱臭ベルト(30a〜30c) との接触面積を大きく取る
ことができ、この結果、室内空気に含まれる臭気物質又
は有害物質を確実に吸着除去することができ、室内空気
の浄化を確実に行うことができる。
【0100】また、再生部(27) の壁面を断熱壁に構成
しているため、脱臭ベルト(30a〜30c) の吸着剤の再生
を行う際における再生部(27) の内部から外部への放熱
量を削減することができ、吸着剤の再生に要するエネル
ギーを削減することができる。また、脱臭ベルト(30a〜
30c) を高温に維持するため、脱臭ベルト(30a〜30c) に
捕捉した雑菌を殺菌することができる。
【0101】
【発明の実施の形態3】本実施形態3は、上記実施形態
1の空気清浄機(10) において空気浄化部(20)の構成を
変更したものであって、空気浄化部(20) 以外の構成は
実施形態1と同様である。
【0102】本実施形態の空気浄化部(20) は、図7に
示すように、複数の脱臭シート(42)から成る脱臭部材(4
1) と、該脱臭部材(41) が折り畳まれて収納される再生
部(27) と、該脱臭部材(41) が取り付けられる2本の支
持レール(43) 及び1本のガイドレール(44) と、ピニオ
ン(46) を備えた折り畳み用モータ(47) とを備えてい
る。
【0103】上記脱臭部材(41) は、展開状態と折り畳
み状態とに屈折可能な蛇腹状の脱臭シート(42) を複数
枚積層して形成されている。具体的に、該脱臭部材(41)
は、山部(42a) と谷部(42b) とが交互に形成されるよ
うにひだ折りにされた脱臭シート(42) を、各脱臭シー
ト(42) の折り目の方向が並行となる姿勢で上下に積層
されて形成されている。そして、上方に位置する脱臭シ
ート(42) の谷部(42b) と下方に位置する脱臭シート(4
2) の山部(42a) とを接合して一体に形成され、上記再
生部(27) に折り畳み状態で収納されるように構成され
ている。また、上記脱臭シート(42) は、実施形態1と
同様のシート状材料(1) によって構成されている。
【0104】上記再生部(27) は、縦長の直方体に形成
されると共に、図7における左側の側面には全面に亘っ
て開口が形成される一方、その壁面は断熱性を有する断
熱壁に構成されている。また、上記再生部(27) の内壁
面には、図示しないが電気ヒータが設けられ、該電気ヒ
ータが再生部(27) に収納された脱臭部材(41) を加熱す
ることによって、該脱臭部材(41) の吸着剤に吸着され
た臭気物質又は有害物質を脱離させると共に、脱臭部材
(41) の触媒を活性化して該臭気物質又は有害物質を分
解し無臭化又は無害化するように構成されている。
【0105】上記2本の支持レール(43) は、真っ直ぐ
で所定長さの棒状に形成される一方、再生部(27) の内
部から該再生部(27) の開口を通って図7の左側へ水平
方向に延びている。更に、両支持レール(43) は、該再
生部(27) の内部空間における最上部の前面側と背面側
とにそれぞれ設けられている。
【0106】上記ガイドレール(44) は、再生部(27) の
高さに対応した所定の長さで真っ直ぐな棒状に形成さ
れ、一端が上記支持レール(43) に取り付けられて該支
持レール(43) から鉛直下方に延びる姿勢で設けられる
と共に、該支持レール(43) の長手方向に移動自在に構
成されている。また、ガイドレール(44) の上端部に
は、ガイドレール(44) の左側に向かって水平に延びる
ラック(45) が取り付けられ、該ラック(45) には上記折
り畳み用モータ(47) のピニオン(46) が噛み合わされる
一方、該折り畳み用モータ(47) は、ケーシング(11) に
取り付けられている。
【0107】そして、上記脱臭部材(41) の一番上に位
置する脱臭シート(42) の各山部(42a) は、横ガイド(43
a) を介して上記支持レール(43) に取り付けられてい
る。この横ガイド(43a) は、支持レール(43) に複数設
けられ、該支持レール(43) の長手方向に移動自在に構
成されている。尚、該山部(42a) のうち一番右に位置す
る山部(42a) は、横ガイド(43a) を介することなく支持
レール(43) に直接取付固定されている。また、該脱臭
部材(41) を形成する各脱臭シート(42) の一端は、縦ガ
イド(44a) を介して上記ガイドレール(44) に取り付け
られている。この縦ガイド(44a) は、ガイドレール(44)
に複数設けられ、ガイドレール(44) の長手方向に移動
自在に構成されている。
【0108】この状態で、上記折り畳み用モータ(47)
が作動してピニオン(46) が回転し、これによってラッ
ク(45) が移動し、ガイドレール(44) が支持レール(43)
に沿って左右に移動する。そして、上記脱臭部材(41)
は、ガイドレール(44) が支持レール(43) の左端部に位
置する展開状態と、ガイドレール(44) が支持レール(4
3) の右端部に位置する折り畳み状態とに移動可能に構
成される一方、脱臭部材(41) の展開状態では、脱臭部
材(41) を構成する各脱臭シート(42) の間を空気が流通
し、該脱臭部材(41) の展開している空間は、空気が該
各脱臭シート(42) と接触しつつ流通して該空気中の臭
気物質又は有害物質を各脱臭シート(42) の吸着剤に吸
着させる吸着部(26) に構成されている。
【0109】そして、上記空気浄化部(20) は、吸着部
(26) がケーシング(11) 内に形成された空気通路(14)
に位置するように設けられ、該吸着部(26) において空
気通路(14) を流通する空気と脱臭シート(42) とが接触
し、該脱臭シート(42) の吸着材が空気中の臭気物質又
は有害物質を吸着し、除去する。
【0110】−運転動作− 上記空気清浄機(10) の動作について説明すると、吸込
口(12) から空気通路(14) へと流入した室内空気は、実
施形態1と同様に流れて空気浄化部(20) の吸着部(26)
へと流れる。そして、該室内空気は、該吸着部(26) に
展開状態に配置された脱臭部材(41) の脱臭シート(42)
と接触しつつ該脱臭シート(42) の幅方向へと流れる際
に、該室内空気に含まれる臭気物質又は有害物質が脱臭
シート(42)の吸着剤に吸着されて除去され、浄化空気と
なる。そして、この浄化空気は、空気通路(14) を流れ
て吹出口(13) から再び室内へと吹き出され、室内空気
の浄化が行われる。
【0111】上記空気浄化部(20) は、空気清浄機(10)
の運転時には、以下のような浄化動作を行う。先ず、折
り畳み用モータ(47) が動作し、ラック(45) が左へ送ら
れてガイドレール(44) が支持レール(43) の左端部へ移
動して、脱臭部材(41) が吸着部(26) に展開された状態
となる。この状態で、展開された脱臭部材(41) の各脱
臭シート(42) の間を、空気清浄機(10) の空気通路(14)
を流通する室内空気が流通し、該室内空気に含まれる
臭気物質又は有害物質が脱臭シート(42) の吸着材に吸
着される。
【0112】次に、所定時間に亘って浄化動作を行う
と、脱臭シート(42) の吸着剤の吸着能力が低下するた
め、再生動作を行って該吸着材を再生する。再生動作時
には、先ず、折り畳み用モータ(47) が動作し、ラック
(45) が右へ送られてガイドレール(44) が支持レール(4
3) の右端部へ移動して、脱臭部材(41) が再生部(27)
に折り畳み状態で収納される。そして、該脱臭部材(41)
を再生部(27) の電気ヒータによって加熱し、脱臭部材
(41) の脱臭シート(42) の吸着剤に吸着されていた臭気
物質又は有害物質を脱離させ、吸着剤を再生する。一
方、該脱臭シート(42)の触媒も加熱されて活性化してい
るため、吸着剤から脱離した臭気物質又は有害物質は該
触媒によって分解されて無臭化又は無害化される。
【0113】−実施形態3の効果− 本実施形態3によれば、実施形態1と同様のシート状材
料(1) によって脱臭シート(42) を形成しており、該シ
ート状材料(1) を用いることにより得られる効果は、実
施形他1と同様である。
【0114】また、脱臭部材(41)、つまり脱臭シート(4
2) を再生部(27) に収納した状態で、該脱臭シート(42)
の再生を行うことができる。即ち、再生部(27) の内部
において臭気物質又は有害物質を脱臭シート(42) の吸
着剤から脱離させて吸着剤の再生を行い、且つ該臭気物
質又は有害物質を分解して無臭化又は無害化することが
できる。この結果、吸着剤から脱離した臭気物質又は有
害物質を再生部(27)の外部へ流出させることなく分解す
ることができ、吸着剤の再生を確実に行うことができ
る。
【0115】また、再生部(27) の壁面を断熱壁に構成
しているため、脱臭部材(41) の吸着剤の再生を行う際
における再生部(27) の内部から外部への放熱量を削減
することができ、吸着剤の再生に要するエネルギーを削
減することができる。また、脱臭部材(41) を高温に維
持するため、脱臭部材(41) の脱臭シート(42) に捕捉し
た雑菌を殺菌することができる。
【0116】
【発明の実施の形態4】本実施形態4は、図8に示すよ
うに、上記実施形態1の空気清浄機(10) において空気
浄化部(20) の構成を変更したものであって、空気浄化
部(20) 以外の構成は実施形態1と同様である。
【0117】本実施形態の空気浄化部(20) は、図9に
示すように、円筒状の脱臭ロータ(51) と、駆動モータ
(56) と、該脱臭ロータ(51) の一部を覆うように形成さ
れた再生部(27) とを備えている。
【0118】上記脱臭ロータ(51) は、やや太い丸棒状
の心棒(52) と、波形に形成された脱臭シート(53) と、
筒状の区画シート(54) とを備え、心棒(52) の側面に脱
臭シート(53) と区画シート(54) とが交互に同心円状に
積層されて円筒状に形成されている。具体的に、先ず、
心棒(52) の外側面には、心棒(52) の中心軸方向と脱臭
シート(53) の波形の折り目の方向が一致するように波
形の脱臭シート(53) を全周に亘って巻き付ける。次
に、該心棒(52) に巻き付けた脱臭シート(53) の周りに
平坦な区画シート(54) を巻き付ける。この様にして脱
臭シート(53) と区画シート(54) とを交互に巻き付け、
最外周には区画シート(54) を配置して、全体として円
筒状の脱臭ロータ(51) が形成される。そして、この円
筒状の脱臭ロータ(51) には、円筒の一端から他端へと
連通する多数の浄化通路(55) が、上記脱臭シート(53)
及び区画シート(54) によって形成されている。また、
上記脱臭シート(53) 及び区画シート(54) は、実施形態
1のシート状材料(1) によって構成されている。
【0119】上記駆動モータ(56) は減速機付きのモー
タであって、該駆動モータ(56) の回転軸は上記脱臭ロ
ータ(51) の心棒(52) に同軸に取り付けられて、回転駆
動手段に構成されている。
【0120】上記再生部(27) は、脱臭ロータ(51) の前
面の一部と背面の一部とを覆うように脱臭ロータ(51)
の中心側から周辺に向かってそれぞれ扇形に広がり、前
後の相対する位置に配置された扇形部(27a) と、該扇形
部(27a) の先端同士をつないで脱臭ロータ(51) の側面
の一部を覆う側壁部(27b) とを備えて成る断面コの字状
に形成されている。また、上記扇形部(27a) 及び側壁部
(27b) は、断熱性を有する断熱壁に構成されている。ま
た、上記再生部(27) の内壁面には、図示しないが電気
ヒータが設けられ、該電気ヒータで再生部(27) に位置
する脱臭ロータ(51) を加熱することによって、該脱臭
ロータ(51) の脱臭シート(53) の吸着剤に吸着された臭
気物質又は有害物質を脱離させると共に、脱臭ロータ(5
1) の触媒を活性化して該臭気物質又は有害物質を分解
し無臭化又は無害化するように構成されている。
【0121】そして、上記空気浄化部(20) は、ケーシ
ング(11) 内の空気通路(14) において、該空気通路(14)
を流通する室内空気が脱臭ロータ(51) に形成された浄
化通路(55) を該脱臭ロータ(51) の前面側から背面側へ
と流通する姿勢で配置され、再生部(27) の側壁部(27b)
が空気通路(14) の上壁に取り付けられる一方、駆動モ
ータ(56) がブラケット(57) を介して空気通路(14) の
上壁に取り付けられている。
【0122】−運転動作− 上記空気清浄機(10) の動作について説明すると、吸込
口(12) から空気通路(14) へと流入した室内空気は、実
施形態1と同様に流れて空気浄化部(20) へと流れる。
該室内空気は、脱臭ロータ(51) の浄化通路(55) へと流
入し、該浄化通路(55) を形成する脱臭シート(53) 及び
区画シート(54) と接触しつつ流通する。そして、浄化
通路(55) を流通する際に、該室内空気に含まれる臭気
物質又は有害物質が脱臭シート(53) 及び区画シート(5
4) の吸着剤に吸着除去されて浄化空気となり、該浄化
空気は、空気通路(14) を流れて吹出口(13) から再び室
内へと吹き出され、室内空気の浄化が行われる。
【0123】一方、脱臭ロータ(51) は所定時間毎に所
定角度ずつ回転しており、浄化通路(55) を室内空気が
流通して室内空気の浄化を行った脱臭ロータ(51) の部
分は、再生部(27) へと至る。該再生部(27) では電気ヒ
ータによって再生部(27) に位置する脱臭ロータ(51) が
加熱され、脱臭ロータ(51) の脱臭シート(53) 及び区画
シート(54) の吸着剤が再生される。即ち、加熱される
ことによって該脱臭シート(53) 及び区画シート(54) の
吸着剤に吸着された臭気物質又は有害物質が脱離し、該
吸着剤が再生される。また、脱臭シート(53) 及び区画
シート(54) の触媒も加熱されて活性化されているた
め、吸着剤から脱離した臭気物質又は有害物質は該触媒
によって分解されて無臭化又は無害化される。そして、
吸着剤が再生された脱臭ロータ(51) の部分は、脱臭ロ
ータ(51) の回転によって再び再生部(27) の外部へと移
動し、浄化通路(55) を室内空気が流通して該室内空気
の浄化を行う。従って、脱臭ロータ(51) による空気の
浄化と、脱臭ロータ(51) の再生とが並行して行われる
ため、室内空気の浄化が連続して行われる。
【0124】−実施形態4の効果− 本実施形態4によれば、実施形態1と同様のシート状材
料(1) によって脱臭シート(53) 及び区画シート(54) を
形成しており、該シート状材料(1) を用いることにより
得られる効果は、実施形他1と同様である。
【0125】また、再生部(27) では脱臭ロータ(51) の
浄化通路(55) 内部と脱臭ロータ(51) の外部との空気の
流通が遮断されているため、吸着剤から脱離した臭気物
質又は有害物質が浄化通路(55) から外部へと流出する
のを防ぐことができ、この結果、吸着剤の再生を確実に
行うことができる。
【0126】また、脱臭ロータ(51) の脱臭シート(53)
及び区画シート(54) の吸着剤による空気の浄化と、該
吸着剤の再生とが同時に並行して行うことができ、この
結果、空気の浄化を連続して行うことができる。
【0127】また、再生部(27) の扇形部(27a) 及び側
壁部(27b) を断熱壁に構成しているため、脱臭ロータ(5
1) の吸着剤の再生を行う際における再生部(27) の内部
から外部への放熱量を削減することができ、吸着剤の再
生に要するエネルギーを削減することができる。また、
脱臭ロータ(51) を高温に維持するため、脱臭ロータ(5
1) の脱臭シート(53) 及び区画シート(54) に捕捉した
雑菌を殺菌することができる。
【0128】
【発明の実施の形態5】本実施形態5は、上記実施形態
1の空気清浄機(10) において空気浄化部(20)の構成を
変更したものであって、空気浄化部(20) 以外の構成は
実施形態1と同様である。
【0129】本実施形態の空気浄化部(20) は、図10
に示すように、長方形平板状のベース板(61) と、1枚
の脱臭シート(62) と、該脱臭シート(62) が収納される
再生部(27) とを備えている。
【0130】上記再生部(27) は、ベース板(61) の長手
方向の右端部に位置し、ベース板(61) の幅方向に亘っ
て形成された直方体の容器であって、左側面には全面に
亘って開口が形成されると共に、その壁面は断熱性を有
する断熱壁に構成されている。
【0131】上記脱臭シート(62) は、図11に示すよ
うに、実施形態1と同様にして粉末状の触媒及び吸着剤
をPTFEに担持させてなるシート層(2) と、形状記憶
金属より成る変形部材層(3) と、面状発熱体層(4) であ
る面状ヒータ(4) とが積層されて一体の長方形に形成さ
れたシート状材料(1) によって構成されている。
【0132】上記面状ヒータ(4) は、粉末状の導電性カ
ーボンをフィブリル化したPTFEに担持させて成るも
のであって、導電性カーボンの粉末とPTFEとの混合
物をペースト押出しによってシート状の抵抗発熱体に形
成すると共に、図示しないが、この抵抗発熱体の対向す
る位置に電極が取り付けられて成り、通電することによ
って抵抗発熱体が全面に亘って発熱するように構成され
ている。
【0133】そして、上記脱臭シート(62) は、一端が
再生部(27) の内部に取り付け固定されてベース板(61)
上に展開状態となる一方、上記面状ヒータへの通電によ
り変形部材層(3) が加熱されて所定の形状に変形する。
これによって脱臭シート(62)全体が変形部材層(3) と同
一形状に変形し、図12に示すように、脱臭シート(62)
が再生部(27) に巻取り状態で収納される。
【0134】そして、上記空気浄化部(20) は、ベース
板(61) がケーシング(11) 内に形成された空気通路(14)
に位置するように設けられ、ベース板(61) 上に展開状
態となった脱臭シート(62) と、空気通路(14) を流通す
る空気とが接触し、該脱臭シート(62) を形成するシー
ト状材料(1) の吸着材によって空気中の臭気物質又は有
害物質が吸着され、除去される。
【0135】−運転動作− 上記空気清浄機(10) の動作について説明すると、吸込
口(12) から空気通路(14) へと流入した室内空気は、実
施形態1と同様に流れて、空気浄化部(20) のベース板
(61) 上に展開状態に配置された脱臭シート(62) と接触
しつつ該脱臭シート(62) の幅方向へと流れる。その
際、脱臭シート(62) を構成するシート状材料(1) の吸
着剤によって該室内空気に含まれる臭気物質又は有害物
質が吸着除去され、室内空気は浄化空気となる。そし
て、この浄化空気は、空気通路(14) を流れて吹出口(1
3) から再び室内へと吹き出され、室内空気の浄化が行
われる。
【0136】そして、所定時間に亘って空気の浄化を行
うと、脱臭シート(62) の吸着剤の吸着能力が低下する
ため、該吸着剤の再生動作を行う。この再生動作時に
は、先ず、上記面状ヒータ(4) に通電して変形部材層
(3) を加熱すると、変形部材層(3) は予め定められた所
定の形状に変形する。そして、この変形部材層(3) の変
形に伴って、脱臭シート(62) 全体が変形し、脱臭シー
ト(62) が再生部(27) に巻取り状態で収納される。その
後、面状ヒータ(4) への通電を続けると、面状ヒータ
(4) によってシート状材料(1) の吸着剤が加熱され、該
吸着剤に吸着されていた臭気物質又は有害物質が脱離し
て吸着剤が再生される。一方、該シート状材料(1) の触
媒も加熱されて活性化されているため、吸着剤から脱離
した臭気物質又は有害物質は該触媒によって分解されて
無臭化又は無害化される。
【0137】−実施形態5の効果− 本実施形態5によれば、実施形態1と同様のシート状材
料(1) によって脱臭シート(62) を形成しており、該シ
ート状材料(1) を用いることにより得られる効果は、実
施形他1と同様である。
【0138】また、面状ヒータ(4) によってシート層
(2) を加熱するため、シート層(2) の全体に亘って均一
に加熱することができ、吸着剤の再生や触媒による臭気
物質又は有害物質の分解を確実に行うことができる。
【0139】また、面状ヒータ(4) によって変形部材層
(3) を加熱することによって脱臭シート(62) 全体を所
定形状に変形させることができるため、面状発熱体への
通電のみによって脱臭シート(62) を所定の空間に収納
して吸着剤の再生を行うことができる。
【0140】また、脱臭シート(62) を再生部(27) に収
納した状態で、該脱臭シート(62)の再生を行うことがで
きる。即ち、再生部(27) の内部において臭気物質又は
有害物質を脱臭シート(62) の吸着剤から脱離させて吸
着剤の再生を行い、且つ該臭気物質又は有害物質を分解
して無臭化又は無害化することができる。この結果、吸
着剤から脱離した臭気物質又は有害物質を再生部(27)
の外部へ流出させることなく分解することができ、吸着
剤の再生を確実に行うことができる。
【0141】また、再生部(27) の壁面を断熱壁に構成
しているため、脱臭シート(62) の吸着剤の再生を行う
際における再生部(27) の内部から外部への放熱量を削
減することができ、吸着剤の再生に要するエネルギーを
削減することができる。また、脱臭シート(62) を高温
に維持するため、脱臭シート(62) に捕捉した雑菌を殺
菌することができる。
【0142】−実施形態5の変形例− 上記実施形態5では、変形部材層(3) の変形によって脱
臭シート(62) を巻取り状態で再生部(27) に収納するよ
うにしたが、図13に示すように、蛇腹状の折り畳み状
態で再生部(27) に収納されるようにしてもよい。
【0143】また、形状記憶合金によって変形部材層
(3) を形成するようにしたが、形状記憶合金に限定され
ず、その他の物質、例えば、形状記憶樹脂を用いて変形
部材層(3) を形成するようにしてもよい。
【0144】
【発明の実施の形態6】本実施形態6は、上記実施形態
1の空気清浄機(10) において空気浄化部(20)の構成を
変更したものであって、空気浄化部(20) 以外の構成は
実施形態1と同様である。
【0145】本実施形態の空気浄化部(20) は、図14
に示すように、1枚の脱臭シート(71) と、発光手段で
ある2本のブラックライトランプ(73) とを備えてい
る。
【0146】上記脱臭シート(71) は、粉末状の触媒及
び吸着剤をフィブリル化したPTFEに担持させたシー
ト状材料(1) によって構成されている。また、該脱臭シ
ート(71) は、所定幅及び所定長さのシート状材料(1)
をひだ折りにして、該シート状材料(1) の幅方向に多数
の折り目(72) を形成したものである。そして、脱臭シ
ート(71) は、該折り目(72) が水平となる姿勢で配置さ
れている。
【0147】上記シート状材料(1) は、触媒が光触媒で
あることを除き、実施形態1のシート状材料(1) と同様
に構成されており、また、その製造方法も実施形態1の
シート状材料(1) と同様である。
【0148】上記光触媒は、そのバンドギャップ以上の
エネルギを持つ波長の光を照射されると活性化する触媒
であり、酸化チタンをはじめとして、酸化亜鉛、酸化タ
ングステン、酸化鉄、チタン酸ストロンチウムなどの金
属化合物半導体を単一又は2種以上組み合わせたもので
ある。また、上記光触媒に、第2成分として、 V,Fe,C
o,Ni,Cu,Zn,Ru,Rh,Pd,Ag,Pt 及び Au から成る群より選
ばれる少なくとも1種の金属又は金属化合物を含有させ
ると、一層高い光触媒機能を有する。
【0149】上記ブラックライトランプ(73) は、360 n
m 前後の紫外線を発生し、可視光線をほとんど発生しな
い棒状のランプである。該ブラックライトランプ(73)
は、上記脱臭シート(71) の上方に位置し、該脱臭シー
ト(71) の長手方向とブラックライトランプ(73) の軸方
向とが一致する姿勢で、所定間隔をおいて2本設けられ
ている。そして、ブラックライトランプ(73) は、脱臭
シート(71) の全面に亘って紫外線を照射するように構
成されている。
【0150】そして、上記空気浄化部(20) は、空気清
浄機(10) の空気通路(14) に配置され、脱臭シート(71)
と空気通路(14) を流通する空気とが接触するように構
成されている。
【0151】−運転動作− 上記空気清浄機(10) の動作について説明すると、吸込
口(12) から空気通路(14) へと流入した室内空気は、実
施形態1と同様に流れて、脱臭シート(71) と接触しつ
つ該脱臭シート(71) の幅方向へと流れる。その際、脱
臭シート(71) を構成するシート状材料(1) の吸着剤に
よって該室内空気に含まれる臭気物質又は有害物質が吸
着除去され、室内空気は浄化空気となる。そして、この
浄化空気は、空気通路(14) を流れて吹出口(13) から再
び室内へと吹き出され、室内空気の浄化が行われる。
【0152】一方、脱臭シート(71) の光触媒は、ブラ
ックライトランプ(73) からの紫外線を受けて活性状態
となる。そして、上記吸着剤から少しずつ脱離する臭気
物質又は有害物質を活性状態の光触媒によって連続的に
分解し、無臭化又は無害化する。
【0153】−実施形態6の効果− 本実施形態6によれば、脱臭シート(71) がシート状材
料(1) によって構成されているので、空気清浄能力が十
分に発揮される。また、ブラックライトランプ(73) に
よって脱臭シート(71) に所定波長の光を照射すること
によって臭気物質又は有害物質を連続的に分解して無臭
化又は無害化することができ、この結果、空気の浄化を
連続的に行うことができる。
【0154】−実施形態6の変形例− 本実施形態では、発光手段としてブラックライトランプ
(73) を用いたが、発光手段は、300〜400 nm の近紫外
線を含む光を発生するランプであればブラックライトラ
ンプ(73) に限定されるものではなく、例えば、蛍光
灯、ハロゲンランプ、キセノンランプ、水銀灯等を用い
るようにしてもよい。
【0155】また、脱臭シート(71) を多数の折り目(7
2) が形成された形状としたが、折り目(72) を形成せず
に平面状に形成するようにしてもよい。また、脱臭シー
ト(71) をハニカム状に形成して、脱臭シート(71) と空
気との接触面積を拡大するようにしてもよい。
【0156】
【発明のその他の実施の形態】本発明は、上記実施形態
について、以下のような構成としてもよい。
【0157】先ず、上記実施形態1〜5では、ゼオライ
トから成る吸着剤と実施形態1に示した物質である触媒
とをPTFEに担持させて成るシート状材料(1) を用い
るようにしたが、これに代えて、吸着剤のみをPTFE
に担持させて成るシート状材料(1) を用いるようにして
もよい。尚、吸着剤のみを有するシート状材料(1) を用
いる場合には、再生部(27) の内壁面に上記触媒を設
け、電気ヒータによって該触媒を加熱してシート状材料
の吸着剤から脱離した臭気物質又は有害物質を該触媒に
よって分解して無臭化又は無害化するように再生部(27)
を構成する。
【0158】上記実施形態1〜5では、吸着剤と触媒と
を備えたシート状材料(1) を用いるようにしたが、これ
に代えて、触媒のみを備えたシート状材料(1) を用いる
ようにしてもよい。つまり、上記触媒は、触媒成分を担
体に担持させることによって構成されている。一方、該
担体として用いられるゼオライト等も吸着作用を発揮す
る。このため、触媒のみを備えたシート状材料(1) を用
いた場合であっても、触媒と吸着剤とを備えたシート状
材料(1) を用いた場合と同様の作用効果が得られる。
【0159】また、上記実施形態1〜6では、シート状
材料(1) を形成する際に、粉末状の触媒及び吸着剤を水
に分散させ、そこに上記PTFEの凝集粉末を水に分散
させて得られる水性分散体を所定量加えて攪拌し、触媒
及び吸着剤とPTFEとが均一に混合されたものをシー
ト状に形成するようにしていたが、これに代えて、粉末
状の触媒及び吸着剤を有機溶剤に分散させ、そこに上記
PTFEの凝集粉末を有機溶剤に分散させて得られる非
水性分散体を所定量加えて攪拌し、触媒及び吸着剤とP
TFEとを均一に混合するようにしてもよい。また、粉
末状の触媒及び吸着剤と、上記PTFE粉末の表面を低
分子量ポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリ
デン等の非フィブリル形生成のポリマーで覆った複合粒
子とを混合するようにしてもよい。
【0160】また、上記実施形態1〜6では、空気清浄
機(10) を構成するようにしたが、本発明での空調機は
空気清浄機(10) に限定されるものではなく、例えば、
上記実施形態の空気浄化部(20) をエアコンの室内機に
設けるようにしてもよい。
【0161】また、上記実施形態1〜6では、シート状
材料(1) を用いて空気の浄化を行うようにしたが、シー
ト状材料(1) の用途は空気の浄化に限定されるものでは
ない。
【0162】また、上記実施形態1〜6では、吸着剤と
してゼオライトのみを用いるようにしたが、吸着剤とし
て活性炭のみを用いるようにしてもよく、また、ゼオラ
イト及び活性炭の両方を用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る空気清浄機の構成を示す上面
から見た断面図である。
【図2】実施形態1に係る空気浄化部の構成を示す斜視
図である。
【図3】実施形態1に係る再生部の構成を示す側方から
見た断面図である。
【図4】実施形態1の変形例に係る空気浄化部の構成を
示す斜視図である。
【図5】実施形態2に係る空気浄化部の構成を示す斜視
図である。
【図6】実施形態2に係る再生部の構成を示す側方から
見た断面図である。
【図7】実施形態3に係る空気浄化部の構成を示す斜視
図である。
【図8】実施形態4に係る空気清浄機の構成を示す側方
から見た断面図である。
【図9】実施形態4に係る空気浄化部の構成を示す斜視
図である。
【図10】実施形態5に係る空気浄化部の構成を示す斜
視図である。
【図11】実施形態5に係る脱臭シートの構成を示す斜
視図である。
【図12】実施形態5に係る空気浄化部における脱臭シ
ートの収納状態を示す斜視図である。
【図13】実施形態5の変形例に係る空気浄化部におけ
る脱臭シートの収納状態を示す斜視図である。
【図14】実施形態6に係る空気浄化部の構成を示す斜
視図である。
【符号の説明】
(1) シート状材料 (2) シート層 (3) 変形部材層 (4) 面状ヒータ(面状発熱体層) (11) ケーシング (12) 吸込口 (13) 吹出口 (14) 空気通路 (15) プレフィルタ (16) ファン (20) 空気浄化部(空気浄化用触媒構造体) (21a〜21e) 脱臭シート (22R) 右側巻取りロール (22L) 左側巻取りロール (26) 吸着部 (27) 再生部 (30a〜30c) 脱臭ベルト (31) 駆動ローラ(第1ローラ手段) (33R) 右側ベルトガイド (33L) 左側ベルトガイド(第2ローラ手段) (42) 脱臭シート (51) 脱臭ロータ (53) 脱臭シート (54) 区画シート (55) 浄化通路 (56) 駆動モータ(回転駆動手段) (62) 脱臭シート (71) 脱臭シート (73) ブラックライトランプ(発光手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 隆之 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 伊野 忠 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末状の触媒又は吸着剤を、フィブリル
    化したポリテトラフルオロエチレンに担持させて一体の
    シート層(2) が形成されていることを特徴とするシート
    状材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシート状材料において、
    ポリテトラフルオロエチレンは、テトラフルオロエチレ
    ンを界面活性剤を含む水溶液中で乳化重合して得られる
    平均粒径0.05〜1μmの微粒子を溶媒中に分散させ
    て成る水性若しくは非水性の分散体、又は該微粒子の凝
    集粉末をフィブリル化したものであることを特徴とする
    シート状材料。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のシート状材料にお
    いて、 シート層(2) における吸着剤は、空気中に含まれる臭気
    物質又は有害物質を吸着するゼオライト又は活性炭で構
    成されていることを特徴とするシート状材料。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のシート状材料にお
    いて、 シート層(2) における触媒は、空気中に含まれる臭気物
    質又は有害物質を分解して無臭化又は無害化する空気浄
    化用触媒であることを特徴とするシート状材料。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のシート状材料において、 触媒は、Al2O3、ZrO2、CeO2、SiO2 及びゼオライトのう
    ちから選ばれた1種類以上の金属酸化物又は該金属酸化
    物と金属の複合酸化物との混合物を担体とし、該担体
    に、触媒成分として Ag、Pd、Pt、Mn 及び Rh のうちか
    ら選ばれた1種類以上の金属、該金属を含有する合金も
    しくは該金属の酸化物、又はこれらの2種類以上の混合
    物が担持されて構成されていることを特徴とするシート
    状材料。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載のシート状材料にお
    いて、 シート層(2) は、触媒を少なくとも有し、該触媒は、所
    定波長の光の照射を受けることにより臭気物質又は有害
    物質を分解して無臭化又は無害化する光触媒で構成され
    ていることを特徴とするシート状材料。
  7. 【請求項7】 請求項3乃至5の何れか1記載のシート
    状材料において、 通電によって発熱するシート状の面状発熱体層(4) と、 該面状発熱体層(4) によって加熱されると所定形状に変
    形させる形状記憶物質より成る変形部材層(3) と一体に
    積層形成されていることを特徴とするシート状材料。
  8. 【請求項8】 請求項3乃至5の何れか1記載のシート
    状材料から成り、所定の幅及び長さに形成された脱臭シ
    ート(21a〜21e) と、 該脱臭シート(21a〜21e) が展開状態で横断し、臭気成
    分又は有害成分を含む空気が上記脱臭シート(21a〜21e)
    の幅方向に流れて該脱臭シート(21a〜21e) に接触し、
    該臭気成分又は有害成分を脱臭シート(21a〜21e) の吸
    着剤に吸着させる吸着部(26) と、 上記吸着部(26) の両側にそれぞれ設けられ、脱臭シー
    ト(21a〜21e) の端部が取り付けられて該脱臭シート(21
    a〜21e) が吸着部(26) を往復動するように脱臭シート
    (21a〜21e) を巻き取る正逆転可能な巻取りロール(22R,
    22L) と、 上記吸着部(26) の両側に設けられた巻取りロール(22R,
    22L) のうちの少なくとも一方に巻き取られた脱臭シー
    ト(21a〜21e) の吸着剤に吸着された臭気物質又は有害
    物質を脱離させて該吸着剤の再生を行い、且つ吸着剤か
    ら脱離した臭気物質又は有害物質を分解して無臭化又は
    無害化する再生部(27) とを備えていることを特徴とす
    る空気浄化用触媒構造体。
  9. 【請求項9】 請求項3乃至5の何れか1記載のシート
    状材料から成り、エンドレスの輪状に形成された脱臭ベ
    ルト(30a〜30c) と、 該脱臭ベルト(30a〜30c) がエンドレス状に移動するよ
    うに脱臭ベルト(30a〜30c) が巻回する第1ローラ手段
    (31) 及び第2ローラ手段(33L) と、 該第1ローラ手段(31) と第2ローラ手段(33L) との間
    に形成され、上記脱臭シートが平坦な展開状態で横切
    り、臭気成分又は有害成分を含む空気が上記脱臭ベルト
    (30a〜30c) の幅方向に流れて該脱臭シートに接触し、
    該臭気成分又は有害成分を脱臭ベルト(30a〜30c) の吸
    着剤に吸着させる吸着部(26) と、 上記吸着部(26) の傍らに設けられ、脱臭ベルト(30a〜3
    0c) の吸着剤に吸着された臭気物質又は有害物質を該吸
    着剤から脱離させて吸着剤の再生を行い、且つ吸着剤か
    ら脱離した臭気物質又は有害物質を分解して無臭化又は
    無害化する再生部(27) とを備えていることを特徴とす
    る空気浄化用触媒構造体。
  10. 【請求項10】 請求項3乃至5の何れか1記載のシー
    ト状材料から成り、所定の幅及び長さに形成された、展
    開状態と折り畳み状態とに屈折可能な蛇腹状の脱臭シー
    ト(42) と、 該脱臭シート(42) が展開状態で横切り、臭気成分又は
    有害成分を含む空気が幅方向に流れて該脱臭シート(42)
    に接触し、該臭気成分又は有害成分を脱臭シート(42)
    の吸着剤に吸着させる吸着部(26) と、 上記吸着部(26) の傍らに設けられ、上記脱臭シート(4
    2) が折り畳まれて収納され、収納した脱臭シート(42)
    の吸着剤に吸着された臭気物質又は有害物質を該吸着剤
    から脱離させて吸着剤の再生を行い、且つ吸着剤から脱
    離した臭気物質又は有害物質を分解して無臭化又は無害
    化する再生部(27) とを備えていることを特徴とする空
    気浄化用触媒構造体。
  11. 【請求項11】 請求項3乃至5の何れか1記載のシー
    ト状材料を波形に形成して成る脱臭シート(53) と平坦
    なシート状の区画シート(54) とが略同心円状に交互に
    配置されて、両端が開放された円筒状に形成される一
    方、上記脱臭シート(53) 及び区画シート(54) によって
    区画されて円筒の一端から他端へと連通する多数の浄化
    通路(55) が形成されている脱臭ロータ(51) と、 上記脱臭ロータ(51) を該脱臭ロータ(51) の中心軸周り
    に回転させる回転駆動手段(56) と、 上記脱臭ロータ(51) の一部を覆い、脱臭ロータ(51) の
    浄化通路(55) 内部と脱臭ロータ(51) の外部との間の空
    気の流通を遮断する一方、脱臭ロータ(51) の吸着剤に
    吸着された臭気物質又は有害物質を該吸着剤から脱離さ
    せて吸着剤の再生を行い、且つ吸着剤から脱離した臭気
    物質又は有害物質を分解して無臭化又は無害化する再生
    部(27) とを備えていることを特徴とする空気浄化用触
    媒構造体。
  12. 【請求項12】 請求項6記載のシート状材料から成る
    脱臭シート(71) と、 上記脱臭シート(71) に所定波長の光を照射する発光手
    段(73) とを備え、 脱臭シート(71) の光触媒が発光手段(73) の光を受けて
    活性化し、活性化した光触媒によって空気に含まれる臭
    気成分又は有害成分を分解して無臭化又は無害化するよ
    うに構成されていることを特徴とする空気浄化用触媒構
    造体。
  13. 【請求項13】 請求項7記載のシート状材料から成る
    脱臭シート(62) と、 臭気成分又は有害成分を含む空気と上記脱臭シート(62)
    とを接触させ、該空気に含まれる臭気成分又は有害成
    分を脱臭シート(62) の吸着剤に吸着させる吸着部(26)
    と、 上記吸着部(26) の傍らに設けられ、上記脱臭シート(6
    2) の面状発熱体層(4)に通電し、変形部材層(3) を加熱
    して該変形部材層(3) を変形させることによって脱臭シ
    ート(62) が収納され、脱臭シート(62) の吸着剤に吸着
    された臭気物質又は有害物質を該吸着剤から脱離させて
    吸着剤の再生を行い、且つ吸着剤から脱離した臭気物質
    又は有害物質を分解して無臭化又は無害化する再生部(2
    7) とを備えていることを特徴とする空気浄化用触媒構
    造体。
  14. 【請求項14】 請求項8乃至13の何れか1記載の空
    気浄化用触媒構造体(20) と、ファン(16) と、吸込口(1
    2) 及び吹出口(13) が形成されたケーシング(11) とを
    備え、 該ケーシング(11) の内部には吸込口(12) から吹出口(1
    3) へと連通する空気通路(14) が形成される一方、該空
    気通路(14) に位置して、上記空気浄化用触媒構造体(2
    0) とファン(16) とが設けられていることを特徴とする
    空調機。
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