JP2003010625A - ガス処理装置 - Google Patents

ガス処理装置

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JP2003010625A
JP2003010625A JP2001200409A JP2001200409A JP2003010625A JP 2003010625 A JP2003010625 A JP 2003010625A JP 2001200409 A JP2001200409 A JP 2001200409A JP 2001200409 A JP2001200409 A JP 2001200409A JP 2003010625 A JP2003010625 A JP 2003010625A
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JP
Japan
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treated
adsorption
regeneration
air
adsorbing
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Application number
JP2001200409A
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English (en)
Inventor
Kenkichi Kagawa
謙吉 香川
Kanji Mogi
完治 茂木
Toshio Tanaka
利夫 田中
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 被処理ガス中に含まれる有害成分や臭気成分
などの被処理成分を吸着する吸着部材を再生可能にし処
理に要するランニングコストを低減するガス処理装置を
提供する。 【解決手段】吸着部材2aから脱離した被処理成分を、
放電により低温プラズマを生成して処理し、その時に発
生する種々の活性種(例えば、ヒドロキシラジカル、励
起酸素分子等)の作用により再生、分解を行い、また触
媒手段を使用することも可能であり、再生にヒータ加熱
を行わないことでコストを抑えるガス処理装置1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理ガス中の被
処理成分を吸着部材で吸着するするとともに、該被処理
成分を脱離することで吸着部材が再生可能なガス処理装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、被処理ガスを処理するガス処
理装置として、例えば空気を処理する空気浄化装置は、
空気中のたばこ臭、食品臭、屎尿臭、体臭、ペット臭、
パーマ臭、建築臭、油煙、VOC、NOxなどの臭気成
分や有害成分を除去するため、店舗、医療機関、工場な
どにおいて用いられている。
【0003】従来の空気浄化装置として、例えば、活性
炭やゼオライトなどの吸着剤を含んだ吸着部材を使用し
て空気中の臭気成分や有害成分を吸着除去するものがあ
る。また、この種の装置において、吸着部材が上記成分
をほぼ飽和状態になるまで吸着すると、空気浄化性能が
大幅に低下し、吸着部材を定期的(例えば数カ月毎)に
交換する必要が生じるために、吸着部材で吸着した臭気
成分又は有害成分を、該吸着部材に熱風を当てて脱離さ
せることで、吸着部材を再生する方式の空気浄化装置が
提案されている(例えば特開平7−2560474号公
報参照)。この公報に記載の装置では、吸着部材から脱
離した臭気成分や有害成分を、高温に加熱した触媒(燃
焼酸化触媒)に通過させて、これらの成分を酸化分解す
るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の装置におい
ては、通常、吸着部材から上記成分を脱離するために吸
着部材を200℃程度まで加熱し、さらに、脱離した成
分を分解するために触媒を400℃程度まで加熱する必
要がある。このように高温加熱が必要であるため、従来
の装置ではランニングコストが高く、特に吸着部材の再
生後に行う触媒での処理に関してこの問題が顕著であっ
た。
【0005】本発明は、このような問題点に鑑みて創案
されたものであり、その目的とするところは、吸着部材
を再生式にしたガス処理装置においてランニングコスト
を低減することであり、特に吸着部材の再生後の処理に
要するランニングコストを低減することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸着部材(2A,
2B) を再生式にしたガス処理装置(1) において、吸着部
材(2A,2B) の再生時に脱離した被処理成分を、低温プラ
ズマにより分解するようにしたものである。
【0007】具体的に、本発明が講じた解決手段は、被
処理ガス中の被処理成分を吸着する吸着部材(2A,2B)
と、該吸着部材(2A,2B) から被処理成分を脱離させる再
生手段(3) と、該再生手段(3) によって吸着部材(2A,2
B) から脱離した被処理成分を分解する分解手段(4) と
を備えたガス処理装置(1) を前提としている。
【0008】そして、第1の解決手段に係るガス処理装
置(1) は、上記分解手段(4) が、放電により低温プラズ
マを生成して上記被処理成分を分解するように構成され
ていることを特徴としている。
【0009】この第1の解決手段においては、吸着部材
(2A,2B) によって被処理ガス中の有害成分や臭気成分な
どの被処理成分が吸着されることで該被処理ガスが処理
される。一方、吸着部材(2A,2B) が被処理ガスから吸着
した被処理成分は再生手段(3) によって該吸着部材(2A,
2B) から脱離し、それによって吸着部材(2A,2B) が再生
され、再度被処理ガスの処理に用いられる。また、吸着
部材(2A,2B) から脱離した被処理成分は、分解手段(4)
によって分解される。この被処理成分の分解は、放電を
起こして低温プラズマを生成し、そのときに発生する種
々の活性種(例えば、ヒドロキシラジカル、励起酸素分
子、励起窒素分子、励起水分子など)の作用で行われ
る。
【0010】また、本発明が講じた第2の解決手段は、
上記第1の解決手段に係るガス処理装置(1) において、
再生手段(3) が、吸着部材(2A,2B) の近傍で放電により
低温プラズマを生成して吸着部材(2A,2B) から被処理成
分を脱離させるように構成されていることを特徴として
いる。
【0011】この第2の解決手段によれば、再生手段
(3) において、吸着部材(2A,2B) の近傍で放電が生じて
低温プラズマが生成され、該低温プラズマの作用によっ
て被処理成分が吸着部材(2A,2B) から脱離して該吸着部
材(2A,2B) が再生される。低温プラズマにより吸着部材
(23)が再生されることに関しては、具体的な作用は現時
点では明確にはなっていないが、現象としては確認され
ており、放電により高エネルギー状態になったイオンや
ラジカルが、吸着部材(2A,2B) に吸着されている被処理
成分の分子に当たってエネルギーの一部を該分子に与え
ることで、被処理成分の分子が高エネルギー状態にな
り、吸着部材(2A,2B) から脱離するものと考えられる。
【0012】また、本発明が講じた第3の解決手段は、
上記第1または第2の解決手段に係るガス処理装置にお
いて、吸着部材(2A)が、回転可能に構成されるととも
に、被処理空気の流通する吸着通路(P1)と再生空気の流
通する再生通路(P2)に跨って配置され、該吸着部材(2A)
の一部で被処理成分の吸着を行い、他の一部で被処理成
分の脱離を行うことにより、被処理ガスを連続的に処理
することを特徴としている。
【0013】この第3の解決手段においては、吸着通路
(P1)を流れる被処理ガスに含まれる有害成分や臭気成分
を吸着部材(2A)の一部で吸着することにより被処理ガス
が処理される。これらの成分を吸着した部分は、吸着部
材(2A)が回転して再生通路(P2)内に移動すると、再生通
路(P2)を流れる再生空気によって再生される。そして、
このようにして再生された部分が吸着部材(2A)の回転に
伴って吸着通路(P1)内へ再度移動すると、被処理空気中
の被処理成分を吸着するのに用いられる。このように、
吸着部材(2A)が回転しながら吸着と脱離が行われるの
で、被処理ガスが連続的に処理される。
【0014】また、本発明が講じた第4の解決手段は、
上記第1または第2の解決手段に係るガス処理装置にお
いて、吸着部材(2B)の配置された空間が、被処理空気の
流通する吸着通路(P1)と再生空気(P2)の流通する再生通
路(P2)に切り換え可能に構成され、吸着部材(2B)で被処
理成分の吸着と脱離とを交互に行うことにより、被処理
ガスを間欠的に処理することを特徴としている。
【0015】この第4の解決手段では、まず吸着部材(2
B)の配置された空間を吸着通路(P1)に切り換えた状態と
して、被処理ガス中の被処理成分を吸着部材(2B)で吸着
し、被処理ガスを処理する。吸着部材(2B)が飽和状態に
近付くと、吸着部材(2B)の配置された空間を再生通路(P
2)に切り換えて、吸着部材(2B)に吸着した被処理成分を
再生空気中に放出させ、吸着部材(2B)を再生する。放出
した被処理成分は、分解手段(4) において処理される。
このように、吸着部材(2B)で被処理成分の吸着と脱離と
を交互に行うことにより、被処理ガスが間欠的に処理さ
れる。
【0016】また、本発明が講じた第5の解決手段は、
上記第1または第2の解決手段に係るガス処理装置(1)
において、複数の吸着部材(2B)が配置された空間が、そ
れぞれ、被処理空気の流通する吸着通路(P1)と再生空気
の流通する再生通路(P2)に切り換え可能に構成され、被
処理成分の吸着を行う吸着部材(2B)と被処理成分の脱離
を行う吸着部材(2B)との切り換え操作を繰り返すことに
より、被処理ガスを連続的に処理することを特徴として
いる。
【0017】この第5の解決手段では、吸着通路(P1)側
に切り換えた吸着部材(2B)において被処理ガス中の被処
理成分を吸着し、該被処理ガスを処理するとともに、再
生通路(P2)側に切り換えた吸着部材(2B)は再生空気に被
処理成分を放出して再生される。一方、各吸着部材(2B)
において、吸着通路(P1)を再生通路(P2)に、再生通路(P
2)を吸着通路(P1)に切り換えると、それまで吸着に用い
られていた吸着部材(2B)が再生され、逆にそれまで再生
されていた吸着部材(2B)は吸着に用いられる。このよう
に、被処理成分の吸着を行う吸着部材(2B)と被処理成分
の脱離を行う吸着部材(2B)との切り換え操作を繰り返す
ことにより、被処理ガスが連続的に処理される。
【0018】また、本発明が講じた第6の解決手段は、
上記第1から第5のいずれか1の解決手段において、分
解手段(4) が、吸着部材(2B)の少なくとも一部を含む閉
空間(P2)の内部に設けられていることを特徴としてい
る。
【0019】この第6の解決手段においては、分解手段
(4) が吸着部材(2B)の少なくとも一部とともに閉空間(P
2)の内部に設けられるので、閉空間(P2)の内部で吸着部
材(2B)が再生されるとともに、脱離した成分がこの閉空
間(P2)の中で分解されることになる。このため、吸着部
材(2B)の再生と脱離した被処理成分の分解とが、該閉空
間(P2)内で完結する。
【0020】また、本発明が講じた第7の解決手段は、
上記第1から第6のいずれか1の解決手段において、分
解手段(4) が、低温プラズマにより活性化して被処理成
分の処理を促進する触媒手段(41)を含んでいることを特
徴としている。
【0021】この第7の解決手段によれば、吸着部材(2
A,2B) から脱離した被処理成分を分解する際に、低温プ
ラズマとともに触媒の作用が用いられる。つまり、被処
理ガスは、低温プラズマにより発生する高速電子やイオ
ン、及び各種の活性種(例えば、ヒドロキシラジカルな
どのラジカルや、励起酸素分子、励起窒素分子、励起水
分子などの励起分子)などの作用を受けるとともに、触
媒の作用も受ける。例えば、被処理ガスが有害成分や臭
気成分などの被処理成分を含む空気である場合、これら
の被処理成分は、上記活性種により分解されて無臭化ま
たは無害化されるとともに、触媒によって分解反応が促
進される。
【0022】なお、低温プラズマにより活性化する触媒
としては、例えば、Pt(白金),Pd(パラジウ
ム),Ni(ニッケル),Ir(イリジウム),Rh
(ロジウム),Co(コバルト),Os(オスミウ
ム),Ru(ルテニウム),Fe(鉄),Re(レニウ
ム),Tc(テクネチウム),Mn(マンガン),Au
(金),Ag(銀),Cu(銅),W(タングステ
ン),Mo(モリブデン),Cr(クロム)などのうち
の少なくとも1種を含むものを用いることができる。ま
た、このうち、FeやMnを始め、一部の物質は酸化物
(例えばFe23、MnO2 など)の形態で含ませると
よい。
【0023】これらの触媒は、吸着部材(2A,2B) から脱
離した被処理成分を処理する際に、放電により発生する
種々の活性種(オゾン、ヒドロキシラジカル、励起酸素
分子、励起窒素分子、励起水分子など)をさらに励起し
て、これら活性種をより活性の高い状態にする作用や、
該触媒の表面に多くの活性種を活性状態のまま吸着する
作用を有している。したがって、これらの作用により被
処理ガスを処理する際の化学反応が促進される。
【0024】また、本発明が講じた第8の解決手段は、
上記第7の解決手段において、触媒手段(41)が吸着部材
(2A,2B) と一体に形成されていることを特徴としてい
る。
【0025】この第8の解決手段においては、吸着部材
(2A,2B) に触媒が含まれることになる。このため、吸着
部材(2A,2B) から被処理成分を脱離して該吸着部材(2A,
2B)を再生しながら、脱離した被処理成分が同時に低温
プラズマによって分解される。また、触媒手段(41)が吸
着部材(2A,2B) と一体であるため、分解手段(4) におけ
る触媒の活性化には再生手段(3) において生成した低温
プラズマを利用することができる。
【0026】また、本発明が講じた第9の解決手段は、
上記第7の解決手段において、触媒手段(41)が吸着部材
(2A,2B) と別体に形成されていることを特徴としてい
る。
【0027】この第9の解決手段においては、吸着部材
(2A,2B) とは別に触媒手段(41)が設けられるため、吸着
部材(2A,2B) から被処理成分を脱離して吸着部材(2A,2
B) を再生するのとは別の位置で、脱離した被処理成分
が低温プラズマと触媒の作用によって処理される。
【0028】
【発明の効果】上記第1の解決手段によれば、吸着部材
(2A,2B) から脱離した被処理成分を、従来は燃焼酸化触
媒を用いて分解処理しているのに対して、分解手段(4)
において低温プラズマを利用して分解するようにしてい
るので、その分解処理のために空気を高温に加熱しなく
てもよい。そして、放電の消費電力が加熱の消費電力よ
り小さくて済むため、従来は燃焼酸化触媒での分解処理
に関して特に問題であったランニングコストを抑えるこ
とが可能となる。
【0029】また、従来のガス処理装置において、空調
機と組み合わせたシステムの場合は、例えば熱交換器の
排熱を利用して被処理成分の分解処理熱を得るようにす
ることがあるが、その場合でも熱回収だけでは燃焼酸化
触媒を十分に加熱できないうえにシステム構成が複雑に
なりがちであるのに対して、上記解決手段によれば熱回
収が不要であり、システム構成が複雑になることもな
い。
【0030】また、上記第2の解決手段によれば、吸着
部材(2A,2B) の再生にも低温プラズマを利用するように
しているので、従来は再生に用いていたヒータが不要と
なる。したがって、吸着部材(2A,2B) の再生に関しても
ランニングコストを抑えることが可能となる。
【0031】また、上記第3の解決手段によれば、吸着
部材(2A)から脱離した被処理成分を低温プラズマで分解
するガス処理装置(1) において、吸着部材(2) を回転さ
せながら吸着と脱離を行って、被処理ガスを連続的に処
理することができる。
【0032】また、上記第4の解決手段によれば、吸着
部材(2B)から脱離した被処理成分を低温プラズマで分解
するガス処理装置(1) において、吸着部材(2B)で被処理
成分の吸着と脱離とを交互に行うことにより、被処理ガ
スを間欠的に処理することができる。この構成では、吸
着部材(2B)を静止した状態にして運転できるので、装置
の信頼性を高められる。
【0033】また、上記第5の解決手段によれば、吸着
部材(2B)から脱離した被処理成分を低温プラズマで分解
するガス処理装置(1) において、複数の吸着部材(2B)を
設けて被処理成分の吸着を行う吸着部材(2B)と被処理成
分の脱離を行う吸着部材(2B)との切り換え操作を繰り返
すことにより、被処理ガスを連続的に処理することがで
きる。この構成でも、通路(P1,P2) を切り換えるだけで
吸着部材(2B)を静止した状態にして運転できるので、装
置の信頼性を高められる。
【0034】また、上記第6の解決手段によれば、吸着
部材(2A,2B) の再生と、その再生時に吸着部材(2A,2B)
から脱離した被処理成分の分解とを一つの閉空間内で行
うようにしているので、再生手段(3) と分解手段(4) と
をダクトなどでつなぐ必要がなく、構成を簡単にするこ
とができ、装置の小型化も可能となる。
【0035】また、上記第7の解決手段によれば、吸着
部材(2A,2B) から脱離した被処理成分を分解する際に、
放電により低温プラズマを生成して発生させた種々の活
性種(オゾン、ヒドロキシラジカル、励起酸素分子、励
起窒素分子、励起水分子など)を触媒でさらに励起して
活性を高めたり、これらの活性種を触媒上に活性状態の
まま吸着したりして化学反応を促進することができるの
で、低温プラズマによる被処理成分の分解性能を確実に
高められる。
【0036】また、上記第8の解決手段によれば、吸着
部材(2A,2B) に触媒が含まれるため、構成を簡単にする
ことができ、小型化も可能となる。特に、再生手段(3)
に低温プラズマを利用したものでは、触媒の活性化にも
同じ低温プラズマを利用することができるので、構成の
簡素化や装置の小型化に有利である。
【0037】また、上記第9の解決手段によれば、吸着
部材(2A,2B) とは別に触媒手段(41)を用いているので、
吸着部材(2A,2B) を再生する再生手段(3) と、触媒手段
(41)を含む分解手段(4) とが分離して配置される。この
ため、被処理成分の分解には低温プラズマを利用する一
方で吸着部材(2A,2B) の再生は加熱により行う場合など
に、再生手段(3) と分解手段(4) とが近接して配置され
ることによる構成の複雑化などを防止できる。
【0038】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態1を図
面に基づいて詳細に説明する。
【0039】図1は、この実施形態1に係る空気浄化装
置(ガス処理装置)の概略構成を示す斜視図、図2は断
面構造図である。この空気浄化装置(1) は、被処理空気
中の有害成分や臭気成分などの被処理成分を吸着ロータ
(吸着部材)(2A)により吸着して、該被処理空気を浄化
するものである。
【0040】空気浄化装置(1) は、図2に示すように、
ケーシング(10)内に、上記吸着ロータ(2A)と、該吸着ロ
ータ(2A)から被処理成分を脱離させる再生手段(3) と、
該再生手段(3) によって吸着ロータ(2A)から脱離した被
処理成分を分解する分解手段(4) とを備えている。
【0041】吸着ロータ(2A)は、空気の流れ方向に沿っ
て貫通する多数の小孔(2a)を有するハニカム形状の基材
から構成され、被処理空気が通り抜けるように通気性を
有している。なお、吸着ロータ(2A)は、基材の表面に吸
着剤を担持する構成の他に、ゼオライト等の吸着剤をバ
インダで固めてハニカム状などの通気性を有する形状に
成形してもよい。
【0042】上記吸着ロータ(2A)は、基材の表面に吸着
剤を担持し、被処理空気が小孔(2a)を通過する際に臭気
成分や有害成分を吸着剤に吸着することで、これらの成
分を被処理空気から除去するように構成されている。吸
着剤には、例えば活性炭やゼオライトなどが用いられ
る。また、吸着剤には、多孔質セラミックス、活性炭繊
維、モルデナイト、フェリエライト、シリカライトなど
を使用してもよい。
【0043】上記ケーシング(10)は、互いに対向する空
気吸込口(11)と空気吹出口(12)とを有し、その間に上記
吸着ロータ(2A)が配置されるとともに、ファン(5) も配
置されている。被処理空気は空気吸込口(11)からケーシ
ング(10)内に吸い込まれた後、吸着ロータ(2A)を通って
処理(被処理成分の吸着処理)され、さらに空気吹出口
(12)から吹き出される。ケーシング(10)内は、空気吸込
口(11)から空気吹出口(12)へ空気の流れる経路が吸着通
路(P1)に構成されている。
【0044】一方、ケーシング(10)内は、吸着ロータ(2
A)の一部を含む断面扇状の空間が閉空間に構成され、こ
の閉空間が再生空気の流通する再生空路(P2)に構成され
ている。再生通路(P2)内では、再生空気が循環すること
により吸着ロータ(2A)が再生される。
【0045】上記吸着ロータ(2A)は、円板状であって中
心軸(C) の廻りで回転可能に構成されるとともに、被処
理空気の流通する吸着通路(P1)と再生空気の流通する再
生通路(P2)とに跨って配置されている。そして、吸着ロ
ータ(2A)は、吸着通路(P1)内に位置する部分が吸着部(2
1)、再生通路(P2)内に位置する部分が再生部(22)になっ
ている。
【0046】ケーシング(10)内には、上記吸着ロータ(2
A)を回転させるために駆動機構(6)が設けられている。
この駆動機構(6) は、駆動モータ(6a)と、該駆動モータ
(6a)の出力軸に固定された駆動プーリ(6b)と、駆動プー
リ(6b)及び吸着ロータ(2A)に掛けられた駆動ベルト(6c)
とから構成されていて、駆動ベルト(6c)を駆動モータ(6
a)で走行させることにより吸着ロータ(2A)が回転する。
そして、吸着ロータ(2A)が回転しながら、上記吸着部(2
1)で被処理成分の吸着を行うとともに、上記再生部(22)
で被処理成分の脱離を行うことにより、被処理ガスが連
続的に処理される。
【0047】上記再生手段(3) は、吸着ロータ(2A)の近
傍で放電により低温プラズマを生成して吸着ロータ(2A)
から被処理成分を脱離させるように構成されている。こ
のため、吸着ロータ(2A)の近傍には、該吸着ロータ(2A)
を挟んで放電電極(31)と対向電極(32)とが配置され、両
電極(31,32) には、放電電圧を印加してストリーマ放電
を発生させる直流の高圧電源(33)が接続されている。
【0048】放電電極(31)は、図3に示すように、上記
閉空間の扇形状とほぼ相似形のメッシュ状導電基材(31
a) と、この基材(31a) に立設された複数の針電極(31b)
とから構成されている。対向電極(32)は、図3では省
略しているが放電電極(31)に対して吸着ロータ(2A)を挟
んだ反対側に配置されている。この対向電極(32)は、放
電電極(31)の基材(31a) と同様に扇形状でメッシュ状の
電極板によって構成されている。
【0049】この構成において両電極(31,32) に放電電
圧を印加すると、放電電極(31)と対向電極(32)の間でス
トリーマ放電が発生する。このストリーマ放電により、
高活性のイオンやラジカルなどの活性種が発生し、低温
プラズマが生成される。具体的には、放電によって高速
電子、イオン、オゾン、ヒドロキシラジカルなどのラジ
カルや、その他励起分子(励起酸素分子、励起窒素分
子、励起水分子など)などの活性種が生成され、これら
の活性種によって、吸着ロータ(2A)に吸着された被処理
成分が効果的に脱離される。
【0050】ストリーマ放電は、針電極(31b) の先端か
ら対向電極(32)まで微小アークが連続することにより、
発光を伴ったプラズマ柱として形成され、微小アーク
は、針電極(31b) と対向電極(32)の間において、等電位
面の間隔が狭いところで連なって進展する。本実施形態
では、詳細は示していないが、針電極(31b) の先端を6
0°(または30°〜90°)の削り角で削ったものと
し、最先端は半径が約0.5mmの球面形状として僅かな
丸みを有するものとしている。そして、針電極(31b) の
先端角度を上記の角度に特定しているため、微小アーク
が広範囲に広がりながら進展しやすくなり、ストリーマ
放電が広範囲で生じるようにしている。つまり、この場
合のストリーマ放電は、針電極(31b) から対向電極(32)
に向かってフレア状に広がった領域で発生する。そし
て、直流高電圧を用いたストリーマ放電において、各針
電極(31b) についての放電領域が広くなるようにして、
針電極(31b) の本数を比較的少なくしてもプラズマ発生
領域を広げられるようにしている。
【0051】一方、上記分解手段(4) は、ストリーマ放
電により生成される低温プラズマと、該低温プラズマに
より発生する活性種の作用で活性化して上記被処理成分
の処理を促進する触媒手段(41)とにより、吸着ロータ(2
A)から脱離した上記被処理成分を分解するように構成さ
れている。
【0052】触媒手段(41)は、低温プラズマにより活性
化する触媒を例えばハニカム状の基材の表面に担持した
ものや、触媒粒子を通気性の容器に充填したものなどに
よって構成され、再生空気が通過するように通気性を有
している。該触媒手段(41)は、吸着ロータ(2A)とは別体
に構成されて、吸着ロータ(2A)の近傍に配置されてい
る。この触媒を活性化するため、低温プラズマを生成す
る手段として、上記放電電極(31)及び対向電極(32)が利
用されている。つまり、再生手段(3) と分解手段(4)
は、放電電極(31)及び対向電極(32)を共用している。触
媒手段(41)は、放電電極(31)及び対向電極(32)ととも
に、再生通路(P2)内に配置されている。
【0053】なお、低温プラズマにより活性化する触媒
としては、例えば、Pt(白金),Pd(パラジウ
ム),Ni(ニッケル),Ir(イリジウム),Rh
(ロジウム),Co(コバルト),Os(オスミウ
ム),Ru(ルテニウム),Fe(鉄),Re(レニウ
ム),Tc(テクネチウム),Mn(マンガン),Au
(金),Ag(銀),Cu(銅),W(タングステ
ン),Mo(モリブデン),Cr(クロム)のうちの少
なくとも1種を含むものを用いることができる。また、
このうち、FeやMnを始め、一部の物質は酸化物(例
えばFe23、MnO2 など)の形態で含ませるとよ
い。
【0054】−運転動作− 次に、この空気浄化装置(1) の運転動作について説明す
る。
【0055】装置(1) の運転時には、駆動モータ(6a)と
ファン(5) が起動しており、吸着ロータ(2A)が回転しな
がら被処理空気がケーシング(10)の吸着通路(P1)を通過
している。したがって、被処理空気は、吸着通路(P1)内
で吸着ロータ(2A)を通過するときに吸着剤が臭気成分や
有害成分を吸着するため、清浄な空気になってケーシン
グ(10)から吹き出される。
【0056】吸着ロータ(2A)は、回転軸(C) を中心とし
て回転しているため、吸着通路(P1)内で被処理空気中の
被処理成分を吸着した部分は、やがて再生通路(P2)内へ
移動する。この再生通路(P2)内では、放電電極(31)と対
向電極(32)に電源(33)から放電電圧が印加されており、
両電極(31,32) の間でストリーマ放電が発生して低温プ
ラズマが生成されている。そして、ストリーマ放電によ
り再生通路(P2)内では各種の活性種が発生しており、こ
れらの活性種が、吸着ロータ(2A)の再生と、その再生時
に吸着ロータ(2A)から脱離した被処理成分の分解とに作
用する。
【0057】また、上記放電時には、放電電極(31)側で
イオンが発生し、これが対向電極(32)に引き寄せられて
移動する間に次々に中性の空気分子に衝突して運動エネ
ルギーを空気に与える結果、イオン風が発生する。イオ
ン風は、放電電極(31)から対向電極(32)に向かってほぼ
一定の向きで流れる。このため、閉空間になっている再
生通路(P2) 内では、予め循環通路を設けておくことに
より、ファンなどの送風手段を用いずに再生空気を循環
させることが可能となる。
【0058】このようにして再生空気が循環すると、放
電により発生した各種の活性種がイオン風に乗って吸着
ロータ(2A)を通過し、該活性種の作用で被処理成分が吸
着ロータ(2A)から脱離して該吸着ロータ(2A)が再生され
る。ここで、低温プラズマにより吸着ロータ(2A)が再生
される際の具体的な作用は現時点では明確にはなってい
ないものの、現象としては確認されており、放電により
高エネルギー状態になったイオンやラジカルが、吸着ロ
ータ(2A)に吸着されている被処理成分の分子に当たって
エネルギーの一部を該分子に与えることで、被処理成分
の分子が高エネルギー状態になり、吸着ロータ(2A)から
脱離するものと考えられている。
【0059】以上のようにして吸着ロータ(2A)を再生す
る際に被処理成分が吸着ロータ(2A)から脱離すると、こ
れらの成分は、ケーシング(10)内に設けられている分解
手段(4) によって低温プラズマと触媒の作用で分解され
る。具体的には、放電により発生する種々の活性種(例
えば、オゾン、ヒドロキシラジカル、励起酸素分子、励
起窒素分子、励起水分子など)が被処理成分に作用する
際に、触媒が、これら種々の活性種をさらに励起してよ
り活性の高い状態にする作用や、該触媒の表面に多くの
活性種を活性状態のまま吸着する作用を有していること
から、被処理ガス中の被処理成分が効率的に分解され
る。
【0060】上述したように、閉空間になった再生通路
(P2)内に再生手段(3) と分解手段(4) とが設けられてお
り、該再生通路(P2)を再生空気が循環するので、吸着ロ
ータ(2A)の再生と、再生によって生じる被処理成分の分
解は、該再生通路(P2)内で完結する。この場合、再生手
段(3) と分解手段(4) とを閉空間内にまとめて設けてい
るため、吸着ロータ(2A)からの被処理成分の脱離とこれ
らの成分の分解は、別々の作用として行われるのではな
く、同時発生的に進行する。
【0061】そして、吸着ロータ(2A)は、再生された部
分が吸着ロータ(2A)の回転に伴って吸着通路(P1)内へ移
動することで、該吸着通路(P1)において再度被処理空気
を浄化するのに用いられる。
【0062】−実施形態1の効果− 本実施形態1によれば、吸着ロータ(2A)から脱離した被
処理成分を、従来は高温下で活性化する燃焼酸化触媒を
用いて分解処理していたのに対して、分解手段(4) にお
いて低温プラズマで活性化する触媒を利用して分解する
ようにしているので、分解処理のために触媒を高温に加
熱しなくてもよい。そして、放電の消費電力が加熱の消
費電力よりも小さいため、従来は燃焼酸化触媒での分解
処理に関して特に問題であったランニングコストを抑え
ることが可能となる。
【0063】また、この実施形態1では吸着ロータ(2A)
の再生にも低温プラズマを利用するようにしているの
で、従来は再生に用いていたヒータも不要となる。した
がって、再生に関してもランニングコストを抑えること
が可能となる。
【0064】また、本実施形態1では装置(1) がヒータ
レスになるために、ケーシング(10)を耐熱構造にしたり
する必要もなく、構成を簡単にすることが可能となる。
【0065】また、この装置(1) では、吸着ロータ(2A)
を回転させながら吸着と脱離を同時に行っているので、
コンパクトな装置(1) で被処理ガスを連続的に処理する
ことができる。
【0066】また、吸着ロータ(2A)の再生と、その再生
時に吸着ロータ(2A)から脱離した被処理成分の分解処理
とを閉空間になった再生通路(P2)内で行うようにしてい
るので、例えば分解手段(4) を再生手段(3) から離れた
位置に配置する場合には該再生手段(3) と分解手段(4)
の間にダクトなどを設けて被処理空気を送給する必要が
あるのに対して、この実施形態1では再生手段(3) と上
記分解手段(4) とをダクトなどでつなぐ必要がなく、構
成を簡単にすることができる。
【0067】さらに、吸着ロータ(2A)から脱離した被処
理成分を分解する際に、放電により低温プラズマを生成
する際に発生する種々の活性種(オゾン、ヒドロキシラ
ジカル、励起酸素分子、励起窒素分子、励起水分子な
ど)を触媒でさらに励起して活性を高めたり、これらの
活性種を触媒上に活性状態のまま吸着したりして化学反
応を促進することができるので、処理性能を高めること
ができる。
【0068】−実施形態1の変形例− 本実施形態1では、放電電極(31)及び対向電極(32)を、
再生手段(3) と分解手段(4) とで共用するようにしてい
るが、それぞれの手段(3,4) に専用の電極を用いて処理
するようにしてもよい。
【0069】また、上記実施形態1では、針電極(31b)
の先端形状を特定した電極構成において直流の高電圧を
印加して広い領域でストリーマ放電を発生させるように
しているが、針電極の先端形状に拘わらず、パルスの高
電圧電源を用いるとストリーマ放電を広い領域で生成す
ることが可能となる。
【0070】具体的には、例えばパルスの立ち上がり時
間が100ns以下程度と短く、パルス幅が1μs以下
程度の急峻なパルス高電圧を両電極間に印加すると、対
向電極側に向かってフレア状に広がった比較的広い範囲
でストリーマ放電を起こすことができる。このようにパ
ルス波形を特定するとストリーマ放電が広い領域で生成
される理由としては、電圧の印加時間が短いために、
通常の放電ではスパークに至ってしまうような高い電圧
を瞬間的に印加できること、印加電圧を高くすると全
ての場所で放電が起きやすくなること、電圧立ち上が
りが急峻なために空間電荷効果による放電の抑制が少な
いこと、立ち上がり時間が短いために一様な放電が起
きやすいことなどを挙げることができる。
【0071】また、放電形式はストリーマ放電に限ら
ず、他の方式にしてもよく、例えば電極形状や印加電圧
を適宜選択することにより、パルスコロナ放電、コロナ
放電、またはグロー放電などを採用してもよい。
【0072】
【発明の実施の形態2】本発明の実施形態2は、実施形
態1の構成において、触媒手段(41)を実施形態1とは異
なる態様でケーシング(10)内に設けたものである。つま
り、この構成においては、図4及び図5に示すように、
触媒を吸着剤とともにハニカム状の吸着ロータ(2A)に担
持して、触媒手段(41)を吸着ロータ(2A)と一体に形成し
ている。なお、吸着剤や触媒には、実施形態1で説明し
たのと同様の物質を用いることができる。
【0073】また、放電電極(31)及び対向電極(32)は、
吸着ロータ(2A)を挟んで配置されたものが、実施形態1
と同様に、再生手段(3) 用と分解手段(4) 用とに共用さ
れている。
【0074】この実施形態2においても、吸着通路(P1)
を流れる被処理空気が吸着ロータ(2A)を通過することに
より、該空気中の有害成分や臭気成分が吸着ロータ(2A)
に吸着され、該空気が浄化される。また、吸着ロータ(2
A)は、回転に伴ってこれらの成分を吸着した部分が閉空
間からなる再生通路(P2)内へ移動し、該再生通路(P2)内
で再生される。この実施形態2の構成では、吸着ロータ
(2A)に低温プラズマで活性化する触媒が含まれているた
め、低温プラズマの作用で吸着ロータ(2A)から被処理成
分が脱離すると同時に、これらの成分が分解されて処理
される。
【0075】本実施形態2では、触媒手段(41)を単独で
設けずに吸着ロータ(2A)と一体にしているため、実施形
態1と比べて構成をより簡単にすることが可能である。
【0076】また、吸着ロータ(2A)の再生後における被
処理成分の分解処理を低温プラズマの作用で行って熱触
媒を利用せず、さらに吸着ロータ(2A)の再生にもヒータ
を使用しないことからランニングコストを抑えられるこ
となどは、上記実施形態1と同様である。
【0077】
【発明の実施の形態3】本発明の実施形態3は、実施形
態1,2における回転式の吸着ロータ(2A)の代わりに固
定式の吸着板(吸着部材)(2B)を用い、吸着運転と再生
運転を交互に切り換えながら行うことにより、被処理ガ
スを間欠的に処理する(空気浄化を間欠的に行う)よう
にしたものである。
【0078】図6及び図7に示すように、この装置(1)
のケーシング(10)内には吸着板(2B)が固定されている。
該吸着板(2B)は、矩形板状でハニカム状の基板に吸着剤
と触媒とを担持したものであり、これらの吸着剤や触媒
には、実施形態1で説明したのと同様の物質が用いられ
ている。この吸着板(2B)は、実施形態2と同様に触媒手
段(41)が一体化されたものである。
【0079】上記ケーシング(10)は空気吸込口(11)と空
気吹出口(12)を有し、該空気吸込口(11)と空気吹出口(1
2)の間の空気通路に上記吸着板(2B)とともにファン(5)
が配置されている。また、吸着板(2B)を挟んだ両側に
は、放電電極(31)と対向電極(32)とが配置されている。
放電電極(31)は、図8に示すように導電性の線材からな
る基材(31a) に複数の針電極(31b) が立設されたもので
あり、対向電極(32)にはメッシュ状の導電材が用いられ
ている。これらの放電電極(31)及び対向電極(32)には電
源(33)が接続されており、両電極(31,32) の間で放電が
生じるように構成されている。
【0080】上記ケーシング(10)内の空間は、空気浄化
を行う吸着運転時にはファン(5) を起動することで被処
理空気が流れる吸着通路(P1)となり、吸着板(2B)を再生
する再生運転時にはファン(5) を停止するとともに放電
を発生させることで再生空気が循環する再生通路(P2)と
なる。
【0081】具体的には、吸着運転時にファン(5) を起
動すると被処理空気が空気吸込口(11)からケーシング(1
0)内に吸い込まれて吸着板(2B)を通過する。このとき、
該被処理空気中の臭気成分や有害成分が吸着板(2B)に吸
着され、該被処理空気が浄化されてケーシング(10)の空
気吹出口(12)から吹き出される。このように、吸着運転
時にはケーシング(10)内は吸着通路(P1)になっている。
なお、吸着運転時には両電極(31,32) に放電電圧は印加
されておらず、放電は発生していない。
【0082】一方、吸着板(2B)が被処理成分を例えば飽
和状態近くまで吸着すると、ファン(5) を停止するとと
もに、両電極(31,32) に放電電圧を印加する。このよう
にすると、放電によりイオン風が発生し、ケーシング(1
0)内で空気が循環する。ここで、ケーシング(10)には空
気吸込口(11)と空気吹出口(12)が設けられているが、イ
オン風の風速はファンの風速に比べて遅く、再生空気は
空気吸込口(11)及び空気吹出口(12)の通風抵抗によりケ
ーシング(10)の外へほとんど流出しない。また、空気吸
込口(11)及び空気吹出口(12)にルーバを設けておき、再
生運転中にはこれらのルーバを閉じるようにしてもよ
い。以上のように、再生空気がケーシング(10)内をイオ
ン風によって循環しながら、吸着板(2B)が放電による低
温プラズマの作用と吸着板(2B)に含まれる触媒の作用と
を受けるため、被処理成分が吸着板(2B)から脱離しなが
ら同時に分解されることになる。
【0083】吸着板(2B)の再生が終わると、放電を停止
してファン(5) を起動することにより、吸着運転による
空気浄化を再開することができる。このように、本実施
形態3においては、吸着運転と再生運転とを交互に切り
換えることにより、空気浄化などのガス処理を間欠的に
行うことができる。
【0084】この実施形態3においても、脱離した被処
理成分の分解にヒータを用いずに低温プラズマと触媒を
利用しており、かつ吸着板(2B)からの被処理成分の脱離
にもヒータを用いずに低温プラズマを利用しているの
で、運転に伴うランニングコストを低減することができ
る。
【0085】また、吸着板(2B)が静止した状態を保つの
で、装置(1) の信頼性を高めることもできる。
【0086】−実施形態3の変形例− 上記実施形態3は、吸着板(2B)に吸着剤とともに触媒も
担持して、吸着板(2B)と触媒手段(41)とを一体に構成し
たものであるが、触媒手段(41)を吸着板(2B)とは別体に
してケーシング(10)内に設けるようにしてもよい。
【0087】
【発明の実施の形態4】本発明の実施形態4は、複数
(2つ)の吸着板(2B)を用い、吸着板(2B)の一方で被処
理空気の被処理成分を吸着するときに他方の吸着板(2B)
を再生し、その吸着状態と再生状態とを交互に切り換え
る操作を繰り返すことにより、被処理ガスを連続的に処
理するようにしたものである。
【0088】具体的には、この装置(1) は、ケーシング
(10)内が図9に示すように2つに分割され、それぞれに
ファン(5,5) が設けられている。また、放電電極(31)及
び対向電極(32)も、ケーシング(10)内の各空間毎に設け
られている。さらに、これらの電極(31,32) は、スイッ
チ(34)を介して電源(33)に接続され、電圧を印加する電
極(31,32) を切り換えられるように構成されている。
【0089】この装置(1) では、ケーシング(10)内の一
方の空間でファン(5) を起動すると、他方の空間ではフ
ァン(5) を停止して両電極(31,32) に放電電圧を印加す
る。そして、ファン(5) を起動した方の空間が吸着通路
(P1)となり、ファン(5) を停止するとともに放電の生じ
ている空間が再生通路(P2)となる。
【0090】吸着通路(P1)では、被処理空気が空気吸込
口(11)からケーシング(10)内に吸い込まれ、吸着板(2B)
を通過する。そして、吸着板(2B)が被処理成分を吸着し
て被処理空気が浄化され、清浄な空気になって空気吹出
口(12)からケーシング(10)の外に吹き出される。一方、
再生通路(P2)では、ファン(5) が停止して放電が生じて
いる。このため、実施形態3と同様の作用で再生空気が
ケーシング(10)内を循環し、低温プラズマの作用で吸着
板(2B)から被処理成分が脱離するとともに、低温プラズ
マ及び触媒の作用で該成分が分解されて、吸着板(2B)が
再生される。
【0091】一方、それまで再生運転をしていた吸着板
(2B)が十分に再生されると、吸着運転側と再生運転側を
切り換える操作を行う。つまり、ファン(5) を起動して
いた側は該ファン(5) を停止して電極(31,32) に放電電
圧を印加する一方、ファン(5) を停止して電極(31,32)
に放電電圧を印加していた側では該ファン(5) を起動し
て電極(31,32) への電圧の印加を停止する。こうするこ
とにより、吸着板(2B)はそれまで再生運転をしていたも
のが吸着運転に用いられ、それまで吸着運転をしていた
ものが再生運転に用いられる。
【0092】したがって、この実施形態によれば、吸着
運転側と再生運転側とを切り換えることにより空気浄化
などのガス処理を連続して行うことができる。また、こ
の実施形態においても、被処理成分の分解と吸着板(2B)
の再生にヒータを使用せずに低温プラズマを利用するよ
うにしているので、装置(1) のランニングコストを抑え
ることができる。
【0093】
【発明の実施の形態5】上記各実施形態は、吸着部材(2
A,2B) から脱離した被処理成分をプラズマ(及び触媒)
による分解手段(4) で分解する装置(1) において、いず
れも吸着部材(2A,2B) からの被処理成分の脱離とその脱
離した成分の分解とを閉空間になった再生通路(P2)の中
で行うようにしたものであるが、分解手段(4) を再生手
段(3) とは別の空間に配置し、再生手段(3) によって吸
着部材(2A,2B) から脱離した被処理成分を上記分解手段
(4) に送って分解するようにしてもよい。
【0094】その例を図10に示している。この装置
(1) は、ハニカム状の吸着ロータ(2A)を備え、該吸着ロ
ータ(2A)は吸着通路(P1)と再生通路(P2)とに跨って配置
されている。吸着ロータ(2A)は、扇状の領域(再生部(2
2))が再生通路(P2)内に位置するとともに、残りの領域
(吸着部(21))が吸着通路(P1)内に位置するように配置
され、回転に伴って吸着部(21)と再生部(22)が徐々に変
化するように構成されている。
【0095】再生通路(P2)には、吸着ロータ(2A)を挟ん
で放電電極(31)及び対向電極(32)(図示省略)が配置さ
れ、これにより低温プラズマを用いた再生手段(3) が構
成されている。また、この再生通路(P2)には、吸着ロー
タ(2A)よりも下流側となる位置に放電電極(42)及び対向
電極(43)と触媒手段(41)とが配置され、これらにより、
低温プラズマと触媒とを用いた分解手段(4) が構成され
ている。
【0096】再生通路(P2)には、再生用の空気を室外な
どから導入するとともに、被処理成分を処理した後の空
気を再度室外などへ排出するように、図示しない送風機
が設けられてる。
【0097】なお、吸着剤や触媒には、上記各実施形態
と同様の物質が用いられている。
【0098】この構成においては、吸着通路(P1)内を流
れる被処理空気は、吸着ロータ(2A)の吸着剤が有害成分
や臭気成分を吸着することで浄化された後、室内へ供給
される。一方、再生部(22)では放電により発生した活性
種が吸着ロータ(2A)に付着した有害成分や臭気成分に作
用して、これら成分が吸着ロータ(2A)から脱離する。脱
離したこれらの成分は、再生通路(P1)を下流側へ流れ、
分解手段(4) により低温プラズマと触媒の作用を受けて
分解される。そして、再生空気は、これらの成分が無臭
化または無害化されて、室外に放出される。
【0099】そして、吸着ロータ(2A)を回転させながら
吸着と脱離を同時に行うことで、空気浄化を連続して行
うことができる。
【0100】この実施形態5においても、吸着ロータ(2
A)の再生と、その再生後の被処理成分の分解とにヒータ
を用いずに低温プラズマの作用を利用しているので、常
温で処理することが可能であり、高温加熱に起因する装
置(1) のランニングコストを抑えることができる。
【0101】−実施形態5の変形例− (変形例1)図10の実施形態5では、室外から導入し
た再生空気を被処理成分の処理後に室外に排出するよう
にしているが、再生空気は図11に示すように再生手段
(3)と処理手段(4) の間で循環させるように構成しても
よい。この場合、再生手段(3) と処理手段(4) をダクト
(図示せず)などにより連結することができる。なお、
その他の構成は、図10の例と同様である。
【0102】このように構成すると、図10の例と同様
に、吸着ロータ(2A)を回転させながら吸着と脱離を同時
に行うことで、空気浄化を連続して行うことができる。
また、再生通路(P2)では、再生手段(3) により吸着ロー
タ(2A)から脱離した被処理成分が分解手段(4) に送られ
て分解されるとともに、この分解手段(4) により被処理
成分を分解した後の空気が再度再生手段(3) に送られ
て、吸着ロータ(2A)の再生に用いられる。
【0103】このように、再生通路(P2)において再生空
気が循環し、該再生空気が外部には放出されないので、
例えば図10の構成では分解手段(4) において放電によ
り発生するオゾンを外部に放出しないような処置が必要
となることがあるのに対して、そのような処置が全く不
要となる。
【0104】また、吸着ロータ(2A)の再生と、その再生
後の被処理成分の分解とにヒータを用いずに低温プラズ
マの作用を利用しているので、常温での処理が可能であ
り、それによって高温加熱に起因する装置のランニング
コストを抑えることができることは図10の例などと同
様である。
【0105】(変形例2)図10の実施形態5では、吸
着ロータ(2A)を用いて被処理空気を連続的に浄化するよ
うにしているが、吸着ロータ(2A)の代わりに図12に示
すように固定式の吸着板(2B)を用いて吸着運転と再生運
転とを切り換えながら被処理空気を間欠的に浄化するよ
うにしてもよい。
【0106】この装置(1) では、図7の例と同様に、吸
着板(2B)の配置された空間が吸着通路(P1)と再生通路(P
2)とに切り換え可能に構成されている。吸着板(2B)を挟
んで両側には、放電電極(31)と対向電極(32)(図示省
略)とが配置されている。再生通路(P2)には、吸着板(2
B)の下流側に、図10と同様に低温プラズマと触媒の作
用で被処理成分を分解する分解手段(4) が設けられてい
る。
【0107】この構成においては、被処理空気が吸着板
(2B)を流れる状態に切り換えるとともに、再生手段(3)
における放電を止めておくことにより、吸着板(2B)が被
処理空気中の有害成分や臭気成分を吸着して該空気が浄
化される。
【0108】一方、吸着板(2B)がこれらの成分を例えば
飽和状態に近い程度まで吸着すると、吸着板(2B)への被
処理空気の流通を停止して再生空気を流す状態に切り換
え、再生手段(3) 及び分解手段(4) での放電を開始す
る。再生手段(3) においては、低温プラズマの作用で吸
着板(2B)から被処理成分が脱離し、さらにこれらの成分
が分解手段(4) に送られて低温プラズマと触媒の作用で
分解される。この例では、図10の例と同様に再生空気
を外部から取り入れて、処理後に外部に放出するように
しているが、図11の例と同様に再生空気を再生手段
(3) と分解手段(4)の間で循環させるようにしてもよ
い。
【0109】このように構成しても、吸着運転と再生運
転とを切り換えながら空気浄化を間欠的に行うことがで
きるとともに、吸着板(2B)の再生と、その再生後の被処
理成分の分解とにヒータを用いずに低温プラズマの作用
を利用しているので、常温で処理することが可能であ
り、上記の例と同様に高温加熱に起因する装置のランニ
ングコストを抑えることができる。
【0110】また、図12の構成は、被処理空気を間欠
的に処理するようにしたものであるが、複数の吸着板(2
B)を用い、吸着運転を行う吸着板(2B)と再生運転を行う
吸着板(2B)とを適宜切り換えることにより、被処理空気
を連続的に処理することも可能である。
【0111】
【発明の実施の形態6】上記各実施形態では、吸着部材
(2A,2B) から被処理成分を脱離させるために低温プラズ
マの作用を利用しているが、再生手段(3) は、高温の空
気を吸着部材(2A,2B) に供給して該吸着部材(2A,2B) を
再生するように構成してもよい。
【0112】例えば、図13に示す例は、図10の装置
(1) において被処理成分の脱離を高温空気で行うように
したものである。具体的には、上記放電電極(31)及び対
向電極(32)の代わりに、再生通路(P2)における吸着ロー
タ(2A)の上流側近傍にヒータ(35)が配置され、高温空気
を吸着ロータ(2A)に供給するようにしている。その他の
部分については、図10の例と同様に構成されている。
【0113】この構成においては、吸着ロータ(2A)を回
転させながら被処理空気中の有害成分や臭気成分を吸着
ロータ(2A)の吸着部(21)で吸着し、同時に再生部(22)で
被処理成分を脱離することにより空気浄化を連続して行
うことができる。再生部(22)では加熱空気が吸着ロータ
(2A)を通過することで被処理成分が吸着ロータ(2A)から
脱離し、これら成分は再生通路(P2)を流れて分解手段
(4) に送られる。そして、これらの成分が分解手段(4)
において低温プラズマと触媒との作用で分解され、処理
後の空気が外気中に放出される。
【0114】ここで、一般に再生手段(3) と分解手段
(4) にヒータ(35)を使用する場合には、分解手段(4) の
方をより高温に加熱する必要があるのに対して、この実
施形態6では、分解手段(4) にはヒータ(35)を使用せず
に低温プラズマの作用を利用しているので、効果的にラ
ンニングコストを抑えることが可能である。
【0115】(変形例1)図14の例は、再生空気を再
生手段(3) と分解手段(4) との間で循環させるものにお
いて、吸着ロータ(2A)を高温空気で再生するようにした
例である。この装置は、再生手段(3) に電極(31,32) の
代わりにヒータ(35)を用いていることを除いては、図1
1と同様に構成されている。
【0116】この構成においても、再生手段(3) にはヒ
ータ(35)を利用しているが、分解手段(4) にはヒータ(3
5)を使用せずに低温プラズマの作用を利用しているの
で、従来よりもランニングコストを抑えることが可能で
ある。
【0117】また、図13の例では外部から取り入れた
空気を加熱しているが、この図14の例では循環経路内
で空気を繰り返し加熱しているため、加熱量が少なくて
済む。したがって、この点でもランニングコストを低減
することができる。
【0118】(変形例2)図15の例は、回転式の吸着
ロータ(2A)の代わりに固定式の吸着板(2B)を用い、吸着
通路(P1)と再生通路(P2)とを切り換えて使用するものに
おいて、吸着板(2B)を高温空気で再生するようにした例
である。この装置は、再生手段(3) に電極(31,32) の代
わりにータ(35)を用いていることを除いては、図12の
例と同様に構成されている。
【0119】この構成においても、再生手段(3) にはヒ
ータ(35)を利用しているが、分解手段(4) にはヒータ(3
5)を使用せずに低温プラズマの作用を利用しているの
で、従来よりもランニングコストを抑えることが可能で
ある。
【0120】(変形例3)図16の例は、回転式の吸着
ロータ(2A)の再生通路(P2)を閉空間にしてその中で被処
理成分の脱離と分解を行うものにおいて、吸着ロータ(2
A)を高温で再生するようにした例である。
【0121】この例では、吸着ロータ(2A)は被処理空気
が上から下へ流れるようにほぼ水平に配置されている。
この吸着ロータ(2A)は、再生部(22)を構成する扇形の領
域が閉空間内に位置し、該閉空間が再生通路(P2)を構成
している。また、吸着ロータ(2A)は、上記扇形の領域を
除く部分が被処理空気を浄化する吸着部(21)を構成して
いる。
【0122】上記再生通路(P2)には、吸着ロータ(2A)の
下方にヒータ(35)が配置され、吸着ロータ(2A)の上方に
は低温プラズマと触媒による分解手段(4) が配置されて
いる。なお、図では低温プラズマを生成するための電極
(31,32) は省略している。
【0123】この構成においては、被処理空気が吸着通
路(P1)を上方から下方に流れて吸着ロータ(2A)を通過す
ると、吸着ロータ(2A)の吸着剤が被処理空気の臭気成分
や有害成分を吸着し、該被処理空気が浄化される。吸着
ロータ(2A)はこのようにして被処理成分を吸着すると、
吸着部(21)になっていた部分が回転に伴って再生通路(P
2)内へ移動する。
【0124】再生通路(P2)内では、ヒータ(35)に通電さ
れており、高温の空気が吸着ロータ(2A)を通って上昇す
るため、該吸着ロータ(2A)において被処理成分が脱離し
て、これらの成分が上昇気流に乗ってさらに上昇する。
そして、上記被処理成分は分解手段において低温プラズ
マと触媒の作用で分解され、無臭化または無害化され
る。このようにして被処理成分が分解された処理済みの
空気は、再生通路(P2)内に循環通路を形成しておけば、
該空気が分解手段(4) の周囲で若干冷却されるとともに
下方から高温空気が上昇してくるため、吸着ロータ(2A)
の下方まで下降し、再度ヒータ(35)で加熱されて吸着ロ
ータ(2A)の再生に用いられる。
【0125】このように、この図16の例では再生通路
(P2)内で自然対流を起こし、これを利用して吸着ロータ
(2A)からの被処理成分の脱離と該成分の分解とを行うこ
とができるため、ファンを設ける必要がない。また、再
生手段(3) にはヒータ(35)を利用しているが、分解手段
(4) にはヒータを使用せずに低温プラズマの作用を利用
しているので、従来よりもランニングコストを抑えるこ
とが可能である。
【0126】以上説明した図13〜図16の例では、吸
着ロータ(2A)または吸着板(2B)から被処理成分を脱離す
るのにヒータ(35)を用いているため、分解手段(4) には
高温の再生空気が供給される。ここで、図17のグラフ
に示すように、印加電圧が同じであるとすれば、温度が
高いと放電電流が大きくなり、放電が発生しやすくなる
傾向がある。このため、上述した図13〜図16の例で
は、ヒータ(35)の消費電力は図1〜図12の再生手段
(3) に用いる放電の消費電力よりも大きくなるものの、
分解手段(4) に用いる放電の消費電力は図1〜図12の
ものよりも抑えることが可能である。
【0127】
【発明のその他の実施の形態】本発明は、上記実施形態
について、以下のような構成としてもよい。
【0128】例えば、図6,図12,図15などでは、
固定式の吸着板(2B)を用いて吸着通路(P1)と再生通路(P
2)とを切り換える構成にしているが、吸着通路(P1)と再
生通路(P2)を並設するとともに吸着板(2B)を可動にして
吸着通路(P1)内の位置と再生通路(P2)内の位置とに移動
可能に構成した場合でも、吸着通路(P1)側で吸着運転を
行い、再生通路(P2)側で再生運転を行うことが可能であ
る。
【0129】また、上記各実施形態では、吸着ロータ(2
A)や吸着板(2B)から脱離した被処理成分を分解するのに
低温プラズマとともに触媒を用いるようにしているが、
触媒を用いずに低温プラズマのみを利用して該被処理成
分を分解するようにしてもよい。
【0130】さらに、本発明は、被処理ガス中の被処理
成分を吸着部材(2A,2B) によって吸着するとともに、該
吸着部材(2A,2B) から被処理成分を脱離させて再生する
装置において、吸着部材(2A,2B) から脱離した被処理成
分を、放電により低温プラズマを生成して分解する分解
手段(4) を用いて構成したものであればよく、吸着ロー
タ(2A)または吸着板(2B)、または再生手段(3) などの具
体的な構成は任意に変更してもよい。
【0131】また、装置(1) の具体的な構成(ケーシン
グ(10)の構成や、機器の配置など)も適宜変更すること
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るガス処理装置の概略
構成を示す斜視図である。
【図2】図1のガス処理装置の断面構造図である。
【図3】電極構造を示す部分斜視図である。
【図4】本発明の実施形態2に係るガス処理装置の概略
構成を示す斜視図である。
【図5】図4のガス処理装置の断面構造図である。
【図6】本発明の実施形態3に係るガス処理装置の概略
構成を示す斜視図である。
【図7】図6のガス処理装置の断面構造図である。
【図8】電極構造を示す部分斜視図である。
【図9】本発明の実施形態4に係るガス処理装置の断面
構造図である。
【図10】本発明の実施形態5に係るガス処理装置の概
略構成を示す斜視図である。
【図11】実施形態5の第1の変形例を示す斜視図であ
る。
【図12】実施形態5の第2の変形例を示す斜視図であ
る。
【図13】本発明の実施形態6に係るガス処理装置の概
略構成を示す斜視図である。
【図14】実施形態6の第1の変形例を示す斜視図であ
る。
【図15】実施形態6の第2の変形例を示す斜視図であ
る。
【図16】実施形態6の第3の変形例を示す斜視図であ
る。
【図17】温度変化に伴う印加電圧と放電電流の関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
(1) 空気浄化装置 (2A) 吸着ロータ(吸着部材) (2B) 吸着板(吸着部材) (21) 吸着部 (22) 再生部 (3) 再生手段 (31) 放電電極 (31a) 基材 (31b) 針電極 (32) 対向電極 (33) 高圧電源 (4) 分解手段 (41) 触媒手段 (5) ファン (6) 駆動機構 (6a) 駆動モータ (6b) 駆動プーリ (6c) 駆動ベルト (10) ケーシング (11) 空気吸込口 (12) 空気吹出口 (P1) 吸着通路 (P2) 再生通路 (C) 中心軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 利夫 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 Fターム(参考) 4C080 AA05 AA09 CC12 CC13 CC14 HH05 JJ03 KK02 KK08 LL10 MM02 MM04 MM05 MM07 QQ11 4D012 CA09 CA10 CA11 CA15 CB02 CC02 CC05 CD10 CG01 CG02 CG04 CH05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理ガス中の被処理成分を吸着する吸
    着部材(2A,2B) と、該吸着部材(2A,2B) から被処理成分
    を脱離させる再生手段(3) と、該再生手段(3) によって
    吸着部材(2A,2B) から脱離した被処理成分を分解する分
    解手段(4) とを備えたガス処理装置であって、 上記分解手段(4) が、放電により低温プラズマを生成し
    て上記被処理成分を分解するように構成されていること
    を特徴とするガス処理装置。
  2. 【請求項2】 再生手段(3) が、吸着部材(2A,2B) の近
    傍で放電により低温プラズマを生成して吸着部材(2A,2
    B) から被処理成分を脱離させるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のガス処理装置。
  3. 【請求項3】 吸着部材(2A)は、回転可能に構成される
    とともに、被処理空気の流通する吸着通路(P1)と再生空
    気の流通する再生通路(P2)に跨って配置され、 該吸着部材(2A)の一部で被処理成分の吸着を行い、他の
    一部で被処理成分の脱離を行うことにより、被処理ガス
    を連続的に処理することを特徴とする請求項1または2
    記載のガス処理装置。
  4. 【請求項4】 吸着部材(2B)の配置された空間が、被処
    理空気の流通する吸着通路(P1)と再生空気の流通する再
    生通路(P2)に切り換え可能に構成され、 吸着部材(2B)で被処理成分の吸着と脱離とを交互に行う
    ことにより、被処理ガスを間欠的に処理することを特徴
    とする請求項1または2記載のガス処理装置。
  5. 【請求項5】 複数の吸着部材(2B,2B) が配置された空
    間が、それぞれ、被処理空気の流通する吸着通路(P1)と
    再生空気の流通する再生通路(P2)に切り換え可能に構成
    され、 被処理成分の吸着を行う吸着部材(2B)と被処理成分の脱
    離を行う吸着部材(2B)との切り換え操作を繰り返すこと
    により、被処理ガスを連続的に処理することを特徴とす
    る請求項1または2記載のガス処理装置。
  6. 【請求項6】 分解手段(4) が、吸着部材(2A,2B) の少
    なくとも一部を含む閉空間(P2)の内部に設けられている
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1記載のガ
    ス処理装置。
  7. 【請求項7】 分解手段(4) が、低温プラズマにより活
    性化して被処理成分の処理を促進する触媒手段(41)を含
    んでいることを特徴とする請求項1から6のいずれか1
    記載のガス処理装置。
  8. 【請求項8】 触媒手段(41)が吸着部材(2A,2B) と一体
    に形成されていることを特徴とする請求項7記載のガス
    処理装置。
  9. 【請求項9】 触媒手段(41)が吸着部材(2A,2B) と別体
    に形成されていることを特徴とする請求項7記載のガス
    処理装置。
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