JPH11166298A - 鉄筋拘束具 - Google Patents

鉄筋拘束具

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JPH11166298A
JPH11166298A JP35006397A JP35006397A JPH11166298A JP H11166298 A JPH11166298 A JP H11166298A JP 35006397 A JP35006397 A JP 35006397A JP 35006397 A JP35006397 A JP 35006397A JP H11166298 A JPH11166298 A JP H11166298A
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JP
Japan
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reinforcing bar
strip
shaped steel
reinforced concrete
steel plate
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Withdrawn
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JP35006397A
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English (en)
Inventor
Shinichiro Taki
慎一郎 滝
Hiroshi Masuko
博志 益子
Hideo Arai
英雄 新井
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Sumitomo Construction Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 橋脚等の鉄筋コンクリート部材に大きな曲げ
モーメントが作用した時に、主鉄筋が部材表面側に膨み
出そうとするのを拘束する鉄筋拘束具であって、部材の
有効厚さを大きく設定することができるとともに、鉄筋
の組み立てを効率よく行なうことができる鉄筋拘束具を
提供する。 【解決手段】 鉄筋拘束具10を、一方の端部にフック
状の係止部が形成された1対の帯状鋼板11と、これら
の他端を互いに連結するボルト12およびナット13と
で構成する。上記ボルトは上記帯状鋼板の端部を折り曲
げて形成されたフランジ部11cの貫通穴に挿通され、
双方の帯状鋼板を連結するものである。上記帯状鋼板1
1の一方の係止部11bを、鉄筋コンクリート部材20
の内部においてほぼ平行に配置された1対の帯鉄筋2
2,22の一方に係合させ、ボルト12又はナット13
を締め付けることにより、他方の係止部がもう一方の帯
鉄筋に係合するように取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、鉄筋コンクリー
ト部材内に埋込んで用いられ、コンクリートに部分的な
破壊が生じるような大きな荷重作用時に、鉄筋の大きな
変形を拘束する鉄筋拘束具に係り、特に、鉄筋コンクリ
ート部材の内部においてほぼ平行に配置された1対の鉄
筋と係合して、これら両鉄筋が互いに離間する方向に変
位するのを規制する鉄筋拘束具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、橋梁の橋脚等を構成する鉄筋コ
ンクリート部材においては、曲げモーメントによる引張
応力に抵抗するための主鉄筋が、部材の表面近くに多数
配置されている。このような鉄筋コンクリート部材に、
例えば地震時の水平力が作用すると、繰り返し大きな曲
げモーメントが発生し、部材の縁辺付近のコンクリート
に圧縮応力度が生じ、反対側の縁辺付近に配置された鉄
筋に大きな引張応力度が生じる。そして、鉄筋の引張応
力度が降伏域を越すと、鉄筋を覆うコンクリートのかぶ
り部分が剥離し、鉄筋が外側に膨み出そうとする力が作
用する。このような鉄筋の膨み出しが生じると、鉄筋コ
ンクリート部材は剛性が急激に低下し、破壊してしま
う。しかし、上記のような主鉄筋の膨み出しを有効に拘
束すれば、鉄筋の降伏が生じた後にも、塑性変形は生じ
るもののある程度の剛性が維持され、大きなエネルギー
を吸収するとともに、破壊までの変形が大きくなって、
構造物のじん性を高めることが可能となる。
【0003】上記のような理由から、橋脚等の重要構造
物では、主鉄筋の膨み出しを防止するために、主鉄筋を
囲むように帯鉄筋を配置することが求められる。また、
壁状の橋脚や、コンクリートアーチ橋のアーチ部材等で
は、部材の厚さにたいして部材幅が大きくなり、全体を
囲む帯鉄筋を配置しても有効に主鉄筋の膨み出しを拘束
できない場合があり、このような場合には、部材の厚さ
方向に対向する位置に設けられた主鉄筋を連結して、互
いに離間する方向へ変位するのを拘束する中間帯鉄筋が
配置される。
【0004】図6は、このような中間帯鉄筋を用いた従
来の鉄筋拘束構造を示す図であって、(a)図は平面
図、(b)図は(a)図中に示すb- b線での断面図で
ある。図示のように、この鉄筋拘束構造は、棒鋼を曲げ
加工してなる中間帯鉄筋103を、主鉄筋101の外側
つまり部材表面側に配置されたほぼ平行な1対の帯鉄筋
102,102に係合させることにより、これら帯鉄筋
102,102を介して主鉄筋101,101が互いに
離間する方向に変位するのを規制するようになってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の鉄筋拘束構造においては、つぎのような問題点があ
る。上記中間帯鉄筋103は、鉄筋コンクリート部材の
両縁辺付近に配置された帯鉄筋102,102を囲うよ
うに配置されるので、上記中間帯鉄筋103がその棒鋼
の径の分だけ帯鉄筋より部材の表面側に突き出すことに
なる。このため、RCアーチ橋のアーチリブや壁状の橋
脚等のように部材厚が小さい鉄筋コンクリート部材に上
記鉄筋拘束構造を採用した場合に、純かぶり(すなわち
上記中間帯鉄筋103の側面とコンクリート104の表
面104aとの間隔)C’を十分に確保することができ
なくなってしまう。これに対し、所要寸法の純かぶり
C’を確保しようとすると、図6中に示す2点鎖線の位
置まで部材厚を大きくする必要が生じる。このような部
材の寸法の増加は、当該鉄筋コンクリート部材の構築費
用の増加だけでなく、この部材の自重の増加によって基
礎を構築する費用の増加をも招くという問題がある。
【0006】また、図6に示されるような中間帯鉄筋1
03は、環状に閉じた形状に曲げ加工されたものであ
り、帯鉄筋102を配置した後に取り付けることが困難
となる。したがって、横方向筋102を囲うように中間
帯鉄筋103を配置するためには、所定位置に曲げ加工
された中間帯鉄筋103を支持しておき、帯鉄筋102
を主鉄筋101の外側で軸線方向に移動させながら、中
間帯鉄筋103に順次挿通してゆかなければならない。
また、主鉄筋103は径が32mmや、51mmの太径
のものが用いられることもあり、このような主鉄筋10
1は容易に変形せず、帯鉄筋102を前記中間帯鉄筋1
03に挿通しながら配置することは極めて困難な作業と
なってしまう。
【0007】本願発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、鉄筋コンクリート部材の主鉄筋が外
側へ膨み出すのを有効に拘束するとともに、鉄筋の組立
が容易に行なうことができ、鉄筋の純かぶりも十分に確
保することができる鉄筋拘束具を提供することを目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明は、従来のよう
な棒鋼ではなく帯状の鋼板を用いた鉄筋拘束具を採用す
ることにより、上記目的達成を図るようにしたものであ
る。すなわち、本願発明に係る鉄筋拘束具は、請求項1
に記載したように、 鉄筋コンクリート部材の内部にお
いてほぼ平行に配置された1対の鉄筋と係合して、これ
ら両鉄筋が互いに離間する方向に変位するのを規制する
鉄筋拘束具であって、 フック状に曲げ加工されてコン
クリート部材内で鉄筋に係止される係止部を、それぞれ
一方の端部に備えた1対の帯状鋼板を有し、 前記一対
の帯状鋼板を直列に配置し、前記係止部が設けられた部
分と反対側の端部を互いに接合するとともに、前記係止
部の相互の間隔を縮小可能とする連結部を有するもので
ある。
【0009】上記「1対の鉄筋」は、一般的には帯鉄筋
又は横方向筋であるが、互いに離間する方向の変位を規
制する必要があるものであれば、特定種類の鉄筋に限定
されるものではなく、例えば、主鉄筋に直接係止するこ
ともできる。上記「係止部」は、上記鉄筋に係止可能な
ものであれば、その形状は特に限定されるものではな
く、例えばU字形、V字形等とすることができる。
【0010】上記「連結部」は、例えば、請求項2に記
載のように、前記帯状鋼板の前記係止部が設けられた端
部と反対側の端部が前記帯状鋼板の直列する方向に対向
するように折り曲げられたフランジ部と、該フランジ部
に設けられた貫通孔に挿通されたボルトと、を有するも
のとすることができる。
【0011】上記「ボルト」による一対の帯状鋼板の連
結は、上記両帯状鋼板の貫通孔にボルトを挿通させた
後、ナットを螺着させることにより行うようにしてもよ
いし、一方の上記帯状鋼板にナットを溶着しておき該ナ
ットに上記ボルト螺着させることにより行うようにして
もよい。また、一方の上記帯状鋼板に雌ネジ部を形成し
ておき該雌ネジ部に上記ボルトを螺着させることにより
行うようにしてもよい。
【0012】また、請求項1に記載の「連結部」は、上
記の他、係止部の間隔を縮小可能に帯状鋼板を相互に連
結することができるものであれば、様々の形態のものと
することができ、例えば、上記帯状鋼板にボルトを溶着
しておき、このボルトをもう一方の帯状鋼板に設けられ
たフランジ部の貫通孔に挿通し、これをナットによって
係止するもの、それぞれの帯状鋼板にボルトを溶着して
おき、これをターンバックルによって連結するもの等を
採用することもできる。
【0013】[作用]上記構成に示すように、本願発明
に係る鉄筋拘束具は、1対の帯状鋼板の各々の先端部に
形成された係止部が、鉄筋コンクリート部材の内部にお
いてほぼ平行に配置された1対の鉄筋の各々に係合され
るとともに、上記両帯状鋼板を直列に配列した状態で反
対側端部が相互に連結されるので、この鉄筋拘束具が係
止された一対のほぼ平行な鉄筋の間隔が拘束され、大き
な曲げモーメントが双方向に作用した場合にも、これら
の鉄筋が外側に膨み出すのが防止される。
【0014】また、この鉄筋拘束具の、ほぼ平行な一対
の鉄筋に係止される部分は、帯状の鋼板で構成されてお
り、上記鉄筋より部材の表面側に突き出す量は、上記帯
状鋼板の板厚分の寸法だけとなる。したがって、従来の
ように棒鋼を用いた鉄筋拘束構造に比して、同じ鋼材断
面を有するものであっても、鉄筋コンクリート部材の純
かぶりを十分に確保することが可能となる。また、上記
各帯状鋼板は、その係止部に作用する上記鉄筋の膨み出
そうとする力により変形しようとするが、該帯状鋼板に
は、その変形方向に大して広い投影面積で当接するコン
クリートが抵抗し、これにより上記変形が効果的に抑制
される。このため上記各帯状鋼板の板厚をかなり薄く設
定しても、上記鉄筋の変形は有効に拘束される。
【0015】さらに、一対の帯状鋼板は、これらの係止
部の間隔を縮小できるように連結されているので、これ
ら係止部の間隔をほぼ平行な一対の鉄筋の間隔より大き
く設定しておき、一方の係止部を片側の鉄筋に係止した
後、係止部の間隔を縮小することによって、一対の鉄筋
に取り付けることができる。したがって、主鉄筋及び帯
鉄筋が所定位置に配置された後に、この鉄筋拘束具を容
易に取り付けることが可能となり、鉄筋の組立作業が効
率化される。
【0016】また、上記構成において、請求項2に記載
したように、上記連結部が、互いに対向するフランジ部
とこれらに設けられた貫通孔に挿通されるボルトとを備
えるものとすることにより、双方の帯状鋼板を確実に連
結するとともに、上記ボルト又はこれに螺合されるナッ
トを回転させることによって、容易に係止部の間隔を縮
小することができ、既に配置された一対の鉄筋の双方に
確実に係止することができる。
【0017】上記鉄筋拘束具において、帯状鋼板に過大
な変形を生じることなく一対の鉄筋の膨み出しに抵抗す
る力は、上記コンクリートから上記帯状鋼板に作用する
垂直反力と、上記コンクリートと上記帯状鋼板との間に
作用する付着力によって付与される。したがって、請求
項3に記載したように、上記帯状鋼板を、いわゆるシマ
鋼板やリブ付鋼板等のように、表面に凹凸を有するもの
とすれば、上記帯状鋼板と上記コンクリートとの付着力
を高めることができ、これにより上記抵抗力を高めるこ
とができる。
【0018】上記鉄筋拘束具が、上記鉄筋コンクリート
部材の内部に配設される他の部材(例えばPC鋼材等)
と干渉してしまうような場合には、請求項4に記載した
ように、上記各帯状鋼板のフランジ部と係止部との間に
位置する中間部を所定角度捩るようにして形成しておけ
ば、上記干渉を回避することが可能となる。この場合に
おける「所定角度」の値は特に限定されるものではない
が、90°に設定すれば最も効果的である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本願発明に係る鉄筋拘束具
の実施形態を図に基づいて説明する。図1は、請求項1
又は請求項2に記載の発明の一実施形態である鉄筋拘束
具10が用いられた鉄筋コンクリート部材20を示す平
断面図であり、図2は、図1中に示すII-II 線での断面
図である。また、図3は、上記鉄筋拘束具10を示す図
であって、(a)図は平面図、(b)図および(c)図
は(a)図中に示すb方向およびc方向の矢視図であ
る。
【0020】図1に示すように、上記鉄筋コンクリート
部材20は、壁状の橋脚を構成する鉄筋コンクリート部
材であって、所定の形状及び寸法に形成されたコンクリ
ート23内に、所定間隔をおいて鉛直方向に複数の主鉄
筋21が配置され、これら主鉄筋21の部材表面側に
は、ほぼ水平に複数の帯鉄筋22が配置されている。そ
して、上記鉄筋拘束具10は、部材の両側面付近に配置
された上記帯鉄筋22,22を連結するように係止さ
れ、これらの帯鉄筋がこのコンクリート部材の外側へ膨
み出してしまうのを防止するようになっている。
【0021】上記鉄筋拘束具10は、図3に示すよう
に、1対の帯状鋼板11と、ボルト12およびナット1
3とからなるものであり、上記帯状鋼板11は、鋼板に
曲げ加工を施してなる部材であって、一方の端部をU字
状に形成した係止部11bと、反対側の端部に形成され
たフランジ部11cと、これらの部分と連続する中間部
11aとからなるものである。そして、上記フランジ部
11cは、中間部11aとほぼ直角に折り曲げられ、こ
のフランジ部11cにボルトを挿通するための貫通孔が
設けられている。
【0022】図1および図2に示すように、上記鉄筋拘
束具10は、上記各帯状鋼板11の係止部11bを上記
帯鉄筋22,22に係止させるとともに、対向するフラ
ンジ部11cの貫通孔に上記ボルト12を挿通させ、該
ボルト12に上記ナット13を螺合して締め付けること
により、上記一対の帯状鋼板11を連結するように構成
されている。このとき、双方の上記フランジ部11cの
間隔dが適切な値になるよう上記各帯状鋼板11の形状
及び寸法が設定されており、これにより上記両フランジ
部11c間にもコンクリートが十分に充填されるように
している。
【0023】この鉄筋拘束具10は、上記のような構成
により次のように作用する。すなわち、上記主鉄筋21
から上記帯鉄筋22に外側へ膨らみ出そうとする力が作
用すると、上記帯状鋼板11は、図2に示す2点鎖線の
ように変形しようとする。しかしながら、該帯状鋼板1
1はコンクリートに埋設されているので、その変形が拘
束される。この拘束力は、上記帯状の鋼板が変形しよう
とする方向に対して広い面積で抵抗する垂直反力Fa、
Fb、Fcおよび上記コンクリート23と上記帯状鋼板
11との間の付着力による剪断反力τa、τbとして作
用し、これらにより上記変形が効果的に抑制される。つ
まり、上記帯鉄筋22,22の膨み出そうとする力が上
記ボルト12の中心線に対して偏心して作用するために
上記帯状鋼板11には変形しようとする力が作用する
が、この帯状鋼板を取り囲むコンクリートからこれを拘
束する垂直反力Fa、Fbが中間部11aに作用し、フ
ランジ部11cには、折り曲げられた部分を引き延ばそ
うとする力に抵抗する垂直反力Fcが作用する。これら
垂直反力Fa、Fb、Fcは、該帯状鋼板11の幅全域
に対して垂直方向に作用するので大きな抵抗力が得られ
る。また、上記剪断反力τa、τbは、上記帯状鋼板1
1の表面に該表面と平行な方向に作用する力である。
【0024】このように上記鉄筋拘束具10において
は、上記コンクリート23の拘束力により上記各帯状鋼
板11の変形が効果的に抑制され、これらの帯状鋼板に
係止された帯鉄筋22,22は大きな変形を生じること
なく、相互間の間隔が維持される。また、この帯鉄筋2
2,22の変位が拘束されることによって主鉄筋21,
21が膨み出そうとするのが拘束される。また、上記帯
状鋼板の厚さを小さくしても、十分な幅を有することに
よって必要な鋼材断面積を確保することができ、上記主
鉄筋21及び帯鉄筋22の変位が効果的に規制されるこ
ととなる。このため上記各帯状鋼板11の板厚を薄く設
定し、所要寸法の純かぶりCを確保するとともに、部材
の有効厚、つまり、主鉄筋から反対側の部材縁辺までの
寸法を大きく設定することができる。
【0025】具体的には、上記主鉄筋の変位の規制を行
うために、従来は直径19〜22mmの棒鋼が必要であ
ったのに対し、本実施形態においては板厚6mmの帯状
鋼板を用いれば足りる。これにより、鉄筋コンクリート
部材としては、その差すなわち13〜16mmだけ従来
よりも有効厚を大きくすることができる。
【0026】また、上記鉄筋拘束具10は、上記帯状鋼
板の係止部11bを鉄筋に係止し、ボルト又はナットを
締め付けるだけで取り付けることができ、溶接等を用い
ずに製作及び取り付けが可能となっているので施工性及
び経済性も良好となる。
【0027】なお、本実施形態においては、上記各帯状
鋼板11として通常の平な鋼板を用いているが、上記帯
状鋼板として、いわゆるシマ鋼板やリブ付鋼板等のよう
に表面に凹凸を有する鋼板を用いるようにすれば、上記
各帯状鋼板11と上記コンクリート23との付着力を高
めることができるので、これにより上記剪断反力τa、
τbをより大きくすることができる。このような鉄筋拘
束具は、請求項3に記載の発明の一実施形態である。
【0028】また、上記帯状鋼板11の材質として高張
力鋼を用いるようにすれば、該帯状鋼板11の板厚をさ
らに小さくすることができ、その分さらに上記鉄筋コン
クリート部材20の有効厚を大きくすることができる。
上記ボルト12についても、その材質として高強度材料
を用いるようにすれば、該ボルト12の径を小さくする
ことができ、これにより上記両フランジ部11c間への
コンクリートの充填をより確実に行うことができる。
【0029】本実施形態において、上記ボルト12は、
上記帯状鋼板11の中間部11aにできるだけ近づけて
配置することが上記帯状鋼板11の変形を抑制する上か
ら好ましいが、図4に示すように、上記各帯状鋼板11
の中間部11aとフランジ部11cとの間の折り曲げ部
の内側に補助鉄筋24を配設するようにすれば、上記帯
状鋼板11の変形を一層効果的に抑制することができ
る。
【0030】次に、請求項4に記載の発明の一実施形態
である鉄筋拘束具について説明する。図5は、本実施形
態の鉄筋拘束具30を示す平面図である。この鉄筋拘束
具30は、図示のように、内部にPC鋼材45が配設さ
れた鉄筋コンクリート部材40に設けられたものであっ
て、帯状鋼板31は中間部31a90°捩るようにして
形成されている点で、図1に示す鉄筋拘束具10とは異
なっているが、他の構成は同じである。
【0031】この鉄筋コンクリート部材40において
は、両側面付近に配置された主鉄筋41及び帯鉄筋42
の他に、鉛直方向のPC鋼材45が配置されており、上
記PC鋼材45と上記主鉄筋41との側方間隔が、帯状
鋼板31の幅より小さく、これらの間に上記鉄筋拘束具
30を設けることができない場合も生じる。しかし、本
実施形態の鉄筋拘束具30を採用することにより、上記
PC鋼材45を避けて配置することができ、必要な位置
で鉄筋の膨み出しを有効に拘束することができる。
【0032】
【発明の効果】以上、説明したように、本願発明に係る
鉄筋拘束具では、一対の帯状鋼板の端部に設けられた係
止部をそれぞれ鉄筋コンクリート部材の両側面付近に配
置された鉄筋に係止するとともに、これら一対の帯状鋼
板を互いに連結することによって、鉄筋が部材の表面側
に膨らみ出そうとするのが有効に拘束される。そして、
上記鉄筋に係止される部分が鋼板からなるものであり、
十分な断面積を有するとともに係止された鉄筋より部材
表面側へ突き出す量が小さくなり、コンクリートの必要
な純かぶりを確保するために、鉄筋全体のかぶりを大き
く設定する必要がなくなる。このため、部材の有効高さ
を大きく設定することができ経済的な鉄筋コンクリート
部材とすることができる。また、上記一対の帯状鋼板
は、双方の係止部の間隔を縮小できるように連結されて
いるので、既に鉄筋が配置し終った状態であっても、一
方の帯状鋼板の係止部を片方の鉄筋に係止し、双方の係
止部の間隔を縮小することによってこの鉄筋拘束具を容
易に取り付けることができ、作業性が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1又は請求項2に記載の発明の一実施形
態である鉄筋拘束具を、鉄筋コンクリート部材に配置し
た状態を示す平断面図である。
【図2】図1中に示すII-II 線での断面図である。
【図3】図1に示す鉄筋拘束具の平面図、並びにb方向
およびc方向矢視図である。
【図4】上記実施形態に補助鉄筋を付加した状態を示す
部分断面図である。
【図5】請求項4に記載の発明の一実施形態である鉄筋
拘束具を、鉄筋コンクリート部材に配置した状態を示す
平断面図である。
【図6】従来の鉄筋拘束構造が用いられた鉄筋コンクリ
ート部材の例を示す図であって、(a)図は平断面図、
(b)図はb−b矢視図である。
【符号の説明】
10、30 鉄筋拘束具 11、31 帯状鋼板 11a、31a 中間部 11b、31b 係止部 11c、31c フランジ部 12、32 ボルト 13、33 ナット 20、40 鉄筋コンクリート部材 21、41 主鉄筋 22、42 帯鉄筋 23、43 コンクリート 24 補助鉄筋 45 PC鋼材 C、C’ 純かぶり

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄筋コンクリート部材の内部においてほ
    ぼ平行に配置された1対の鉄筋と係合して、これら両鉄
    筋が互いに離間する方向に変位するのを規制する鉄筋拘
    束具であって、 フック状に曲げ加工されてコンクリート部材内で鉄筋に
    係止される係止部を、それぞれ一方の端部に備えた1対
    の帯状鋼板を有し、 前記一対の帯状鋼板を直列に配置し、前記係止部が設け
    られた部分と反対側の端部を互いに接合するとともに、
    前記係止部の相互の間隔を縮小可能とする連結部を有す
    ること、を特徴とする鉄筋拘束具。
  2. 【請求項2】 前記連結部は、前記帯状鋼板の前記係止
    部が設けられた端部と反対側の端部が前記帯状鋼板の直
    列する方向に対向するように折り曲げられたフランジ部
    と、該フランジ部に設けられた貫通孔に、挿通されたボ
    ルトと、を有することを特徴とする請求項1記載の鉄筋
    拘束具。
  3. 【請求項3】 上記帯状鋼板は、表面に凹凸が形成され
    たものである、ことを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載の鉄筋拘束具。
  4. 【請求項4】 上記帯状鋼板は、前記フランジ部と前記
    係止部との間に位置する中間部に、所定角度の捩り加工
    が施されたものであることを特徴とする請求項2又は請
    求項3記載の鉄筋拘束具。
JP35006397A 1997-12-04 1997-12-04 鉄筋拘束具 Withdrawn JPH11166298A (ja)

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JP35006397A JPH11166298A (ja) 1997-12-04 1997-12-04 鉄筋拘束具

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JP35006397A Withdrawn JPH11166298A (ja) 1997-12-04 1997-12-04 鉄筋拘束具

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006519944A (ja) * 2003-03-10 2006-08-31 ファッハホーホシューレ ギーセン−フリードベルク 補強エレメント及びそれを用いて製造された補強コンクリート又はプレストレストコンクリート部材

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JP2006519944A (ja) * 2003-03-10 2006-08-31 ファッハホーホシューレ ギーセン−フリードベルク 補強エレメント及びそれを用いて製造された補強コンクリート又はプレストレストコンクリート部材

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