JPH11155528A - 包装卵豆腐 - Google Patents

包装卵豆腐

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JPH11155528A
JPH11155528A JP9327908A JP32790897A JPH11155528A JP H11155528 A JPH11155528 A JP H11155528A JP 9327908 A JP9327908 A JP 9327908A JP 32790897 A JP32790897 A JP 32790897A JP H11155528 A JPH11155528 A JP H11155528A
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weight
egg tofu
egg
soybean protein
soy protein
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JP9327908A
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English (en)
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Tetsuhiko Okajima
哲彦 岡嶋
Mikio Tanaka
幹雄 田中
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Kureha Corp
Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Kureha Corp
Fuji Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】柔軟なプラスチック容器に充填した場合に、十
分な保形性を有する卵豆腐であって、食感が良好であ
り、しかも高温による熱処理を行った場合にも、離水現
象や色調変化が生じ難い包装卵豆腐を提供する。 【解決手段】全卵、大豆蛋白及び水を主成分とする流動
性混合物を、柔軟性プラスチック容器に充填し、加熱し
て得られる包装卵豆腐。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性プラスチッ
ク容器に充填された包装卵豆腐に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、卵豆腐は、全卵に出汁液を加
え、さらに食塩、砂糖、味醂、調味料等を加えて混合し
た後、硬質で保形性のあるプラスチック容器に充填し、
80〜90℃程度に加熱して凝固させて製造されてお
り、通常、変質を防止するために、低温状態に保持して
流通されている。
【0003】常温流通が可能な卵豆腐の製造方法とし
て、柔軟なプラスチックフィルム容器内に卵豆腐を充
填、密封し、これを0.3〜5.0kg/cm2程度の加圧下
に高温高圧で殺菌処理する方法が報告されている(特公
昭54−36668号公報)。しかしながら、この方法
では、得られる卵豆腐は、非常に柔らかく、しかも熱処
理の際に離水現象が生じやすいために、持ち運びや直接
食するために不適切なものであり、しかも、熱処理の際
に色調変化が生じて商品価値が低下するという問題点が
ある。
【0004】一方、卵豆腐類と植物性蛋白質と併用する
ことに関しては、植物性蛋白質として豆乳を用いる方法
について種々の報告がある(特開昭48−92548
号、特開昭58−16654号、特開平3−76553
号等)。しかしながら、何れの方法についても、栄養
価、安定性等の向上等を目的としており、保水性を向上
させる方法や色調変化を防止する方法については全く報
告がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
柔軟なプラスチック容器に充填した場合に、十分な保形
性を有する卵豆腐であって、しかも高温による熱処理を
行った場合にも、離水現象や色調変化が生じ難い包装卵
豆腐を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した如
き従来技術に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、全卵と大豆
蛋白を所定の割合で混合して流動性混合物を調製し、こ
れを柔軟性プラスチック容器に充填し、熱処理すること
によって、十分な保形性を有し、食感が良好であり、し
かも離水現象がほとんど生じることがない卵豆腐が得ら
れることを見出した。更に、これを100℃以上の高温
に加熱する場合には、若干の変色が生じるものの、該流
動性混合物を特定のpH範囲に調整することによって、
高温加熱の際の色調の変化を大きく抑制できることを見
出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、下記の包装卵豆腐を提供
するものである。
【0008】1.全卵、大豆蛋白及び水を主成分とする
流動性混合物を、柔軟性プラスチック容器に充填し、加
熱して得られる包装卵豆腐。
【0009】2.流動性混合物が、全卵30〜70重量
%と大豆蛋白0.5〜10重量%を含有するものである
項1に記載の包装卵豆腐。
【0010】3.大豆蛋白として、大豆蛋白水和物及び
大豆蛋白エマルジョンの少なくとも一種を用いる項1又
は2に記載の包装卵豆腐。
【0011】4.全卵と、大豆蛋白水和物及び大豆蛋白
エマルジョンの少なくとも一種との混合割合が、前者4
0〜60重量%及び後者60〜40重量%である項3に
記載の包装卵豆腐。
【0012】5.流動性混合物のpHが5.8〜7.2
である項1〜4のいずれかに記載の包装卵豆腐。
【0013】6.グルコノデルタラクトン、クエン酸、
フマル酸及びフィチン酸から選ばれた少なくとも1種を
pH調整剤として含む項5に記載の包装卵豆腐。
【0014】7.大豆蛋白水和物が粉末状大豆蛋白1重
量部に対して水5〜50重量部を用いて得られる溶液、
懸濁液又はペーストである項3〜6のいずれかに記載の
包装卵豆腐。
【0015】8.大豆蛋白エマルジョンが、粉末状大豆
蛋白1重量部に対して水5〜50重量部及び油脂0.5
〜10重量部を用いて得られるO/W型エマルジョンで
ある項3〜6のいずれかに記載の包装卵豆腐。
【0016】9.柔軟性プラスチック容器が耐熱性を有
するプラスチック容器である項1〜8のいずれかに記載
の包装卵豆腐。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の卵豆腐では、原料として
は、全卵、大豆蛋白、及び水を主成分とする流動性混合
物を用いる。
【0018】全卵としては、主として鶏の卵を用いる
が、その他鳥類の卵も利用でき、これらの卵をそのまま
用いる他に、卵白と卵黄を混合して調製された卵液を用
いることもできる。卵液は、卵白と卵黄を含むものであ
ればよく、卵白と卵黄の割合は特に限定されないが、通
常、卵白:卵黄(重量比)=1:9〜9:1程度の広い
範囲の混合割合のものを使用できる。
【0019】大豆蛋白としては、分離大豆蛋白、濃縮大
豆蛋白、豆乳粉末等を用いることが出来る。これらの大
豆蛋白の内で、得られる卵豆腐の食感や色調の観点から
は分離大豆蛋白が好ましい。
【0020】これらの大豆蛋白としては、通常の大豆蛋
白製造工程に従って得られた粉末乾燥品を用いることが
できるが、粉末乾燥前の溶液をそのまま使用することも
出来る。ただし、実用的には大豆蛋白製造場所と卵豆腐
製造場所が離れていることが多いので、保存性の観点よ
り、粉末状大豆蛋白等の粉末状に乾燥したものが好まし
い。
【0021】大豆蛋白は、粉末状態で、全卵、水、及び
その他の必要に応じて添加する調味料等と混合して流動
性混合物としてもよいが、予め大豆蛋白水和物又は大豆
蛋白エマルジョンとした後、全卵等の他の成分と混合す
る場合には、大豆蛋白が均一に分散して、大豆蛋白の添
加効果が十分に発揮され、保形性、保水性等が良好にな
り、色調変化の防止効果もより向上する。
【0022】大豆蛋白水和物は、粉末状大豆蛋白1重量
部に対して水5〜50重量部程度、好ましくは6〜40
重量部程度を添加し混合することによって得ることが出
来る。水の量が多いと大豆蛋白水和物は溶液或いは懸濁
液であり、水の量が少なくなるにつれ大豆蛋白水和物は
ペーストになる。全卵と混合が容易で、全卵と混合した
後、加熱によりゲル化させるには前記の水の量が適当で
ある。加水量が少ないと大豆蛋白水和物は硬くなり全卵
との混合が困難になり、加水量が多いと大豆蛋白水和物
と全卵とを混合して加熱しても卵豆腐が離水を生じる。
前記の適当な加水量の範囲内で大豆蛋白水和物の水の量
を少なくすると卵豆腐の食感を硬くすることが出来、多
くすると柔らかい卵豆腐とすることが出来る。
【0023】大豆蛋白エマルジョンは粉末状大豆蛋白1
重量部に対して、水5〜50重量部程度、好ましくは6
〜40重量部程度と、油脂0.5〜10重量部程度、好
ましくは1〜8重量部程度を添加し、乳化機でエマルジ
ョン化させることによって得ることができる。この範囲
より水の量が少ないと、大豆蛋白エマルジョンがゲル状
に硬くなって全卵との混合が困難になり、一方、水の量
が多いと大豆蛋白エマルジョンを加えて加熱しても卵豆
腐が離水を生じるので好ましくない。
【0024】大豆蛋白エマルジョンを製造する際に用い
る油脂としては、公知の食用油脂を用いることが出来
る。油脂を加えてO/W型エマルジョンとすることによ
って、大豆蛋白と水の水和物を用いる場合と比べて、卵
豆腐の食感を滑らかにすることができ、また得られる卵
豆腐の味を大豆の味の少ないものにすることができ、更
に、保形性、保水性、色調変化の防止効果等もより良好
になる。
【0025】本発明の卵豆腐を製造するには、まず、全
卵と大豆蛋白に、必要量の水を加えて混合して、流動性
混合物を得る。この際、均一な混合物を得るには、前述
した様に、予め、大豆蛋白を大豆蛋白水和物又は大豆蛋
白エマルジョンとして全卵と混合することが好ましい。
この工程では、さらに、必要に応じて、食塩、砂糖、ト
レハロース、アミノ酸系調味料、核酸系調味料、発酵調
味料等の調味料類、その他、着色料、全脂粉乳等の食品
添加物を添加して、味等を調整することができる。
【0026】各成分の混合量は、原料の合計量を基準と
して、全卵を30〜70重量%程度、好ましくは35〜
65重量%、より好ましくは40〜60重量%程度と
し、大豆蛋白を0.5〜10重量%程度、好ましくは、
1〜5重量%程度として、残分を水と必要に応じて添加
する調味料類等とすることが適当である。調味料類は、
通常、合計量として、最大で6重量%程度、好ましくは
3重量%程度以下の添加量とすることができる。
【0027】全卵の使用量が少ないか、又は大豆蛋白の
使用量が多くなりすぎると、卵豆腐としての良好な食感
を得難くなる。一方、全卵の使用量が多すぎるか、又は
大豆蛋白の使用量が少なすぎる場合には、卵豆腐の保形
性が悪くなって柔軟性プラスチック容器に充填するため
には不適切となり、さらに、容器内で離水が生じやすく
なるために好ましくない。
【0028】大豆蛋白として、大豆蛋白水和物及び/又
は大豆蛋白エマルジョンを用いる場合には、これらに含
まれる水分と必要に応じて別に添加する水分を加えた合
計量が上記範囲内となるようにすればよい。全卵と、大
豆蛋白水和物及び大豆蛋白エマルジョンの少なくとも一
種とを混合して用いる場合には、通常、前者40〜60
重量%程度と後者60〜40重量%程度の混合割合が適
当である。
【0029】この様にして得られた流動性混合物を柔軟
性プラスチック容器に充填し、密封して加熱することに
よって、目的とする卵豆腐が得られる。充填、密閉の操
作は、自動で行うことも可能である。
【0030】加熱温度は、卵豆腐がゲル化する温度であ
る80℃程度以上が適当である。
【0031】卵豆腐の常温流通を考慮すると、100℃
以上の温度に加熱してゲル化と同時に加熱殺菌を行うこ
とが好ましく、120℃〜135℃程度温度でレトルト
加熱を行うことがより好ましい。
【0032】加熱時間は、容器の大きさにより異なる
が、内容物の卵豆腐が凝固するために十分な時間とすれ
ば良く、例えば、使用するプラスチック容器が内径3c
m程度のチューブ状のケーシング容器である場合には、
10分〜60分程度、好ましくは20分〜40分程度の
加熱時間が適当である。
【0033】柔軟性プラスチック容器の形態は特に限定
しなが、充填・密封が容易である点で、チューブ状のケ
ーシング容器が好ましい。又、該柔軟性プラスチック容
器の材質については、レトルト加熱のような100℃を
越え、135℃程度までの温度で加熱する場合には、耐
熱性プラスチックが適当であり、例えば、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、
ポリカーボネート等が好ましい。特に、これらの中で、
ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ
オレフィン等の単独フィルム、或いはこれらを用いた積
層フィルムが好ましい。
【0034】また、プラスチック容器と内容物との剥離
性を良くするために、適当な界面活性剤を容器材質に練
り込んだり、或いは容器表面に塗布することも可能であ
る。
【0035】また、本発明の卵豆腐を製造する際に、使
用する食品添加剤の種類によっては、得られる卵豆腐が
酸素の影響を受けやすい場合があるが、この様な場合に
は、プラスチック容器の酸素透過度を調節して酸素の影
響を抑制することが好ましい。例えば、温度30℃、相
対湿度80%における酸素透過度を1000ml/m2
・day・atm以下、好ましくは400ml/m2
day・atm以下、より好ましくは200ml/m2
・day・atm以下に調整すればよい。
【0036】本発明では、上記した流動性混合物のpH
値については、特に、限定的ではないが、pHが高すぎ
ると100℃を越える加熱を行った場合に卵豆腐の色調
が暗くなり易く、一方、pHが低すぎると、保形性が悪
くなって柔軟性プラスチック容器に充填するためには不
適切となり、また卵豆腐としての良好な食感が得られ難
くなり、さらに、保水性も悪くなる。このため、流動性
混合物のpH値を5.8〜7.2程度に調整することが
好ましく、6〜7程度に調整することがより好ましい。
この範囲のpH値に調整することによって、食感、保形
性、保水性等を低下させることなく、高温加熱時の変色
を防止することが可能になる。
【0037】卵豆腐のpH調整方法については、特に限
定はないが、流動性混合物のpHが高過ぎる場合には、
通常、有機酸類を用いてpHを所定の範囲に調整するこ
とが好ましく、グルコノデルタラクトン、クエン酸、フ
マル酸及びフィチン酸から選ばれた少なくとも1種の化
合物を使用することがより好ましい。特に、ゲル化させ
やすく、離水や加熱による変色を防止する効果が高い点
でグルコノデルタラクトンが最も好ましい。
【0038】
【発明の効果】本発明の卵豆腐は、適度な保形性を有
し、しかも加熱による離水現象が生じないので、柔軟性
プラスチック容器に充填した包装卵豆腐として良好な特
性を有する。また、卵豆腐の食感と風味に優れたもので
あり、大豆蛋白の量によって、簡単に食感を調整するこ
とができる。
【0039】更に、100℃を越えるレトルト加熱のよ
うな殺菌処理をしても離水せず、色調の変化も少なく、
特に、pH範囲を適正範囲に調整することによって、加
熱の際の色調変化を大きく抑制することができる。
【0040】このため、本発明の卵豆腐は、特に、常温
流通やチルド流通が可能な卵豆腐として非常に有用性が
高いものである。
【0041】
【実施例】以下、実施例を示して本発明をより詳細に説
明する。
【0042】実施例1 下記表1に示した各配合(重量%)にて、下記の方法で
卵豆腐を調製した。
【0043】
【表1】
【0044】まず、粉末状大豆蛋白として、分離大豆た
ん白(吉林不二蛋白有限公司製、商標:金亀2000)
を使用し、これに所定量の水と大豆油(無添加の場合あ
り)を加えて、乳化機/溶解機にて、十分に混合して、
分離大豆たん白の水和物又はエマルジョンを調製した。
次に、この分離大豆たん白の水和物又はエマルジョン
に、全卵、砂糖、調味料、味醂及び食塩を加えて、十分
混合して溶解し、流動性混合物を得た。これを静置し、
脱気した後、柔軟なプラスチックフィルム容器(ポリ塩
化ビニリデン系ケーシング容器、クレハロンケーシング
折り幅35mm:呉羽化学工業(株)製)に充填し、密封
した後、加熱加圧殺菌装置を用いて加熱加圧殺菌処理を
行うことによって卵豆腐を得た。加熱加圧条件は、圧力
2.0kg/cm2で90℃、40分の加熱処理と、圧力2.
0kg/cm2で120℃、20分の加熱処理の2種類とし
た。
【0045】得られた卵豆腐をケーシング剥離し、表面
の水分を速やかに拭き取り、元内容量に対して離水した
量を百分率で表したものを、離水率として求めた。結果
を図1のグラフに示す。図中、横軸は大豆蛋白量及び大
豆油使用量で示す。図1から明らかな通り、全卵と大豆
蛋白を併用することにより、全卵を単独で用いた場合と
比べて、離水率が大きく低下することが判る。特に、全
卵50%の配合では大豆たん白を3%〜5%用いた場合
に離水率1%以下となり、非常に良好な結果であった。
また、大豆油を用いた場合、即ち、大豆蛋白をエマルジ
ョン化した場合には、120℃で加熱した場合であって
も、離水率が大きく低下することが確認された。
【0046】また、卵豆腐をケーシング剥離して厚さ2
0mmに切断し、物性測定装置により、直径5mmの球状プ
ランジャーを用いて1mm/秒の速度で押込み試験を行
い、破断荷重を求めた。結果を図2に示す。図2から明
らかな通り、大豆たん白の添加量増加に伴い破断荷重の
増加が認められた。特に、大豆蛋白をエマルジョン化し
た場合には、破断荷重が大きく向上した。
【0047】以上の結果から明らかなように、全卵と大
豆蛋白を併用することによって、離水率が低下し、硬度
も向上することが判る。この結果から、大豆蛋白を用い
ることによって、柔軟なプラスチックフィルム容器に包
装して用いるために適した卵豆腐が得られることが確認
された。
【0048】次に、ケーシング剥離した卵豆腐の内で、
120℃で加熱した試料について、速やかにセルに充填
し、色差計(日本電色工業(株)製)を用いてa値を測
定した。結果を図3のグラフに示す。a値は赤さの程度
を示すものであり、低い方が好ましい傾向にある。図3
の結果から、大豆蛋白を併用した場合に、大豆蛋白未使
用の場合と比べて、a値が小さくなり、色調面での改善
効果が認められた。特に、大豆油を用いてエマルジョン
化した大豆蛋白を用いた場合に、色調面での改善効果が
大きくなった。
【0049】実施例2 下記表2に示す各配合(重量%)にて、実施例1と同様
の方法で卵豆腐を製造した。pH調整剤としてのグルコ
ノデルタラクトンは、流動性混合物の調整の最終段階で
添加した。この流動性混合物のpHも表2に併記する。
加熱条件は、圧力2.0kg/cm2で120℃、20分の加
圧加熱とした。
【0050】
【表2】
【0051】得られた卵豆腐について、実施例1と同様
の方法で色調、破断荷重、離水率を測定した結果を図4
〜図6に示す。
【0052】図4には、色差計による測定結果の内で、
官能面と相関するL値及びa値を示す。L値は明るさの
程度を示すものであり、高い方が好ましく、一方、a値
は赤さの程度を示すものであり、低い方が好ましい傾向
にある。図4から判るように、pHを7未満に調整した
場合には、120℃の高温加圧殺菌処理時には、pH未
調整のものと比べて、暗色化が明らかに低減された。
【0053】また、図5から判るように、pHが低下す
ることによって、破断荷重が低下するものの、pH6〜
7程度の範囲では破断荷重の低下は少なく、保形性及び
食感の点では満足のいくものであった。
【0054】また、図6から明らかな様に、離水率につ
いては、pH6〜7程度の範囲ではpH調整剤の使用量
の増加に従って若干の増加傾向があるが1%程度以下で
あり問題はなかった。
【0055】以上の結果から、卵豆腐の製造時に流動性
混合物をpH6〜7程度の範囲に調整することによっ
て、食感、保形性、保水性等を大きく低下させることな
く、高温加熱時の変色を防止できることが判る。
【0056】実施例3 実施例2における上記表2の試料No.7と同様の配合
の流動性混合物を調製した後、pH調整剤として下記表
3に示す量のグルコノデルタラクトン、クエン酸又はフ
マル酸を添加してpHを調整し、その他は実施例2と同
様の方法で卵豆腐を製造した。加熱条件は、圧力2.0
kg/cm2で120℃、20分の加圧加熱とした。
【0057】得られた卵豆腐の色調、風味、及び食感に
ついて、官能試験を行った。評価基準は、pHを未調整
の試料、即ち、試料No.7の卵豆腐と比較して、優位
の場合を○印、同等の場合を△印、劣る場合を×印で示
す。結果を下記表3に示す。
【0058】
【表3】
【0059】以上の結果から判るように、流動性混合物
のpHを6〜7程度の範囲に調整することによって、p
H未調整のものと比べて、風味及び食感面で劣ることな
く、色調面での改善効果が認められた。
【0060】実施例4 下記表4に示す配合(重量%)により、実施例1と同様
の方法で卵豆腐を製造した。
【0061】
【表4】
【0062】得られた卵豆腐は、加熱による変色、離水
がなく、保形性と適度な食感を有し、しかも乳製品の食
味のある優れた商品価値を有するものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で求めた大豆蛋白の添加量と卵豆腐の
離水率との関係を示すグラフ
【図2】実施例1で求めた大豆蛋白の添加量と卵豆腐の
破断荷重との関係を示すグラフ
【図3】実施例1で求めた大豆蛋白の添加量と卵豆腐の
色調(a値)との関係を示すグラフ
【図4】実施例2で求めたpHと卵豆腐の色調(L値及
びa値)との関係を示すグラフ
【図5】実施例2で求めたpHと卵豆腐の破断荷重との
関係を示すグラフ
【図6】実施例2で求めたpHと卵豆腐の離水率との関
係を示すグラフ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全卵、大豆蛋白及び水を主成分とする流動
    性混合物を、柔軟性プラスチック容器に充填し、加熱し
    て得られる包装卵豆腐。
  2. 【請求項2】流動性混合物が、全卵30〜70重量%と
    大豆蛋白0.5〜10重量%を含有するものである請求
    項1に記載の包装卵豆腐。
  3. 【請求項3】大豆蛋白として、大豆蛋白水和物及び大豆
    蛋白エマルジョンの少なくとも一種を用いる請求項1又
    は2に記載の包装卵豆腐。
  4. 【請求項4】全卵と、大豆蛋白水和物及び大豆蛋白エマ
    ルジョンの少なくとも一種との混合割合が、前者40〜
    60重量%及び後者60〜40重量%である請求項3に
    記載の包装卵豆腐。
  5. 【請求項5】流動性混合物のpHが5.8〜7.2であ
    る請求項1〜4のいずれかに記載の包装卵豆腐。
  6. 【請求項6】グルコノデルタラクトン、クエン酸、フマ
    ル酸及びフィチン酸から選ばれた少なくとも1種をpH
    調整剤として含む請求項5に記載の包装卵豆腐。
  7. 【請求項7】大豆蛋白水和物が粉末状大豆蛋白1重量部
    に対して水5〜50重量部を用いて得られる溶液、懸濁
    液又はペーストである請求項3〜6のいずれかに記載の
    包装卵豆腐。
  8. 【請求項8】大豆蛋白エマルジョンが、粉末状大豆蛋白
    1重量部に対して水5〜50重量部及び油脂0.5〜1
    0重量部を用いて得られるO/W型エマルジョンである
    請求項3〜6のいずれかに記載の包装卵豆腐。
  9. 【請求項9】柔軟性プラスチック容器が耐熱性を有する
    プラスチック容器である請求項1〜8のいずれかに記載
    の包装卵豆腐。
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