JPH11154481A - 電子ビーム装置及びその調整方法 - Google Patents

電子ビーム装置及びその調整方法

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JPH11154481A
JPH11154481A JP9321750A JP32175097A JPH11154481A JP H11154481 A JPH11154481 A JP H11154481A JP 9321750 A JP9321750 A JP 9321750A JP 32175097 A JP32175097 A JP 32175097A JP H11154481 A JPH11154481 A JP H11154481A
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JP
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disturbance
electron beam
circuit
cycle
scanning
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JP9321750A
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Hironori Teguri
弘典 手操
Kazuo Okubo
和生 大窪
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】SEM像の揺れを低減させる補正信号の調整を
容易にする。 【解決手段】SEM像の揺れの原因になっている外乱N
Sを検出する外乱検出部30と、外乱NSのスペクトル
を取得し最大ピークの周波数f1を検出するスペクトル
アナライザ31と、外乱NSから周波数f1の外乱成分
を抽出する外乱成分抽出回路と、外乱成分の波形の位相
及び振幅を調整した補正信号を生成する外乱補正回路3
3と、ラスタ走査用電子ビーム走査回路21と、回路2
1に対し、電子ビームEBの副走査周期が1/f1の整
数倍になるように調整する走査周期調整回路35とを備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型電子顕微鏡
(SEM)やSEM像を取得できる電子ビームテスタ及
び電子ビーム露光装置等の電子ビーム装置及びその調整
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図11に示すSEM像1は、1000倍
の配線パターンであり、倍率をさらに10倍上げてSE
M像1中の点線で囲まれた範囲を観察すると、SEM像
2が揺れる。この揺れは、真空ポンプの機械的振動、電
子ビーム装置鏡筒の共振、真空ポンプや冷却ファンのモ
ータから発生する電磁波等の浮遊電磁界、及び、電子銃
やレンズ或いは偏向器の電源回路に商用電源周波数のノ
イズが乗ること等の外乱に起因している。浮遊電磁界に
ついては、特に低周波浮遊磁界をシールドすることは容
易でない。電子ビーム装置では、その分解能が高くなる
につれ、このような外乱によるSEM像の揺れがより一
層問題となってくる。
【0003】浮遊磁界に対しては、電子ビーム鏡筒の周
囲あるいは装置全体を磁気シールド板で覆ったり、磁気
シールド板を備えた装置専用の部屋を用意するなどのパ
ッシブな対策や、鏡筒近傍の磁界を検出し装置全体を覆
ったヘルムホルツコイルに検出信号をフイードバックし
てキャンセル用磁界を発生させるアクティブな制御方法
などが取られている.また、機械振動に対しては、固有
振動数が数Hzの除振台で、床から電子ビーム装置への
振動伝達を抑制するパッシブな対策が取られている。
【0004】しかし、浮遊磁界に対する磁気シールド板
はその効果を上げていこうとするとその厚みを増すか幾
重にも覆う必要があるので、装置の小型化が妨げられ
る。ヘルムホルツコイルを用いた方法は効果的である
が、高価である。また機械振動については、大きな除振
装置が装置の小型化を妨げる。商用電源周波数成分につ
いては、電子ビーム走査信号に商用電源周波数に等しい
正弦波を補正信号として重畳し、SEM像を観察しなが
らこの正弦波の位相及び振幅を調整して、電子ビームの
揺れを補正する方法が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、調整時のSE
M像の表示更新周期と揺れの原因であるノイズの周期と
の間に相関がため、補正信号の位相及び振幅の調整が容
易でない。また、正弦波重畳法は、商用電源周波数成分
のみについてしか揺れ低減効果が得られない。補正信号
として商用電源周波数の正弦波に他の周波数の正弦波を
重畳したとしても、その位相及び振幅の調整が容易でな
く、調整所要時間が長くなる。
【0006】本発明の目的は、このような問題点に鑑
み、SEM像の揺れを低減させる補正信号の調整を容易
にすることが可能な電子ビーム装置及びその調整方法を
提供することにある。本発明の他の目的は、外乱に含ま
れている複数の周波数成分についてSEM像の揺れを容
易に低減することが可能な電子ビーム装置及びその調整
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及びその作用効果】請求項
1では、試料上に電子ビームをラスタ走査させて得られ
たSEM像の揺れを、SEM像を観察しながら電子ビー
ム偏向量を補正することにより低減させる電子ビーム装
置調整方法において、該ラスタ走査の所定範囲において
その副走査周期を、該揺れの原因になっている外乱の成
分の周期の整数倍にすることにより、該周期の外乱成分
による揺れが静止したSEM像を得る。
【0008】この電子ビーム装置調整方法によれば、該
成分についてSEM像が静止し、かつ、補正量に応じ
て、静止した揺れの振幅がリアルタイムで変化するのを
観察することができるので、SEM像の揺れを低減させ
る補正信号の調整が容易になるという効果を奏する。請
求項2の電子ビーム装置調整方法では、請求項1におい
て、上記ラスタ走査の主走査周期を、上記外乱成分の周
期の整数倍にする。
【0009】この電子ビーム装置調整方法によれば、主
走査周期の同一位相点において揺れの位相が同一になる
ので、画像観察による揺れの特性把握が容易になるとい
う効果を奏する。請求項3の電子ビーム装置調整方法で
は、請求項1又は2において、上記外乱の周波数に対す
る振幅の大きい順に上記補正を行う。
【0010】この電子ビーム装置調整方法によれば、補
正を高精度に行うことが可能になるという効果を奏す
る。請求項4では、試料上に電子ビームをラスタ走査さ
せて得られたSEM像の揺れを、SEM像を観察しなが
ら電子ビーム偏向量を補正することにより低減させる電
子ビーム装置調整方法において、上記揺れの原因になっ
ている外乱を所定周期でサンプリングし、該周期で記憶
部内の複数のデータ格納部から記憶値を順次サイクリッ
クに読み出し、そのサンプリング値と読み出し値との平
均に関係した値を算出し、その算出値を、該読み出し値
が格納されている該データ格納部に格納することによ
り、該記憶部内に該外乱の成分波形を取得し、該波形の
位相及び振幅を調整した補正信号を生成し、該補正信号
に基づいて該補正を行う。
【0011】外乱の成分波形を取得するにはバンドパス
フィルタでもよいが、この外乱は高調波成分を含んでい
るので、外乱に含まれる所定周波数の正弦波成分を補正
しても高調波成分を同時に補正することはできない。こ
れに対し、この電子ビーム装置調整方法によれば、外乱
に含まれる所定周波数の正弦波成分及びその高調波成分
によるSEM像の揺れを同時に低減することができ、補
正のための調整操作が容易になるという効果を奏する。
【0012】請求項5では、偏向器を介して電子ビーム
走査回路により電子ビームを試料上でラスタ走査させ、
この際の2次電子検出量をフレームメモリに格納するこ
とによりSEM像を得る電子ビーム装置において、該S
EM像の揺れの原因になっている外乱を検出する外乱検
出部と、検出された該外乱のスペクトルを取得するスペ
クトルアナライザと、該電子ビーム走査回路に対し、該
ラスタ走査の所定範囲においてその副走査周期が、該ス
ペクトルアナライザで得られたスペクトルのピーク周波
数の逆数の整数倍になるように調整する走査周期調整回
路とを有する。
【0013】請求項6の電子ビーム装置では、請求項5
において、上記走査周期調整回路は、上記ラスタ走査の
主走査周期が、上記外乱成分の周期の整数倍になるよう
に調整する。請求項7の電子ビーム装置では、請求項5
又は6において、上記外乱検出部で得られた外乱から上
記周波数の外乱成分を抽出する外乱成分抽出回路と、上
記電子ビームの偏向量を補正するための偏向器と、該外
乱成分の波形の位相及び振幅を調整した補正信号を生成
して該偏向器へ供給する外乱補正回路とを有する。
【0014】請求項8の電子ビーム装置では、請求項7
において、上記外乱成分抽出回路は、複数のデータ格納
部を備えた記憶部と、上記外乱検出部で得られた外乱の
サンプリング値と該記憶部から読み出された値との平均
値に関係した値を算出する演算回路と、該サンプリング
値を所定周期で取得させ、該周期で該記憶部から記憶値
を順次サイクリックに読み出させ、該演算回路で算出さ
れた値を、読み出された該記値が格納されている該デー
タ格納部に格納させることにより、該記憶部内に該外乱
の成分波形を取得させ、該波形を読み出させる制御回路
とを有する。
【0015】請求項9の電子ビーム装置では、請求項8
において、上記制御回路は、位相が互いに略90゜異な
る2つの外乱成分波形を上記記憶部から読み出させ、上
記外乱補正回路は、該2つの外乱成分波形の1次結合を
上記補正信号として生成する。この電子ビーム装置によ
れば、外乱成分波形が正弦波でなくても、位相及び振幅
を調整可能な補正信号を容易に生成することができると
いう効果を奏する。
【0016】請求項10の電子ビーム装置では、請求項
8において、互いに異なる種類の上記外乱検出部を複数
有し、該異なる種類の外乱検出部の出力のスペクトルに
ついてピーク周波数が互いに接近していると判定した場
合には該スペクトルのピーク値の大きい方に対応した上
記補正信号が上記偏向器に供給されるようにする外乱同
定回路を有する。
【0017】この電子ビーム装置によれば、ピーク値の
小さい方についてSEM像の揺れを補正した場合より
も、感度が高くなり、上記調整をより容易かつより高い
精度で行うことが可能となるという効果を奏する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。 [第1実施形態]図1は、SEM像取得機能を備えた電
子ビーム装置の概略構成を示す。電子ビーム装置本体1
0では、ステージ11に搭載されたLSIチップ等の試
料12に対し、電子銃13から放射された電子ビームE
Bがラスタ走査される。この走査は偏向器14により行
われ、試料12上への電子ビームEBの収束は対物レン
ズ15により行われる。試料12上の照射点から放出さ
れた2次電子SEは、2次電子検出器16で検出され、
その出力が増幅回路17で増幅され、A/D変換回路1
8でデジタル化され、画像入力インタフェース19を介
してフレームメモリ20に格納される。格納アドレス
は、ビーム走査回路21からのドットクロック信号、水
平同期信号及び垂直同期信号に基づいて、画像入力イン
タフェース19により生成される。このドットクロック
信号に基づいて、A/D変換回路18に対するデジタル
変換開始信号が生成される。フレームメモリ20内に得
られたSEM像は、フレームメモリ20への格納と非同
期に画像出力インタフェース22によりフレーム周波数
30Hzで読み出され、表示装置23に供給されて表示
される。
【0019】ビーム走査回路21は、電子ビームEBを
ラスタ走査させるため、上記ドットクロック信号及び上
記同期信号を生成すると共に、これらの信号に基づいて
鋸波を生成しビーム走査信号として、加算回路24の一
方の入力端に供給する。この信号は、加算回路24及び
増幅回路25を介し偏向器14に供給される。図1では
簡単化のため、偏向器14の1方向部分に対する1組の
加算回路24及び増幅回路25のみ示している。
【0020】電子ビーム装置本体10内の電子銃13、
対物レンズ15及びその他の不図示の電子ビーム制御に
関する構成要素は、システム制御装置26からの指令に
基づいてビーム制御装置27により制御される。外乱検
出部30は、SEM像の揺れの原因となる外乱NSを検
出するためのものであり、例えば、商用電源からノイズ
成分を取り出す回路、真空ポンプや冷却ファン等のモー
タによる振動を検出するための振動センサ又はモータ等
から発生する電磁波のうちシールドできなかった磁界を
検出する磁界センサ等である。SEM像の揺れは、電子
ビームEB及び試料12の揺れにより生ずる。外乱検出
部30で検出された外乱NSは、スペクトルアナライザ
31及び周波数成分抽出回路32に供給される。
【0021】スペクトルアナライザ31は、例えばFF
Tにより、図5に示すような外乱スペクトルを取得し、
これに含まれる最大ピーク周波数f1を検出して周波数
成分抽出回路32に供給する。周波数成分抽出回路32
は、外乱NSからこの周波数f1の成分の波形を抽出し
て外乱補正回路33に供給する。外乱補正回路33は、
この波形を基本として、位相及び振幅を調整可能な周波
数f1の補正信号を生成し、加算回路24の他方の入力
端に供給する。この位相及び振幅の調整は、表示装置2
3に表示されたSEM像を操作者が観察しながら、ダイ
ヤル又はキーボード等の入力装置で構成された補正パラ
メータ操作部34を操作することにより行われる。
【0022】最大ピーク周波数f1についての調整が完
了すると、操作部34からの指令によりスペクトルアナ
ライザ31から2番目のピーク周波数が周波数成分抽出
回路32に供給され、上記同様の調整が行われる。この
際、外乱補正回路33の出力は、周波数f1についての
調整済みの補正信号に現在調整中の補正信号が加算され
る。
【0023】外乱スペクトルのピークについて、このよ
うな処理が繰り返される。通常は、1つの外乱検出部3
0に対し1つ又は2つのピークについて調整が行われ
る。ここで、図6(A)又は(C)に示すような揺れの
無いSEM像を得るのが理想であるが、上記外乱により
図6(B)又は(D)のように揺れ、この揺れの周期と
SEM像の表示更新周期との間に相関がないため、補正
パラメータ操作部34による調整が容易でない。図6
(B)及び(D)はそれぞれ、揺れの無い図6(A)及
び(C)の像に対し揺れが主走査方向及び副走査方向の
みである場合の像を示している。
【0024】図6(E)は、SEM像を得るための試料
12上での電子ビームラスタ走査を示しており、図示X
方向へ線順次にビーム走査が行われる。図中の点線は水
平ブランキング期間に対応している。電子ビームEBが
走査範囲内の任意の点P1を照射してから次に点P1を
再度照射するまでの時間は、副走査周期TVに等しい。
この周期TVがSEM像の揺れの周期T1=1/f1の
整数m倍であれば、点P1照射時点での揺れの位相が毎
回同一になる。
【0025】そこで、図1において、スペクトルアナラ
イザ31から走査周期調整回路35へ周波数f1を供給
し、走査周期調整回路35はこれに応答して、設定可能
範囲内でTV=m/f1の条件を満たすように、ビーム
走査回路21に対し走査周期を設定する。これにより、
外乱NSに含まれる最大ピーク周波数の成分についてS
EM像が静止し、かつ、補正パラメータ操作部34によ
る補正信号の位相及び振幅の調整に応じて、静止した揺
れの振幅がリアルタイムで変化するのを観察することが
できるので、調整が容易になる。
【0026】揺れ成分静止に加えて、上述のように外乱
スペクトルのピークの高い方から順に補正を行うことに
より、補正を高精度に行うことが可能となる。図6
(D)において、電子ビームEBの主走査周期THをT
1=1/f1の整数倍にすれば、主走査周期の同一位相
点において揺れの位相が同一になるので、すなわち図示
Y軸に平行な直線上での揺れの位相が同一になるので、
画像観察による揺れの特性把握が容易となる。この条件
を満たし、かつ、電子ビームEBの走査の垂直ブランキ
ング期間を主走査周期THの整数倍にすれば、上記TV
=m/f1の条件も同時に満たされる。
【0027】そこで、走査周期調整回路35でビーム走
査回路21に対し、これらの条件を満たすビーム走査周
期を定めるためのパラメータを設定する。周波数成分抽
出回路32としてはバンドパスフィルタでもよいが、外
乱は図5に示す如く高調波成分を含んでいるので、周波
数f1の正弦波を用いて外乱を補正しても、高調波成分
を同時に補正することはできない。
【0028】そこで、高調波成分も同時に補正するため
に、周波数成分抽出回路32を例えば図2に示すように
構成している。外乱NSは、増幅回路321に供給され
て増幅され、その増幅率は、出力範囲が例えば−1〜1
Vに規格化されるように調整される。増幅回路321の
出力は、A/D変換回路322でデジタル化され、Ai
jとして加算回路323の一方の入力端に供給される。
該規格化により、A/D変換回路322の出力範囲は例
えば16進数表示で0000〜FFFFとなる。
【0029】加算回路323の出力Aijは、除算回路
324によりKで割られ、Sijとしてメモリ325の
アドレスiに格納される。加算回路323でAijと加
算される他方の入力端の値は、このSijがメモリ32
5に格納される直前に格納されていたSi(j−1)
を、乗算回路326で(K−1)倍したものである。し
たがって、Sij←{(K−1)・Si(j−1)+A
ij}/Kとなる。
【0030】A/D変換回路322の変換開始並びにメ
モリ325の書き込み及び読み出しの周期はいずれもT
1/n=1/(n・f1)であり、これらの制御は制御
回路327により行われ、この周期はスペクトルアナラ
イザ31からの周波数f1に基づいて定められる。K
は、制御回路327により生成され、その初期値は1で
あり、周期T1経過後は設定値に固定される。
【0031】このような処理により、メモリ325に
は、リアルタイムで平均化された周期T1の図3に示す
ような波形が得られる。Aijに含まれる周期T1以外
の波形は、平均化処理によりほぼ0になり、自動的に除
去されることになる。メモリ325に得られた波形は、
周期T1の正弦波とその高調波を重ね合わせた波形であ
る。
【0032】制御回路327は、位相が互いに90度異
なる波形SU及びSVをメモリ325から読み出させ
る。例えば図3において、周期T1/(2n)でアドレ
スp、q、p+1,q+1、p+2、q+2、・・・か
ら波形データを順次読み出させ、読み出しアドレスがn
になるとその次には1に戻る。これにより、アドレス
p、p+1、p+2、・・・から周期T1の波形SUが
読み出され、アドレスq、q+1、q+2、・・・から
周期T1の波形がSVが読み出される。
【0033】波形SU及びSVは、図4に示す外乱補正
回路33に供給される。外乱補正回路33では、周期T
1/(2n)でデマルチプレクサ331により交互に切
り換えられて波形SUとSVとが分離され、それぞれD
/A変換回路332A及び332Bに供給されてアナロ
グ化される。D/A変換回路332A及び332Bの出
力はいずれも1次結合回路333A及び333Bに供給
される。1次結合回路333A及び333Bは、2入力
の1次結合値をそれぞれ偏向量補正信号CX及びCYと
して出力する。1次結合の係数は、図1の補正パラメー
タ操作部34から供給される補正パラメータ設定信号C
PX1、CPX2及びCPY1、CPY2により調整さ
れる。これにより、偏向量補正信号CX及びCYは、メ
モリ325で得られた波形の位相及び振幅が調整された
信号となる。この調整は、正弦波と余弦波の1次結合に
より任意の位相及び振幅の正弦波が得られることに対応
している。
【0034】このような構成の周波数成分抽出回路32
及び外乱補正回路33を用いることにより、外乱に含ま
れる周波数f1の正弦波成分及びその高調波成分による
SEM像の揺れを同時に低減することができる。 [第2実施形態]図7は、本発明の第2実施形態の電子
ビーム装置外乱補正部を示す。
【0035】この補正部では、2つの外乱検出部30及
び40を備え、スペクトルアナライザ31、周波数成分
抽出回路32及び外乱補正回路33に対応してそれぞれ
スペクトルアナライザ41、周波数成分抽出回路42及
び外乱補正回路43を備えている。外乱補正回路33及
び43の補正パラメータは、補正パラメータ操作部34
で調整される。例えば、外乱検出部30は振動センサで
あり、外乱検出部40は磁界センサである。外乱補正回
路33の出力CX1及びCY1はそれぞれ外乱補正回路
43の出力CX2及びCY2と加算回路44で加算さ
れ、CX1+CX2及びCY1+CY2がそれぞれ上述
の偏向量補正信号CX及びCYに対応した値として得ら
れる。
【0036】例えば、スペクトルアナライザ31で検出
された最大ピーク周波数f1の成分に対する補正信号の
調整を行い、次に、スペクトルアナライザ41で検出さ
れた最大ピーク周波数f2の成分に対する補正信号の調
整を行う。[第3実施形態]図8は、本発明の第3実施
形態の電子ビーム装置外乱補正部を示す。
【0037】この補正部では、図7の構成に、外乱同定
回路45並びにスイッチ素子46A及び46Bが付加さ
れている。外乱同定回路45は、スペクトルアナライザ
31で検出されたピーク周波数f1とスペクトルアナラ
イザ41で検出されたピーク周波数f2とが互いに接近
して|f1−f2|が設定値以下の場合、周波数f1の
振幅V1と周波数f2の振幅V2とを比較し、V1>V
2であればスイッチ素子46Aをオンにし且つスイッチ
素子46Bをオフにし、V1<V2であればスイッチ素
子46Aをオフにし且つスイッチ素子46Bをオンにす
る。外乱同定回路45は、周波数f1とf2とが互いに
接近していなけば、スイッチ素子46A及び46Bを共
にオンにして、上記第2実施形態の場合と同じにする。
【0038】本第3実施形態によれば、周波数f1とf
2とが互いに接近している場合に、外乱検出部30と4
0の出力成分の振幅の大きい方についてSEM像の揺れ
が補正されるので、図7の構成で逆に振幅の小さい方に
ついてSEM像の揺れを補正した場合よりも、感度が高
く、補正パラメータ操作部34による調整をより容易か
つより高い精度で行うことが可能となる。
【0039】[第4実施形態]図9は、本発明の第4実
施形態の電子ビーム装置外乱補正部を示す。この補正部
では、1つの外乱検出部30で検出された外乱のスペク
トルに含まれる振幅の高い方から2つのピーク周波数f
1及びf2を、スペクトルアナライザ31から周波数成
分抽出回路32及び42に供給している。外乱検出部3
0の出力は、デマルチプレクサ47により切り換えられ
て周波数成分抽出回路32及び42へ供給される。
【0040】調整を容易に行えるようにするために、ピ
ーク周波数f1及びf2のうち高い方から順に上記調整
を行う。他の点は上記第2実施形態と同一である。 [第5実施形態]図10は、本発明の第5実施形態の電
子ビーム装置要部概略構成を示す。
【0041】この装置では、電子ビーム装置本体10A
において、偏向器14とは独立に補正用の偏向器50を
備えている。また、スペクトルアナライザ31で得られ
たスペクトルを、操作者が見て補正すべき周波数を決定
し、補正パラメータ操作部34を介して外乱補正回路3
3A及びビーム走査回路21のパラメータを調整してい
る。
【0042】外乱補正回路33Aは、出力の周波数、位
相及び振幅が調整可能な交流源334A及び334B
と、これらの出力を加算する加算回路335とを備えて
おり、加算回路335の出力が増幅回路51を介して偏
向器50に供給される。交流源334A及び334B
は、例えばダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)
を用いて構成されている。
【0043】なお、本発明には外にも種々の変形例が含
まれる。例えば図1において、複数の外乱検出部の出力
を、該出力の振幅に対するSEM像の揺れの振幅の割合
が一定になるように1次結合したものを、外乱NSとし
てスペクトルアナライザ31及び周波数成分抽出回路3
2に供給する構成であってもよい。
【0044】また、補正パラメータ操作部34を手動操
作する替わりに、フレームメモリ20に格納された画像
を処理することにより、静止した揺れの振幅を検出し、
これが小さくなるように自動調整する構成であってもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の電子ビーム装置概略構
成図である。
【図2】図1中の周波数成分抽出回路の構成例を示す図
である。
【図3】図2中のメモリに格納された外乱成分の波形図
である。
【図4】図1中の補正回路の構成例を示す図である。
【図5】スペクトルアナライザで得られる外乱スペクト
ルを示す図である。
【図6】SEM像の揺れと電子ビーム走査との関係説明
図である。
【図7】本発明の第2実施形態の電子ビーム装置外乱補
正部を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3実施形態の電子ビーム装置外乱補
正部を示すブロック図である。
【図9】本発明の第4実施形態の電子ビーム装置外乱補
正部を示すブロック図である。
【図10】本発明の第5実施形態の電子ビーム装置要部
概略構成図である。
【図11】従来技術の問題点説明図である。
【符号の説明】
10、10A 電子ビーム装置本体 13 電子銃 14、50 偏向器 15 対物レンズ 16 2次電子検出器 20 フレームメモリ 21 ビーム走査回路 23 表示装置 30、40 外乱検出部 31、41 スペクトルアナライザ 32、42 周波数成分抽出回路 33、33A、43 外乱補正回路 34 補正パラメータ操作部 35 走査周期調整回路 45 外乱同定回路 333A、333B 1次結合回路 334A、334B 交流源 47 デマルチプレクサ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料上に電子ビームをラスタ走査させて
    得られたSEM像の揺れを、SEM像を観察しながら電
    子ビーム偏向量を補正することにより低減させる電子ビ
    ーム装置調整方法において、 該ラスタ走査の所定範囲においてその副走査周期を、該
    揺れの原因になっている外乱の成分の周期の整数倍にす
    ることにより、該周期の外乱成分による揺れが静止した
    SEM像を得ることを特徴とする電子ビーム装置調整方
    法。
  2. 【請求項2】 上記ラスタ走査の主走査周期を、上記外
    乱成分の周期の整数倍にすることを特徴とする請求項1
    記載の電子ビーム装置調整方法。
  3. 【請求項3】 上記外乱の周波数に対する振幅の大きい
    順に上記補正を行うことを特徴とする請求項1又は2記
    載の電子ビーム装置調整方法。
  4. 【請求項4】 試料上に電子ビームをラスタ走査させて
    得られたSEM像の揺れを、SEM像を観察しながら電
    子ビーム偏向量を補正することにより低減させる電子ビ
    ーム装置調整方法において、 上記揺れの原因になっている外乱を所定周期でサンプリ
    ングし、該周期で記憶部内の複数のデータ格納部から記
    憶値を順次サイクリックに読み出し、そのサンプリング
    値と読み出し値との平均に関係した値を算出し、その算
    出値を、該読み出し値が格納されている該データ格納部
    に格納することにより、該記憶部内に該外乱の成分波形
    を取得し、 該波形の位相及び振幅を調整した補正信号を生成し、該
    補正信号に基づいて該補正を行う、 ことを特徴とする電子ビーム装置調整方法。
  5. 【請求項5】 偏向器を介して電子ビーム走査回路によ
    り電子ビームを試料上でラスタ走査させ、この際の2次
    電子検出量をフレームメモリに格納することによりSE
    M像を得る電子ビーム装置において、 該SEM像の揺れの原因になっている外乱を検出する外
    乱検出部と、 検出された該外乱のスペクトルを取得するスペクトルア
    ナライザと、 該電子ビーム走査回路に対し、該ラスタ走査の所定範囲
    においてその副走査周期が、該スペクトルアナライザで
    得られたスペクトルのピーク周波数の逆数の整数倍にな
    るように調整する走査周期調整回路と、 を有することを特徴とする電子ビーム装置。
  6. 【請求項6】 上記走査周期調整回路は、上記ラスタ走
    査の主走査周期が、上記外乱成分の周期の整数倍になる
    ように調整することを特徴とする請求項5記載の電子ビ
    ーム装置。
  7. 【請求項7】 上記外乱検出部で得られた外乱から上記
    周波数の外乱成分を抽出する外乱成分抽出回路と、 上記電子ビームの偏向量を補正するための偏向器と、 該外乱成分の波形の位相及び振幅を調整した補正信号を
    生成して該偏向器へ供給する外乱補正回路と、 を有することを特徴とする請求項5又は6記載の電子ビ
    ーム装置。
  8. 【請求項8】 上記外乱成分抽出回路は、 複数のデータ格納部を備えた記憶部と、 上記外乱検出部で得られた外乱のサンプリング値と該記
    憶部から読み出された値との平均値に関係した値を算出
    する演算回路と、 該サンプリング値を所定周期で取得させ、該周期で該記
    憶部から記憶値を順次サイクリックに読み出させ、該演
    算回路で算出された値を、読み出された該記値が格納さ
    れている該データ格納部に格納させることにより、該記
    憶部内に該外乱の成分波形を取得させ、該波形を読み出
    させる制御回路と、 を有することを特徴とする請求項7記載の電子ビーム装
    置。
  9. 【請求項9】 上記制御回路は、位相が互いに略90゜
    異なる2つの外乱成分波形を上記記憶部から読み出さ
    せ、 上記外乱補正回路は、該2つの外乱成分波形の1次結合
    を上記補正信号として生成することを特徴とする請求項
    8記載の電子ビーム装置。
  10. 【請求項10】 互いに異なる種類の上記外乱検出部を
    複数有し、 該異なる種類の外乱検出部の出力のスペクトルについて
    ピーク周波数が互いに接近していると判定した場合には
    該スペクトルのピーク値の大きい方に対応した上記補正
    信号が上記偏向器に供給されるようにする外乱同定回路
    を有することを特徴とする請求項9記載の電子ビーム装
    置。
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