JPH111535A - イソプロピル基でアルキルエーテル化されたアミノ樹脂 - Google Patents

イソプロピル基でアルキルエーテル化されたアミノ樹脂

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JPH111535A
JPH111535A JP15675497A JP15675497A JPH111535A JP H111535 A JPH111535 A JP H111535A JP 15675497 A JP15675497 A JP 15675497A JP 15675497 A JP15675497 A JP 15675497A JP H111535 A JPH111535 A JP H111535A
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amino resin
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alkyl
amino
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Tatsunobu Nakajima
竜信 中島
Yuichi Ito
祐一 伊東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱硬化型塗料用硬化剤として用いたとき、性
能バランスが容易に得られ、かつ性能バランスに偏りが
なく、また、複雑な工程を踏まず水性用樹脂の硬化剤と
しても簡単に用いることができるアルキルエーテル化ア
ミノ樹脂を得ること。 【解決手段】 メラミン、尿素および/またはベンゾグ
アナミンを合計1モル、ホルムアルデヒドを1〜10モ
ルならびにイソプロピルアルコール0.05〜30モル
を原料として合成された、イソプロピル基でアルキルエ
ーテル化されたアミノ樹脂を用いること。 【効果】 イソプロピル基でアルキルエーテル化アミノ
樹脂を熱硬化型塗料の硬化剤として用いた際、従来のメ
チルエーテル化アミノ樹脂とブチルエーテル化アミノ樹
脂の長所のみを併せもつ他、優れた耐汚染性を有する。
また、水性用樹脂の硬化剤としても用いることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイソプロピル基でア
ルキルエーテル化されたアルキルエーテル化アミノ樹脂
に関する。
【0002】
【従来の技術】アミノ樹脂の反応性、相溶性および物性
等の性質を大きく左右する因子として、分子量、官能置
換基(メチロール基、アルキル基、イミノ基等)が知ら
れている。これらの置換基中、一般的な出発原料である
アルコールから誘導されるアルキル基は上記の性質を大
きく左右する。
【0003】このアルキルエーテル化反応の原料である
アルコールとしては、工業的にはメタノール、ノルマル
ブタノール(以下、n−ブタノールと略記)、イソブタ
ノール(以下、iso−ブタノールと略記)等があり、
これらが単独または混合して用いられている。
【0004】これらのアルキル置換基を有するアミノ樹
脂を、熱硬化型塗料用硬化剤として用いた場合、その置
換基によって硬化塗膜形成時における主剤(水酸基を有
する樹脂ポリエステルポリオール、エポキシ樹脂、アル
キッド樹脂、アクリルポリオール等)との相溶性、熱硬
化時の自己縮合または主剤との架橋反応といった硬化形
態に差異が生じる。さらに得られた塗膜の硬度、加工
性、光沢、耐候性等にも大きく影響するが、それらをま
とめると概ね表1[表1]のようになる。
【0005】
【表1】
【0006】一方、近年、塗料や接着剤から発散する有
機溶剤による大気汚染を防止するという意識が高まり、
従来の溶剤型塗料から水性塗料への移行が進みつつあ
る。この水性(水溶)化について以下に、メチルエーテ
ル化メラミン樹脂ならびにブチルエーテル化メラミンお
よびブチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂を例にとり
説明する。
【0007】(1) 水性塗料において、アミノ樹脂を硬化
剤として用いる場合には、硬化剤としては水溶性の観点
からメチルエーテル化メラミン樹脂が多用されている。
この樹脂の水溶化の手法としては、米国特許第3,464,94
6号および同3,444,114号が開示されている。しかし、こ
の硬化剤はメチルエーテル化メラミン樹脂または、その
オキシカルボン酸変性物なので、硬化塗膜の耐沸水性や
加工性が不十分であり、満足すべき塗膜を得ることはで
きなかった。
【0008】(2) 他方、ブチルエーテル化メラミンおよ
びブチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂の水性化の試
みもなされている。ブチルエーテル化アミノ樹脂の場
合、水性化は煩雑である。その水性化には次のような方
法が開示されている。すなわち、特開平4-108849号公報
ではグリコールエーテル化合物を必須としているため蒸
気殺菌性が劣る他、製造方法としてもアルキルエーテル
化物を製造後、オキシカルボン酸およびグリコールエー
テル化合物を共縮合するという煩雑な2段階の工程をと
っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、熱硬化型樹脂の硬化剤として用いたとき、
性能バランスを容易に得ることができるアルキルエーテ
ル化アミノ樹脂を提供することである。別の課題は、塗
料、インキ、接着剤などに好適に利用し得る水性用樹脂
の硬化剤としてのアルキルエーテル化アミノ樹脂を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
を解決すべく、アミノ樹脂に種々の置換基を導入して鋭
意検討した結果、イソプロピル基でアルキルエーテル化
されたアルキルエーテル化アミノ樹脂が塗膜性能におい
て最もバランスがよく、かつ水性樹脂用硬化剤にも用い
ることができるという優れた特徴をもっていることを見
出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、
【0011】[1]イソプロピル基でアルキルエーテル
化されたアルキルエーテル化アミノ樹脂であり、また、
【0012】[2]アミノ化合物がメラミン、ベンゾグ
アナミンおよび/または尿素からなることを特徴とする
[1]記載のアルキルエーテル化アミノ樹脂であり、ま
た、
【0013】[3]メラミン、尿素およびベンゾグアナ
ミンを合計1モル、ホルムアルデヒドを1〜10モルな
らびにイソプロピルアルコール0.05〜30モルを原
料として合成されたものであることを特徴とする[1]
または[2]に記載のアルキルエーテル化アミノ樹脂で
あり、また、
【0014】[4]熱硬化型樹脂または水溶性樹脂の硬
化剤として使用することができることを特徴とする
[1]〜[3]いずれかに記載のアルキルエーテル化ア
ミノ樹脂であり、また、
【0015】[5][1]〜[4]のいずれかに記載の
アルキルエーテル化アミノ樹脂と水酸基を有するアクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂および/またはエポキシ樹脂
とからなる樹脂組成物である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳しく説明
する。本発明において挙げられるイソプロピル基でアル
キルエーテル化されたアルキルエーテル化アミノ樹脂
(以下、イソプロポキシエーテル化アミノ樹脂と略記)
は、その官能基の種類としては置換アルキル鎖がイソプ
ロポキシ基であればよく、アミノ樹脂中に存在するアル
キルエーテル基以外の官能基として、イミノ基、イミノ
メチロール基、メチロール基等の他の置換基の混合でも
用いられる。ここに、本発明に開示される樹脂のうち4
つを図1[図1]に例示する。
【0017】
【図1】図1:例示化合物
【0018】また、このイソプロポキシエーテル化アミ
ノ樹脂に用いられるアミノ化合物としてはメラミン、ベ
ンゾグアナミン、尿素等が挙げられる。これらは単独で
用いても併用してもよい。
【0019】以下に、本発明のイソプロポキシエーテル
化アミノ樹脂について、さらに詳細に説明する。 (1) アミノ化合物にイソプロポキシ基を導入するには種
々の方法があるが、イソプロピルアルコール(以下、I
PAと略記)を原料として使用する方法が簡便である。
またIPAと他のアルコール類を混合してイソプロポキ
シ基の他、多種類のアルキル基を導入したアミノ樹脂も
本願の目的に適する。この場合にはIPAのモル分率が
50%を超える範囲であることが好ましい。IPAのモ
ル分率がこれ以下の場合には、得られるイソプロポキシ
エーテル化アミノ樹脂の性質はイソプロポキシ基以外の
アルキル基に由来する性質を踏襲する。
【0020】また、IPA以外のアルコールに由来する
アルキル基でエーテル化されたアミノ樹脂は、性能バラ
ンスに偏りが生じる。例えば、メチルエーテル化アミノ
樹脂は、水性化は容易であるが耐水性に劣る。エタノー
ルを用いてエチルエーテル化アミノ樹脂を製造する場合
は原料として高価である。また、n−ブチル基もしくは
iso−ブチル基でアルキルエーテル化されたアミノ樹
脂は、加工性等において優れるが、これをそのまま水性
化することはできない。
【0021】これに対し、イソプロポキシエーテル化ア
ミノ樹脂の場合には、加工性、硬度、耐水性等はブチル
エーテル化アミノ樹脂とほぼ同等の性能を示し、メチル
エーテル化またはブチルエーテル化アミノ樹脂にはない
耐汚染性を有することも分かった。さらに水性化の点に
関しては、そのまま容易に用いることができる。
【0022】(2) イソプロポキシエーテル化アミノ樹脂
の合成において用いられる原料は、アミノ化合物1モル
に対して、ホルムアルデヒド1〜10モル、IPA0.
05〜30モルの割合である。ホルムアルデヒドが1モ
ル未満の場合はメチロール化およびアルキルエーテル化
が不十分で、焼き付け型塗料用の硬化剤として用いた場
合、硬化性、樹脂の溶解性が劣る。また10モルを超え
ると実質的にアミノ化合物との反応において過剰分とな
り、後に除去する必要があり経済的に不利である。IP
Aが0.05モル未満の場合は得られる樹脂の溶解性が
劣り、30モルを越えると製造時に過剰分を取り除かね
ばならず共に実用的でない。
【0023】(3) 製造方法としては、所定量のアミノ化
合物、ホルムアルデヒド、IPAを仕込んで昇温、メチ
ロール化を行った後、酸触媒を添加してIPAによりア
ルキルエーテル化反応を行う。その後、反応系を中和し
必要に応じ所定の濃度まで常圧または減圧下にて脱アル
コールを行えばよい。
【0024】(4) イソプロポキシエーテル化アミノ樹脂
を含有する樹脂組成物は、熱硬化性樹脂の硬化剤として
用いることができる。特に、熱硬化性樹脂を使用した焼
き付け型塗料用の硬化剤として水酸基含有のアクリル樹
脂、ポリエステルまたはエポキシ樹脂と任意の割合で混
合して利用することができる。イソプロポキシエーテル
化アミノ樹脂は親水性を有するため、水希釈することが
可能である。そのため焼き付け型の水性塗料用の硬化剤
としても用いることができる。
【0025】(5) 本発明のイソプロポキシエーテル化ア
ミノ樹脂組成物を塗料用途等に用いる場合には、硬化剤
として有用である。その際主剤となる樹脂としては、ア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキ
ッド樹脂、ポリアミド等の樹脂を例示することができ
る。これら樹脂との配合重量比率は、硬化に要する時間
および得られる硬化物の物性等の点で、実用面において
主剤/硬化剤=40/60〜90/10が適当である。
【0026】(6) このようにして得られた塗料組成物を
シーラーまたはベースコート塗料として用いる場合に
は、金属顔料、着色顔料等を所定量配合すればよい。ま
た、その他に流動調整剤、分散剤、表面調整剤、消泡
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤等の通常用
いられている塗料添加剤を配合してもよい。またクリヤ
ーコートとして使用する場合には少量の顔料を配合し、
完全に隠蔽性が発現しない程度に着色してもよい。
【0027】(7) 本発明のイソプロポキシエーテル化ア
ミノ樹脂(組成物)を塗料用硬化剤として用いる場合に
は、上記の各成分を一般的な方法により配合、希釈して
粘度を調整して塗料とし、塗布する。次いで加熱するこ
とにより塗膜を形成させる。塗布方法としては、通常の
方法、例えば、バーコーダー塗装、ハケ塗り塗装、スプ
レー塗装、浸漬塗装等が挙げられる。
【0028】
【実施例】以下、製造例、参考例、実施例および比較例
により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこ
れらにより限定されるものではない。説明中「部」およ
び「%」は、注釈のない限り重量基準によるものであ
る。
【0029】製造例1 イソプロポキシエーテル化アミノ樹脂の製造 撹拌機、温度計、還流コンデンサーおよび窒素導入管を
備えた4ッ口フラスコにメラミン126部(1モル)、
92%パラホルムアルデヒド202.1部(6.2モ
ル)、IPA1503.0部(25モル)を仕込み、還
流温度まで昇温した。還流温度で1時間メチロール化反
応を行った後、パラトルエンスルホン酸1部を加え、還
流状態にてアルキルエーテル化反応を3時間行った。
【0030】その後1/10N水酸化ナトリウム水溶液
で中和し、減圧下にIPAを留去して、イソプロポキシ
エーテル化アミノ樹脂(a−1)を得た。得られた樹脂
は不揮発分80%、粘度Z2 +1/3(ガードナーNo./
25℃)であった。また表2[表2]に示す原料配合に
より、製造例1と同様の方法でイソプロポキシエーテル
化アミノ樹脂(a−2)〜(a−8)を得た。
【0031】
【表2】
【0032】製造例2 IPAとn−ブタノールにより混合アルキルエーテル化
されたアミノ樹脂の製造 撹拌機、温度計、還流コンデンサーおよび窒素導入管を
備えた4ッ口フラスコにメラミン126部(1モル)、
92%パラホルムアルデヒド221.7部(6.2モ
ル)、IPAとn−ブタノールの混合物[IPA:n−
ブタノール=601.0部(10モル):519.0部
(7モル)]およびトリエタノールアミン1部を仕込
み、還流温度まで昇温した。
【0033】還流温度で1時間メチロール化反応を行っ
た後、パラトルエンスルホン酸1部を加えて還流下にア
ルキル化反応を3時間行った。pHメーターで確認しな
がらトリエタノールアミンを加えて中和後、減圧下にI
PAおよびn−ブタノールを留去、IPAとn−ブタノ
ールにより混合アルキルエーテル化されたアミノ樹脂を
得た。得られた樹脂は不揮発分80%、粘度W(ガード
ナーNo./25℃)であった。
【0034】以下、イソプロポキシエーテル化アミノ樹
脂組成物の焼き付き型塗料用硬化剤として用いた際の性
能を評価するため、参考例1に従ってテスト板を作成し
た。
【0035】参考例1 テスト板(塗料調製1)の調製 アミノ系硬化剤としての性能を比較するために以下の塗
料配合により、実施例として製造例で得られた(a−
1)から(a−9)のイソプロポキシエーテル化アミノ
樹脂組成物と、比較例として、メチル化メラミン樹脂
(商品名、サイメル303:三井サイテックス社)、ブ
チル化メラミン樹脂(商品名、ユーバン2021:三井
東圧化学社、不揮発分75%)を用いた。
【0036】また、主剤としてはポリエステル樹脂3種
[アルマテックスHMP15(商品名、不揮発分50%
(三井東圧化学社)、バイロン560(商品名、東洋紡
社)、バイロンGK130(商品名、東洋紡社)]を用
いた。これらのポリエステル樹脂とアミノ樹脂を固形分
比で80:20になるように配合して、酸化チタン(R
920:商品名、デュポン社)/フタロシアニンブル
ー/フタロシアニングリーン75/15/10の顔料組
成、レベリング剤レジミックスRL−4[樹脂固形分
0.4%(三井東圧化学社)]、硬化触媒としてキャタ
リスト6000[樹脂固形分1.0%(三井東圧化学
社)]を添加してPWC=28.5%にし、さらに希釈
溶剤(キシレン/n−ブタノール/プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート=2/1/2)を配
合、サンドミルを用いて混練・分散し、塗料(塗料調製
1)を得た。
【0037】この塗料を市販のブロックウレタン硬化型
エポキシ樹脂タイプのプライマーが塗布されたリン酸亜
鉛処理鋼板(150mm×70mm×0.8mm厚さ)に、硬化乾燥膜
厚15μmになるようにバーコーターを用いて塗装後、
260℃×35秒硬化乾燥して試験板を得、下記の方法
により評価した。
【0038】試験および評価方法 (1)折り曲げ試験: 塗膜面を外面にして試験板を折
り曲げ、この時生じる塗膜の上面と下面との伸び率の差
による割れの抵抗性を調べる。折曲げ部分をセロテープ
(ニチバン社製)で剥離し、その時の剥がれ状態を目視
観察、5点を満点として5点法で評価した。
【0039】(2)鉛筆硬度: JIS-K5400.6.14の鉛筆
引っかき試験に準じて、試験板の塗膜の硬度を評価し
た。
【0040】(3)耐煮沸性: 高圧蒸気滅菌器にて
1.5kg/cm2、127℃にて30分試験後、その時の塗
膜の表面状態を目視で観察し5点を満点として5点法で
評価した。
【0041】(4)煮沸後の折り曲げ試験: 高圧蒸気
滅菌器により1.5kg/cm2、127℃で30分処理後、
(1)の折り曲げ試験に準じて試験を行った。
【0042】(5)スクラッチ性: 未使用の硬貨を塗
膜面に対して45゜の角度で押しあて、力を入れ手前に
引く。そのときの塗膜面に残った傷の状態を目視観察、
スクラッチ性を5点を満点として5点法で評価した。
【0043】(6)耐汚染性試験: 塗装面にマジック
インキ(マジックインキ社製)赤青黒の3本で4cmの直
線を描いた後、キシレンで拭き取り、インクの消え具合
を目視観察した結果を5点法で評価した。
【0044】次に、水希釈可能なイソプロポキシエーテ
ル化アミノ樹脂組成物を水性焼き付け型塗料用硬化剤と
して用いた際の性能を評価するために、参考例2に従っ
て試験標本(テスト板)を作成した。それらの結果を表
3〜5[表3〜5]に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】参考例2 テスト板(塗料調製2)の調製 水性樹脂用硬化剤としての性能を比較するために、以下
の配合にて製造例で得られた(a−1)から(a−9)
のイソプロポキシエーテル化アミノ樹脂組成物と、比較
例としてサイメル303(商品名、メチル化メラミン樹
脂:三井サイテック社)、水性ブチル化メラミン樹脂
(特開平8−165408号公報)、アルマテックスW
A911(商品名、アクリル樹脂、不揮発分60%:三
井東圧化学社)をジメチルエタノールアミンで当量中和
した。参考例で得られた(a−1)〜(a−9)を固形
分比で70:30(アクリル樹脂/アミノ樹脂)になる
よう配合し、純水で希釈して塗料不揮発分を30〜40
%に調整し、塗料を得た。
【0049】この塗料をブリキ板(JIS G 3303)にバー
コーターにて乾燥膜厚が10μになるよう塗装、200
℃で5分焼付けを行い、テスト板(塗料調製2)を得
た。この試験板の塗膜物性を下記の方法により評価し
た。塗膜の評価結果を表6[表6]に示す。
【0050】
【表6】
【0051】結果の考察 実施例および比較例に関して説明する。 (1) 高分子量ポリエステルを主剤に用いたテスト板(塗
料調製1)の場合 塗膜の加工性を示す折り曲げ性、耐煮沸性および煮沸後
の折り曲げ性に関しては、イソプロポキシエーテル化ア
ミノ樹脂組成物は比較例に挙げたブチル化メラミン樹脂
であるユーバン2021並の性能を有することが分か
る。一方、塗膜硬度を表す鉛筆硬度は、ややメチル化メ
ラミンに近い性能を有する。すなわち、イソプロポキシ
エーテル化アミノ樹脂組成物は、加工性と耐水性に関し
ては置換アルキル基がブチル基に相当する性質を示し、
塗膜硬度の性能に関しては置換アルキル基の性能がメチ
ル基相当する性質を示している。
【0052】これは主剤側の水酸基と反応する際、原料
のIPAが低沸化合物かつ2級アルコールであるため、
水酸基と反応する場合とアルキルエーテルに戻る反応が
平衡反応であるため、アルキルエーテルに戻りにくいこ
とが塗膜の架橋密度の向上に有利に働き、かつ残ったア
ルキル基はメチル基よりも疎水性であることから耐水性
の向上に寄与しているためであると考えられる。この特
有の架橋形態がイソプロポキシエーテル化アミノ樹脂組
成物の特徴である。このことは本発明組成物の特徴であ
る卓越した耐汚染性にも寄与しているものと考えられ
る。
【0053】(2) 塗料調製例(塗料調製2)に観る水性
樹脂の硬化剤用途では、アミノ樹脂の原料として用いた
尿素樹脂である実施例8を除いては耐水性に問題がある
水性樹脂の欠点を補完している。
【0054】
【発明の効果】本発明のイソプロポキシエーテル化アミ
ノ樹脂組成物は、熱硬化型樹脂の硬化剤として用いると
き、性能バランスが容易に得られ、また水性用樹脂の硬
化剤としても簡単に用いることができる。さらに、この
水性用樹脂は塗料、インキ、接着剤などの用途に利用し
得るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 101/00 C08L 101/00 C09D 161/32 C09D 161/32

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソプロピル基でアルキルエーテル化さ
    れたアルキルエーテル化アミノ樹脂
  2. 【請求項2】 アミノ化合物がメラミン、ベンゾグアナ
    ミンおよび/または尿素からなることを特徴とする請求
    項1記載のアルキルエーテル化アミノ樹脂。
  3. 【請求項3】 メラミン、尿素およびベンゾグアナミン
    を合計1モル、ホルムアルデヒドを1〜10モルならび
    にイソプロピルアルコール0.05〜30モルを原料と
    して合成されたものであることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のアルキルエーテル化アミノ樹脂。
  4. 【請求項4】 熱硬化型樹脂または水溶性樹脂の硬化剤
    として使用することができることを特徴とする請求項1
    〜3いずれかに記載のアルキルエーテル化アミノ樹脂。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のアルキ
    ルエーテル化アミノ樹脂と水酸基を有するアクリル樹
    脂、ポリエステル樹脂および/またはエポキシ樹脂とか
    らなる樹脂組成物。
JP15675497A 1997-06-13 1997-06-13 イソプロピル基でアルキルエーテル化されたアミノ樹脂 Pending JPH111535A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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