JPH11153029A - 自動二輪車用エンジン - Google Patents

自動二輪車用エンジン

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JPH11153029A
JPH11153029A JP32143697A JP32143697A JPH11153029A JP H11153029 A JPH11153029 A JP H11153029A JP 32143697 A JP32143697 A JP 32143697A JP 32143697 A JP32143697 A JP 32143697A JP H11153029 A JPH11153029 A JP H11153029A
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JP
Japan
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exhaust port
reed valve
secondary air
valve
cylinder head
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JP32143697A
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Yoshio Watanabe
芳男 渡辺
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気ポート内への二次空気の導入効率を高め
るとともにリードバルブの過熱を防止することが可能な
自動二輪車用エンジンを提供する。 【解決手段】 シリンダヘッド12の前方に排気ポート
17を設けるとともに、排気ポート17への二次空気導
入通路30に設けるリードバルブ33をシリンダヘッド
12の前方壁面上に取り付けた。また、リードバルブ3
3を覆うカバー32の外側表面にはフィン32aを形成
した。なお、「前方」とは、自動二輪車の進行方向にお
ける前方を意味する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項に係る発明は、排気ポ
ートに対して二次空気の導入通路(リードバルブを含
む)を接続している自動二輪車用エンジンに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車用のエンジンでは、排気を浄
化する目的で排気ポート内に空気(二次空気)を導入す
る方式がよく採用される。一酸化炭素(CO)や炭化水
素(HC)など、排気中に含まれる未燃焼成分を、その
二次空気により酸化(二次燃焼)させて浄化をはかるの
である。
【0003】図5は、そのような二次空気の導入通路3
0’を備えたエンジンについてシリンダヘッド12’の
付近を示す断面図であり、実公昭55−53693号公
報に記載されたものである。シリンダヘッド12’のう
ちに排気ポート17’が形成されており、同ポート1
7’は、カム25’で往復動作させられる排気弁22’
によって開閉される。その排気ポート17’に対し、二
次空気の導入通路30’が図のように接続されている。
導入通路30’は、シリンダヘッド12’およびシリン
ダヘッドカバー13’に一連に形成された通孔35’A
・35’Bや、リードバルブ33’(およびその取り付
け室34’・カバー32’)、ならびに管31’から構
成され、その管31’の先がエアクリーナ(図示せず)
の下流側(クリーンサイド)に接続されている。排気弁
22’の開閉(すなわち排気の通過・停止)にともなっ
て排気ポート17’内の圧力は正・負に脈動するが、そ
の脈動圧の作用と、排気ポート17’に向かう一方向に
のみ気体を通すリードバルブ33’の作用とにより、通
孔35’B・35’Aなどを経て二次空気が排気ポート
17’内に導入される。
【0004】図5のエンジンにおいてリードバルブ3
3’は、シリンダヘッド12’にかぶせられたシリンダ
ヘッドカバー13’のうちに取り付けられている。そし
てそれゆえに、二次空気導入通路30’のうちリードバ
ルブ33’と排気ポート17’との間は、通孔35’A
と通孔35’Bとを一連につなぐことによって形成され
ている。なお、二次空気による排気の酸化ができるだけ
活発に行われるよう、当該導入通路30’の一端は排気
ポート17’の最も上流の部分(つまり排ガス温度の高
い部分)に開口されるのが一般である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図5のエンジンを含め
て従来のエンジンには、排気ポートへの二次空気導入の
ための手段に関連してつぎのような不都合が存在する。
【0006】イ) 二次空気導入通路のうちリードバルブ
から排気ポートまでの部分(つまり開口断面が狭い部
分)がかなり長い。図5の例ではリードバルブ33’を
シリンダヘッドカバー13’のうちに配置しているた
め、当該部分は通孔35’Aと35’Bとからなり、と
くに長い。開口断面の狭い部分が長いと、その部分を空
気が通りにくいため、排気ポート内への二次空気の導入
効率を高めがたい。したがって、その部分の断面積を相
当に大きく(太く)しない限り、排気の浄化効率を十分
に高めることができなくなる。しかも、シリンダヘッド
内などには冷却空気通路や冷却水の通路が形成されるほ
か動弁機構等が密に配置されることから、二次空気の導
入通路を太くすることは一般には容易でない。
【0007】ロ) 図5の例のようにリードバルブ33’
をシリンダヘッド12’の上方に配置したエンジンが自
動二輪車に搭載された場合、リードバルブ33’の温度
が上がりやすいという不都合もある。リードバルブから
排気ポートまでの部分をその長さを考慮して太くするこ
とにより二次空気の導入効率を高めるなら、その部分に
は高温度の排気が排気ポートの側から流入しやすいから
である。しかも、図5のようにエンジン(シリンダヘッ
ド)の上方に突出した部分に配置されたリードバルブ3
3’は燃料タンク(図示せず)の下部にかくれてしまう
のが一般であるため、走行風による冷却を期待できな
い、という不利もある。そうしてリードバルブが熱され
ると、シール部材として同バルブ中に使用されているゴ
ムパッキン等が変質する可能性がある。
【0008】本発明の目的は、排気ポート内への二次空
気の導入効率を高めるとともにリードバルブの冷却を促
進することが可能な自動二輪車用エンジンを提供するこ
とである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の自動二
輪車用エンジンは、シリンダヘッドの前方に排気ポート
を配置するとともに、排気ポートへの二次空気導入通路
に設けるリードバルブをシリンダヘッドの前方壁面上に
取り付けたことを特徴とする。なお、この明細書にいう
「前方」とは、自動二輪車の進行方向における前方(真
正面の向きに限るものではない)を意味する。
【0010】請求項1に記載した自動二輪車用エンジン
では、二次空気導入通路のうちリードバルブから排気ポ
ートまでの部分をかなり短くすることができる。排気ポ
ートとリードバルブとがともにシリンダヘッドの前方に
あるため、短い通路によって両者をつなぐことが可能だ
からである。二次空気の導入通路のうちリードバルブか
ら排気ポートまでの部分は、冷却空気通路や動弁機構な
どの間を通して配置する必要があって他の部分よりも細
くせざるを得ないが、その部分をこのように短くできる
ために、このエンジンでは、排気ポート内への二次空気
の導入効率を高め、ひいては排気の浄化効率を改善する
ことができる。
【0011】このエンジンではさらに、自動二輪車の走
行にともなってリードバルブを効果的に冷却することが
できる。リードバルブをシリンダヘッドの前方壁面上に
取り付けるため、そのリードバルブが燃料タンクの下部
にはかくれず、シリンダヘッドの前方壁面において外側
の部材(たとえば請求項2におけるカバー)に強く走行
風を受けるからである。リードバルブがこうして冷却さ
れると、同バルブ中に含まれる各種の部品、とくにシー
ル等のために使用されるゴム部材等について熱的負荷が
軽減し、特殊な材料のものを使用しなくても十分な耐用
寿命を確保できることになる。
【0012】請求項2に記載の自動二輪車用エンジン
は、請求項1のエンジンにおいて、リードバルブを覆う
カバーの外側表面にフィンを形成したことを特徴とす
る。
【0013】エアクリーナを経た空気を排気ポートにま
で導入するためにはその間の通路を外部と隔てる必要が
あり、したがってリードバルブにも当然ながら何らかの
カバーを取り付ける。請求項2のエンジンは、そのよう
なカバーの外側表面にフィンを形成したのである。この
ようにフィンを形成すると外側の表面積が増すため、走
行風を受けてそのカバーはとくに冷却されやすくなる。
カバーが十分に冷却されると、その内側にあるリードバ
ルブも(ゴム部材を含めて)よく冷却され、請求項1の
エンジンについて記載した熱的な条件が一層有利にな
る。
【0014】請求項3の自動二輪車用エンジンは、請求
項1または2のエンジンにおいて、排気ポートに接続す
る排気管を下向きに延ばすとともにリードバルブを排気
ポートよりも高い位置に取り付け、同バルブより排気ポ
ートへ至る二次空気導入通路を、同バルブの内側から排
気ポートの側方位置にまで真っすぐ延伸した第一通孔
と、その第一通孔の延伸端付近に通じていて排気ポート
の側部に開口する第二通孔とによって形成したことを特
徴とする。
【0015】このエンジンでは、シリンダヘッドの前方
にある排気ポートから排気管が下向きに延びているのに
対し、リードバルブは、やはりシリンダヘッドの前方壁
面上にあり、しかも排気ポートより高い位置に取り付け
られる。したがって、走行風は、排気管の付近を経由す
ることなくリードバルブに向かい、排気管にて風速が弱
められることも温度上昇させられることもなくリードバ
ルブの外側部材に当たる。そのため、リードバルブは効
果的に冷却され、同バルブ中のゴム部材等の熱的負荷が
一層軽減することになる。
【0016】またこのエンジンにおいては、リードバル
ブから排気ポートまでの二次空気導入通路を、好ましい
位置に容易に形成することができる。二次空気導入通路
は、排気ポートのうち前述のように上流の部分につなぐ
のが一般に好ましいが、上流部分のうちでもとくに排気
ポートの側方(前方にある排気ポートに対して自動二輪
車の進行方向における左方または右方)の内壁面に開口
させるのが最もよい。排気ポートはシリンダヘッド内
で、燃焼室に面する開口から一旦上方へ通じたうえ緩や
かにカーブして横向きに(前方へ)延びるのが一般であ
るため、その上方の内壁面は当該カーブの膨らみ側に相
当し、遠心力を受ける排気がその面には強く接触する。
したがって、たとえば図5の例のように二次空気導入通
路の開口を排気ポートの上方内壁面に形成すると、その
開口により流れが乱されて排気がスムーズでなくなる可
能性がある。また、排気ポートの上方内壁面にはすでに
排気弁が配置されているので、二次空気の導入通路をそ
の付近に設けるのは容易でないことが多い。そのような
事情により、導入通路は排気ポートの側方内壁面に開口
させるのが好ましいのである。その点、この請求項3の
エンジンでは、第一通孔と第二通孔とを含む二次空気導
入通路の開口を上記のとおり排気ポートの側方内壁面に
開口させているため、排気がスムーズで、しかも二次空
気導入通路を形成しやすいという利点がある。
【0017】さらにこのエンジンでは、リードバルブか
らその開口までの二次空気導入通路を第一通孔と第二通
孔との二つの通孔によって形成している点にも特徴があ
る。排気ポートよりも高い位置に取り付けるリードバル
ブから導入通路を下方へ延伸して排気ポートの内壁面に
開口させる場合、普通なら、その開口を排気ポートの上
方内壁面に設けるのに比べて側方内壁面に設けることは
容易でない。しかしこの請求項3のエンジンでは、リー
ドバルブから当該開口までの導入通路を第一通孔と第二
通孔という、延伸方向の異なる二つの通孔によって形成
するため、その開口を排気ポートの側方内壁面に設ける
のに特別な困難がない。リードバルブの内側から排気ポ
ートの側方位置までという比較的長い区間をつなぐ第一
通孔は真っすぐなものとするので、とくにその形成は容
易である。それを含めた二つの通孔を組み合わせるので
あるから、密に配置された冷却空気通路や動弁機構等を
避けて導入通路を通すことも難しくない。
【0018】
【発明の実施の形態】図1〜図4に、発明の実施につい
て一形態を示す。図1は、自動二輪車1(図4)に搭載
したエンジン10についてのシリンダヘッド12付近の
縦断面図である。図2は、図1におけるII−II矢視図、
また図3は、図1におけるIII−III線断面図である。そ
して図4は、図1等に示すエンジン10を搭載した自動
二輪車1についての側面図である。
【0019】図4に示すように、自動二輪車1は、燃料
タンク3やエンジン10などを一般的なレイアウトにし
たがって配置したものである。すなわち、車体の前方に
おいてフレーム2上にエンジン10を立てて(つまりシ
リンダの軸線を上下に向けて)配置し、その上方位置
に、やはりフレーム2に支持させることにより燃料タン
ク3を配置している。
【0020】エンジン10は2気筒の4サイクルエンジ
ンである。自動二輪車1には、当該2気筒を走行方向に
おける左右(つまり図4の紙面と直角な方向)に並べ、
排気ポート17の側が前方になるようにそのエンジン1
0を搭載している。各気筒の排気ポート17には排気管
18をそれぞれ接続し、その排気管は図4のように下向
きにカーブさせながら後方へ延ばしたうえ、後端付近に
マフラ18aを接続している。図1〜図3は、そのよう
なエンジン10のうち1気筒相当分の要部を図示したも
のである。
【0021】図1に示すように、このエンジン10は4
バルブ形式のSOHC(シングルオーバーヘッドカムシ
ャフト)エンジンであり、1気筒あたりに吸気弁21と
排気弁22とが二つずつある形式のものである。このエ
ンジン10のシリンダヘッド12には、まず燃焼室16
を形成し、その内部に先端部を突出させるよう点火プラ
グ26を取り付けているほか、その燃焼室16に通じる
ように吸気ポート15と排気ポート17とを形成し、そ
れら各ポート15・17に吸気弁21と排気弁22とを
それぞれ配置している。4バルブ形式を採用したことか
ら、排気ポート17のうち上流端付近(燃焼室16の付
近)は図3のようにポート部分17a・17bの二つに
分け、燃焼室16から数十mm下流の箇所ではじめて一
つの排気ポート17に合流させている。図1のようにシ
リンダヘッド12の内部には冷却空気(風)の通路19
も随所に形成した。そして前述のように排気ポート17
の外側に排気管18を接続し、その一方で吸気ポート1
5の外側には、気化器(図示せず)につながる吸気管1
4を接続している。
【0022】シリンダヘッド12の上部にはシリンダヘ
ッドカバー13を接合しており、その内側には、吸気弁
21と排気弁22とをそれぞれ駆動するためのロッカー
アーム23・24を配置している。ロッカーアーム23
・24の各一端を、シリンダヘッド12と同カバー13
との間に支持させたカム25に接触させ、そのカム25
の変位を吸気弁21・排気弁22に伝えるのである。一
方、シリンダヘッド12の下部にはシリンダ11を一体
化し、ピストン28は、そのシリンダ11の内部で上下
に摺動するように配置している。
【0023】以上のようなエンジン10において、排気
浄化のための二次空気の導入通路30をつぎのとおり設
けている。すなわち、 a) 二次空気導入通路30は、エアクリーナ(図示せ
ず)の下流側(クリーンサイド)の部分から、図1に示
すように管31やリードバルブ33、第1通孔35・第
2通孔36を経て排気ポート17(部分17a・17
b)内の開口に至るまでの通路により構成する。このう
ちリードバルブ33は、図3のように構成している。す
なわち、ステンレスの薄板からなる弁本体(リード)3
3cと、そのストッパプレート33d、さらには弁本体
33cに密着し得る弁座板33aを、止めネジ33bに
よって結合している。かかるリードバルブ33を、図の
ようにシリンダヘッド12における凹部34内に装着
し、その上にカバー32をかぶせたうえ、図2に示す二
箇所のボルト32bにより固定する。ボルト32bは先
端のネジ部をシリンダヘッド12に挿入し結合するもの
で、カバー32を取り付けるとともに、そのカバー32
とシリンッダヘッド12との間で図3のように弁座板3
3aを締め付ける。弁座板33aはアルミ製であるが、
内・外周(図3における黒塗りの部分)にゴム部材を一
体化しているため、上記のように締め付けられることに
よりシール性を発揮する。なお、管31は、図2のよう
に水平に延ばし、図示した側の気筒に取り付けたカバー
32と他方の気筒に取り付けたカバー(図示せず)とに
連通させるとともに、上記のようにエアクリーナの下流
側につながるようにしている。
【0024】b) リードバルブ33、およびそれを設け
るための凹部34やカバー32の位置は、図4のように
エンジン10の前方とする。詳しくは図1のように、エ
ンジン10の前方に向けて形成した排気ポート17の上
方においてシリンダヘッド12内に凹部34を形成し、
その中にリードバルブ33を取り付けたうえ、カバー3
2によってそれを覆うこととしている。排気ポート17
とリードバルブ33とを、エンジン10における同じ前
方の位置に配置することになるため、両者間の二次空気
導入通路30(通孔35・36)を短くし、もって二次
空気の導入効率を向上させることができる。また、図4
のようにエンジン10の前向きの面にカバー32やリー
ドバルブ33が位置し、しかも、その下にある排気ポー
ト17に接続された排気管18は下方へカーブしてリー
ドバルブ33等から離れているため、自動二輪車1の走
行時には走行風がカバー32に直接当たり、高い冷却効
果を及ぼす。図2・図3のようにカバー32の外側表面
には複数条のフィン32aを形成しているため、その冷
却効果は一層に高い。こうしてカバー32が冷却される
と、リードバルブ33のうちゴム部材を含む弁座板33
a(図3)等の熱的負荷が軽減される。
【0025】c) リードバルブ33を取り付けた凹部3
4は、図1のとおりシリンダヘッド12内に直接形成し
ている。そのような凹部を有する別の部品をシリンダヘ
ッド12の付近に接合してその部品にリードバルブ33
を取り付けたのではない。そのため、二次空気導入通路
30として必要な部品の数が少なくて組立・分解が容易
であるほか、リードバルブ33から排気ポート17まで
の距離が一層短く、排気ポート17内への二次空気の導
入効率がさらに高まることになる。
【0026】d) 凹部34から排気ポート17までは第
1および第2の二つの通孔35・36によってつなぎ、
その通孔36の端部は排気ポート17のうち上流端に近
い側方の内壁面に開口させている。排気ポート17の側
方の内壁面は、燃焼室16から一旦上方へ向かったうえ
緩やかに横向きに曲がるその排気ポート17においてカ
ーブの膨らみ側の面ではなく、流れ方向には真っすぐな
面である。また、そのような側方の位置は排気弁22や
その取付け穴とも離れている。そのため、通孔36の開
口をここに設けることは、排気の流れを妨げることがな
く、また穴を形成しやすいというメリットをもたらす。
排気ポート17の側方の内壁面とそれよりも高い位置に
ある凹部34との間を結んで通路を形成することは通常
なら容易でないが、上記のように、延伸方向の異なる二
つの通孔35・36をつなぎ合わせることによりそれを
簡単化している。通孔35・36の具体的な経路は図3
のとおりである。つまり通孔36は、排気ポート17の
うち合流する前のポート部分17a・17bに両端を開
口させるよう左右方向に延伸させ、通孔35は、通孔3
6の方向とは直角に、凹部34内から通孔36の中程の
部分につながるよう延伸させている。通孔36について
はシリンダヘッド12の鋳造成形時に中子を用いて成形
する(凹部34等も同時に成形する)こととし、通孔3
5は、その後に凹部34の側からドリルにて機械加工を
行うことにより形成している。
【0027】二次空気導入通路30を上記a)〜d)のよう
に構成したことにより、図1等に示したエンジン10で
は、排気ポート17内への二次空気の導入効率が高いう
えにリードバルブ33の温度上昇が抑制され、さらには
エンジン10の加工・組立が容易になって排気の流れも
スムーズである−といった多くの利点を得ることがで
きた。
【0028】
【発明の効果】請求項1に記載した自動二輪車用エンジ
ンにはつぎの効果がある。すなわち、 1) 二次空気導入通路のうちリードバルブから排気ポー
トまでの部分をかなり短くすることができるため、排気
ポート内への二次空気の導入効率を高め、ひいては排気
の浄化効率を改善することができる。
【0029】2) 走行風によってリードバルブを効果的
に冷却することができるため、同バルブ中に含まれる各
種の部品、とくにシール等のために使用されるゴム部材
等について熱的負荷が軽減し、特殊な材料のものを使用
しなくても十分な耐用寿命を確保できる。
【0030】請求項2に記載の自動二輪車用エンジンで
は、さらに、 3) リードバルブを覆うカバーが外側表面のフィンの作
用でとくに冷却されやすいため、ゴム部材を含むリード
バルブの熱的負荷が一層軽減される。
【0031】請求項3の自動二輪車用エンジンは、以上
のほか、 4) 走行風が、排気管の付近を経由することなくリード
バルブの外側部材に当たるため、リードバルブが一層効
果的に冷却されてその熱的負荷がさらに軽減する。
【0032】5) リードバルブから排気ポートまでの二
次空気導入通路を二つの通孔の組み合わせによって容易
に形成できるうえ、当該通路の開口を、排気ポート内に
おいて排気の流れを乱さない好ましい位置に設けること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施について一形態を示す図であり、自
動二輪車用エンジン10のうちシリンダヘッド12付近
の縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II矢視図であって、リードバ
ルブ33を覆うカバー32等の正面図である。
【図3】図1におけるIII−III線断面図であって、二次
空気導入通路30の要部についての縦断面図である。
【図4】図1〜図3に示すエンジン10を搭載した自動
二輪車1を示す側面図である。
【図5】従来のエンジンにおける二次空気導入通路3
0’等を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 自動二輪車 10 エンジン 12 シリンダヘッド 17 排気ポート 18 排気管 30 二次空気導入通路 32 カバー 32a フィン 33 リードバルブ 34 凹部 35 第1通孔 36 第2通孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドの前方に排気ポートを配
    置するとともに、排気ポートへの二次空気導入通路に設
    けるリードバルブをシリンダヘッドの前方壁面上に取り
    付けたことを特徴とする自動二輪車用エンジン。
  2. 【請求項2】 リードバルブを覆うカバーの外側表面に
    フィンを形成したことを特徴とする請求項1に記載の自
    動二輪車用エンジン。
  3. 【請求項3】 排気ポートに接続する排気管を下向きに
    延ばすとともにリードバルブを排気ポートよりも高い位
    置に取り付け、同バルブより排気ポートへ至る二次空気
    導入通路を、同バルブの内側から排気ポートの側方位置
    にまで真っすぐ延伸した第一通孔と、その第一通孔の延
    伸端付近に通じていて排気ポートの側部に開口する第二
    通孔とによって形成したことを特徴とする請求項1また
    は2に記載の自動二輪車用エンジン。
JP32143697A 1997-11-21 1997-11-21 自動二輪車用エンジン Pending JPH11153029A (ja)

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