JPH11148447A - エアコントロールバルブとその弁部ユニット組立体及び弁特性調節方法 - Google Patents

エアコントロールバルブとその弁部ユニット組立体及び弁特性調節方法

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JPH11148447A
JPH11148447A JP9315360A JP31536097A JPH11148447A JP H11148447 A JPH11148447 A JP H11148447A JP 9315360 A JP9315360 A JP 9315360A JP 31536097 A JP31536097 A JP 31536097A JP H11148447 A JPH11148447 A JP H11148447A
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車のパワーステアリングの供給油圧に応
じアイドリング時の吸気系の吸気量をコントロールして
アイドルアップさせるエアコントロールバルブにおい
て、弁筐体の超音波振動・圧入による溶着工法を不要に
して、大幅なコスト低減・量産性向上が図れるととも
に、弁特性の調節狂いを無くして、弁特性を安定させ、
また、圧入による調節構造を無くして、「ばね力」のバ
ラツキや設定不能の問題も解消する。 【解決手段】 液圧により摺動可能な感圧部としてのプ
ランジャー17と弁部11bとの間に介設される弁軸1
1、弁孔9aを有する弁座体9、これと弁軸11との間
に介設され、弁孔9aを閉止する方向に弁部11bを付
勢する弁閉止用コイル状ばね10、をユニット化して弁
筐体1と分離形態の弁部ユニット組立体8とする。そし
て、弁閉止用コイル状ばね10のばね力調節による弁特
性設定済みの弁部ユニット組立体8を、弁筐体1の弁部
ユニット収納穴7に組み込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のパワース
テアリングに供給する油圧に応じて、アイドリング時の
吸気系の吸気量をコントロールしてアイドルアップさせ
るエアコントロールバルブとその弁部ユニット組立体及
び弁特性調節方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車において、パワーステアリングに
供給する油圧に応じて、アイドリング時の吸気系の吸気
量をコントロールしてアイドルアップさせるエアコント
ロールバルブが備えられている。このようなエアコント
ロールバルブに要求される、パワーステアリングの供給
油圧値に対する吸気量の一般的な関係としての弁特性線
図は図12に示した通りである。この弁特性線図は、圧
力に応じて弁の開弁量を正確に制御し、この開弁量に比
例して吸気系に吸気を行っている状態を示したものであ
る。ここで、注目すべき点は、開弁開始位置でもある吸
気立ち上がり位置Aと、吸気量維持状態の開始位置Bの
正確な制御である。
【0003】図12の弁特性線図中、吸気立ち上がり位
置Aまでの油圧値の変動は、通常走行域に対応するとこ
ろであり、この域では、操舵抵抗が小さく、油圧の上昇
も比較的少ないものとなっている。また、この域では、
エアコントロールバルブは動作をしてはならないところ
でもある。続いて、吸気立ち上がり位置A以降は、アイ
ドリング状態において、操舵を行った場合に対応すると
ころであり、この域では、車両が停止しているために操
舵抵抗が大きく、その操舵抵抗に対応して油圧の上昇も
大きくなっている。従って、この域では、エアコントロ
ールバルブが開弁をして、確実にアイドルアップさせた
いところである。
【0004】しかしながら、パワーステアリングの供給
油圧の上昇に比例して、際限なく吸気量を増加させるこ
とは、燃料消費の増大に繋がることから、エンジンが停
止しない程度の有効な吸気量に留めるべきである。この
ような観点で吸気量の維持状態開始位置Bが決められて
おり、即ち、この吸気量維持状態開始位置Bからは、油
圧の上昇があっても吸気量が増加しないものとなってい
る。以上において、吸気立ち上がり位置Aの制御は、閉
弁用コイル状ばねの「ばね力」調節精度で対応し、ま
た、吸気立ち上がり位置Aから吸気量維持状態開始位置
Bまでの制御は、弁部開口面積(後述する[発明の実施
の形態]で説明する図10のa×b相当)精度によって
決められ、さらに、吸気量維持状態開始位置Bからの制
御は、弁部流路断面積(後述する[発明の実施の形態]
で説明する図10のa×c相当)精度を制限することで
進められている。
【0005】これらのうち、弁部開口面積精度は、開弁
量、即ち、前記閉弁用コイル状ばねのばね定数の特性に
依存することから、そのばね定数を管理することで比較
的容易に成し得る。また、流路断面積の精度について
も、加工寸法精度に依存するところが大であり、その加
工寸法精度を管理することで比較的容易にできるもので
ある。しかし、吸気立ち上がり位置Aの制御に対応した
「ばね力」の調節精度は、調節機構並びに調節構造の選
択によって大きく左右されるものである。このような吸
気立ち上がり位置Aの調節機構並びに調節構造、そし
て、調節方法が開示される従来文献として、実開昭57
−47479号公報、特開平4−244684号公報が
挙げられる。
【0006】ここで、以降の説明において、「ばね力」
との表現は、吸気立ち上がり位置Aにおける「油圧によ
る発生力」に対応したばね力として取り扱うものとす
る。なお、従来文献の中には、吸気立ち上がり位置Aが
必ずしも明確に示されていないものもあるが、そのよう
な場合は、調節の基点としての「ばね力」としてご理解
頂きたい。因みに、「ばね力」に対するバランス式は、 油圧力×受圧面積=ばね定数×ばね変位量 油圧による発生力=変位による「ばね力」 である。
【0007】前述した従来文献に開示される技術につい
て簡単に説明する。先ず、前記実開昭57−47479
号公報には、その図面中の符号も併記すれば、「ばね
力」の調節がエア側弁本体5のねじ14に組み付けられ
たプラグ13によって対処した構造を有する構成が開示
されている。即ち、プラグ13を回転移動して、ばね
(スプリング15)の「ばね力」を調節するものであ
る。
【0008】また、前記特開平4−244684号公報
には、その図面中の符号も併記すれば、「ばね力」の調
節が前記実開昭57−47479号公報開示のものと反
対側の弁部材であるフランジ23を調節できる構造にし
て対処した構成のものが開示されている。即ち、ケーシ
ング2の第2部材6に第1部材5をカシメによる一体化
する前に、第2部材6の内部に圧縮コイルバネ26を挿
入し、続いて、プランジャー4の支軸27を挿入し、こ
のプランジャー4の弁座に当たる仕切部材20を挿入す
る。その後、仕切部材20を第2部材6に対し軸方向か
ら圧入する。その圧入に際し、押付力を測定しつつ進め
ることによって「ばね力」を設定しようとしたものであ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記実開昭5
7−47479号公報開示の技術では、「ばね力」を調
節後において、プラグ13軸上にめくら板21を被せ
て、超音波振動にて圧入による溶着工法がとられること
から、弁筐体そのものが歪み、「ばね力」の調節が狂っ
てしまい、弁特性が大きくバラツクことが考えられる。
また、溶着箇所がめくら板21の箇所とエア側弁本体5
と液圧側弁本体1とを一体結合するための止めリング7
の箇所との2箇所があり、コスト高となるばかりでな
く、量産性に欠けるという問題がある。
【0010】そして、前記特開平4−244684号公
報開示の技術では、押付力による圧入に際し、コイル状
ばねの作用力の他に、圧入時の抵抗による反力も同時に
受けるものであり、その圧入時の抵抗による反力は、締
め代の度合い、寸法バラツキ、表面粗さの度合い、材料
高度のバラツキ等の要因によって弁特性が大きくバラツ
クことが考えられ、結果的に、「ばね力」の設定ができ
ないという問題がある。
【0011】さらに、何れの従来技術によっても、弁特
性の大きなバラツキが、設定値に対しプラス側である時
は、所要油圧に達しても、アイドルアップができない場
合が考えられ、また、設定値に対してマイナス側である
時は、通常走行時にアイドルアップになってしまったり
して、アクセル感覚を狂わせてしまう場合が考えられ
る。
【0012】そこで、本発明の目的は、弁筐体の超音波
振動・圧入による溶着工法を不要にして、大幅なコスト
低減・量産性向上が図れるとともに、弁特性の調節狂い
を無くして、弁特性を安定させ、また、圧入による調節
構造を無くして、「ばね力」のバラツキや設定不能の問
題も解消したエアコントロールバルブを提供することに
ある。そして、本発明は、このようなエアコントロール
バルブを得るための弁部ユニット組立体を提供すること
も目的としている。さらに、本発明は、以上のようなエ
アコントロールバルブにおいて、その具体的な弁特性調
節方法を提供することも目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
請求項1記載の発明は、エア導入ポート及びエア送出ポ
ートを有する弁筐体に、液圧により摺動可能な感圧部と
してのプランジャーと、このプランジャーの摺動で開閉
される弁部と、この弁部によって仕切られ、前記エア導
入ポートに連通する一次側室と、前記弁部によって仕切
られ、前記エア送出ポートに連通する二次側室と、を備
えるエアコントロールバルブにおいて、前記プランジャ
ーと前記弁部との間に介設される弁軸と、前記弁部によ
り開閉される弁孔を有する弁座体と、この弁座体と前記
弁軸との間に介設され、前記弁孔を閉止する方向に前記
弁部を付勢する弁閉止用コイル状ばねと、をユニット化
して前記弁筐体と分離形態の弁部ユニット組立体を形成
し、前記弁閉止用コイル状ばねのばね力調節による弁特
性設定済みの前記弁部ユニット組立体を、前記弁筐体の
弁部ユニット収納穴に組み込むことにより、前記弁筐体
内に前記一次側室と前記二次側室を形成した構成、を特
徴としている。
【0014】ここで、液圧としては、油圧が代表的であ
る。弁部としては、弁軸の頭部が挙げられる。弁座体
は、有底筒状のものである。弁筐体は、エア側筐体と液
圧(油圧)側筐体からなる。
【0015】以上のように、請求項1記載の発明によれ
ば、感圧部であるプランジャーと弁部との間の弁軸と、
弁孔を有する弁座体と、弁閉止用コイル状ばねと、をユ
ニット化して、エア導入ポート及びエア送出ポートを有
する弁筐体と分離形態で、弁閉止用コイル状ばねのばね
力調節による弁特性設定済みの弁部ユニット組立体を、
弁筐体の弁部ユニット収納穴に組み込んで、弁筐体内に
エア導入ポートに連通する一次側室とエア送出ポートに
連通する二次側室を形成したエアコントロールバルブな
ので、主機能部品である弁座体、弁軸及び弁閉止用コイ
ル状ばねによる弁部ユニット組立体として、弁閉止用コ
イル状ばねのばね力を調節して弁特性を適切に設定して
から、その弁部ユニット組立体を弁筐体に組み込んでエ
アコントロールバルブ完成品が得られる。即ち、従来の
ような弁筐体の超音波振動・圧入による溶着工法が不要
となり、大幅なコスト低減・量産性向上に寄与でき、し
かも、従来のような圧入による調節構造が無く、「ばね
力」のバラツキや設定不能の問題も解消できる。従っ
て、従来のような弁特性の調節狂いが無く、安定した弁
特性が得られる。
【0016】そして、請求項2記載の発明は、エアコン
トロールバルブの弁部ユニット組立体であって、有底筒
状をなし、底部中央に弁孔及び環状弁座を有して、筒状
部に内外を貫通する導通孔を有する弁座体と、前記環状
弁座上に着座する弁体をなす頭部に治工具掛け部を有
し、前記弁孔に挿入される軸部に直径方向に貫通する流
通路と調節用ねじ部を有する弁軸と、前記調節用ねじ部
に対応するねじ穴を中央に有し、鍔部及び治工具掛け部
を有するばね力調節用金具と、このばね力調節用金具の
前記鍔部と前記弁座体の前記底部との間に介設される弁
閉止用コイル状ばねと、を備えてなり、前記弁座体の前
記弁孔に対し前記環状弁座側から前記弁軸の前記軸部を
挿入した状態において、前記弁座体の前記底部と前記ば
ね力調節用金具の前記鍔部との間に前記弁閉止用コイル
状ばねを介設するとともに、前記弁軸の前記調節用ねじ
部に前記ばね力調節用金具を前記ねじ穴で締め上げてユ
ニット化して組み立てた構成、を特徴としている。
【0017】このように、請求項2記載の発明によれ
ば、底部中央に弁孔及び環状弁座を有して、筒状部に内
外を貫通する導通孔を有する弁座体の弁孔に対し、環状
弁座側から、その環状弁座上に着座する弁体をなす頭部
に治工具掛け部を有する弁軸の直径方向に貫通する流通
路と調節用ねじ部を有する軸部を挿入した状態におい
て、調節用ねじ部に対応するねじ穴を中央に有し、鍔部
及び治工具掛け部を有するばね力調節用金具の鍔部と、
弁座体底部との間に弁閉止用コイル状ばねを介設すると
ともに、弁軸の調節用ねじ部にばね力調節用金具をねじ
穴で締め上げてユニット化して組み立てた、エアコント
ロールバルブの弁部ユニット組立体なので、エアコント
ロールバルブの組立前に、弁筐体から主機能部品である
弁座体、弁軸及び弁閉止用コイル状ばねを分離してユニ
ット化した状態において、弁閉止用コイル状ばねのばね
力を調節して弁特性を適切に設定した後、弁筐体に組み
込んでエアコントロールバルブ完成品が得られるように
なる。
【0018】また、請求項3記載の発明は、エアコント
ロールバルブの弁特性調節方法であって、請求項2記載
の前記弁部ユニット組立体の組立状態において、前記弁
軸に対する前記ばね力調節用金具の締め上げトルクを設
定値に調節してから、前記弁座体に対する前記弁軸の押
し込み動作時の負荷に基づいて前記弁閉止用コイル状ば
ねのばね力を測定した後、その測定されたばね力が設定
値と判定された場合に、前記ばね力調節用金具を前記弁
軸に固定すること、を特徴としている。
【0019】このように、請求項3記載の発明によれ
ば、請求項2記載のエアコントロールバルブの弁部ユニ
ット組立体の組立状態において、弁軸に対するばね力調
節用金具の締め上げトルクを設定値に調節してから、弁
座体に対する弁軸の押し込み動作時の負荷に基づいて弁
閉止用コイル状ばねのばね力を測定した後、その測定さ
れたばね力が設定値と判定された場合に、ばね力調節用
金具を弁軸に固定する弁特性調節方法なので、エアコン
トロールバルブの組立前に、弁筐体から主機能部品であ
る弁座体、弁軸及び弁閉止用コイル状ばねを分離してユ
ニット化した状態において、弁閉止用コイル状ばねのば
ね力を調節して弁特性を適切に設定した後、弁筐体に組
み込んでエアコントロールバルブ完成品が得られる。従
って、従来のような弁特性の調節狂いが無く、安定した
弁特性が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るエアコント
ロールバルブとその弁部ユニット組立体及び弁特性調節
方法の実施の形態例を図1から図11に基づいて説明す
る。先ず、図1は本発明を適用した一例としてのエアコ
ントロールバルブの構成を示した中央縦断面図で、弁筐
体内部の可動部材が、中心線を境界にして、左側が感圧
部に油圧が作用した動作状態を、右側が停止状態をそれ
ぞれ示したものであり、図9の矢印A−A線に沿った断
面図でもある。図2は図1に示した弁部ユニット組立体
が筐体内に組み立てられる前の形態を示した外観斜視図
で、その内部構成を明確にするために部分的に破断して
して示したものである。図3は図1に示した弁軸とばね
調節用金具の外観を示したもので、(a)は弁軸の斜視
図、(b)はばね調節用金具の斜視図である。なお、図
5は図1のエアコントロールバルブを正面から見た場合
として、右側から見た場合を示した側面図で、弁筐体の
係合一体部を部分的に破断して示したものである。ま
た、図9は図1のエアコントロールバルブを正面から見
た場合として、上方から見た場合を示した平面図であ
る。
【0021】これらの図1から図3、図5、図9におい
て、1は弁筐体、2は油圧側弁筐体、3はエア側弁筐
体、4はエア送出ポート、5はエア導入ポート、6は底
部、7は弁部ユニット収納穴、8は弁部ユニット組立
体、9は弁座体、10は弁閉止用コイル状ばね、11は
弁軸、12はばね力調節用金具、13,14はOリン
グ、15は一次側室、16は二次側室、17はプランジ
ャー、18はOリング、19はストッパーリング、20
は配管壁、21はOリングである。図1に示したよう
に、弁筐体1は、図示しない油圧パワーステアリング装
置の配管壁20に気密的に取り付けられ、その中心部に
感圧部でもあるプランジャー17が設けられる油圧側弁
筐体2と、概略有底筒状をなし、その底部6側にエア送
出ポート4とエア導入ポート5が設けられたエア側弁筐
体3とにより構成されている。弁筐体1の配管壁20へ
の取り付けに当たっては、油圧側弁筐体2のねじ部2n
を配管壁20のねじ穴20nにねじ込んで、Oリング2
1により気密性を維持する。
【0022】これら油圧側弁筐体2及びエア側弁筐体3
は、その内部の弁部ユニット収納穴7へ、後で詳述する
弁部ユニット組立体8を収納した後において、互いに結
合して係合一体となるものである。その係合一体は、図
1及び図5に示したように、油圧側弁筐体2の開放側周
縁端末部2aが内側に向かってエア側弁筐体3の外周に
巻き付くようにカシメ加工されたものである。即ち、こ
のカシメ加工は、油圧側弁筐体2の開放側周縁端末部2
aにおいて、複数箇所に分けてカシメを行わない分断箇
所である段部2bを設け、このカシメを行わない分断箇
所の段部2bに、エア側弁筐体3に設けられた突起部3
aを合致させることによって、その他のカシメ加工部と
の関係で両弁筐体2,3のトルク強度を向上している。
このように、両弁筐体2,3の結合は、カシメ加工によ
るものとしたが、ねじによる結合であっても良い。
【0023】また、以上の両弁筐体2,3の係合一体に
よる気密は、外気との関係においては、結合部間に介設
されたOリング13によって確保され、また、内部につ
いては、弁部ユニット収納穴7の底部に設けたOリング
14によって確保されたものとなっている。特に、弁部
ユニット収納穴7底部のOリング14は、エア導入ポー
ト5からエア送出ポート4に通じる流路を気密的に完全
遮断する役目も有している。そして、弁部ユニット組立
体8は、図2に示すように、有底筒状の弁座体9と、弁
閉止用コイル状ばね10と、弁軸11と、ばね力調節用
金具12とにより構成されている。
【0024】弁部ユニット組立体8を構成する弁座体9
は、その底部の略中央部に弁孔9aと環状弁座9bを形
成して、筒状部の底部側に前記エア送出ポートに導通す
る導通孔9cを形成する一方、筒状部の開放側外周に環
状フランジ9dを形成してなる。この環状フランジ9d
は、油圧側弁筐体2の結合穴2c底面とエア側弁筐体3
の開放側周縁部3bとの間に挟持されるもので、これに
より弁筐体1に対し弁部ユニット組立体8が支持され
る。なお、弁座体9の筒状部の環状フランジ9dからの
首下長さは、エア側弁筐体3の弁部ユニット収納穴7の
深さに対し若干短くして、収納状態での逃げ量が設けら
れており、即ち、これにより、環状フランジ9dの挟持
力の度合いによって、弁部ユニット収納穴7の底部を突
き上げてしまったり、また、弁座体9そのものを歪めて
しまって、設定済み弁特性が変化しないように工夫され
たものとなっている。
【0025】弁部ユニット組立体8を構成する弁軸11
は、図3(a)に示すように、後述する治工具掛け用の
ドライバー差し入れ溝11aが形成された頭部11b
と、この頭部11bに続く軸部11cに長孔形状であっ
て横から風穴状に貫通して形成された流通路11dと、
軸部11cの先端部に形成された調節用ねじ部11eと
を有している。軸部11cの径は、弁座体9の弁孔9a
に対しスムーズに摺動・回動自在な状態にあり、また、
頭部11bの軸側面は、バルブ面として仕上げられてい
て、弁座体9の環状弁座9bと対向するものとなってい
る。
【0026】弁部ユニット組立体8を構成するばね力調
節用金具12は、図3(b)に示すように、その中心に
形成され、弁軸11の調節用ねじ部11eと組み合うね
じ穴12aと、ばね座となる鍔部12bを境にして、ば
ね組付案内のための案内用ボス部12cと、調節位置固
定化のための固定用ボス部12dとを有している。固定
用ボス部12dの外形は、調節位置固定化のカシメ力を
できるだけ小さいものとしたいために、ボス部12cよ
りは小径なものとなっている。また、鍔部12bの外形
は、治工具掛け部のために六角形状となっている。
【0027】ところで、弁軸11とばね調節用金具12
としては、図3(a)及び(b)の他、図4(a)に示
すように、頭部11bの外周に、治工具掛け部として直
径方向に対向する二面の面取り部11f,11fを形成
した弁軸11として、図4(b)に示すように、鍔部1
2bの外周にも、治工具掛け部として直径方向に対向す
る二面の面取り部12e,12eを形成したばね力調節
用金具12としても良い。このように、治工具掛け部と
しては、治工具を掛けられる要素を持つものであれば、
これらの形状に限定されるものではなく、例えば、突起
形状のもの等でも良い。
【0028】以上の弁座体9、弁軸11、ばね力調節用
金具12及び弁閉止用コイル状ばね10から弁部ユニッ
ト組立体8が構成されるのであり、組立に際しては、弁
軸11を有底筒状の弁座体9の底部側から弁孔9aへ挿
入し、弁座体9に開放側から弁閉止用コイル状ばね10
を組み込み、続いて、弁軸11の調節用ねじ部11eに
ばね調節用金具12のねじ穴12aをねじ込む。これに
よって、図2に示したように、弁特性調節前の仮組立の
状態となる。
【0029】次に、弁特性調節作業の流れを示した図6
に従って、弁部ユニット組立体8の仮組立から弁特性調
節完了までの作業工程について説明する。先ず、仮組立
工程(ステップS1)に続いて、トルク調節工程(ステ
ップS2)がある。即ち、前工程の仮組付での締め付け
の状態は、ばね力調節用金具12を脱落しない程度にね
じ込んだものであり、非常にバラツキが大きなものとな
っている。このため、トルク調節工程において、前述し
た吸気立ち上がり位置Aに代わる「ばね力」に近づけ、
そして、一様な値に絞り込むためにトルク締め付けを行
う。
【0030】図7はトルク調節用の治工具30と弁部ユ
ニット組立体8との関係を示したものである。トルク調
節用の治工具30は、図示のように、弁部ユニット組立
体8を受け止める下方の受け治具30aと、弁部ユニッ
ト組立体8に対し上方の押え治具30bとから構成さ
れ、これら上下の受け治具30a及び押え治具30b
は、各々の中心線が同軸線上に配置される。下方の受け
治具30aは、ばね調節用金具12の六角形鍔部12b
と緩く係合する六角形穴30cを中心部に形成した上部
を有するもので、この上部が下方のトルクリミッター3
0dを介して、例えば、可逆回転制御が可能な図示しな
いモータ等のアクチュエーターに接続されている。トル
クリミッター30dは、トルク設定が可能なもので、そ
の設定値のトルクに達すると、トルクを伝達しない空転
機能を具備している。
【0031】また、上方の押え治具30bは、弁軸11
の頭部11bのドライバー差し入れ溝11aと緩く係合
するマイナスドライバー形状をした突起部30eを先端
に形成した下部を有するもので、軸線方向である上下方
向に動作可能な図示しないシリンダ、ソレノイド、リニ
アモータ等のアクチュエーターに接続されている。な
お、前記トルクリミッター30dの設置位置について
は、上方の押え治具30b側であっても良い。また、上
下関係を逆にして、受け治具30aを上方に配置して、
押え治具30bを下方に配置したものであっても良い。
【0032】以上の受け治具30a及び押え治具30b
からなるトルク調節用の治工具30を用い、モータ等の
アクチュエーターにより適切な回転速度をもってねじの
締め付け方向に回転する受け治具30a上において、そ
の六角形穴30cにばね調節用金具12の六角形鍔部1
2bを係合して、前述した仮組立状態の弁部ユニット組
立体8を載置する。これにより、上方の押え治具30b
の真下に、弁軸11の頭部11bが位置するようにな
る。この状態でシリンダ、ソレノイド、リニアモータ等
のアクチュエーターを動作させると、押え治具30bが
適切な速度で下降を開始し、その下部先端のマイナスド
ライバー形状の突起部30eが、受け軸20a上で回転
状態の弁軸11の頭部11bのドライバー差し入れ溝1
1aに係合する。
【0033】従って、押え治具30bにより固定状態と
なる弁軸11の調節用ねじ部11eに対し、受け治具3
0aにより回転状態のばね力調節用金具12がねじ穴1
2aでねじ込まれていって、内部に組み込まれた弁閉止
用コイル状ばね10を締め上げる。この締め上げ量が増
えるに従ってトルクが増加し、設定トルク値に達する
と、トルクリミッター30dが働いて空転し、トルクの
伝達が断たれる。そして、押え治具30bの上昇後にお
いて、受け治具30a上から弁部ユニット組立体8を取
り外して、図6に示すように、次の「ばね力」測定工程
(ステップS3)に弁部ユニット組立体8が移される。
【0034】この「ばね力」測定工程(ステップS3)
では、設定値にトルク調節された弁部ユニット組立体8
を、図8に示すように、ばね力測定用の治工具40にセ
ットして、ロードセル(荷重計)により直接的に「ばね
力」の正確な測定を行う。
【0035】図7はばね力測定用の治工具40と弁部ユ
ニット組立体8との関係を示したものである。ばね力測
定用の治工具40は、図示のように、弁部ユニット組立
体8を受け止める下方の受け治具40aと、弁部ユニッ
ト組立体8に対し上方の測定治具40bとから構成さ
れ、これら上下の受け治具40a及び測定治具40b
は、各々の中心線が同軸線上に配置される。下方の受け
治具40aは、弁軸11の頭部11bに対する退避穴4
0cと、この退避穴40cの開放端に形成した環状段部
40dとを中心部に形成した上部を有するものである。
環状段部40dの内径部40eには、弁座体9の筒状部
が緩く係合して容易に出し入れ可能となっている。ま
た、環状段部40dの平面部40fは、真空、圧搾空
気、ブラシ等を利用した図示しない装置によって常に清
掃され、ゴミ等の付着が全くない状態に管理される。
【0036】また、上方の測定治具40bは、ロードセ
ル40hを下部に設けたものであり、このロードセル4
0hは、下面の中心部に下方へ突出する測定子40gを
有している。このようにロードセル40hを備えた測定
治具40bは、その上面側において、軸線方向である上
下方向に動作可能な図示しないシリンダ、ソレノイド、
リニアモータ等のアクチュエーターに接続されている。
そして、ロードセル40hは、その測定子40gの軸方
向動作量並びに測定荷重が、電気的に刻々読み取られる
とともに記憶されるようになっており、その測定荷重
は、同時に、図示しない表示器に表示される。なお、ロ
ードセル40hの配置関係については、下方の受け治具
40aと上方の測定治具40bとを上下逆の関係に配置
しても良い。
【0037】以上の受け治具40a及び測定治具40b
からなるばね力測定用の治工具40を用い、受け治具4
0a上において、その環状段部40dに弁座体9の筒状
部を係合して、前述した仮組立状態の弁部ユニット組立
体8を載置する。これにより、上方の測定治具40bの
真下に、弁軸11のばね力調節用金具12側の先端面が
位置するようになる。この状態でシリンダ、ソレノイ
ド、リニアモータ等のアクチュエーターを動作させる
と、測定治具40bが適切な速度で下降を開始し、その
下部のロードセル40hの測定子40gの先端部が弁軸
11の先端面に当接し、ばね力調節用金具12を介して
弁閉止用コイル状ばね10を押し込むことになる。この
結果、ロードセル40hの測定子40gは、弁閉止用コ
イル状ばね10の「ばね力」を負荷として受け続ける。
【0038】そして、そのロードセル40hによる測定
荷重と軸方向動作量は、前述したように、電気的に刻々
読み取られるとともに記憶されると同時に、図示しない
表示器に克明に二次元で表示されるため、その変化を判
定することにより、図12の弁特性線図に示される吸気
立ち上がり位置Aを代替する前述の「ばね力」を読み取
ることができる。この測定荷重の読み取り値によって、
図6に示すように、合否の判定(ステップS4)が行わ
れる。即ち、この合否の判定に基づいて、合格品(ステ
ップS5)とされた弁部ユニット組立体8は、次の調節
位置固定工程(ステップS6)に送られ、ばね調節用金
具12の固定用ボス部12dが、図示しない治工具によ
りカシメ加工されて、弁軸11にばね調節用金具12が
固定一体化される。こうして、図2に示したように、弁
部ユニット組立体8として完成(ステップS7)に至
る。
【0039】また、図6に示すように、合否の判定(ス
テップS4)により不具合品(ステップS8)とされた
弁部ユニット組立体8は、再調節(ステップS9)の指
示を受けて、再びトルク調節工程(ステップS2)に戻
されて、再度トルク調節され、以降は、「ばね力」測定
工程(ステップS3)を経て再び合否の判定(ステップ
S4)を受ける。
【0040】以上によって完成品となった弁部ユニット
組立体8は、前述したように、エア側弁筐体3内部の弁
部ユニット収納穴7に収納して、その環状フランジ9d
を挟んで油圧側弁筐体2をエア側弁筐体3に被せる。そ
して、油圧側弁筐体2の開放側周縁端末部2aにおい
て、エア側弁筐体3の突起部3aに油圧側弁筐体2の段
部2bを合致させた状態で、その部分を除いて開放側周
縁端末部2aを内側に向かってエア側弁筐体3の外周に
巻き付くようにカシメ加工することにより係合一体結合
して、弁筐体1を組み立てる(図1及び図5参照)。
【0041】以上により組立を完了したエアコントロー
ルバルブにおいて、エア導入ポート5からエア送出ポー
ト4に通じる流路は、内部に収納した弁部ユニット組立
体8によって遮断状態となっている。そして、図1の中
心線から右側の状態に示されるように、弁部ユニット組
立体8によるエア導入ポート5とエア送出ポート4間の
流路遮断によって、エア導入ポート5に通じる一次側室
15と、エア送出ポート4に弁座体9の導入孔9cを介
して通じる二次側室16とが区画して形成される。これ
により、一次側室15には、弁部ユニット組立体8から
突出した弁軸頭部11bが配置され、また、二次側室1
6には、弁閉止用コイル状ばね10と、弁軸11にカシ
メ加工により一体となったばね調節用金具12とが配置
される。
【0042】なお、油圧側弁筐体2の中心穴2dにあっ
て、弁軸11の軸線上に、油圧を受けるための感圧部で
あるプランジャー17が摺動自在に組み込まれている。
このプランジャー17の外周二箇所に、中心穴2dとの
気密用のOリング並びにバックアップリング18,18
が設けられており、これにより、二次側室16から外部
への作動油の浸透はない。また、プランジャー17の突
出側(パワーステアリング供給油圧側)端末部には、異
常油圧発生時のストッパーリング19が設けられてい
る。以上のような構成のエアコントロールバルブは、図
示しない油圧パワーステアリング装置の配管壁20と油
圧側弁筐体2との間にOリング21を介装して、配管壁
20のねじ穴20nに油圧側弁筐体2のねじ部2nをね
じ込んで固定する。そして、エア導入ポート5及びエア
送出ポートを自動車のエンジン吸気系に介設する。
【0043】次に、以上のエアコントロールバルブによ
る作用効果について説明する。先ず、エンジンのアイド
リング状態において、繰舵開始によりパワーステアリン
グ装置が作動すると、プランジャー17は、アイドリン
グ状態から多少高くなった油圧を受け、弁閉止用コイル
状ばね10に抗して弁軸11を押し上げようとする。し
かし、弁閉止用コイル状ばね10の「ばね力」は、図1
2に示したように、弁開開始位置でもある吸気立ち上が
り位置Aに調節されたものであることから、弁軸11が
開弁側に移動することはない。
【0044】続いて、繰舵量が徐々に増加し、これにつ
れて操舵抵抗が増加すると、油圧が上昇し、その油圧に
よる発生力が、「ばね力」とバランスし、さらに、「ば
ね力」を越えることで、弁軸11が開弁側に移動を開始
する。これにより、弁座体9の環状弁座9bから弁軸頭
部11bのバルブ面が離れて、弁開が開始され、エア導
入ポート5から一次側室15の吸気が二次側室16へと
供給される。なお、吸気立ち上がり位置Aは、エア導入
ポート5から一次側室15において、弁軸11の長孔形
状の流通路11d、二次側室16、弁座体9の導通孔9
cを通ってエア送出ポート4側で観測された吸気の立ち
上がり状況である。
【0045】ここで、図10は弁部の開口状態を拡大し
たもので、図11はその矢印B−B線に沿った断面を示
したものである。これらの図において、「a」は流通路
11dの横幅、「b」は環状弁座9b上からの弁軸頭部
11b(流通路11d)の弁開量、「c」は流通路11
dの奥行きである。即ち、エアコントロールバルブは、
パワーステアリング装置の供給油圧の上昇に比例するよ
うに、弁開量「b」が進み、その弁部開口面積「a×
b」が増加すると、これにつれて吸気量が増加し、やが
て、図12に示したように、吸気量維持状態の開始位置
Bに達する。さらに進んだ弁開量「b」で、吸気量は開
始位置Bを上回ることになるが、実際上は、図11で示
されるように、弁部流路断面積「a×c」によって制限
されるため、吸気量は増加しない。従って、吸気量は、
開始位置Bで確保された維持状態となり、図12に示さ
れる弁特性を満足したものとなる。
【0046】以上のように、弁筐体1から弁部を切り離
して、弁部ユニット組立体8として取り扱うようにした
ため、前述した従来品の問題点を解決することに加え
て、次のような効果が得られる。即ち、図12に示され
る弁特性の吸気立ち上がり位置Aの確実な確保が容易と
なることに加えて、吸気維持状態の開始位置Bの制御も
容易となり、このように、吸気立ち上がり位置A並びに
吸気維持状態開始位置Bを確実に容易に制御できるた
め、車両のエンジンに対する適切で安定したアイドルア
ップが行える。従って、エンストのない、快適なドライ
ブを提供できる。また、弁部ユニット組立体8として弁
特性の維持管理ができるようにしたため、品質が向上
し、組立時の歩留まりが大幅に向上し、その結果とし
て、コストを大幅に低減できる。さらに、弁部を弁部ユ
ニット組立体8として取り扱うようにしたため、主組立
ラインから外して生産管理ができるようになった。従っ
て、コストの安い地域で生産をして供給できるという大
きなメリットが生じる。
【0047】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明に係
るエアコントロールバルブによれば、主機能部品である
弁座体、弁軸及び弁閉止用コイル状ばねを弁部ユニット
組立体として、弁閉止用コイル状ばねのばね力を調節し
て弁特性を適切に設定してから、その弁部ユニット組立
体を弁筐体に組み込んで完成品を得るため、従来のよう
な弁筐体の超音波振動・圧入による溶着工法が不要とな
って、大幅なコスト低減・量産性向上に寄与することが
でき、しかも、従来のような圧入による調節構造が無
く、「ばね力」のバラツキや設定不能の問題も解消する
ことができる。従って、従来のような弁特性の調節狂い
が無く、安定した弁特性を具備したエアコントロールバ
ルブを得ることができる。
【0048】また、請求項2記載の発明に係るエアコン
トロールバルブの弁部ユニット組立体によれば、完成品
としての組立前に、弁筐体から主機能部品である弁座
体、弁軸及び弁閉止用コイル状ばねを分離してユニット
化した状態において、弁閉止用コイル状ばねのばね力を
調節して弁特性を適切に設定した後、弁筐体に組み込む
ことによって、完成品が得られるようになる。これによ
り、従来のような弁筐体の超音波振動・圧入による溶着
工法が不要となり、大幅なコスト低減・量産性向上に寄
与でき、しかも、従来のような圧入による調節構造が無
く、「ばね力」のバラツキや設定不能の問題も解消でき
るものとなる。従って、従来のような弁特性の調節狂い
が無く、安定した弁特性を具備したエアコントロールバ
ルブが得られるものとなる。
【0049】そして、請求項3記載の発明に係るエアコ
ントロールバルブの弁特性調節方法によれば、完成品と
しての組立前に、弁筐体から主機能部品である弁座体、
弁軸及び弁閉止用コイル状ばねを分離してユニット化し
た状態において、弁閉止用コイル状ばねのばね力を調節
して弁特性を適切に設定した後、弁筐体に組み込むこと
によって、完成品を得ることができる。従って、従来の
ような弁特性の調節狂いが無く、安定した弁特性を具備
したエアコントロールバルブを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例としてのエアコントロー
ルバルブの構成を示した中央縦断面図で、その弁筐体内
部の可動部材が、中心線を境界にして、左側が感圧部に
油圧が作用した動作状態を、右側が停止状態をそれぞれ
示したものである。
【図2】図1に示した弁部ユニット組立体が筐体内に組
み立てられる前の形態を示した外観斜視図で、その内部
構成を明確にするために部分的に破断して示したもので
ある。
【図3】図1に示した弁軸とばね調節用金具の外観を示
したもので、(a)は弁軸の斜視図、(b)はばね調節
用金具の斜視図である。
【図4】図3とは別の形態をした弁軸とばね調節用金具
の外観を示したもので、(a)は弁軸の斜視図、(b)
はばね調節用金具の斜視図である。
【図5】図1のエアコントロールバルブを正面から見た
場合として、右側から見た場合を示した側面図で、弁筐
体の係合一体部を部分的に破断して示したものである。
【図6】図2に示した弁部ユニット組立体の仮組立から
弁特性調節完了までの作業工程を示したフローチャート
である。
【図7】図2に示した弁部ユニット組立体とそのトルク
調節のための治工具との関係を示した概略側面図で、一
部を破断して示したものである。
【図8】図2に示した弁部ユニット組立体とその「ばね
力」設定のための治工具との関係を示した概略側面図
で、一部を破断して示したものである。
【図9】図1のエアコントロールバルブを正面から見た
場合として、上方から見た場合を示した平面図である。
【図10】図1に示した弁部の開口状態を表した拡大図
である。
【図11】図10の矢印B−B線に沿った断面図であ
る。
【図12】エアコントロールバルブに要求される、パワ
ーステアリングの供給油圧値に対する吸気量の一般的な
関係を示した弁特性線図である。
【符号の説明】
1 弁筐体 2 油圧側弁筐体 2a 開放側周縁端末部 2b 段部 2c 組込穴 2d 中心穴 2n ねじ部 3 エア側弁筐体 3a 突起部 3b 開放側周縁部 4 エア送出ポート 5 エア導入ポート 6 底部 7 弁部ユニット収納穴 8 弁部ユニット組立体 9 弁座体 9a 弁孔 9b 環状弁座 9c 導通孔 10 弁閉止用コイル状ばね 11 弁軸 11a,11f 治工具掛け部 11b 弁部(頭部) 11c 軸部 11d 流通路 11e 調節用ねじ部 12 ばね力調節用金具 12a ねじ穴 12b 鍔(治工具掛け部) 12c ばね組付案内用ボス部 12d 固定用ボス部 12e 治工具掛け部 13,14 Oリング 15 一次側室 16 二次側室 17 プランジャー 18 Oリング並びにバックアップリング 19 ストッパーリング 20 配管壁 20n ねじ穴 21 Oリング 30 トルク調節用の治工具 40 ばね力測定用の治工具

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エア導入ポート及びエア送出ポートを有す
    る弁筐体に、 液圧により摺動可能な感圧部としてのプランジャーと、 このプランジャーの摺動で開閉される弁部と、 この弁部によって仕切られ、前記エア導入ポートに連通
    する一次側室と、 前記弁部によって仕切られ、前記エア送出ポートに連通
    する二次側室と、を備えるエアコントロールバルブにお
    いて、 前記プランジャーと前記弁部との間に介設される弁軸
    と、 前記弁部により開閉される弁孔を有する弁座体と、 この弁座体と前記弁軸との間に介設され、前記弁孔を閉
    止する方向に前記弁部を付勢する弁閉止用コイル状ばね
    と、をユニット化して前記弁筐体と分離形態の弁部ユニ
    ット組立体を形成し、 前記弁閉止用コイル状ばねのばね力調節による弁特性設
    定済みの前記弁部ユニット組立体を、前記弁筐体の弁部
    ユニット収納穴に組み込むことにより、前記弁筐体内に
    前記一次側室と前記二次側室を形成したこと、を特徴と
    するエアコントロールバルブ。
  2. 【請求項2】有底筒状をなし、底部中央に弁孔及び環状
    弁座を有して、筒状部に内外を貫通する導通孔を有する
    弁座体と、 前記環状弁座上に着座する弁体をなす頭部に治工具掛け
    部を有し、前記弁孔に挿入される軸部に直径方向に貫通
    する流通路と調節用ねじ部を有する弁軸と、 前記調節用ねじ部に対応するねじ穴を中央に有し、鍔部
    及び治工具掛け部を有するばね力調節用金具と、 このばね力調節用金具の前記鍔部と前記弁座体の前記底
    部との間に介設される弁閉止用コイル状ばねと、を備え
    てなり、 前記弁座体の前記弁孔に対し前記環状弁座側から前記弁
    軸の前記軸部を挿入した状態において、前記弁座体の前
    記底部と前記ばね力調節用金具の前記鍔部との間に前記
    弁閉止用コイル状ばねを介設するとともに、前記弁軸の
    前記調節用ねじ部に前記ばね力調節用金具を前記ねじ穴
    で締め上げてユニット化して組み立てたこと、を特徴と
    するエアコントロールバルブの弁部ユニット組立体。
  3. 【請求項3】請求項2記載の前記弁部ユニット組立体の
    組立状態において、 前記弁軸に対する前記ばね力調節用金具の締め上げトル
    クを設定値に調節してから、 前記弁座体に対する前記弁軸の押し込み動作時の負荷に
    基づいて前記弁閉止用コイル状ばねのばね力を測定した
    後、 その測定されたばね力が設定値と判定された場合に、前
    記ばね力調節用金具を前記弁軸に固定すること、を特徴
    とするエアコントロールバルブの弁特性調節方法。
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