JPH11139454A

JPH11139454A - ブリスターパック

Info

Publication number: JPH11139454A
Application number: JP9305087A
Authority: JP
Inventors: Yasutaka Furuya; 寧隆古谷; Masashi Arimoto; 正志有本
Original assignee: Takeda Chemical Industries Ltd
Current assignee: Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Priority date: 1997-11-07
Filing date: 1997-11-07
Publication date: 1999-05-25

Abstract

(57)【要約】【課題】ブリスターパックの特徴を生かしながらも、
誤飲事故を防止でき、しかも取り扱いの容易な形状で所
定単位ごとに切離しできるようにする。【解決手段】成型シート(３)に多数の凹部(２)を複数
行複数列に並べて形成し、この各凹部(２)に被包装物
(４)を収容し、各凹部(２)の開口(５)を封止する状態に
成型シート(３)へ貼り合わせる。この凹部(２)間で成型
シート(３)の互いに対向する一対の端縁(８・８)間に切
取線(９)を形成し、この切取線(９)の切断により所定数
量を単位とした複数行複数列からなる凹部(２)を切り離
し可能に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、医薬品や食品等の被包
装物を一定単位ごとにコンパクトに収容するブリスター
パックに関し、さらに詳しくは、誤飲事故を防止でき、
しかも取り扱いの容易な形状で所定単位ごとに切離しで
きるブリスターパックに関する。

【０００２】

【発明の背景】ブリスターパックは、合成樹脂製の成型
シートに形成した多数の凹部に被包装物を一定単位ずつ
収容したのち、この成型シートにアルミ箔などのシール
シートを貼り合わせて各凹部の開口を封止してあり、被
包装物を個別に包装してあるうえ、コンパクトで携帯性
に優れ、見栄えもよく使用時にも取り出しやすい利点が
あることから、医薬品や食品、雑貨などの包装に広く使
用されている。

【０００３】

【従来技術】上記ブリスターパックは一般に各凹部間に
切取線を形成して１凹部ごとに切離し可能に形成してあ
ったが、錠剤やカプセルなど小形の被包装物の場合、１
凹部ごとに切り離すと被包装物をブリスターパックから
取り出すことなく、切り離されたブリスターパックごと
誤って飲み下してしまうことがあり、この場合に外科的
な処置が必要となる事例も報告されている。そこでこの
誤飲事故を防止するため、従来、図１０に示すように、
複数の凹部間で形成すべき切取線の一部を省略したもの
がある。即ち、図１０に示すものは、凹部(51)を２列７
行に配置したブリスターパック(50)において横方向の切
取線(52)のみ形成し縦方向の切取線を省略したものであ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では２凹
部単位に切り離したブリスターパック(50)の切離片(53)
が１凹部単位の場合に比べて大形に形成されるため、錠
剤(54)を取り出さずにブリスターパックごと誤飲される
虞れはない。しかしながら、一般に病院などで投与され
る医療用医薬品は、１週間を単位として患者に支給され
ることが多く、上記従来技術のものでは、投薬時に７個
を単位として分離しようとすると１個の端数を生じる場
合があり、この端数について誤飲される虞れが生じる。
また、この端数になった１凹部の切離片は、小形である
ため他物に紛れ易く、取り扱いが容易でない問題もあ
る。

【０００５】一方、投薬単位数量が５個や７個など多く
なった場合に、これを一列に配置して１列ごとに切離し
可能に構成すると、切取線が長くなって切離し時に切取
線以外の部位から破断する虞れがあり、また、切離片が
長くなって折れ曲がる虞れがあるなど、携帯性に問題が
ある。本発明は、上記問題点を解消し、ブリスターパッ
クの特徴を生かしながらも、誤飲事故を防止でき、しか
も取り扱いの容易な形状で所定単位ごとに切離しできる
ブリスターパックを提供することを技術的課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、例えば、本発明の実施の形態を示す図１か
ら図９に基づいて説明すると、ブリスターパックを次の
ように構成したものである。即ち、本発明は、多数の凹
部(２)を複数行複数列に並べて形成した成型シート(３)
と、この各凹部(２)に被包装物(４)を収容したのち各凹
部(２)の開口(５)を封止する状態に成型シート(３)へ貼
り合わせるシールシート(６)とからなり、上記凹部(２)
間で成型シート(３)の互いに対向する一対の端縁(８・
８)間に切取線(９)を形成して、この切取線(９)の切断
により所定数量を単位とした複数行複数列からなる凹部
(２)を切り離し可能に構成したことを特徴とする。

【０００７】

【作用】病院等で支給される際に、切取線の切断により
所定数量を単位として切り離されるので、投薬時に端数
の切離片が生じない。また、切取線の切断により切り離
された切離片は、凹部を複数行複数列に形成してあるの
で、細長くなることがない。

【０００８】上記切離片に形成される凹部は、例えば投
薬数量が６個の場合に２行３列に配置するなど、隙間な
く整列配置できる場合もあるが、例えば投薬数量が７個
の場合は複数行複数列に隙間なく整列して配置すること
はできない。この場合は、複数行複数列に配置される凹
部のうち、特定位置の凹部を省略することにより、上記
切離片に所定数量の凹部が形成される。

【０００９】一般に、医薬品はその成分により、例えば
１日１回１錠ずつ服用するなど、服用時期と服用個数が
決められている場合が多い。そこで、上記凹部の周囲に
服用時期を記載した場合には、投薬を受けた患者はこの
服用時期の記載に基づいて服用することで正しい時期に
正しい数量の医薬品を服用することができる。

【００１０】上記所定数量を７の整数倍に設定した場合
には、切取線の破断により１週間を単位として簡単に所
定することができる。

【００１１】

【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づ
き説明する。図１は本発明の第１実施形態を示す、１日
１錠服用する錠剤を包装したブリスターパックの一部破
断平面図である。

【００１２】図１に示すように、このブリスターパック
(１)は、１４個の凹部(２)を形成した矩形の成型シート
(３)と、この各凹部(２)に被包装物である錠剤(４)を収
容したのち各凹部(２)の開口(５)を封止する状態に成型
シート(３)へ貼り合わせるシールシート(６)とからな
る。上記成型シート(３)に形成された１４個の凹部(２)
は、２カ所の特定位置(７)での形成が省略されており、
２列８行に整列配置されている。なお一般に、上記成型
シート(３)としては、ＰＶＣ、ＰＰ、ＰＥ、ＰＥＴ、Ｐ
Ｓ等のプラスチックの単体材料や複合材料、或いはアル
ミ箔との複合材料が用いられ、シールシート(６)として
は、アルミ箔、紙、プラスチックフィルム等が用いられ
る。

【００１３】上記ブリスターパック(１)の凹部(２)間に
は、図１における上下方向の略中間部にのみ左右の端縁
(８・８)間にミシン目からなる切取線(９)を形成してあ
り、この切取線(９)の切断により、２列４行からなる７
個の凹部(２)を備えた切離片(10)に切り離せるようにし
てある。なお、上記ブリスターパック(１)や切離片(10)
の四隅は、滑らかな曲線に形成してあり、他物に引っ掛
かる虞れや、取り扱い者の皮膚等を傷つける虞れを少な
くしてある。

【００１４】病院などで上記ブリスターパック(１)に包
装された錠剤(４)を患者に支給する際、１週間分の場合
は上記切取線(９)で破断して一方の切離片(10)が支給さ
れ、２週間分の場合は上記切取線(９)で破断せずにブリ
スターパック(１)がそのまま支給され、３週間分の場合
は上記ブリスターパック(１)と１枚の上記切離片(10)と
が支給される。従って、患者にはブリスターパック(１)
全体や切離片(10)を単位として支給され、これらは細長
すぎたり小さすぎたりすることなく、適度の縦横寸法を
有するので取り扱いが容易であり、また誤飲の虞れがな
い。

【００１５】図２は本発明の第２実施形態を示し、３カ
所の特定位置(７)を除いて４列６行の凹部(２)を成型シ
ート(３)に形成し、２１個の錠剤(４)を収容してシール
シート(６)で密封したものである。そして、上記成型シ
ート(３)には２行ごとに切取線(９)を形成してあり、こ
れを破断することにより４列２行からなる７個の凹部
(２)を備えた切離片(10)が切り離される。

【００１６】図３は本発明の第３実施形態を示し、２カ
所の特定位置(７)を除き４列４行の凹部(２)を成型シー
ト(３)に形成し、１４個の錠剤(４)を収容した場合であ
る。この第３実施形態では、縦横両方向にそれぞれ切取
線(９・９)を形成してあり、いずれかの切取線(９)を破
断することにより４列２行からなる７個の凹部(２)を備
えた切離片(10)が切り離される。なお、両方の切取線
(９・９)を破断することにより、１日１錠服用する錠剤
(４)を３日分または４日分まとめて携帯することができ
る。

【００１７】図４は本発明の第４実施形態を示し、４カ
所の特定位置(７)を除き３列６行の凹部(２)を成型シー
ト(３)に形成し、１４個の錠剤(４)を収容した場合であ
る。この第４実施形態では、ブリスターパック(１)の中
央に形成した切取線(９)を破断することにより３列３行
からなる７個の凹部(２)を備えた切離片(10)が切り離さ
れるほか、さらに両端寄り部に形成した切取線(9a)を破
断することにより１日１錠服用する錠剤(４)を３日分ま
たは４日分まとめて携帯することができる。

【００１８】図５は本発明の第５実施形態を示し、６カ
所の特定位置(７)を除き３列９行の凹部(２)を成型シー
ト(３)に形成し、２１個の錠剤(４)を収容した場合であ
る。この第５実施形態では、ブリスターパック(１)の横
方向へ３行ごとに切取線(９)を形成してあり、この横方
向の切取線(９)を破断することにより３列３行からなる
７個の凹部(２)を備えた切離片(10)が切り離される。さ
らにこの第５実施形態では、縦方向にも各列間に切取線
(9b)が形成してあり、必要に応じてこの縦方向の切取線
(9b)を破断して１列７個に分離できるようにしてある。

【００１９】図６は本発明の第６実施形態を示し、１０
カ所の特定位置(７)を除いて４列６行の凹部(２)を成型
シート(３)に形成し、１４個の錠剤(４)を収容した場合
を示す。そしてブリスターパック(１)の上下方向中央に
横方向の切取線(９)が形成してあり、この切取線(９)を
破断することにより４列３行からなる７個の凹部(２)を
備えた切離片(10)が切り離される。

【００２０】さらにこの第６実施形態では、上記シール
シート(６)の接着面に服用時期(11)を記載してあり、こ
のシールシート(６)を成型シート(３)に貼り合わせると
上記凹部(２)の周囲に服用時期(11)を示す曜日が表示さ
れる。投薬を受けた患者はこの服用時期(11)の記載に基
づいて服用することで１日１錠を正確に服用することが
できる。

【００２１】図７は本発明の第７実施形態を示し、３列
９行に隙間なく配置した凹部(２)を成型シート(３)に形
成し、２７個の錠剤(４)を収容した場合である。そして
３行ごとに横方向の切取線(９)が形成してあり、この切
取線(９)を破断することにより３列３行からなる９個の
凹部(２)を備えた切離片(10)が切り離される。上記各切
離片(10)には、上端に朝、昼、夜の服用時期(11)が記載
してあり、投薬を受けた患者はこの服用時期(11)の記載
に基づいて服用することで毎日３回正確に服用すること
ができる。

【００２２】図８は本発明の第８実施形態を示し、３カ
所の特定位置(７)を除いて２列６行の凹部(２)を成型シ
ート(３)に形成し、各凹部(２)に２個ずつ合計１８個の
錠剤(４)を収容した場合である。そして２行ごとに形成
した切取線(９)を破断することにより、２列２行からな
る３個の凹部(２)を備えた切離片(10)が切り離される。
上記各凹部(２)の右上には、朝、昼、夜の服用時期(11)
が記載してあり、投薬を受けた患者はこの服用時期(11)
の記載に基づいて服用することで、毎日３回、毎回２錠
の錠剤(４)を正確に服用することができる。

【００２３】上記実施形態ではいずれも凹部を縦横方向
に直線上に配置した場合について説明したが、本発明の
凹部は、ジグザグ状に配置したものであってもよい。即
ち、図９は本発明の第９実施形態を示し、３列の凹部
(２)をジグザグ状に配置して成型シート(３)に１４個形
成し、切取線(９)の破断により３行ずつ７個の凹部(２)
を備えた切離片(10)を切り離せるように構成したもので
ある。このように縦横のいずれかの方向をジグザグ状に
形成することにより、よりコンパクトで収まりの良い状
態に凹部(２)を切離片(10)に形成することができる。

【００２４】なお、本発明のブリスターパックに配置す
る凹部の個数や配列形状は、上記実施形態のものに限定
されるものではない。また、上記実施形態では服用時期
をシールシートに記載した場合について説明したが、こ
の服用時期は成型シートに記載してもよく、その記載内
容や表示方法等も、上記した各実施形態のものはあくま
でも例示に過ぎず、本発明に用いる服用時期の記載はこ
れらの例示内容に限定されるものではない。さらに、上
記実施形態ではいずれも錠剤を包装する場合について説
明したが、本発明のブリスターパックは、カプセルなど
他の医薬品や、医薬品以外の被包装物を包装する場合に
も適用できることはいうまでもない。

【００２５】

【発明の効果】本発明は上記のように構成され作用する
ことから、次の効果を奏する。

【００２６】（イ）切取線の切断により所定数量を単位
として切り離されるので、例えば投薬時に端数の切離片
が生じることがなく、また切取線の切断により切り離さ
れる切離片には凹部を複数行複数列に形成してあるので
大形に形成されるので、誤飲事故を防止することができ
る。

【００２７】（ロ）また、端数の切離片を生じないた
め、切離片が他物に紛れる虞れがないうえ、各切離片に
複数行複数列の凹部を形成してあることから、切離片の
縦横の寸法比に大きな差のない、取り扱いの容易な形状
にすることができ、不用意に折れ曲がる虞れを無くして
携帯性を良好にすることができる。しかも、切離片に凹
部を１列に配置した場合に比べて切取線を短くしておく
ことができるので、この切取線を容易に破断することが
できる。

【００２８】（ハ）複数行複数列に配置される凹部のう
ち、特定位置の凹部を省略することにより、上記切離片
に所定数量の凹部を形成した場合には、例えば投薬数量
が７個であるような場合であっても、これを複数行複数
列に収まり良く配置することができ、取り扱いを容易に
することができる。

【００２９】（ニ）上記凹部の周囲に服用時期を記載し
た場合には、投薬を受けた患者はこの服用時期の記載に
基づいて服用することで、正しい時期に正しい数量の医
薬品を服用することができ、服用忘れや誤って二重に服
用したりすることを防止することができる。

【００３０】（ホ）上記所定数量を７の整数倍に設定し
た場合には、切取線の破断により１週間を単位として簡
単に投薬することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態を示す、ブリスターパッ
クの一部破断平面図である。

【図２】本発明の第２実施形態を示す、図１相当図であ
る。

【図３】本発明の第３実施形態を示す、図１相当図であ
る。

【図４】本発明の第４実施形態を示す、図１相当図であ
る。

【図５】本発明の第５実施形態を示す、図１相当図であ
る。

【図６】本発明の第６実施形態を示す、図１相当図であ
る。

【図７】本発明の第７実施形態を示す、図１相当図であ
る。

【図８】本発明の第８実施形態を示す、図１相当図であ
る。

【図９】本発明の第９実施形態を示す、図１相当図であ
る。

【図１０】従来技術を示す、図１相当図である。

【符号の説明】

１…ブリスターパック、２…凹部、３…成型シート、４…被包装物(錠剤)、５…開口、６…シールシート、７…特定位置、８…ブリスターパックの端縁、９…切取線、 10…切離片、 11…服用時期。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】多数の凹部(２)を複数行複数列に並べて
形成した成型シート(３)と、この各凹部(２)に被包装物
(４)を収容したのち各凹部(２)の開口(５)を封止する状
態に成型シート(３)へ貼り合わせるシールシート(６)と
からなり、上記凹部(２)間で成型シート(３)の互いに対向する一対
の端縁(８・８)間に切取線(９)を形成して、この切取線
(９)の切断により所定数量を単位とした複数行複数列か
らなる凹部(２)を切り離し可能に構成したことを特徴と
する、ブリスターパック。
【請求項２】複数行複数列に配置される凹部(２)のう
ち、特定位置(７)の凹部を省略することにより、上記切
取線(９)の切断で切り離される切離片(10)に上記所定数
量の凹部(２)を形成した、請求項１に記載のブリスター
パック。
【請求項３】上記凹部(２)の周囲に服用時期(11)を記
載した、請求項１または請求項２に記載のブリスターパ
ック。
【請求項４】上記所定数量が７の整数倍である、請求
項１から請求項３のいずれか１項に記載のブリスターパ
ック。