JPH1113869A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
自動変速機の変速制御装置Info
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Abstract
の変速ショックを緩和する。 【解決手段】 クラッチツウクラッチのダウンシフト指
令が出された後、まず高速段側クラッチ油圧を低下させ
て変速機入力回転速度を上昇させ、変速機入力回転速度
の上昇開始を検出したら、変速機入力回転速度の変化速
度が所定値となるように高速段側クラッチ油圧をフィー
ドバック制御し、変速機入力回転速度が低速段同期回転
速度になったことを検出したら、低速段側クラッチ油圧
を徐々に上昇させると共に、高速段側クラッチ油圧を変
速機入力回転速度に基づいてフィードバック制御する。
これにより、油圧の切換えをスムーズに行い、変速ショ
ックを緩和する。
Description
とき、高速段側クラッチの解放及び低速段側クラッチの
係合によるクラッチツウクラッチのダウンシフトを実行
する自動変速機の油圧制御装置に関する。
合、2つのクラッチ(広義のクラッチであって、通常の
クラッチとブレーキを含む)の係合と解放とを同時に行
わなければならないことがよくある(いわゆるクラッチ
ツウクラッチ変速)。この場合、各クラッチの係合と解
放の同期を適確にとらないと、出力軸トルクが落ち込ん
だり、エンジンが噴き上がったりする。
ン状態のときのクラッチツウクラッチのダウンシフトを
実行する場合の制御の例が示されている。この例では、
ダウンシフトの指令が発生した際、まず、高速段側クラ
ッチ油圧を低下させ、高速段側クラッチの伝達トルク容
量の低下によりタービン回転速度が上昇したら、高速段
側クラッチ油圧の低下を停止させ、タービン回転速度と
低速段同期回転速度の偏差が所定値以下となったら、高
速段側クラッチ油圧を上昇させてタービン回転速度を維
持し、その後、高速段側クラッチ油圧の低下と低速段側
クラッチ油圧の上昇を徐々に行って、クラッチの係合、
解放を切換えるようにしている。
御では、高速段側クラッチ油圧の低下と低速段側クラッ
チ油圧の上昇の過程において、クラッチの諸元のばらつ
きや経時変化等により油圧の切換えが設計予定値からず
れると、変速後半の変速ショックを招くおそれがあっ
た。
なされたものであって、パワーオン状態のときのクラッ
チツウクラッチのダウンシフトをより適確に制御し、変
速ショックを和らげてスムーズな変速を可能にする自動
変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。
にその要旨を示すように、パワーオン状態のときに、高
速段側クラッチの解放及び低速段側クラッチの係合によ
るクラッチツウクラッチのダウンシフトを実行する自動
変速機の変速制御装置において、ダウンシフトを実行す
べき判断があったことを検出する手段(ダウンシフト判
断手段)と、ダウンシフトを実行すべき判断があったと
きに、高速段側クラッチ油圧を低下させる第1の制御手
段と、該第1の制御手段の実行による変速機入力回転速
度(変速機入力回転速度検出手段により検出される)の
上昇の開始を検出する手段(上昇検出手段)と、該検出
手段による上昇開始検出後、変速機入力回転速度の上昇
速度が所定値となるように高速段側クラッチ油圧をフィ
ードバック制御する第2の制御手段と、該第2の制御手
段の実行により変速機入力回転速度が低速段同期回転速
度付近になったことを検出する手段(同期付近検出手
段)と、該検出手段による同期付近検出後、低速段側ク
ラッチ油圧を徐々に上昇させると共に、高速段側クラッ
チ油圧を変速機入力回転速度に基づいてフィードバック
制御する第3の制御手段とを備えたことにより、上記課
題を解決したものである。
態」とは、エンジン側から車輪側に動力が伝達されてい
る車両駆動状態を言うものとする。多くの場合、この車
両駆動状態はアクセルが踏み込まれている状態と一致す
る。
てダウンシフト判断があると、まず第1の制御手段が高
速段側クラッチの油圧を低下させる。伝達トルク容量の
減少により、高速段側クラッチが滑り始めると、変速機
入力回転速度が上昇する。そして、検出手段が変速機入
力回転速度の上昇開始を検出すると、第2の制御手段
が、変速機入力回転速度の上昇速度が所定値となるよう
に高速段側クラッチ油圧をフィードバック制御する。次
に、変速機入力回転速度が上昇して低速段同期回転速度
付近になったこと(同期付近に達したこと)を検出手段
が検出すると、第3の制御手段が、低速段側クラッチ油
圧を徐々に上昇させると共に、高速段側クラッチ油圧を
変速機入力回転速度に基づいてフィードバック制御す
る。
「付近」の語は、完全に同期回転速度に一致している必
要はないことを示している。例えば極低温時に応答性を
考慮して若干「手前」に設定したり、あるいは、後述す
る実施形態のように、「同期回転速度を若干越えた値」
に設定することを禁止するものではない。
始めてから、変速機入力回転速度が低速段同期速度付近
になるまでの間、変速機入力回転速度の上昇速度が所定
値となるように高速段側クラッチ油圧をフィードバック
制御するので、変速機入力回転速度の上昇をクラッチの
ばらつき等によらず、好適にコントロールすることがで
きる。そして、変速機入力回転速度が低速段同期回転速
度付近になってからは、低速段側クラッチ油圧を徐々に
上昇させると共に、変速機入力回転速度を監視しながら
フィードバック制御により高速段側クラッチ油圧を低下
させるので、変速機入力回転速度の同期を的確にとりな
がらのスムーズな油圧の切換えを行うことができる。従
って、クラッチのばらつきがあっても、変速ショックを
緩和することができる。
前記所定値を、変速途中において変速機入力回転速度の
上昇速度が緩やかになるように変更する。又、請求項3
の発明では、第2の制御手段が、前記所定値を、低速段
同期回転速度と変速機入力回転速度の偏差に応じて設定
する。このようにすると、変速全体のトルク変化が滑ら
かになる。
変速機入力回転速度が変化しないように高速段側クラッ
チ油圧をフィードバック制御する。これにより必要以上
の変速機入力回転速度の上昇を抑制できる。又、請求項
5の発明では、第3の制御手段が、変速機入力回転速度
が低速段同期回転速度よりも僅かに高い値を目標値とし
て、この目標値から変化しないように高速段側クラッチ
油圧をフィードバック制御する。このようにすれば、必
要以上の変速機入力回転速度の上昇を抑制できると共
に、フィードバック制御を実行するだけで高速段側クラ
ッチ油圧を自動的に且つ確実に低下させることができ
る。
えて、前記低速段側クラッチへのファーストクイックフ
ィルの完了後、低速段側のクラッチが伝達トルク容量を
持ち始めるまでの時間を検出し、その時間に基づいて低
速段側クラッチへのファーストクイックフィル時間を学
習補正する。又、請求項7の発明では、同様に該時間に
基づいて低速段側クラッチ油圧の上昇のタイミングを学
習補正する。このようにすれば、低速段側クラッチの諸
元のばらつきによらず、一層良好に変速できるようにな
る。
施形態を説明する。
体的な一例を図2にスケルトンで示す。この自動変速機
2は、トルクコンバータ111、副変速部112及び主
変速部113を備える。
クラッチ124を備える。ロックアップクラッチ124
は、ポンプインペラ126に一体化したフロントカバー
127と、タービンランナ128を一体に取付けた部材
(ハブ)129との間に設けられている。
ず)はフロントカバー127に連結されている。タービ
ンランナ128に連結された入力軸(変速機入力回転
軸)130は、副変速部112を構成するオーバードラ
イブ用遊星歯車機構131のキャリヤ132に連結され
ている。
ンギヤ133との間には、クラッチC0 と一方向クラッ
チF0 とが設けられている。この一方向クラッチF0
は、サンギヤ133がキャリヤ132に対して相対的に
正回転(入力軸130の回転方向の回転)する場合に係
合するものである。又、サンギヤ133の回転を選択的
に止めるためにブレーキB0 が設けられている。
ヤ134は、主変速部113の入力要素である中間軸1
35に接続されている。クラッチC0 もしくは一方向ク
ラッチF0 が係合した状態では、遊星歯車機構131の
全体が一体となって回転するため、中間軸135は入力
軸130と同速度で回転する。又、ブレーキB0 を係合
させてサンギヤ133の回転を止めた状態では、リング
ギヤ134が入力軸130に対して増速されて正回転す
る。従って、副変速部112は、ハイ・ローの2段の切
換えを設定することができる。
0、150、160を備えており、これらの歯車機構1
40、150、160は以下のように連結されている。
141と第2遊星歯車機構150のサンギヤ151とが
互いに一体的に連結され、第1遊星歯車機構140のリ
ングギヤ143と第2遊星歯車機構150のキャリヤ1
52と第3遊星歯車機構160のキャリヤ162との三
者が連結されている。又、第3遊星歯車機構160のキ
ャリヤ162に出力軸170が連結されている。更に、
第2遊星歯車機構150のリングギヤ153が、第3遊
星歯車機構160のサンギヤ161に連結されている。
と前進4段を設定することができるものであり、それを
実現するため、クラッチ及びブレーキが以下のように設
けられている。
3及び第3遊星歯車機構160のサンギヤ161と、中
間軸135との間にクラッチC1 が設けられている。第
1遊星歯車機構140のサンギヤ141及び第2遊星歯
車機構150のサンギヤ151と、中間軸135との間
にクラッチC2 が設けられている。第1遊星歯車機構1
40及び第2遊星歯車機構150のサンギヤ141、1
51の回転を止めるブレーキB1 が配置されている。
又、これらのサンギヤ141、151とケーシング17
1との間には、一方向クラッチF1 とブレーキB2 とが
直列に配列されている。一方向クラッチF1 はサンギヤ
141、151が逆回転(入力軸135の回転方向とは
反対方向の回転)しようとする際に係合するものであ
る。
とケーシング171との間にはブレーキB3 が設けられ
ている。又、第3遊星歯車機構160のリングギヤ16
3の回転をとめる要素として、ブレーキB4 と一方向ク
ラッチF2 とが、リングギヤ163とケーシング171
との間に並列に配置されている。この一方向クラッチF
2 は、リングギヤ163が逆回転しようとする際に係合
するものである。
がハイ・ローの二段の切換えを行うことができ、且つ、
主変速部113が前進側で4段の変速を行うことができ
るので、全体で後進1段と前進8段の変速を行うことが
できる。これらの変速段を設定するための各クラッチ及
びブレーキの係合作動表を図3に示す。
ンジンブレーキ時に係合状態、空欄は解放状態をそれぞ
れ示す。但し、◎で示すように、ここではニュートラ
ル、リバースのほか、第1、2、3、4、5速段のみが
使用される。
2速段へのダウンシフトがブレーキB2 (高速段側クラ
ッチに相当)の解放と、ブレーキB3 (低速段側クラッ
チに相当)の係合によるクラッチツウクラッチ変速とな
っていることが分かる。
キの係合あるいは解放は、油圧制御装置20内の電磁弁
やリニアソレノイドが、コンピュータ30からの指令に
基づいて駆動されることによって実行される。コンピュ
ータ30には、各種センサ群40からの信号、例えば車
速センサ41からの車速信号(出力軸回転速度の信
号)、スロットルセンサ42からのスロットル開度信号
(アクセル開度信号)、パターンセレクトスイッチ43
からのパターンセレクト信号(運転者の選択した動力重
視走行、燃費重視走行等の選択信号)、シフトポジショ
ンスイッチ44からのシフトポジション信号、ブレーキ
スイッチ45からのフットブレーキ信号等の基本的な信
号の他、変速機入力回転速度センサ46からの入力軸1
30の回転速度(以下、「タービン回転速度NT」とい
う)の信号が入力されている。
圧制御及びブレーキB3 を係合させるときの油圧制御自
体については各種方法が従来公知であるため、詳細な説
明は省略するが、ここではデューティソレノイド(リニ
アソレノイド)のデューティ比を、コンピュータ30で
調整することで制御するようにしている。
容を示すタイムチャートである。このタイムチャート
は、高速段側デューティ比(=高速段側クラッチの油圧
制御のためのデューティソレノイドへ出力するデューテ
ィ比)と、高速段側クラッチ油圧と、低速段側デューテ
ィ比(=低速段側クラッチの油圧制御のためのデューテ
ィソレノイドへ出力するデューティ比)と、低速段側ク
ラッチ油圧と、タービン回転速度NT(=変速機入力回
転速度)との相互の関係を示している。この場合、デュ
ーティ比が100%のとき各クラッチにライン圧が10
0%供給され、デューティ比が0%のとき各クラッチの
油圧がドレンされる。
側デューティ比が100%で高速段側クラッチが完全係
合し、且つ、低速段側デューティ比が0%で低速段側ク
ラッチが完全解放している第3速段の状態を示す。この
状態から第2速段にパワーオンダウンシフトする場合、
ダウンシフト指令(変速出力の発生)があると、まず、
高速段側デューティ比を約50%程度の値DH1に低下
させ、高速段側クラッチ油圧をスキップダウンさせる
〔図の(b)で示す部分〕。
に設定し、低速段側クラッチのファーストクイックフィ
ル(FQF)を実施する〔図の(c)で示す部分〕。フ
ァーストクイックフィルとは、クラッチが摩擦係合し始
めるまでクラッチの隙間を詰めるために全開状態でオイ
ルを急速導入する操作のことである。ファーストクイッ
クフィルは、ここではタイマでセットした所定時間Tq
だけ行う。ファーストクイックフィルが終了したら、低
速段側デューティ比は、低速段側クラッチが容量を持た
ない程度のレベルDL1に一旦落としておく。
回転速度NTが上昇を開始するまで徐々に一定速度ΔD
H1で低下させていき、それにより高速段側クラッチ油
圧を徐々に低下させていく(スィープダウン)。そし
て、高速段側クラッチ油圧の伝達トルク容量の低下によ
りタービン回転速度NTが上昇を開始したら〔図の
(d)で示す部分〕、第2段階として、タービン回転速
度NTの上昇速度を監視する。
ングは、高速段の同期回転速度NHで推移して来たター
ビン回転速度NTがΔNT1だけ上昇し、且つ、タービ
ン回転速度の上昇速度が所定値以上であることをもって
検出する。タービン回転速度NTの上昇開始を検出した
ら、ある段階までは、タービン回転速度NTの上昇速度
が所定値d/dt(NT1)となるように、高速段側ク
ラッチ油圧をフィードバック制御する〔図の(e)で示
す部分〕。即ち、常にタービン回転速度NTの上昇速度
を監視しながら高速段側デューティ比を設定する。
昇していくタービン回転速度NTが、低速段の同期速度
NLより所定量ΔNT2だけ下回った値に達したら〔図
の(f)で示す部分〕、タービン回転速度NTの上昇速
度を僅かに緩め(勾配が小さくなる方向)に修正し、上
昇速度がd/dt(NT2)となるように、高速段側ク
ラッチ油圧をフィードバック制御する〔図の(g)で示
す部分〕。ただし、d/dt(NT1)>d/dt(N
T2)である。その結果、緩やかな変化でタービン回転
数が低速段の同期回転速度NL付近に到達する。
度NL付近に達したことは、タービン回転速度NTと低
速段同期回転速度NLとの偏差がゼロに近い正の所定値
ΔNT3内に入ったことで検出する〔図の(h)で示す
部分〕。
度NL付近に達したことが検出されたら、低速段側デュ
ーティ比を一定の変化速度ΔDL1にすることで、低速
段側クラッチ油圧をスィープアップする〔図の(i)で
示す部分〕。又、高速段側クラッチ油圧は、タービン回
転速度(の上昇速度)を維持するようにフィードバック
制御する〔図の(j)で示す部分〕。
段同期回転速度NLとなり、低速段側デューティ比が1
00%、高速段側デューティ比が0%になった時点をク
ラッチの掴み替えが終了した時であると判断し、その段
階で低速段側デューティ比を100%、高速段側デュー
ティ比を0%に固定して、ダウンシフト制御を終了す
る。
って説明する。
(phase )1〜4と命名する。
〜高速段側クラッチの滑り始めまでの段階を指す。phas
e 2は、タービン回転速度の上昇速度が第1の所定値d
/dt(NT1)となるように高速段側クラッチ油圧を
フィードバック制御する段階を指す。phase 3は、ター
ビン回転速度の上昇速度が第2の所定値d/dt(NT
2)となるように高速段側クラッチ油圧をフィードバッ
ク制御する段階を指す。phase 4は、高速段側クラッチ
を完全解放し低速段側クラッチを完全係合するまでの最
終段階を指す。
トである。なお、フロー中のphaseという記号は、phase
フラグを示す場合もある。
おいて、パワーオンダウンシフトが要求されているか否
かを判断する。ダウンシフト要求の出力は、図示されて
いない変速判断のフロー等において行われる。例えば、
第3速段から第2速段へのダウンシフトが発生するか否
かの判断は、スロットル開度及び車速のマップから現時
点の走行状態が第3速段→第2速段のダウンシフト線を
横切ったか否かで判断される。
002でphase =0(非変速中)か否かを判断する。最
初は前回の処理でphase =0となっているから、ステッ
プ003に進んでphase =1とする。ステップ001が
NOの場合、つまりphase =1〜4の場合はステップ0
03をパスする。いずれの場合もステップ004に進ん
で、現時点でのphase の値つまり最初は「1」をフラグ
mphase に入れる。
する。即ち、phase =1であれば、ステップ005から
ステップ006に進んで、phase 1のサブルーチン処理
を実行する。phase =2であれば、ステップ007から
ステップ008に進んで、phase 2のサブルーチン処理
を実行する。phase =3であれば、ステップ009から
ステップ010に進んで、phase 3のサブルーチン処理
を実行する。又、phase =4であれば、ステップ011
にてphase 4のサブルーチン処理を実行する。そして、
各phase 処理を実行したら、ステップ012において、
現在のphase がステップ004で入れたmphase である
か否か、つまりphase フラグの値が切り替わっているか
否かを判断し、NOであれば(切替わっていれば)ステ
ップ004へ戻り、各phase 処理を実施する。又、YE
Sであれば(切替わっていなければ)エンドとなる。
ーチャートを示す。
て、phase 1の終了条件が成立しているか否かを判断す
る。phase 1の終了判定は下記の2条件により行う。 (1)〔タービン回転速度NT−高速段同期回転速度N
H〕>所定値ΔNT1 (2)タービン回転速度NTの上昇速度が所定値以上
部分に相当〕であればステップ102の処理を実施し、
NOであればステップ103以降の処理を実施する。ス
テップ102ではphase を「2」とし、phase 2で実施
するフィードバック制御の初期値として、出力中のデュ
ーティ比の設定及びフィードバック積分項のクリアを実
施する。
プ103〜106は、高速段側クラッチ油圧のデューテ
ィ比duhの制御に関するもので、最初はデューティ比
duhが100%であるので、ステップ103からステ
ップ104に進んで、高速段側デューティ比duhをD
H1までスキップダウンする。次回以降は、ステップ1
03からステップ105に進んで、高速段側デューティ
比duhを一定の速度ΔDH1でスィープダウンする。
その際、ステップ106ではデューティ比duhが下が
り過ぎないように下限ガード処理を実施する。そして、
ステップ107に進む。
ッチ油圧のデューティ比dulの制御に関するもので、
ステップ107ではファーストクイックフィル(以下
「FQF」と略称する)完了フラグがONかどうか、ス
テップ108ではFQF実施中フラグがONかどうかを
判定する。初回はFQF未実施であるから、ステップ1
07→108→109と進み、ステップ109にてFQ
Fタイマをクリア・スタートする。そして、ステップ1
11に進んで、FQF実施中フラグをONし、低速段側
デューティ比dulを100%にしてファーストクイッ
クフィルを開始する。
ESになるので、ステップ110に進む。FQFタイマ
の値が所定時間Tq 以上になるまで、ステップ111に
進んでファーストクイックフィルを継続し、所定時間T
q が経過したら、ステップ110からステップ112に
進み、FQF完了フラグをONにすると共に、FQF実
施中フラグをOFFにし、ステップ113に進んで低速
段側デューティ比dulを一旦DL1に落とす。次の回
の処理では、FQF完了フラグがONであるから、ステ
ップ107の判断がYESになってステップ113に直
接進み、低速段側デューティ比dul=DL1に固定す
る。このDL1は、低速段側クラッチが容量を持たない
レベルの値である。
ーチャートを示す。
て、phase 2の終了条件が成立しているか否かを判断す
る。phase 2の終了判定は下記条件により行う。 (1)(低速段側同期回転速度NL−タービン回転速度
NT)<所定値ΔNT2 ここでは、ΔNT2は実際のタービン回転速度上昇速度
のマップ値とする。
202の処理を実施し、NOであればステップ203以
降の処理を実施する。ステップ202では、phase を
「3」とする。
プ203は高速段側クラッチ油圧のデューティ比duh
の制御に関するもので、このステップ203で、タービ
ン回転速度の上昇速度が所定値d/dt(NT1)とな
るようにフィードバック制御するための高速段側デュー
ティ比duhを決定する。又、ステップ204〜210
は低速段側クラッチのデューティ比dulの制御に関す
るもので、phase 1と同様の処理を行う。即ち、ファー
ストクイックフィルが未完了であれば、ファーストクイ
ックフィルを実施し、ファーストクイックフィルが完了
していれば、低速段側デューティ比dulとしてDL1
を維持する。
ーチャートを示す。
て、phase 3の終了条件が成立しているか否かを判断す
る。phase 3の終了判定は下記の条件により行う。 (1)(低速段側同期回転速度NL−タービン回転速度
NT)<所定値ΔNT3 ここで、ΔNT3は0に近い正の定数であり、これによ
りタービン回転速度NTが低速段同期回転速度付近に至
ったことを確認する。
302の処理を実施し、NOであればステップ303以
降の処理を実施する。ステップ302ではphase を
「4」とする。
プ303は高速段側クラッチ油圧のデューティ比の制御
に関するもので、このステップ303で、タービン回転
速度の上昇速度が所定値d/dt(NT2)となるよう
フィードバック制御するための高速段側デューティ比d
uhを決定する。これによりタービン回転速度NTの上
昇速度はそれまでのd/dt(NT1)より遅くなる。
又、ステップ304〜310は低速段側クラッチのデュ
ーティ比dulの制御に関するもので、phase1と同様
の処理を行う。即ち、ファーストクイックフィルが未完
了であれば、ファーストクイックフィルを実施し、ファ
ーストクイックフィルが完了していれば、低速段側デュ
ーティ比dulとしてDL1を維持する。
ーチャートを示す。
て、phase 4の終了条件が成立しているか否かを判断す
る。phase 4の終了判定は下記条件により行う。 (1)(タービン回転速度NT−低速段側同期回転速度
NL)<所定値ΔNT4 ここで、ΔNT4は0に近い定数とする。 (2)高速段側デューティ比として0%を出力 (3)低速段側デューティ比として100%を出力
テップ402の処理を実施し、NOであればステップ4
03以降の処理を実施する。ステップ402では、変速
終了処理としてphase を「0」に設定する。又、高速段
側デューティ比duhを0%に固定し、且つ低速段側デ
ューティ比dulを100%に固定する。又、高速段側
クラッチのFQF完了フラグOFF(ドレンした方のF
QF完了フラグをOFF)を実施する。なお、非変速中
は、低速段側のFQF完了フラグは常にONとされてい
る。
プ403、404は高速段側クラッチのデューティ比d
uhの制御に関するもので、phase 3と同様に、タービ
ン回転速度に基づき、その上昇速度が所定値d/dt
(NT2)となるようにフィードバック制御するための
高速段側デューティ比duhを決定する。なお、所定値
d/dt(NT3)となるようにフィードバック制御し
てもよい。但しd/dt(NT3)<d/dt(NT
2)である。この段階でphase 3と同様のフィードバッ
ク制御を実行すると、(高速段側クラッチが係合してい
たのではタービン回転速度NTは低速段同期回転速度N
Lより低下しようとしてしまうので)高速段側デューテ
ィ比duhは減少側に張り付かざるを得ず、高速段側ク
ラッチが係合側に戻るのが防止されて確実にデューティ
比duhが減少する。なお、そのままでは高速段側デュ
ーティ比duhがマイナスになる可能性があるので、ス
テップ404で高速段側デューティ比duhの0%ガー
ドを実施している。これにより、高速段側デューティ比
duhは最終的に0%に収束する。
チのデューティ比に関するもので、そのうちステップ4
05、408〜413では、phase 1と同様の処理を行
う。即ち、ファーストクイックフィルが未完了であれ
ば、ファーストクイックフィルを実施し、ファーストク
イックフィルが完了した場合は低速段側デューティ比d
ulとしてDL1にまで落とす。但し、phase 4に入っ
ているため、ファーストクイックフィルが完了したら
(あるいは既に完了していた場合は)、ステップ405
→406を経てステップ414に進み、低速段側デュー
ティ比dulをDL1から一定速度ΔDL1で徐々に上
昇させていく(スィープアップ)。その際、ステップ4
15でデューティ比の100%ガード処理を行う。高速
段側デューティ比duhが0%とならないうちは、ステ
ップ406→414→415と進んでスィープアップを
続けていき、高速段側デューティ比duhが0%になっ
たら、ステップ406→407と進んで、強制的に高速
段側デューティ比を100%とする。
回転速度NTが低速段同期回転速度付近NLに達した後
も、低速段側クラッチ油圧を徐々に上昇させるのに伴っ
て、高速段側デューティ比をタービン回転速度NT(の
上昇速度)に基づいたフィードバックにより決定するの
で、スムーズな油圧の切換えが可能となる。従って、変
速ショックを和らげることができる。
ァーストクイックフィルは、phase1からphase 4まで
のどの段階で行ってもよいので、各phase のサブルーチ
ンにファーストクイックフィルに関する処理ステップを
入れているが、phase 1あるいはphase 2でファースト
クイックフィルが確実に完了するものであれば、それ以
降のサブルーチンからファーストクイックフィルに関す
る処理ステップを削除してもよい。
る。
ック制御をphase 2とphase 3の2段階で行っていた
が、この実施形態では、1段階の処理で済ませるように
している。即ち、図7のphase 2、3の処理を廃止し
て、図10に示すようにphase 2の処理を若干変更して
いる。それ以外は前記実施形態と同様である。
ーに変更を加えたフローチャートを示す。
03をステップ203−1、203−2に変更した点、
及びステップ202でphase に代入する値を「3」から
「4」に変更した点である。更に、ステップ201での
終了判定の条件を前述のphase 3のステップ301の条
件と同じくした点である。
て、低速段同期回転速度NLとタービン回転速度の偏差
からフィードバック目標値d/dt(NTx)を決定す
る。ここで、d/dt(NTx)は、低速段同期回転速
度NLとタービン回転速度NTの偏差が大きいほど大き
な値に設定する。又、ステップ203−2において、タ
ービン回転速度の上昇速度が所定値d/dt(NTx)
となるようフィードバック制御するための高速段側デュ
ーティ比duhを決定する。
phase 2からphase 3にかけてタービン回転速度NTが
折れ線状に変化することになっていたが、もっと滑らか
にタービン回転速度を変化させることができるようにな
り、トルク変化も滑らかになる。特に、タービン回転速
度の上昇し始めは上昇速度が急で、低速段同期回転速度
に近付くに従い上昇速度が緩くなるので、低速段達成時
点での変速ショックを一層緩和することができる。
の内容を説明する。
ーチン処理、図12は第4実施形態のサブルーチン処理
の各フローチャートを示している。他のルーチンは第1
実施形態と同様である。
の違いは、ステップ403をステップ403−1、40
3−2に変更したことである。それ以外のステップの処
理内容は同じである。
回転速度に基づいて、その上昇速度d/dt(NT)が
「0」となるように、即ち特定の値から変化しないよう
にフィードバック制御するための高速段側デューティ比
duhを決定する。このようにすることで、変速終了時
点での必要以上のタービン回転速度の上昇を抑えること
ができる。又、ステップ403−2においては、タービ
ン回転速度=低速段側同期回転速度+所定値となるよう
フィードバック制御するための高速段側デューティ比d
uhを決定する。このようにすることにより、高速段側
のデューティ比duhを一層確実に減少側に張り付かせ
ることができ、高速段側クラッチの解放を(フィードバ
ック制御に伴って自動的に)速やかに実現できる。
を説明する。
(図9)に、低速段側クラッチのファーストクイックフ
ィルについての学習機能を付け加えたものである。即
ち、低速段側クラッチへの油の導入開始から該クラッチ
が伝達トルク容量を持ち始めるまでの時間を検出し、そ
の時間に基づいて低速段側クラッチへのファーストクイ
ックフィル時間を学習補正する機能を追加したものであ
る。
ーチン処理のフローチャートを示している。図13のフ
ローと図9のフローとの違いは、ステップ402をステ
ップ402−1に変更した点、及びステップ406の後
に416、417を加え、更にステップ414、415
の後にステップ418を加えた点である。
のステップ402の処理内容に、学習済みフラグをOF
Fにする処理(未学習状態とする処理)と、学習タイマ
(後述)を「FF」に設定する処理を追加している。
又、ステップ416では、学習タイマがFFであるか否
かを判定し、YESの場合は前回の学習タイマFF(の
値)が残ったままなのでステップ417で学習タイマF
Fをクリアする。このクリアに伴ってFQF完了フラグ
がONとなってからの時間(学習タイマ)のカウントア
ップが開始される。ステップ418では、学習制御処理
として図14のサブルーチンを実行する。
て(今回の)学習済フラグがONか否かを判定し、YE
Sの場合はリターンステップに行く。NOの場合つまり
未学習時は、ステップ502でタービン回転速度の上昇
速度が負(=低速段側クラッチが容量を持ち始めた)か
否かを判定する。この判定がYESであれば、低速段側
クラッチが容量を持ち始めたが故に低速段同期回転速度
NLに向けてタービン回転速度NTが低下した[図4の
(k)の時点に至った]と判断し、ステップ503〜5
06でその時点までにカウントされた学習タイマFFに
よりそれまで設定されていたファーストクイックフィル
時間Tq の増減補正を実施する。この増減補正はヒステ
リシスを有するもので、第1、第2の2つの所定値(第
1所定値<第2所定値)と学習タイマFFとを比較し、
学習タイマFFが第1所定値よりも小さいか、第2所定
値よりも大きいと判定されたときに、それぞれFQF時
間Tq を減少又は増大補正するものである。その後テッ
プ507では学習済フラグをONにする。
完了後、低速段側クラッチが伝達容量を持ち始めるまで
の時間(学習タイマFFの値)に基づいてファーストク
イックフィルの時間Tq を学習補正できるため、低速段
側クラッチの諸元、特にパッククリアランスやリターン
スプリングのバネ定数等がばらついても、所望の変速が
可能となる。
クイックフィル時間を学習する場合を示したが、低速段
側クラッチのデューティ比の上昇タイミング(phase 4
に入るタイミング)を学習するようにしてもよい。更
に、図14のステップ502の条件を、「(タービン回
転速度=低速段同期回転速度)が所定時間連続して成立
したか否か(変速が確実に終了したか否か)」で判断す
るように変更してもよい。
変速機入力回転速度を監視しながら高速段側クラッチ油
圧をフィードバック制御するので、クラッチの諸元のば
らつきによらず、スムーズな油圧の切換えを行うことが
でき、変速ショックを緩和することができる。
示すブロック図
示す線図
ト
において実行される第1実施形態の制御のフローチャー
ト
ーチンのフローチャート
ーチンのフローチャート
ーチンのフローチャート
ーチンのフローチャート
ブルーチンのフローチャート
ブルーチンのフローチャート
ブルーチンのフローチャート
ブルーチンのフローチャート
チャート
Claims (7)
- 【請求項1】パワーオン状態のときに、高速段側クラッ
チの解放及び低速段側クラッチの係合によるクラッチツ
ウクラッチのダウンシフトを実行する自動変速機の変速
制御装置において、 前記ダウンシフトを実行すべき判断があったことを検出
する手段と、 前記ダウンシフトを実行すべき判断があったときに、高
速段側クラッチ油圧を低下させる第1の制御手段と、 該第1の制御手段の実行による変速機入力回転速度の上
昇の開始を検出する手段と、 該検出手段による上昇開始検出後、変速機入力回転速度
の上昇速度が所定値となるように高速段側クラッチ油圧
をフィードバック制御する第2の制御手段と、 該第2の制御手段の実行により変速機入力回転速度が低
速段同期回転速度付近になったことを検出する手段と、 該検出手段による同期付近検出後、低速段側クラッチ油
圧を徐々に上昇させると共に、高速段側クラッチ油圧を
変速機入力回転速度に基づいてフィードバック制御しな
がら低下させる第3の制御手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 【請求項2】請求項1において、 前記第2の制御手段が、前記所定値を、変速途中におい
て変速機入力回転速度の上昇速度が緩やかになるように
変更することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 【請求項3】請求項2において、 前記第2の制御手段が、前記所定値を、低速段同期回転
速度と変速機入力回転速度の偏差に応じて設定すること
を特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 【請求項4】請求項1において、 前記第3の制御手段が、変速機入力回転速度が変化しな
いように高速段側クラッチ油圧をフィードバック制御す
ることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 【請求項5】請求項4において、 前記第3の制御手段が、変速機入力回転速度が低速段同
期回転速度よりも僅かに高い値を目標値として、この目
標値から変化しないように高速段側クラッチ油圧をフィ
ードバック制御することを特徴とする自動変速機の変速
制御装置。 - 【請求項6】請求項1において、更に、 低速段側クラッチへの油の導入開始時に所定時間ファー
ストクイックフィルを実行する手段と、 前記低速段側クラッチへのファーストクイックフィルの
完了後、低速段側クラッチが伝達トルク容量を持ち始め
るまでの時間を検出する手段と、 該検出時間に基づいて低速段側クラッチへのファースト
クイックフィルにおける前記所定時間を学習補正する手
段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 【請求項7】請求項1において、更に、 低速段側クラッチへの油の導入開始時に所定時間ファー
ストクイックフィルを実行する手段と、 前記低速段側クラッチへのファーストクイックフィルの
完了後、低速段側クラッチが伝達トルク容量を持ち始め
るまでの時間を検出す手段と、 該検出時間に基づいて前記低速段側クラッチ油圧の上昇
開始のタイミングを学習補正する手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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