JPH11138599A - 電動射出成形機における樹脂の射出方法及びその射出装置 - Google Patents

電動射出成形機における樹脂の射出方法及びその射出装置

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JPH11138599A
JPH11138599A JP18531998A JP18531998A JPH11138599A JP H11138599 A JPH11138599 A JP H11138599A JP 18531998 A JP18531998 A JP 18531998A JP 18531998 A JP18531998 A JP 18531998A JP H11138599 A JPH11138599 A JP H11138599A
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screw
injection
resin
molding machine
injection device
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JP18531998A
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Inventor
Hiroshi Oya
博 大矢
Tatsuo Sekino
龍男 関野
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Niigata Engineering Co Ltd
Original Assignee
Niigata Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出速度の立上り特性を高める。 【解決手段】 射出用電動機20を定格回転数(150
0r.p.m)で回転させて、ねじのリードが20〜4
0mmとされたねじ機構34を作動させると、スクリュ
17は500〜1000mm/secの速度で前進移動
して樹脂を射出するが、この場合の射出用電動機20の
回転数は、従来の射出用電動機の回転数(2000〜3
000r.p.m)よりはるかに低く、またスクリュ1
7の最高射出速度は従来の最高射出速度(800mm/
sec)より少し速い。加速時定数は射出用電動機の回
転数に比例するので、射出用電動機20の回転数が低下
しただけ、加速時定数が小さくなって短時間に所定回転
数(所定射出速度)に立上ることとなり、応答性が向上
する。射出駆動にタイミングベルトとプーリが使用され
ていないので、それらに起因する支障が生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インラインスクリ
ュ式の電動射出成形機において、溶融樹脂を金型の成形
キャビティに射出する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インラインスクリュ式電動射出成形機の
射出装置として、回転運動を直線運動に変える一対のね
じ機構のボールねじ軸を、大型の1台のサーボモータに
より、タイミングベルト及びプーリを介して回転させて
プッシャプレートと一緒にスクリュを前後進させるもの
(例えば、特開昭61−68219号公報)、及び、一
対のねじ機構のボールねじ軸に小型のサーボモータをそ
れぞれ直結し、2台のサーボモータで一対のボールねじ
軸を同調回転させることにより、スクリュを回転自在に
支持したプッシャプレートを各ボールねじ軸にそれぞれ
螺着されたボールナットと一緒に前後進させる電動射出
装置(特開昭61−244520号公報)が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者の電動射出装置
は、油圧駆動の射出装置に比較して、エネルギ効率が良
く、しかも速度や圧力制御の応答性が優れていることか
ら、精度の高い制御を行うことができる。しかし、容量
の大きいサーボモータは非常に高価でコスト高になる。
また、タイミングベルトとプーリとの間でタイミングベ
ルトの歯がプーリの歯を飛び越す歯飛び現象を生じてプ
ッシャプレートの平行度が損なわれ易い上、タイミング
ベルトの伸長で駆動誤差を生じ易く、しかもベルトは消
耗品であるためメンテナンスに手間がかかる欠点があ
る。また大径で慣性(GD2 )の大きいプーリが使用さ
れているので、射出の立上りが遅く応答性が悪いという
問題点もある。
【0004】また後者のサーボモータ直結式の射出装置
は、小型のサーボモータが2台とは言え、その合計価格
が大型の1台のサーボモータよりも安価であるため、コ
スト安になる上、タイミングベルトとプーリを使用して
いないので、それらに起因する問題点はない。しかしな
がら、サーボモータを各ねじ機構にそれぞれ直結した従
来の射出装置は、リードが12〜16mmとされた各ね
じ機構のねじ軸を、それぞれ2000〜3000r.
p.mで回転させてスクリュを800mm/sec以下
の速度で前進させて溶融樹脂を金型の成形キャビティに
射出する、それまでの射出駆動方式をそのまま踏襲し、
サーボモータの回転速度を上げることにより射出速度を
高速化する極めて一般的な思考に頼っていたため、射出
速度の立上り特性が良くないという問題点がある。
【0005】本発明は、射出速度の立上り応答特性を向
上させることができる電動射出成形機における樹脂の射
出方法及びその射出装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、駆動誤差がない上、メンテナンス
が容易な射出装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の少なくとも1つの
目的を達成するために、請求項1記載の発明は、回転運
動を直線運動に変える複数のねじ機構を、各ねじ機構に
それぞれ直結された射出用電動機で作動させてスクリュ
を前進させることにより、加熱筒内の溶融樹脂を金型の
成形キャビティに射出する電動射出成形機における樹脂
の射出方法において、上記各射出用電動機を、1500
r.p.m以下で回転させて、リードが20〜40mm
とされた上記ねじ機構の作動で上記スクリュを1000
mm/sec以下の速度で前進させる構成とした。
【0007】この手段では、各ねじ機構の作動回転速度
が、従来の2000〜3000r.p.mから1500
r.p.mに低くされているので、加速時定数が小さく
なり、所定の射出速度に短時間で敏速に立上るようにな
る。
【0008】上記の射出方法において、複数のねじ機構
の間に設けられた同調機構で、各射出用電動機による複
数のねじ機構の作動を相互に同調させることができる
(請求項2)。
【0009】また、請求項3記載の発明は、回転運動を
直線運動に変える複数のねじ機構を、各ねじ機構にそれ
ぞれ直結された射出用電動機で作動させてスクリュを前
進させることにより、加熱筒内の溶融樹脂を金型の成形
キャビティに射出する電動射出成形機における樹脂の射
出装置において、各射出用電動機の定格回転数をほぼ1
500r.p.mとし、また各ねじ機構のリードを20
〜40mmとした構成とした。
【0010】この手段では、各射出用電動機を定格回転
数でそれぞれ回転させると、スクリュはほぼ1000m
m/sec以下の速度で前進して樹脂を成形キャビティ
に射出する。各電動機の回転速度は従来より低いので、
それだけ加速時定数が小さくなり、したがって射出速度
が敏速に立上る。
【0011】上記の射出装置においては、各ねじ機構の
ナット部材を、加熱筒が取り付けられた固定プレートに
それぞれ固定するとともに、各ねじ機構のねじ軸を、ス
クリュが回転自在に支持されたプッシャプレートの軸受
にそれぞれ回転自在に支持して上記各ナット部材にそれ
ぞれ螺着し、また各射出用電動機を、上記各ねじ軸に出
力軸をそれぞれ直結させて上記プッシャプレートにそれ
ぞれ支持した構成とすることができる(請求項4)。
【0012】また各ねじ機構のナット部材を、スクリュ
が回転自在に支持されたプッシャプレートにそれぞれ固
定するとともに、各ねじ機構のねじ軸を、加熱筒の固定
プレートに結合ロッドで固定されたリヤプレートの軸受
にそれぞれ回転自在に支持して上記各ナット部材にそれ
ぞれ螺着し、また各射出用電動機を、上記各ねじ軸に出
力軸をそれぞれ直結して上記リヤプレートにそれぞれ支
持した構成とすることもできる(請求項5)。更に、各
ねじ機構のナット部材を、スクリュが回転自在に支持さ
れたプッシャプレートにそれぞれ固定するとともに、各
ねじ機構のねじ軸を、加熱筒が取り付けられた固定プレ
ートの軸受にそれぞれ回転自在に支持して上記各ナット
部材にそれぞれ螺着し、また各射出用電動機を、上記固
定プレートに結合ロッドで固定されたリヤプレートに、
出力軸を上記各ねじ軸にそれぞれ直結してそれぞれ支持
することができる(請求項6)。
【0013】請求項7記載の発明は、回転運動を直線運
動に変える複数のねじ機構を、各ねじ機構にそれぞれ直
結された射出用電動機で作動させてスクリュを前進させ
ることにより、加熱筒内の溶融樹脂を金型の成形キャビ
ティに射出する電動射出成形機における樹脂の射出装置
において、各ねじ機構のナット部材を、加熱筒が取り付
けられた固定プレートにそれぞれ固定するとともに、各
ねじ機構のねじ軸を、スクリュが回転自在に支持された
プッシャプレートの軸受にそれぞれ回転自在に支持して
上記各ナット部材にそれぞれ螺着し、また各射出用電動
機を、上記各ねじ軸に出力軸をそれぞれ直結して上記プ
ッシャプレートにそれぞれ支持した構成とした。
【0014】この手段では、タイミングベルトとプーリ
を使用していないので、それらが原因となる歯飛び現象
や伝動ミスを生じず、またメンテナンスが容易になる。
また射出の立上り特性が良好になる。
【0015】固定プレートとリヤプレートとの間に結合
ロッドが架設されている構成では、その結合ロッドにプ
ッシャプレートを摺動自在に支持することが好ましい
(請求項8、請求項9)。
【0016】また、上記の射出装置においては、各ねじ
機構のねじ軸に各射出用電動機の出力軸をカップリング
でそれぞれ直結することができる(請求項10)。複数
のねじ機構の間に同調機構を設けた構成とするとよい
(請求項11)。同調機構は、複数のねじ機構のねじ軸
と各射出用電動機の出力軸を直結するカップリングを、
それぞれ伝動プーリとして、それらにベルトを巻き掛け
た構成とすることができる(請求項12)。この場合、
各伝動プーリとそれらに巻き掛けるベルトを、それぞれ
タイミング歯車及びタイミングベルトとすることができ
る(請求項13)。各ねじ機構のナット部材をそれぞれ
ボールナットとし、また各ねじ軸をそれぞれボールねじ
軸とすることが好ましく(請求項14)、また、各射出
用電動機をそれぞれサーボモータとすることが好ましい
(請求項15)。
【0017】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を図面を参照し
て説明する。図1ないし図7は本発明の実施の形態を示
すもので、符号1は電動射出成形機の樹脂の射出装置で
ある。射出装置1は、固定プレート2とプッシャプレー
ト3及びリヤプレート4を有する。固定プレート2とリ
ヤプレート4とは一つの対角部分を一対の結合ロッド6
で一体結合して互いに平行に設けられ、プッシャプレー
ト3は、前後(図1と図2で左右)に移動自在に各結合
ロッド6に支持されている。固定プレート2とリヤプレ
ート4は、マシンボディ7のベース8に支持されてい
る。
【0018】固定プレート2の中央部には加熱筒9が前
面(図1で左側の面)に突き出して取り付けられ、加熱
筒9から等距離離れた他の対角位置に2個のボールナッ
ト(ナット部材)10がそれぞれそれらのフランジ10
aを介してボルトで固定されている。また、プッシャプ
レート3の前面中央部には、ベアリングハウジング12
がロードセル13とスペーサ14を介して取り付けら
れ、固定プレート2のボールナット10、10に向き合
うプッシャプレート3の部分には、軸受15、15が固
定して設けられている。そして、ベアリングハウジング
12には回転軸16が回転自在に支持され、各軸受15
にはボールねじ軸18が、それぞれ、軸方向におけるプ
ッシャプレート3との相対移動を止められ、周方向に回
転自在に支持されている。回転軸16にはスクリュ17
がカップリング19で結合されて加熱筒9に挿入され、
各ボールねじ軸18は各ボールナット10にそれぞれ螺
着されている。結合ロッド6、6は、ベアリングハウジ
ング12を前後に移動自在に支えている。
【0019】また、プッシャプレート3の後面には、一
対の射出用電動機(サーボモータ)20がブラケット2
1でそれぞれ取り付けられ、出力軸(モータ軸)22を
各ボールねじ軸18の後端にカップリング23で直結さ
れている。
【0020】カップリング23は、図7に示すように、
外面を外窄りのテーパ状にした多数の締付片24a、2
4bを前面と後面に環状に突設した本体24と、内面を
外窄り状のテーパ状にした締付リング25、26とを備
え、例えば締付片24a側にボールねじ軸18を、また
他の締付片24b側に出力軸22をそれぞれ嵌め込み、
締付ボルト27を、締付リング25の透孔25cから本
体24の透孔24cに通し、締付リング26のねじ孔2
6cに螺着して締め付けると、両締付片24a、24b
が縮径してボールねじ軸18と出力軸22を一体に結合
するようになっている。なお、前記カップリング19も
このような構造とすることができる。
【0021】ベアリングハウジング12には、スクリュ
回転用電動機(サーボモータ)29がブラケット30で
取り付けられている。このスクリュ回転用電動機29
は、プーリ31と回転軸16等を介してスクリュ17を
回転させることにより、樹脂を加熱筒9内で溶融混練し
て計量するものである。
【0022】ボールナット10とボールねじ軸18は、
回転運動を直線運動に変換するねじ機構34を構成して
おり、ねじのリードはそれぞれ20〜40mmとされて
いる。また各射出用電動機20は、その駆動制御装置の
同調回路により互いにその回転を同調作動させられて、
ねじ機構34、34を介してプッシャプレート3と一緒
にスクリュ17を、その回転方向に従って前後に移動さ
せるもので、回転数は1500r.p.m以下とされて
いる。なお、各一対の射出用電動機20どうし及びねじ
機構34どうしは同じものである。
【0023】次に、上記の構成とされた電動射出成形機
における樹脂の射出装置の作用を説明する。一対の射出
用電動機20で各ねじ機構34のボールねじ軸18を互
いに同調させてそれぞれ回転させると、プッシャプレー
ト3が各ボールねじ軸18と一緒に前進してスクリュ1
7を射出移動させる。この作動により加熱筒9内の溶融
樹脂は金型の成形キャビティに射出される。
【0024】上記で各射出用電動機20を回転数150
0r.p.mで回転させると、スクリュ17は500m
m/sec(ねじのリードが20mmの場合)〜100
0mm/sec(ねじのリードが40mmの場合)の速
度で前進移動して樹脂を射出するが、この場合の各射出
用電動機20の回転数は、前に述べたように、従来の射
出用電動機の回転数(2000〜3000r.p.m)
よりはるかに低く、またスクリュ17の最高射出速度は
従来の最高射出速度(800mm/sec)より少し速
い。
【0025】ところで、射出用電動機20が回転を開始
してから所定の回転速度に立上るまでの加速時定数Tps
a(sec)は次式(1)で示される。 Tpsa=(GD2 L+GD2 M)No/37500Ta … (1) GD2 L;モータ軸換算負荷GD2(kg・cm2) GD2 M;モータ軸自身のGD2(kg・cm2) No ;回転数(min-1) Ta ;モータのトルク(kg・cm)
【0026】上記(1)式から分るように、加速時定数
は射出用電動機の回転数に比例する。したがって、本射
出装置では、射出用電動機20の回転数が低下しただ
け、加速時定数が小さくなって短時間に所定回転数(所
定射出速度)に立上ることとなり、応答性が向上する。
従来装置では、スクリュを高速で移動させて射出速度を
上げるために射出用電動機の回転数を上げる方法を採用
していたので、最高射出速度の上昇は達成することはで
きたが、最高速に達するまでの立り上がり時間が長くな
っていた。上記実施の形態の射出装置では、そのような
問題は生じない。
【0027】また、ねじ機構の軸推力(出力)Fは次式
(2)で示される。 F=2πηT/L … (2) T;ボールねじ軸のトルク(kg・m) η;効率 L;ねじのリード(mm)
【0028】上記の(2)式から分かるように、ねじ機
構34の軸推力FはリードLに反比例するので、リード
Lが大きいと軸推力は低下し、同じスクリュ径で同じト
ルクの射出用電動機では射出圧が下る。
【0029】上記の射出装置で、射出用電動機20とし
て回転数を1500r.p.m以下で使用するのは、比
較的高トルクの低速回転電動機の定格回転数が、一般的
にほぼ1500r.p.m程度であるからである。この
ような定格回転数1500r.p.m付近の射出用電動
機20の最高使用回転数を大きく下げて、例えば800
r.p.mで使用すると、射出用電動機20の出力を大
きく下まわって使用することになり、電動機出力の効率
的な利用がなされない、経済的に無駄な結果を生じるの
で、射出用電動機20は最高使用回転数を1,000
r.p.m〜1,500r.p.mの範囲で使用するの
が好ましい。また、ねじ機構34のリードの最大値を4
0mmとしたのは、所定以上の射出圧でほぼ1000m
m/secの最大射出速度を得ると共に、軸推力を余り
低下させないためであり、リードの最小値を20mmと
したのは、ほぼ500mm/sec以上の射出速度を得
るためである。
【0030】この射出装置においては、ボールねじ軸の
駆動にタイミングベルトとプーリが使用されていないの
で、タイミングベルトとプーリが原因となる歯飛び現象
や駆動誤差を生じることがなく、またメンテナンスが容
易になる。また慣性の大きいプーリが使用されておら
ず、ボールねじ軸18に射出用電動機20が直結されて
いるので射出の立上り特性が良好になる。
【0031】この効果は、射出用電動機20の回転数
や、ねじ機構34のリード或いはスクリュ17の射出速
度に関係なく生じるので、射出用電動機20の回転数と
ねじ機構のリード及びスクリュの射出速度の1以上を上
記作動範囲よりも大きくすることも、小さくすることも
できる。
【0032】図8は射出装置1の他の例を示すもので、
各ボールナット10がプッシャプレート3にそれぞれ取
り付けられるとともに、各ボールねじ軸18は、リヤプ
レート4に設けられた各軸受15に、軸方向におけるリ
ヤプレートとの相対移動を止められ、周方向に回転自在
に支持されて、各ボールナット10にそれぞれ螺着され
ている。また各射出用電動機20は、リヤプレート4に
ブラケット21でそれぞれ取り付けられている。また、
各カップリング23は伝動プーリを兼ねており、それら
の伝動プーリ23、23にタイミングベルト41が巻き
掛けられている。伝動プーリ23、23とタイミングベ
ルト41は、同調機構42を構成しており、両ねじ機構
34の作動を相互に正確に同調させる。この射出装置で
は、一対の射出用電動機20が作動すると、各ねじ機構
34のボールねじ軸18、18が同調機構42で同調さ
れてそれぞれ回転し、プッシャプレート3が各ボールナ
ット10、10と一緒に前進してスクリュ17を射出移
動させる。
【0033】この射出装置1の他の構成及び作用は、図
1ないし図7の射出装置1と同一であるので、同一部材
等に同一の符号を付して説明は省略する。
【0034】図9は射出装置1の別の例を示すものであ
り、固定プレート2に軸受15が設けられ、各ボールね
じ軸18をそれぞれ、軸方向における固定プレート2と
の相対移動を止められ、周方向に回転自在に支持してい
る。また、各射出用電動機20はリヤプレート4にそれ
ぞれ直接取り付けられ、その各出力軸22と各ボールね
じ軸18とは、伝動プーリを兼ねたカップリング23で
プッシャプレート3とリヤプレート4の間において結合
されている。この射出装置1の他の構成及び作用は前記
図8に示した実施例の射出装置と同一であるので、この
場合も同一の符号を付して説明は省略する。
【0035】図10は射出装置1の更に他の例を示す。
図1ないし図7の射出装置では、平面視において、各ボ
ールねじ軸18が各結合ロッド6の外側にそれぞれ配設
されているのに対し、図10の射出装置では、各ボール
ねじ軸18は各結合ロッド6の内側にそれぞれ配設され
ている。他の構成及び作用は図1ないし図7の射出装置
と同じであるので、同一の符号を付して説明を省く。
【0036】なお、図8と図9及び図10の射出装置の
各一対のボールねじ軸18と結合ロッド6は、図1ない
し図6の射出装置と同様に、互いに異なる対角位置に配
設されているが、他の配置であってもよい。また、図の
いずれの射出装置も、射出用電動機20の出力軸22に
ねじ機構34のボールねじ軸18が直結されているが、
ねじ機構34のボールナット10を筒状にしてこれに出
力軸22を直結し、ボールナット10とボールねじ軸1
8との使用態様を図のものと逆の関係になるようにして
もよい。
【0037】本明細書において「直結」とは、出力軸2
2とねじ機構34のボールねじ軸18又はボールナット
10が1対1で回転する物理的な一体結合を言う。した
がって、出力軸22とボールねじ軸18又はボールナッ
ト10の間に他の部材が介在していても構わない。カッ
プリング(結合手段)23は図のものに限られるもので
はなく、またカップリング23と別に伝動プーリを設け
ることができる。また、図の射出装置ではねじ機構34
と結合ロッド6はそれぞれ一対設けられているが、それ
以上の3個、4個(2対)でもよい。また、図1ないし
図7、図10に示す各実施の形態において、カップリン
グ23を伝動プーリを兼ねたものに変え、それらにタイ
ミングベルトを巻き掛けることにより、図8、9に示す
各実施の形態と同様な同調機構を設けることもでき、こ
の場合には、射出用電動機20の駆動装置の同調回路は
省略することができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明は、回転運動を直線運動に変える複数のねじ機構を、
各ねじ機構にそれぞれ直結された射出用電動機で作動さ
せてスクリュを前進させることにより、加熱筒内の溶融
樹脂を金型の成形キャビティに射出する電動射出成形機
における樹脂の射出方法において、上記各射出用電動機
を、1500r.p.m以下で回転させて、リードが2
0〜40mmとされた上記ねじ機構の作動で上記スクリ
ュを1000mm/sec以下の速度で前進させる構成
とされているので、比較的高トルクの低速回転電動機を
用いて金型の成形キャビティへの樹脂の充填時における
射出速度を充分に確保することができ、さらに、射出速
度の立上り応答特性を、従来に比べて格段に向上させる
ことができる。この結果、従来にない高速高応答の射出
成形機を実現でき、これによって良好な成形品を得るこ
とができる。
【0039】また、請求項3記載の発明は、回転運動を
直線運動に変える複数のねじ機構を、各ねじ機構にそれ
ぞれ直結された射出用電動機で作動させてスクリュを前
進させることにより、加熱筒内の溶融樹脂を金型の成形
キャビティに射出する電動射出成形機における樹脂の射
出装置において、各射出用電動機の回転数がほぼ150
0r.p.mとされ、また各ねじ機構のリードが20〜
40mmとされた構成とされているので、前記効果が得
られる上に、射出用電動機が定格回転数付近で使用され
てその出力を効率的に利用できるから、射出用電動機の
能力を充分に発揮させて、スクリュに射出動作を円滑、
確実に行わせることができる。しかも、低速回転電動機
は同一出力の高速回転電動機に比べて高トルクであるの
で、立上り特性を一層高めることができる。
【0040】請求項7記載の発明は、回転運動を直線運
動に変える複数のねじ機構を、各ねじ機構にそれぞれ直
結された射出用電動機で作動させてスクリュを前進させ
ることにより、加熱筒内の溶融樹脂を金型の成形キャビ
ティに射出する電動射出成形機における樹脂の射出装置
において、各ねじ機構のナット部材は、加熱筒が取り付
けられた固定プレートにそれぞれ固定されるとともに、
各ねじ機構のねじ軸は、スクリュが回転自在に支持され
たプッシャプレートの軸受にそれぞれ回転自在に支持さ
れて上記各ナット部材にそれぞれ螺着され、また各射出
用電動機は、上記各ねじ軸に出力軸をそれぞれ直結され
て上記プッシャプレートにそれぞれ支持された構成とさ
れているので、タイミングベルトとプーリが原因となる
歯飛び現象や駆動誤差を生じることがなく、またメンテ
ナンスが容易になる。しかも直結方式で慣性の大きいプ
ーリが使用されていないので、射出の立上り特性が良好
になる。
【0041】一対のねじ機構を同調機構で相互に同調さ
せる構成とした場合は、一対のねじ機構が常に正確に同
調するようになり、射出作動が円滑になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電動射出成形機における樹脂の射出
装置の実施の形態を示す側面図である。
【図2】 図1の射出装置の一部破断の平面図である。
【図3】 図1の射出装置の正面図である。
【図4】 同じく、背面図である。
【図5】 図1の(V−V)部分の図である。
【図6】 図1の(VI−VI)部分の図である。
【図7】 カップリングの一例を示す断面図である。
【図8】 射出装置の他の例を示す一部破断の平面図で
ある。
【図9】 射出装置の別の例を示す一部破断の平面図で
ある。
【図10】 射出装置の更に他の例を示す一部破断の平
面図である。
【符号の説明】
2 固定プレート 3 プッシャプレー
ト 4 リヤプレート 6 結合ロッド 9 加熱筒 10 ボールナット
(ナット部材) 15 軸受 17 スクリュ 18 ボールねじ軸 20 射出用電動機
(サーボモータ) 22 出力軸 23 カップリング
(伝動プーリ) 34 ねじ機構 41 タイミングベ
ルト 42 同調機構

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転運動を直線運動に変える複数のねじ
    機構を、各ねじ機構にそれぞれ直結された射出用電動機
    で作動させてスクリュを前進させることにより、加熱筒
    内の溶融樹脂を金型の成形キャビティに射出する電動射
    出成形機における樹脂の射出方法において、 上記各射出用電動機を、1500r.p.m以下で回転
    させて、リードが20〜40mmとされた上記ねじ機構
    の作動で上記スクリュを1000mm/sec以下の速
    度で前進させることを特徴とする電動射出成形機におけ
    る樹脂の射出方法。
  2. 【請求項2】 複数のねじ機構の間に設けられた同調機
    構で、各射出用電動機による複数のねじ機構の作動を相
    互に同調させることを特徴とする請求項1記載の電動射
    出成形機における樹脂の射出方法。
  3. 【請求項3】 回転運動を直線運動に変える複数のねじ
    機構を、各ねじ機構にそれぞれ直結された射出用電動機
    で作動させてスクリュを前進させることにより、加熱筒
    内の溶融樹脂を金型の成形キャビティに射出する電動射
    出成形機における樹脂の射出装置において、 各射出用電動機の回転数がほぼ1500r.p.mとさ
    れ、 また各ねじ機構のリードが20〜40mmとされたこと
    を特徴とする電動射出成形機における樹脂の射出装置。
  4. 【請求項4】 各ねじ機構のナット部材は、加熱筒が取
    り付けられた固定プレートにそれぞれ固定されるととも
    に、 各ねじ機構のねじ軸は、スクリュが回転自在に支持され
    たプッシャプレートの軸受にそれぞれ回転自在に支持さ
    れて上記各ナット部材にそれぞれ螺着され、 また各射出用電動機は、上記各ねじ軸に出力軸をそれぞ
    れ直結されて上記プッシャプレートにそれぞれ支持され
    たことを特徴とする請求項3記載の電動射出成形機にお
    ける樹脂の射出装置。
  5. 【請求項5】 各ねじ機構のナット部材は、スクリュが
    回転自在に支持されたプッシャプレートにそれぞれ固定
    されるとともに、 各ねじ機構のねじ軸は、加熱筒の固定プレートに結合ロ
    ッドで固定されたリヤプレートの軸受にそれぞれ回転自
    在に支持されて上記各ナット部材にそれぞれ螺着され、 また各射出用電動機は、上記各ねじ軸に出力軸をそれぞ
    れ直結されて上記リヤプレートにそれぞれ支持されたこ
    とを特徴とする請求項3記載の電動射出成形機における
    樹脂の射出装置。
  6. 【請求項6】 各ねじ機構のナット部材は、スクリュが
    回転自在に支持されたプッシャプレートにそれぞれ固定
    されるとともに、 各ねじ機構のねじ軸は、加熱筒が取り付けられた固定プ
    レートの軸受にそれぞれ回転自在に支持されて上記各ナ
    ット部材にそれぞれ螺着され、 また各射出用電動機は、上記固定プレートに結合ロッド
    で固定されたリヤプレートに、出力軸を上記各ねじ軸に
    それぞれ直結されてそれぞれ支持されたことを特徴とす
    る請求項3記載の電動射出成形機における樹脂の射出装
    置。
  7. 【請求項7】 回転運動を直線運動に変える複数のねじ
    機構を、各ねじ機構にそれぞれ直結された射出用電動機
    で作動させてスクリュを前進させることにより、加熱筒
    内の溶融樹脂を金型の成形キャビティに射出する電動射
    出成形機における樹脂の射出装置において、 各ねじ機構のナット部材は、加熱筒が取り付けられた固
    定プレートにそれぞれ固定されるとともに、 各ねじ機構のねじ軸は、スクリュが回転自在に支持され
    たプッシャプレートの軸受にそれぞれ回転自在に支持さ
    れて上記各ナット部材にそれぞれ螺着され、 また各射出用電動機は、上記各ねじ軸に出力軸をそれぞ
    れ直結されて上記プッシャプレートにそれぞれ支持され
    たことを特徴とする電動射出成形機における樹脂の射出
    装置。
  8. 【請求項8】 プッシャプレートは結合ロッドに摺動自
    在に支持されたことを特徴とする請求項5又は6記載の
    電動射出成形機における樹脂の射出装置。
  9. 【請求項9】 プッシャプレートは、固定プレートとリ
    ヤプレートとの間に架設された結合ロッドに摺動自在に
    支持されたことを特徴とする請求項4又は7記載の電動
    射出成形機における樹脂の射出装置。
  10. 【請求項10】 各ねじ機構のねじ軸に各射出用電動機
    の出力軸がカップリングでそれぞれ直結されたことを特
    徴とする請求項3ないし9のいずれかに記載の電動射出
    成形機における樹脂の射出装置。
  11. 【請求項11】 複数のねじ機構の間に同調機構が設け
    られたことを特徴とする請求項3ないし10のいずれか
    に記載の電動射出成形機における樹脂の射出装置。
  12. 【請求項12】 同調機構は、複数のねじ機構のねじ軸
    と各射出用電動機の出力軸を直結するカップリングが、
    それぞれ伝動プーリとされて、それらにベルトが巻き掛
    けられて構成されていることを特徴とする請求項11記
    載の電動射出成形機における樹脂の射出装置。
  13. 【請求項13】 各伝動プーリとそれらに巻き掛けるベ
    ルトは、それぞれタイミング歯車と、タイミングベルト
    であることを特徴とする請求項12記載の電動射出成形
    機における樹脂の射出装置。
  14. 【請求項14】 各ねじ機構のナット部材はそれぞれボ
    ールナットとされ、 また各ねじ軸はそれぞれボールねじ軸とされたことを特
    徴とする請求項3ないし13のいずれかに記載の電動射
    出成形機における樹脂の射出装置。
  15. 【請求項15】 各射出用電動機はそれぞれサーボモー
    タとされたことを特徴とする請求項3ないし14のいず
    れかに記載の電動射出成形機における樹脂の射出装置。
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