JPH11138096A - 燃料タンク用有機被覆鋼板 - Google Patents

燃料タンク用有機被覆鋼板

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JPH11138096A
JPH11138096A JP30472997A JP30472997A JPH11138096A JP H11138096 A JPH11138096 A JP H11138096A JP 30472997 A JP30472997 A JP 30472997A JP 30472997 A JP30472997 A JP 30472997A JP H11138096 A JPH11138096 A JP H11138096A
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steel sheet
corrosion resistance
film
coated steel
resin
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JP30472997A
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Atsushi Morishita
敦司 森下
Yujiro Miyauchi
優二郎 宮内
Hiroyasu Furukawa
博康 古川
Hiroshi Kanai
洋 金井
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D

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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Pbを含まない燃料タンク用有機被覆鋼板を
提供する。 【解決手段】 めっき鋼板の少なくとも片面に、ガラス
転移温度が100〜150℃の水系ウレタン樹脂を必須
成分とする皮膜を形成した有機被覆鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐食性、特に劣化
ガソリンに対する耐食性に優れた有機被覆鋼板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】燃料タンク用表面処理鋼板として、Pb
ーSn合金めっき鋼板が長年にわたって使用されてき
た。しかし、近年Pbの毒性問題から、Pbを含まない
素材が求められている。代替材料として、プラスチック
製の燃料タンクが実用化されているが、安全性が必ずし
も十分ではなく、鋼板製の材料が求められている。鋼板
用の材料としては、エポキシ樹脂を主体とする樹脂に、
りん片状Alを含有させた塗料をめっき鋼板の上に塗
装、焼付けした有機被覆鋼板が使用されているが、劣化
ガソリンに対する耐食性が十分で無く、改善が求められ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、劣化ガソリ
ンに対する耐食性が良好で、溶接性、プレス成形性にも
優れた有機被覆鋼板を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は前記問題点に鑑
みなされたもので、その要旨とするところは、(1)め
っき鋼板の少なくとも片面に、ガラス転移温度が100
〜150℃の水系ウレタン樹脂を必須成分とする皮膜を
形成したことを特徴とする燃料タンク用有機被覆鋼板、
(2)水系ウレタン樹脂皮膜の抗張力が400kg/c
2 以上で、かつ伸び率が5%以上であることを特徴と
する前記(1)に記載の有機被覆鋼板、(3)ウレタン
樹脂が、ビスフェノール骨格、エステル骨格およびカル
ボキシル基を有するエーテル・エステル型のウレタン樹
脂であることを特徴とする前記(1)または(2)に記
載の有機被覆鋼板、
【0005】(4)皮膜中にポリエチレンワックスが含
有されていることを特徴とする前記(1)から(3)の
いずれかに記載の有機被覆鋼板、(5)めっき層が、N
i、Co、Cr、Feのうちの少なくとも1種からなる
金属または金属酸化物あるいは金属水酸化物のいずれか
またはこれらの混合物層を介して、Ni、Cr、Feの
うちのいずれか1種以上を合金成分とする亜鉛系合金め
っき層であることを特徴とする前記(1)から(4)の
いずれかに記載の有機被覆鋼板、である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明における有機被覆に使用する樹脂は水系ウ
レタン樹脂を主成分とする樹脂であって、ガラス転移温
度が100から150℃の範囲にあるものである。ガラ
ス転移温度は硬化フィルムで粘弾性を測定し、tanθ
が最大となる温度とした。塗料を所定の温度で焼き付け
たフリーフィルムを作成し、引っ張りモードで周波数1
1Hz、振幅1μm、昇温速度5℃/分の条件で測定し
たものである。
【0007】ガラス転移温度が100℃未満の皮膜で
は、劣化ガソリンに対する耐食性が不足し、150℃を
越える皮膜は、加工時に皮膜のワレを生じやすく、加工
された部分の耐食性が不足となる。また、フィリーフィ
ルムの抗張力が400kg/cm2 以上で伸び率が5%
以上のフィルムであると、特に耐食性と成形性のバラン
スに優れる。抗張力が400kg/m2 未満であると、
耐食性が悪くなる。また伸びが5%未満であると、加工
を受けた部分で皮膜がワレ、剥離を起こしやすく、ま
た、加工部の耐食性の低下もある。抗張力と伸び率は、
フリーフィルムを25℃の温度下で、引っ張り速度10
mm/分の速度で試験して求めた。
【0008】また、構造中にビスフェノール骨格、エス
テル骨格を含み、カルボキシル基を有するウレタン樹脂
が好ましい。このウレタン樹脂は、カルボキシル基をア
ンモニア、トリメチルアミン等のアルカリ化合物で中和
して自己乳化する方法か、乳化剤を用いてエマルション
分散する方法があり、いずれでも良い。水系ウレタン樹
脂の分子量は8000以上であり、分子内にウレア結合
を有するものがよい。皮膜中にポリエチレンワックスを
含有すると、さらに耐食性と成形性に優れた有機被覆鋼
板が得られる。ウレタン樹脂は、エマルションでも水溶
性でも良い。ワックスの平均粒径は、1から6μmであ
ることが望ましい。1μm未満では耐食性や成形性の向
上効果が少なく、6μmを越えると耐食性が低下する。
【0009】また、ウレタン樹脂と他の樹脂を、他の樹
脂の樹脂全体にしめる固形分重量の割合が40%以下と
いう条件の中で、混合して使用することができる。他の
樹脂の種類としては、オレフィン樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等で、これら
の混合物や共重合物が使用できる。これらの樹脂に対し
て、架橋剤となるメラミン樹脂、イソシアネート樹脂
(化合物)などを1種類あるいは複数種類使用すること
ができる。皮膜中の樹脂の含有量は特に限定されない
が、固形分換算で40重量%以上であることが望まし
い。40%未満ではバインダーとしての役目が十分果た
せず、成膜性不良、密着性不良、加工性の不足などの不
具合を生じる。
【0010】皮膜中には耐食性を向上するために、防錆
顔料を含有することができる。防錆顔料としては、公知
の顔料を使用することが可能である。たとえば、クロム
酸系防錆顔料として、クロム酸ストロンチウム、クロム
酸カリウム、クロム酸亜鉛、クロム酸バリウム、クロム
酸アンモニウム、重クロム酸アンモニウム等が使用でき
る。また、亜鉛粉など、鉄よりも卑な金属を用いること
もできる。
【0011】また、クロムを使用しない防錆顔料も使用
することが可能であり、たとえばバナジウムイオンを放
出するもの、りん酸イオンを放出するもの、モリブデン
化合物、りん酸化合物、亜りん酸亜鉛等の亜りん酸塩、
塩基性シアナミド亜鉛、コロイダルシリカ、シリカなど
である。このうち、コロイダルシリカが耐食性の向上、
溶接性の向上、皮膜に適度の硬度を付与する意味で有効
である。防錆顔料の添加量は特に限定されないが、乾燥
後皮膜中の固形分重量換算で、1から40%程度がよ
い。1%以下では防錆効果が発揮されにくく、40%以
上では成膜性が悪く、耐食性の向上効果も少なくなる。
上述の皮膜をめっき鋼板上に形成する。皮膜の付着量
は、特に限定されないが、0.4〜5g/m2 であるこ
とが望ましい。0.4g/m2 未満では耐食性向上効果
がなく、また5g/m2 以上では溶接性が悪くなる。
【0012】皮膜の形成方法は、所定の有機樹脂、導電
性材料、防錆顔料を含有する塗料を、ロールコーター、
カーテンコーター、エアナイフ、静電スプレー、エアス
プレー、エアレススプレー法等の公知の方法でめっき鋼
板上に塗布し、公知の方法で乾燥硬化させればよい。、
乾燥硬化の方法として、熱風乾燥炉、誘導加熱炉、近赤
外線加熱炉、遠赤外線加熱炉等、熱を与える方法や、塗
料の種類によっては放射線による硬化も採用できる。
【0013】塗料の種類によって乾燥条件は適宜選択で
きるが、たとえばエポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂ある
いはフェノキシ樹脂とフェノール樹脂が含まれている塗
料においては、到達板温として180〜260℃程度の
温度で焼き付けられる。メラミン樹脂やイソシアネート
樹脂で架橋する場合には、たとえば、140〜240℃
程度の到達板温で焼き付けられる。熱可塑性の水系オレ
フィン樹脂の場合には、到達板温80〜140℃程度の
焼付け温度で十分である。このように、含有される樹脂
の種類に応じて焼き付け温度は選択される。
【0014】皮膜の形成前に、皮膜の密着性を高めるた
めの前処理皮膜をめっき鋼板上に形成することもでき
る。塗装前処理としては、クロメート処理、リン酸亜鉛
処理、リン酸鉄処理、NiやCoの複合酸化皮膜処理、
非クロム系の処理等がある。また、脱脂、水洗、湯洗、
ブラッシング、研削等の前処理を行うことも可能であ
る。前処理として、特に電解クロメート処理が溶接性、
耐食性のバランスの点から適している。また電解クロメ
ート処理を、めっき鋼板の両面に施すことによって、有
機被覆を形成しない面の摺動性が向上し、プレス成形性
も向上する。
【0015】もちろん、両面に有機被覆を施す場合に
も、溶接性と耐食性のバランスという点で電解クロメー
ト処理が適している。電解クロメート処理層の付着量
は、特に限定されないが、Crとして5〜50mg/m
2 程度が望ましい。塗布型クロメート処理を用いる場合
には、シリカを含まない処理が溶接性の点で優れてい
る。前処理層は、必要に応じて、鋼板の片面、または両
面に形成することができる。
【0016】有機皮膜は燃料と接する側に被覆される
が、燃料と接しない外面側に形成する事も可能である。
内面側と同じ皮膜を形成してもよいし、他の種類の皮膜
を形成することも可能である。外面側に、溶接性を損な
わない範囲で有機皮膜を形成することは、プレス成形性
の点から有利になる。有機被膜によって、プレス成型時
の潤滑性が確保できるからである。特に有機被覆がワッ
クス入りの場合には、摺動性が特に改善されて良い。塗
料中には、上述の必須成分の他に、着色顔料、体質顔
料、潤滑剤、その他添加剤等を必要に応じて加えること
が出来る。ただし、必須成分の含有量が皮膜中の80容
量%以上となるようにすることが望ましい。必須成分の
含有量が80容量%未満となると、密着性、成形性、耐
食性、溶接性が低下する恐れがある。
【0017】めっき種類としては、特に限定されるわけ
ではないが、劣化ガソリンに対する耐食性、タンク外面
の耐食性の確保という観点から、Zn合金めっきまたは
合金化溶融亜鉛めっきが望ましい。さらに望ましくは、
まずNi、Co、Cr、Feのうちの少なくとも1種か
らなる金属または金属酸化物あるいは金属水酸化物のい
ずれかまたはこれらの合金層または混合物層を鋼板上に
形成し(以下プレメッキ層と称する)、その上にさらに
Ni、Cr、Feのうちのいずれか1種以上を合金成分
とする亜鉛系合金めっき層を形成することが望ましい。
【0018】はじめに形成するNi、Co、Cr、Fe
のうちの少なくとも1種からなる金属または金属酸化物
あるいは金属水酸化物のいずれかまたはこれらの合金層
または混合物層(プレメッキ層)は、電気めっき法によ
って形成することができる。たとえばNi、Co、C
r、Feの硫酸塩中に、イオン濃度として10g/lか
ら100g/l、電流密度を1A/dm2 から100A
/dm2 、硫酸濃度0.1g/lから10g/lの範囲
でメッキすれば良く、金属メッキの場合には硫酸濃度を
高く、酸化物あるいは水酸化物を共析させる場合には硫
酸濃度を低くすると良い。
【0019】電気めっき浴中に金属イオンの析出を促進
させるために添加剤あるいは、支持塩として前者の場合
にはデキストリン、バニリン、フェノールスルフォン
酸、カチオンポリマー、芳香族アルデヒドなどが挙げら
れ、後者の場合には硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウ
ム、硫酸アンモニウム、ほう酸、ほう酸塩などがあげら
れ、これらを添加する事も可能である。この様にして得
られたNi、Co、Cr、Feのうちの少なくとも1種
からなる金属または金属酸化物あるいは金属水酸化物の
いずれかまたはこれらの合金層または混合物層の付着量
は特に限定されないが、0.01g/m2 〜10g/m
2 の範囲が望ましい。0.01g/m2 未満では劣化ガ
ソリンに対する耐食性向上効果がほとんど得られず、1
0g/m2 を超えると実質的に効果が飽和し、それ以上
の付着量増加はかえってコストを増加させるだけである
ので好ましくない。
【0020】これらの層の上に以下のめっきを施したい
わゆるめっき鋼板の皮膜を形成する。前述のように、Z
n合金めっきまたは合金化溶融亜鉛めっきが望ましい
が、他のめっきも使用することができる。すなわち亜鉛
めっき鋼板(電気亜鉛めっき、溶融亜鉛めっき鋼板)、
Ni、Cr、Feのいずれかのうち少なくとも1種類の
合金成分を含む亜鉛合金めっき鋼板、合金化溶融亜鉛め
っき鋼板、アルミ−亜鉛合金めっき鋼板、ニッケルめっ
き鋼板、クロムめっき鋼板、すずめっき鋼板、分散めっ
き鋼板(たとえば亜鉛ーニッケルあるいは亜鉛ー鉄をベ
ースにしてSiO 2 、TiO2 、ZrO2 、BaCrO
4 等の金属酸化物を均一分散析出してなる亜鉛系分散め
っき鋼板)である。
【0021】めっき皮膜の付着量は前述したように10
g/m2 以上90g/m2 以下の範囲が望ましい。めっ
き皮膜の形成方法は電気めっき法または置換めっき法
(硫酸浴、塩酸浴、アルカリ浴)や溶融金属に浸漬させ
る方法である溶融めっき法(フラックス法、ゼンジマー
法、シーラス法)溶融塩電解法、蒸着法等の公知の手法
を用いることができ、またこれらの組み合わせによる多
層めつき鋼板も本特許に包含される。めっきの付着量
は、特に限定されないが、求められる耐食性と溶接性の
レベルに応じて選択される。耐食性の観点からは、めっ
き付着量が1g/m 2 以上であることが望ましい。溶接
性の観点からは、めっき付着量90g/m2以下である
ことが望ましい。めっきの厚みは、鋼板の両面で異なっ
ていても良い。タンク外面の腐食環境が厳しい場合に
は、内面よりも外面側を厚くめっきしてもよいし、内面
側の耐食性の要求レベルが高ければ外面よりも内面側を
厚くめっきしてもよい。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。鋼板に、表1に示すプレメッキおよびメッキを電
気めっき法あるいは溶融めっき法によって施した。Ni
プレメッキ、及びCoプレメッキは、NiまたはCoイ
オン濃度として60g/l、電流密度35A/dm2
硫酸濃度2g/l、浴温60℃の条件で電析させた。Z
n−Niめっきは、Znイオン濃度65g/l、Niイ
オン濃度45g/l、硫酸濃度10g/l、電流密度7
0A/dm2 、浴温55℃の条件で、Niを11%含む
Zn−Ni合金めっきを電析させた。Zn−Fe合金電
気めっき鋼板は、Feを15%含むようにめっきした。
Znめっきは、Znイオン濃度65g/l、硫酸濃度1
0g/l、電流密度70A/dm 2 、浴温55℃の条件
で電析させた。合金化溶融亜鉛めっきは、Alを含むZ
n浴に鋼板を浸漬した後、合金化炉でめっき層中のFe
%が11%となるように加熱した。
【0023】
【表1】
【0024】次いで、めっき鋼板をFC364S(濃度
2%、温度60℃)でスプレー脱脂、よく水洗、湯洗し
て乾燥した後、クロメート処理を施した。クロメート処
理としては、電解クロメート処理と塗布型クロメート処
理(LN4545K、日本パーカライジング製、シリカ
を含有しないクロメート処理剤)を施した。クロムとし
ての付着量はいずれも30mg/m2 とした。電解クロ
メート処理後は水洗、乾燥した。塗布クロメート処理後
は、到達板温100℃となるように乾燥した。
【0025】次いで、所定の塗料をロールコーターで所
定の乾燥付着量となるように塗布し、熱風乾燥炉で焼付
けた。使用した水系ウレタン樹脂(表中の記号U1)
は、平均分子量30000、樹脂中の窒素含有率7.6
%で、その窒素中でウレア結合にかかわる窒素量が50
%、酸価16(以上いずれも固形分として)、固形分濃
度35%のものを用いた。このウレタン樹脂はビスフェ
ノール骨格、エステル骨格を含み、カルボキシル基を有
している。また、これに混合するアクリルオレフィン樹
脂として、ハイテックS−7024(東邦化学社製)を
用いた(表中の記号A1)。さらに比較の樹脂として、
溶剤系のウレタン樹脂U2、A1のアクリルオレフィン
樹脂でアクリル樹脂の組成比を高くしてガラス転移温度
(Tg)を高くしたA2を用いた。樹脂のTgや抗張
力、伸び率は明細書に記載の方法で測定した。防錆剤と
しては、コロイダルシリカ(スノーテックスN、日産化
学社製)を用いた。ワックスとしては、ケミパールW4
00(平均粒径4μm、三井化学社製)を用いた。
【0026】表裏の構成についても表1中に示した。タ
ンク内面側の仕様は詳細に示し、外面側の仕様は、以下
のように表示した。メッキの欄に「同じ」と表示されて
いるものは、内面側のプレメッキ、メッキと全く同じ仕
様であることを示している。「差厚めっき」と表示され
ているものは、プレメッキは全く同じで、めっき種類ま
で同じであるが、表裏でめっきの付着量が異なっている
ことを示している。内面側のめっき付着量が20g/m
2 の場合には、外面側は40g/m2 、内面側のめっき
付着量が40g/m2 の場合には、外面側は20g/m
2 である。前処理の欄も同様で、「同じ」と表示されて
いるものは、内面側と塗装前処理の仕様も同じことを意
味する(外面側に皮膜がない場合にも、塗装前処理層は
設ける場合がある)。皮膜の欄で、「同じ」と表示され
ているものは、内面側と全く同じ皮膜種類、付着量であ
ることを示している。「なし」と表示されているもの
は、有機被膜を形成していないことを示している。
【0027】評価方法は以下の通りである。有機被膜の
密着性は、JIS K 5400の8.5に規定の1m
m間隔の碁盤目を有機被膜に入れ、8.2に規定のエリ
クセン試験機で有機被覆面が凸となるように7mm押し
出した後、8.5に規定の方法でテープ剥離して、8.
5(5)の記述を参考にして評点をつけた。成形性は、
絞り比2.2、押さえ圧2トン、肩R3mmの条件で円
筒絞り試験を行い、成形の可否と鋼板表面の状態を観察
した。表裏で仕様の異なる場合には、表裏それぞれが凸
部となるように2通りの成形を行った。
【0028】評点は、5:成形可能で、かつ成形後の表
面状態が良好 4:成形可能で、成形後の表面に若干のきずが発生 3:成形可能で、成形後の表面にきずが発生 2:成形可能であるがプレスによるかじりまたは皮膜の
剥離が顕著 1:成形できず破断 とした。
【0029】耐食性は、有機被覆鋼板を表1中の「タン
ク内面側」が内面となるように、肩R5mm、押さえ圧
1トンで、絞り比2.2(ブランク径110mm)の条
件で円筒絞りし、円筒の底部にクロスカットを入れ、こ
の円筒内に劣化ガソリンを入れて密閉し、25℃の環境
で7週間放置することによって調べた。劣化ガソリン
は、JIS K2287に準じた方法で作成し、ぎ酸濃
度が1000mg/lとなるように新品ガソリンを混合
し、さらに10容量%の純水を添加たものを用いた。1
0容量%の純水を入れると、劣化ガソリンは2層に分離
し、水層でぎ酸濃度が高くなるため、水層に接している
場所の腐食がはやくなる傾向にある。7週間後の有機被
覆鋼板の外観、及び封入した劣化ガソリン中の腐食生成
物を目視で評価し、評点をつけた。
【0030】評点は、5:水層の存在する箇所でも錆や
塗膜膨れの発生がほとんどない 4:水層の存在する箇所で錆や塗膜膨れの発生が若干認
められる 3:水層の存在する箇所で塗膜が明らかに膨れている 2:水層の存在する箇所で塗膜が剥離している 1:水層の存在しない箇所でも錆や塗膜膨れが発生して
いる とした。
【0031】溶接性は、スポット溶接とシーム溶接の適
正電流範囲を調べた。被覆鋼板の、内面側どうしを重ね
て(有機被覆どうしが合わさるようにして)、スポット
溶接性については加圧力220kgf、通電時間12サ
イクル、OBARA製アルミナ分散銅電極(φ6R4
0)を用いて、シーム溶接性については加圧力400k
gf、通電パターン2onー2off、電極はR4.5
(常時研削)の条件で調べた。ナゲット径が4√t
(t:板厚mm)より大きく、チリ発生や溶着のない電
流範囲を適正電流範囲とし、この適正電流範囲が広いほ
ど溶接性は良好であると判断した。
【0032】評価結果を表1に示した。本発明による有
機被覆鋼板は、皮膜の密着性、成形性、劣化ガソリンに
対する耐食性に優れている。原板のめっき種類が異なっ
ても、本発明例の範囲に有機被覆鋼板は耐食性、成形
性、溶接性に優れている。同じめっき付着量なら、付着
量が少ないほど溶接性に優れる。めっき種類について
は、Ni、Cr、Feのうちのいずれか1種以上を合金
成分とする亜鉛系合金めっきが耐食性に特に優れてい
た。溶接性については、合金化溶融亜鉛めっき鋼板が、
付着量が同じときには、他のめっき鋼板に比べて溶接性
に優れていた。
【0033】皮膜の付着量が5g/m2 を越えている比
較例No6では溶接ができなかった。皮膜の付着量が
0.2g/m2 未満の比較例No5では、耐食性が不良
である。皮膜のTgが100℃未満である比較例No1
4では耐食性が不良である。皮膜の抗張力が不足してい
る比較例No15も耐食性が不良である。樹脂種類がウ
レタン樹脂ではなく、Tgが100℃未満の比較例No
18は耐食性が不良である。樹脂種類が水系ウレタン樹
脂でない比較例No20、21では耐食性が不良であ
る。
【0034】実施例の中で、皮膜付着量が上限の実施例
No1はやや溶接性が劣る傾向にある。皮膜付着量が下
限に近い実施例No4はやや耐食性に劣る。表裏に皮膜
のある、実施例No7、29、30は、成形性に優れ
る。フラッシュメッキのない実施例No19は、耐食性
と成形性にやや劣る。めっき種類では、Ni、Cr、F
eのうちのいずれか1種以上を合金成分とする亜鉛系合
金めっきが耐食性に特に優れていた。溶接性について
は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板が、付着量が同じときに
は、他のめっき鋼板に比べて溶接性に優れていた(実施
例No29、30と実施例No7の比較)。外面側に電
解クロメート皮膜が形成されている実施例No3は、電
解クロメート皮膜が外面側に形成されていない実施例N
o8に比べて成形性が良い。
【0035】
【発明の効果】以上のように、めっき鋼板の少なくとも
片面に、ガラス転移温度が100〜150℃の水系ウレ
タン樹脂を必須成分とする皮膜を形成した本発明による
有機被覆鋼板は、劣化ガソリンに対する耐食性、成形
性、溶接性に優れる。すなわち、Pbを含まない燃料タ
ンク用素材として適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金井 洋 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき鋼板の少なくとも片面に、ガラス
    転移温度が100〜150℃の水系ウレタン樹脂を必須
    成分とする皮膜を形成したことを特徴とする燃料タンク
    用有機被覆鋼板。
  2. 【請求項2】 水系ウレタン樹脂皮膜の抗張力が400
    kg/cm2 以上で、かつ伸び率が5%以上であること
    を特徴とする請求項1に記載の有機被覆鋼板。
  3. 【請求項3】 ウレタン樹脂が、ビスフェノール骨格、
    エステル骨格およびカルボキシル基を有するエーテル・
    エステル型のウレタン樹脂であることを特徴とする請求
    項1または2に記載の有機被覆鋼板。
  4. 【請求項4】 皮膜中にポリエチレンワックスが含有さ
    れていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに
    記載の有機被覆鋼板。
  5. 【請求項5】 めっき層が、Ni、Co、Cr、Feの
    うちの少なくとも1種からなる金属または金属酸化物あ
    るいは金属水酸化物のいずれかまたはこれらの混合物層
    を介して、Ni、Cr、Feのうちのいずれか1種以上
    を合金成分とする亜鉛系合金めっき層であることを特徴
    とする請求項1から4のいずれかに記載の有機被覆鋼
    板。
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