JPH1113460A - エアポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】排気ガス中に二次空気を送り込む排気二次エア
システムにおいて、システムを構築する部品を一体化す
ることにより、生産性，レイアウト性，システム効率の
向上を図る。 【解決手段】システムを構築する二次エアを送り出す電
動エアポンプ１，二次空気通路の開閉を行うカットバル
ブ２、このカットバルブ２のＯＮ−ＯＦＦを制御する３
方ソレノイドバルブ４，排気ガスの逆流を防止するチェ
ックバルブ３の４部品の内、電動エアポンプ１とカット
バルブ２と３方ソレノイドバルブ４を一体化し、システ
ム構成を容易にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車の排気ガス浄化
のため、排気ガス中に二次空気を送り込むことで有害な
ＨＣ，ＣＯを再燃焼させて低減させると共に、触媒の活
性化までの時間短縮を図るために使用される、電動エア
ポンプ等に関する。

【０００２】

【従来の技術】ポンプ効率の向上、及び羽根車の製造方
法に関しては、特開平6−229388 号公報記載のように、
羽根車の形状の最適化を行い、空力性能を向上させポン
プ効率の向上を図ると共に、この羽根車の成形方法、及
び成形時に発生するバリ取り作業改善技術が記載されて
いる。

【０００３】エアポンプは、羽根車を回転させることに
より、吸込口から流入した流体を羽根車とケーシングで
構成されたポンプ流路内を旋回させることにより、圧縮
し、吐出口から放出させる。従って羽根車の形状によ
り、流体の旋回力をより高めることができ、高効率なポ
ンプを提供することが可能となる。また、羽根車は低コ
スト化、及び複雑な構造をもつことから成形により製作
されるケースが主となっているが、成形は型の合わせに
より行われるため、この合わせ面から製品にバリが発生
し、他部品との干渉等の問題が発生する原因となってい
る。従って、合理的にバリ取りを行うことにより、低コ
ストで性能の良い羽根車を提供することが可能となる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術では、
エアポンプ単体での効率向上、及び低コスト化について
のみ検討されており、バルブ類を含めたシステムとして
の効率向上、及び作業性改善については記載されていな
い。エアポンプに加わる負荷はエンジンの排気圧力のみ
でなく、バルブ類、及びバルブ類を結ぶ配管の圧力損失
を含めたものとなる。電動エアポンプでは同一流量を得
ようとした場合、ポンプに加わる負荷が高ければ高いほ
ど回転数を高く、またはポンプ形状を大きくする必要が
あり、それに伴い駆動部であるモータに加わる負荷も高
くなる。従ってモータが消費する電流も大きくなり、シ
ステムとしての効率は低下してしまう。またシステムと
しての作業性、及びレイアウト設計は、各部品単体の設
置のみでなく、各部品を結ぶ配管も含めて行う必要があ
るため、部品が多ければ多いほど配管設計も非常に複雑
になり、高コスト化の要因となっていた。

【０００５】本発明では、高効率で、部品点数の少な
い、低コストな排気二次エアシステムを提供することを
目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的は下記により達
成される。すなわち、排気ガスに二次エアを送る二次エ
アシステムにおいて、このシステムを構成する二次エア
を送るエアポンプ、二次エアの通路の開閉を行うカット
バルブ，カットバルブのＯＮ−ＯＦＦを制御する３方ソ
レノイドバルブ，排気ガスの逆流を防止するチェックバ
ルブの４部品の内、少なくとも２部品を一体化すること
により、部品点数の削減、また部品間を結ぶ配管の廃止
により部品点数とともにレイアウト設計，生産性向上が
可能となる。

【０００７】またエアポンプとカットバルブ，チェック
バルブを一体化することにより３部品間の配管による圧
力損失が低減でき、エアポンプに加わる負荷をより小さ
くさせることが可能となるため、モータの負荷も軽くな
り、消費電力を低減できるため、システム全体としての
効率向上を図ることが可能となる。さらに３方ソレノイ
ドバルブを一体化することにより３方ソレノイドバルブ
とカップバルブとの距離を短くできる。カットバルブの
ＯＮ−ＯＦＦは、エンジンの負圧と大気圧を３方ソレノ
イドバルブが切り替えることにより制御されるため、前
記２部品間の距離が短いほど反応は早くなる。従って前
記２部品の一体化によりレスポンプの良いシステムを構
築することが可能となる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図により
説明する。図１に従来の排気二次エアシステムの構成図
を示す。電動エアポンプ１はエアクリーナー通過後のエ
アを吸入口から吸入し、ポンプの回転により圧縮され出
口から放出される。電動エアポンプ１から放出されたエ
アは、配管５ａによりシステム通路の開閉を行うカット
バルブ２に導かれる。カットバルブ２を通過後、配管５
ｂにより排気逆流防止であるチェックバルブ３を通り、
排気管６に導入される。カットバルブ３は３方ソレノイ
ドバルブ４により制御され、３方ソレノイドバルブ４は
大気，カットバルブ３，吸気管７にそれぞれ連結されて
いる。

【０００９】図２に本発明の一実施例を示す排気二次エ
アシステムの構成図を示す。電動エアポンプ１ａにカッ
トバルブ２，３方ソレノイドバルブ４を一体化すること
により部品，配管を含めたシステムの総合部品点数を削
減することが可能となる。図３にエアポンプに加わる負
荷と流量の関係を示す。

【００１０】この図からわかるようにエアポンプに加わ
る負荷は、エンジンの排気圧，カットバルブとチェック
バルブの圧力損失，各部品間を結ぶ排気管の圧力損失の
合計となる。従って、エアポンプに加わる負荷を低減さ
せるためには、各部品の圧力損失のみではなく配管の損
失、すなわち配管をいかに少なくすることができるかが
大きなポイントになってくる。従って図２に示すように
電動エアポンプ１とカットバルブ２を結ぶ配管の廃止に
より、配管による圧力損失を低減することが可能となり
エアポンプの消費電力を少なくし、システム効率の向上
を図ることが可能となる。

【００１１】図４に図２を構成する電動エアポンプ１ａ
の構造概略断面図の一実施例を示す。駆動部であるモー
タ７はモータカバー８で囲われ、２体のケーシングの内
のケーシング(Ｂ)９にネジ１０で固定され、羽根車１１
はモータ７のシャフト１２のケーシング(Ｂ)９とケーシ
ング(Ａ)１５と同心にポンプ流路１３を構成するように
固定される。カットバルブ２はポンプ吐出口１８ａにダ
イヤフラム弁１６を用い、カバー形状に成形された３方
ソレノイドバルブ４ａでケーシング(Ａ)１５に固定され
る。

【００１２】３方ソレノイドバルブ４ａはカットバルブ
２と吸気管（図示なし）と大気との３方を内部のバルブ
の切り替えにより、カットバルブ２と吸気管，カットバ
ルブ２と大気を連結させるものである。この３方の内、
大気に繋がる通路は防止，防塵のため簡易クリーナー２
０を設置している。カットバルブ２のダイヤフラム弁１
６はソレノイドバルブ４ａの切り替えにより通路１７を
介し負圧によりダイヤフラム弁１６が引き上げられ、ポ
ンプ吐出口１８ａと１８ｂが繋がりエアが放出される。

【００１３】図５に、本発明の電動エアポンプ概略断面
図の別実施例を示す。図４で示した簡易クリーナー２０
を廃止し、ソレノイドバルブ４ａの大気開放通路１９を
ポンプ内部２１に連結する。エアポンプ入口は、車両エ
アクリーナーに連結されていることからほぼ大気圧とな
っているため、簡易クリーナー設置による大気解放と同
一の効果を得ることができ、また簡易クリーナーは非防
止構造であるため設置方向に制限を設ける必要があった
が、エアポンプ連結ではエアポンプが防止構造であるた
め、設置方向に制限はなく、レイアウトの自由度を高め
ることが可能となる。従って図４の簡易クリーナー２０
を廃止することができ、部品点数の削減，生産性の向上
をはかることが可能となる。尚、この連路１９及びポン
プ２１への連結部は各部品成型時に型により製作可能で
あり、コストアップ要因にはならない。

【００１４】図６に、本発明の電動エアポンプ概略断面
図の別実施例を示す。ポンプ吐出口１９ａに２方ソレノ
イドバルブ２２を取り付けることにより、カットバルブ
を廃止することが可能となり、安価な排気二次システム
を製作することが可能となる。

【００１５】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ており、以下に記載される効果を奏でる。

【００１６】電動エアポンプにカットバルブ，３方ソレ
ノイドバルブを一体化することにより各部品を連結する
配管を削減することができ、システムとしての低コスト
化，レイアウト設計の容易化、及び配管の削減による圧
力損失の低減から、高効率なシステムを構築することが
可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来システム構成の一実施例を示す。

【図２】本発明システム構成の一実施例を示す。

【図３】エアポンプに加わる負荷と流量の関係を示す特
性図である。

【図４】本発明の一実施例を示す構成断面図である。

【図５】本発明の一実施例を示す別構成断面図である。

【図６】本発明の一実施例を示す別構成断面図である。

【符号の説明】

１…電動エアポンプ、２…カットバルブ、３…チェック
バルブ、４…３方ソレノイドバルブ、６…排気管、７…
吸気管。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車の排気ガス浄化のため、排気ガス中に二
   次空気を送り込む排気二次エアシステムにおいて、前記
   システムを構築する二次エアを送り出すエアポンプ，二
   次空気通路の開閉を行うカットバルブ、このカットバル
   ブのＯＮ−ＯＦＦを制御する３方ソレノイドバルブ，排
   気ガスの逆流を防止するチェックバルブの４部品の内、
   ２部品を一体したことを特徴とするエアポンプ。
2. 【請求項２】請求項１の４部品の内、エアポンプとカッ
   トバルブと３方ソレノイドバルブを一体化したことを特
   徴とするエアポンプ。
3. 【請求項３】請求項２において、チェックバルブも一体
   としたことを特徴とするエアポンプ。
4. 【請求項４】請求項１，２または３において、カットバ
   ルブの機能を３方ソレノイドバルブに持たし、カットバ
   ルブを廃止したことを特徴とするエアポンプ。
5. 【請求項５】請求項１，２，３または４において、一体
   化した３方ソレノイドバルブの３方向の内、大気に放出
   されるパイプをエアポンプに連通させることを特徴とす
   るエアポンプ。
6. 【請求項６】請求項１の排気二次エアシステムを、エア
   ポンプと２方ソレノイドバルブの２部品で構成したこと
   を特徴とするエアポンプ。
7. 【請求項７】請求項６において、エアポンプと２方ソレ
   ノイドバルブを一体化としたことを特徴とするエアポン
   プ。