JPH11130982A - コーティング用組成物及びその製造方法並びに積層体 - Google Patents

コーティング用組成物及びその製造方法並びに積層体

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JPH11130982A
JPH11130982A JP10153421A JP15342198A JPH11130982A JP H11130982 A JPH11130982 A JP H11130982A JP 10153421 A JP10153421 A JP 10153421A JP 15342198 A JP15342198 A JP 15342198A JP H11130982 A JPH11130982 A JP H11130982A
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group
coating composition
coating
hard coat
film
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JP10153421A
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Kazunori Miyashita
和典 宮下
Atsushi Kinoshita
淳 木下
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Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】十分な耐磨耗性及び反射防止膜との密着性を有
し屈折率の高いハードコート膜を膜クラックの発生を抑
制しつつ高い生産性で実現できるコーティング用組成物
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】少なくとも下記の成分(A)、(B)及び
(C)を含有することを特徴とするコーティング用組成
物。 (A)粒径1〜200mμのSi、Al、Sn、Sb、
Ta、Ce、La、Fe、Zn、W、Zr、In及びT
iからなる群より選ばれる金属の酸化物の単独微粒子並
びにこれらの金属の複合微粒子から選ばれる1種又は2
種以上の混合物。 (B)特定の有機ケイ素化合物。 (C)コーティング用組成物全重量に対し、10〜50
重量部の水。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックレン
ズ表面に設けるハードコート被膜に関するものであり、
耐摩耗性、耐湿性、耐候性等の耐久性に優れ、かつ白
濁、面クラック等の欠点が発生しない外観品質に優れた
透明被膜を提供し、さらには、その被膜上に無機物質か
らなる反射防止膜(以後無機蒸着膜と称す)を設けるこ
とを可能にしたハードコーティング用組成物及びその製
造方法並びに積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチックレンズは多方面に利
用されるようになっている。
【0003】特に、眼鏡レンズにおいては、従来のガラ
スレンズに比べ、軽量、安全かつカラーバリエーション
が豊富であることから、今や、プラスチックレンズがそ
の主流になっている。
【0004】また、近年プラスチックレンズ素材は高屈
折率化が急速に進んでおり、特にアリルカーボネート系
樹脂、アクリレート系樹脂、メタクリレート系樹脂、及
びチオウレタン系樹脂を材料とするプラスチックレンズ
は、加工性、耐熱性、耐衝撃性に優れ、かつ、レンズ厚
が薄く見かけが良いために広く用いられるようになって
きた。
【0005】しかしその一方で、プラスチックレンズは
表面に傷が付き易いという欠点がある為、シリコーン系
のハードコート被膜をプラスチックレンズ表面に設ける
方法がとられている。このシリコーン系のハードコート
被膜は、金属酸化物のコロイド状分散体(ゾル)と有機
ケイ素化合物であるシランカップリング剤を主成分とし
ている。金属酸化物のゾルは、主に耐摩耗性、及びハー
ドコート被膜表面に形成する無機蒸着膜との密着性を付
与し、また、シランカップリング剤は主に耐摩耗性、金
属酸化物粒子のバインディング剤、及びレンズ基材との
密着性を付与している。
【0006】従来は、金属酸化物ゾルとしてもっぱら二
酸化ケイ素微粒子のゾルが使用されており、そのハード
コート被膜の屈折率は1.50程度であった。しかし、
先に述べたように、近年プラスチックレンズの高屈折率
化が進んでおり、その主流は今や屈折率が1.55以上
のレンズ素材となっている。このような高屈折率レンズ
素材に従来の二酸化ケイ素微粒子のゾルを使用したハー
ドコート被膜を適用した場合、レンズ素材とハードコー
ト膜の屈折率の差による干渉縞発生し、外観上好ましく
ない。この問題を解決するための技術提案として、特開
昭61−54331号公報、特開昭63−37142号
公報では、ハードコーティング組成物中の二酸化ケイ素
微粒子のゾルを高屈折を有するAl、Ti、Zr、S
n、Sbの無機酸化物微粒子のゾルに置き換える方法が
提示されている。また、特開平1−301517号公報
では、二酸化チタンと二酸化セリウムの複合系ゾルの製
造方法が提示されている。さらに、特開平2−2649
02号公報では、TiとCeの複合無機酸化物微粒子、
特開平3−68901号公報では、Ti、Ce及びSi
の複合無機酸化物を有機ケイ素化合物で処理した微粒子
をコーティング組成物に用いる方法が提示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術は以下のような問題があった。
【0008】先に述べたように、金属酸化物微粒子は、
ハードコート膜の耐摩耗性の向上、無機蒸着膜との密着
性の付与、及びハードコート膜の高屈折率化等ハードコ
ート膜特性上極めて重要な構成要素である。このような
特性を充分に発現させるためには、ハードコート膜中の
金属酸化物微粒子の比率を30重量%以上にすることが
望ましい。しかしながら、従来技術では、ハードコート
の加熱硬化時にハードコート膜にクラックが発生すると
いう問題がある。
【0009】これは、ハードコートのもう一つの主成分
であるシランカップリング剤の加水分解性基の硬化・縮
合反応に伴う体積収縮にハードコート膜が耐えきれなく
なるためである。このようなクラック発生はハードコー
ト膜中の金属酸化物微粒子の比率が高くなるほどハード
コート膜の靭性が低下するため顕著になる傾向がある。
特に、Al、Sn、Sb、Ta、Ce、La、Fe、Z
n、W、Zr、In、Tiから選ばれる酸化物の単独微
粒子及び/又はこれらの複合微粒子から選ばれる1種又
は2種以上の混合物(高屈折率金属酸化物と称す)を用
いてハードコート膜を高屈折率化する場合には、目標と
する屈折率が高いほど、これらの酸化物の添加量は多く
する必要があるため、ハードコート膜クラックの発生率
は高くなる。例えば、高屈折率金属酸化物の中でも最も
屈折率が高い酸化物の一つであるTi系の酸化物を用い
た場合においても、ハードコートの屈折率を1.65に
設定した場合その添加率は55〜65重量%に達する。
さらに、これらの高屈折率金属酸化物は一般に耐候性、
耐摩耗性が低く、それを改善するために二酸化ケイ素等
を添加した場合にはさらに添加率は多くする必要があ
り、さらにハードコート膜クラックの発生率は高くな
る。
【0010】また、生産効率を向上させる目的でハード
コートの加熱温度を上げ、硬化時間を短縮する方法が一
般的に用いられるが、この場合、上述したようなシラン
カップリング剤の縮合反応がより急激に起こるため、ク
ラックの発生率も激増してしまう。
【0011】このようなハードコート膜クラックの発生
を防止する方法としては、まずハードコートの加熱温度
を下げ、ゆっくりとシランカップリング剤を縮合させる
という方法があるが、これは生産性の著しい低下を招く
だけでなく、ハードコート膜クラックの発生率をある程
度低下させる程度の効果しかなく、現実的でない。
【0012】また、シランカップリング剤の一部を加水
分解性基の数が3個から1又は2個に減らしたシランカ
ップリング剤に置き換えることにより、架橋度を下げ、
縮合反応時の体積収縮を小さくすることにより、クラッ
クを防止する方法がある。しかし、このような方法で
は、ハードコート膜の耐摩耗性が極端に低下してしま
い、望ましくない。
【0013】さらには、加水分解性基を持たない多官能
性の分子鎖の長い炭化水素化合物等を添加し、ハードコ
ート膜の靭性をあげ、クラックを防止する方法がある。
しかし、この方法を用いても、ハードコート膜の耐摩耗
性の極端な低下は免れない。
【0014】本発明は、上記のような従来技術の問題点
を解決し、充分な耐摩耗性等の耐久性、無機蒸着膜との
密着性、及び高い屈折率を実現し、かつハードコート加
工工程で膜クラックの発生を無くし、高い外観品質と高
効率な生産性を達成できるコーティング用組成物及びそ
の製造方法を提供することを目的としている。特に、高
屈折率を有し、金属酸化物微粒子の含有率が高く、その
加工工程で膜クラックが発生しやすいハードコート加工
において、クラックの発生しないコーティング用組成物
及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のコーティング用組成物は、少なくとも下記
の成分(A)、(B)及び(C)を含有することを特徴
とする。
【0016】(A)粒径1〜200mμのSi、Al、
Sn、Sb、Ta、Ce、La、Fe、Zn、W、Z
r、In及びTiからなる群より選ばれる金属の酸化物
の単独微粒子並びにこれらの金属の複合微粒子から選ば
れる1種又は2種以上の混合物。
【0017】(B)一般式
【0018】
【化4】
【0019】で表される有機ケイ素化合物(式中、R
は重合可能な反応基を有する炭素数が3以上の有機基で
あり、Xは加水分解性基である。) (C)コーティング用組成物全重量に対し、10〜50
重量部の水。
【0020】本発明で使用する(A)成分の粒径1〜2
00mμのSi、Al、Sn、Sb、Ta、Ce、L
a、Fe、Zn、W、Zr、In及びTiから選ばれる
金属の酸化物の単独微粒子並びにこれらの金属の複合微
粒子から選ばれる1種又は2種以上の混合物の具体的な
例としては、SiO、Al、SnO、Sb
、Ta、CeO、La、Fe
、ZnO、WO、ZrO、In、Ti
の無機酸化物微粒子を、分散水、例えば水、アルコ
ール系又はその他の有機溶媒にコロイド状に分散させた
ものである。又は、これら無機酸化物の2種以上によっ
て構成される複合微粒子を、水、アルコール系又はその
他の有機溶媒にコロイド状に分散させたものである。
【0021】さらにコーティング液中での分散安定性を
高めるためにこれらの微粒子の表面を有機ケイ素化合物
又はアミン系化合物で処理したものを使用することも可
能である。この際用いられる有機ケイ素化合物として
は、単官能シラン、二官能シラン、三官能シラン又は四
官能シラン等がある。処理は、加水分解性の官能基を未
処理でおこなっても、加水分解しておこなってもよい。
また処理後は、加水分解性基が微粒子の−OH基と反応
した状態が好ましいが、一部残存した状態でも安定性に
は問題はない。またアミン化合物としては、アンモニウ
ム、エチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルア
ミン、又はn−プロピルアミン等のアルキルアミン、も
しくは、ベンジルアミン等のアラルキルアミン、もしく
は、ピリジン等の脂環式アミン、もしくは、モノエタノ
ール、トリエタノール等のアルカノールアミンがある。
これらの有機ケイ素化合物又はアミン化合物は微粒子の
重量に対して1〜15%程度の範囲内で加える必要があ
る。
【0022】本発明のコーティング組成物への適用種及
び使用量は目的とする被膜性能により決定すればよい
が、使用量は固形分の30〜80重量%であることが望
ましい。すなわち、30重量%未満では無機蒸着膜との
密着性が不充分となるか、もしくはと膜の耐摩耗性が不
充分となる。特に、ハードコート膜の屈折率を1.60
以上のに設定する場合には、40重量%以上が必要とな
る。また、80重量%を越えると、塗膜にクラックが生
じやすくなるか、もしくは塗膜が白濁する。
【0023】この成分(A)は、屈折率の調整、被膜の
耐久性のさらなる向上、及び、外観向上等の要請から2
種以上混合して用いてもよい。
【0024】次に、成分(B)において、Rは重合可
能な反応基を有する炭素数が1〜6の有機基であり、ビ
ニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、1−メ
チルビニル基、エポキシ基、メルカプト基、シアノ基、
イソシアノ基、アミノ基等の重合可能な反応基を有する
シラン化合物である。また、Xは加水分解可能な官能
基であり、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ
基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、もしくは、
クロロ基、ブロモ基等のハロゲン基、もしくは、アシル
オキシ基等があげられる。この加水分解性基数は3個
で、3次元架橋構造を形成し得るものである必要があ
る。加水分解性基数が2個以下の場合は、塗膜の耐摩耗
性が不充分となる。
【0025】このシラン化合物の具体例としては、ビニ
ルトリアルコキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビ
ニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、アリルト
リアルコキシシラン、アクリルオキシプロピルトリアル
コキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリアルコキ
シシラン、γ−グリシドオキシプロピルトリアルコキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エ
チルトリアルコキシシラン、メルカプトプロピルトリア
ルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシ
ラン等がある。
【0026】この成分(B)は2種以上混合して用いて
もよい。
【0027】また、この成分(B)は、加水分解をおこ
なってから用いた方がより有効である。
【0028】続いて、成分(C)の水は、加水分解性基
の加水分解反応及び縮合反応を促進する。すなわち、コ
ーティング液塗布後の加熱・硬化工程において、コーテ
ィング液中に充分に水分子が存在する場合は加水分解性
基の反応は、希釈溶剤蒸発による固形分成分の濃縮とと
もに、低温域から徐々に進行する。その結果、それに伴
う体積収縮も徐々に進行するため、塗膜にクラックが発
生しにくくなる。一方、コーティング液中に充分な水分
子が存在しない場合は、加水分解性基の反応はほとんど
加熱により供給される熱エネルギーのみに拠るため、あ
る一定のエネルギー値に達した時点から急激に進行す
る。その結果、それに伴う体積収縮も急激に起こるた
め、塗膜にクラックが発生しやすくなる。
【0029】本コーティング組成物への添加量は、加水
分解性基を持つ化合物等の種類、及び添加量により決定
すればよいが、10〜50重量%が望ましい。
【0030】10重量%未満は、上記のようなクラック
防止効果が充分でなく、また50重量%より多い場合
は、水の高い表面張力により、シミ上がり・ハジキ等の
外観不良が発生し、望ましくない。より望ましくは、2
0〜40重量%にすることにより、より顕著な効果が得
られる。
【0031】また、加水分解性基を持つ化合物をあらか
じめ加水分解して用いる場合は、通常、加水分解性基数
の0.6〜1.5倍の分子数に相当する水分子を0.0
5〜1.00Nの希釈酸として添加し、加水分解する。
この場合、水添加は、加水分解反応を促進するだけでな
く、この時点ですでに一部の分子が縮合し始める。その
結果、よりクラック防止に顕著な効果が得られる。
【0032】なお、本発明における水は、加水分解用の
希釈酸として添加しても何ら問題がなく、同様の効果が
得られる。
【0033】また、本発明は、下記の成分(D)及び成
分(E)を含有することを特徴とする。
【0034】(D)一般式
【0035】
【化5】
【0036】で表される有機ケイ素化合物(式中、R
及びRは炭素数1〜6の炭化水素基であり、X及び
は加水分解性基であり、Yはカーボネート基又はエ
ポキシ基を含有する有機基であり、mは0又は1であ
る。) (E)多官能性エポキシ化合物 これらの化合物は、分子鎖が長いためクラック防止によ
り効果があるだけでなく、耐摩耗性及び無機蒸着膜との
密着性を低下することなく塗膜に染色性を付与すること
も可能にする。
【0037】成分(D)の一般式において、R及びR
は炭素数1〜6の炭化水素基であるが、その具体例と
しては、メチル基、エチル基、ブチル基、ビニル基、フ
ェニル基等があげられる。また、X及びXは加水分
解性基であり、その具体例としては、メトキシ基、エト
キシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、もしく
はクロロ基、ブロモ基等のハロゲン基、もしくはアシル
オキシ基等があげられる。また、Yはカーボネート基又
はエポキシ基を有する有機基であり、その具体例として
は、
【0038】
【化6】
【0039】
【化7】
【0040】
【化8】
【0041】
【化9】
【0042】
【化10】
【0043】
【化11】
【0044】
【化12】
【0045】
【化13】
【0046】
【化14】
【0047】
【化15】
【0048】等が挙げられる。
【0049】これらのジシラン化合物は、従来公知の種
々の方法で合成することができる。
【0050】例えば、ジアリルカーボネートとトリクロ
ロシラン等を付加反応させ、その後アルコキシ化させれ
ば得ることができる。また、両末端に付加可能な置換基
を持ち、さらにその内部にエポキシ基あるいはエポキシ
化可能な官能基を含む化合物に、トリクロロシラン等を
付加反応させ、その後アルコキシ化させれば得ることが
できる。
【0051】この成分(D)は、加水分解をおこなって
から用いるか、もしくは硬化後の被膜に酸処理をおこな
うか、どちらかの方法をとったほうがより有効である。
【0052】また成分(D)の使用量は、3〜30重量
%であることが望ましい。3重量%未満では、染色性と
無機蒸着膜との密着性及び各種耐久性を満足させること
ができない。また、30重量%を越えると塗膜の耐水性
が低下する傾向があるだけでなく、塗膜に白濁が発生し
易くなり、望ましくない。
【0053】続いて、成分(E)の多官能性エポキシ化
合物は、塗料、接着剤等に広く利用されている。例え
ば、過酸化法で合成されるポリオレフィン系エポキシ樹
脂、シクロペンタジエンオキシドやシクロヘキセンオキ
シドあるいはヘキサヒドロフタル酸とエピクロルヒドリ
ンから得られるポリグリシジルエステルなどの脂環式エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールAやカテコール、レドシノ
ールなどの多価フェノールあるいは(ポリ)エチレング
リコール、(ポリ)プロピレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、ジグリセロール、ソルビトール
などの多価アルコールとエピスロルヒドリンから得られ
るポリグリシジルエーテル、エポキシ化植物油、ノボラ
ック型フェノール樹脂とエピクロルヒドリンから得られ
るエポキシノボラック、フェノールフタレインとエピク
ロルヒドリンから得られるエポキシ樹脂、グリシジルメ
タクリレートとメチルメタクリレートアクリル系モノマ
ーあるいはスチレンなどの共重合体、さらには上記エポ
キシ化合物とモノカルボン酸含有(メタ)アクリル酸と
のグリシジル基開環反応により得られるエポキシアクリ
レートなどが挙げられる。
【0054】多官能エポキシ化合物の具体例としては、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリ
コールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコール
ジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグ
リシジルエーテル、ノナエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ト
リプロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラ
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ノナプロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチル
グリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコ
ールヒドロキシヒバリン酸エステルのジグリシジルエー
テル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、
トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリ
セロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリ
シジルエーテル、ジグリセロールジグリシジルエーテ
ル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセ
ロールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトー
ルトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテト
ラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールテトラ
グリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエ
ーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネー
トのトリグリシジルエーテル、等の脂肪族エポキシ化合
物、イソホロンジオールジグリシジルエーテル、ビス−
2,2−ヒドロキシシクロヘキシルプロパンジグリシジ
ルエーテル、等の脂環式エポキシ化合物、レゾルシンジ
グリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビス
フェノールSジグリシジルエーテル、オルトフタル酸ジ
グリシジルエーテル、フェノールノボラックポリグリシ
ジルエーテル、クレゾールノボラックポリグリシジルエ
ーテル、等の芳香族エポキシ化合物等が挙げられる。
【0055】本発明において成分(E)は、成分(D)
のみでは染色性が不足する場合の染色性向上成分である
と同時に、耐水性・耐温水性を向上させる目的で使用し
ている。そこで、上記の中でも、1,6−ヘキサンジオ
ールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグ
リシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエ
ーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、トリス
(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートのトリグリシ
ジルエーテル等の脂肪族エポキシ化合物、が特に望まし
い。
【0056】成分(E)の使用量は、全固形分組成の5
〜30重量%が望ましい。すなわち、5重量%未満では
塗膜の染色性・耐水性が不充分であり、30重量%を越
えると塗膜の耐摩耗性が不充分となり望ましくない。
【0057】また、本発明は、下記の成分(F)を含有
することを特徴とする。
【0058】(F)一般式
【0059】
【化16】
【0060】で表される有機ケイ素化合物(式中、R
及びRは炭素数1〜3の炭化水素基であり、Xは加
水分解性基であり、nは0又は1である。) 成分(F)において、R及びRは炭素数1〜3の炭
化水素基であり具体例としては、ビニル基、アリル基、
アクリル基、メタクリル基、1−メチルビニル基、エポ
キシ基、メルカプト基、シアノ基、イソシアノ基、アミ
ノ基、メチル基、エチル基、ブチル基、ビニル基、フェ
ニル基等が挙げられる。また、Xは加水分解可能な官
能基であり、その具体例としては、メトキシ基、エトキ
シ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、もしく
は、クロロ基、ブロモ基等のハロゲン基、もしくは、ア
シルオキシ基等があげられる。
【0061】このシラン化合物の具体例としては、ビニ
ルトリアルコキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビ
ニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリ
アルコキシシラン、メチルトリアルコキシシラン、メチ
ルジアルコキシシラン、メチルビニルジアルコキシシラ
ン、ジメチルジアルコキシシラン、3−クロロプロピル
トリアルコキシシラン、3−クロロプロピルメチルジア
ルコキシシラン、等が挙げられる。
【0062】この成分(F)は、被膜の更なる耐久性、
特に耐摩耗性の向上、硬化時間短縮、及び外観向上に効
果がある。
【0063】成分(F)の使用量は、全固形分組成の2
〜30重量%が望ましい。すなわち、2重量%未満で
は、添加の効果が無く、30重量%を越えると塗膜が白
濁し、望ましくない。
【0064】これらの化合物は、単独でも、2種以上を
混合して用いてもよい。
【0065】また、この成分(F)は、加水分解をおこ
なってから用いた方がより有効である。
【0066】また、本発明は、成分(B)、(D)及び
(F)の少なくとも1つを、無溶媒下で加水分解し、加
水分解物/部分縮合体として用いることを特徴とする。
【0067】これにより、加水分解性基を有するシラン
化合物は、加水分解後直ちに部分的な縮合反応が起こ
る。この場合、その縮合反応率は、溶媒下で加水分解し
た場合より高くなる。このとき縮合しなかった加水分解
性基は、その後の水添加の効果により、加熱・硬化時に
緊密な3次元架橋構造を形成する。
【0068】すなわち、無溶媒下で加水分解し、加水分
解物/部分縮合体として用いることにより、縮合反応が
充分に進行することより、クラック発生をより効果的に
防止できるのみならず、被膜の耐久性、特に耐摩耗性を
向上させることができる。
【0069】この場合、加水分解時の希釈酸の添加量は
加水分解性基数の0.5〜5倍量の分子数に相当する量
とすることが望ましい、すなわち、0.5倍量未満では
十分な加水分解が進行せず、また、5倍量を越えると顕
著な効果が得られるほどの縮合反応が起こらない。
【0070】なお、本発明のコーティング組成物は、上
記成分の他に必要に応じて、少量の界面活性剤、帯電防
止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散染料、油溶染
料、蛍光染料、顔料、フォトクロミック化合物、ヒンダ
ードアミン・ヒンダードフェノール系等の耐光耐熱安定
剤等を添加し、コーティング液の塗布性及び硬化後の被
膜性能を改良することもできる。
【0071】さらに、本発明のコーティング組成物の塗
布にあたっては、基材レンズと被膜の密着性向上を目的
として、基材表面を予めアルカリ処理、酸処理、界面活
性剤処理、無機あるいは有機の微粒子による剥離・研磨
処理、プライマー処理又はプラズマ処理をおこなうこと
が効果的である。
【0072】また、コーティング液の塗布・硬化方法と
しては、ディッピング法、スピンコート法、スプレーコ
ート法、ロールコート法、あるいはフローコート法によ
りコーティング液を塗布した後、40〜200℃の温度
で数時間加熱乾燥することにより、被膜を形成できる。
【0073】硬化被膜の膜厚は、0.05〜30μmで
あることが望ましい。すなわち、0.05μm未満で
は、基本性能が実現できず、また、30μmを越えると
表面の平滑性が損なわれたり、光学歪みが発生し望まし
くない。
【0074】このようにして得られたコート被膜の表面
に、無機物質からなる反射防止膜を形成する方法として
は、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリ
ング法、等が挙げられる。真空蒸着法においては、蒸着
中にイオンビームを同時に照射するイオンビームアシス
ト法を用いてもよい。また、膜構成としては、単層反射
防止膜もしくは多層反射防止膜のどちらを用いてもかま
わない。
【0075】その際使用される無機物質の具体例として
は、SiO、SiO、TiO、TiO、Ti
、ZrO、Al、Ta、Ce
、MgO、Y、SnO、MgF、WO
等が挙げられる。これらの無機物質は単独もしくは2種
以上を混合して用いる。
【0076】また、反射防止膜を形成する際には、ハー
ドコート膜の表面処理をおこなうことが望ましい。この
表面処理の具体例としては、酸処理、アルカリ処理、紫
外線照射処理、アルゴン等の不活性ガスもしくは酸素雰
囲気中での高周波放電によるプラズマ処理、アルゴン等
の不活性ガスもしくは酸素などのイオンビーム照射処理
等が挙げられる。
【0077】以下、実施例により更に詳細に説明する。
【0078】
【発明の実施の形態】次に、実施例により本発明をさら
に具体的に説明するが、本発明は、これによって制限さ
れるものではない。
【0079】(実施例1) (1)コーティング液の調製 撹拌子を備えた反応容器にイソプロピルアルコール11
8.8g、蒸留水300.0g、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン139.4g、0.05規定塩
酸水溶液38.2gを投入し、60分撹拌した。次に、
酸化チタン・酸化ジルコニウム・酸化珪素の複合ゾル
(触媒化成工業株式会社製)403.3g、シリコーン
系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「L−7
604」)0.3gを添加し、充分撹拌した後、ハード
コート液とした。
【0080】(2)コーティング液の塗布及び硬化 上記(1)の操作で得られたハードコート液を、プラス
チック眼鏡レンズ(セイコーエプソン(株)製、セイコ
ースーパーソブリン用レンズ生地、屈折率1.66)の
凸面にスピンコーティングにより塗布し、135℃で
0.5時間加熱・硬化した。その後凹面についても同様
の操作をおこなった後、135℃で2.5時間加熱・硬
化し、ハードコート付きのレンズを得た。
【0081】(3)反射防止膜の形成 上記(1)の操作で得られたハードコート付きのレンズ
の表面に、プラズマ処理(アルゴンプラズマ400W×
60秒)を行った後、無機物質の酸化ケイ素、酸化ジル
コニウムからなる反射防止膜を真空蒸着法(真空器械工
業(株)製、BMC−1000)で多層被覆し、ハード
コート、反射防止付きプラスチックレンズを得た。
【0082】(4)評価 得られたハードコート、反射防止付きレンズを以下の方
法で評価した。
【0083】結果は、表1に示す。
【0084】耐摩耗性 ボンスター#0000スチールウール(日本スチールウ
ール株式会社製)で1kgの加重をかけ、10往復表面
を摩擦し、傷の付いた程度を目視により次の段階に分け
て評価した。
【0085】 A:摩擦した範囲に、全く傷が認められない B:上記範囲内に、1〜10本傷がついた C:上記範囲内に、10〜20本傷がついた D:無数の傷がついているが、平滑な面が残っている E:無数の傷がついていて、平滑な面が残っていない 耐湿性 60℃、100RH%に設定された恒温恒湿槽(タバイ
エスペック株式会社製;PR−1G)に7日間放置した
後、表面状態に変化がないものを良とした。
【0086】耐候性 キセノンランプによるサンシャインウェザーメーター
(スガ試験株式会社製;WEL−SUN−HC)に24
時間暴露した後、表面状態に変化がないものを良とし
た。
【0087】密着性 JISD−0202に準じてクロスカットテープ試験に
よって評価した。
【0088】すなわち、ナイフを用い基材表面に1mm
間隔に切れ目を入れ、マス目を100個形成する。次
に、その上へセロファン粘着テープ(ニチバン株式会社
製;商品名「セロテープ」)を強く押しつけた後、表面
から90度方向へすばやく引っ張り剥離した後、コート
被膜の残っているマス目の数を持って密着性評価指標と
し、コート膜の剥離のないものを良とした。
【0089】(実施例2) (1)コーティング液の調製 撹拌子を備えた反応容器にγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン139.4g、0.05規定塩酸水溶
液38.2gを投入し、60分撹拌した。次に、イソプ
ロピルアルコール18.8g、蒸留水400.0gを投
入し、60分撹拌した後、酸化チタン・酸化ジルコニウ
ム・酸化珪素の複合ゾル(触媒化成工業株式会社製)4
03.3g、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー
(株)製、商品名「L−7604」)0.3gを添加
し、充分撹拌した後、ハードコート液とした。
【0090】(2)コーティング液の塗布及び硬化 実施例1と同様の方法で行った。ただし、使用するプラ
スチックレンズは、以下の方法で製造したものを用い
た。
【0091】プラスチックレンズ原料モノマーの調整
・レンズモールドへの注入 攪拌子を備えたガラス容器に、下記構造式で表されるテ
トラチオール化合物(A成分、B成分、C成分の混合比
はモル比で、A/B/C=80/10/10)100重
量部、
【0092】
【化17】
【0093】m−キシリレンジイソシアネート103重
量部、ジブチルスズジラウレート0.02重量部、内部
離型剤0.15重量部、2−(5−メチル−2−ヒドロ
キシフェニル)ベンゾトリアゾール0.09重量部を混
合し、充分に撹拌した後、5mmHgの真空下で充分に
脱泡した。
【0094】得られた混合液を、二枚のガラス型を封止
用テープで保持したレンズモールドに注入した。
【0095】レンズ重合 上記で得られたレンズ原料入りのレンズモールドを温
風加熱炉により35℃から120℃まで9時間で昇温
し、最高温度120℃で0.5時間保持した後、4時間
で40℃まで放冷した後、レンズモールドから離型し、
プラスチックレンズ基材を得た。
【0096】(3)反射防止膜の形成 実施例1と同様の方法で行った。
【0097】(4)評価 実施例1と同様の方法で行った。結果は、表1に示す。
【0098】(実施例3) (1)コーティング液の調製 実施例2の(1)コーティング液の調製において、イソ
プロピルアルコール118.8g、蒸留水300.0g
とした以外は、実施例2と同様の方法で、(1)コーテ
ィング液の調製、(2)コーティング液の塗布及び硬
化、(3)反射防止膜の形成、(4)評価を行った。結
果は、表1に示す。
【0099】(実施例4)実施例2の(1)コーティン
グ液の調製において、イソプロピルアルコール218.
8g、蒸留水200.0gとした以外は、実施例2と同
様の方法で、(1)コーティング液の調製、(2)コー
ティング液の塗布及び硬化、(3)反射防止膜の形成、
(4)評価を行った。結果は、表1に示す。
【0100】(実施例5)実施例2の(1)コーティン
グ液の調製において、イソプロピルアルコール318.
8g、蒸留水100.0gとした以外は、実施例2と同
様の方法で、(1)コーティング液の調製、(2)コー
ティング液の塗布及び硬化、(3)反射防止膜の形成、
(4)評価を行った。結果は、表1に示す。
【0101】(実施例6) (1)コーティング液の調製 撹拌子を備えた反応容器にγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン139.4g、0.05規定塩酸水溶
液38.2gを投入し、60分撹拌した。次に、イソプ
ロピルアルコール118.8g、0.05規定塩酸水溶
液300.0gを投入し、60分撹拌した後、酸化チタ
ン・酸化ジルコニウム・酸化珪素の複合ゾル(触媒化成
工業株式会社製)403.3g、シリコーン系界面活性
剤(日本ユニカー(株)製、商品名「L−7604」)
0.3gを添加し、充分撹拌した後、ハードコート液と
した。
【0102】(2)コーティング液の塗布及び硬化 実施例1と同様の方法で行った。
【0103】(3)反射防止膜の形成 実施例1と同様の方法で行った。
【0104】(4)評価 実施例1と同様の方法で行った。結果は表1に示す。
【0105】(実施例7) (1)コーティング液の調製 撹拌子を備えた反応容器にγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン93.0g、下記構造式のジシラン化
合物(DS)34.4g、0.05規定塩酸水溶液3
2.8gを投入し、60分撹拌した。次に、1,4−ジ
オキサン100.8g、蒸留水350.0gを投入し、
30分撹拌した後、イソプロピルアルコール分散コロイ
ド状シリカ(触媒化学工業(株)製、商品名「オスカル
1432」)36.7gを投入し30分撹拌した。その
後、酸化チタン・酸化ジルコニウム・酸化珪素の複合ゾ
ル(触媒化成工業株式会社製)330.0gを投入し3
0分撹拌した。さらに、グリセロールジグリシジルエー
テル(ナガセ化成工業(株)製、商品名「デナコールE
X−313」)、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカ
ー(株)製、商品名「L−7604」)0.3gを添加
し、充分撹拌した後、ハードコート液とした。
【0106】DSの構造式
【0107】
【化18】
【0108】(2)コーティング液の塗布及び硬化 コーティング液を塗布するプラスチックレンズ基材を、
セイコーエプソン(株)製、セイコースーパールーシャ
ス用レンズ生地、屈折率1.60に変更した以外は、実
施例1と同様の方法で行った。
【0109】(3)染色 90℃に加熱した水1リットルに、Dianix Bl
ue AC−E(三菱化成ヘキスト株式会社製)1.2
g、Miketon Polyester Red4B
F#300(三井東圧染料株式会社製)0.05g、及
びFSP Red BrownS−N(双葉産業株式会
社製)0.6g、界面活性剤としてママレモン(ライオ
ン油脂株式会社製)3cc、キャリアー剤としてベンジ
ルアルコール30gを添加、撹拌し、染色液とした。
【0110】この染色液に、5分間ハードコート付きレ
ンズを浸漬させた。
【0111】(4)反射防止膜の形成 実施例1と同様の方法で行った。
【0112】(5)評価 実施例1と同様の方法で行った。ただし、染色性につい
ては、以下の方法で評価した。
【0113】染色性 得られた染色レンズを分光光度計DOT−3(株式会社
村上色彩色彩技術研究所製)でCIELAB表色系の
L*値を測定した。
【0114】染色ムラが無く、L*値が、85以下のも
のを良とした。
【0115】結果は、表1に示す。
【0116】(実施例8) (1)コーティング液の調製 撹拌子を備えた反応容器にγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン62.0g、実施例7と同様のジシラ
ン化合物(DS)34.4g、ビニルトリメトキシシラ
ン41.5g、及び0.05規定塩酸水溶液42.3g
を投入し、60分撹拌した。次に、1,4−ジオキサン
94.2g、蒸留水300.0gを投入し、30分撹拌
した後、イソプロピルアルコール分散コロイド状シリカ
(触媒化学工業(株)製、商品名「オスカル143
2」)73.3gを投入し30分撹拌した。その後、酸
化チタン・酸化ジルコニウム・酸化珪素の複合ゾル(触
媒化成工業株式会社製)330.0gを投入し30分撹
拌した。さらに、グリセロールジグリシジルエーテル
(ナガセ化成工業(株)製、商品名「デナコールEX−
313」)22.0g、シリコーン系界面活性剤(日本
ユニカー(株)製、商品名「L−7604」)0.3g
を添加し、充分撹拌した後、ハードコート液とした。
【0117】(2)コーティング液の塗布及び硬化 実施例7と同様の方法で行った。
【0118】(3)染色 実施例7と同様の方法で行った。
【0119】(4)反射防止膜の形成 実施例1と同様の方法で行った。
【0120】(5)評価 実施例7と同様の方法で行った。結果は、表1に示す。
【0121】(比較例1) (1)コーティング液の調製 撹拌子を備えた反応容器にメチルセロソルブ418.8
g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン13
9.4g、0.05規定塩酸水溶液38.2gを投入
し、60分撹拌した。次に、酸化チタン・酸化ジルコニ
ウム・酸化珪素の複合ゾル(触媒化成工業株式会社製)
403.3g、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー
(株)製、商品名「L−7604」)0.3gを添加
し、充分撹拌した後、ハードコート液とした。
【0122】(2)コーティング液の塗布及び硬化 実施例1と同様の方法で行った。
【0123】(3)反射防止膜の形成 実施例1と同様の方法で行った。
【0124】(4)評価 実施例1と同様の方法で行った。結果は、表1に示す。
【0125】(比較例2) (1)コーティング液の調製 撹拌子を備えた反応容器にγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン56.1g、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン78.6g、0.05規定塩
酸水溶液29.1gを投入し、60分撹拌した。次に、
メチルセロソルブ420.2gを投入し、60分撹拌し
た後、酸化チタン・酸化ジルコニウム・酸化珪素の複合
ゾル(触媒化成工業株式会社製)416.0g、シリコ
ーン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「L
−7604」)0.3gを添加し、充分撹拌した後、ハ
ードコート液とした。
【0126】(2)コーティング液の塗布及び硬化 実施例1と同様の方法で行った。
【0127】(3)反射防止膜の形成 実施例1と同様の方法で行った。
【0128】(4)評価 実施例1と同様の方法で行った。結果は、表1に示す。
【0129】(比較例3) (1)コーティング液の調製 撹拌子を備えた反応容器に、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン46.5g、0.05規定塩酸水溶
液12.7gを投入し、60分撹拌した。次に、メチル
セロソルブgを投入し、30分撹拌した後、イソプロピ
ルアルコール分散コロイド状シリカ(触媒化学工業
(株)製、商品名「オスカル1432」)73.3gを
投入し30分撹拌した。その後、酸化チタン・酸化ジル
コニウム・酸化珪素の複合ゾル(触媒化成工業株式会社
製)330.0g、グリセロールジグリシジルエーテル
(ナガセ化成工業(株)製、商品名「デナコールEX−
313」)66.0g、シリコーン系界面活性剤(日本
ユニカー(株)製、商品名「L−7604」)0.3g
を添加し、充分撹拌した後、ハードコート液とした。
【0130】(2)コーティング液の塗布及び硬化 実施例1と同様の方法で行った。
【0131】(3)反射防止膜の形成 実施例7と同様の方法で行った。
【0132】(4)評価 実施例1と同様の方法で行った。結果は、表1に示す。
【0133】
【表1】
【0134】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、充
分な耐摩耗性等の耐久性、無機蒸着膜との密着性、及び
高い屈折率を実現し、かつハードコート加工工程で膜ク
ラックの発生を無くし、高い外観品質と高効率な生産性
を達成できるハードコート加工が簡便な方法で可能にな
る。また、種々の材料及び屈折率を有するプラスチック
レンズ材料に適用可能であり、その効果は、プラスチッ
ク眼鏡レンズに限らず、カメラレンズ、光ビーム集光レ
ンズ等民生あるいは産業用に広く適用することが可能で
あり、その効果は多大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02B 1/10 G02B 1/10 Z 1/11 A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも下記の成分(A)、(B)及び
    (C)を含有することを特徴とするコーティング用組成
    物。 (A)粒径1〜200mμのSi、Al、Sn、Sb、
    Ta、Ce、La、Fe、Zn、W、Zr、In及びT
    iからなる群より選ばれる金属の酸化物の単独微粒子並
    びにこれらの金属の複合微粒子から選ばれる1種又は2
    種以上の混合物。 (B)一般式 【化1】 で表される有機ケイ素化合物(式中、Rは重合可能な
    反応基を有する炭素数が3以上の有機基であり、X
    加水分解性基である。) (C)コーティング用組成物全重量に対し、10〜50
    重量部の水。
  2. 【請求項2】請求項1記載のコーティング用組成物にお
    いて、 さらに下記の成分(D)を含有することを特徴とするコ
    ーティング用組成物。 (D)一般式 【化2】 で表される有機ケイ素化合物(式中、R及びRは炭
    素数1〜6の炭化水素基であり、X及びXは加水分
    解性基であり、Yはカーボネート基又はエポキシ基を含
    有する有機基であり、mは0又は1である。)
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載のコーティング用組
    成物において、 さらに下記の成分(E)を含有することを特徴とするコ
    ーティング用組成物。 (E)多官能性エポキシ化合物
  4. 【請求項4】請求項1又は2に記載のコーティング用組
    成物において、 さらに下記の成分(F)を含有することを特徴とするコ
    ーティング用組成物。 (F)一般式 【化3】 で表される有機ケイ素化合物(式中、R及びRは炭
    素数1〜3の炭化水素基であり、Xは加水分解性基で
    あり、nは0又は1である。)
  5. 【請求項5】請求項1乃至3のいずれかに記載の成分
    (B)、(D)及び(F)の少なくとも1つを、無溶媒
    下で加水分解し、加水分解物及び/又は部分縮合体とし
    て用いることを特徴とするコーティング用組成物の製造
    方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至3のいずれかに記載のコーテ
    ィング用組成物を原料として得られるコート被膜表面に
    無機物質からなる反射防止膜が設けられてなることを特
    徴とする積層体。
  7. 【請求項7】請求項2又は3に記載のコーティング用組
    成物を原料として得られるコート被膜を染色した後に、
    該コート被膜表面に無機物質からなる反射防止膜が設け
    られてなることを特徴とする積層体。
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