JPH11130461A - グレーズ組成物 - Google Patents
グレーズ組成物Info
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- JPH11130461A JPH11130461A JP28999197A JP28999197A JPH11130461A JP H11130461 A JPH11130461 A JP H11130461A JP 28999197 A JP28999197 A JP 28999197A JP 28999197 A JP28999197 A JP 28999197A JP H11130461 A JPH11130461 A JP H11130461A
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- glaze
- composition
- heat resistance
- glaze composition
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱膨張係数の低下を抑制しつつ、更に耐熱性
を向上させ、かつ表面平滑性の優れた新規のグレーズ組
成物を提供すること。 【解決手段】 酸化物重量基準で、SiO2:45〜6
5%、B2O3:10%未満、Al2O3:25%以下、M
gO:0.1〜10%、CaO:1.0〜25%、Sr
O:25%以下、BaO:40%以下、Ta2O5:0.
1〜25%の組成を含むグレーズ組成物。
を向上させ、かつ表面平滑性の優れた新規のグレーズ組
成物を提供すること。 【解決手段】 酸化物重量基準で、SiO2:45〜6
5%、B2O3:10%未満、Al2O3:25%以下、M
gO:0.1〜10%、CaO:1.0〜25%、Sr
O:25%以下、BaO:40%以下、Ta2O5:0.
1〜25%の組成を含むグレーズ組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばセラミック
基板に施釉するためのグレーズ組成物や、封着材料とし
て利用できるグレーズ組成物に関するものである。
基板に施釉するためのグレーズ組成物や、封着材料とし
て利用できるグレーズ組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年では、例えばサーマルヘッド用グレ
ーズとして、高速印字・印画サーマルヘッド用に、耐熱
性に優れるアルカリ金属・鉛を含まないグレーズ組成
物、即ち、SiO2を主成分とする高温グレーズ組成
物が主流となってきている(例えば、特公昭60−55
453号、特公昭61−24345号公報参照)。
ーズとして、高速印字・印画サーマルヘッド用に、耐熱
性に優れるアルカリ金属・鉛を含まないグレーズ組成
物、即ち、SiO2を主成分とする高温グレーズ組成
物が主流となってきている(例えば、特公昭60−55
453号、特公昭61−24345号公報参照)。
【0003】また、これらのものよりも一層耐熱性を向
上させようと、Y2O3,ZrO2等の添加量を増加さ
せる技術も研究されている。例えばY2O3、La2O3を
含むグレーズ組成物(特公平2−10098号公報参
照)、或いはZrO2を含むグレーズ組成物(特公平7
−108793号公報参照)が知られている。
上させようと、Y2O3,ZrO2等の添加量を増加さ
せる技術も研究されている。例えばY2O3、La2O3を
含むグレーズ組成物(特公平2−10098号公報参
照)、或いはZrO2を含むグレーズ組成物(特公平7
−108793号公報参照)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
のSiO2を主成分とする従来のグレーズ組成物では、
その屈服点が700〜796℃と低く、これでは最近の
ファクシミリ、プリンタの高速化に十分に対応できな
い。
のSiO2を主成分とする従来のグレーズ組成物では、
その屈服点が700〜796℃と低く、これでは最近の
ファクシミリ、プリンタの高速化に十分に対応できな
い。
【0005】また、前記の希土類酸化物等を添加する
技術では、屈服点が800〜830℃と耐熱性は向上し
ているが、近年のプリンタの小型化、高速化のニーズに
沿って、更に添加量を増してグレーズの耐熱性を向上さ
せようとすると、表面平滑性が損なわれたり、熱膨張係
数が低下してセラミック基板との熱膨張差が増大してし
まうという問題があった。
技術では、屈服点が800〜830℃と耐熱性は向上し
ているが、近年のプリンタの小型化、高速化のニーズに
沿って、更に添加量を増してグレーズの耐熱性を向上さ
せようとすると、表面平滑性が損なわれたり、熱膨張係
数が低下してセラミック基板との熱膨張差が増大してし
まうという問題があった。
【0006】本発明は、従来のグレーズ組成物で生じる
前記の問題点を克服し、熱膨張係数の低下を抑制しつ
つ、更に耐熱性を向上させ、かつ表面平滑性の優れた新
規のグレーズ組成物を提供することを目的とする。
前記の問題点を克服し、熱膨張係数の低下を抑制しつ
つ、更に耐熱性を向上させ、かつ表面平滑性の優れた新
規のグレーズ組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の請求項1の発明では、酸化物重量基準で、SiO2を
45%以上、B2O3を10%未満、及びアルカリ土類酸
化物を含むSiO2−Al2O3−アルカリ土類酸化物系
のグレーズ組成物において、MgOを0.1〜10%含
み、Ta2O5を0.1〜25%含むこと特徴とするグレ
ーズ組成物を要旨とする。
の請求項1の発明では、酸化物重量基準で、SiO2を
45%以上、B2O3を10%未満、及びアルカリ土類酸
化物を含むSiO2−Al2O3−アルカリ土類酸化物系
のグレーズ組成物において、MgOを0.1〜10%含
み、Ta2O5を0.1〜25%含むこと特徴とするグレ
ーズ組成物を要旨とする。
【0008】請求項2の発明は、酸化物重量基準で、S
iO2:45〜65%、B2O3:10%未満、Al
2O3:25%以下、MgO:0.1〜10%、CaO:
1.0〜25%、SrO:25%以下、BaO:40%
以下、Ta2O5:0.1〜25%の組成を含むことを特
徴とするグレーズ組成物を要旨とする。
iO2:45〜65%、B2O3:10%未満、Al
2O3:25%以下、MgO:0.1〜10%、CaO:
1.0〜25%、SrO:25%以下、BaO:40%
以下、Ta2O5:0.1〜25%の組成を含むことを特
徴とするグレーズ組成物を要旨とする。
【0009】請求項3の発明は、Ta2O5は10〜25
%であることを特徴とする請求項2に記載のグレーズ組
成物を要旨とする。請求項4の発明は、Al2O3は7〜
25%、BaOは0.1〜13%であること特徴とする
請求項2又は3に記載のグレーズ組成物を要旨とする。
%であることを特徴とする請求項2に記載のグレーズ組
成物を要旨とする。請求項4の発明は、Al2O3は7〜
25%、BaOは0.1〜13%であること特徴とする
請求項2又は3に記載のグレーズ組成物を要旨とする。
【0010】請求項5の発明は、CaO:8〜15%、
SrO:1〜7%、MgO:0.1〜5%、BaO:7
〜13%であり、ガラス屈服点が830℃以上であるこ
とを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のグレー
ズ組成物を要旨とする。尚、本明細書中の%は、特に説
明しない場合は全て重量%である(酸化物は酸化物基準
の重量%)。
SrO:1〜7%、MgO:0.1〜5%、BaO:7
〜13%であり、ガラス屈服点が830℃以上であるこ
とを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のグレー
ズ組成物を要旨とする。尚、本明細書中の%は、特に説
明しない場合は全て重量%である(酸化物は酸化物基準
の重量%)。
【0011】ここで、前記グレーズ組成物には、溶融の
過程で、必要に応じて、CaF2、Na2SiF6等のフ
ッ化物、Na2SO4、K2SO4等の硫酸塩、As2O3、
Sb 2O3といった清澄剤を添加してもよい。また、通
常、サーマルヘッドに使用される最も望ましいセラミッ
ク基板材質としては、機械的強度、熱伝導率、価格等の
点から、アルミナが用いられることが多いが、本発明の
グレーズ組成物は、アルミナに対して熱膨張係数その他
諸特性において極めて良く適合するものである。更に、
アルミナ以外のセラミック基板の材質としては、ベリリ
ア、炭化珪素等の材質を採用できる。
過程で、必要に応じて、CaF2、Na2SiF6等のフ
ッ化物、Na2SO4、K2SO4等の硫酸塩、As2O3、
Sb 2O3といった清澄剤を添加してもよい。また、通
常、サーマルヘッドに使用される最も望ましいセラミッ
ク基板材質としては、機械的強度、熱伝導率、価格等の
点から、アルミナが用いられることが多いが、本発明の
グレーズ組成物は、アルミナに対して熱膨張係数その他
諸特性において極めて良く適合するものである。更に、
アルミナ以外のセラミック基板の材質としては、ベリリ
ア、炭化珪素等の材質を採用できる。
【0012】
【発明の実施の形態】従来、グレーズの耐熱性を向上さ
せるためには、ガラス骨格を形成するSiO 2の含有量
を増す、或いはY2O3等の希土類酸化物やZrO2を添
加するといった手法が知られている。
せるためには、ガラス骨格を形成するSiO 2の含有量
を増す、或いはY2O3等の希土類酸化物やZrO2を添
加するといった手法が知られている。
【0013】しかしながら、前者の場合、耐熱性を向上
させる程、溶融粘性が上がりガラスの作製が困難になる
と共に、平滑なグレーズ表面が得られにくくなってしま
う。一方、後者の例えばZrO2を添加すると、耐熱性
は著しく向上するが、反対に熱膨張係数は著しく低下
し、セラミック基板との熱膨張差が大きくなってしま
い、また例えばY2O3を添加すると、耐熱性,熱膨張係
数ともに増大させることができるが、耐熱性の大幅な向
上は期待できない。 <請求項1>そこで、本発明者らが研究を進めた結果、
Ta2O5を添加することにより、熱膨張係数をほとんど
低下させることなく、かつグレーズ表面平滑性を損なう
ことなく、大幅に耐熱性を向上し得ることを見いだし、
本発明を完成した。
させる程、溶融粘性が上がりガラスの作製が困難になる
と共に、平滑なグレーズ表面が得られにくくなってしま
う。一方、後者の例えばZrO2を添加すると、耐熱性
は著しく向上するが、反対に熱膨張係数は著しく低下
し、セラミック基板との熱膨張差が大きくなってしま
い、また例えばY2O3を添加すると、耐熱性,熱膨張係
数ともに増大させることができるが、耐熱性の大幅な向
上は期待できない。 <請求項1>そこで、本発明者らが研究を進めた結果、
Ta2O5を添加することにより、熱膨張係数をほとんど
低下させることなく、かつグレーズ表面平滑性を損なう
ことなく、大幅に耐熱性を向上し得ることを見いだし、
本発明を完成した。
【0014】つまり、本発明では、SiO2を45%以
上、B2O3を10%未満、及びアルカリ土類酸化物を含
むSiO2−Al2O3−アルカリ土類酸化物系のグレー
ズ組成物において、Ta2O5を0.1〜25%含むこと
により、熱膨張係数をほとんど低下させることなく、か
つグレーズ表面平滑性を損なうことなく、大幅に耐熱性
を向上することができる。
上、B2O3を10%未満、及びアルカリ土類酸化物を含
むSiO2−Al2O3−アルカリ土類酸化物系のグレー
ズ組成物において、Ta2O5を0.1〜25%含むこと
により、熱膨張係数をほとんど低下させることなく、か
つグレーズ表面平滑性を損なうことなく、大幅に耐熱性
を向上することができる。
【0015】また、上述の様に、Ta2O5を添加したグ
レーズ組成物は、例えばセラミック基板表面全体を覆う
全面グレーズを施した際には、表面平滑性、耐熱性とも
に良好であるが、線状にグレーズを形成するライングレ
ーズのパターンニングを施した場合には、必ずしも望ま
しいライン性(まっすぐに線がひける性質)が得られる
とは限らない。
レーズ組成物は、例えばセラミック基板表面全体を覆う
全面グレーズを施した際には、表面平滑性、耐熱性とも
に良好であるが、線状にグレーズを形成するライングレ
ーズのパターンニングを施した場合には、必ずしも望ま
しいライン性(まっすぐに線がひける性質)が得られる
とは限らない。
【0016】そこで、更に研究を進めた結果、MgOを
含有した場合に、Ta2O5との相乗効果によって、ライ
ン性が向上することを見いだして、この発明を完成し
た。つまり、更にMgOを0.1〜10%含むことによ
り、ライン性を大きく向上することができる。
含有した場合に、Ta2O5との相乗効果によって、ライ
ン性が向上することを見いだして、この発明を完成し
た。つまり、更にMgOを0.1〜10%含むことによ
り、ライン性を大きく向上することができる。
【0017】尚、後述する様に、前記範囲のSiO
2は、耐熱性を確保するために必要であり、B2O3は、
良好な表面平滑性を確保するために必要であり、アルカ
リ土類酸化物は、ガラス化範囲を広げる上で必要であ
る。以下では、本発明のグレーズ組成物の各成分の含有
量を、上記のように限定した理由を、各成分毎に具体的
に示す。 <請求項2> (SiO2)本発明におけるガラス形成酸化物として必
要不可欠であり、45%未満では耐熱性が低くなるとと
もに、化学的耐久性が低くなってしまう。一方、65%
を越えると溶融粘性が高くなり(流動性が低くなり)、
ガラスの作製が困難になるとともに、グレーズ焼成時に
良好な平滑性が得られなくなる。
2は、耐熱性を確保するために必要であり、B2O3は、
良好な表面平滑性を確保するために必要であり、アルカ
リ土類酸化物は、ガラス化範囲を広げる上で必要であ
る。以下では、本発明のグレーズ組成物の各成分の含有
量を、上記のように限定した理由を、各成分毎に具体的
に示す。 <請求項2> (SiO2)本発明におけるガラス形成酸化物として必
要不可欠であり、45%未満では耐熱性が低くなるとと
もに、化学的耐久性が低くなってしまう。一方、65%
を越えると溶融粘性が高くなり(流動性が低くなり)、
ガラスの作製が困難になるとともに、グレーズ焼成時に
良好な平滑性が得られなくなる。
【0018】(B2O3)SiO2と共にガラス形成酸化
物として働き、10%以上では耐熱性が著しく損なわれ
る。 (Al2O3)耐熱性を向上させるために添加するもの
で、25%より多いと泡抜けが悪くなると共に結晶化し
やすくなる。一方、高耐熱性(ガラス屈服点800℃以
上)を得るためには、7%以上が望ましい。
物として働き、10%以上では耐熱性が著しく損なわれ
る。 (Al2O3)耐熱性を向上させるために添加するもの
で、25%より多いと泡抜けが悪くなると共に結晶化し
やすくなる。一方、高耐熱性(ガラス屈服点800℃以
上)を得るためには、7%以上が望ましい。
【0019】(アルカリ土類酸化物)SrO,MgO,
BaOについては、CaOを一部あるいは全部を置換し
て、熱膨張係数を調節するとともに、混合アルカリ効果
と同様に、複数のアルカリ土類酸化物を組み合わせるこ
とにより、ガラス化範囲を広げる効果があるが、SrO
で25%、MgOで10%、BaOで40%を各々越え
ると、結晶化傾向が著しくなる。
BaOについては、CaOを一部あるいは全部を置換し
て、熱膨張係数を調節するとともに、混合アルカリ効果
と同様に、複数のアルカリ土類酸化物を組み合わせるこ
とにより、ガラス化範囲を広げる効果があるが、SrO
で25%、MgOで10%、BaOで40%を各々越え
ると、結晶化傾向が著しくなる。
【0020】また、MgOについては、Ta2O5との相
乗効果により、ライングレーズのパターンニングを施し
た際のライン性が向上するが、MgOが0.1%未満で
はその効果が明瞭でない。 (Ta2O5)熱膨張係数を大きく低下させることなく、
耐熱性を向上させるために添加するもので、0.1%よ
り少ないとその効果が明瞭でなく、25%を越えると結
晶化傾向が著しくなる。 <請求項3>Ta2O5は、10%以上であると、より一
層高い耐熱性が得られるので好適である。 <請求項4>SiO2の含有量が多く、かつAl2O3を
7%以上含む様な高温グレーズの場合、熱膨張係数が例
えばアルミナ基板の65×10-7[℃-1]をかなり下回
るため、熱膨張係数の合わせ込みのため、BaOを含有
させるが、0.1%以下ではその効果が明瞭でなく、1
3%を越えるとグレーズ表面状態の悪化が見られる。
乗効果により、ライングレーズのパターンニングを施し
た際のライン性が向上するが、MgOが0.1%未満で
はその効果が明瞭でない。 (Ta2O5)熱膨張係数を大きく低下させることなく、
耐熱性を向上させるために添加するもので、0.1%よ
り少ないとその効果が明瞭でなく、25%を越えると結
晶化傾向が著しくなる。 <請求項3>Ta2O5は、10%以上であると、より一
層高い耐熱性が得られるので好適である。 <請求項4>SiO2の含有量が多く、かつAl2O3を
7%以上含む様な高温グレーズの場合、熱膨張係数が例
えばアルミナ基板の65×10-7[℃-1]をかなり下回
るため、熱膨張係数の合わせ込みのため、BaOを含有
させるが、0.1%以下ではその効果が明瞭でなく、1
3%を越えるとグレーズ表面状態の悪化が見られる。
【0021】つまり、より高耐熱性を得るためには、A
l2O3は7%以上が望ましいが、この様な結晶化しやす
い組成においても、BaOが13%以下であれば、グレ
ーズの表面平滑性を損ねることなく、熱膨張係数が例え
ばアルミナ基板に近いグレーズ組成物が得られる。 <請求項5>耐熱性に優れ(屈服点≧830℃)、セラ
ミック基板(例えばアルミナ基板)との熱膨張のマッチ
ングが良く、かつ泡抜け性、ライン性共に良好なグレー
ズ組成物を得るためには、CaO:8〜15%、Sr
O:1〜7%、MgO:0.1〜5%、BaO:7〜1
3%であることが望ましい。この場合、各成分が各々の
機能を発揮して効果を奏するとともに、各成分が相乗的
に機能して、この様な複合的な効果を発揮する。
l2O3は7%以上が望ましいが、この様な結晶化しやす
い組成においても、BaOが13%以下であれば、グレ
ーズの表面平滑性を損ねることなく、熱膨張係数が例え
ばアルミナ基板に近いグレーズ組成物が得られる。 <請求項5>耐熱性に優れ(屈服点≧830℃)、セラ
ミック基板(例えばアルミナ基板)との熱膨張のマッチ
ングが良く、かつ泡抜け性、ライン性共に良好なグレー
ズ組成物を得るためには、CaO:8〜15%、Sr
O:1〜7%、MgO:0.1〜5%、BaO:7〜1
3%であることが望ましい。この場合、各成分が各々の
機能を発揮して効果を奏するとともに、各成分が相乗的
に機能して、この様な複合的な効果を発揮する。
【0022】尚、各成分の合計は、グレーズ組成物の9
0%以上であると、その組成のよる効果を十分に発揮で
きるので好適であるが、不可避不純物を除き100%で
あることが一層好ましい。
0%以上であると、その組成のよる効果を十分に発揮で
きるので好適であるが、不可避不純物を除き100%で
あることが一層好ましい。
【0023】
【実施例】次に、本発明のグレーズ組成物の実施例とし
て、セラミック基板用グレーズ組成物を、その製造方法
とともに説明する。溶融物が、下記表1の組成となるよ
うに、SiO2、Al(OH)3、H3BO3、(MgCO
3)4・Mg(OH)2・5H2O、CaCO3、SrC
O3、BaCO 3、Ta2O5、ZnO、Y2O3、La
2O3、ZrO2の粉末を各々秤量し、擂潰機にて混合し
た。この混合物を、白金・ロジウムルツボ中で1400
〜1550℃で3〜5時間溶融し、急水冷して、本発明
の範囲(実施例)のグレーズ組成物の試料No.1〜7、
及び本発明の範囲外(比較例)のグレーズ組成物の試料
No.8〜12を調整した。
て、セラミック基板用グレーズ組成物を、その製造方法
とともに説明する。溶融物が、下記表1の組成となるよ
うに、SiO2、Al(OH)3、H3BO3、(MgCO
3)4・Mg(OH)2・5H2O、CaCO3、SrC
O3、BaCO 3、Ta2O5、ZnO、Y2O3、La
2O3、ZrO2の粉末を各々秤量し、擂潰機にて混合し
た。この混合物を、白金・ロジウムルツボ中で1400
〜1550℃で3〜5時間溶融し、急水冷して、本発明
の範囲(実施例)のグレーズ組成物の試料No.1〜7、
及び本発明の範囲外(比較例)のグレーズ組成物の試料
No.8〜12を調整した。
【0024】尚、比較例の試料No.11,12は、(T
a2O5を含まない)グレーズ組成物である。これらグレ
ーズ組成物の試料No.1〜12のガラス屈服点、軟化
点、熱膨張係数を、下記〜の様にして、熱機械分析
(TMA)及び示差熱分析により求めた。その結果を下
記表2に示す。
a2O5を含まない)グレーズ組成物である。これらグレ
ーズ組成物の試料No.1〜12のガラス屈服点、軟化
点、熱膨張係数を、下記〜の様にして、熱機械分析
(TMA)及び示差熱分析により求めた。その結果を下
記表2に示す。
【0025】ガラス屈服点 ガラス屈服点は、耐熱性を示す指標であり、φ3〜5m
m×長さ20mmの円柱状のガラス試験片を作成し、熱
膨張を測定して、膨張曲線の頂点の温度を計測して定め
た。
m×長さ20mmの円柱状のガラス試験片を作成し、熱
膨張を測定して、膨張曲線の頂点の温度を計測して定め
た。
【0026】ガラス軟化点 ガラス軟化点は、同じく耐熱性を示す指標であり、示差
熱分析を行った際に現れる第2番目の吸熱ピークに相当
する温度とした。 熱膨張係数 熱膨張係数は、セラミック基板との接合性を示す指標で
あり(あまり熱膨張係数が基板と離れていると剥がれ易
くなる)、φ3〜5mm×長さ20mmの円柱状のガラ
ス試験片の熱膨張を測定し、100℃から400℃まで
の熱膨張差より計算して求めた。
熱分析を行った際に現れる第2番目の吸熱ピークに相当
する温度とした。 熱膨張係数 熱膨張係数は、セラミック基板との接合性を示す指標で
あり(あまり熱膨張係数が基板と離れていると剥がれ易
くなる)、φ3〜5mm×長さ20mmの円柱状のガラ
ス試験片の熱膨張を測定し、100℃から400℃まで
の熱膨張差より計算して求めた。
【0027】次に、グレーズ組成物の試料No.1〜12
の各々について、アルミナポットで湿式粉砕してガラス
微粉末とし、これをエチルセルロース系バインダ及び有
機溶媒と混合して、印刷用ガラスペーストを調製した。
これを、Al2O3純度96%の50mm×60mm×
0.8mmのアルミナ基板の表面にスクリーン印刷した
後、1200〜1400℃、保持時間2時間で焼き付け
て、グレーズ幅30mmでグレーズ厚み30μmの帯状
にグレーズ部を有するグレーズ基板、及びグレーズ幅1
mmでグレーズ厚み30μmのライングレーズ部を有す
るグレーズ基板を作成した。
の各々について、アルミナポットで湿式粉砕してガラス
微粉末とし、これをエチルセルロース系バインダ及び有
機溶媒と混合して、印刷用ガラスペーストを調製した。
これを、Al2O3純度96%の50mm×60mm×
0.8mmのアルミナ基板の表面にスクリーン印刷した
後、1200〜1400℃、保持時間2時間で焼き付け
て、グレーズ幅30mmでグレーズ厚み30μmの帯状
にグレーズ部を有するグレーズ基板、及びグレーズ幅1
mmでグレーズ厚み30μmのライングレーズ部を有す
るグレーズ基板を作成した。
【0028】そして、グレーズ泡抜け性(グレーズ部の
内部に泡が残留しているかどうか)、ライン性(ライン
グレーズ部が直線を維持しているかどうか)を、顕微鏡
にて調べた。尚、泡抜け性が悪いと、表面に微少な凹凸
が発生するので、泡抜け性により表面平滑性を判断し
た。その結果を同じく表2に記す。
内部に泡が残留しているかどうか)、ライン性(ライン
グレーズ部が直線を維持しているかどうか)を、顕微鏡
にて調べた。尚、泡抜け性が悪いと、表面に微少な凹凸
が発生するので、泡抜け性により表面平滑性を判断し
た。その結果を同じく表2に記す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】この表1,2から明かな様に、Ta2O3を
添加した本発明の範囲の試料No.1〜7は、いずれも光
沢のあるグレーズ面を有しており、試料No.11,12
の比較例と比べても、特に外観上の有意差は見られなか
った。また、本発明品は、ガラス屈服点がいずれも83
0℃以上と高く耐熱性に優れており、熱膨張係数も大き
く例えばアルミナ基板に近く好適である。しかも、泡抜
け性(従って表面平滑性)に優れるとともに、ライン性
にも優れている。
添加した本発明の範囲の試料No.1〜7は、いずれも光
沢のあるグレーズ面を有しており、試料No.11,12
の比較例と比べても、特に外観上の有意差は見られなか
った。また、本発明品は、ガラス屈服点がいずれも83
0℃以上と高く耐熱性に優れており、熱膨張係数も大き
く例えばアルミナ基板に近く好適である。しかも、泡抜
け性(従って表面平滑性)に優れるとともに、ライン性
にも優れている。
【0032】しかしながら、比較例の試料No.8,9で
は、ライン性が悪く、試料No.9では、耐熱性は高いも
のの、泡抜け性及びライン性が低い。また、試料No.1
0では、焼付け条件を変えても、ガラス未溶融あるいは
結晶化により、良好なグレーズ面が得られなかった。更
に、比較例の試料11,12は、ガラス屈服点が830
℃を下回っていた。
は、ライン性が悪く、試料No.9では、耐熱性は高いも
のの、泡抜け性及びライン性が低い。また、試料No.1
0では、焼付け条件を変えても、ガラス未溶融あるいは
結晶化により、良好なグレーズ面が得られなかった。更
に、比較例の試料11,12は、ガラス屈服点が830
℃を下回っていた。
【0033】この様に、本発明のグレーズ組成物は、特
にTa2O3を所定量含有しているので、熱膨張係数をほ
とんど低下させることなく、かつグレーズ表面平滑性を
損なうことなく、大幅に耐熱性を向上させることができ
る。また、MgOを所定量含んでいることにより、ライ
ン性にも優れている。
にTa2O3を所定量含有しているので、熱膨張係数をほ
とんど低下させることなく、かつグレーズ表面平滑性を
損なうことなく、大幅に耐熱性を向上させることができ
る。また、MgOを所定量含んでいることにより、ライ
ン性にも優れている。
【0034】更に、Al2O3が7%以上の結晶化し易い
組成であっても(試料No.1,2,4〜6)、BaOを
13%以下の範囲で含む場合には、グレーズ表面平滑性
を損なうことなく、熱膨張係数がアルミナ基板に近いグ
レーズ組成物が得られるという利点がある。
組成であっても(試料No.1,2,4〜6)、BaOを
13%以下の範囲で含む場合には、グレーズ表面平滑性
を損なうことなく、熱膨張係数がアルミナ基板に近いグ
レーズ組成物が得られるという利点がある。
【0035】従って、上述した組成のグレーズ組成物
を、セラミック基板表面を覆うセラミック基板用グレー
ズ組成物、即ち、セラミック基板に施釉するためのグレ
ーズ組成物として用いることができる。よって、例えば
ファクシミリ用のサーマルヘッドや、サーマルプリンタ
用グレーズ基板等の各種のグレーズ基板に好適に適用す
ることができる。
を、セラミック基板表面を覆うセラミック基板用グレー
ズ組成物、即ち、セラミック基板に施釉するためのグレ
ーズ組成物として用いることができる。よって、例えば
ファクシミリ用のサーマルヘッドや、サーマルプリンタ
用グレーズ基板等の各種のグレーズ基板に好適に適用す
ることができる。
【0036】尚、本発明は前記実施例になんら限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の態様で実施しうることはいうまでもない。例え
ば本発明のグレーズ組成物は、上述した様に、セラミッ
ク基板に施釉するためのグレーズ組成物として用いるこ
とができるだけでなく、例えばセラミックスやガラスの
様な高融点材料同士の接着等に使用する封着材料として
も利用できる。
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の態様で実施しうることはいうまでもない。例え
ば本発明のグレーズ組成物は、上述した様に、セラミッ
ク基板に施釉するためのグレーズ組成物として用いるこ
とができるだけでなく、例えばセラミックスやガラスの
様な高融点材料同士の接着等に使用する封着材料として
も利用できる。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のグレーズ
組成物は、化学的耐久性及び電気絶縁性だけでなく、流
動性及び表面平滑性に優れたSiO2−Al2O3−RO
(アルカリ土類酸化物)系グレーズであるので、例えば
ファクシミリ・サーマルプリンタ等のサーマルヘッド用
グレーズ組成物として好適に利用することができる。
組成物は、化学的耐久性及び電気絶縁性だけでなく、流
動性及び表面平滑性に優れたSiO2−Al2O3−RO
(アルカリ土類酸化物)系グレーズであるので、例えば
ファクシミリ・サーマルプリンタ等のサーマルヘッド用
グレーズ組成物として好適に利用することができる。
【0038】特に、本発明のグレーズ組成物は、熱膨張
係数の低下を抑制しつつ、耐熱性を大きく向上させ、か
つ表面平滑性を向上させることができるという顕著な効
果を奏する。
係数の低下を抑制しつつ、耐熱性を大きく向上させ、か
つ表面平滑性を向上させることができるという顕著な効
果を奏する。
Claims (5)
- 【請求項1】 酸化物重量基準で、SiO2を45%以
上、B2O3を10%未満、及びアルカリ土類酸化物を含
むSiO2−Al2O3−アルカリ土類酸化物系のグレー
ズ組成物において、 MgOを0.1〜10%含み、Ta2O5を0.1〜25
%含むこと特徴とするグレーズ組成物。 - 【請求項2】 酸化物重量基準で、SiO2:45〜6
5%、B2O3:10%未満、Al2O3:25%以下、M
gO:0.1〜10%、CaO:1.0〜25%、Sr
O:25%以下、BaO:40%以下、Ta2O5:0.
1〜25%の組成を含むことを特徴とするグレーズ組成
物。 - 【請求項3】 前記Ta2O5は10〜25%であること
を特徴とする前記請求項2に記載のグレーズ組成物。 - 【請求項4】 前記Al2O3は7〜25%、BaOは
0.1〜13%であること特徴とする前記請求項2又は
3に記載のグレーズ組成物。 - 【請求項5】 CaO:8〜15%、SrO:1〜7
%、MgO:0.1〜5%、BaO:7〜13%であ
り、ガラス屈服点が830℃以上であることを特徴とす
る前記請求項2〜4のいずれかに記載のグレーズ組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28999197A JPH11130461A (ja) | 1997-10-22 | 1997-10-22 | グレーズ組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28999197A JPH11130461A (ja) | 1997-10-22 | 1997-10-22 | グレーズ組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11130461A true JPH11130461A (ja) | 1999-05-18 |
Family
ID=17750373
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28999197A Pending JPH11130461A (ja) | 1997-10-22 | 1997-10-22 | グレーズ組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11130461A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000351649A (ja) * | 1999-06-08 | 2000-12-19 | Asahi Glass Co Ltd | 基板用ガラスおよびガラス基板 |
KR100387919B1 (ko) * | 2000-08-22 | 2003-06-18 | 김대진 | 도자기용 유약의 제조 및 도포방법 |
-
1997
- 1997-10-22 JP JP28999197A patent/JPH11130461A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000351649A (ja) * | 1999-06-08 | 2000-12-19 | Asahi Glass Co Ltd | 基板用ガラスおよびガラス基板 |
KR100387919B1 (ko) * | 2000-08-22 | 2003-06-18 | 김대진 | 도자기용 유약의 제조 및 도포방법 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050519 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060801 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20061205 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |