JPH1112622A - 還元鉄製造原料の成形方法 - Google Patents

還元鉄製造原料の成形方法

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JPH1112622A
JPH1112622A JP17135797A JP17135797A JPH1112622A JP H1112622 A JPH1112622 A JP H1112622A JP 17135797 A JP17135797 A JP 17135797A JP 17135797 A JP17135797 A JP 17135797A JP H1112622 A JPH1112622 A JP H1112622A
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JP
Japan
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roll
hearth
double
reduced iron
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JP17135797A
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English (en)
Inventor
Takazo Kawaguchi
尊三 川口
Yasuo Kamei
康夫 亀井
Yoshihisa Nakamura
義久 中村
Koichi One
公一 大根
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回転炉床上への装入時における原料層厚を増大
させずに原料被覆率を安定して高め得る原料の成形方法
を提供する。 【解決手段】粉状鉄原料と粉状固体還元剤の混合物を、
回転炉床の上方で、二つのロール軸が回転炉床の移動方
向と直交する方向に設置されたダブルロール圧縮機で圧
縮成形し、前記回転炉床上に装入し、焼成して還元鉄を
製造するに際し、(1)ロール径が炉床の内周側から外
周側に向かうにつれて大きくなるテーパー付きロールを
備えるダブルロール圧縮機を使用する、または(2)原
料装入時における原料被覆率をサーモビュアー等のセン
サーを用いて計測し、この原料被覆率があらかじめ定め
た値となるようにダブルロール圧縮機のロールの回転速
度を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉状の鉄鉱石や鉄
分を含んだダスト、スラッジ、スケール等の粉状鉄原料
と石炭、コークス等の粉状固体還元剤とを混合した原料
を炉床が水平に回転移動する加熱炉に装入して還元鉄を
製造する際の原料の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、粉状の鉄鉱石と粉状固体還元剤と
を混合して塊成化し、これを炉床が水平に回転移動する
加熱炉床(以下、「回転炉床」といい、この炉床を有す
る炉を「回転床炉」という)に装入して還元鉄を製造す
る技術が注目されている。
【0003】この回転床炉は古くからあるロータリーキ
ルン炉とは異なり、設備コストが安価であるのが特徴で
あるが、一方、炉床が水平に回転するために原料の装入
および製品の排出に配慮が必要である。その技術の代表
的なものとしては、粉状の鉄鉱石と固体還元剤とを混合
して塊成化物(ペレット)となし、これを高温に加熱す
ることにより鉄鉱石中の酸化鉄を還元して固体状金属鉄
とする技術がある(例えば、米国特許第3,443,9
31号明細書、特開平7−238307号公報)。
【0004】図1は、加熱を回転床炉を用いて行う従来
の還元鉄の製造プロセスの一例の概略図である。図示す
るように、粉鉄鉱石と粉石炭にバインダーとしてのベン
トナイトを添加し、混練機で、さらに水分とタールを添
加して混合する。この混合原料をペレタイザーまたはダ
ブルロール圧縮機で塊成化し、回転床炉の原料装入部へ
移送して炉内へ装入し、炉床の移動に伴って1回転させ
る間に鉄鉱石中の酸化鉄を高温還元して固体状金属鉄と
する。得られた金属鉄は排出部から取り出される。
【0005】上記の還元鉄の製造方法において、粉状鉄
原料としては、粉状の鉄鉱石の他に、製鉄所で発生する
鉄分を含んだ各種のダストやスラッジ、スケールなどが
使用でき、また、粉状固体還元剤としては、石炭、コー
クス、チャー、オイルコークスなどが使用可能である。
これら鉄原料や固体還元剤は、場合によっては乾燥処
理、破砕処理が施される。
【0006】粉状鉄原料と粉状固体還元剤は、次いで混
練処理されるが、その際、必要に応じてバインダーとし
ての水分、タール、糖蜜、有機系樹脂、セメント、スラ
グ、ベントナイト、生石灰、軽焼ドロマイト、消石灰が
添加される。
【0007】混練された原料は、デスクペレタイザイー
により球状のペレットに、またはダブルロール圧縮機に
よりブリケットに塊成化される。この場合、ペレットに
するためには粒径が0.1mm以下の粒度の原料が適
し、ブリッケトには粒径が1mm以下の粒度のものが適
するので、あらかじめ所定の粒度に微粉砕する必要があ
る。また、塊成化物(上記のペレット、ブリケットを指
す)の強度を高めるため、塊成化後に乾燥処理または養
生処理が施される場合もある。
【0008】得られた塊成化物は、ベルトコンベヤーで
回転床炉の上部に送られ、そこから回転炉床上に幅広く
分散するように装入シュートを用いて装入され、レベラ
ーによりならされる。続いて、炉内を移動する間に加熱
還元され、金属鉄となる。
【0009】回転床炉内は、炉内に燃料ガスと空気を送
り込み燃料ガスを燃焼させることによって1100〜1
300℃の炉内温度が確保されている。この回転床炉の
炉床上に上記塊成化物が10〜20mmの薄い層状に敷
かれ、主に炉内壁からの輻射熱で900℃以上に加熱さ
れ、還元焼結されて、所定の金属化率に達すれば、製品
として炉外へ排出される。
【0010】このように、回転床炉での加熱は炉内壁か
ら原料層(薄層)への熱の輻射によって行われるため、
原料への着熱は主に薄層の表面から行われるので、薄層
の面積あたり(すなわち、炉床の単位面積あたり)の受
熱量は同一である。
【0011】このような加熱条件下においては、原料全
体を効率よく900℃以上に昇温するためには、炉床に
原料が敷かれていない部分を作らないことが重要であ
り、炉床面を原料で覆う比率(以下、「原料被覆率」と
いう)を大きすることが必要である。しかし、原料被覆
率を高めるために原料層厚を大きくすると、原料層内で
の伝導伝熱の原理、すなわち「熱伝導時間は層厚の自乗
に比例する」という原理から、原料全体を昇温するに要
する時間はかえって大幅に延長する。
【0012】図5は成形原料による炉床面の被覆の状態
を模式的に示す図で、(a)は被覆率が低い場合、
(b)は被覆率が高い場合である。被覆率が低い場合は
炉床面に隙間が多く、加熱効率はよくない。一方、被覆
率が高く、100%あるいはそれに近い場合は、成形原
料が重なり合い、原料層厚が増して、やはり原料全体の
加熱効率が低下する。
【0013】このため、原料被覆率を大きすることが必
要であるとともに、原料層厚は極力薄くすること、すな
わち、ペレットやブリッケトにあっては1個の厚みで原
料層を形成することが必要になる。しかし、原料装入部
において、ペレットやブリッケトを薄く敷くと、これら
の形状が球形もしくは楕円体形であって、原料と原料の
間に空間が存在するので、原料被覆率が低下し、ひいて
は還元鉄の生産性が低下する。
【0014】一方、本発明者らは、ダブルロール圧縮機
を回転床炉の原料装入部の直上で二つのロール軸が回転
炉床の移動方向と直交するように配置することにより、
ロール出口(ロール間の隙間)を回転炉床の幅方向全体
にわたって1列になるように設け、成形原料を、強い衝
撃を与えることなく炉床の幅方向に均一に分散させ、層
厚が薄く、しかも原料被覆率が低下しないように装入す
る方法を提案した(特願平9−140782号)。
【0015】しかしながら、このような方法を用いて
も、十分に高くかつ安定した原料被覆率は得られない。
その原因の一つは、焼成炉の床が方形ではなく円形をな
していることにある。すなわち、ダブルロール圧縮機の
ロールは一定の回転速度で回転してるので原料の供給速
度は炉床の幅方向で一定とみなし得るが、原料を受け取
る炉床は円形であるため、炉床の外周側は内周側に較べ
て移動速度が大きく、炉床の単位面積あたりの原料の供
給速度は外周ほど小さくなっている。そのため、成形原
料の厚みから炉床の内周側の原料供給速度を決定すれ
ば、外周側は炉床の移動速度の大きい分だけ原料供給量
が不足し、原料被覆率が低下することになる。逆に、外
周側の原料供給速度に合わせれば、内周側で原料供給量
が過剰となって層厚が増し、むら焼成の原因となり、い
ずれの場合も、還元鉄の生産性は低下する。
【0016】さらに、原料全体の供給速度は経時的には
必ずしも一定で安定しているとは限らず、変動を繰り返
していることも、高くかつ安定した原料被覆率が得られ
ない原因としてあげられる。炉床の回転速度も、製品の
金属化率に応じて調整する場合があり、常に一定とは限
らない。また、原料を回転炉床上に所定の層厚および原
料被覆率で装入するに際し規定されるのは体積である
が、計量は質量でなされてお、必ずしも所定の体積の原
料が供給されているわけではない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の還元
鉄の製造技術における上記の問題を解決することを課題
としてなされたものである。本発明の具体的な目的は、
粉状の鉄鉱石と粉状固体還元剤とを混合し成形した原料
を回転床炉に装入するに際し、原料層厚を増大させるこ
となく炉床面に対する原料被覆率を安定して上昇させ得
る原料の成形方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明者らは、回転炉床の上方に設置されたダブル
ロール圧縮機で原料を成形する際に、炉床の内周側から
外周側に向かうにつれて直径を大きくしたテーパー付き
ロールを有するダブルロール圧縮機を使用したところ、
好結果が得られた。また、炉床上に原料が装入された直
後の原料被覆率をセンサーで検知し、その値に基づいて
ダブルロール圧縮機のロールの回転速度を制御すること
により原料の供給速度を調整し、原料被覆率を安定して
上昇させ得ることを確認した。
【0019】本発明の要旨は、下記(1)および(2)
の還元鉄製造原料の成形方法にある。
【0020】(1)粉状鉄原料と粉状固体還元剤の混合
物を、回転炉床の上方で、二つのロール軸が加熱炉床の
移動方向と直交する方向に設置されたダブルロール圧縮
機で圧縮成形し、前記回転炉床上に装入し、焼成して還
元鉄を製造するに際し、ロール径が炉床の内周側から外
周側に向かうにつれて大きくなるテーパー付きロールを
備えるダブルロール圧縮機を使用することを特徴とする
還元鉄製造原料の成形方法。
【0021】(2)粉状鉄原料と粉状固体還元剤の混合
物を、回転炉床の上方で、二つのロール軸が炉床の移動
方向と直交する方向に設置されたダブルロール圧縮機で
圧縮成形し、前記回転炉床上に装入し、焼成して還元鉄
を製造するに際し、原料装入時における原料被覆率を計
測し、この原料被覆率があらかじめ定めた値となるよう
にダブルロール圧縮機のロールの回転速度を調整するこ
とを特徴とする還元鉄製造原料の成形方法。
【0022】ここで、「粉状鉄原料」とは、酸化鉄が主
成分の粉状の鉄原料であり、具体的には、前述した粉状
の鉄鉱石や製鉄所で発生する鉄分を含んだダスト、スラ
ッジ(例えば、焼結機発生ダスト、高炉発生ダスト、転
炉発生ダスト、圧延工場発生スラッジ)、スケール等を
いう。本発明においては、これらを単独で、または2種
以上の混合物状態で使用することができる。
【0023】「粉状固体還元剤」とは、石炭、コーク
ス、チャー、オイルコークス等の、主に炭素を含む固体
物質の粉末である。これらも、単独で、または2種以上
組み合わせて使用することができる。
【0024】また、「成形原料」とは、粉状鉄原料と粉
状固体還元剤の混合原料をダブルロール圧縮機で成形し
たもので、ブリケットに限らず、平板のタイル状、シー
ト状のものなど、種々の形態の成形原料をいう。
【0025】なお、上記(2)の還元鉄製造原料の成形
方法においては、原料被覆率の計測をサーモビュアーを
用いて行うのが、後述するように、精度が高く望まし
い。
【0026】
【発明の実施の形態】上記(1)の発明は、原料を圧縮
成形する際に、ロール径が炉床の内周側から外周側に向
かうにつれて大きくなるテーパー付きロールを備えるダ
ブルロール圧縮機を使用する原料の成形方法である。
【0027】この発明の方法では、回転炉床の上方に、
ロール軸の方向が炉床の移動方向と直交するようにダブ
ルロール圧縮機を配置して、ロール出口が回転炉床の幅
方向全体にわたって1列になるようにしておく。そし
て、ダブルロール圧縮機の二つのロール(ダブルロー
ル)には、その直径が炉床の内周側から外周側に向かう
につれて大きくなるテーパー付きロールを用いる。な
お、ロール間の隙間、すなわち成形原料が排出されるロ
ール出口の幅は、炉床の幅方向で等しくしておく。
【0028】図4は、この発明の方法で用いるダブルロ
ールの一例の形状を示す図で、実施例で用いたロールで
ある。(b)がテーパー付きロールで、(a)は通常の
テーパーのないロールである。また、(c)および
(d)は後述する分割したダブルロール圧縮機で用いる
ダブルロールで、(d)がテーパー付きロール、(c)
がテーパーのないロールである。
【0029】このようなダブルロール圧縮機を使用すれ
ば、ロール回転数は同一なので、外周側に向かうにつれ
てロール周速度が上昇し、成形原料の供給速度が上昇す
る。このダブルロールのテーパー比は、回転炉床の内周
側と外周側の移動速度比(すなわち、炉床の回転直径
比)に対応させる。これにより、原料被覆率が回転炉床
の外周部で小さく、内周部では大きくなるのを防止で
き、還元鉄の生産率を向上させることができる。
【0030】上記(2)の発明は、原料を圧縮成形する
際に、原料装入時に計測した原料被覆率があらかじめ定
めた値となるようにダブルロール圧縮機のロールの回転
速度を調整する原料の成形方法である。
【0031】この発明の方法では、(1)の発明の場合
と同様、ダブルロール圧縮機を回転炉床の直上で、ロー
ル軸の方向が炉床の移動方向と直交するように配置し
て、ロール出口が炉床の幅方向全体にわたるようにして
おく。そして、炉床上に設置されたセンサーで回転床炉
に原料が装入された直後の原料被覆率を計測し、得られ
た原料被覆率があらかじめ定めた値となるようにダブル
ロール圧縮機のロールの回転速度を調整する。なお、あ
らかじめ定めておく原料被覆率は、実際に原料被覆率を
変えた試験を行ってそれが還元鉄の生産率に及ぼす影響
をあらかじめ把握しておき、その結果に基づいて定めれ
ばよい。
【0032】原料被覆率を計測するには、例えば、温度
計測用のセンサーを回転炉床の直上で、かつ原料装入部
から炉内の加熱部までの間で、炉床の幅方向に数台配置
し、連続的に炉床面の温度を測定することにより行うこ
とができる。原料の載っている部分の温度は100℃以
下で低いが、原料が載っていない部分は床面が露出して
おり400℃以上の高温を示すため、測定された温度分
布に応じて原料被覆率を求めることができる。
【0033】図2は、この発明の方法で用いる原料被覆
率を計測するためのセンサーの設置場所の一例を示す図
である。センサー4は、ダブルロール圧縮機1のロール
出口から排出され、シュート5を経て回転炉床7上に載
せられた直後の成形原料6の被覆率が計測できるよう
に、炉床7の直上で、原料装入部に近い場所に設置すれ
ばよい。
【0034】図3は、この発明の方法の実施状況の説明
図である。(a)に示すように、センサー4は、ダブル
ロール8が配置された原料装入部から炉内の加熱部まで
の間で、炉床7の幅方向に5台設置されている。(b)
は後述する分割したダブルロール圧縮機を用いた場合で
あるが、やはり5台設置されている。なお、図中のD=
30m、D=40mは、それぞれ回転炉床の内周直径お
よび外周直径である。
【0035】上記のようにして得られた原料被覆率があ
らかじめ定めた値より低ければ、ダブルロールの回転速
度を速めて原料供給速度を増大させ、逆にあらかじめ定
めた値より高く、特に100%に近い場合は、前記の図
5に示したように、成形原料6が重なり合って層厚が大
きくなりすぎる可能性があるので、ダブルロールの回転
速度を遅くして原料供給速度を低下させる。
【0036】このような原料被覆率の計測用センサーと
しては、赤外線感知式のサーモビュアーが精度が高く、
その結果、原料被覆率を適正値に設定して還元鉄の生産
率を向上させ得るので好適である。しかし、センサーは
赤外線感知方式のものでなくてもよく、種々開発されて
いる非接触型の色別センサーや温度センサーをはじめと
し、超音波やレーザーの反射により直接に床面上に物体
が存在するか否か判定するものであってもよい。
【0037】ダブルロール圧縮機は、図3(b)に示す
ように副数台からなり、それらが炉床の幅全体にわたっ
て、それぞれのロール軸の方向が炉床の移動方向と直交
するように配置された(すなわち、幅方向に複数ユニッ
トに分割された)ものを用いるのが望ましい。炉床の幅
方向における原料被覆率の違いに応じて、別々にダブル
ロールの回転速度を制御し、原料供給速度を調整するこ
とができるからである。
【0038】なお、上記(1)および(2)の発明のい
ずれにおいても、原料の成形後の形状は、ブリケットに
限らず、タイル状、シート状のものであってもよい。後
述する実施例に示すように、偏平度の大きいタイル状の
ものの方が、本発明の方法を適用した場合の効果が顕著
である。
【0039】本発明の方法によれば、粉状の鉄鉱石と粉
状固体還元剤とを混合し成形した原料を回転床炉に装入
するに際し、原料層厚を増大させることなく原料被覆率
を安定して高めることができる。
【0040】
【実施例】表1に示す粉鉄鉱石と表2に示す粉石炭を用
い、これらを表3に示す配合率で配合した後、混合し、
同じく表3に示す形状および寸法のブリケットまたはタ
イルに成形した。この成形原料を用いて、表5に示すN
o.2、No.3、およびNo.40からNo.51の
各ケースの条件で還元鉄を製造し、そのときの生産率を
求めて、本発明の効果を評価した。なお、用いた回転炉
床の設備仕様と操業条件を表4に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】No.2のケースは、従来実施されている
方法で、前記の図1に示した製造工程に準じて製造した
ブリケットを用いた場合である。
【0047】No.3とNo.40〜No.51のケー
スは、前記の図2に示したようにダブルロール圧縮機を
回転床炉の原料装入部の直上に設置し、装入シュートで
受けて炉床上に装入した場合である。
【0048】No.3とNo.40〜No.46のケー
スは、前記の図3の(a)に示したようにダブルロール
圧縮機を回転炉床の5mの幅方向に1ユニット設置した
場合であり、No.47〜No.51のケースは、図3
の(b)に示したように、回転炉床の幅方向に5ユニッ
トに分割したダブルロール圧縮機を1m間隔で設置した
場合である。
【0049】No.3とNo.43〜No.46のケー
スは、成形原料の形状がブリケットの場合で、No.4
0〜No.42とNo.47〜No.51のケースはタ
イルの場合である。
【0050】また、No.3、No.40、No.4
1、No.43、No.44、およびNo.47〜N
o.49のケースはダブルロールに前記の図4の(a)
または(c)に示した平行ロールを用いた場合で、N
o.42、No.45、No.46、No.50および
No.51のケースは図4の(b)または(d)に示し
たテーパー付きロールを用いた場合である。なお、ロー
ルは前記の図4に示したダブルロールのいずれかを用い
た。
【0051】さらに、No.41、No.43、No.
44、No.46、No.48、No.49、およびN
o.51のケースは、図3の(a)または(b)に示し
たようにセンサーを設置して原料被覆率を求め、ダブル
ロール圧縮機のロールの回転数制御を実施した場合であ
る。
【0052】操業に際し、還元鉄の金属化率が92%と
なるように炉床の回転速度を調整した。すなわち、金属
化率が目標値よりも低ければ、回転速度を下げ、焼成時
間を延長して金属化率を上昇させた。この場合、生産性
は低下する。逆に、金属化率が目標値よりも高ければ、
回転速度を上昇させ、焼成時間を短縮して金属化率を目
標値まで低下させた。この場合、生産性は向上する。
【0053】上記の操業の結果求められた生産率を表5
に併せて示す。なお、表5の「センサーの種類」の欄の
設定被覆率は、実際に原料被覆率を変えた試験を行って
求めた最適値を示したものである。
【0054】まず、No.40とNo.42、No.3
とNo.45、もしくはNo.47とNo.50の比較
から明らかなように、還元鉄の生産率は、テーパー付き
ロールを有するダブルロール圧縮機を使用した場合の方
がテーパーのない通常のロールのダブルロール圧縮機を
使用した場合よりも高かった。
【0055】また、No.40とNo.41、No.3
とNo.44、もしくはNo.47とNo.49とを比
較すると、装入時の原料被覆率を求め、その値に基づい
てダブルロール圧縮機のロールの回転数制御を実施した
場合、還元鉄の生産率が向上していることがわかる。な
お、No.43とNo.44、またはNo.48とN
o.49を比較すると、原料被覆率の計測用センサーと
してサーモビュアーを用いた場合の方が還元鉄の生産率
が高いが、これは、超音波型のセンサーよりもサーモビ
ュアーの方が精度が高く、原料被覆率を適正値に設定す
ることができたことによるものである。
【0056】図6は、ケースNo.43について、原料
被覆率を所定の値に設定してそのときの還元鉄の生産率
を求めた結果であるが、設定値が低すぎると生産率は低
く、逆に設定値が高く100%に近い場合も生産率が低
下した。すなわち、原料被覆率には最適値が存在する。
これは、設備や原料の状況に応じて変化するもので、ケ
ース43の場合は、原料被覆率の最適値は90%であっ
た。なお、他のケースでも同様の傾向が認められた。
【0057】また、テーパー付きロールを使用した場合
や複数のユニットに分割したダブルロールを用いた場合
等においては、原料被覆率の最適値はより高い値とな
り、還元鉄の生産率も高かった。
【0058】成形原料の形状で比較すると、成形物がブ
リケットの場合よりもタイルの場合の方が原料被覆率の
最適値は高く、還元鉄の生産率も高かった。
【0059】
【発明の効果】本発明の方法によれば、粉状の鉄鉱石と
粉状固体還元剤とを混合し、成形して回転床炉に装入す
るに際し、原料層厚を増大させずに原料被覆率を安定し
て高め得る原料の成形を行うことができる。その結果、
むら焼けすることなく、安定した焼成が可能で、還元鉄
の生産率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転床炉を用いて行う従来の還元鉄の製造プロ
セスの一例の概略図である。
【図2】本発明の方法で用いる原料被覆率を計測するた
めのセンサーの設置場所の一例を示す図である。
【図3】本発明の方法の実施状況の説明図である。
【図4】本発明の方法で用いるダブルロールの一例の形
状を示す図で、(a)は通常のテーパーのないロール、
(b)はテーパー付きロールであり、(c)は分割した
ダブルロール圧縮機で用いるテーパーのないロール、
(d)は同じくテーパー付きロールである。
【図5】成形原料による炉床面の被覆の状態を模式的に
示す図で、(a)は被覆率が低い場合、(b)は被覆率
が高い場合である。
【図6】原料被覆率と還元鉄の生産率の関係の一例を示
す図である。
【符号の説明】
1:ダブルロール圧縮機 2:原料ホッパー 3:ロール 4:センサー 5:装入シュート 6:成形原料 7:回転炉床 8:ダブルロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大根 公一 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉状鉄原料と粉状固体還元剤の混合物を、
    水平回転移動する加熱炉床の上方で、二つのロール軸が
    加熱炉床の移動方向と直交する方向に設置されたダブル
    ロール圧縮機で圧縮成形し、前記加熱炉床上に装入し、
    焼成して還元鉄を製造するに際し、ロール径が炉床の内
    周側から外周側に向かうにつれて大きくなるテーパー付
    きロールを備えるダブルロール圧縮機を使用することを
    特徴とする還元鉄製造原料の成形方法。
  2. 【請求項2】粉状鉄原料と粉状固体還元剤の混合物を、
    水平回転移動する加熱炉床の上方で、二つのロール軸が
    加熱炉床の移動方向と直交する方向に設置されたダブル
    ロール圧縮機で圧縮成形し、前記加熱炉床上に装入し、
    焼成して還元鉄を製造するに際し、原料装入時における
    原料被覆率を計測し、この原料被覆率があらかじめ定め
    た値となるようにダブルロール圧縮機のロールの回転速
    度を調整することを特徴とする還元鉄製造原料の成形方
    法。
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