JPH1112620A - 還元鉄製造原料の装入方法および装置 - Google Patents

還元鉄製造原料の装入方法および装置

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JPH1112620A
JPH1112620A JP17083997A JP17083997A JPH1112620A JP H1112620 A JPH1112620 A JP H1112620A JP 17083997 A JP17083997 A JP 17083997A JP 17083997 A JP17083997 A JP 17083997A JP H1112620 A JPH1112620 A JP H1112620A
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raw material
chute
charging
hearth
heating
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JP17083997A
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English (en)
Inventor
Takazo Kawaguchi
尊三 川口
Yasuo Kamei
康夫 亀井
Yoshihisa Nakamura
義久 中村
Koichi One
公一 大根
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粉状の鉄原料と固体還元剤とを混合して成形し
た原料を粉化の少ない状態で回転床炉に装入する方法お
よびそのための装入装置を提供する。 【解決手段】回転炉床の上方で、二つのロール軸が回転
炉床の移動方向と直交する方向に設置されたダブルロー
ル圧縮機で粉状の混合原料を圧縮成形し、回転炉床上に
装入し、焼成して還元鉄を製造するに際し、前記ダブル
ロール圧縮機から排出される成形原料(例えば、成形タ
イル13)を回転炉床2の進行方向に対して凹型の湾曲
形状部を有する装入シュート11で受けて炉床上に載置
する。固定シュート14と、この固定シュートに着脱可
能でかつ接続部を支点として回動可能に接続され、しか
も先端が炉床に接触する先端シュート15とからなる装
入シュートを用いてもよい。先端シュートが炉床の幅方
向で分割されている装入シュート(図3の(c)参照)
を用いれば、一層望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉状の鉄鉱石や鉄
分を含んだダスト、スラッジ、スケール等の粉状鉄原料
と石炭、コークス等の粉状固体還元剤とを混合した原料
を炉床が水平に回転移動する加熱炉に装入して還元鉄を
製造する際の炉内への原料の装入方法、および装入装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、粉状の鉄鉱石と粉状固体還元剤と
を混合して塊成化し、これを炉床が水平に回転移動する
加熱炉床(以下、「回転炉床」といい、この炉床を有す
る炉を「回転床炉」という)に装入して還元鉄を製造す
る技術が注目されている。
【0003】この回転床炉は古くからあるロータリーキ
ルン炉とは異なり、設備コストが安価であるのが特徴で
あるが、一方、炉床が水平に回転するために原料の装入
および製品の排出に配慮が必要である。その技術の代表
的なものとしては、粉状の鉄鉱石と固体還元剤とを混合
して塊成化物(ペレット)となし、これを高温に加熱す
ることにより鉄鉱石中の酸化鉄を還元して固体状金属鉄
とする技術がある(例えば、米国特許第3,443,9
31号明細書、特開平7−238307号公報)。
【0004】図1は、加熱を回転床炉を用いて行う従来
の還元鉄の製造プロセスの一例の概略図である。図示す
るように、粉鉄鉱石と粉石炭にバインダーとしてのベン
トナイトを添加し、混練機で、さらに水分とタールを添
加して混合する。この混合原料をペレタイザーまたはダ
ブルロール圧縮機で塊成化し、回転床炉の原料装入部へ
移送して炉内へ装入し、炉床の移動に伴って1回転させ
る間に鉄鉱石中の酸化鉄を高温還元して固体状金属鉄と
する。得られた金属鉄は排出部から取り出される。
【0005】上記の還元鉄の製造方法において、粉状鉄
原料としては、粉状の鉄鉱石の他に、製鉄所で発生する
鉄分を含んだ各種のダストやスラッジ、スケールなどが
使用でき、また、粉状固体還元剤としては、石炭、コー
クス、チャー、オイルコークスなどが使用可能である。
これら鉄原料や固体還元剤は、場合によっては乾燥処
理、破砕処理が施される。
【0006】粉状鉄原料と粉状固体還元剤は、次いで混
練処理されるが、その際、必要に応じてバインダーとし
ての水分、タール、糖蜜、有機系樹脂、セメント、スラ
グ、ベントナイト、生石灰、軽焼ドロマイト、消石灰が
添加される。
【0007】混練された原料は、デスクペレタイザイー
により球状のペレットに、またはダブルロール圧縮機に
よりブリケットに塊成化される。この場合、ペレットに
するためには粒径が0.1mm以下の粒度の原料が適
し、ブリッケトには粒径が1mm以下の粒度のものが適
するので、あらかじめ所定の粒度に微粉砕する必要があ
る。また、塊成化物(上記のペレット、ブリケットを指
す)の強度を高めるため、塊成化後に乾燥処理または養
生処理が施される場合もある。
【0008】得られた塊成化物は、ベルトコンベヤーで
回転床炉の上部に送られ、そこから回転炉床上に幅広く
分散するように装入シュートを用いて装入され、レベラ
ーによりならされる。続いて、炉内を移動する間に加熱
還元され、金属鉄となる。
【0009】しかしながら、上述したような従来の還元
鉄の製造方法には、つぎのような問題がある。すなわ
ち、塊成化物は回転床炉に装入されるまでの間に粉化
し、小粒径の粒度の異なる塊成化物となるとともに粉を
発生し、その状態で回転炉床に装入される。そのため、
炉内に装入された発生粉は燃焼ガスにより飛散し、炉壁
に溶融付着して、設備トラブルの原因となる。また、回
転炉床に溶融付着したり、溶融浸食して、床面が荒れ、
設備トラブルの原因となる。
【0010】さらには、塊成化物の粒度が異なるため焼
成にむらを生じ、92%程度の金属化率を有する還元鉄
を製造するためには焼成時間を延長する必要が生じ、還
元鉄の生産性が悪化する。
【0011】この塊成化物の粉化の悪影響を防止するた
め前述したバインダーが添加され、効果を奏している
が、粉化が完全に防止されるわけではない。また、有機
系バインダーは高価なもので、製造コストを上昇させ、
一方、無機系バインダーは鉄分以外のスラグ分を含有す
るため還元鉄の品位を低下させるという欠点がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の還元
鉄の製造技術における上記の問題を解決することを課題
としてなされたものである。本発明の具体的な目的は、
粉状の鉄鉱石と粉状固体還元剤とを混合して塊成化した
原料を回転床炉に装入するまでの間の粉化を極力抑制
し、粉化の少ない状態で回転床炉に装入する方法および
そのための装入装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明者らは、回転炉床の上方に設置されたダブル
ロール圧縮機で原料を成形し、成形された原料を装入シ
ュートで受けて回転炉床上に載置する装入方法を採用し
た(特願平9−140782号)。
【0014】図2は、この方法で用いるダブルロール圧
縮機の要部の構成を示すとともに、この圧縮機により圧
縮成形される成形原料の回転炉床上への装入方法の一例
を説明するための図である。図示するように、ダブルロ
ール圧縮機1は回転炉床2の上方(この場合は、直上)
に設置され、二つのロール軸が回転炉床の移動方向と直
交する方向に配されている。ダブルロール圧縮機1の真
下には、圧縮機1から排出される成形原料12を受けて
回転炉床2上に載置するための平板形の装入シュート1
1が取り付けられている。なお、この例では、ダブルロ
ール圧縮機1に原料を供給するための原料供給ホッパー
10が設けられている。
【0015】ダブルロール圧縮機1は、加圧ロール歯車
6を備えた加圧ロール5と受圧ロール歯車9を備えた受
圧ロール8の二つのロールを有し、受圧側ロール軸7は
固定され、加圧側ロール軸4は油圧シリンダー3により
矢印の方向またはその反対方向に移動して原料を成形す
る際の加圧力を調節できるように構成されている。な
お、加圧力は、原料の種類、成形形状、バインダー量等
によって調節されるもので、成形しやすい条件であれば
加圧力はなしでもよい。また、ダブルロール圧縮機の二
つのロール軸は同じ高さにあるのが普通であるが、高さ
が異なってずれた状態であってもよい。
【0016】上記の装入方法により、原料の成形後から
回転炉床に装入するまでのハンドリングを軽減すること
ができ、しかも、二つのロール軸が回転炉床の移動方向
と直交する方向に設置されているので、成形された原料
を回転炉床の幅方向に一列に設けられたロール出口から
排出させ、成形原料の幅方向での移動をほとんど起こさ
せずに装入シュートに沿わせて回転炉床に装入すること
ができる。すなわち、ハンドリングに伴う衝撃を軽微な
ものとし、また、成形原料の幅方向での移動に伴う成形
原料どうしの衝突等による粉の発生を抑制することが可
能である。
【0017】本発明者らは、上記の方法に基づいて、回
転炉床への装入時に成形原料が受ける衝撃力をさらに抑
制し得る装入方法および装置について検討を重ね、本発
明をなすに至った。
【0018】本発明の要旨は、下記(1)および(3)
の還元鉄製造原料の装入方法、ならびに(2)および
(4)の装入装置にある。
【0019】(1)水平回転移動する加熱炉床の上方
で、二つのロール軸が加熱炉床の移動方向と直交する方
向に設置されたダブルロール圧縮機で粉状鉄原料と粉状
固体還元剤の混合原料を圧縮成形し、前記加熱炉床上に
装入し、焼成して還元鉄を製造するに際し、前記ダブル
ロール圧縮機から排出される成形原料を加熱炉床の進行
方向に対して凹型の湾曲形状部を有する装入シュートで
受けて加熱炉床上に載置することを特徴とする還元鉄製
造原料の装入方法。
【0020】(2)水平回転移動する加熱炉床の上方
で、二つのロール軸が加熱炉床の移動方向と直交する方
向に設置されたダブルロール圧縮機で粉状鉄原料と粉状
固体還元剤の混合原料を圧縮成形して得られる成形原料
を前記加熱炉床上に装入する還元鉄製造原料の装入装置
であって、前記ダブルロール圧縮機から排出される成形
原料を受けて加熱炉床上に載置する装入シュートを有
し、この装入シュートが加熱炉床の進行方向に対して凹
型の湾曲形状部を有することを特徴とする還元鉄製造原
料の装入装置。
【0021】(3)水平回転移動する加熱炉床の上方
で、二つのロール軸が加熱炉床の移動方向と直交する方
向に設置されたダブルロール圧縮機で粉状鉄原料と粉状
固体還元剤の混合原料を圧縮成形し、前記加熱炉床上に
装入し、焼成して還元鉄を製造するに際し、前記ダブル
ロール圧縮機から排出される成形原料を、固定シュート
と、この固定シュートに着脱可能でかつ接続部を支点と
して回動可能に接続され、しかも先端が加熱炉床に接触
する先端シュートとからなる装入シュートで受けて加熱
炉床上に載置することを特徴とする還元鉄製造原料の装
入方法。
【0022】(4)水平回転移動する加熱炉床の上方
で、二つのロール軸が加熱炉床の移動方向と直交する方
向に設置されたダブルロール圧縮機で粉状鉄原料と粉状
固体還元剤の混合物を圧縮成形して得られた成形原料を
前記加熱炉床上に装入する還元鉄製造原料の装入装置で
あって、前記ダブルロール圧縮機から排出される成形原
料を受けて加熱炉床上に載置する装入シュートを有し、
この装入シュートが、固定シュートと、この固定シュー
トに着脱可能でかつ接続部を支点として回動可能に接続
され、しかも先端が回転炉床に接触する先端シュートと
からなることを特徴とする還元鉄製造原料の装入装置。
【0023】ここで、「粉状鉄原料」とは、酸化鉄が主
成分の粉状の鉄原料であり、具体的には、前述した粉状
の鉄鉱石や製鉄所で発生する鉄分を含んだダスト、スラ
ッジ(例えば、焼結機発生ダスト、高炉発生ダスト、転
炉発生ダスト、圧延工場発生スラッジ)、スケール等を
いう。本発明においては、これらを単独で、または2種
以上の混合物状態で使用することができる。
【0024】「粉状固体還元剤」とは、石炭、コーク
ス、チャー、オイルコークス等の、主に炭素を含む固体
物質の粉末である。これらも、単独で、または2種以上
組み合わせて使用することができる。
【0025】また、「成形原料」とは、粉状鉄原料と粉
状固体還元剤の混合原料をダブルロール圧縮機で成形し
たもので、ペレット、ブリケットに限らず、平板のタイ
ル状、シート状のものなど、種々の形態の成形原料をい
う。
【0026】上記(3)の還元鉄製造原料の装入方法の
望ましい実施態様として、下記の方法を採用することが
できる。
【0027】〔望ましい態様1〕ダブルロール圧縮機か
ら排出される成形原料を、先端シュートが回転炉床の幅
方向で分割されている装入シュートで受けて回転炉床上
に載置する還元鉄製造原料の装入方法。
【0028】また、上記(4)の還元鉄製造原料の装入
装置の望ましい実施態様として、下記の装置を採用する
ことができる。
【0029】〔望ましい態様2〕先端シュートが回転炉
床の幅方向で分割されている装入シュートを有する還元
鉄製造原料の装入装置。
【0030】
【発明の実施の形態】まず、本発明の背景にある基本的
な考え方について説明する。
【0031】回転炉床の上方に設置されたダブルロール
圧縮機から排出される成形原料は、自由落下により垂直
に落下するので落下速度はきわめて速い。そのため、直
接炉床上に装入すると、成形原料は粉化する。そこで、
本発明では、成形原料が受ける衝撃力をできる限り低減
して粉化を抑制するために、ダブルロール圧縮機の排出
部に成形原料を受けるシュートを設け、シュート装入す
る。
【0032】一般に、扁平な成形物にあっては、その強
度が成形物全体にわたって等しいものであっても、衝撃
応力の集中により最も薄い部分に亀裂が入り、崩壊、粉
化する傾向にある。したがって、扁平な成形原料は、落
下時の衝撃に対し、垂直に立った状態のときは強いが、
水平に置かれた状態のときは弱い。すなわち、偏平な成
形原料は、ダブルロール圧縮機から排出されるときには
垂直に立った状態をとっており、衝撃に対して最も強い
位置にある。しかし、成形原料は、回転床炉内では水平
に置かれた状態で重なり合うことなく整然と並んで装入
されることが前提で、炉床上には水平な状態で載置する
(着地させる)必要があるが、この着地時の状態が成形
原料にとって衝撃に対し最も弱い位置にあると言える。
【0033】したがって、偏平な成形原料を装入シュー
トで受け取る場合には垂直な状態で受け取り、シュート
に沿わせて炉床上に導く間に段階的に垂直方向の速度ベ
クトルを減じ、最終の着地時には垂直方向の速度ベクト
ルがなくなるような方法で成形原料を炉床上に載置する
のが、成形原料が受ける衝撃力をできる限り低減して粉
化を抑制する上で有効である。
【0034】一方、回転床炉では、移動床は通常10m
/min以上の速度で水平移動しているので、他の条件
が同じであるならば、成形原料を炉床上に載置する際の
水平方向の速度を回転炉床の速度と同期させたときに、
成形原料が受ける衝撃力が最も小さくなる。
【0035】上記の作用効果を得るために、前記(1)
の発明では、ダブルロール圧縮機から排出される成形原
料を受ける装入シュートとして、通常よく用いられてい
る前記図2に示した直線形平板のシュートではなく、回
転炉床の進行方法に対して凹型の湾曲形状部を有する装
入シュートを用いるのである。
【0036】この湾曲形の装入シュートは、シュートの
先端部の角度ができるだけ水平に近い状態のものであっ
て、シュート先端と移動床の高さの差を小さくして使用
するのが望ましい。こうすることによって、水平方向の
速度を成形原料が受ける衝撃力が小さくなるように保つ
ことができるとともに、成形原料を炉床上に載置すると
きの成形原料にかかる垂直方向の衝撃力を小さくして、
成形原料の粉化を最小限に抑制できる。
【0037】前記(2)の発明は(1)の発明を実施す
るための装置である。前述したように、回転炉床の上方
で、二つのロール軸が回転炉床の移動方向と直交する方
向に設置されたダブルロール圧縮機で粉状鉄原料と粉状
固体還元剤の混合物を圧縮成形した成形原料を前記回転
炉床上に装入する還元鉄製造原料の装入装置であって、
ダブルロール圧縮機から排出される成形原料を受けて回
転炉床上に載置する装入シュートとして回転炉床の進行
方法に対して凹型の湾曲形状部を有するシュートを備え
る装置である。
【0038】図3の(a)はこの凹型に湾曲した装入シ
ュートの一例の形状を模式的に示す断面図である。この
例では、装入シュート11の炉床側先端部が炉床2の進
行方法に対して凹型の湾曲形状をなしている。少なくと
もこの部分が湾曲していれば、上述した成形原料(例え
ば、図示した成形タイル13)の粉化を最小限に抑制す
るという所期の目的が達成できるからである。
【0039】前記(3)の発明では、ダブルロール圧縮
機から排出される成形原料を受ける装入シュートとし
て、固定シュートと、この固定シュートに着脱可能でか
つ接続部を支点として回動可能に接続され、しかも先端
が回転炉床に接触する先端シュートとからなる装入シュ
ートを用いる。
【0040】成形原料をシュートに沿って炉床上に装入
する場合、シュートの先端を炉床に接触させて、装入原
料にかかる垂直方向の衝撃力を極力低下させるのが望ま
しいが、シュートの炉床側先端部を回転炉床に接触させ
ると、炉床面に凹凸がない状態ならば問題はないが、炉
床面に原料が付着して凹凸が生じると、接触させたシュ
ートの先端部が炉床面にひっかかり、装入シュートが変
形する等のトラブルの原因となる場合がある。
【0041】そこで、(3)の発明では、固定シュート
に着脱可能でかつ接続部を支点として回動可能に接続さ
れ、しかもシュートの先端が回転炉床に接触する先端シ
ュートを有する装入シュートを用いるのである。
【0042】炉床と接触する先端シュートは摩耗し、摩
耗の進行とともに先端シュートの長さが短くなり、先端
シュートの角度は水平に対し大きくなる傾向がある。し
かし、そのときは、固定シュートはそのままで、先端シ
ュートだけを交換すればよいので、固定シュートと先端
シュートとが一体ものの装入シュートに比べメンテナン
ス性は良好である。
【0043】前記(4)の発明は(3)の発明を実施す
るための装置である。前述したように、回転炉床の上方
で、二つのロール軸が回転炉床の移動方向と直交する方
向に設置されたダブルロール圧縮機で粉状鉄原料と粉状
固体還元剤の混合物を圧縮成形した成形原料を前記回転
炉床上に装入する還元鉄製造原料の装入装置であって、
ダブルロール圧縮機から排出される成形原料を受けて回
転炉床上に載置する装入シュートとして、固定シュート
と、この固定シュートに着脱可能でかつ接続部を支点と
して回動可能に接続され、しかもシュートの先端が回転
炉床に接触する先端シュートとからなるシュートを有す
る装置である。
【0044】図3の(b)はこのような先端シュートを
有する装入シュートの一例の形状を模式的に示す断面図
である。この例では、先端シュート15と固定シュート
14とは蝶番16で接続されており、先端シュート15
は着脱可能であるとともに、上下方向に自由に回動でき
るように構成されている。したがって、炉床面に凹凸が
あっても、その凹凸に応じてシュートの先端が容易に上
下動するので、先端シュート15は凹凸にひっかかるこ
となく、常に炉床2に接触した状態を保持することがで
きる。
【0045】次に、上記(3)の発明の望ましい実施態
様(前記の〔望ましい態様1〕)、および上記(4)の
発明の望ましい実施態様(前記の〔望ましい態様2〕)
について説明する。
【0046】〔望ましい態様1〕これは、前記(3)の
発明で用いる装入シュートに代えて、固定シュートに接
続された先端シュートが回転炉床の幅方向で分割され、
分割されたそれぞれの先端シュートが別々に動き得る構
造を有する装入シュートを使用する還元鉄製造原料の装
入方法である。
【0047】〔望ましい態様2〕これは、前記(4)の
発明の装入シュートに代えて、先端シュートが回転炉床
の幅方向で分割されている装入シュートを有する還元鉄
製造原料の装入装置である。
【0048】図3の(c)はこのような装入シュートの
平面図である。図示するように、固定シュート14に炉
床の幅方向で分割された先端シュート15が接続されて
おり、この先端シュート15の先の部分は凹凸のある炉
床面に接触している。
【0049】このような装入シュートを有する装入装置
を使用し、還元鉄製造原料の装入を行えば、炉床の幅方
向における凹凸の違いに応じて分割された各先端シュー
トは独自に上下動することができるので、装入時に成形
原料にかかる衝撃力を一層弱めることができる。
【0050】さらに、分割された先端シュートを有する
装入シュートは、摩耗に対するメンテナンスに関して
も、1枚のシュート幅を小さくすることができるので交
換作業が容易であるという利点を有する。例えば、蝶番
構造で固定シュートに接続された先端シュートを交換す
る際、定期的に一番奥側のものを取り外し、順次1つず
つ奥側にずらして新品を手前側に装着することによって
簡単に交換作業を行うことができる。
【0051】以上説明した本発明の装置を用い、本発明
の方法により成形原料の回転炉床への装入を行えば、成
形原料にかかる衝撃力を緩和して粉化を抑制することが
でき、その結果、還元鉄の生産性を向上することができ
る。なお、後述する実施例に示すように、成形原料の形
状がブリケット状の場合よりも、より扁平度が大きい板
状のもの(例えば、タイル)の場合の方が高い効果が得
られるが、これは板状のものの方がブリケット状のもの
よりも強度が弱く、本発明の方法を適用することによる
衝撃力の緩和の効果がより大きく現れるからである。
【0052】なお、回転床炉にあっては、移動する炉床
は原料装入部でも高温で、800℃程度あるので、炉床
の輻射熱からダブルロール圧縮機などの装置を保護する
ために、装入シュート部分を除いて断熱床を設けること
が望ましい。
【0053】
【実施例】表1に示す粉鉄鉱石と表2に示す粉石炭を用
い、これらを表3に示す配合率で配合した後、混合し、
同じく表3に示す形状および寸法のペレット、ブリケッ
トまたは正方形タイルに成形した。この成形原料を用い
て、表5に示すNo.1からNo.3、およびNo.1
4からNo.19の各ケースの条件で還元鉄を製造し、
そのときの生産率を求めて、本発明の効果を評価した。
なお、用いた回転炉床の設備仕様と操業条件を表4に示
す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】No.1のケースは、従来実施されている
方法で、前記の図1に示した製造工程に準じ、直径7.
5mの皿型ペレタイザーを用いて径が20mmのペレッ
トを製造し、平板形シュートで回転床炉に装入した場合
である。また、No.2のケースは、同じく従来例で、
No.1のケースのペレットに変えてブリケットを用い
た場合である。
【0060】No.3のケースとNo.14〜No.1
9のケースは、ダブルロール圧縮機を回転床炉の原料装
入部の直上に設置した場合である。
【0061】No.3のケースは前記の図2に示した一
般的な平板形の装入シュートを用いて装入した場合で、
比較例である。
【0062】No.14とNo.17のケースは、成形
原料として、それぞれ25cm3 のマセック型ブリケッ
トと14cm角タイルを使用し、前記の図3の(a)に
示した先端部が凹状に湾曲した装入シュートを有する装
入装置を用いて装入した場合である。
【0063】No.15、No.16、No.18、お
よびNo.19のケースは、前記の図3の(b)または
(c)に示した蝶番で接続された装入シュートを有する
装入装置を用いて装入した場合である。このうち、N
o.15およびNo.18のケースは先端シュートが一
体もので、幅方向の長さが5mのものを用いた場合であ
り、No.16およびNo.19は、前記の図3の
(c)に示したように、先端シュートが幅方向で20分
割(1枚の幅長さが25cm)されたものを用いた場合
である。なお、No.15とNo.16のケースではブ
リケットを使用し、No.18とNo.19のケースで
はタイルを使用した。
【0064】操業に際し、還元鉄の金属化率が92%と
なるように炉床の回転速度を調整した。すなわち、金属
化率が目標値よりも低ければ、回転速度を下げ、焼成時
間を延長して金属化率を上昇させた。この場合、生産性
は低下する。逆に、金属化率が目標値よりも高ければ、
回転速度を上昇させ、焼成時間を短縮して金属化率を目
標値まで低下させた。この場合、生産性は向上する。
【0065】上記の各ケースの操業比較を行った結果、
本発明例では、従来例および比較例に比べて、炉床へ装
入されるまでに成形原料が受ける衝撃力が小さいので、
粉発生量が少なく、炉内での粉付着による悪影響も少な
かった。
【0066】上記の操業の結果求められた生産率を表5
に併せて示したが、この結果から明らかなように、本発
明例では従来例および比較例に比べて還元鉄の生産率も
向上した。
【0067】
【発明の効果】本発明方法によれば、粉状の鉄鉱石と粉
状固体還元剤とを混合して成形した原料を回転床炉に装
入するまでの間の粉化を極力抑制し、粉化の少ない状態
で回転床炉に装入することができる。この方法は、本発
明の装置により容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転床炉を用いて行う従来の還元鉄の製造プロ
セスの一例の概略図である。
【図2】本発明の方法で用いるダブルロール圧縮機の要
部の構成と、この圧縮機により圧縮成形される成形原料
の装入方法の一例を説明するための図である。
【図3】本発明の方法で用いる装入シュートの形状を模
式的に示す図で、(a)は凹型に湾曲した装入シュート
の一例の形状を示す断面図、(b)は固定シュートと先
端シュートからなる装入シュートの一例の形状を示す断
面図、(c)は先端シュートが回転炉床の幅方向で分割
されている装入シュートの一例の形状を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
1:ダブルロール圧縮機 2:回転炉床 3:油圧シリンダー 4:加圧側ロール軸 5:加圧ロール 6:加圧ロール歯車 7:受圧側ロール軸 8:受圧ロール 9:受圧ロール歯車 10:原料ホッパー 11:装入シュート 12:成形原料 13:成形タイル 14:固定シュート 15:先端シュート 16:蝶番
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大根 公一 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平回転移動する加熱炉床の上方で、二つ
    のロール軸が加熱炉床の移動方向と直交する方向に設置
    されたダブルロール圧縮機で粉状鉄原料と粉状固体還元
    剤の混合原料を圧縮成形し、前記加熱炉床上に装入し、
    焼成して還元鉄を製造するに際し、前記ダブルロール圧
    縮機から排出される成形原料を加熱炉床の進行方向に対
    して凹型の湾曲形状部を有する装入シュートで受けて加
    熱炉床上に載置することを特徴とする還元鉄製造原料の
    装入方法。
  2. 【請求項2】水平回転移動する加熱炉床の上方で、二つ
    のロール軸が加熱炉床の移動方向と直交する方向に設置
    されたダブルロール圧縮機で粉状鉄原料と粉状固体還元
    剤の混合原料を圧縮成形して得られる成形原料を前記加
    熱炉床上に装入する還元鉄製造原料の装入装置であっ
    て、前記ダブルロール圧縮機から排出される成形原料を
    受けて加熱炉床上に載置する装入シュートを有し、この
    装入シュートが加熱炉床の進行方向に対して凹型の湾曲
    形状部を有することを特徴とする還元鉄製造原料の装入
    装置。
  3. 【請求項3】水平回転移動する加熱炉床の上方で、二つ
    のロール軸が加熱炉床の移動方向と直交する方向に設置
    されたダブルロール圧縮機で粉状鉄原料と粉状固体還元
    剤の混合原料を圧縮成形し、前記加熱炉床上に装入し、
    焼成して還元鉄を製造するに際し、前記ダブルロール圧
    縮機から排出される成形原料を、固定シュートと、この
    固定シュートに着脱可能でかつ接続部を支点として回動
    可能に接続され、しかも先端が加熱炉床に接触する先端
    シュートとからなる装入シュートで受けて加熱炉床上に
    載置することを特徴とする還元鉄製造原料の装入方法。
  4. 【請求項4】水平回転移動する加熱炉床の上方で、二つ
    のロール軸が加熱炉床の移動方向と直交する方向に設置
    されたダブルロール圧縮機で粉状鉄原料と粉状固体還元
    剤の混合物を圧縮成形して得られた成形原料を前記加熱
    炉床上に装入する還元鉄製造原料の装入装置であって、
    前記ダブルロール圧縮機から排出される成形原料を受け
    て加熱炉床上に載置する装入シュートを有し、この装入
    シュートが、固定シュートと、この固定シュートに着脱
    可能でかつ接続部を支点として回動可能に接続され、し
    かも先端が回転炉床に接触する先端シュートとからなる
    ことを特徴とする還元鉄製造原料の装入装置。
JP17083997A 1997-06-27 1997-06-27 還元鉄製造原料の装入方法および装置 Pending JPH1112620A (ja)

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