JPH1112459A - ポリアミド樹脂組成物およびこれを用いてなる成形品 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物およびこれを用いてなる成形品

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JPH1112459A
JPH1112459A JP9169323A JP16932397A JPH1112459A JP H1112459 A JPH1112459 A JP H1112459A JP 9169323 A JP9169323 A JP 9169323A JP 16932397 A JP16932397 A JP 16932397A JP H1112459 A JPH1112459 A JP H1112459A
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polyamide resin
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molecular weight
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Tadashi Osawa
正 大澤
Kazuyuki Wakamura
和幸 若村
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦特性や磨耗特性などの摺動性に優れたポ
リアミド樹脂組成物およびこれを用いてなる成形品を提
供し、特に自動車などのドアチェック用レバーとして好
適に使用できる成形品を提供する。 【解決手段】 相対粘度1.0〜4.5のポリアミド樹
脂95〜70重量部と超高分子量ポリオレフィン5〜3
0重量部とからなる。または、前記ポリアミド樹脂組成
物100重量部に対して、さらにタルクまたはリン酸塩
粉末または潤滑油の中から選ばれた少なくとも1種類の
添加剤が5重量部以下の割合で配合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摩擦特性や磨耗特
性などの摺動性に優れたポリアミド樹脂組成物およびこ
れを用いてなる成形品に関する。特に自動車などのドア
チェック用レバーとして好適に使用できる成形品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車のギヤやベヤリングやカムの軸受
けなどの摺動部材には、従来より、摩擦特性および磨耗
特性などの摺動性や機械的特性に優れたナイロン6やナ
イロン66などのポリアミド樹脂が用いられていた。し
かしながら、自動車のドアチェック用レバーのように、
より過酷な条件で使用する摺動部材においては、上記の
ポリアミド樹脂よりもさらに摺動性を向上させることが
必要である。
【0003】図1は一般的な自動車のドアチェックレバ
ー1を示したものである。3は金属製のレバーであり、
そのうちの3aは車体に連結され、3bはドアに連結さ
れている。2は、レバー3の外側に一体的に設けられた
樹脂層であって、金属製のレバー3よりも耐磨耗性が向
上し、かつ摩擦係数の低い材料、例えばポリアミド樹脂
に特殊な材料を添加した樹脂組成物にて形成されてい
る。
【0004】具体的には、ポリアミド樹脂に摺動性改良
剤を加えたもの、例えば、溶融重合または溶融重縮合で
得られた固有粘度が0.7〜2.5程度のナイロン6樹
脂に、テフロン(ポリテトラフルオロエチレンの商品
名:登録商標)やフッ素系共重合体や高密度ポリエチレ
ンなどの添加物をブレンドした樹脂組成物が提案されて
いる。しかし、このような添加物を配合した樹脂組成物
は、摺動性を向上させるために前記添加物を多量に配合
する必要があり、その結果、摺動性は向上するものの、
ナイロン6樹脂の配合割合が減ってしまうため樹脂組成
物の機械的特性や耐熱性が低下するという問題があっ
た。また、テフロンは、摺動性改良剤としてよく知られ
ているが、一般に高価であるため、コストの点でも高い
割合で配合することが難しいという問題があった。
【0005】また、上記に代えて、ナイロン6やナイロ
ン66に低分子量のシリコンオイルやワックスといった
潤滑剤をブレンドした樹脂組成物が提案されている。し
かし、このような潤滑剤の配合された樹脂組成物は、短
期間使用するには十分な摺動性が得られるものの、長期
間使用すると低分子量の潤滑剤が樹脂組成物の表面に浮
き出してくるため安定して使用することができないとい
う問題点があった。
【0006】また、別の例として、二硫化モリブデンや
黒鉛やリン酸塩粉末をポリアミド樹脂にブレンドした樹
脂組成物が提案されているが、このような樹脂組成物
は、上述のテフロンやフッ素系共重合体や高密度ポリエ
チレンなどの添加物を配合した樹脂組成物と同様に、十
分な摺動性を得るためには二硫化モリブデンや黒鉛やリ
ン酸塩粉末などを多量に添加する必要があり、そのため
機械的特性や成形性が低下するという問題があった。
【0007】また、特開平6−345961号公報に
は、ポリアミド樹脂にワラストナイトと酸変性スチレン
系共重合体と酸変性高密度ポリエチレンとをブレンドし
た樹脂組成物が提案されている。しかしながら、このよ
うな樹脂組成物は、磨耗量が多く磨耗特性に劣るもので
あった。
【0008】さらに、特開平8−157714号公報に
は、ポリアミド樹脂と重量平均分子量5万〜40万の酸
変性高密度ポリエチレンとからなる樹脂組成物が提案さ
れている。このような樹脂組成物は、耐衝撃性は向上す
るものの、摩擦係数が大きいため磨耗量が大きくなり磨
耗特性が低く摺動性に劣るという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題点を
解決し、摩擦特性や磨耗特性などの摺動性に優れたポリ
アミド樹脂組成物およびこれを用いてなる成形品を提供
し、特に自動車などのドアチェック用レバーとして好適
に使用できる成形品を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討をした結果、本発明に至った
ものである。すなわち本発明は、相対粘度1.0〜4.
5のポリアミド樹脂95〜70重量部と超高分子量ポリ
オレフィン5〜30重量部とからなることを特徴とする
ポリアミド樹脂組成物を要旨とするものである。
【0011】本発明によれば、相対粘度1.0〜4.5
のポリアミド樹脂組成物95〜70重量部に対し、超高
分子量ポリオレフィン5〜30重量部を配合すること
で、摩擦係数や磨耗量が小さくなり摺動性が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のポリアミド樹脂組成物
は、相対粘度1.0〜4.5のポリアミド樹脂95〜7
0重量部と超高分子量ポリオレフィン5〜30重量部と
からなる必要がある。
【0013】ポリアミド樹脂の相対粘度は、次の通りで
あることが必要である。すなわち、96%の硫酸を溶媒
としてこの溶媒100ccに試料1.0gを溶解し、温
度25℃の条件で常法により測定した相対粘度が1.0
〜4.5である必要がある。相対粘度が1.0未満であ
ると摺動性に優れた成形体を得ることができず、機械的
特性にも劣るものとなる。また、相対粘度が4.5を超
えると成形性に劣るものとなる。
【0014】このような相対粘度を有するポリアミド樹
脂95〜70重量部と、摺動性の高い超高分子量ポリオ
レフィン5〜30重量部とをブレンドすることで、樹脂
組成物の摺動性が向上する。ポリアミド樹脂の配合割合
が95重量部よりも多くなると、超高分子量ポリオレフ
ィンの配合割合が少なくなるため摺動性に劣るものとな
る。また、ポリアミド樹脂の配合割合が70重量部より
少なくなると、機械的特性に劣る樹脂組成物となる。
【0015】なお、本発明によれば、ポリアミド樹脂組
成物の摺動性をさらに向上させるために、前記ポリアミ
ド樹脂組成物100重量部に対して、さらにリン酸塩粉
末またはタルクまたは潤滑油の中から選ばれた少なくと
も1種類の添加剤を5重量部以下、好ましくは0.5〜
5重量部の割合で配合してもよい。
【0016】リン酸塩粉末またはタルクまたは潤滑油
は、ポリアミド樹脂組成物の流動性を高める添加剤であ
り、このような添加剤を配合することで、ポリアミド樹
脂組成物の摩擦係数や磨耗量が小さくなり摺動性が向上
する。前記添加剤の配合割合が5重量部を超えると、流
動性が高くなりすぎて成形性に劣り、また、摺動性にも
劣るものとなる。
【0017】このようなポリアミド樹脂組成物を用いて
なる成形品としては、例えば、自動車のギアやベヤリン
グやカムの軸受けやドアチェック用レバーのような摺動
部材が挙げられる。中でも特に、上記図1に示したよう
なドアチェック用レバー1として好適に使用できる。
【0018】本発明の樹脂組成物の主成分となるポリア
ミド樹脂としては、ラクタムあるいはアミノカルボン酸
の重合またはジアミンとカルボン酸の重縮合によって得
られるホモポリアミドおよびコポリアミド、そしてこれ
らの混合物が挙げられる。具体的には、例えばナイロン
6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナ
イロン612、ナイロン11、ナイロン12などのホモ
ポリマー、これら2成分以上を含むコポリマーあるいは
混合物が挙げられる。中でも特に、ナイロン6とナイロ
ン66とが好ましい。
【0019】摺動性の改良剤である超高分子量ポリオレ
フィンは、粉末状、ペレット状、チョップドファイバー
状など、形状には特に制限はされないが、通常は重量平
均分子量が100万以上、嵩密度が0.94g/cm3
以上、平均粒径が100μm以下の微粉末状のものが好
ましい。超高分子量ポリオレフィンの重量平均分子量が
100万未満のものでは、得られる成形品の摺動性が不
十分となる。また、嵩密度が0.94g/cm3未満も
しくは平均粒径が100μmを超えるものでは、摺動性
に優れた成形体を得ることができないので好ましくな
い。
【0020】このような超高分子量ポリオレフィンとし
ては、超高分子量ポリエチレン、超高分子量ポリプロピ
レン、超高分子量4−メチル−1−ペンテン、超高分子
量ポリブテン−1などが挙げられるが、中でも超高分子
量ポリエチレンが特に好ましい。
【0021】なお、超高分子量ポリエチレンの場合に
は、その特性を損なわない範囲で、プロピレン、1−ブ
テン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどのα−オレフ
ィン類、ブタジエン、イソプレンなどのジエン類、シク
ロペンテン、シクロヘキセン、シクロペンタジエンなど
のシクロオレフィン類、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、ブチルアクリレートなどのアクリレート類
が少量共重合されたものであってもよい。
【0022】添加剤の1種であるタルクとしては、一般
に市販されているものが使用できる。また、リン酸塩と
しては、水に不溶またはほとんど不溶の第2、第3リン
酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、リン酸カルシウ
ム、リン酸−水素カルシウム、リン酸バリウム、リン酸
リチウム、メタリン酸カルシウム、ピロリン酸亜鉛など
が挙げられるが、中でも特に水に不溶またはほとんど不
溶の第2、第3リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩
が好ましい。
【0023】なお、上記リン酸塩は粉末状態で、150
メッシュを通過する程度の粉体とすることが好ましい。
また、潤滑油としては、スピンドル油、タービン油、マ
シン油、ダイナモ油などの芳香族系潤滑油、ナフテン系
潤滑油、パラフィン系潤滑油または炭化水素、エステ
ル、ポリグリコール、シリコンオイルのように合成油な
ど一般的に使用されている潤滑油が使用される。
【0024】なお、本発明におけるポリアミド樹脂組成
物には、成形品とした場合の摩擦特性や磨耗特性などの
摺動性をより一層向上させるために、炭素繊維、フッ素
樹脂粉末、二硫化モリブデン、ガラスビーズなどの添加
剤を添加してもよい。また、必要に応じて炭素カルシウ
ムや硫酸バリウムなどの充填材、チタン酸カリウムなど
のウイスカー、カーボンブラック、金属粉末などの導電
性改良充填材を樹脂組成物の摺動性を損なわない範囲で
添加してもよい。さらに、劣化防止剤、安定剤、滑剤、
可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、離型剤なども適
宜添加することができる。
【0025】上記樹脂組成物の製造方法は特に限定され
るものではないが、ポリアミド樹脂組成物と超高分子量
ポリオレフィンとを、二軸押出し機を用いてブレンド
し、ペレット化することが好ましい。なお、前記樹脂組
成物にリン酸塩粉末またはタルクまたは潤滑油の中から
選ばれた少なくとも1種類のものを添加する場合も同様
である。
【0026】このようにして得られたポリアミド樹脂組
成物より成形品を得るためには、射出成形機を用いて、
前記樹脂組成物を射出成形すればよい。
【0027】
【実施例】次に実施例に基づき本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。なお、実施例における各種物性値の測定は、以
下の方法により測定した。
【0028】(1)相対粘度:96%の硫酸を溶媒とし
て、この溶媒100ccに試料1.0gを溶解し、温度
25℃の条件で常法により測定した。
【0029】(2)引張強度(MPa):ASTM−D
−638に記載の方法に準じて測定した。
【0030】(3)引張伸度(%):ASTM−D−6
38に記載の方法に準じて測定した。
【0031】(4)曲げ強度(MPa):ASTM−D
−790に記載の方法に準じて測定した。
【0032】(5)曲げ弾性率(GPa):ASTM−
D−790に記載の方法に準じて測定した。
【0033】(6)磨耗量(mg・mm2/kg・k
m):樹脂組成物を用いて、外径25.6mm、内径2
0mm、厚み15mmの円筒形の試験片を作製した。次
いで、鈴木式摩擦磨耗試験機(東洋測器社製 C−M
型)を用いて、相手材としてS45C鋼を用い、試験荷
重15kgf(面圧7.5kg/cm2 )、周速30c
m/秒の条件で回転を行った。3時間後に試料の重量を
測定し、試験前の重量との差から磨耗量を求めた。 (7)摩擦係数:樹脂組成物を用いて、外径25.6m
m、内径20mm、厚み15mmの円筒形の試験片を作
製した。次いで、鈴木式摩擦磨耗試験機(東洋測器社製
C−M型)の摩擦力検出器を用いて、荷重7.5kg
/cm2の条件で1時間後の摩擦係数と2時間後の摩擦
係数とを測定した。
【0034】実施例1 ポリアミド樹脂として相対粘度2.5のナイロン6(ユ
ニチカ社製 A1030J)90重量部を用いた。ま
た、超高分子量ポリオレフィンとして、重量平均分子量
が200万、平均粒径が30μm、嵩密度が0.94g
/cm3である超高分子量ポリエチレン(三井石油化学
工業社製 ミペロンXM−220)10重量部を用い
た。
【0035】前記配合割合のナイロン6と超高分子量ポ
リエチレンとを、シリンダー温度260℃に設定した二
軸押し出し機(池貝鉄工社製 型番PCM−30)を用
いてブレンドし、樹脂ペレットを作製した。
【0036】得られた樹脂ペレットは、90℃の温度で
15時間真空乾燥した。この樹脂ペレットを用いて、シ
リンダー温度260℃、金型温度80℃に調整された射
出成形機により上述の試験片を作製した。
【0037】得られた樹脂組成物の機械的特性と摩擦係
数と磨耗量との測定結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例2 ナイロン6(ユニチカ社製 A1030J)樹脂85重
量部に超高分子量ポリオレフィン(三井石油化学工業社
製 ミペロンXM−220)を15重量部を用いた。
【0040】そしてそれ以外は、実施例1と同様にして
試験片を作製した。得られた樹脂組成物の機械的特性と
摩擦係数と磨耗量との測定結果を表1に示す。
【0041】実施例3 ナイロン6(ユニチカ社製 A1030J)樹脂80重
量部に超高分子量ポリオレフィン(三井石油化学工業社
製 ミペロンXM−220)を20重量部を用いた。
【0042】そしてそれ以外は、実施例1と同様にして
試験片を作製した。得られた樹脂組成物の機械的特性と
摩擦係数と磨耗量との測定結果を表1に示す。
【0043】実施例4 ポリアミド樹脂として相対粘度2.5のナイロン6(ユ
ニチカ社製 A1030J)90重量部を用いた。ま
た、超高分子量ポリオレフィンとして、重量平均分子量
が200万、平均粒径が30μm、嵩密度が0.94g
/cm3である超高分子量ポリエチレン(三井石油化学
工業社製 ミペロンXM−220)10重量部を用い
た。
【0044】そして、前記ナイロン6と超高分子量ポリ
エチレンとの合計100重量部に対し、さらに添加剤と
して粒径0.9μmの超微粉タルク(日本タルク社製
N(F))を0.5重量部用いた。
【0045】前記配合割合のナイロン6と超高分子量ポ
リエチレンとタルクとを、シリンダー温度260℃に設
定した二軸押し出し機(池貝鉄工社製 PCM−30)
を用いてブレンドし、樹脂ペレットを作製した。
【0046】得られた樹脂ペレットは、90℃の温度で
15時間真空乾燥した。この樹脂ペレットを用いて、シ
リンダー温度260℃、金型温度80℃に調整された射
出成形機により試験片を作製した。
【0047】得られた樹脂組成物の機械的特性と摩擦係
数と磨耗量との測定結果を表1に示す。
【0048】実施例5 添加剤としてタルクの代わりに潤滑油(東芝シリコーン
社製 シリコンオイルTSF451−1M)を2重量部
用いた。
【0049】そして、それ以外は実施例4と同様にして
試験片を作製した。得られた樹脂組成物の機械的特性と
摩擦係数と磨耗量との測定結果を表1に示す。
【0050】実施例6 添加剤としてリン酸塩粉末(太平化学産業社製 第三リ
ン酸カルシウム)を3重量部用いた。
【0051】そして、それ以外は実施例4と同様にして
試験片を作製した。得られた樹脂組成物の機械的特性と
摩擦係数と磨耗量との測定結果を表1に示す。
【0052】実施例1〜6は、いずれもポリアミド樹脂
と超高分子量ポリオレフィンとが本発明の範囲でブレン
ドされているため、いずれも良好な摩擦係数や磨耗量が
低く摺動性に優れたものであった。また、実施例1〜3
では、超高分子量ポリオレフィンの配合量が増えると、
ポリアミド樹脂の配合割合が減るため機械的特性はやや
低下するものの、摩擦係数や磨耗量は小さくなり摺動性
が向上した。
【0053】実施例4〜6は、いずれも実施例1の樹脂
組成物にタルクやリン酸塩や潤滑剤を配合したものとな
ったため、実施例1に比べ、機械的強度は同等あるいは
やや低下したものの、摩擦係数や磨耗量は低くなり摺動
性が向上した。
【0054】比較例1 樹脂組成物の材料を、相対粘度2.5のナイロン6(ユ
ニチカ社製 A1030J)のみとした。そしてそれ以
外は実施例1と同様にして試験片を作製した。
【0055】得られた樹脂組成物の機械的特性と摩擦係
数と磨耗量との測定結果を表1に示す。
【0056】比較例2 相対粘度2.5のナイロン6(ユニチカ社製 A103
0J)を本発明の範囲の下限よりも少なく、65重量部
とした。そして、重量平均分子量が200万、平均粒径
が30μm、嵩密度が0.94g/cm3である超高分
子量ポリエチレン(三井石油化学工業社製 ミペロンX
M−220)の配合量を本発明の範囲の上限より多く3
5重量部とした。
【0057】そして、それ以外は実施例1と同様にして
試験片を作製した。得られた樹脂組成物の機械的特性と
摩擦係数と磨耗量との測定結果を表1に示す。
【0058】比較例3 添加剤としてタルクを用い、その配合量を本発明の範囲
の上限より多く10重量部とした。
【0059】そして、それ以外は実施例4と同様にして
試験片を作製した。得られた樹脂組成物の機械的特性と
摩擦係数と磨耗量との測定結果を表1に示す。
【0060】比較例1は、ポリアミド樹脂のみを用いた
ため、機械的特性には優れているものの、摩擦係数や磨
耗量が大きく摺動性に劣るものであった。比較例2は、
ポリアミド樹脂の配合割合が本発明の下限より少なかっ
たため、機械的特性に劣るものとなり、自動車のドアチ
ェック用レバーとして使用するには不向きなものであっ
た。
【0061】比較例3は、添加剤の配合割合を本発明の
上限よりも多くしたため、摩擦係数や磨耗量が大きく摺
動性に劣るものであった。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、相対粘度1.0〜4.
5のポリアミド樹脂95〜70重量部と超高分子量ポリ
オレフィン5〜30重量部とからポリアミド樹脂組成物
を作製することで、摺動性に優れた樹脂組成物が得られ
る。また、前記ポリアミド樹脂組成物100重量部に対
し、さらにリン酸塩粉末またはタルクまたは潤滑油の中
から選ばれた少なくとも1種類のものを0.5〜5重量
部の割合で添加することで、摩擦特性や磨耗特性などの
摺動性がさらに向上する。
【0063】また、相対粘度1.0〜4.5のポリアミ
ド樹脂を95〜70重量部の範囲で用いているため、機
械的特性にも優れた樹脂組成物が得られる。従って、上
記樹脂組成物からなる成形品は、例えば、自動車のドア
チェック用レバーのような機械的特性と摺動性との双方
に優れた摺動部材として好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の一般的な自動車のドアチェック用レバー
の斜視図である。
【符号の説明】
1 ドアチェク用レバー 2 ポリアミド樹脂組成物 3 金属
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08J 5/00 CFG C08J 5/00 CFG (C08L 77/00 23:02)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対粘度1.0〜4.5のポリアミド樹
    脂95〜70重量部と超高分子量ポリオレフィン5〜3
    0重量部とからなることを特徴とするポリアミド樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリアミド樹脂組成物1
    00重量部に対して、さらにタルクまたはリン酸塩粉末
    または潤滑油の中から選ばれた少なくとも1種類の添加
    剤が5重量部以下の割合で配合されていることを特徴と
    するポリアミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のポリアミ
    ド樹脂組成物を用いてなる成形品。
  4. 【請求項4】 ドアチェック用レバーであることを特徴
    とする請求項3記載の成形品。
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