JPH11124575A - 土壌改良剤 - Google Patents

土壌改良剤

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JPH11124575A
JPH11124575A JP10231954A JP23195498A JPH11124575A JP H11124575 A JPH11124575 A JP H11124575A JP 10231954 A JP10231954 A JP 10231954A JP 23195498 A JP23195498 A JP 23195498A JP H11124575 A JPH11124575 A JP H11124575A
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JP
Japan
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soil
acid
formula
water
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JP10231954A
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Yoshihiro Irisato
義広 入里
Hiroaki Tamaya
玉谷  弘明
Chiaki Morooka
千秋 諸岡
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05GMIXTURES OF FERTILISERS COVERED INDIVIDUALLY BY DIFFERENT SUBCLASSES OF CLASS C05; MIXTURES OF ONE OR MORE FERTILISERS WITH MATERIALS NOT HAVING A SPECIFIC FERTILISING ACTIVITY, e.g. PESTICIDES, SOIL-CONDITIONERS, WETTING AGENTS; FERTILISERS CHARACTERISED BY THEIR FORM
    • C05G5/00Fertilisers characterised by their form
    • C05G5/40Fertilisers incorporated into a matrix
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05GMIXTURES OF FERTILISERS COVERED INDIVIDUALLY BY DIFFERENT SUBCLASSES OF CLASS C05; MIXTURES OF ONE OR MORE FERTILISERS WITH MATERIALS NOT HAVING A SPECIFIC FERTILISING ACTIVITY, e.g. PESTICIDES, SOIL-CONDITIONERS, WETTING AGENTS; FERTILISERS CHARACTERISED BY THEIR FORM
    • C05G3/00Mixtures of one or more fertilisers with additives not having a specially fertilising activity
    • C05G3/80Soil conditioners

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用時には保水性に優れ、使用後には分解し
土壌への蓄積性がない土壌改良剤を提供する。 【解決手段】 式(1)の繰返し単位を有する架橋重合
体を含む土壌改良剤。 【化1】 [R1は水素原子、又は、酸性基並びにその塩、グリシ
ノ基並びにその塩、カチオン基、ベタイン基、水酸基、
メルカプト基及びアミノ基から選ばれた官能基を有する
ペンダント基]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性を有する
土壌改良剤、土壌組成物及び土壌改良方法に関する。詳
しくは、使用中は保水性に優れ、植物の根、葉等の成長
を促進し、使用後は分解し、土壌への蓄積性が無い土壌
改良剤に関する。さらに詳しくは、制限された潅水下に
おいても著しい保水効果を発揮する、生分解性の土壌改
良剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
[乾燥地の緑化]近年、世界的な人口増加に伴う食料不
足が重大な社会問題として取り上げられている。この食
糧不足の解決策の一つとして、砂漠や砂丘等の乾燥地を
農地化する方法が考えられている。そのためには、でき
るだけ簡単な作業にて、できるだけ節水した条件にて、
土壌中の水分を一定に保持することが最重要課題であ
り、数多くの方法が提案されている。
【0003】例えば、土中に不透水層を設けて、雨水の
貯水を容易にする方法がある。このような不透水層を設
ける方法としては、所要の区域全体を、所定の深さまで
掘り起こした後、プラスチックフィルムを敷き詰めた
り、アスファルトを流展したのち埋め戻す方法、セメン
ト、水ガラス、各種高分子形成剤のような固化性物質を
ノズルを介して地中に注入する方法などが報告されてい
る[「アグロノミ・ジャーナル(Agronomy J
ournal)」第65巻、第2号、第191〜194
頁(1973年)、「タバコ・インターナショナル(T
obaco International)」第175
巻、第13号、第67〜74頁(1973年)、特開平
3−66819号公報など]。
【0004】しかしながら、プラスチックフィルムを敷
き詰めたり、アスファルトを流展する方法は、掘り起こ
しや埋め戻しに多大な労力と時間を要する。また、土中
に埋没した止水層の上下の水の移動が遮断されるので、
土層の排水不良を引き起こし、植物の根腐れが発生しや
すい。
【0005】また、別の方法として、礫や砂利などを層
状に土中に埋没する方法がある。しかしながら、この方
法は多量の礫や砂利を必要とし、かつ礫や砂利を層状に
埋設する作業に多大な労力を必要とする。
【0006】これらの改良方法として、土壌中のイオン
により錯体化して不溶化する水溶性ポリマーの水溶液
を、所定地域内に施し、自然浸透させて、地中に難透水
層を形成させる方法が提案されている(特開昭59−2
02287号、特開昭61−250085号、特公平2
−26662号、特公平5−27676号、特開平4−
220448号)。しかしながら、この方法では、層の
形成深さが深くなると、同じポリマー水溶液を用いても
試験の度に層の形成深さが大きく変わるので、所要の深
さに層を形成させることが非常に困難である。
【0007】以上述べたように、従来より、簡単な方法
で乾燥地の緑化ができる方法が望まれていた。
【0008】[人工地盤の緑化]一方、快適な生活環境
を発現するために、人工空間に緑を取り入れることが行
われている。例えば、屋内の観葉植物、道路、中央分離
帯側帯の緑化、街路樹の植え付け、海岸砂防林等の人工
地盤土壌への移植が実施されている。しかし、これらの
人工的に作り出された環境は、大部分が植物の生育にと
って不適当な環境であり、根が十分に発育しなかった
り、根の活着が不十分なために、うまく生育せず、枯死
したりする場合が多い。それを防ぐためには、多大な労
力を要し、しかも必ずしもうまく行かない場合が多い。
その原因は、特に水の管理が不十分な点に起因すること
が多く、このような環境では、潅水が不足しやすいの
で、適切な保水材が要望されていた。
【0009】さらには、これらの枯死等を防ぐためには
根の成長を活性化することが必要であり、根を活性化
し、かつ保水性のある資材が望まれていた。
【0010】[農作物の育成]農園芸用の植物生育は、
育苗も含めてその生育管理が難しく、総括的な管理を行
うのに多大な労力と費用を要していた。ここでも、管理
において重要な因子となるのが、潅水管理である。すな
わち、有用植物の良好な生育を図るためには、生育期間
中、土中の固相、液相、気相の三相のバランスを保ち、
たえず土壌に適度な水分を保持させ、水分を植物に補給
し続けることが不可欠な条件である。
【0011】そのために、土壌に保水性を付与する方法
が多く行われている。例えば、保水性のある土壌改良剤
(以下、保水材という)を土壌に混合することが広く実
施されている。保水材には、保水効果と共に、根の呼吸
の維持と根腐れを抑制するために、空気の流通を維持す
る通気効果も要求される。保水材の具体例としては、例
えば、腐葉土、鹿沼土、ピートモス、パーライト、バー
ミキュライト、発泡ウレタン等が挙げられるが、これら
は、保水効果及び通気効果の両者を必ずしも同時に満足
するものではない。
【0012】[吸水性樹脂を用いた保水材]一方、自重
の数百倍もの水を吸水する高吸水性樹脂を土壌に混合し
て、土壌の保水性を向上させることはよく知られてお
り、特に砂漠緑化や砂漠化防止といった環境保全におい
て重要な役割を果たすことが期待されている。
【0013】このような吸水性樹脂としては、例えば、
架橋ポリアクリル酸部分中和物(特開昭55−8430
4号、米国特許4625001号)、澱粉−アクリロニ
トリル共重合体の部分加水分解物(特開昭46−439
95号)、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体(特開昭
51−125468号)、酢酸ビニル−アクリル酸エス
テル共重合体の加水分解物(特開昭52−14689
号)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸とアクリル酸の共重合架橋物(欧州特許00681
89号)、カチオン性モノマーの架橋重合体(米国特許
4906717号)、架橋イソブチレン−無水マレイン
酸共重合体の加水分解物(米国特許4389513
号)、ポリエチレンオキシド架橋重合体(特開平6−1
57795号)などが知られている。
【0014】このような吸水性樹脂を使用した具体例と
しては、例えば、酸度矯正資材、吸水性高分子化合物及
び必要によりバインダーを含有し、粒状に成形した土壌
改良剤(特開平2−77487号)、ポリスチレン発泡
粒子、高吸水性樹脂微粉末及び砕石粉又は砂を水エマル
ジョン系の接着剤又は粘結剤と混練して粒塊状とした
後、乾燥した土壌改良剤(特開平6−88074号)が
開示されている。
【0015】しかしながら、これらの高吸水性樹脂は何
れも生分解性を有していないので、長期にわたり土壌中
に残留するという問題がある。
【0016】例えば、農・園芸用保水材として架橋ポリ
アクリル酸樹脂を使用した場合、土壌中でCa2+等の多
価イオンとコンプレックスを形成し、不溶性の層を形成
すると報告されている(松本ら、高分子、42巻、8月
号、1993年)。このような層は、塩濃度の高い乾燥
地では塩害を防ぐ可能性があるとされている。しかしな
がら、このような層は自然界には全くないものであり、
長期にわたる使用では地中に蓄積されることになる。そ
のもの自身は無害であるとはわれてはいるが、長期に亘
る蓄積による生態系へ与える影響、ひいては地球環境へ
与える影響についての検討が今後の課題となる。一方、
非イオン性の吸水性樹脂の場合、コンプレックスは形成
しないが、非分解性なので、やはり土壌中へ蓄積する。
【0017】さらに、これらの重合系の樹脂は、植物等
に対して毒性の強いアクリル酸等のモノマーを原料とし
て使用している。重合後の製品からこれを除去するため
に多くの検討がなされているが、完全に除くことは困難
であり、植物の葉部分の木化とか、生育阻害等を引き起
こすおそれがある。
【0018】ところで、ポリアミノ酸はその化学構造
上、安全性、生分解性といった特徴を有するポリマーと
して知られており、古くより生体高分子モデルとして研
究されてきた他に、人工皮革、薬剤の担体、化粧品等へ
の用途研究も行われている。
【0019】また、欧州特許第94/09628号に
は、ポリアスパラギン酸及びそのコポリマー等のポリア
ミノ酸が、植物による肥料吸収を促進し、植物成長を助
長することが開示されている。しかし、ポリアミノ酸自
体は水溶性なので、土壌中で潅水等により流出し、効果
を持続させるのは難しい。
【0020】そこで、本発明者らは、育苗用ポットに使
用される育苗用土壌組成物を開発した(特開平8−33
7775号)。この組成物は、植物の根の活着を促進す
るので有用である。
【0021】しかし、育苗用ポットのみならず、乾燥
地、田畑、育苗苗床等の土中の保水材として、保水性が
高く、かつ分解後の残存性がないものは無く、従来より
強く望まれていた。また、ここで用いた樹脂は保水能が
未だ十分とはいえず、潅水状態が不良もしくは潅水量が
制限された環境においても、保水材としての効果が高
く、土中で長期間の効果を発揮する保水材が強く望まれ
ていた。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来の問題を解決し、使用時には保水性に優
れ、植物の根、葉等の成長を促進し、かつ使用後には分
解し、土壌への蓄積性がない土壌改良剤を提供すること
にある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的は、分子内に下
記式(1)で表される繰り返し単位を有する架橋重合体
を含むことを特徴とする土壌改良剤により達成できる。
【0024】
【化4】 [式中、R1は、水素原子、又は、酸性基並びにその
塩、グリシノ基並びにその塩、カチオン基、ベタイン
基、水酸基、メルカプト基及びアミノ基からなる群より
選ばれた少なくとも一個の官能基を有するペンダント基
であり、X1は、NH、NR1'(R1'はアルキル基、ア
ラルキル基又はアリール基)、O、又は、Sであり、n
1は1又は2である。] このような構造を有する架橋重合体を含む本発明の土壌
改良剤は、使用時には保水性に優れ、かつ使用後には、
土壌への蓄積性が無く、土壌を改良する用途において非
常に有用である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明に用いる重合体は、酸性ポ
リアミノ酸、または、それらの共重合体である。酸性ポ
リアミノ酸としては、ポリグルタミン酸とポリアスパラ
ギン酸があるが、吸水性樹脂としてより有用なポリアス
パラギン酸系の重合体を中心に説明する。
【0026】(1)重合体の構造 本発明に用いる重合体は、その構造上から大きく分ける
と重合体のポリマー基本骨格、側鎖部分、架橋部分から
なる。以下これらを3つに分けて説明する。
【0027】(1−1)重合体のポリマー基本骨格 本発明に用いる重合体のポリマー基本骨格は、ポリグル
タミン酸、ポリアスパラギン酸等の酸性ポリアミノ酸で
あるので、グルタミン酸又はアスパラギン酸を繰り返し
単位として主鎖を形成する。
【0028】これらは、他のアミノ酸を繰り返し単位と
して含んでいても構わない。他のアミノ酸成分の具体例
としては、例えば、20種類の必須アミノ酸、L−オル
ニチン、一連のα−アミノ酸、β−アラニン、γ−アミ
ノ酪酸、中性アミノ酸、酸性アミノ酸、酸性アミノ酸の
ω−エステル、塩基性アミノ酸、塩基性アミノ酸のN置
換体、アスパラギン酸−L−フェニルアラニン2量体
(アスパルテーム)等のアミノ酸及びアミノ酸誘導体、
L−システイン酸等のアミノスルホン酸等を挙げること
ができる。α−アミノ酸は、光学活性体(L体、D体)
であっても、ラセミ体であってもよい。また、重合体
は、アミノ酸以外の繰り返し単位を含む共重合体であっ
てもよい。
【0029】共重合体の繰り返し単位の例として、アミ
ノカルボン酸、アミノスルホン酸、アミノホスホン酸、
ヒドロキシカルボン酸、メルカプトカルボン酸、メルカ
プトスルホン酸、メルカプトホスホン酸等の脱水縮合物
が挙げられる。
【0030】また、多価アミン、多価アルコール、多価
チオール、多価カルボン酸、多価スルホン酸、多価ホス
ホン酸、多価ヒドラジン化合物、多価カルバモイル化合
物、多価スルホンアミド化合物、多価ホスホンアミド化
合物、多価エポキシ化合物、多価イソシアナート化合
物、多価イソチオシアナート化合物、多価アジリジン化
合物、多価カーバメイト化合物、多価カルバミン酸化合
物、多価オキサゾリン化合物、多価反応性不飽和結合化
合物、多価金属等の脱水縮合物、付加物、置換体が挙げ
られる。
【0031】共重合体である場合は、ブロック・コポリ
マーであっても、ランダム・コポリマーであっても構わ
ない。また、グラフトであっても構わない。
【0032】これらの中で、高い吸水性を有するポリア
スパラギン酸及びポリグルタミン酸を基本骨格とした場
合が好ましく、さらに工業的生産に適したポリアスパラ
ギン酸のホモポリマーが特に好ましい。
【0033】本発明に用いる重合体のポリマー基本骨格
としては、ポリアスパラギン酸の場合は、主鎖中のアミ
ド結合が、α結合である場合と、β結合である場合があ
る。ポリグルタミン酸の場合は、主鎖中のアミド結合
が、α結合である場合と、γ結合である場合がある。
【0034】すなわち、ポリアスパラギン酸及びその共
重合体の場合は、アスパラギン酸もしくは共重合体単量
体のアミノ基等と、アスパラギン酸のα位のカルボキシ
ル基と結合した場合がα結合であり、アスパラギン酸の
β位のカルボキシル基と結合した場合がβ結合である。
ポリグルタミン酸及びその共重合体の場合は、グルタミ
ン酸もしくは共重合体単量体のアミノ基等と、グルタミ
ン酸のα位のカルボキシル基と結合した場合がα結合で
あり、グルタミン酸のγ位のカルボキシル基と結合した
場合がγ結合である。
【0035】このポリアスパラギン酸の場合のα結合と
β結合、ポリグルタミン酸の場合のα結合とγ結合は、
通常、混在して存在する。その結合様式は、特に限定さ
れない。
【0036】本発明に用いる重合体の側鎖基及び架橋基
は、基本的に、酸性ポリアミノ酸のカルボキシル基が置
換されたカルボン酸誘導体である。その詳細を以下に説
明する。
【0037】なお本発明では、結合の様式に関わらず、
ポリマー中のアスパラギン酸からなる単量体部分を「ポ
リアスパラギン酸残基」、ポリマー中のグルタミン酸か
らなる単量体部分を「ポリグルタミン酸残基」、両者を
併せて「酸性ポリアミノ酸残基」と呼ぶ。
【0038】(1−2)重合体の側鎖構造 本発明に用いる重合体は、前記式(1)に示すように、
ポリアミノ酸酸残基のカルボキシル基がさらに誘導され
た特定の繰返し単位を有する。その重合体の側鎖は、ポ
リマー主鎖である酸性ポリアミノ酸残基のカルボキシ基
が誘導された構造をとる。
【0039】本発明においては、各ポリマー側鎖から、
上記のポリマー主鎖との結合を除いた部分[式(1)中
のR1]を「ペンダント基」と呼ぶ。そして、本発明に
用いる重合体は、このR1が、酸性基並びにその塩、グ
リシノ基並びにその塩、カチオン基、ベタイン基、水酸
基、メルカプト基及びアミノ基からなる群より選ばれた
少なくとも一個の官能基を有するペンダント基であるこ
と、あるいはペンダント基が無い場合、すなわちR1
水素原子であることを特徴とする。本発明においては、
この重合体のペンダント基中の、酸性基並びにその塩、
グリシノ基並びにその塩、カチオン基、ベタイン基、水
酸基、メルカプト基及びアミノ基からなる群より選ばれ
た少なくとも一個の官能基を「特定官能基」と呼ぶ。
【0040】本発明の重合体の側鎖基にペンダント基が
結合していない場合、すなわちR1が水素原子である場
合は、その側鎖基は、カルボン酸基、チオカルボン酸
基、又はカルボキサミド基等を構成する。カルボキサミ
ド基のアミン成分は特に限定されず、1級アミン、2級
アミンどちらでも構わないが、炭素数1〜4程度の炭素
数が少ないアルキル基を有するものが好ましい。
【0041】本発明に用いる重合体において、一般式
(1)で表される繰り返し単位の数は、分子を構成する
繰り返し単位の総数に対して、1〜99.8%が好まし
く、10〜99.8%がより好ましい。
【0042】本発明に用いる重合体のペンダント基(R
1)は、ポリマー主鎖のカルボニル基と、N、O又はS
により結合している(X1)。すなわちアミド、エステ
ル、チオエステル結合である。この重合体の側鎖基は、
ポリマー主鎖のアミド結合に対して、アスパラギン酸残
基の場合は、α位に置換されていても、β位に置換され
ていても構わず、グルタミン酸残基の場合は、α位に置
換されていても、γ位に置換されていても構わない。
【0043】本発明に用いる重合体のペンダント基は、
上述した特定官能基を有するが、官能基以外の部分は主
に炭素と水素から成るので、本発明では、これを便宜的
に炭化水素基と呼ぶ。
【0044】この炭化水素基としては、特に限定されな
いが、アルキル、アラルキル、アルキルオキシ、フェニ
ル、ナフチル基等が挙げられる。これらは直鎖であって
も分岐構造であっても、環状構造であっても構わない。
【0045】この炭化水素基は、その炭素原子の一部を
O、N、S、P、B、Si等を含む置換基にて置換され
ていても構わない。すなわち、環構造の場合は、炭素原
子の一部をO、N、S、P、B、Si等で置換されてい
てもよく、また、O、N、S、P、B、Si等が導入さ
れた、エーテル基、エステル基、カルボニル基、ウレア
基、チオエステル基、チオカルボニル基、スルホン基、
スルホニル基、スルホンアミド基、二級アミノ基、三級
アミノ基、アミド基、ホスホン基、ホスホンアミド基等
の置換基にて置換されていても構わない。
【0046】また、炭化水素基に対する特定官能基の置
換位置も特に限定されない。炭化水素基の具体的な例を
以下に挙げる。なお、以下の例は、便宜的に、ペンダン
ト基の炭化水素基の部分を例示したものである。本発明
における実際のペンダント基は、これらの炭化水素基の
水素が特定官能基で置換された構造を有する。
【0047】例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデ
シル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル
基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基
等のアルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル
基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基、ベンジル
基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニル
ブチル基等のアラルキル基、フェニル基、トリル基、キ
シリル基、クロロフェニル基、ビフェニル基等のフェニ
ル基、ナフチル基、メチルナフチル基等のアリール基、
メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチ
ル基、ブトキシエチル基、ペンチルオキシエチル基、ヘ
キシルオキシエチル基、ヘプチルオキシエチル基、オク
チルオキシエチル基、デシルオキシエチル基、ウンデシ
ルオキシエチル基、ドデシルオキシエチル基、トリデシ
ルオキシエチル基、テトラデシルオキシエチル基、ペン
タデシルオキシエチル基、ヘキサデシルオキシエチル
基、ヘプチルデシルオキシエチル基、オクチルデシルオ
キシエチル基等のアルコキシアルキル基、ポリオキシエ
チレン基、ポリオキシプロピレン基等のポリオキシアル
キレン基、フェノキシエチル基等のアリールオキシアル
キル基、ベンジルオキシエチル基、トリルオキシエチル
基等のアラルキルオキシアルキル基、メチルチオエチル
基、エチルチオエチル基、プロピルチオエチル基、ブチ
ルチオエチル基、ペンチルチオエチル基、ヘキシルチオ
エチル基、ヘプチルチオエチル基、オクチルチオエチル
基、ノニルチオエチル基、デシルチオエチル基、ウンデ
シルチオエチル基、ドデシルチオエチル基、トリデシル
チオエチル基、テトラデシルチオエチル基、ペンタデシ
ルチオエチル基、ヘキサデシルチオエチル基、ヘプチル
デシルチオエチル基、オクチルデシルチオエチル基等の
アルキルチオアルキル基、ポリチオエチレン基、ポリチ
オプロピレン基等のポリチオアルキレン基、フェニルチ
オエチル基、トリルチオエチル基等のアリールチオアル
キル基、ベンジルチオエチル基等のアラルキルチオアル
キル基、メチルアミノエチル基、エチルアミノエチル
基、プロピルアミノエチル基、ブチルアミノエチル基、
ペンチルアミノエチル基、ヘキシルアミノエチル基、ヘ
プチルアミノエチル基、オクチルアミノエチル基、ノニ
ルアミノエチル基、デシルアミノエチル基、ウンデシル
アミノエチル基、ドデシルアミノエチル基、トリデシル
アミノエチル基、テトラデシルアミノエチル基、ペンタ
デシルアミノエチル基、ヘキサデシルアミノエチル基、
ヘプチルデシルアミノエチル基、オクチルデシルアミノ
エチル基等のアルキルアミノアルキル基、ジメチルアミ
ノエチル基、ジエチルアミノエチル基、ジプロピルアミ
ノエチル基、ジブチルアミノエチル基、ジペンチルアミ
ノエチル基、ジヘキシルアミノエチル基、ジヘプチルア
ミノエチル基、ジオクチルアミノエチル基、ジノニルア
ミノエチル基、ジデシルアミノエチル基、ジウンデシル
アミノエチル基、ジドデシルアミノエチル基、ジトリデ
シルアミノエチル基、ジテトラデシルアミノエチル基、
ジペンタデシルアミノエチル基、ジヘキサデシルアミノ
エチル基、ジヘプチルデシルアミノエチル基、ジオクチ
ルデシルアミノエチル基、エチルメチルアミノエチル
基、メチルプロピルアミノエチル基等のジアルキルアミ
ノアルキル基、トリメチルアンモニオ基、トリエチルア
ンモニオ基、トリプロピルアンモニオ基、トリブチルア
ンモニオ基、トリペンチルアンモニオ基、ジメチルエチ
ルアンモニオ基、ジメチルベンジルアンモニオ基、メチ
ルジベンジルアンモニオ基等のトリアルキルアンモニウ
ム基、メチルオキシカルボニルエチル基、エチルオキシ
カルボニルエチル基、プロピルオキシカルボニルエチル
基、ブチルオキシカルボニルエチル基、ペンチルオキシ
カルボニルエチル基、ヘキシルオキシカルボニルエチル
基、ヘプチルオキシカルボニルエチル基、オクチルオキ
シカルボニルエチル基、ノニルオキシカルボニルエチル
基、デシルオキシカルボニルエチル基、ウンデシルオキ
シカルボニルエチル基、ドデシルオキシカルボニルエチ
ル基、トリデシルオキシカルボニルエチル基、テトラデ
シルオキシカルボニルエチル基、ペンタデシルオキシカ
ルボニルエチル基、ヘキサデシルオキシカルボニルエチ
ル基、ヘプチルデシルオキシカルボニルエチル基、オク
チルデシルオキシカルボニルエチル基等のアルキルオキ
シカルボニルアルキル基、メチルカルボニルオキシエチ
ル基、エチルカルボニルオキシエチル基、プロピルカル
ボニルオキシエチル基、ブチルカルボニルオキシエチル
基、ペンチルカルボニルオキシエチル基、ヘキシルカル
ボニルオキシエチル基、ヘプチルカルボニルオキシエチ
ル基、オクチルカルボニルオキシエチル基、ノニルカル
ボニルオキシエチル基、デシルカルボニルオキシエチル
基、ウンデシルカルボニルオキシエチル基、ドデシルカ
ルボニルオキシエチル基、トリデシルカルボニルオキシ
エチル基、テトラデシルカルボニルオキシエチル基、ペ
ンタデシルカルボニルオキシエチル基、ヘキサデシルカ
ルボニルオキシエチル基、ヘプチルデシルカルボニルオ
キシエチル基、オクチルデシルカルボニルオキシエチル
基等のアルキルカルボニルオキシアルキル基等が挙げら
れる。
【0048】さらに、以下の具体例が挙げられる。
【0049】
【化5】 さらに、上述した炭化水素基は、特定官能基以外の置換
基を含んでいても構わない。その置換基としては、炭素
数1から18の分岐していても良いアルキル基、炭素数
3から8のシクロアルキル基、アラルキル基、置換して
いてもよいフェニル基、置換していてもよいナフチル
基、炭素数1から18の分岐していても良いアルコキシ
基、アラルキルオキシ基、フェニルチオ基、炭素数1か
ら18の分岐していても良いアルキルチオ基、炭素数1
から18の分岐していても良いアルキルアミノ基、炭素
数1から18の分岐していても良いジアルキルアミノ
基、炭素数1から18の分岐していても良いトリアルキ
ルアンモニオ基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、ア
ルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基等
が挙げられる。
【0050】次に、ペンダント基に含まれる特定官能基
について説明する。
【0051】本発明に用いる重合体のペンダント基に含
まれる酸性基としては、カルボキシル基、スルホン酸
基、チオカルボン酸基、ジチオカルボン酸基、チオ炭酸
基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸
基、亜硫酸基、スルフィン酸基、アミド硫酸基、スルフ
ァミン酸基、ホウ酸基等が挙げられる。これら酸性基は
塩となっていても構わない。特にカルボキシル基、スル
ホン酸基、ホスホン酸基、スルファミン酸基、チオカル
ボン酸基、ジチオカルボン酸基、リン酸基が好ましい。
【0052】酸性基の対イオンとしては、特に限定され
ないが、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ
金属塩、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テ
トラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウ
ム、テトラブチルアンモニウム、テトラペンチルアンモ
ニウム、テトラヘキシルアンモニウム、エチルトリメチ
ルアンモニウム、トリメチルプロピルアンモニウム、ブ
チルトリメチルアンモニウム、ペンチルトリメチルアン
モニウム、ヘキシルトリメチルアンモニウム、シクロヘ
キシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルア
ンモニウム、トリエチルプロピルアンモニウム、トリエ
チルブチルアンモニウム、トリエチルペンチルアンモニ
ウム、トリエチルヘキシルアンモニウム、シクロヘキシ
ルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモ
ニウム等のアンモニウム塩、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、
トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリエタノ
ールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノール
アミン、トリペンタノールアミン、トリヘキサノールア
ミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルア
ミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシル
アミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、
エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメ
チルアミン、メチルペンチルアミン、メチルヘキシルア
ミン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、
ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オク
チルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデ
シルアミン等のアミン塩等が挙げられる。
【0053】この中で対イオンの分子量が大きくなると
相対的に単量体単位あたりの分子量が大きくなり、単位
重量当たりの吸水量が小さくなるので、対イオンの分子
量は小さい方が好ましい。また人の肌等に触れる可能性
がある場合は皮膚等への刺激性が低い方が良く、ナトリ
ウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、アンモ
ニウムが好ましい。
【0054】本発明に用いる重合体のペンダント基に含
まれるグリシノ基は、末端にカルボキシル基とアミノ基
を含む基である。具体的には、下記一般式(2)で表さ
れる互変異性体であるグリシノ基、若しくはその塩とし
て表わされる。
【0055】
【化6】 (式中、X2は、水素、アルカリ金属、アンモニウム、
ホスホニウム、又は、スルホニウムであり、X3は、水
素、又は、プロトン酸であり、X2又はX3が存在してい
ない場合も含む)。
【0056】グリシノ基のカルボキシル基の形態は特に
限定されない。具体的には、グリシノ基内のアミノ基と
対イオン(ベタイン)となっていてもよく、フリーのカ
ルボキシル基となってもよく、カルボン酸の塩となって
いてもよい。この中で、グリシノ基内のアミノ基と対イ
オン(ベタイン)となった場合もしくはフリーのカルボ
キシル基が好ましい。前記カルボン酸の塩中の塩形成対
イオンとしては、酸性基の対イオンとして先に例示した
ものと同様の対イオンが挙げられる。
【0057】グリシノ基のアミノ基の形態も特に限定さ
れない。具体的には、グリシノ基内のカルボキシル基と
対イオン(ベタイン)となっていてもよく、フリーのア
ミノ基となってもよく、アンモニウムの塩となっていて
もよい。この中で、グリシノ基内のカルボキシル基と対
イオン(ベタイン)となっている場合もしくはフリーの
アミノ基が好ましい。
【0058】前記アンモニウムの塩中の塩形成対イオン
の具体例としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素イオン
等のハロゲンイオン、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リ
ン酸イオン等の鉱酸イオン等の無機系陰イオン、ギ酸、
酢酸、プロピオン酸、安息香酸イオン等のカルボン酸イ
オン、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸イオン等
のスルホン酸イオン、ベンゼンホスホン酸イオン等のホ
スホン酸イオン等の有機系陰イオンが挙げられる。この
中で対イオンの分子量が大きくなると相対的に単量体単
位あたりの分子量が大きくなり、単位重量当たりの吸水
量が小さくなるので、対イオンの分子量は小さい方がい
い。また人の肌等に触れる可能性がある場合は皮膚等へ
の刺激性が低い方が良く、塩素、臭素、硫酸、リン酸イ
オン等のイオンが好ましい。その中でも特に塩素イオン
が特に好ましい。
【0059】本発明に用いる重合体のペンダント基に含
まれるカチオン基としては、アンモニウム、オキソニウ
ム、スルホニウム、ホスホニウム、セレノニウム、クロ
ロニウム、ブロモニウム、ヨードニウム等が挙げられ
る。化合物の安定性、安全性、製造面からアンモニウム
が好ましい。
【0060】アンモニウムは、特に限定されないが、四
級アンモニウムが、特に好ましい。四級アンモニウムの
具体例を以下に挙げる。なお、以下の具体例は、置換基
として挙げる。
【0061】例えば、トリメチルアンモニオ基、トリエ
チルアンモニオ基、トリプロピルアンモニオ基、トリブ
チルアンモニオ基、トリペンチルアンモニオ基、トリヘ
キシルアンモニオ基、トリヘプチルアンモニオ基、トリ
オクチルアンモニオ基、トリノニルアンモニオ基、トリ
ウンデシルアンモニオ基、トリドデシルアンモニオ基、
トリデシルアンモニオ基、トリテトラデシルアンモニオ
基、トリペンタデシルアンモニオ基、トリヘキサデシル
アンモニオ基、トリヘプチルデシルアンモニオ基、トリ
オクチルデシルアンモニオ基、ジメチルエチルアンモニ
オ基、ジメチルシクロヘキシルアンモニオ基、ジメチル
ベンジルアンモニオ基、メチルジベンジルアンモニオ
基、ジメチル(メチルオキシカルボニルメチル)アンモ
ニオ基、ジメチル(エチルオキシカルボニルメチル)ア
ンモニオ基、ジメチル(プロピルオキシカルボニルメチ
ル)アンモニオ基、ジメチル(ブチルオキシカルボニル
メチル)アンモニオ基、ジメチル(ペンチルオキシカル
ボニルメチル)アンモニオ基、ジメチル(ヘキシルオキ
シカルボニルメチル)アンモニオ基、ジメチル(オクチ
ルオキシカルボニルメチル)アンモニオ基、ジメチル
(フェニルオキシカルボニルメチル)アンモニオ基、ジ
メチル(ベンジルオキシカルボニルメチル)アンモニオ
基、ジメチル(シクロヘキシルオキシカルボニルメチ
ル)アンモニオ基、ジメチル(ナフチルオキシカルボニ
ルメチル)アンモニオ基、メチル−ビス(メチルオキシ
カルボニルメチル)アンモニオ基、トリス(メチルオキ
シカルボニルメチル)アンモニオ基、ジメチル(メチル
オキシエチル)アンモニオ基、ジメチル(エチルオキシ
エチル)アンモニオ基、ジメチル(ブチルオキシエチ
ル)アンモニオ基、ジメチル(ヘキシルオキシエチル)
アンモニオ基、ジメチル(フェニルオキシエチル)アン
モニオ基、ジメチル(シクロヘキシルオキシエチル)ア
ンモニオ基、ジメチル(ナフチルオキシエチル)アンモ
ニオ基、ジメチル(メチルオキシプロピル)アンモニオ
基、ジメチル(メチルオキシブチル)アンモニオ基、ジ
メチル(メチルオキシオクチル)アンモニオ基、ジメチ
ル(メチルオキシエチルオキシエチル)アンモニオ基、
ジメチル(メチルオキシエチルオキシブチル)アンモニ
オ基、ジメチル(メチルチオエチル)アンモニオ基、ジ
メチル(メチルチオブチル)アンモニオ基、ジメチル
(メチルアミノエチル)アンモニオ基、ジメチル(ジメ
チルアミノエチル)アンモニオ基、ジメチル(メチルア
ミノエチル)アンモニオ基、ジメチル(メチルカルボニ
ルオキシエチル)アンモニオ基、ジメチル(メチルカル
ボニルチオエチル)アンモニオ基、ジメチル(メチルチ
オカルボニルエチル)アンモニオ基、ジメチル(N−ア
セチルアミノエチル)アンモニオ基、ジメチル(N,N
−ジアセチルアミノエチル)アンモニオ基、ジメチル
(メチルカルボニルチオエチル)アンモニオ基、ジメチ
ル(カルバモイルエチル)アンモニオ基、ジメチル(N
−メチルカルバモイルエチル)アンモニオ基、ジメチル
フェニルアンモニオ基、メチルジフェニルアンモニオ基
等が挙げられる。
【0062】また、以下の具体例を挙げる。なおこれら
は、置換生成物として挙げる。
【0063】例えば、ピロール、オキサゾール、イソオ
キサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾー
ル、ピラゾール、フラザン、ピリジン、ピリダジン、ピ
リミジン、ピラジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾ
リン、イミダゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ピ
ペリジン、ピペラジン、モルホリン、キヌクリジン、イ
ンドール、イソインドール、インドリジン、キノリン、
イソキノリン、キノリジン、プリン、インダゾール、キ
ナゾリン、シンノリン、キノキサリン、フタラジン、プ
テリジン、カルバゾール、アクリジン、フェナントリジ
ン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、イ
ンドリン、イソインドリン等の含窒素環状化合物の4級
化物が挙げられる。これらの、ペンダント基に対する置
換位置は特に限定されない。
【0064】また、カチオン基としては、グアニジル基
のように実質的にカチオンとして働くもの含まれる。
【0065】これらの四級アンモニウムの中で、カチオ
ン基の分子量が大きくなると重量当りの吸水量が小さく
なり、また疎水性が高くなると吸水量は小さくなる。こ
れらの点と安全面から、カチオン基の分子量が小さく、
親水性が高い、トリメチルアンモニオ基、トリエチルア
ンモニオ基、トリプロピルアンモニオ基、トリブチルア
ンモニオ基、ジメチル(メチルオキシカルボニルメチ
ル)アンモニオ基、ジメチル(エチルオキシカルボニル
メチル)アンモニオ基、グアニジル基が好ましい。
【0066】カチオン基の対イオンの例としては、グリ
シノ基のアンモニウムの塩の対イオンとして先に例示し
たものと同様の対イオンが挙げられる。
【0067】本発明に用いる重合体のペンダント基に含
まれるベタイン基とは、両性イオンのことであり、同一
ペンダント基内にカチオン基とアニオン基を同時に含む
ものである。同一ペンダント基中にカチオン基とアニオ
ン基を含む場合で、両イオン間の距離が近い場合は、両
イオンを含む領域にて、イオンの安定化が起こるので好
ましい。
【0068】またベタイン基は、下記式(3)で表され
る分子団を含むことが好ましい。
【0069】
【化7】 (式中、Yはアニオン基であり、R1”及びR2”は、各
々独立してアルキル基、アラルキル基またはアリール基
であり、mは1乃至10の整数である。)。
【0070】ペンダント基を構成するベタイン基のカチ
オン基はpHに依存せず、常にプラスの電荷を帯びた基
が好ましい。ここで、一級アミノ基、二級アミノ基等
は、酸性ではカチオンとなり、アルカリ性では非イオン
性となるが、酸性側においてカチオンとして作用する場
合は、本発明におけるカチオンとして作用する。
【0071】ベタイン基中のカチオン基の例としては、
先にカチオン基単独の例として挙げたものと同様の基が
挙げられる。
【0072】また、ベタイン基中のアニオン基として
も、先に酸性基単独の例として挙げたものと同様の基が
挙げられる。それらの中で、製造が容易であり、安定性
に優れている点で、カルボキシル基、スルホン酸基、ホ
スホン酸基が好ましく、カルボキシル基、スルホン酸基
が特に好ましい。
【0073】また、本発明に用いる重合体が、酸性基を
有するペンダント基と、カチオン基を有するペンダント
基とを含んでいると、それらが対イオンを形成して、イ
オン架橋となる場合がある。
【0074】また、本発明におけるペンダント基は、特
定官能基以外に、先に述べたペンダント基中の炭化水素
基の場合と同様の置換基をさらに含んでいても構わな
い。
【0075】また、本発明に用いる重合体は、特定官能
基を含むペンダント基以外に、他の側鎖基を含んでいて
も構わない。例えば、単純にイミド環を開環した構造で
カルボキシル基を持つ基、特定官能基以外の置換基を含
むペンダント基を持つ基、置換基を含まないペンダント
基を持つ基等がある。特定官能基以外の置換基を含むペ
ンダント基としては、先に述べた炭化水素基の場合と同
様の置換基を含むものがある。
【0076】(1−3)重合体の架橋部分 本発明に用いる重合体は、その構造として、主鎖または
側鎖の一部が架橋されていることを特徴とする。この架
橋は共有結合であるが、イオン結合、水素結合を併用し
ても構わない。
【0077】本発明に用いる重合体の架橋部分は、ポリ
マー主鎖としての酸性ポリアミノ酸のカルボキシル基か
ら誘導された構造をとる。
【0078】この架橋基は、ポリマー主鎖のカルボニル
基と、N、O又はSにより結合している。すなわち、ア
ミド、エステル又はチオエステル結合である。これらは
一種類の結合の単独でも、複数の結合の混合であっても
構わない。
【0079】本発明に用いる重合体において、架橋側鎖
基は、ポリマー主鎖のアミド結合に対して、アスパラギ
ン酸残基の場合は、α位に置換されていても、β位に置
換されていても構わず、グルタミン酸残基の場合は、α
位に置換されていても、γ位に置換されていても構わな
い。
【0080】本発明に用いる重合体の側鎖基の量は特に
限定されないが、重合体全体に対する単量体単位とし
て、1〜99.8%が好ましく、10〜99.8%がより
好ましい。
【0081】本発明に用いる重合体の架橋基中のアミド
結合等により挟まれた部分を、便宜的に「連結基」と呼
ぶ。
【0082】この連結基としては、特に限定されない
が、アルキレン、アラルキレン、フェニレン、ナフチレ
ン基等が挙げられ、以下の具体例が挙げられる。
【0083】−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH
2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−、−(CH2
5−、−(CH26−、−(CH27−、−(CH28
−、−(CH29−、−(CH210−、−(CH211
−、−(CH212−、−(CH213−、−(CH2
14−、−(CH215−、−(CH216−、−(C
217−、−(CH218−、−CH2CH2OCH2
2−、−(CH2CH2O)2CH 2CH2−、−(CH2
CH2O)3CH2CH2−、−(CH2CH2O)4CH2
2−、−(CH2CH2O)5CH2CH2−、−(CH2
CH2O)6CH2CH2−、−CH2CH2CH2OCH2
2CH2−、−(CH2CH2CH2O)2CH2CH2CH
2−、−(CH2CH2CH2O)3CH2CH2CH2−、−
(CH2CH2CH2O)4CH2CH2CH2−、−(CH2
CH2CH2O)5CH2CH2CH2−、−(CH2CH2
2O)6CH2CH2CH2−、
【0084】
【化8】
【0085】
【化9】 これらの連結基は、先に述べたペンダント基中の炭化水
素基の場合と同様に、さらに、置換基を含んでいても構
わない。
【0086】ここで、架橋部分の量は特に限定されない
が、重合体全体の繰り返し単位の総数を基準として、架
橋部分の繰り返し単位の数は、0.1〜50%が好まし
く、0.5〜10%がより好ましい。
【0087】(2)重合体の製造方法 本発明に用いる架橋前の重合体の製造方法は、特に限定
されない。例えば、本発明に用いるポリアスパラギン酸
系重合体の製造には、ポリコハク酸イミド、ポリアスパ
ラギン酸、ポリアスパラギン酸エステルもしくはそれら
の共重合体を用いることができる。
【0088】(3)架橋重合体の製造方法 本発明の架橋重合体の製造方法は、特に限定されない。
その製造における反応は、順序は別として、基本的に架
橋反応と、ペンダント基導入反応と、特定官能基への交
換反応との3つである。さらに、これら3つの反応以外
の反応を用いても、また併用しても構わない。
【0089】例えば、(A)ポリコハク酸イミドを架橋
してから、もしくは同時に、特定官能基を含むペンダン
ト基を導入する方法、(B)ポリコハク酸イミドを架橋
してから、もしくは同時に、特定官能基の前駆体を含む
ペンダント基を導入し、さらに酸性基へ置換、カチオン
化等してこの前駆体を特定官能基にする方法、(C)ポ
リコハク酸イミドに、特定官能基を含むペンダント基を
導入してから、架橋する方法、(D)ポリコハク酸イミ
ドに、特定官能基の前駆体を含むペンダント基を導入し
てから架橋し、さらにこの前駆体を特定官能基にする方
法、等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0090】(4)架橋ポリアミノ酸系樹脂を含む土壌
改良剤もしくは土壌組成物 本発明においては、このようにして得られる架橋ポリア
ミノ酸系樹脂を、土壌改良剤として、もしくは土壌に混
合して土壌組成物として使用する。以下、土壌改良剤、
土壌組成物とに分けて説明する。
【0091】(4−1)架橋ポリアミノ酸系樹脂を含む
土壌改良剤の組成 本発明の土壌改良剤は、一般的には、上述した架橋ポリ
アミノ酸系樹脂から成るものであり、これをそのまま土
壌に混ぜて使用する。ただし、実質的に架橋ポリアミノ
酸系樹脂の作用効果を抑制しない範囲で、必要に応じて
各種の有用成分を添加してもよい。
【0092】この添加剤(有用成分)としては、例え
ば、水分、肥料(堆肥、鶏糞等)、有機質素材、pH調
整剤、腐食物質、堆肥、保水性保肥性改良鉱物質粉末材
(ベントナイト、ゼオライト粉末等)、農薬(殺虫剤、
殺菌剤、除草剤等)、植物活力剤、植物延命剤、害虫及
び動物の忌避剤、珪藻土、粘土、石灰、植物ホルモン、
ミネラル、コーラルサンド、活性炭、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、アルミナ、シリ
カ、酸化チタン、タルク、ケイソウ土、マイカ、シラス
バルーン、ガラスビーズ等の無機質粒子、合成樹脂製の
ペレット、ビーズ、粗粒、木の小片、おがくず、穀物
粉、植物の殻や茎の粉砕物等が挙げられる。このうち、
植物ホルモンの具体例としては、発根とカルス化を促進
する2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、ナフタレン酢
酸、インドール酢酸等のオーキシン、芽の分化を促進す
るカイネチン、ゼアチン、インペンテニルアデニン、ベ
ンジルアデニン等のサイトカイニンが挙げられる。その
他、茎や葉梢の成長を促進するジベレリン、成長バラン
スの調節作用を有するアブシジン酸、開花や果実の成熟
を促進するエチレン等も挙げられる。必要となるホルモ
ンは、植物の種類によっても異なる。これらは単独で
も、2種以上を混合して用いてもよい。
【0093】ミネラルの具体例としては、カルシウム、
マグネシウム、リチウム、ストロンチウム、バリウム、
アルミニウム等があり、特に限定されないが、炭酸塩、
硫酸塩、酢酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、水酸
化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物等の形で用いられる。
【0094】また、添加剤として、フェルグソン等の微
放射性鉱物、遠赤外線放射性セラミックス、大谷石、ゼ
オライト等のエチレンガス吸収性鉱物等を添加してもよ
く、さらに、パーライト、パミス、バーミキュライト等
の無機系保水材を添加してもよい。
【0095】また、本発明の土壌改良剤は、必要に応じ
て、架橋ポリアミノ酸系樹脂以外の吸水性樹脂を添加剤
として混合して用いてもよい。
【0096】これらの添加剤は、環境保全の点から、生
分解性を有するものが好ましい。
【0097】また、本発明の土壌改良剤は、バインダー
によって固形物としても構わない。バインダーの具体例
としては、十分に発酵させた油カス、粘土、アクリル酸
エステル系ラテックス、スチレンブタジエン系ラテック
ス、酢酸ビニル系ラテックス、アクリル酸−アクリルア
ミドプロパンスルホンアミド−コポリマー、ポリビニル
アルコール部分鹸化物等が挙げられる。これらのバイン
ダーも、環境保全の点から、生分解性を有するものが好
ましい。
【0098】本発明の土壌改良剤中の架橋ポリアミノ酸
系樹脂の量は、実質的に充分な保水効果と通気効果を同
時に発揮できるのであれば特に限定されないが、一般的
には、土壌改良剤中1〜100重量%が望ましく、5〜
100重量%が好ましく、10〜100重量%がより好
ましく、30〜100重量%が特に好ましい。
【0099】(4−2)架橋ポリアミノ酸系樹脂を含む
土壌組成物の組成 本発明の土壌組成物は、上述した本発明の土壌改良剤を
土壌に混合してなるものである。本発明の土壌組成物に
は、実質的に架橋ポリアミノ酸系樹脂の作用効果を抑制
しない範囲で、必要に応じて(8−1)の欄で挙げた各
種の添加剤を添加してもよく、また同様にバインダーに
よって固形物としても構わない。
【0100】本発明の土壌組成物中の土壌改良剤の量
は、乾燥状態において0.01〜90重量%であること
が好ましい。さらに、本発明の土壌組成物中の架橋ポリ
アミノ酸系樹脂の量は、実質的に充分な保水効果と通気
効果を同時に発揮できるのであれば、特に限定されない
が、一般的には、土壌組成物中0.01〜20重量%が
好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。
【0101】さらに、本発明の土壌組成物には、所望に
より、ピートモスを土壌組成物中5〜15重量%程度添
加してもよい。また例えば、特開昭57−147583
号に開示されているような土壌酸度低下調整用組成物を
添加してもよい。
【0102】土壌組成物を調製する際に使用する土壌
は、土壌組成物を調製した際に、実質的に充分な保水効
果と通気効果を同時に発揮できるのであれば特に限定さ
れず、その形態は粉末でも粒状でも構わない。一般的に
は、優れた通気性及び透水性に優れた粗孔隙を発現し得
る、粒度5〜50メッシュ程度(乾燥状態)、又は、粒
径0.5〜5.0mm程度(乾燥状態)に造粒したもの
が好ましい。例えば、硬質赤玉土、焼赤玉土、硬質鹿沼
土、腐葉土、黒土、桐生砂、軽石砂、富士砂、矢作砂、
荒木田砂、川砂、朝明砂、けと土、バーミキュライト、
燻炭、ひゅうが土、クレイ等が挙げられる。また、土壌
組成物を施す田畑、砂地等の土壌もしくは他の土壌も使
用できる。これらは、単独でも混合して培養土として用
いてもよい。このとき、植物の種類もしくは使用する形
態に応じた配合が可能である。
【0103】(5)架橋ポリアミノ酸系樹脂を含む組成
物の調製方法 架橋ポリアミノ酸系樹脂を含む土壌改良剤、土壌組成物
の2つの調製方法について、分けて説明する。
【0104】(5−1)架橋ポリアミノ酸系樹脂を含む
土壌改良剤の調製方法 本発明に係る土壌改良剤の調整方法は、特に限定されな
いが、一般に、固体状の架橋ポリアミノ酸系樹脂に各種
添加剤を混合する方法、もしくは、水等によって膨潤し
た架橋ポリアミノ酸系樹脂のゲルに各種添加剤を混合
し、乾燥する方法が挙げられる。
【0105】固体状の架橋ポリアミノ酸系樹脂を用いる
場合は、添加物を均一に分散する必要がある。架橋ポリ
アミノ酸系樹脂の粒子の大きさは、粒度5〜50メッシ
ュ程度、又は、平均粒径0.001〜5.0mm程度が
望ましく、0.5〜5.0mm程度が好ましい。また分
散性を考慮すると、その大きさは、平均粒径0.5〜
3.0mm程度がより好ましい。
【0106】(5−2) 架橋ポリアミノ酸系樹脂を含
む土壌組成物の調製方法 本発明の土壌組成物の調整方法は特に限定されないが、
その好ましい態様としては、架橋ポリアミノ酸系樹脂
と、先に述べた各種添加剤と、土壌を一括混合すること
により、予め高濃度の架橋ポリアミノ酸系樹脂を含むマ
スターバッチ土壌組成物を調製し、次いでこれに土壌を
追加混合して、所定の架橋ポリアミノ酸系樹脂濃度の土
壌組成物を得る方法、もしくは、まず先に述べた土壌改
良剤を調整し、これを土壌に所定量配合する方法が挙げ
られる。他の好ましい態様としては、まず架橋ポリアミ
ノ酸系樹脂に水又は他の添加剤水溶液(肥料水溶液等)
を吸収させ、次いで、これを土壌に所定量配合する方法
が挙げられる。これら方法を採用することにより、均一
な混合を実現できる。また、架橋ポリアミノ酸系樹脂と
添加物及び土壌を一括混合して、土壌組成物を得る方法
でもよい。
【0107】架橋ポリアミノ酸系樹脂の形状・形態は、
土壌組成物を調製した際に、実質的に充分な保水効果と
通気効果を同時に発揮できるのであれば特に限定されな
い。架橋ポリアミノ酸系樹脂は乾燥した状態で用いても
よいし、予め水で膨潤させたり、水に分散させたりして
もよい。従って、粉状、粉粒状、粒状、顆粒状、リオフ
ィライズ状、ペレット状、スラリー状、ヘドロ状、ペー
スト状、ゲル状、フレーク状、棒状、円柱状、板状、ブ
ロック状、球状等、任意の形状・形態でも構わない。
【0108】架橋ポリアミノ酸系樹脂の乾燥状態におけ
る形状及び大きさは、土壌組成物を調製した際に、実質
的に充分な保水効果と通気効果を同時に発揮でき、土壌
への分散性を損なわない範囲であれば特に限定されな
い。一般的には、優れた通気性及び透水性に優れた粗孔
隙を発現し得るためには、形状としては多孔質の、粉末
や粒状のものが好ましく、大きさは粒度5〜50メッシ
ュ程度、又は、平均粒径0.001〜5.0mm程度が
望ましく、0.5〜5.0mm程度が好ましい。また、
分散性を考慮すると、大きさは平均粒径0.5〜3.0
mm程度が好ましい。
【0109】(6)土壌改良剤、土壌組成物の使用方法 本発明の土壌改良剤、土壌組成物の使用方法は、特に限
定されないが、土壌改良剤、土壌組成物を田畑に表土と
して散布する方法、培養土として苗床等に使用する方法
が一般的である。また、架橋ポリアミノ酸系樹脂を粒子
のまま、もしくは水、液肥等で膨潤したゲルの状態で土
壌改良剤又は土壌組成物として用い、その所定量を土中
に埋めていく方法、バインダーで固形化した状態で土壌
改良剤又は土壌組成物として用い、田畑に散布、もしく
は埋めていく方法でも構わない。また、成形苗等に含ま
せて植物と一緒に移植しても構わない。また、土壌を耕
しながら、混合していく方法でも構わない。
【0110】本発明の土壌改良剤、土壌組成物を使用す
る植物の種類や状態は、植物の育成を行う範囲で特に限
定されない。例えば、種子の発芽、育苗、葉菜、果菜、
根菜、花等の生育、成木の植え替え等に使用できる。
【0111】(7)本発明の土壌改良剤、土壌組成物の
使用場所 本発明の土壌改良材、土壌組成物の使用場所は、特に限
定されない。一般的には、水田、畑などの農地、砂漠、
砂丘等の乾燥地、育苗等に使用されるセル、ポット及び
容器、道路の中央分離帯、側帯、街路樹用、屋内観賞用
等の人工地盤土壌等が挙げられる。
【0112】(8)本発明の土壌改良剤、土壌組成物に
有用な植物 本発明の土壌改良剤、土壌組成物に有用な植物は特に限
定されない。例えば、以下の「(I)農作物」及び 「(II)
林業樹木」に包含されるものが挙げられ、好ましくは
「(I)農作物」、より好ましくは「(2)園芸作物」、さら
に好ましくは「ii)野菜」及び「iii)花類」が挙げられ
る。 (I) 農作物の具体例 (1) 食用作物 イネ(水稲、陸稲)、コムギ、トウモロコシ、ダイズ、
サツマイモ、バレイショ、サトイモ、ヤツガシラ (2) 園芸作物 i) 果樹;リンゴ、ナシ、カキ、モモ、ウメ、ブドウ、
ビワ、温州ミカン、オレンジ、レモン、グレープフルー
ツ ii) 野菜;キュウリ、カボチャ、イチゴ、キャベツ、レ
タス、白菜、小松菜、サラダ菜、ホウレンソウ、カブ、
ナス、トマト、ミニトマト、ダイコン、カイワレダイコ
ン、ニンジン、ゴボウ、ピーマン、シシトウ、トウガラ
シ、ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニク、ショウガ、シ
ソ、スイカ、メロン、ウリ、ブロッコリー、カリフラワ
ー iii) 花類;イ ) 一・二年草;アサガオ、コスモス、アイスランドポ
ピーアスター、イエローサルタン、キンギョソウ、キン
センカ、ストック、パンジー、ヒマワリ、ベニジュウ
ム、ディモルフォセカ、ベニバナ、ホワイトレースフラ
ワー、ヤグルマソウ、トルコギキョウ、ローダンセ、サ
フィニア、マリーゴルード、ペチニア、インパチェン
ス、アジサイ、ゼラニュームロ ) 宿根草; a) シバ類;東洋ラン、カスミソウ、カーネーション、
ガーベラ、キキョウ、キク、カキツバタ、スターチス、
シャクヤク、マーガレット b) 球根草;ユリ類、グラジオラス、アイリス、アネモ
ネ、カラー、スイセン、フリージア、ラナンキュラス、
ヒオウギ、 c) 花木類;アカシア、ツツジ、バラ、ニューサイラ
ン、サツキ、サルスベリ、ジンチョウゲ、センリョウ、
ソテツ、ツバキ、サザンカ、ユーカリ、サクラ、アジサ
イ、ハナミズキ、クチナシ、ボタン d) 温室植物;洋ラン、シクラメンハ ) 工芸作物; a) 油料作物;ナタネ、ゴマ b) 糖料作物;サトウキビ、テンサイ c) 繊維作物;ワタ、アサ d) デンプン作物;コンニャク e) 薬料作物;ハッカ、ケシ、チョウセンニンジン、ト
リカブト f) 嗜好作物;チャ、タバコ、ホップ、コーヒー g) 紙原料作物;コウゾ、ミツマタ h) 染料作物;アイ、アカネ i) 香料作物;ゼラニウム j) 樹液作物;ウルシ、ゴム、チクルニ ) 飼料作物; a) 飼料作物;オーチャードグラス、アカクローバー、
シロクローバー b) 飼肥料木;パンノキ、ネムノキ c) 緑肥作物;レンゲ、ウマゴヤシ (II) 林業樹木の具体例 (1) 針葉樹;スギ、ヒノキ、マツ (2) 常緑広葉樹;アオキ、ヤツデ、サツキ、ツツジ、ユ
ーカリ (3) 落葉広葉樹;ケヤキ、カエデ、ナラ、ブナ、プラタ
ナス。
【0113】
【実施例】以下、製造例及び実施例によって本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。以下の記載において「部」とは「重量部」
を意味する。
【0114】製造例、実施例中の土壌改良剤(吸水性ポ
リマー)の吸水量の測定、生分解性の測定及び植物生育
試験は、以下の方法にて実施した。
【0115】(1)吸水量の測定 まず1部の土壌改良剤を1000部の水道水に浸し、2
0時間膨潤させゲルとし、目の開き200μmのふるい
を用いて20時間かけて濾過し、その後ゲルの重量を測
定した。元の土壌改良剤の重量に対して、ゲルの重量か
ら元の重量を引いたものの比をとり、これを土壌改良剤
(吸水性ポリマー)の吸水量とした。
【0116】(2)生分解性の測定 生分解性はコンポスト法にて測定した。コンポスト法
は、ASTM D−5338.92の応用であるISO
CD 14855に準じて行った。すなわち、まず試
験サンプルに含まれる炭素量を元素分析にて測定した。
次に、15部の試験サンプルを800部のイノキュラム
に加え、58℃にて40日間生分解を行い、生成した二
酸化炭素の量を測定して、試験サンプルに含まれる炭素
量を二酸化炭素に換算した量に対する発生二酸化炭素量
を生分解率(%)として表した。ここで、生分解性しや
すいサンプルの中には、イノキュラム中の炭素分まで
も、分解促進するものもあり、この場合、100%を超
える値となるものもある。
【0117】(3)植物生育試験 植物の生育試験は、各植物に応じた試験法を用い、生育
指数と植物の葉色及び葉令等の葉の生育状況を観察して
判定した。葉色測定は、ミノルタ葉緑素計SPAD−5
02を使用した。また、葉令は、完全に展開した本葉の
数を数えた。
【0118】生育指数は、以下の様にして計算した。す
なわち、生育した植物を根ごと取り出し、水洗して泥等
を落とし、余分な水分をペーパータオルで吸い取り、地
上部と地下部、もしくは葉部と根部に分け、一本当たり
の生重(g/本)を測定した。次に、風乾して、1本当
たりの風乾重(g/本)を算出した。得られた生重と風
乾中について、吸水性樹脂を含む以外は同じ生育条件の
下で生育させた標準区の植物の生重と風乾重を100と
して、それに対する割合(%)で表した。
【0119】(A)R1が酸性基(カルボキシル基)を
有する場合の製造例: [製造例A1]ヘキサメチレンジアミン3.00部を蒸
留水10部に溶解した水溶液を、窒素気流下、重量平均
分子量9.6万のポリコハク酸イミド100部を400
部のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し
た溶液に加え、室温で30分間撹拌後攪拌を止め、20
時間反応した。反応物を刃付き撹拌翼がついたミキサー
に移送し、蒸留水400部とメタノール400部を加
え、生成したゲルを8000rpmにて5分間細断し、
さらグルタミン酸ソーダ174.2部を蒸留水500部
に溶解した水溶液を2時間かけて滴下した。滴下後、さ
らに24時間撹拌後、7重量%塩酸水を用いてpH=7
になるまで中和した。中和後、生成物をメタノール30
0部へ排出し、1時間攪拌後、沈殿物を吸引濾過して集
め、60℃で乾燥し、吸水性ポリマー270部が得られ
た。この吸水性ポリマーの生分解率は102%と良好で
あり、水道水に対する吸水量は180倍であった。
【0120】[製造例A2]製造例A1において、ヘキ
サメチレンジアミンの使用量を、2.39部に変更し、
かつグルタミン酸ソーダの代わりにアスパラギン酸ソー
ダ182.4部を使用したこと以外は、製造例A1と同
様にして吸水性ポリマー270部を得た。この吸水性ポ
リマーの生分解率は102%と良好であり、水道水に対
する吸水量は230倍であった。
【0121】(B)R1が酸性基(スルホン酸基)を有
する場合の製造例: [製造例B1]製造例A1において、ゲル細断時間を5
分間に変更し、かつグルタミン酸ソーダの代わりにタウ
リン128.9部と苛性ソーダ42.1部を使用したこ
と以外は、製造例A1と同様にして吸水性ポリマー27
0部を得た。この吸水性ポリマーの生分解率は104%
と良好であり、水道水に対する吸水量は200倍であっ
た。
【0122】(C)R1がグリシノ基を有する場合の製
造例: [製造例C1]リジンメチルエステル・2塩酸塩7.2
部とリジン・1塩酸塩22.6部を蒸留水40部に溶解
し、苛性ソーダ7.8部を少しずつ加えて中和し、リジ
ン水溶液を調整した。一方、窒素気流下、重量平均分子
量9.6万のポリコハク酸イミド100部を、400部
のDMFに溶解し、この溶液にリジン水溶液を加え、室
温で30分撹拌後、トルエン400部を装入して分散さ
せ、2時間反応した。反応後、吸引濾過して沈殿物を集
め、トルエンで洗浄し、60℃にて2時間乾燥した。得
られた架橋ポリコハク酸イミドを、蒸留水400部とメ
タノール400部に分散し、27重量%苛性ソーダ水溶
液130部を2時間かけて滴下した。滴下後、さらに2
時間撹拌して、7重量%塩酸水を用いてpH=7になる
まで中和した。中和後メタノール3000部に排出し、
1時間攪拌した。沈殿物を濾過して集め、60℃で乾燥
し、吸水性ポリマー125部が得られた。この吸水性ポ
リマーの生分解率は100%と良好であり、水道水に対
する吸水量は320倍であった。
【0123】[製造例C2]リジンメチルエステル・2
塩酸塩7.2部とリジン・1塩酸塩22.6部を蒸留水
40部に溶解し、苛性ソーダ7.8部を少しずつ加えて
中和し、リジン水溶液を調整した。一方、窒素気流下、
重量平均分子量9.6万のポリコハク酸イミド100部
を400部のDMFに溶解し、この溶液にリジン水溶液
を加え、室温で1時間撹拌後、攪拌を止め、20時間反
応した。反応物を刃付き撹拌翼がついたミキサーに移送
し、蒸留水400部とメタノール400部を加え、生成
したゲルを8000rpmにて5分間細断し、さらに2
7重量%苛性ソーダ水溶液129.7部を2時間かけて
滴下した。滴下後、さらに2時間撹拌し、7重量%塩酸
水を用いてpH=7になるまで中和した。中和後、さら
にメタノール300部を加え、沈殿物を60℃で乾燥
し、吸水性ポリマー145部が得られた。この吸水性ポ
リマーの生分解率は102%と良好であり、水道水に対
する吸水量は290倍であった。
【0124】(D)R1がカチオン基を有する場合の製
造例: [製造例D1]ヘキサメチレンジアミン3.00部を蒸
留水10部に溶解した水溶液を、窒素気流下、重量平均
分子量9.6万のポリコハク酸イミド100部を400
部のDMFに溶解した溶液に加え、室温で30分間撹拌
後、攪拌を止め、20時間反応した。反応物を刃付き撹
拌翼がついたミキサーに移送し、蒸留水400部とメタ
ノール400部を加え、生成したゲルを8000rpm
にて5分間細断し、ジメチルアミノプロピルアミン10
5.3部を2時間かけて滴下した。滴下後、さらに24
時間撹拌した。得られたスラリーにp−トルエンスルホ
ン酸メチル191.9部を4時間かけて滴下した。さら
に24時間撹拌後、生成物をメタノール800部へ排出
し、1時間攪拌後、沈殿物を吸引濾過して集め、60℃
で乾燥し、吸水性ポリマー354部が得られた。この吸
水性ポリマーの生分解率は96%と良好であり、水道水
に対する吸水量は186倍であった。
【0125】[製造例D2]ヘキサメチレンジアミン
2.5部を蒸留水10部に溶解した水溶液を、窒素気流
下、重量平均分子量11.3万のポリコハク酸イミド1
00部を400部のDMFに溶解した溶液に加え、室温
で30分間撹拌後、攪拌を止め、20時間反応した。反
応物を刃付き撹拌翼がついたミキサーに移送し、蒸留水
400部とメタノール400部を加え、生成したゲルを
8000rpmにて5分間細断した。この混合物にL−
アルギニン・塩酸塩217.0部と苛性ソーダ85.0
部を水300部に溶解した水溶液を2時間かけて滴下し
た。滴下後、さらに24時間撹拌した。生成物をメタノ
ール800部へ排出し、1時間攪拌後、沈殿物を吸引濾
過して集め、60℃で乾燥し、吸水性ポリマー268部
が得られた。この吸水性ポリマーの生分解率は105%
と良好であり、水道水に対する吸水量は221倍であっ
た。
【0126】(E)R1がベタイン基を有する場合の製
造例: [製造例E1]ヘキサメチレンジアミン2.39部を蒸
留水10部に溶解した水溶液を、窒素気流下、重量平均
分子量9.6万のポリコハク酸イミド100部を400
部のDMFに溶解した溶液に加え、室温で30分間攪拌
後、撹拌を止め、20時間反応した。反応物を刃付き攪
拌翼がついたミキサーに移送し、蒸留水400部とメタ
ノール400部を加え、生成したゲルを8000rpm
にて5分間細断し、ジメチルアミノプロピルアミン10
5.3部を2時間かけて滴下した。滴下後、さらに24
時間攪拌した。得られたスラリーにクロロ酢酸カリウム
136.6部を4時間かけて滴下した。さらに24時間
攪拌後、生成物をメタノール800部へ排出し、1時間
撹拌後、沈殿物を吸引濾過して集め、60℃で乾燥し、
吸水性ポリマー285部が得られた。この吸水性ポリマ
ーの生分解率は94%と良好であり、水道水に対する吸
水量は190倍であった。
【0127】(F)R1が水酸基を有する場合の製造
例: [製造例F1]ヘキサメチレンジアミン3.00部を蒸
留水10部に溶解した水溶液を、窒素気流下、重量平均
分子量9.6万のポリコハク酸イミド100部を400
部のDMFに溶解した溶液に加え、室温で30分間攪拌
後、撹拌を止め、20時間反応した。反応物を刃付き攪
拌翼がついたミキサーに移送し、蒸留水400部とメタ
ノール400部を加え、生成したゲルを8000rpm
にて3分間細断し、2−エタノールアミン640部を2
時間かけて滴下した。滴下後、さらに24時間攪拌し
た。得られた生成物をメタノール800部へ排出し、1
時間撹拌後、沈殿物を吸引濾過して集め、60℃で乾燥
し、吸水性ポリマーを得た。この吸水性ポリマーの生分
解率は104%と良好であり、水道水に対する吸水量は
50倍であった。
【0128】(G)R1がアミノ基を有する場合の製造
例: [製造例G1]製造例F1において、2−エタノールア
ミンの代わりにN,N−ジメチルアミノプロピルアミン
105.3部を使用したこと以外は、製造例F1と同様
にして吸水性ポリマー206部を得た。この吸水性ポリ
マーの生分解率は98%と良好であり、水道水に対する
吸水量は52倍であった。
【0129】(H)R1が水素原子、X1がNH又はOで
ある場合の製造例: [製造例H1]製造例F1において、ヘキサメチレンジ
アミンの使用量を、2.50部に変更し、ゲル細断時間
を5分間に変更し、かつ2−エタノールアミンの代わり
に、30重量%アンモニア水58.5部を10分間で装
入したこと以外は、製造例F1と同様にして吸水性ポリ
マー122部を得た。この吸水性ポリマーの生分解率は
107%と良好であり、水道水に対する吸水量は189
倍であった。
【0130】(I)R1がメルカプト基を有する場合の
製造例: [製造例I1]製造例F1において、2−エタノールア
ミンの代わりに2−メルカプトエチルアミン79.5部
を使用したこと以外は、製造例F1と同様にして吸水性
ポリマー175部を得た。この吸水性ポリマーの生分解
率は98%と良好であり、水道水に対する吸水量は47
倍であった。
【0131】[比較製造例1]窒素気流下、架橋剤リジ
ンメチルエステル・2塩酸塩4部を、200部のDMF
に懸濁し、5部のトリエチルアミンで中和した。この溶
液に重量平均分子量13万のポリコハク酸イミド50部
を250部のDMFに溶解した溶液を挿入し、1時間室
温で攪拌後、10部のトリエチルアミンを適下し、室温
で40時間反応させた。反応液をエタノールに排出し、
乾燥して架橋ポリマー50部を得た。得られたポリマー
26部を5000部の水に懸濁し、2NのNaOH水溶
液を適下し、pHを9〜11に調整しながら、残りのイ
ミド環の加水分解を行った。得られた反応懸濁液をエタ
ノールに排出し、ろ過、乾燥して吸水性ポリマー28部
を得た。この吸水性ポリマーの生分解率は103%と良
好であったが、水道水に対する吸水量は80倍と低かっ
た。
【0132】[比較製造例2]ポリコハク酸イミド1.
23部をpH10の水に懸濁し、60℃で1時間加熱
し、次いで10NのHClで中和した。得られた溶液に
L−アスパラギン酸0.83部、リジン塩酸塩0.57部
を加え、窒素気流下、220℃で12時間反応した。得
られた反応物を蒸留水中に懸濁し、2NのNaOH水溶
液を適下し、pHを9〜11に調整しながら、残りのイ
ミド環の加水分解を行った。得られた反応懸濁液をエタ
ノールに排出し、ろ過、乾燥して吸水性ポリマー2.5
部を得た。この吸水性ポリマーの生分解率は102%と
良好であったが、水道水に対する吸水量は60倍と低か
った。
【0133】[実施例A1]製造例A1で得られた架橋
ポリアミノ酸系樹脂を使用し、培土としてスーパーソイ
ル2号(園芸床土)を用いて、0.5重量%の濃度にな
るように樹脂を加えてよく混合し、土壌組成物を作成し
た。この土壌組成物210部を使用して、容積500m
lのビニールポットに入れ、試験作物としてキュウリを
用いて、飽和状態になるまで十分な潅水を行い、その
後、潅水を行わずに10日間生育試験を行った。さら
に、試験は22日まで行い、葉、根、地上部の乾燥重量
を測定した。なお、キュウリは播種後5〜7日後の子葉
(双葉)展開時にポットに移植した。反復回数は5回で
あり、5回の平均を算出した。標準区としては、保水材
の添加なしで移植後10日までに水80部を4回潅水
し、その後22日まで、毎日十分な標準潅水を行ったも
のを用いた。
【0134】その結果、22日後は主茎長は13.6c
m、茎乾燥重は0.32部/本で生育指数は139、葉
乾燥重は0.86部/本で生育指数は156、根乾燥重
は0.1488部/本で生育指数は184と著しい生育
促進がみられた。
【0135】[実施例A2〜I1]各製造例A2〜I1
で得られた架橋ポリアミノ酸系樹脂を使用し、実施例1
と同様にして(ただし実施例F1、H1、I1でのポリ
マー濃度は1.5重量%)処理した。それらの結果を表
1〜表3に示す。
【0136】[比較例1]製造例1のポリマー(架橋ポ
リアミノ酸系樹脂)の代わりに、比較製造例1で得たポ
リマーを使用したこと以外は、実施例1と同様にキュウ
リの生育試験を行った。その結果、潅水制限中は、ほと
んどがしおれており、22日後は主茎長は12.6c
m、茎乾燥重は0.18部/本で生育指数は78、葉乾
燥重は0.46部/本で生育指数は83、根乾燥重は
0.072部/本で生育指数は89と生育阻害がみられ
た。
【0137】[比較例2]製造例1のポリマー(架橋ポ
リアミノ酸系樹脂)の代わりに、比較製造例2で得たポ
リマーを使用したこと以外は、実施例1と同様にキュウ
リの生育試験を行った。その結果、全部のキュウリは、
枯れてしまった。
【0138】[比較例3]製造例1のポリマー(架橋ポ
リアミノ酸系樹脂)の代わりに、架橋ポリアクリル酸系
樹脂を使用したこと以外は、実施例1と同様にキュウリ
の生育試験を行った。その結果、主茎長は13.6c
m、茎乾燥重は0.26部/本で生育指数は113、葉
乾燥重は0.65部/本で生育指数は118、根乾燥重
は0.1006部/本で生育指数は125と生育促進効
果はあったが、樹脂の生分解率は2.8%であり、ほと
んど生分解性を示さなかった。
【0139】[比較例4]製造例1のポリマー(架橋ポ
リアミノ酸系樹脂)の代わりに、ポリマーテックP4
(関西化成(株)社製、商品名)を使用したこと以外
は、実施例1と同様にキュウリの生育試験を行った。そ
の結果、主茎長は13.2cm、茎乾燥重は0.26部
/本で生育指数は113、葉乾燥重は0.65部/本で
生育指数は118、根乾燥重は0.1006部/本で生
育指数は125と生育促進効果はあったが、小さかっ
た。
【0140】
【表1】
【0141】
【表2】
【0142】
【表3】
【0143】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
使用時には保水性に優れ、植物の根、葉等の成長を促進
し、制限された潅水下でも著しい保水効果を発揮し、か
つ使用後には分解し、土壌への蓄積性がない生分解性の
土壌改良剤を提供できる。
【0144】さらに具体的には、本発明の土壌改良剤及
び土壌組成物は、少なくとも、次のi)〜viii)の9つの
有利な特性を有する。 i) 土壌組成物もしくは植物育成用ゲルの調製時;本発
明に係る土壌改良剤、土壌組成物もしくは植物育成用ゲ
ルを使用すると、上記の様に簡単に調整でき、従来、土
壌を掘り起こして保水材を地中に埋める等の手間も不要
で、省力化を図ることができる。 ii) 生育期間;発根促進効果、根、葉の育成促進させ
るので、育成期間を短縮できる。また、土壌改良剤が保
水材として働くので、潅水回数を減らせることができ省
力化できる。 iii) 移植時;土壌改良剤、土壌組成物、植物育成用ゲ
ルを散布して移植するだけなので、作業の省力化・効率
化を図ることができ、さらに土壌改良剤が活着性を高め
るので、根の活着の確実化を実現する。 iv) 土壌中の水分蒸散防止と三相調整;吸水性樹脂の
ゲルは土壌中の水分を保持でき、蒸散を抑制する効果を
発揮する。また、吸水性樹脂のゲル中に植物の根が進入
することができ、効率的に植物に水を供給できる。さら
に、土壌に必要な液相、気相、固相の分布に関して、水
分の緩衝的な効果を発揮して、三相分布を維持できる。 v) 肥料、農薬等の薬剤の保持と徐放性;架橋ポリア
ミノ酸系樹脂のゲルは、肥料、農薬等の薬剤を保持する
力がありさらにそれらを徐放する力があり、効果的に効
果を発現できる。 vi) 地温の変動抑制;架橋ポリアミノ酸系樹脂を含む
土壌組成物を含む土壌の地温変動は含まないものより小
さく、地温の変動抑制する効果がある。 vii) 植物の生育の促進化;架橋ポリアミノ酸系樹脂
が葉、根の成長促進効果を発揮して、植物の収穫量を高
める。また土壌組成物は使用後、迅速に土壌中で分解性
を発揮してコンポスト化する。また、育苗容器等に土詰
めした際、詰めた土壌組成物の粗孔隙及び保水性/水は
け性が、実質的に充分な保水効果と通気効果を同時に発
揮するのに適当なものであり、植物の生育が促進され
る。 viii) 植物の芽の発芽促進;植物の種子を使用した場
合、発芽を促進して発芽率の向上と、発芽時期を早める
ことができる。 ix) 移植後;土壌組成物の場合、架橋ポリアミノ酸系
樹脂は使用期間中はゲルとして作用するが、使用期間後
は迅速に土壌中で分解性を発揮してコンポスト化し、苗
移植後に高分子のまま長期にわたり土壌中に残留するこ
とがなく、さらには、劣化生成物であるモノマーやオリ
ゴマーは毒性がなく、圃場の土壌や収穫作物を汚染する
ことがない。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に下記式(1)で表される繰り返
    し単位を有する架橋重合体を含むことを特徴とする土壌
    改良剤。 【化1】 [式中、R1は、水素原子、又は、酸性基並びにその
    塩、グリシノ基並びにその塩、カチオン基、ベタイン
    基、水酸基、メルカプト基及びアミノ基からなる群より
    選ばれた少なくとも一個の官能基を有するペンダント基
    であり、X1は、NH、NR1'(R1'はアルキル基、ア
    ラルキル基又はアリール基)、O、又は、Sであり、n
    1は1又は2である。]
  2. 【請求項2】 式(1)で表される繰り返し単位を有す
    る架橋重合体1〜100重量%と、添加剤及び/又はバ
    インダー0〜95重量%からなる請求項1記載の土壌改
    良剤。
  3. 【請求項3】 式(1)で表される繰り返し単位を有す
    る架橋重合体は、乾燥状態において平均粒径0.001
    〜5.0mmの粒子形状である請求項1又は2記載の土
    壌改良剤。
  4. 【請求項4】 式(1)中のn1が1である請求項1〜
    3の何れか一項記載の土壌改良剤。
  5. 【請求項5】 式(1)中のX1がNHである請求項1
    〜4の何れか一項記載の1又は2記載の土壌改良剤。
  6. 【請求項6】 式(1)中のR1が、カルボキシル基又
    はスルホン酸基を有するペンダント基である請求項1〜
    5の何れか一項記載の土壌改良剤。
  7. 【請求項7】 式(1)中のR1が、下記一般式(2)
    で表される互変異性体であるグリシノ基、若しくはその
    塩を有するペンダント基である請求項1〜5の何れか一
    項記載の土壌改良剤。 【化2】 (式中、X2は、水素、アルカリ金属、アンモニウム、
    ホスホニウム、又は、スルホニウムであり、X3は、水
    素、又は、プロトン酸であり、X2又はX3が存在してい
    ない場合も含む)
  8. 【請求項8】 式(1)中のR1が、下記式(3)で表
    される分子団を含むベタイン基を有するペンダント基で
    ある請求項1〜5の何れか一項記載の土壌改良剤。 【化3】 (式中、Yはアニオン基であり、R1”及びR2”は、各
    々独立してアルキル基、アラルキル基又はアリール基で
    あり、mは1乃至10の整数である。)
  9. 【請求項9】 式(1)中のR1が、4級アンモニオ基
    を含むベタイン基を有する請求項1〜5の何れか一項記
    載の土壌改良剤。
  10. 【請求項10】 架橋重合体における一般式(1)で表
    される繰り返し単位の数が、分子を構成する繰り返し単
    位の総数に対して、1〜99.8%である請求項1〜9
    の何れか一項記載の土壌改良剤。
  11. 【請求項11】 架橋重合体が、ポリグルタミン酸又は
    ポリアスパラギン酸からなる繰り返し単位を基本骨格と
    して主鎖を形成した酸性ポリアミノ酸系重合体である請
    求項1〜10の何れか一項記載の土壌改良剤。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の土壌改良剤と、土壌と
    を含むことを特徴とする土壌組成物。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の土壌改良剤を、乾燥状
    態において、0.01〜90重量%含有する請求項12
    記載の土壌組成物。
  14. 【請求項14】 式(1)で表される繰り返し単位を有
    する架橋重合体を、0.01〜20重量%含有する請求
    項13記載の土壌組成物。
  15. 【請求項15】 式(1)で表される繰り返し単位を有
    する架橋重合体は、乾燥状態において平均粒径0.00
    1〜5.0mmの粒子形状である請求項12〜14の何
    れか一項記載の土壌組成物。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の土壌改良剤を、土壌に
    対して施用することを特徴とする土壌改良方法。
  17. 【請求項17】 請求項12記載の土壌組成物を、土壌
    に対して施用することを特徴とする土壌改良方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2805269A1 (fr) * 2000-02-21 2001-08-24 Biovector Therapeutics Polymeres et matrices cationiques bioeliminables a degradation controlee
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WO2019234790A1 (ja) 2018-06-04 2019-12-12 サントリーホールディングス株式会社 土壌改質方法、土壌改質材、及びその使用
CN113860943A (zh) * 2021-09-24 2021-12-31 中船重工(邯郸)派瑞特种气体有限公司 一种对三氟甲磺酸制备中釜残的综合处理方法

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