JPH11121267A - コンデンサ用誘電体ポリエステルフィルムおよびコンデンサ - Google Patents

コンデンサ用誘電体ポリエステルフィルムおよびコンデンサ

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JPH11121267A
JPH11121267A JP29619197A JP29619197A JPH11121267A JP H11121267 A JPH11121267 A JP H11121267A JP 29619197 A JP29619197 A JP 29619197A JP 29619197 A JP29619197 A JP 29619197A JP H11121267 A JPH11121267 A JP H11121267A
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capacitor
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dielectric
polyester film
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Toru Miyake
徹 三宅
Katsuya Ogawa
勝也 小川
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Toyo Metallizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンデンサ誘電体用フィルムとAl蒸着フィル
ムとの密着性を高め、コンデンサ誘電体フィルムの巻き
取り後の保存時のブロッキング現象を防止すること。 【解決手段】ポリエステルフィルムの片面または両面に
ポリエステル系塗料をコーティングしたコンデンサ用誘
電体ポリエステルフィルムであって、該ポリエステル系
塗料を構成するポリエステル樹脂のジカルボン酸成分の
うち30〜95モル%がテレフタル酸であり、かつ前記
ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が0℃〜10
0℃であることを特徴とするコンデンサ用誘電体ポリエ
ステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンデンサ用誘電体
ポリエステルフィルム及びこれを誘電体として用いたコ
ンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエステルフィルムにポリ
エステルからなる塗布層を設けたコンデンサ用誘電体フ
ィルム及びそれを用いたコンデンサが、例えば特公平3
−12447号公報で、知られている。また、特開昭6
3−140511にはコンデンサーの外装用フィルムと
して、イソフタル酸を共重合したポリエステルを共押し
出しにより積層したフィルムが知られている。
【0003】Al蒸着フィルムとポリエステルコーティ
ングフィルム(コンデンサ用誘電体フィルム)を交互に
し巻き回したコンデンサにおいて、前記2種のフィルム
を完全に密着させる必要がある。すなわち、Al蒸着フ
ィルムとポリエステル系樹脂をコーティングしたフィル
ムとの密着力の向上は、巻回した後のたとえばエポキシ
樹脂等の含浸剤のAl蒸着面への浸潤を防止し、最終製
品の歩留まりとともに、コンデンサの寿命を向上させる
ものである。
【0004】一般に密着力を向上させるためには、コー
ティングする塗料の軟化点温度をできるだけ低くし、1
00℃〜200℃で熱圧着させる方法がとられ、このた
めに種々のジカルボン酸成分やグリコール成分を共重合
したポリエルテル系塗料が使用されている。
【0005】しかしながら従来技術では、熱圧着の際温
度を高くしても充分な密着力を得ることができず、製品
性能を低下させていた。また、塗料をコーティングした
後、常温で長時間放置しておくとポリエステル樹脂コー
ティング層とポリエステルベースフィルム間で、あるい
は、ベースフィルムの両面に塗布を行った場合ポリエス
テル樹脂コーティング層間で、ブロッキング現象をしば
しば起こしトラブルの原因となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、低温の熱圧着でAl蒸着フィルムと高い密着力
を有し、ポリエステル樹脂コーティング層とポリエステ
ルベースフィルム間で、あるいはベースフィルムの両面
に塗布を行った場合ポリエステル樹脂コーティング層間
で、ブロッキング現象を起こすことのないコンデンサ誘
電体ポリエステルフィルムを提供せんとするものであ
る。また、本発明の他の目的は、かかるコンデンサ用誘
電体ポリエステルフィルムを用いてなるコンデンサを提
供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく検
討した結果、本発明者らは、ポリエステルフィルム上に
塗布するべきポリエステル系塗料の主成分であるポリエ
ステル樹脂を構成する多価カルボン酸のうちテレフタル
酸の構成比率およびポリエステル樹脂のガラス転移点
(Tg)を特定の範囲とすることにより、低温の熱圧着
で高い密着力が得られることを見い出した。すなわち、
ポリエステルフィルムとの接着性を向上するという観点
からはテレフタル酸の構成比率をできるだけ高めたい
が、構成比率が高すぎると結晶性が高くなるために熱圧
着の際にAl蒸着フィルムとの高い密着力が得られなく
なる。また、Al蒸着フィルムとの高い密着力が得るた
めに熱圧着温度よりもポリエステル樹脂のTgをできる
だけ低くしたいが、低すぎると前記ブロッキング現象を
起こしやすい傾向となる。
【0008】すなわち、前記した本発明の目的は、下記
の本発明によって工業的に有利に達成された。
【0009】[1]ポリエステルフィルムの片面または
両面にポリエステル系塗料をコーティングしたコンデン
サ用誘電体ポリエステルフィルムであって、該ポリエス
テル系塗料を構成するポリエステル樹脂のジカルボン酸
成分のうち30〜95モル%がテレフタル酸であり、か
つ前記ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が0℃
〜100℃であることを特徴とするコンデンサ用誘電体
ポリエステルフィルム。
【0010】[2]前記ポリエステル樹脂のジカルボン
酸成分のうち40〜85モル%がテレフタル酸であるこ
とを特徴とする上記[1]に記載のコンデンサ用誘電体
ポリエステルフィルム。
【0011】[3]前記ポリエステル樹脂のジカルボン
酸成分のうち40〜75モル%がテレフタル酸であるこ
とを特徴とする上記[1]に記載のコンデンサ用誘電体
ポリエステルフィルム。
【0012】[4]前記ポリエステル樹脂のTgが0℃
以上50℃以下であることを特徴とする上記[1]〜
[3]のいずれかに記載のコンデンサ用誘電体ポリエス
テルフィルム。
【0013】[5]ポリエステル系塗料に含まれるポリ
エステル樹脂を構成する全グリコール成分のうちエチレ
ングリコール成分が20〜90モル%であることを特徴
とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載のコンデン
サ用誘電体ポリエステルフィルム。
【0014】[6]ポリエステル系塗料に含まれるポリ
エステル樹脂を構成する全グリコール成分のうちエチレ
ングリコール成分が30〜80モル%であることを特徴
とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載のコンデン
サ用誘電体ポリエステルフィルム。 [7]ポリエステルフィルムが厚さ2μm以上、20μ
m以下であって、テレフタル酸成分とエチレングリコー
ルを主成分とするポリエステルのフィルムであることを
特徴とする上記[1]〜[6]のいずれかに記載のコン
デンサ用誘電体ポリエステルフィルム [8]ポリエステル系塗料に含まれるポリエステル樹脂
を構成する全ジカルボン酸成分のうちテレフタル酸以外
のジカルボン酸が、イソフタル酸であることを特徴とす
る上記[1]〜[7]のいずれかに記載のコンデンサ用
誘電体ポリエステルフィルム。
【0015】[9]ポリエステル系塗料に含まれるポリ
エステル樹脂を構成するジカルボン酸成分として脂肪族
ジカルボン酸を含有することを特徴とする上記[1]〜
[8]のいずれかに記載のコンデンサ用誘電体ポリエス
テルフィルム。
【0016】[10]上記[1]〜[9]のいずれかに
記載のコンデンサ用誘電体ポリエステルフィルムとAl
蒸着フィルムとから形成されるコンデンサ。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明におけるポリエステルフィルムのポ
リエステルベースフィルムは、特に制限はないが、その
構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートで
あるポリエチレンテレフタレート、その構成単位の80
モル%以上がエチレンナフタレートであるポリエチレン
ナフタレート、あるいはその構成単位の80モル%が
1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートであ
るポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレ
ートであるのが好ましく、特に好ましいのはポリエチレ
ンテレフタレートである。上記の優位構成成分以外の共
重合成分としては、例えば、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど
のジオール成分、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸及びそのエステル形成
性誘導体などのジカルボン酸成分、オキシ安息香及びそ
のエステル形成性誘導体などのオキシモノカルボン酸な
どが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、ポリエステルフィルムには、酸化チタン、カーボ
ンなどの配合、フィルムの表面を粗面化するための酸化
ケイ素、炭酸カルシウムなどが配合されていても良い。
ポリエステルベースフィルムの融点は255℃よりも高
いことが望ましい。
【0019】本発明におけるポリエステル系塗料とは、
ポリエステル系樹脂からなる塗料であり、ポリエステル
系樹脂を構成する多価カルボン酸としては全カルボン酸
成分の30〜95モル%がテレフタル酸であることが必
要であり、好ましくは40〜85モル%、さらに好まし
くは40〜75モル%である。テレフタル酸の比率が3
0モル%より小さいとベースフィルムとの密着性が悪く
なり、95モル%を越えると、ポリエステル樹脂の結晶
性が高くなるために高温時の金属蒸着フィルムあるいは
金属箔との密着性が低下する。これを防ぐため、テレフ
タル酸以外の多価カルボン酸を共重合することにより、
高温時のポリエステル樹脂の結晶性を低下させて上記密
着性を高める必要がある。ただし、常温での粘着性はブ
ロッキングの原因となるため極力小さくすることが望ま
しい。このため、共重合にあたっては、ポリエステル樹
脂のTgが0℃以上100℃以下になるように共重合量
を調整する必要があり、好ましくは0℃以上50℃以
下、さらに好ましくは5℃以上40℃以下である。Tg
が100℃より大きくなると、密着性が低下する。ポリ
エステル系樹脂を構成するテレフタル酸以外の成分とし
て以下のような多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合
物を例示できる。すなわち、多価カルボン酸としては、
イソフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸、4,4’−
ジフェニルジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸、2−カリウムスルホテレフタ
ル酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グ
ルタル酸、コハク酸、トリメリット酸、トリメシン酸、
無水トリメリット酸、無水フタル酸、p−ヒドロキシ安
息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩及びそれらのエ
ステル形成性誘導体などを用いることができ、多価ヒド
ロキシ化合物としては、エチレングリコール、1,2−
プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−
ペンタジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、p−キシレングリコ−ル、ビスフェノールA−エチ
レングリコール付加物、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポ
リテトラメチレンオキシドグリコール、ジメチロールプ
ロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジ
メチロールエスルスルホン酸ナトリウム、ジメチロール
プロピオン酸カリウムなどをもちいることができる。こ
れらの化合物の中から、それぞれ適宜1つ以上選択し
て、ポリエステル系樹脂を常法の重合反応によって合成
することができるが、好ましくはイソフタル酸、オルト
フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,5
−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸などの芳香族ジカルボン酸が用いられる。また、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカ
ルボン酸、グルタル酸、コハク酸などの脂肪族カルボン
酸も好適に用いられるがポリエステル樹脂のTgが0℃
以上になる範囲に限られるため、実質的には70モル%
の共重合量が上限である。本発明においては、これらの
ポリエステル樹脂を必要に応じてブレンドして用いても
良い。また、耐ブロッキング性を特に必要とする場合、
Tgが100℃を越えるポリマーを本発明の範囲を越え
ない程度にブレンドする場合もあるが、実質的には、乾
燥塗膜の全重量にたいして20%が上限である。また、
スルホン酸ナトリウム塩のような強電解質を含むポリマ
ーは最終製品のコンデンサーとなったときに、耐破壊電
圧やコンデンサーの寿命に悪影響を及ぼす可能性がある
ため、多量に用いることは好ましくない。
【0020】コートする塗料は、平均粒径が1μm以下
の炭酸カルシウム、酸化ケイ素及び酸化アルミニウム等
を、ポリエステル系樹脂に対して1重量%以上、20重
量%以下配合することが好ましく、2重量%以上、15
重量%以下がさらに好ましい。これらの添加剤を配合す
る目的は、ブッロキング防止効果の向上であり、配合す
ることにより、より低い軟化点温度のポリエステル系樹
脂を使用することができる。配合量が1重量%以下で
は、ブッロキング防止効果が不十分であり、20重量%
を越えると、2次凝集粒子が増加し、コート面が粗面化
し密着性能が低下する。
【0021】本発明のポリエステル系塗料をコーティン
グしたポリエステルフィルムはAl蒸着フィルムとの密
着が低温熱圧着で得られ、ブロッキングなどの不具合の
発生率を低下させるため、フィルム中の有機溶剤の含有
量を0.1ppm以上、3.0ppm以下にすることが
必要であり、0.5ppm以上、2.0ppm以下とす
るのが好ましい。この範囲より含有量が少ない場合に
は、安定した密着力が得られず、逆に含有量が多い場合
には、ブロッキングが発生しやすくなる。
【0022】本発明で使用されるポリエステル系樹脂を
溶解させる有機溶剤には、酢酸エチル、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、
シクロヘキサノンなどが挙げられるが、中でもトルエ
ン、キシレンなどの芳香族系のものが好ましい。しかし
ながら、これに限定されるものではない。
【0023】本発明のポリエステル系塗料をコーティン
グしたポリエステルフィルムはAl蒸着フィルムとの密
着が低温熱圧着で得られ、ブロッキングなどの不具合の
発生率を低下させるため、フィルム中の有機溶剤の含有
量を0.1ppm以上、5.0ppm以下にすることが
望ましく、さらに好ましくは0.5ppm以上、3.0
ppm以下である。この範囲より含有量が少ない場合に
は、安定した密着力が得られず、逆に含有量が多い場合
には、ブロッキングが発生しやすくなる。
【0024】有機溶剤の量をコントロールする方法とし
ては、塗料に使用する有機溶剤の種類、配合量及び、コ
ーティング後の乾燥温度、乾燥速度等を調整する事によ
り行うことができる。
【0025】本発明で使用するベースフィルム、すなわ
ち、ポリエステル系塗料をコートするポリエステルフィ
ルムの厚さは、2μm以上、20μm以下であることが
好ましい。2μm以下では、十分なコンデンサー容量が
得られにくく、20μm以上ではコンデンサーが大きく
なりすぎるという不都合がある。
【0026】本発明の塗料をポリエステルフィルムに塗
布する方法としては原崎勇次著、槙書店、1979年発
行、「コーティング方式」に示されるリバースロールコ
ーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドク
ターコーターあるいはこれら以外の塗布装置を用いて、
二軸延伸ポリエステルフィルム製造工程外で塗布液を塗
布する方法、または、フィルム製造工程内で塗布する方
法が挙げられる。
【0027】本発明の塗料の塗布は、ポリエステルフィ
ルムの片面だけでもよく、その塗布量は0.1g/m2
以上、1.0g/m2以下とすることが好ましく、0.
3g/m2以上、0.8g/m2以下とするのがさらに好
ましい。塗布量が0.1g/m2未満では、均一な塗布
量が得難いために製品に塗布ムラが生じやすくなるばか
りでなく、密着力も低下する傾向があり、1.0g/m
2を越える場合には、密着力が飽和するばかりか、ブロ
ッキングも発生しやすくなり実用的でなくなる。
【0028】本発明は、ポリエステルフィルム系塗料を
コーティングしたポリエステルフィルムと、金属化誘電
体フィルムとの密着性を向上させるものであるが、本発
明で使用する金属化誘電体フィルムとは、一般のポリエ
ステルフィルムに金属を蒸着したフィルムであり、蒸着
する金属としては、アルミニウム、パラジウム、亜鉛、
ニッケル、金、銀、銅、インジウム、錫、クロム、チタ
ンなどがあげられるが、最も好ましい金属はアルミニウ
ム(Al)でありる。金属蒸着膜の厚さは、10〜50
00オングストロームの範囲が好ましい。蒸着の方法
は、一般的には真空蒸着法によるが、エレクトロプレー
ティング法、スパッタリング法などの方法によっても良
い。なお、金属蒸着層はポリエステルフィルムの両面に
設けても良い。本発明は、ポリエステルフィルム系塗料
をコーティングしたポリエステルフィルムと金属化誘電
体フィルムとの密着性を向上させるものであるが、コン
デンサーは、その2枚のフィルムの金属化面と塗料コー
ティング面が接するように重ねあわせたものを一対と
し、巻回してコンデンサー素子を作るが、多数積層して
作っても良い。コンデンサ素子は、定法に従って、例え
ば熱プレス、テーピング、メタリコン、電圧処理、両端
封止、リード線取り付けなどを行ってコンデンサとする
ことができるが、これらに限定されるわけではない。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。なお、実施例中の物性は次のようにして測定
した。
【0030】A.ポリエステル樹脂のガラス転移点(T
g) 繊維、高分子測定法の技術(繊維学会編)に準じて示差
走査熱量計(DSC)を用いて測定した。
【0031】B.フィルムの密着力 ポリエステル系塗料をコートしたフィルムを幅50m
m、長さ200mmにカットする。このフィルムの塗布
層側に、同じく幅50mm、長さ200mmにカットし
たAl蒸着フィルムを重ね合わせ、120℃±2℃平面
熱板上、2100gのシリコンゴムロールで100mm
/分の速度で試料を熱圧着後、試料幅を25mmとし、
万能引っ張り試験機で、引っ張り速度300m/分で密
着力を測定した。
【0032】C.ブロッキング評価 50mm角にカットしたサンプル10枚を、フィルム面
と塗布面とが接するように重ね合わせ、ガラス板にてサ
ンドイッチにして1g/cm2 の荷重を加え、30℃×
7日の条件下に放置した。その後、シールしたフィルム
を幅25mmにカットし、引張試験機にて180度方向
に200mm/minで剥離したときの力を測定し、ブ
ロッキング性の指標とした。この値が30g以下であれ
ば実用的には問題ないが、好ましくは20g以下であ
る。
【0033】[実施例1]メチルエチルケトン(以下M
EKと略)40部、トルエン37部、平均粒径005μ
mの炭酸カルシウム3部とテレフタル酸とイソフタル酸
を70:30のモル比で、またグリコール成分としてエ
チレングリコール40モル%、ヘキサメチレングリコー
ル60モル%を共重合したポリエチレンテレフタレート
系共重合体(ポリエステル樹脂Aとする)120部を混
合し、12時間、50℃で溶解させた。この塗料原液を
Aとする。この塗料原液にトルエン、キシレンを加え、
実施例1〜4の水準で幅1000mmの12μmのポリ
エステルフィルムに、塗布量0.4g/m2を目標と
し、100m/分のスピード、オーブン温度を入り口8
0℃、中140℃出口100℃にコントロールされた一
般的なグラビアコーターを使用し、コート、乾燥し、表
1に示す物性の誘電体を得た。 [実施例2〜7、比較例1〜3]実施例1におけるポリ
エステル樹脂を表1に示す種々のポリエステル樹脂に変
更する以外は実施例1と同様にして塗料を調製し、塗布
を行った。実施例7においては、実施例1と同様のポリ
エステル樹脂A100部に対してポリエステル樹脂Bと
してテレフタル酸(50モル%)イソフタル酸(50モ
ル%)エチレングリコール(50モル%)ネオペンチル
グリコール(50モル%)を共重合したものを20部ブ
レンドした。これらの誘電体の物性値を表1に示す。
【0034】
【表1】 本発明の範囲にあるものはいずれも高いレベルのAl蒸
着膜との密着性を示すとともにブロッキングを起こしに
くいことが分かる。
【0035】
【発明の効果】ポリエステルフィルムの片面または両面
にポリエステル系塗料をコーティングしたコンデンサ用
誘電体ポリエステルフィルムであって、該ポリエステル
系塗料を構成するポリエステル樹脂のジカルボン酸成分
のうち30〜95モル%がテレフタル酸であり、かつ前
記ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が0℃〜1
00℃としたことにより、低温熱圧着におけるAl蒸着
フィルムとの密着性高く、かつブロッキングを起こさな
いコンデンサー用誘電体用フィルムを得ることができ
た。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルフィルムの片面または両面に
    ポリエステル系塗料をコーティングしたコンデンサ用誘
    電体ポリエステルフィルムであって、該ポリエステル系
    塗料を構成するポリエステル樹脂のジカルボン酸成分の
    うち30〜95モル%がテレフタル酸であり、かつ前記
    ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が0℃〜10
    0℃であることを特徴とするコンデンサ用誘電体ポリエ
    ステルフィルム。
  2. 【請求項2】前記ポリエステル樹脂のジカルボン酸成分
    のうち40〜85モル%がテレフタル酸であることを特
    徴とする請求項1に記載のコンデンサ用誘電体ポリエス
    テルフィルム。
  3. 【請求項3】前記ポリエステル樹脂のジカルボン酸成分
    のうち40〜75モル%がテレフタル酸であることを特
    徴とする請求項1に記載のコンデンサ用誘電体ポリエス
    テルフィルム。
  4. 【請求項4】前記ポリエステル樹脂のTgが0℃以上4
    0℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載のコンデンサ用誘電体ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】ポリエステル系塗料に含まれるポリエステ
    ル樹脂を構成する全グリコール成分のうちエチレングリ
    コール成分が20〜90モル%であることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載のコンデンサ用誘電体ポ
    リエステルフィルム。
  6. 【請求項6】ポリエステル系塗料に含まれるポリエステ
    ル樹脂を構成する全グリコール成分のうちエチレングリ
    コール成分が30〜80モル%であることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれかに記載のコンデンサ用誘電体ポ
    リエステルフィルム。
  7. 【請求項7】ポリエステルフィルムが厚さ2μm以上、
    20μm以下であって、テレフタル酸成分とエチレング
    リコールを主成分とするポリエステルのフィルムである
    ことを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載のコンデ
    ンサ用誘電体ポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】ポリエステル系塗料に含まれるポリエステ
    ル樹脂を構成する全ジカルボン酸成分のうちテレフタル
    酸以外のジカルボン酸が、イソフタル酸であることを特
    徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のコンデンサ用
    誘電体ポリエステルフィルム。
  9. 【請求項9】ポリエステル系塗料に含まれるポリエステ
    ル樹脂を構成する全ジカルボン酸成分のうちテレフタル
    酸以外のジカルボン酸が、脂肪族ジカルボン酸であるこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のコンデ
    ンサ用誘電体ポリエステルフィルム。
  10. 【請求項10】上記請求項1〜9のいずれかに記載のコ
    ンデンサ用誘電体ポリエステルフィルムとAl蒸着フィ
    ルムとから形成されるコンデンサ。
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