JP3185496B2 - コンデンサ用ポリエステルフィルム - Google Patents

コンデンサ用ポリエステルフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンデンサ用ポリエステ
ルフィルムに関するものであり、さらに詳しくは耐湿熱
ライフ性に優れた金属化ポリエステルフィルムコンデン
サに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンデンサ用ポリエステルフィル
ムとして金属化ポリエステルフィルムコンデンサでは耐
湿熱ライフ性を改良するため、特願平2−163111
に示されたようにアルミニウム蒸着膜の表面を酸化させ
ることや特願昭63−243433に示されたようにア
ルミニウム蒸着前に金、銀、銅、ニッケル、錫を蒸着
し、その後アルミニウムを蒸着することにより耐湿熱性
を改良することなどが提案されてきた。
【0003】また、コンデンサ用ポリエステルフィルム
の表面に各種被覆材料をコーティングすることも特開平
2−272713などで知られており、その目的は表面
オリゴマを低減させることが知られている。
【0004】さらに特開平4−176858では、特定
のウレタン・エポキシ化合物を塗布することにより金属
蒸着ポリエステルフィルムの基材と金属間の耐水接着性
を向上させることなどが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記手法では
まだ十分なものでなく、耐湿熱寿命が不十分である。本
発明は、この耐湿熱寿命を大幅に改良でき他の電気特性
を悪化させず、かつ生産性に優れたコンデンサ用ポリエ
ステルフィルムを提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために次ぎの構成を有する。すなわち、少なく
とも片面に0.01〜1μmの被膜を形成してなるポリ
エステルフィルムであって、該被膜が水溶性または水分
散性ポリエステル系ポリウレタン樹脂よりなり、該被膜
表面のカルボン酸濃度が0.008以上であることを特
徴とするコンデンサ用ポリエステルフィルム。
【0007】本発明におけるポリエステルとは、エステ
ル結合によって高分子化されている結晶性の熱可塑性樹
脂組成物である。このようなポリエステルはジカルボン
酸成分とグリコール成分を重縮合することによって得ら
れる。ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソ
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジ
カルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸などが挙げ
られ、グリコール成分としてはエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シク
ロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。これらのう
ちジカルボン酸成分としてはテレフタル酸、ナフタレン
−2,6−ジカルボキシレートが好ましいく、グルコー
ル成分としてはエチレングリコールが好ましい。該ポリ
エステルの融点は250℃以上であることが耐熱性の点
から好ましく、また280℃以下であることが生産性の
点から好ましい。また二軸延伸性の観点から溶融状態で
は光学的に等方性であることが好ましい。このような好
ましいポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,
4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレートなどを
挙げることができる。これらのポリマに30モル%未
満、好ましくは15モル%未満、より好ましくは5モル
%未満であれば上述したような他の成分が共重合、ブレ
ンドされていることは差し支えない。
【0008】本発明のポリエステルはその極限粘度が
0.50dl/g以上、好ましくは0.6dl/g以
上、より好ましくは0.65dl/g以上、さらに好ま
しくは0.7dl/g以上が耐圧性、機械特性、耐湿熱
ライフ性の観点から好ましい。
【0009】本発明における水溶性または水分散性ポリ
エステル系ポリウレタン樹脂とは、界面活性剤などの乳
化剤を含まない、すなわち特開昭61−228030に
記載されたような、カルボキシル基またはその塩を側鎖
に有したものなどにより水溶性または水分散化されたも
のなどを言う。界面活性剤などの乳化剤を含むもので
は、本発明の目的とする耐湿熱負荷時の容量変化が短時
間で起こり(耐湿熱寿命または耐湿熱ライフとい
う。)、さらに他の電気特性を悪化させるなどの問題を
生じ、コンデンサとして十分なものとならない。
【0010】また、耐湿熱ライフ性をさらに向上させる
観点から水溶性または水分散性ポリウレタン樹脂のなか
ではポリエステル系のものでなければならず、ポリエー
テル系ポリウレタン樹脂などでは十分な耐湿熱ライフ性
は得られない。
【0011】また、このポリエステル系の中でも少なく
とも炭素数6以上のアルキレン基を有する共重合ポリエ
ステルとすることにより、より一層耐湿熱ライフ性が向
上し好ましい。この成分は、5モル%以上含むことによ
り、より一層好ましく、10モル%以上含むことによ
り、さらに好ましい耐湿熱ライフ性が得られる。この具
体例としては、脂肪族ジカルボン酸成分では、アジピン
酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、エイコサンジオン
酸、ダイマー酸、オクチルコハク酸、ヒドロキシカルボ
ン酸成分としては、1,2−ヒドロキシステアリン酸な
どが挙げられる。もちろん、5−ヘキシルイソフタル
酸、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−4,4−ヘプ
タンのような炭素数6以上のアルキレン基を有する置換
芳香族ジカルボン酸、置換芳香族ジオールであっても良
い。
【0012】また、この水溶性または水分散性ポリエス
テル系ポリウレタン樹脂中には硫黄元素を含まないこと
がさらに耐湿熱ライフ性を向上させる点から好ましい。
【0013】また、この水溶性または水分散性ポリエス
テル系ポリウレタン樹脂は、破断伸度が100%以下、
好ましくは50%以下、より好ましくは20%以下であ
るのがよい。破断伸度が100%を超えるものでは耐湿
熱ライフ性を悪化させ、さらにコンデンサとして好まし
い滑り性、耐ブロッキング性、プレス粘着防止性を得る
ため、後述するポリエステルフィルムの表面を形成する
には粒子を添加する必要が生じ、その結果、一段と耐湿
熱ライフ性を悪化させてしまう。破断伸度が100%以
下では水溶性または水分散性ポリエステル系ポリウレタ
ン樹脂に粒子を添加しなくとも、ベースフィルムである
ポリエステルフィルムの表面の形状で後述するポリエス
テルフィルムの表面形状にコントロールでき、かつ優れ
た滑り性、耐ブロッキング性、プレス粘着防止性などが
得られ、驚くべきことに耐湿熱ライフ性まで向上させる
ことを見い出した。
【0014】また本発明における水溶性または水分散性
ポリエステル系ポリウレタン樹脂は抗張力が300kg
/cm2 以上、好ましくは400kg/cm2 以上、よ
り好ましくは450kg/cm2 以上であるのが耐湿熱
ライフ性、プレス粘着防止性の観点から好ましい。30
0kg/cm2 未満では耐湿熱ライフ性が劣り、プレス
粘着防止性にも劣り、本発明の効果は十分でない。この
抗張力と前述の破断伸度とは同時に満足することによ
り、一層優れた効果が得られる。
【0015】本発明における水溶性または水分散性ポリ
エステル系ポリウレタン樹脂はそのガラス転移温度(T
g)が50〜100℃が好ましく、55〜90℃がより
好ましい。50℃未満では耐湿熱ライフ性が悪化し、1
00℃を超えるものでも同様に耐湿熱ライフ性が悪化す
る。
【0016】この水溶性または水分散性ポリエステル系
ポリウレタン樹脂は、前述したポリエステルの表面の少
なくとも片面に被覆されている必要があり、片面の場合
金属蒸着層側であるのが好ましく、より好ましくは両面
被覆されているのが耐湿熱ライフ性の観点から好まし
い。また、この被覆層の厚みは少なくとも片面に、0.
01〜1μmである必要があり、好ましくは0.02〜
0.5μmである。0.01μm未満では耐湿熱ライフ
性が改良されない。また、1μmを超えるものでは、コ
ンデンサとしての特性を損ない、回収性などにより生産
性も悪化する。
【0017】本発明におけるポリエステルフィルムの表
面は、その表面のカルボン酸濃度が0.008以上、好
ましくは0.009以上である。0.008未満では十
分な耐湿熱ライフ性が得られない。
【0018】また、この際カルボン酸塩は含まないのが
好ましい。このカルボン酸濃度は例えば、特開昭61−
228030のように、ペンダントカルボキシル基など
の量や種類をかえることにより得られる。
【0019】本発明のポリエステルフィルムは、その接
着開始温度が80〜160℃が好ましく、さらに好まし
くは90〜150℃、より好ましくは100〜140℃
であるのが耐湿熱ライフ性を向上させる。80℃未満、
160℃を超えるものでは、いずれも耐湿熱ライフ性を
悪化させる。
【0020】また、上述した接着開始温度において、そ
の接着力が5〜400g/15mm幅であるのが好まし
く、20〜300g/15mm幅がより好ましい。5g
/15mm幅未満では耐湿熱ライフ性が悪化し、400
g/15mm幅を超えるものでは耐湿熱ライフ性はもち
ろんのことセルフヒール性が悪化し、フィルムコンデン
サの特徴がなくなる。
【0021】本発明におけるポリエステルフィルムの表
面は、表面粗さ(Ra)が0.002〜0.2μmであ
るのが好ましく、0.002μm未満では、コンデンサ
の製造工程での歩止まりが悪くなる。また、0.2μm
を超えるものでは、コンデンサの耐圧性が悪くなるばか
りでなく、耐湿熱ライフ性も悪くなる。
【0022】この表面を形成する手段としてはポリエス
テルフィルム中に、不活性粒子を添加することにより得
られ、具体例としては、シリカ、炭酸カルシウム、酸化
チタン、カオリン、タルク、アルミナなどがある。さら
に架橋高分子粒子なども用いることができる。この粒子
はポリエステルフィルム中に存在していることが重要で
あり、被覆層に添加した場合は耐湿熱ライフ性を悪化さ
せ、耐電圧も低下する。
【0023】また、別の手段としては、被覆層に炭素数
が10〜23の高級脂肪族モノカルボン酸またはそのエ
ステルからなる化合物を0.01%以下添加することに
よっても耐湿熱ライフ性に優れ、かつ電気特性を悪化さ
せずに滑り性、耐ブロッキング性、プレス粘着防止性を
付与できるため好ましい。
【0024】次に本発明の製造方法について説明するが
必ずしも限定されるものではない。まず、前述のポリエ
ステルをその融点を越える温度で常法の押出機にて溶融
押出し、ガラス転移点以下に冷却、キャストし、ガラス
転移点以上に加熱したのち、長手方向に2.8〜7.5
倍延伸し、このフィルム上にコロナ放電などの処理をし
たのち、前述の水溶性または水分散性ポリウレタン樹脂
の水溶液をコートし、ステンターにてガラス転移点以上
に予熱し、横方向3.0〜6.0倍に延伸し、引続き熱
固定する。この予熱の際、ノズル風速は重要であり、1
0〜30m/sec(フィルム面)で前予熱し、20〜
50m/secで後予熱する。すなわち低風速/高風速
とすることにより、本被覆剤の場合、被覆欠点をなくす
る観点で好ましい。さらに、熱固定温度はフィルムの温
度が200℃〜[融点−5℃]であるのが好ましい。2
00℃未満では耐湿熱ライフ性が悪くなり、[融点−5
℃]を越えるとポリエステルフィルムの耐圧性や機械的
特性が低下し、好ましくない。
【0025】また、別の表面被覆方法としては、ポリエ
ステルフィルムを二軸延伸フィルムとしたのちに、コー
トする方法もあり、この際は、被覆剤をコートする前
に、コロナ放電などの処理を行ない、その後、コートし
熱処理する方法であるがこの場合も前述と同様に熱固定
温度をコントロールするのが同様の理由で好ましい。
【0026】また、本発明のポリエステルフィルムの表
面にコロナ放電(空気中、窒素ガス、炭酸ガス雰囲気
中)やプラズマ処理などの表面処理を行なうことによ
り、より一層耐湿熱ライフ性や接着力が向上する。
【0027】次に、金属化ポリエステルフィルムとする
ために少なくとも片面にアルミニウムを蒸着して、コン
デンサの内部電極となるアルミニウム蒸着膜を設ける
が、この時アルミニウムと同時あるいは逐次にたとえば
ニッケル、銅、金、銀、クロム、亜鉛などの他の金属成
分が蒸着することもできる。また、蒸着膜上にオイルな
どで保護層を設けることもできる。アルミニウムの蒸着
膜の厚さは、コンデンサの電流特性とセルフヒール性の
点から200〜1000オングストローム(または表面
電気抵抗で1〜5Ω/□)であることが好ましい。
【0028】また、さらにアルミニウムの蒸着膜表面の
アルミニウム酸化指数が1.65以下が好ましく、1.
45〜1.60がより好ましい。
【0029】このようにすることにより、より一層耐湿
熱ライフ性が向上する。このような蒸着膜を得る手段と
しては、表面に前述した特定の水溶性または水分散性ポ
リエステル系ポリウレタン樹脂を被覆したポリエステル
フィルム上にアルミニウムを蒸着した後、180℃以上
の温度で1時間以上熱処理することにより得られる。ま
た、本発明のポリエステルフィルムは、180℃、30
分の加熱収縮率が、コンデンサとしたのち長手方向、横
方向の合計で2.0%以下であるのが好ましい。
【0030】
【物性の測定方法ならびに効果の評価方法】本発明の特
性値は次の測定方法、評価基準による。
【0031】(1)ポリエステルの極限粘度 ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し、25
℃において測定した。
【0032】(2)フィルムの表面粗さ(Ra) JIS−R601に準じて測定した。
【0033】(3)アルミニウム蒸着膜表面のアルミニ
ウム酸化指数 蒸着膜表面を軟X線光電子分光法で分析した。試料がコ
ンデンサとなっている時は解体して蒸着面を空気中に暴
露して試料とした。測定によって得られるピーク面積比
を各原子の相対感度因子で補正して得られる原子数比お
よび各原子の結合状態によりシフトしたピークを分割し
て求められる成分割合より、アルミニウム酸化指数O/
Alを下式によって求めた。
【0034】O/Al=[O(Al oxide)/A
l(Total)]/[Al(III )/Al(Tota
l)] ここで[Al(III )/Al(Total)]はアルミ
ニウム原子のピークを分割して得られたAl(III )の
存在比、また[O(Al oxide)/Al(Tot
al)]はアルミニウムに対する全酸素濃度から酸素単
体およびアルミニウム以外の元素と結合した酸素濃度を
差し引いて求められる。すなわち、例えば炭素と結合し
た酸素の濃度は、炭素のピークを分割して求められる。
この時、酸素を含む官能基がいくつか考えられたり、あ
るいは結合エネルギーが接近しているため分離ができな
い等、酸素の量が特定できない場合には最も多くの酸素
が炭素と結合しているものと見積もる。同様にして、他
の元素に結合した酸素についても結合酸素量を求め、合
計した値を全酸素濃度から差し引く。測定条件を以下に
示す。
【0035】装置 :島津製作所製 ESCA
750 励起X線 :MgKα1.2線(1253.6e
V) エネルギー補正:C1Sメインピークの結合エネルギー
を284.6eVとする 光電子脱出角度:90度
【0036】(4)コンデンサの耐湿熱ライフ性 コンデンサを60℃、95%RHの雰囲気下で400V
DCを印加し、エージングして静電容量変化率を測定し
た。この静電容量変化率ΔC/Cが10%低下するまで
の時間で示し、耐湿ライフ試験結果とした。この時間が
長いほど耐湿熱ライフ性が良い。ここで、Cはエージン
グ前の静電容量、ΔCはエージング前後の静電容量変化
量である。
【0037】(5)シート平均耐電圧 JIS−2110に準じ、シートBDV(絶縁破壊電
圧)DCにて測定した。陰極に厚み100μm、10c
m角アルミ箔電極、陽極に真鋳製25mmφ、500g
の電極を用い、この間にフィルムをはさみ、春日製高電
圧直流電源を用いて、100V/secの割合で昇圧し
ながら印加し、10mA以上の電流が流れた場合を絶縁
破壊したものとし、これを30回測定し、その平均値の
電圧で示した。
【0038】(6)コンデンサの製造 ポリエステルフィルムの片面(コーティング面)に表面
抵抗値が2Ωとなるようにアルミニウムを真空蒸着し
た。その際、長手方向に走るマージン部を有するストラ
イプ状に蒸着した(蒸着部の幅8.0mm、マージン部
の幅1.0mmの繰り返し)。次に各蒸着部の中央と各
マージン部の中央に刃を入れてスリットし、左もしくは
右に0.5mmのマージンを有する全幅4.5mmのテ
ープ状に巻取リールにした。得られたリールの左マージ
ンおよび右マージンのもの各1枚づつを重ね合わせて巻
回し、静電容量約0.047μFの巻回体を得た。その
際、幅方向に蒸着部分がマージン部より0.5mmはみ
だすように2枚のフイルムをずらして巻回した。この巻
回体から芯材を抜いて、そのまま150℃、10kg/
cm2 の温度、圧力で5分間プレスした。これに両端面
にメタリコンを溶射して外部電極とし、メタリコンにリ
ード線を溶接して巻回型コンデンサ素子を得た。
【0039】(7)溶液ヘイズ JIS−D−1003−52に準じて測定した。
【0040】(8)破断伸度、抗張力 水溶性または水分散性ポリエステル系ポリウレタン樹脂
を常温で20時間において乾燥し、その後140℃5分
で乾燥し、200μmのシートを得、このフィルムをJ
IS−C−2318に準じて破断伸度および破断強度
(これを抗張力と呼ぶ)を測定した。
【0041】(9)ガラス転移温度(Tg) パーキンエルマー社製DSC−2型を用い、10mgを
サンプリングし、昇温速度20℃/minで測定し求め
た。
【0042】(10)接着開始温度、接着力 テスター産業(株)製 TP−701Sヒートシーラテ
スターを用い、上面シーラーバーを所定の温度に加熱
し、下面シーラーバーは加熱せずシリコンゴムを当て
る。次に被覆面同志が向き合う状態とし、1kg/cm
2 の圧力で60秒間シールした後、15mm幅で接着力
を評価した。
【0043】この接着力を縦軸にとり、横軸を温度とし
てプロットしたとき、接着力が上昇し始める温度を接着
開始温度とした。
【0044】また、接着力は被覆面同志、または蒸着面
と被覆面との接着力の少なくともいずれか一方が本発明
の範囲内であればよい。
【0045】(11)表面のカルボン酸濃度 島津製作所製 ESCA750を使用し、次の条件で測
定した。
【0046】励起X線 :MgKα1.2線(12
53.6eV) 光電子脱出角度:90度
【0047】標準サンプルはポリアクリル酸(PAA)
フィルムを使用した。標準サンプル、測定サンプル共に
以下の気相化学修飾反応を実施した。
【0048】
【数1】 測定サンプルと標準サンプルであるPAAフィルムを1
cm×1cmの大きさに切り、デシケータ中で空気雰囲
気下、ピリジンとジシクロヘキシルカルボジイミド(D
CC)を触媒とし、トリフルオロエタノール(TFE)
により、フィルム表面カルボン酸のエステル化を行なっ
た(測定サンプルとPAAフィルムは同一バッチで行な
った)。
【0049】PAA標準サンプルからTFEとの反応率
(r)と反応触媒として用いたDCCの残留率(m)を
求め、各サンプルのC1s 、F1s のピーク面積にrと
mを考慮してフィルム表面のカルボン酸濃度(−COO
H/C[total])を求めた。
【0050】
【実施例】以下本発明を実施例に基づき説明する。
【0051】実施例1、実施例2 熱可塑性樹脂としてポリエチレンテレフタレート(IV
=0.60)を用い、180℃で真空乾燥し、押出機に
供給し、290℃で溶融させたのちTダイよりシートを
吐出させ、冷却ドラムにてキャストした。このフィルム
を90℃に加熱し、長手方向に3.5倍延伸し、コロナ
放電処理を施したのち、水溶性または水分散性ポリエス
テル系ポリウレタン樹脂として大日本インキ化学工業
(株)製“ハイドラン”HW350とHW350にHW
310を7:3の比率で混合したもの(破断伸度はそれ
ぞれ表1に示した破断伸度9%、35%のもの)をコー
トしたのち、100℃に加熱して幅方向に3.6倍に延
伸し、引続き240℃で4%弛緩処理をし、5.4μm
の二軸延伸フィルムを得た。各コート厚みは二軸延伸フ
ィルムとしたのちの膜厚で0.1μmとした。それぞれ
表面のカルボン酸濃度は0.01、0.009であった
(それぞれ実施例1、実施例2とした。)。
【0052】比較例1 ウレタンコートをせず、基材フィルムのみとした。表面
のカルボン酸濃度は0.002であった。
【0053】比較例2 “ハイドラン”HW350に界面活性剤を1wt%添加
したものをコートした以外は実施例1、実施例2と同様
にして、厚みを0.1μmとした。表面のカルボン酸濃
度は0.007であった。
【0054】比較例3、比較例4 実施例1、実施例2と同様にして水溶性または水分散性
ポリエステル系ポリウレタン樹脂“ハイドラン”AP4
0(破断伸度30%、抗張力220kg/cm2 のも
の)、“ハイドラン”AP10(破断伸度500%、抗
張力360kg/cm2 のもの)をコートした。各コー
ト厚みを0.1μmとした。それぞれ表面のカルボン酸
濃度は0.007、0.003であった(それぞれ比較
例3、比較例4とした。)。
【0055】実施例3、実施例4 実施例1、実施例2と同様にして水溶性または水分散性
ポリエステル系ポリウレタン樹脂として前述した“ハイ
ドラン”HW350を用い、各コート厚みが二軸延伸フ
ィルムとしたのち表1となるよう変更した。それぞれ表
面のカルボン酸濃度は0.01、0.01であった(そ
れぞれ実施例3、実施例4とした。)。
【0056】比較例5、比較例6 実施例1、実施例2と同様にして水溶性または水分散性
ポリエステル系ポリウレタン樹脂として前述した“ハイ
ドラン”HW350を用い、各コート厚みが二軸延伸フ
ィルムとしたのち表1となるよう変更した。それぞれ表
面のカルボン酸濃度は0.01、0.01であった(そ
れぞれ比較例5、比較例6とした。)。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明のコンデンサ用ポリエステルフィ
ルムは従来のポリエステルフィルムに比べ、特定のポリ
マーで表面を被覆することにより、耐圧性や他の電気特
性を悪化させることなく、従来にない耐湿熱ライフ性
(負荷時における)に優れ、巻取性、滑り性、ブロッキ
ング防止性にも優れたコンデンサー用ポリエステルフィ
ルムが得られたものであり、さらに、チップ型コンデン
サとした時、前述特性はもちろんのこと積層性が向上す
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−32806(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 27/00 - 27/42 C08J 7/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面に0.01〜1μmの被
    膜を形成してなるポリエステルフィルムであって、該被
    膜が水溶性または水分散性ポリエステル系ポリウレタン
    樹脂よりなり、該被膜表面のカルボン酸濃度が0.00
    8以上であることを特徴とするコンデンサ用ポリエステ
    ルフィルム。
  2. 【請求項2】 水溶性または水分散性ポリエステル系ポ
    リウレタン樹脂の破断伸度が100%以下であり、抗張
    力が300kg/cm2 以上であることを特徴とする請
    求項1に記載のコンデンサ用ポリエステルフィルム。
JP26351893A 1992-10-22 1993-10-21 コンデンサ用ポリエステルフィルム Expired - Fee Related JP3185496B2 (ja)

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