JPH11115770A - 衝撃吸収式ステアリングコラム支持構造 - Google Patents

衝撃吸収式ステアリングコラム支持構造

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JPH11115770A
JPH11115770A JP27781197A JP27781197A JPH11115770A JP H11115770 A JPH11115770 A JP H11115770A JP 27781197 A JP27781197 A JP 27781197A JP 27781197 A JP27781197 A JP 27781197A JP H11115770 A JPH11115770 A JP H11115770A
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JP
Japan
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steering column
support structure
airbag
mounting member
steering
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JP27781197A
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Hiroyuki Nagura
博幸 名倉
Kazuhide Honda
一秀 本多
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝撃吸収式ステアリングコラム支持構造にお
いて、ステアリングコラム側での衝撃吸収をエアバッグ
による衝撃吸収と適切に協働させるようにしながら低コ
ストで確実な衝撃吸収を行なうことができるようにす
る。 【解決手段】 一端側にステアリングホイール2を取り
付けられるステアリングコラム1と、該ステアリングコ
ラム1をその軸方向に離隔した上部および下部の2点で
それぞれ軸支する上部支持構造部10および下部支持構
造部20と、ステアリングホイール2に装備されたエア
バッグ50とをそなえ、上部支持構造部10および下部
支持構造部20のステアリングコラム1に対する係止状
態を、いずれも、エアバッグ50の作動時にステアリン
グコラム1の受けるエアバッグ膨出反力によってステア
リングコラム1を他端側へ離脱させるように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車にそなえら
れるステアリングコラムの支持構造に関し、特に、乗員
のステアリングホイールへの衝突時の衝撃吸収をエアバ
ッグと協働して行なう、衝撃吸収式ステアリングコラム
支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の安全面の向上に関する技
術開発が進められており、例えば車両の前後方向衝突時
の衝撃を緩和して乗員を保護する技術も開発されてい
る。このような衝撃緩和の技術の一つに、ステアリング
コラムにより衝撃エネルギを吸収できるようにした技術
がある。
【0003】すなわち、車両の前後方向衝突時には、車
両前方からの衝撃力は車体を介してステアリングギヤボ
ックス側からステアリングコラムに伝達され、ステアリ
ングコラムを車体後方(即ち、運転者側)に突出するよ
うに作用する。そこで、このようなステアリングコラム
の後方変位によりステアリングホイール側が運転者側に
変位するために、乗員(運転者)がステアリングホイー
ル側に衝突する(第1次衝突)という現象が発生し、こ
のような衝突を緩和する必要がある。
【0004】また、このような衝突時には、第1次衝突
の後で、乗員(ここでは、運転者)が慣性力によりステ
アリングホイール側に移動するために、乗員(運転者)
がステアリングホイール側に衝突する(第2次衝突)
が、このような衝突についても緩和する必要がある。そ
こで、ステアリングコラムが、衝撃時に加わる軸方向荷
重(通常、圧縮力)により所要方向に収縮したり変位し
たりできるようにして、第1次衝突や第2次衝突を緩和
できるようにした、いわゆる衝撃吸収式ステアリングコ
ラムや衝撃吸収式ステアリングコラム支持構造が開発さ
れている。
【0005】従来より開発されている衝撃吸収式ステア
リングコラムとしては、例えば図10に示すように、ス
テアリングコラム100をパイプ101とこのパイプ1
01内に重合しうるシャフト102とから構成し衝撃吸
収を行なうようにしたものがある。この場合、通常時に
は、図10(a)に示すように、パイプ101及びシャ
フト102がごく部分的に重合した状態で両者を固着さ
せておき、ステアリングコラム100が軸方向に所要以
上の衝撃荷重(圧縮力)を受けると、パイプ101及び
シャフト102間の固着が解除されて、パイプ101及
びシャフト102がより重合していきながら、図10
(b)に示すように、ステアリングコラム100を収縮
させつつ衝撃吸収を行なう。
【0006】また、図11(a)〜(e)に示すよう
に、ステアリングコラム200を一本のパイプ201に
より構成して、このパイプ201の中間部202を、図
11(c),(d)に示すように楕円形の断面として、
ステアリングコラム200が軸方向に所要以上の衝撃荷
重(圧縮力)を受けると楕円形断面の中間部202を変
形させながら、ステアリングコラム100を収縮させつ
つ衝撃吸収を行なう。
【0007】一方、ステアリングコラムの支持構造を塑
性変形させることで衝撃吸収を行なうようにしたものも
開発されている。例えば図12に示すように、ステアリ
ングコラム300をベンディングプレート301とステ
アリングコラムホルダ302との間にラバーバンド30
3を介して挟持して、ベンディングプレート301及び
ステアリングコラムホルダ302の両端部を図示しない
車体側に結合することで、ステアリングコラム300を
支持する。そして、ステアリングコラム300が軸方向
に所要以上の衝撃荷重(圧縮力)を受けると、ベンディ
ングプレート301の塑性変形やラバーバンド303の
変形により、ステアリングコラム300が変位しながら
衝撃吸収を行なう。
【0008】このような塑性変形を利用した衝撃吸収式
ステアリングコラム支持構造としては、この他、実開昭
58−188330号公報,実開昭62−161081
号公報,実開平1−98067号公報,特開平4−23
0470号公報にも開示されている。ところで、運転者
のステアリングホイール側への衝突時(第2次衝突)の
衝撃を緩衝する装置として、エアバッグが開発されてい
る。このような運転席エアバッグは通常ステアリングホ
イールのリム部内に内蔵されており、前方衝突荷重(一
般には、衝突加速度)が一定レベルに達したらエアバッ
グが膨出して、運転者のステアリングホイール側への衝
突を緩衝する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述
(図10,図11参照)のような従来の衝撃吸収式ステ
アリングコラムでは、構造が複雑であるためコスト高を
招いてしまうという課題がある。また、上述(図12参
照)のような従来の衝撃吸収式ステアリングコラム支持
構造では、比較的コストを抑制しうるものの支持構造が
所定の圧縮力で塑性変形させるようにするための設定は
容易ではなく、衝撃吸収性能の確保が困難であるという
課題がある。
【0010】さらに、運転席エアバッグの場合、運転者
の頭部または胸部とステアリングホイールリムの運転席
エアバッグとの間の距離が短く、衝撃エネルギの吸収ス
トロークを十分に確保することが困難であり、また、ス
テアリングホイールリム内にエアバッグを内蔵させる構
造ではエアバッグの袋体の大きさも制限されてしまうた
め、運転席エアバッグにより確実に第2次衝突を緩衝せ
さるようにすることは容易ではない。
【0011】そこで、ステアリングコラム側での衝撃吸
収をエアバッグによる衝撃吸収と適切に協働させるよう
にすれば、衝撃吸収をステアリングコラム側とエアバッ
グ側とで分担できるようになり、それぞれの衝撃吸収負
担が軽減されて、コスト低減を図ることや、車両の衝突
時に運転者に対してステアリングホイールから加わる衝
撃をより確実に低減することが可能と考えられる。
【0012】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、ステアリングコラム側での衝撃吸収をエアバッグ
による衝撃吸収と適切に協働させるようにしながら、低
コストで確実な衝撃吸収を行なうことができるようにし
た、衝撃吸収式ステアリングコラム支持構造を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の衝撃吸収式ステアリングコラム支持構造は、
車両の衝突時には、ステアリングコラムの一端側のステ
アリングホイールに装備されたエアバッグが作動し膨出
するとともに、このエアバッグの膨出反力がステアリン
グコラムに加わり、ステアリングコラムを軸方向の上部
及び下部の2点でそれぞれ車体に軸支する上部支持部お
よび下部支持部では、このエアバッグ膨出反力によって
ステアリングコラムを他端側(ステアリングホイールと
反対側)へ離脱させる。
【0014】したがって、ステアリングコラムが他端側
(ステアリングホイールと反対側)へ所定荷重で変位し
うるようになり、エアバッグの膨出時のエアバッグの支
持剛性が抑制され、乗員のエアバッグ側への衝突時の衝
撃が柔軟に緩衝されて、しかも、衝撃吸収ストロークを
増加させることもでき衝撃エネルギの吸収を確実に行な
うことができるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明すると、図1〜図9は本発明の一実
施形態としての衝撃吸収式ステアリングコラム支持構造
を示すものである。図2に示すように、ステアリングコ
ラム(コラムパイプ)1の一端(上端)には、ステアリ
ングホイール2が装着され、このステアリングホイール
2のボス2A内には運転席用エアバッグ50が内装され
ている。このエアバッグ50は、車室前部又は車室前方
に設置された図示しないエアバッグセンサにより車両に
所定以上の衝撃(通常は、所定以上の前後加速度)が加
わったことを感知すると作動して、袋体を運転者側へ膨
出させるようになっている。
【0016】また、ステアリングコラム1の他端(下
端)は、ユニバーサルジョイント5を介してロアシャフ
ト3に結合され、さらに、ロアシャフト3の下端は、ユ
ニバーサルジョイント6を介してステアリングギヤボッ
クス4に結合されている。また、ロアシャフト3は大径
パイプ3Aとこの大径パイプ3A内を摺動しうる小径パ
イプ(又は小径シャフト)3Bとから伸縮可能なテレス
コピックタイプに構成されている。
【0017】このようなステアリングコラム1は、車体
側に装備されたデッキクロスメンバ7に固定されたブラ
ケット8に対して、その軸方向上部および軸方向下部の
2点でそれぞれ取り付けられている。なお、ブラケット
8は、デッキクロスメンバ7に固着された車体側ブラケ
ット8Aと、ステアリングコラム1を結合されるコラム
側ブラケット8Bとが結合してなっている。
【0018】ここで、ステアリングコラム1の取付構造
についてさらに説明すると、図1に示すように、ステア
リングコラム1は、ステアリングシャフト9を内蔵した
コラムパイプであり、内部のステアリングシャフト9を
ベアリング9Aを介して回転自在に軸支している。この
ようなステアリングコラム1は、その軸方向に離隔した
上部(図1中、右側部、ただし、ここではステアリング
コラム1の長手方向の中央部に位置している)および下
部(図1中、左側部)でそれぞれ上部支持部10および
下部支持部20により車体側のブラケット8に結合され
ている。
【0019】このうち、上部支持部10は、チルト機構
30を内蔵しており、図1,図2に示すようにブラケッ
ト8にボルト41により結合される第1取付部材11
と、ステアリングコラム1側に溶接等により固定された
第2取付部材12と、これらの第1取付部材11と第2
取付部材12とを締結するチルト固定シャフト13とを
そなえて構成される。
【0020】なお、第1取付部材11は、図4に示すよ
うに、逆U字型の横断面形状を有するように屈曲形成さ
れており、その左右の立壁部11A,11Bには、それ
ぞれ、図1に示すような円弧状穴11Cが形成されてい
る。チルト固定シャフト13は、第2取付部材12側に
軸支されており、この円弧状穴11C内を移動しながら
第2取付部材12側の第1取付部材11側への相対上下
位置を調整して、ステアリングホイール2のチルト調整
を行なえるようになっている。
【0021】また、チルト固定シャフト13は、その両
端部に図示しない雄ねじ部をそなえ、第1取付部材11
の左右の立壁部11A,11Bの外面側にはこの雄ねじ
部に螺合する図示しないナットが装備されており、チル
ト固定シャフト13を調整レバー14を通じて回転させ
ることで、チルト固定シャフト13とナットとの螺合状
態が調整され、第1取付部材11と第2取付部材12と
を締結したり、また、締結を解除したりできるようにな
っている。
【0022】例えば調整レバー14を図1中に2点鎖線
で示すように下方へ旋回させると、チルト固定シャフト
13が緩んで第2取付部材12と第1取付部材11との
締結が解除され、第2取付部材12側のステアリングコ
ラム1を第1取付部材11側の車体に対してチルト調整
できるようになり、調整レバー14を図1中に実線で示
すように上方へ旋回させると、チルト固定シャフト13
が締まって第2取付部材12と第1取付部材11とが締
結され、第2取付部材12側のステアリングコラム1を
第1取付部材11側の車体に固定できるようになってい
る。
【0023】なお、第1取付部材11と第2取付部材1
2との間にはスプリング15が介装されたており、第1
取付部材11側(車体側)で第2取付部材12側(ステ
アリングコラム1側)を弾性的に支持しており、この弾
性支持により第2取付部材12側(ステアリングコラム
1側)の自重が相殺され、チルト調整を容易に行なえる
ようになっている。
【0024】ところで、第1取付部材11には、図3,
図4に示すように、その左右の立壁部11A,11Bの
外側に、ほぼ水平方向に向いた(ただし、ステアリング
軸心線CLの傾斜に応じて前傾する)フランジ状取付面
部16A,16Bが設けられており、これらの取付面部
16A,16Bには、それぞれステアリングコラム1の
一端側(ステアリングシャフト2側)に開口した切欠き
溝17A,17Bが形成されている。なお、フランジ状
取付面部16A,16Bの周縁部には、切欠き溝17
A,17Bの開口側を除いて屈曲形成され剛性を強化さ
れている。
【0025】そして、切欠き溝17A,17Bには、そ
れぞれ座金18が嵌合装着されている。つまり、座金1
8の外周には、切欠き溝17A,17B周縁の厚みに対
応した溝18Aが形成されており、この溝18A内に切
欠き溝17A,17B周縁部を嵌入させるようにして切
欠き溝17A,17Bに座金18を差し込んで、溝18
Aの上下から座金18の縁部18aをかしめることで、
座金18を切欠き溝17A,17Bに嵌着させている。
【0026】座金18の中心部には、長穴18Bが形成
されており、この長穴18B内にボルト41を差し込ん
で、ボルト41により座金18をブラケット8(コラム
側ブラケット8B)と共締めすることにより、第1取付
部材11がブラケット8に固定されている。なお、ボル
ト41を挿入される穴18が長穴になっているのは、取
付誤差を吸収できるようにするためである。
【0027】このように、座金18がステアリングホイ
ール2側に開口した切欠き溝17A,17Bに嵌着によ
り結合されているため、ステアリングコラム1にステア
リングホイール2側から所定以上の圧縮力が加わると、
図5(a)に示すような嵌着除隊から、座金18と切欠
き溝17A,17Bとの嵌着が外れて、図5(b)に示
すように、第1取付部材11はステアリングコラム1と
ともにステアリングコラム1の他端側(即ち、ロアシャ
フト3やステアリングギヤボックス4の側)に変位しう
るようになっている。
【0028】一方、下部支持部20は、図1,図2に示
すようにブラケット8にボルト42により結合される第
3取付部材21と、ステアリングコラム1側に溶接等に
より固定された第4取付部材22と、これらの第3取付
部材21と第4取付部材22とを締結するビス23とを
そなえて構成される。第3取付部材21は、図8に示す
ように、U字型の横断面形状を有しており、ステアリン
グコラム1はこのU字型の第3取付部材21内に位置す
ることになる。そして、第3取付部材21の左右の立壁
部21A,21Bの上方外側には、ほぼ水平方向に向い
た(ただし、ステアリング軸心線CLの傾斜に応じて前
傾する)フランジ状取付面部24A,24Bが設けられ
ており、これらの取付面部24A,24Bには、ボルト
穴25A,25Bが設けられている。これらのボルト穴
25A,25B内にボルト42を差し込んで、ボルト4
2により取付面部24A,24Bをブラケット8(コラ
ム側ブラケット8B)と共締めすることにより、第3取
付部材21がブラケット8に固定されている。
【0029】第4取付部材22は、図8に示すように、
逆U字型に近いの横断面形状を有しており、左右の立壁
部22A,22Bと上面部22Cとをそなえ、立壁部2
2A,22Bの下端は内側にやや彎曲形成され、ステア
リングコラム1の外周面に溶着されている。また、上面
部22Cのステアリングシャフト2側の端部には、図
6,図7,図9に示すように、下方(ステアリングコラ
ム1側)に屈曲形成された延設部22Dが設けられ、こ
の延設部22Dの下端もステアリングコラム1の外周面
に溶着されている。
【0030】そして、これらの第3取付部材21及び第
4取付部材22には、図8に示すように、水平方向に向
いたピン穴26,27がそれぞれ左右一対ずつ設けられ
ており、両ピン穴26,27が左右毎にそれぞれ重合す
るように配置され、これらの左右のピン穴26,27を
貫通するようにビス23,23がそれぞれ内挿されてい
る。
【0031】各ビス23は、頭部23Aを第3取付部材
21の立壁部21A,21Bの外面に当接させ、先端部
23Bを第4取付部材22の立壁部22A,22Bの内
面側へ突出させるように装着された上で、この先端部2
3Bをかしめられている。なお、先端部23Bは、座金
28を当てられた上でかしめられており、また、第3取
付部材21と第4取付部材22との間には,皿ばね29
が介装されている。したがって、ビス23は、第3取付
部材21,皿ばね29,第4取付部材22,座金28を
サンドイッチ状に圧接させており、これにより、第3取
付部材21と第4取付部材22との結合がなされてい
る。
【0032】ところで、第4取付部材22のピン穴27
は、図6,図7に示すように、ステアリングコラム1の
一端側(ステアリングシャフト2側)に開口しており、
ステアリングコラム1にステアリングホイール2側から
所定以上の圧縮力が加わると、第4取付部材22のピン
穴27が図7に示すようにビス23から外れて、ステア
リングコラム1がその他端側(即ち、ロアシャフト3や
ステアリングギヤボックス4の側)に変位しうるように
なっている。
【0033】なお、図7では、2点鎖線によりビス23
が第4取付部材22のピン穴27から外れるように示し
ているが、これは第4取付部材22を主体に示している
ためであり、実際には、ビス23は車体側に固定される
ので、2点鎖線で示すビス23に対して第4取付部材2
2側が変位することになる。ところで、エアバッグ50
の作動時には、エアバッグ袋体の膨出動作に伴ってエア
バッグ50を支持する側、即ち、ステアリングコラム1
側に膨出反力が発生する。エアバッグ袋体が運転者側、
即ち、ステアリングコラム1の引張側に膨出するので、
この膨出反力は、ステアリングコラム1に圧縮力として
作用する。
【0034】このエアバッグ袋体の膨出は極めて短時間
で行なわれるので、瞬間的に大きな膨出力が発生し、ス
テアリングコラム1に圧縮力として作用する膨出反力
も、通常運転時にステアリングコラム1に加わる圧縮力
に比べて大幅に大きくなる。そして、上述の第1取付部
材11の切欠き溝17A,17Bからの座金18の離
脱、及び、第4取付部材22のピン穴27からのビス2
3の離脱は、通常運転時にステアリングコラム1に加わ
る程度の圧縮力では生じないが、エアバッグの膨出反力
によりステアリングコラム1に加わるような大きな圧縮
力で発生するように、その係止状態を設定されている。
【0035】本発明の一実施形態としての衝撃吸収式ス
テアリングコラム支持構造は、上述のように構成されて
いるので、車両が前後方向から衝突を受けた場合、これ
を速やかに図示しないエアバッグセンサが感知してエア
バッグ50を起動させる。このエアバッグ50の起動に
より、エアバッグ袋体が膨出するが、この時生じる大き
な膨出反力によってステアリングコラム1に所定以上の
大きな圧縮力が加わるため、図5(b)に示すような第
1取付部材11の切欠き溝17A,17Bからの座金1
8の離脱、及び、図7に鎖線で示すような第4取付部材
22のピン穴27からのビス23の離脱が発生する。
【0036】このようなエアバッグ袋体が膨出やステア
リングコラム1の離脱は、第1次衝突後速やかに行なわ
れるので、第1次衝突によるステアリングコラム1の後
方移動を防止しうるとともに、第2次衝突に対して確実
に対応することができる。すなわち、ステアリングコラ
ム1は、衝突後速やかにその他端側(即ち、ロアシャフ
ト3やステアリングギヤボックス4の側)に変位しうる
ようになり、膨出したエアバッグ50に乗員(運転者)
の頭部または胸部が衝突した際に、このエアバッグ50
を支持するステアリングコラム1の軸方向剛性が大幅に
抑制されるため、エアバッグにより運転者の頭部または
胸部を極めてソフトに受け止めることができる。また、
ステアリングコラム1が軸方向に変位しながらエアバッ
グ50による衝撃吸収ストロークを増大させるので、エ
アバッグにより運転者をソフトに受け止めながらも運転
者の衝撃エネルギを完全に吸収しうるようにすることも
容易になるのである。
【0037】実際には、運転者はシートベルトによって
も拘束されるため、これらの種々の安全機構が協働しな
がら、運転者へ過大な衝撃が加わることを防止して、運
転者の保護をより一層確実に図ることができるようにな
る。しかも、エアバッグ50の膨出反力に応じて、切欠
き溝17A,17Bからの座金18の離脱やピン穴27
からのビス23の離脱によりステアリングコラム1を移
動可能状態とするという簡素な構成なので、コスト的に
も有利である。
【0038】さらに、ステアリングコラム1を移動可能
状態とする第1取付部材11の切欠き溝17A,17B
からの座金18の離脱や第4取付部材22のピン穴27
からのビス23の離脱は、ステアリングコラム1に加わ
るエアバッグの膨出反力に応じて行なわれるようになっ
ているが、エアバッグ50の膨出反力は想定し易く、ま
た、切欠き溝17A,17Bと座金18との結合やピン
穴27とビス23との結合限界(離脱力)の設定も、か
しめ状態の調整や皿ばね29等の介装部材の選定によっ
て容易に行なうことができるので、衝撃吸収の必要な衝
撃時には、ステアリングコラム1を通じた衝撃吸収を確
実に行なうことができるのである。
【0039】なお、本実施形態の場合、ステアリングコ
ラム1の他端側(ロアシャフト3やステアリングギヤボ
ックス4の側)への変位は、ユニバーサルジョイント
5,6を屈曲させたりテレスコピックタイプのロアシャ
フト3を収縮させたりしながら、何ら支障なく容易に行
なわれる。また、ステアリングコラム1は、強固に車体
側に固定されている第3取付部材21のU字型内に位置
しており、第3取付部材21は強固に車体側に固定され
ているため、ステアリングコラム1の支持構造部10,
20が離脱しても、ステアリングコラム1はU字型の第
3取付部材21内に保持されて、不要な揺動等を回避す
ることができる利点もある。
【0040】さらに、上部支持部10において、離脱す
る結合部にかかるボルト41が略上下方向に向けて配設
されるのに対して、下部支持部20において、離脱する
結合部にかかるビス23は左右方向に向けて配設される
ため、通常時のステアリングコラム1の支持剛性を全周
方向において確保しやすい利点もある。なお、上部支持
部10や下部支持部20の離脱構造は、本実施形態に限
定されるものではなく、摩擦を利用してステアリングコ
ラム1の係止を行なうものであれば、この摩擦力を適切
に設定することで所望の離脱を行なわせることができ、
また、面抗力によりステアリングコラム1の係止を行な
うものであれば、この面抗力を発揮する部材の弾性変形
や塑性変形を所定荷重のもとで発生させるようにするこ
とで所望の離脱を行なわせることができる。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の衝撃吸収式ステアリングコラム支持構造によれ
ば、エアバッグの作動とこれに連動するステアリングコ
ラムの支持構造部の離脱という簡素な構成により、車両
の衝突時における乗員への衝撃を確実に緩衝することが
できるようになり、低コストにしかも確実に乗員の保護
を図ることができるようになる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての衝撃吸収式ステア
リングコラム支持構造を示すステアリングコラムの側面
図である。
【図2】本発明の一実施形態としての衝撃吸収式ステア
リングコラム支持構造を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態としての衝撃吸収式ステア
リングコラム支持構造の上部支持構造を示す平面図であ
る。
【図4】本発明の一実施形態としての衝撃吸収式ステア
リングコラム支持構造の上部支持構造を示す正面図(図
3のC矢視図)である。
【図5】本発明の一実施形態としての衝撃吸収式ステア
リングコラム支持構造の上部支持構造のステアリングコ
ラム離脱動作を示す要部側面図であり、(a)は衝撃前
の状態をそのA−A断面と合わせて示し、(b)は衝撃
後の状態をそのB−B断面と合わせて示す。
【図6】本発明の一実施形態としての衝撃吸収式ステア
リングコラム支持構造の上部支持構造を示す側面図(一
部は断面を示す)である。
【図7】本発明の一実施形態としての衝撃吸収式ステア
リングコラム支持構造の上部支持構造を示す要部側面図
である。
【図8】本発明の一実施形態としての衝撃吸収式ステア
リングコラム支持構造の上部支持構造を示すステアリン
グコラムの横断面図(図6のD矢視図)である。
【図9】本発明の一実施形態としての衝撃吸収式ステア
リングコラム支持構造の上部支持構造を示す要部正面図
である。
【図10】従来の衝撃吸収式ステアリングコラムを示す
模式的な側面図であり、(a)は衝撃前の状態を示し、
(b)は衝撃後の状態を示す。
【図11】従来の衝撃吸収式ステアリングコラムを示す
模式的図であり、(a)は側面図、(b)〜(e)はそ
れぞれ(a)のL1,L2,L3,L4線に沿った断面
図である。
【図12】従来の衝撃吸収式ステアリングコラム支持構
造を示す模式的斜視図である。
【符号の説明】
1 ステアリングコラム(コラムパイプ) 2 ステアリングホイール 3 ロアシャフト 4 ステアリングギヤボックス 10 上部支持部 20 下部支持部 50 エアバッグ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端側にステアリングホイールを取り付
    けられるステアリングコラムと、 該ステアリングコラムをその軸方向に離隔した上部およ
    び下部の2点でそれぞれ車体に軸支する上部支持部およ
    び下部支持部と、 該ステアリングホイールに装備されたエアバッグとをそ
    なえ、 該上部支持部および該下部支持部の該ステアリングコラ
    ムに対する係止状態を、いずれも、該エアバッグの作動
    時に該ステアリングコラムの受けるエアバッグ膨出反力
    によって該ステアリングコラムを他端側へ離脱させるよ
    うに設定したことを特徴とする、衝撃吸収式ステアリン
    グコラム支持構造。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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