JPH1110437A - シャーリング機 - Google Patents

シャーリング機

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JPH1110437A
JPH1110437A JP17226097A JP17226097A JPH1110437A JP H1110437 A JPH1110437 A JP H1110437A JP 17226097 A JP17226097 A JP 17226097A JP 17226097 A JP17226097 A JP 17226097A JP H1110437 A JPH1110437 A JP H1110437A
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JP
Japan
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clearance
blade
cutting
fixed blade
adjusting means
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Application number
JP17226097A
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English (en)
Inventor
Kenichi Marui
健一 丸井
Toshihiro Yonekura
敏浩 米倉
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Murata Machinery Ltd
Original Assignee
Murata Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切断の進行に伴う板材の撓みおよび機械各部
のクリアランス変化によって切断線の直線性が悪くなる
ことを改善する。 【解決手段】 シャーリング機2は、互いに噛み合う固
定刃13および移動刃12と、切断中に両刃12,13
のクリアランスを調整する調整手段20とを備える。調
整手段20は、固定刃12と移動刃13とのクリアラン
スを変更するクリアランス調整手段22と、このクリア
ランス調整手段を制御する制御手段29からなる。この
制御手段29は、素材の板厚,材質,および製品形状の
うちの少なくとも一つの板材情報に応じて、移動刃12
の移動中のクリアランス変更曲線を設定した変更曲線設
定手段33を有する。制御手段29は、所定の板材情報
に応じて、その設定されたクリアランス変更曲線に従
い、クリアランス調整手段22を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、固定刃と移動刃
で板金等の板材を切断するライトアングルシャー等のシ
ャーリング機に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来のシャーリング機として、
L字形の移動刃を垂直に昇降させるようにしたものがあ
る。この他に、L字形の移動刃を、その一辺に平行な旋
回支軸回りに上下旋回させるようにしたものも使用され
ている。図15に示すように、これらのシャーリング機
の移動刃41は、固定刃42の内側に沿うようにされ、
刃先には、その一端から中間の屈曲部を経て他端へと向
かうような一様の傾斜(レーキ角)が設けられている。
これにより、移動刃41の下降に伴って、移動刃41は
その一端から他端までが固定刃42と順次噛み合い、同
図に矢印Pで示すように板材Wが切断されて行く。この
場合、板材Wの厚みに応じて調整する移動刃41と固定
刃42との間のクリアランスは、板材切断工程の間中、
一定に保たれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の各装置
の場合、板材切断の工程の前半では、期待通りの寸法で
かつ直線状に切断されて行くが、工程が終了に近づく
と、図18(B)に示すように製品Wbの終端部分が下
方に撓むことがある。このような現象は、図16のよう
な終了側切断線に沿う方向に長い短冊状の製品Wb、つ
まり切断幅Lが狭い製品Wbを切断加工する際に特に顕
著に現れる。このような撓み状態で切断加工が続行され
ると、同図に誇示して示すように切断線Sの切断終了間
際の部分Saで直線性が大きく低下する。一般に、板材
Wが厚くなる程、また切断幅(製品幅)Lが小さくなる
程、このような傾向が強くなる。
【0004】この切断線Sの曲がりの理由を切断の経緯
と共に説明する。まず、切断幅Lが大きい場合を説明す
る。図17(A)に示すように、板材Wの切断幅がL1
と大きいときは、同図(A)の切断開始時点から同図
(B)の切断終了まで、切断される板材Wはほぼ水平の
状態を保持している。これは、切断加工の工程におい
て、製品Wb部分が幅広であると、製品Wbの剛性によ
り製品Wbの切断時における曲げや撓み等の力を吸収し
て、製品Wb部分の姿勢は切断終了まで保持されること
による。切断幅Lが小さい場合は、図18(A)に示す
切断開始状態から、同図(B)に示す切断終了状態へと
推移する。切断幅がL2と小さくなると、切断終了付近
では、母材Waと製品Wbの連結部の剛性が小さくな
り、曲げ作用が働いて、同図(B)のように製品Wbが
下方へ撓む状態になる。この撓み状態で切断すると、切
断角度θは、90°+Δθとなる。そのため、製品Wb
の下面寸法よりも製品Wbの上面の寸法の方が大となる
ので、製品Wbの幅寸法は上面寸法L3となり、切断開
始時の切断幅L2より大きくなる。すなわち、図19に
切断部の断面を拡大して示すように、切断開始時は実線
で示す切断面であったところが、切断終了付近では鎖線
で示すような断面となり、製品Wbの上方の寸法L3が
大きくなる。このように、製品幅が狭い場合に、切断終
了間際の部分Sa(図16)で直線性が大きく低下す
る。
【0005】なお、板材Wの撓みの他に、切断荷重によ
る機械各部の弾性変形によって生じる上下刃間のクリア
ランスの変化によっても切断線Sの直線性の低下が生じ
ることがある。この場合の切断線Sの直線性の低下は、
切断終了間際に限らず、機械の剛性や切断条件等によ
り、切断過程の何時でも起こり得る。
【0006】この発明は、このような課題を解消し、切
断線の直線性を維持できるシャーリング機を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の構成を実施形
態に対応する図8を参照して説明する。このシャーリン
グ機は、固定刃(13)と、この固定刃(13)に噛み
合うように接近離間する移動刃(12)と、前記移動刃
(12)の移動による板材の切断中に、この移動刃(1
2)と固定刃(13)とのクリアランスの方向に前記板
材と移動刃との相対位置を調整する調整手段(20)と
を備えたものである。この構成によると、板材の切断加
工の進行に伴う板材の状態の変化や、機械の状態の変化
に応じて移動刃(12)と固定刃(13)とのクリアラ
ンスを調整手段(20)により調整し、切断線の直線性
を得ることができる。例えば、切断加工の進行に伴い、
母材から切り離される製品部分に下方への撓みが生じる
場合は、それに応じて移動刃(12)と固定刃(13)
とのクリアランスが広がるように調整する。このように
クリアランスを適宜広げることで、切断角度が鈍角から
鋭角に調整され、切断線の直線性が得られる。また、機
械剛性の不足による移動刃(12)と固定刃(13)の
弾性変形等で、切断荷重によって移動刃(12)と固定
刃(13)とのクリアランスが局部的に、あるいは全体
に広がる場合は、前記と逆にクリアランスが狭まるよう
に調整手段(20)で調整することで、切断線の直線性
を得ることができる。なお、板材と移動刃(12)との
相対位置の調整は、移動刃(12)の位置調整によって
も良く、また板材の位置調整で行っても良い。また、前
記調整手段(20)は、電子的な調整手段であっても、
カム等のような機械的な制御手段であっても良い。さら
に、前記調整手段(20)は予め与えられた量だけ調整
するものであっも、機械や板材の状態を検出しながら、
その検出結果に応じて調整するものであっても良い。
【0008】上記構成において、前記調整手段(20)
が、固定刃(13)と移動刃(12)とのクリアランス
を変更するクリアランス調整手段(22)およびこのク
リアランス調整手段(22)を制御する制御手段(2
9)からなるものとしても良い。この制御手段(22)
は、素材の板厚,材質,および製品形状のうちの少なく
とも一つの板材情報に応じて、移動刃(12)の移動中
のクリアランス変更曲線を設定した変更曲線設定手段
(33)を有し、所定の記憶手段(32)に記憶された
板材情報に応じて前記クリアランス変更曲線に従い前記
クリアランス調整手段(22)を制御するものとする。
このように、クリアランス変更曲線を予め種々設定して
おき、板材情報に応じてクリアランス変更曲線を自動選
択させる構成とした場合、適切なクリアランス調整が簡
単に行える。クリアランス変更曲線は、例えば、予め実
験等により、直線的に加工できるような値を設定してお
く。この場合に、クリアランス変更曲線は階段的な曲線
でも良いが、板材の撓みの程度等に応じて、次第にある
いは随時調整される非直線的な曲線とすることが好まし
く、これにより一層高品質な製品加工が可能となる。ま
た、機械剛性の不足等で、切断荷重で前記クリアランス
が広がる場合は、そのような変化が補正されるように、
クリアランス変更曲線を設定しておく。また、上記構成
において、前記移動刃(12)は、固定刃(13)の上
端よりも上方に位置する揺動中心(14)回りに揺動し
て固定刃(13)に対して接近離間するものとしても良
い。このように移動刃(12)を揺動させる構成の場
合、移動刃(12)は、固定刃(13)と噛み合った
後、固定刃(13)から離間するので、固定刃(13)
と移動刃(12)とのクリアランスを狭くしても移動刃
(12)が固定刃(13)と干渉しない。この構成は、
機械の剛性不十分等で移動刃(12)と固定刃(13)
とのクリアランスが局部的に広がる場合に、前記クリア
ランスを全体的に狭めるように調整するときなどに効果
的である。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態を図1ない
し図11と共に説明する。図5および図6は、この実施
形態に係るシャーリング機を装備した板材加工装置の斜
視図および平面図を示す。板材加工装置1は、シャーリ
ング機2に隣接してタレット式のパンチプレス機3を設
置し、ワークテーブル5およびワーク送り装置6を両装
置2,3に兼用させた複合機からなる。ワーク送り装置
6は、ワークテーブル5上の板材Wをワークホルダ6a
で把持し、左右方向(X軸方向)および前後方向(Y軸
方向)に移動させるものであり、シャーリング機2の切
断加工部とパンチプレス機3のパンチ加工部の両方にわ
たり、板材Wを把持したままで送り込み可能な各軸スト
ロークを有するものとしてある。ベッド4の後部に、パ
ンチプレス機3のC形のパンチフレーム7が設置され、
このフレーム7に、複数のパンチ工具を配列した上タレ
ット(図示せず)と、所定のパンチ位置で前記パンチ工
具を昇降駆動するパンチ駆動機構(図示せず)が設けら
れている。
【0010】シャーリング機2は、パンチプレス機3で
孔明け加工されてワーク送り装置6によって送られて来
る板材Wを切断加工するものであり、図1〜図4に平面
図,正面図,右側面図および左側面図で示すように、シ
ャーリング機本体となるフレーム11に互いに上下に配
置した移動刃12と固定刃13とを有する。フレーム1
1は、縦姿勢の角筒状のものであり、その前面から両側
面の中間付近にわたって切欠状開口部11aが設けら
れ、これによりフレーム11の側面形状はC字状となっ
ている。固定刃13は、左右方向(X軸方向)から前後
方向(Y軸方向)に向けてL字形に屈曲する平面形状を
有し、フレーム11の切欠状開口部11aの下縁内側に
沿って配置されている。移動刃12は、固定刃13の内
側に沿うL字形の平面形状とされていて、刃先には、そ
の一端から中間の屈曲部を経て他端へと向かう一様な傾
斜(レーキ角)が設けられている。
【0011】移動刃12は、フレーム11の後部に旋回
支軸14を介して上下に回動自在に支持されたラム15
の先端下部に取付けられている。フレーム11の前部上
面には、ラム15を上下動させる駆動装置16が設置さ
れ、この駆動装置16と、前記ラム15、旋回支軸14
などによって、移動刃12を上下回動させる移動刃駆動
機構17が構成される。移動刃12が駆動機構17の駆
動で上下動することによって、固定刃13と噛み合い、
板材Wの剪断による切断加工が行われる。なお、旋回支
軸14の軸心は、固定刃13の上端よりの上方に位置す
るように設定されている。
【0012】また、フレーム11の内側には、移動刃1
2と固定刃13によって板材Wから切り取られる製品W
bである切断片をX軸方向と平行な搬送方向Aに向けて
機外に排出するコンベヤ18が設置されており、このコ
ンベヤ18の次段には、これによって搬出されてきた切
断片をさらに移送する2次コンベヤ19が配置されてい
る。
【0013】旋回支軸14は、図1および図7に平面図
で示すように、その軸方向をL字形の固定刃13のいず
れの辺に対しても斜めとなる方向、例えばX軸方向およ
びY軸方向のいずれに対しても45°偏った方向に設定
してある。この旋回支軸14に対して、前記ラム15は
両側部で軸受26を介して回転自在に支持されている。
軸受26には球面軸受が使用されている。また、旋回支
軸14は、図8に縦断面図で示すように、フレーム11
に座27を介して支持した回転軸21に、偏心して一体
に設けられている。詳しくは、回転軸21が基準の回動
位置にあるときに、回転軸21の軸心O1に対して、旋
回支軸14の軸心O2が微小量Δdだけ上方に偏るよう
に偏心させてある。また、回転軸21が基準の回動位置
にあるときに、固定刃13に対する移動刃12の水平方
向のクリアランスは、所定の板厚の板材Wの切断に好適
となるように設定されている。
【0014】回転軸21にはクリアランス調整手段22
が連結されている。クリアランス調整手段22は、回転
軸21を回動させることによって、旋回支軸14の軸心
を前後に微小変位させて固定刃13に対する移動刃12
の水平方向の位置を調整する手段である。このクリアラ
ンス調整手段22は、回転軸21の端部に固定したセク
タギヤ23(図9参照)と、このセクタギヤ23に噛み
合うピニオン24を出力軸に固定したサーボモータ25
とからなり、サーボモータ25はフレーム11に設置さ
れている。サーボモータ25を駆動すると、その出力軸
の回動量に見合った量だけ回転軸21がサーボモータ2
5の出力軸と逆方向に回動する。旋回支軸14は固定刃
13の両辺に対して共に45°偏った角度に配置されて
いるので、上述した一度の調整により、移動刃12のX
軸方向に沿う辺と、Y軸方向に沿う辺の両方の調整を同
時に行うことができる。なお、クリアランス調整手段2
2による調整量は、フレーム11に設けられセクタギヤ
23に当接可能な一対のストッパ28によって制限され
る。
【0015】NC装置29は板材加工装置1の全体の動
きを制御する制御装置であって、前記クリアランス調整
手段22を制御する制御手段としての機能を備える。こ
のNC装置29は、加工プログラムメモリ30、演算制
御部31、板材情報記憶手段32、および変更曲線設定
手段33を有する。演算制御部31は、加工プログラム
メモリ30に書き込まれた加工プログラムを解析して実
行する手段であり、演算制御部31の指令により、サー
ボドライバ34を介して、前記サーボモータ25や、ラ
ム15の駆動装置16の駆動源や、板材加工装置1のそ
の他の駆動源が駆動される。板材情報記憶手段32は、
シャーリング機2による切断加工に供される板材Wの板
厚,材質,および製品形状の種類等の板材情報を予め記
憶しておくものである。なお、これら板厚,材質,およ
び製品形状の種類などが、加工プログラムメモリ30に
記憶された加工プログラムに記述されている場合、板材
情報記憶手段32は、この加工プログラムに記述された
板材情報を記憶するメモリあるいはレジスタ等の記憶素
子における所定の記憶領域であればよい。変更曲線設定
手段33は、板材情報記憶手段32に記憶された板材情
報のうちの少なくとも一つの板材情報に応じて、例えば
図10に示すような移動刃12の移動中のクリアランス
変更曲線を種々設定したものである。図10のクリアラ
ンス変更曲線は、縦軸を移動刃12と固定刃13とのク
リアランスとし、横軸を移動刃12の下降位置としたも
のであり、移動刃12の下降途中でクリアランスが所定
量に広がるように変更される。NC装置29およびクリ
アランス調整手段22は、板材Wの切断中に、移動刃1
2と固定刃13とのクリアランスの方向に板材Wと移動
刃12との相対位置を調整する調整手段20を構成す
る。
【0016】上記構成の動作を説明する。シャーリング
機2においては、移動刃12の下降により移動刃12が
固定刃13と噛み合って板材切断が開始されると、板材
情報記憶手段32に記憶されている少なくとも一つの板
材情報,例えば,板厚,材質,または製品形状の種類等
に基づき、変更曲線設定手段に設定されている対応する
クリアランス変更曲線に従って、NC装置29によりサ
ーボモータ25が制御される。これにより、板材切断の
開始から途中まで、ほぼ一定に維持されていた移動刃1
2と固定刃13とのクリアランスが、板材切断の終了付
近になると自動的に広い値に変更される。その結果、板
材切断の終了付近において、母材である板材Wから切り
離される製品Wbの終端部分が下方に撓むことにより、
切断線の直線性が損なわれるのを防止でき、精度の高い
切断加工を行うことができる。
【0017】この直線性維持の切断の経緯を説明する。
図18と共に前述したように、製品Wbが下方に撓んだ
状態で切断すると、切断角度θが90°+Δθとなり、
製品下面寸法よりも製品上面寸法が大となるので、製品
Wbの幅寸法はL3となり、切断開始時の幅寸法L2よ
りも大きくなる。製品Wbの真直性は、製品Wbの最大
幅寸法で決定されるので、最大幅寸法を制御することに
より、製品Wbの真直性を向上させることができる。図
18の状態で、移動刃12を矢印で示すように固定刃1
3との間のクリアランスbが広がる方向に移動させた状
態を図12に示す。このようにクリアランスbを広げ、
製品Wbの切断角度θが90°以下になるように切断を
行うと、製品Wbの幅寸法はその下面の幅寸法L2とな
る。このように、製品Wbの切断角度θを常に90°以
下にすることにより製品寸法は安定する。切断角度θ
は、破断面と製品下面とでなす角度であるが、この切断
角度θは、移動刃12が板材Wの上面に食い込み始めた
ときの移動刃12と固定刃13の刃先間の角度に略等し
くなる。そのため、切断角度θの変更は、クリアランス
の増減により確保できる。換言すると、一般には切断過
程の製品Wbは、下側に移動刃12で押し付けられ、図
18のような状態となる。この時の切断角度θは鈍角
(90°以上)となり、製品Wbの幅寸法は、鈍角分の
み大きく表れる。これに対して、両刃12,13間のク
リアランス調整により、製品Wbの切断角度θを鈍角か
ら鋭角にすることにより、製品Wbの断面状態が切断開
始状態となる。したがって、切断線の直線性が維持され
る。
【0018】なお、上記実施形態では、板材Wの撓みに
応じて、移動刃12と固定刃13とのクリアランスを広
げる方向に調整する場合について説明したが、切断荷重
による機械弾性変形によってクリアランスが最適値から
大きくなるようにずれる場合も、実験等により、そのよ
うな機械弾性変形に対応したクリアランス変更曲線を求
め、変更曲線設定手段33に設定しておいて、そのクリ
アランス変更曲線によりクリアランスを狭めるように補
正すれば良い。板材Wの撓みと機械弾性変形が複合して
生じる場合も同様である。
【0019】クリアランスを狭めるように調整する場
合、一般の可動刃が垂直に下降する形式の機械である
と、切断が困難になる場合があるが、この実施形態で
は、移動刃を揺動式としているため、クリアランスを狭
めるように調整する場合も、円滑な切断が維持できる。
すなわち、移動刃12は、図11に示すように固定刃1
3の上端よりも上方に位置する旋回支軸14を揺動中心
として揺動し、固定刃13に対して接近離間することに
なるので、両刃12,13の噛み合いの後、移動刃12
は固定刃13からクリアランスが開く方向に僅かに離れ
る下降経路をとる。そのため、移動刃12と固定刃13
とのクリアランスが若干狭められても、クリアランスが
狭くなり過ぎることによる剪断加工の支障が回避され
る。
【0020】図13は、他の実施形態のシャーリング機
の制御系を示す模式図である。このシャーリング機で
は、先の実施形態のNC装置29における変更曲線設定
手段33に代えて、図13に示すように切断加工中の板
材Wの下方への撓み寸法と、その寸法の場合に好適な移
動刃12と固定刃13とのクリアランスとを、データマ
ップとして対応付けて記憶するデータマップ記憶手段3
5を設けると共に、切断加工中の板材Wの撓み寸法を超
音波等によるセンサ36で検出するようにしたものであ
る。この場合、演算制御部31では、センサ36の検出
した板材撓み寸法に対応するクリアランスをデータマッ
プ記憶手段35から読み出し、そのクリアランスに調整
する指令を出力する。なお、データマップ記憶手段35
のデータマップは、板材情報記憶手段32に記憶される
各種板材の板材情報に応じて各種のものが記憶される。
その他の構成は先の実施形態の場合と同様である。
【0021】この実施形態の場合、予め設定されたクリ
アランス変更曲線に従ってクリアランスを変更するので
はなく、切断加工中の実際の板材Wの下方への撓み寸法
に応じて、その撓み寸法に最適なクリアランスを自動的
に変更設定できるので、種々の板厚,材質,製品形状の
加工をする場合に、予めその全てについてクリアランス
変更曲線を求める必要がなく、準備が容易である。
【0022】なお、前記各実施形態では、移動刃12と
固定刃13とのクリアランスを変更して切断線の直線性
を確保するようにしているが、ワークホルダ6aで把持
された板材Wを、板材切断中にワーク送り装置6で僅か
に水平移動させて、移動刃12と板材Wとの相対位置を
変えることにより、板材Wを直線的に精度良く切断する
ようにしても良い。
【0023】また、移動刃12と固定刃13とのクリア
ランスを調整するのに、前記各実施形態ではサーボモー
タ34を制御する電気的な制御方式を採用したが、同じ
製品を多数連続して切断加工するような場合には、カム
等の機械的な制御方式によりクリアランスを調整するよ
うにしても良い。
【0024】
【発明の効果】この発明のシャーリング機は、固定刃
と、この固定刃に噛み合うように接近離間する移動刃
と、前記移動刃の移動による板材の切断中に、この移動
刃と固定刃とのクリアランスの方向に前記板材と移動刃
との相対位置を調整する調整手段とを設けたため、板材
の切断加工の進行に伴う板材の状態の変化や、機械の状
態の変化に応じて移動刃と固定刃とのクリアランスを調
整し、切断線の直線性を得ることができる。例えば、板
材の切断加工の進行に伴う製品部分の撓み等に応じて、
移動刃と固定刃とのクリアランスが広がるように調整
し、切断線の直線性を得ることができる。前記調整手段
を、固定刃と移動刃とのクリアランスを変更するクリア
ランス調整手段およびこのクリアランス調整手段を制御
する制御手段で構成し、この制御手段につき、素材の板
厚,材質,および製品形状のうちの少なくとも一つの板
材情報に応じて、移動刃の移動中のクリアランス変更曲
線を設定した変更曲線設定手段を有し、所定の記憶手段
に記憶された板材情報に応じて前記クリアランス変更曲
線に従い前記クリアランス調整手段を制御するものとし
た場合は、種々の板厚,材質,製品形状等の加工を行う
につき、適切なクリアラン調整が簡単に行える。前記移
動刃を、固定刃の上端よりも上方に位置する揺動中心回
りに揺動して固定刃に対して接近離間するものとした場
合は、固定刃と噛み合った後の移動刃が固定刃から離間
するので、クリアランスを狭めて直線性を維持する場合
に、切断性が低下することを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るシャーリング機の
部分省略平面図である。
【図2】同シャーリング機の正面図である。
【図3】同シャーリング機の右側面図である。
【図4】同シャーリング機の左側面図である。
【図5】同シャーリング機を装備した板材加工装置の外
観斜視図である。
【図6】同板材加工装置の平面図である。
【図7】前記シャーリング機における旋回支軸の設置部
を示す拡大水平断面図である。
【図8】同シャーリング機における調整手段を示す模式
図である。
【図9】同調整手段の要部を示す側面図である。
【図10】同調整手段に使用するクリアランス変更曲線
の説明図である。
【図11】同シャーリング機の切断動作を示す説明図で
ある。
【図12】切断過程のクリアランス調整後の板材の状態
を固定刃および移動刃と共に示す拡大断面図である。
【図13】他の実施形態に係るシャーリング機における
調整手段を示す模式図である。
【図14】同調整手段に使用するデータマップの説明図
である。
【図15】従来例による板材切断加工を示す説明図であ
る。
【図16】同切断加工の切断線を示す平面図である。
【図17】製品幅が広い場合の切断過程の説明図であ
る。
【図18】製品幅が狭い場合の切断過程の説明図であ
る。
【図19】板材の切断部の断面形状を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
2…シャーリング機 12…移動刃 13…固定刃 20…調整手段 22…クリアランス調整手段 29…NC装置(制御手段) 32…板材情報記憶手段 33…変更線設定手段 W…板材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定刃と、この固定刃に噛み合うように
    接近離間する移動刃と、前記移動刃の移動による板材の
    切断中に、この移動刃と固定刃とのクリアランスの方向
    に前記板材と移動刃との相対位置を調整する調整手段と
    を備えたシャーリング機。
  2. 【請求項2】 前記調整手段が、固定刃と移動刃とのク
    リアランスを変更するクリアランス調整手段およびこの
    クリアランス調整手段を制御する制御手段からなり、こ
    の制御手段は、素材の板厚,材質,および製品形状のう
    ちの少なくとも一つの板材情報に応じて、移動刃の移動
    中のクリアランス変更曲線を設定した変更曲線設定手段
    を有し、所定の記憶手段に記憶された板材情報に応じて
    前記クリアランス変更曲線に従い前記クリアランス調整
    手段を制御するものとした請求項1記載のシャーリング
    機。
  3. 【請求項3】 前記移動刃は、固定刃の上端よりも上方
    に位置する揺動中心回りに揺動して固定刃に対して接近
    離間するものである請求項1または請求項2記載のシャ
    ーリング機。
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