JPH1110028A - 回転型霧化塗装装置及びこれを用いた静電塗装方法 - Google Patents

回転型霧化塗装装置及びこれを用いた静電塗装方法

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JPH1110028A
JPH1110028A JP9181794A JP18179497A JPH1110028A JP H1110028 A JPH1110028 A JP H1110028A JP 9181794 A JP9181794 A JP 9181794A JP 18179497 A JP18179497 A JP 18179497A JP H1110028 A JPH1110028 A JP H1110028A
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liquid
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rotary atomizing
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JP9181794A
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Kenji Shinoda
研二 篠田
Yasuto Naruse
康人 成瀬
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】噴霧される粒子の均一性が高く、微細な塗料噴
霧を行うことができ、もって塗装品質を向上し、感光性
印刷版の性能向上が可能な回転霧化静電塗装装置及びこ
れを用いた静電塗装方法の提供。 【解決手段】噴霧頭の材質として陽極酸化アルミニウム
を用い、噴霧頭の接液面はシリケート処理を施したこ
と。噴霧頭の接液面に対する前記液体塗料の接触角を3
0度以下とすること。噴霧頭の材質としてアルミニウム
粉末を焼結した多孔質体を用い、噴霧頭の接液面には予
め液体塗料を含浸したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料を霧化すると
共に霧化した塗料粒子に電荷を付与し、静電気の力によ
って塗着効率を高める静電塗装に用いられる回転霧化静
電塗装装置に関し、特に水溶性樹脂水溶液を塗料とし
て、感光性印刷版の製造工程に利用される回転霧化装置
の噴霧頭に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、回転霧化静電塗装装置としては例
えば特開昭63−229163号公報に記載されたもの
がある。図9に上記公報に記載された回転霧化静電塗装
装置の構造を示す。図9に示した回転霧化静電塗装装置
100は、回転軸101に固定された噴霧頭102と、
回転軸101と被塗装物との間に高電圧を印加する高電
圧発生装置103と、高速で回転する噴霧頭102内に
塗料を供給する塗料供給ノズル104から主に構成され
る。塗料供給ノズル104から高速度で回転する噴霧頭
102の環状空間102a内に供給された塗料は、噴霧
頭102のカップ状をなす内周面102bの底部に環状
に穿設された多数の塗料流出孔102cを通って内周面
102bに沿って流れ出し、遠心力によって噴霧頭10
2の先端部102dに達し、該先端部102dから負電
荷を帯びた塗料粒子となって、高電圧発生装置103に
よって正側の高電圧が印加された被塗装物に向けて放出
されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の回転霧化静電塗装装置100においては各塗料
流出孔102cから流れ出た塗料が噴霧頭102の内周
面102bに均一に拡がり難いために、隣接する塗料流
出孔102cから流れ出た塗料と合流することなく、そ
れぞれ離間した放射方向の多数の条となった塗料流のま
ま噴霧頭102の先端部102dに達する傾向がある。
このため、塗料流が先端部102dの周縁部から細い液
糸状となって放出され、その後切断されて粒子を形成す
る際に、濡れていない部分に隣接する個所から形成され
る液糸が、表面張力の影響を受けてその他の部分よりも
太さが太くなり、そこから切断される粒子の大きさがそ
の他の部分にて生成される粒子より大きくなり、粒子の
均一性が悪化するという問題点があり、この種の回転霧
化静電塗装装置の性能上の課題となることがある。
【0004】また、接液面での濡れ広がりが悪く、最初
の液供給時に接液面の周縁部に近い地点で接液面を完全
に濡らすことができなかった時には、連続的に回転霧化
静電塗装装置を運転した湯合でもそこから濡れ広がるこ
となく、周縁部まで濡れていない面を残したまま運転さ
れ、前述したような粒子の均一性を悪化させることがあ
る。また、カップ型の場合にはカップ内の空気が遠心力
で周囲に飛散することによるカップ内周面にそって回転
する空気の流れの発生(これをエアポンピングと呼ぶ)
によって、周縁部にて微粒化された粒子が再びカップ内
周面に付着することがある。この時前述したような理由
で塗料によって濡らされていない面が存在する場合、時
間の経過に伴って、その部分に粒子が固着、蓄積され回
転霧化部の慣性モーメントを増大させ、回転数の低下を
招き安定的な粒子形成が妨げられるという問題もある。
特に感光性印刷版の製造工程においては粒子の均一性が
その性能に対して重大な影響を与えるため、粒子の均一
性の向上は工程上の重要な課題となっている。
【0005】本発明は、従来の回転霧化静電塗装装置に
おける上記課題に着目してなされたものであって、噴霧
される粒子の均一性が高く、微細な塗料噴霧を行うこと
ができ、もって塗装品質を向上し、感光性印刷版の性能
向上が可能な回転霧化静電塗装装置及びこれを用いた静
電塗装方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の回転霧化静電塗装装置は、第1の視点にお
いて、噴霧頭(霧化頭)の材質として陽極酸化アルミニ
ウムを用い、前記噴霧頭の接液面はシリケート処理を施
したことを特徴とする。第2の視点において、噴霧頭の
接液面には酸化チタン光触媒粉末を焼結したことを特徴
とする。第3の視点において、噴霧頭の材質としてアル
ミニウム粉末を焼結した多孔質体を用い、前記噴霧頭の
接液面には予め前記液体塗料を含浸したことを特徴とす
る。
【0007】上記課題を解決するために、本発明の第4
の視点において、静電塗装方法は、噴霧頭の接液面に対
する該液体塗料の接触角を30度以下とすることを特徴
とする。
【0008】本発明の上記各視点の回転霧化静電塗装装
置は、回転するカップ状、あるいはディスク状噴霧頭の
内周面あるいは外周面に供給した塗料を噴霧頭先端面の
周縁部から霧化して放出する回転霧化静電塗装装置に対
して一般的に適用され、前記噴霧頭の接液面に対する塗
料の接触角を30度以下とすることができる。上記各視
点によれば、接液面の塗料に対する接触角を30度以下
とすることを、酸化チタン光触媒を用いて接液面を形成
したり、接液面を多孔質体を用いて形成し、多孔質体に
塗料を含有させたり、塗料にたいして水溶性かつ表面張
力低下能を有するフッ素系界面活性剤を添加することで
実現する。
【0009】上記第1の視点に係わる回転霧化静電塗装
装置においては、界面活性剤を使用せずに、噴霧頭の接
液面の塗料に対する接触角が30度以下となる。従っ
て、塗料が容易に接液面上に濡れ広がるため、噴霧頭の
塗料供給孔が互いに離間して形成されている場合であっ
ても、塗料が直ちに接液面上で濡れ広がり、接液面にそ
って薄い均一な液膜を形成しつつ、噴霧頭周縁部に達
し、周縁部先端にて微細なかつ、周縁部外周にそって均
一な太さの液糸状となり、直ちに切断されて粒子として
放出される。また、接液面上にて均一に塗料が濡れ広が
るため、濡れていない部分との境界で表面張力による膜
厚の変化を発生することが無く、均一な太さの液糸を生
成することにより発生粒子の均一性を向上することがで
きる。
【0010】上記第2の視点に係わる接液面が酸化チタ
ン光触媒で形成された回転霧化静電塗装装置において
は、随時所要の光を当てることにより、酸化チタン自体
の触媒効果によって表面の化学吸着水に吸着した疎水性
分子が分解され、化学吸着水が露出することによる親水
化作用が発揮されることで、界面活性剤を使用しなくて
も、接液面と塗料の接触角が30度以下となり、上記第
1の視点の装置と同様の効果を得ることができる。
【0011】上記第3の視点に係わる回転霧化静電塗装
装置においては、接液面を多孔質体で形成し、塗料自体
を多孔質体に含浸させることで、界面活性剤を使用しな
くても、接液面と塗料の接触角を30度以下となり、上
記第1及び第2の視点と同様の効果を得ることができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】上記第1の視点に基づき、陽極酸
化アルミニウム製の噴霧頭の接液面のシリケート処理
は、アルカリ金属シリケートとポリビニルホスホン酸に
よって行うことができ、接液面にアルカリ珪酸塩が形成
される。ポリビニルホスホン酸は、シリケート処理にお
いて触媒として作用する。シリケート処理には、ポリビ
ニルホスホン酸に代えてポリビニルを用いることができ
る。また、好ましくは、Na2OとSiO2の重量比は3
0〜70wt%、処理温度70〜500℃で10〜50
0分、アルカリ金属シリケートとポリビニルホスホン酸
の重量比は40〜70wt%とする。アルカリシリケー
ト中のアルカリ元素としてはNa、K、Li等いずれで
もよい。また有機シリケート、アンモニウムシリケート
も用いることができる。シリケート処理後、好ましくは
60〜200℃で10〜60分熱処理を行い所定のガラ
ス状の皮膜を固着する。
【0013】上記第2の視点に基づき、噴霧頭の接液面
を酸化チタン光触媒により形成する場合、好ましくは、
平均粒径0.1〜800μmの粉末を、80〜130℃
で焼結する。塗装時、酸化チタン光触媒製の接液面に照
射する光としては、可視光で十分であり、また紫外線を
用いてもよい。
【0014】上記第3の視点に基づき、噴霧頭の材質と
して、アルミニウム粉末を焼結した多孔質体を用いる場
合、好ましくは平均粒径0.3〜800μmの粉末を、
1200〜2100℃で焼結する。多孔質アルミナの密
度としては、理論密度の40〜70%が好ましい。
【0015】上記第1〜第3の視点の回転霧化静電塗装
装置においては、従来のSUS製の噴霧頭を用いた装置
とは異なり、界面活性剤の使用を必須としないが、塗料
に対して水溶性かつ表面張力低下能を有するフッ素系界
面活性剤を添加することで、一層濡れ性が改善される。
【0016】上記第1〜第3の視点の回転霧化静電塗装
装置においては、接液面の周縁部に噴霧頭の半径方向に
対して略平行に略等間隔で、噴霧頭の接液面上を流れる
前記液体塗料を略均一に分割して半径方向外方向に案内
する手段を設けること、好ましくは、接液面の周縁部
に噴霧頭の半径方向に対して略平行に等間隔な切り欠き
を形成することで周縁部を鋸刃形状とすること(周縁部
に形成された鋸刃状部先端からのみ液糸形成される)、
接液面周縁部に噴霧頭の半径方向に対して略平行に等
間隔な邪魔板を形成すること、ないし接液面の周縁部
に前記噴霧頭の半径方向に対して略平行に略等間隔な溝
を形成すること、周縁部に均一形状の液流路を形成さ
れ、より液糸の均一性が向上し、確実に発生粒子の均一
性を向上することができる。
【0017】噴霧する水溶性樹脂溶液(塗料)の濃度
は、約20%以上であっても、接触角を30度以下とす
ることができる。好ましくは濃度約30%以下の水溶性
樹脂溶液を用いる。
【0018】また、噴霧頭の接液面に対する該液体塗料
の接触角を30度以下(0〜30度)とすることによ
り、良好な接液面濡れが得られ塗装品質が改良される。
好ましくは、この接触角を20度以下、さらに好ましく
は10度以下とする。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。先ず、以下の塗装試験に用いた回転霧化静電塗
装装置の構成及び動作について説明する。
【0020】図1及び図2は、塗装試験に用いた回転霧
化静電塗装装置を説明するための図であって、図1は回
転霧化静電塗装装置の噴霧頭部分の正面図、図2は側面
の断面図である。
【0021】図1及び図2に示した回転霧化静電塗装装
置においては、駆動モータ9によって高速回転される回
転軸10のフランジ部14に、カップ状(コーン状)の
内周面を備え円環状に開口するし噴霧頭1が噴霧頭取り
付けボルト6によって固定されている。塗料供給ノズル
8が回転軸10内を通って噴霧頭1内の中間部まで延在
している。塗料供給ノズル8の前方には、液拡散板4が
液拡散板取り付けボルト5によって噴霧頭1に固定され
ている。ここで、噴霧頭1の内周面において、液拡散板
4より塗料供給ノズル8側を液供給部内側接液面17、
液拡散板4より開口部側を液供給部外側接液面18とす
る。液拡散板4の外周面と噴霧頭1の内周面の間には、
スリット状の液流出孔11が設けられている。液流出孔
11は液拡散板4を固定するための液拡散板取り付けボ
ルト5、液流出孔の円周方向のクリアランスを保つため
に液拡散板取り付けボルト5の周辺に取り付けた複数の
スペーサ13によって複数個の流出孔に分割される。液
流出孔11は、噴霧頭塗料供給部(内部空洞)7側とコ
ーン状に拡開する開口部側とを連通する。液拡散板4の
塗料供給ノズル8に対抗する面は、塗料供給ノズル8か
ら供給される塗料が方向転換されるように所定の円錐角
θをもった円錐状の凹部4aとされている。円錐角θは
30度以上、好ましくは60度以上である。噴霧頭1に
は、不図示の高電圧発生装置によって負の高電圧が印加
されており、霧化した塗料粒子に負の電荷が与えられる
ようになっている。
【0022】この回転霧化静電塗装装置において、塗料
供給ノズル8から、噴霧頭1に固定された液拡散板4の
中心近傍に向かって液が噴出されると、塗料は液拡散板
4上で遠心力によって均一に液拡散板4の周縁部に流れ
出し、液流出孔11から噴霧頭1の接液面2に流出す
る。周縁部では塗料は液糸を形成し、その後、液糸の切
断によって発生した粒子は負の電荷の作用によって被塗
布物に対して塗布される。
【0023】このように構成され、動作する回転霧化静
電塗装装置において、噴霧頭の接液面を種々の材質で形
成し、静電塗装試験を行った。
【0024】[比較例1]SUS304にて形成された
φ100mmのカップ型回転噴霧頭にて、送液量60c
c/分にて感光性印刷版上に静電塗装を行った。回転噴
霧頭の回転数は15000rpmにて運転を行った。こ
の時、塗料としてはアクリル酸エステル、アクリル酸お
よびメタクリル酸の共重合体の水溶液を用い、重合時の
それぞれのモル分率は30/30/40であった。その
液濃度を10、20、28%とし、それぞれについて塗
装後の感光性印刷版の塗装品質および回転噴霧頭の接液
面を比較した。接液面の素材であるSUS304と塗料
との接触角を協和界面科学製の接触角計CA−D型を用
いて液滴法で測定した結果、それぞれ接触角は42度、
46度、54度であった。
【0025】塗装のために回転霧化静電塗装装置の連続
運転を30分間にわたって行った結果、10%液では著
しく粗大な粒子はなく塗装面質は良好で、かつ接液面の
濡れ残りは見られなかった。20%、28%液では塗装
面上の一部に粗大な粒子が見られ、塗装面質の悪化が見
られた。また、20%、28%液ともに接液面上に濡れ
残りが見られ、特に28%液では濡れ残り部分に霧化粒
子が付着乾燥し堆積している様子も見られた。
【0026】[実施例1]アルミニウムにて形成し、硫
酸電解処理によって陽極酸化皮膜を形成した後に、実施
の形態の欄で説明したように、アルカリ金属シリケート
とポリビニルホスホン酸によるシリケート処理を行った
φ100mmのカップ型回転噴霧頭にて、比較例1と同
様の試験を実施した。接液面と塗料との接触角を測定し
た結果、それぞれ接触角は23度、26度、34度であ
った。
【0027】回転霧化静電塗装装置の30分連続運転を
行った結果、10%、20%液では著しく粗大な粒子は
なく塗装面質は良好で、かつ接液面の濡れ残りは見られ
なかった。28%液では塗装面上の一部にわずかに粗大
な粒子が見られ塗装面質の若干の悪化が見られた。ま
た、28%液では接液面上に若干の濡れ残りが見られ、
濡れ残り部分に霧化粒子が付着乾燥し堆積している様子
も見られた。
【0028】[実施例2]SUS304にて形成し、接
液面を粒径約25μmの酸化チタン光触媒粉末を約20
0℃で6時間、焼結することで形成したφ100mmの
カップ型回転噴霧頭にて、比較例1と同様の試験を実施
した。接液面と塗料との接触角を測定した結果、それぞ
れ接触角は3度、5度、15度であった。
【0029】回転霧化静電塗装装置の30分連続運転を
行った結果、10%、20%、28%液全てにおいて著
しく粗大な粒子はなく塗装面質は良好で、かつ接液面の
濡れ残りは見られなかった。
【0030】[実施例3]粒径約500μmのアルミニ
ウム粉末を約1600℃で約8時間焼結した多孔質体よ
り形成したφ100mmのカップ型回転噴霧頭にて塗装
開始前に接液面に対して塗料を十分含浸させ、比較例1
と同様の試験を実施した。塗料を含浸した接液面と塗料
との接触角を測定した結果、接触角は10、20%液で
略0度、28%液で約6度であった。
【0031】回転霧化静電塗装装置の30分連続運転を
行った結果、10%、20%、28%液全てにおいて著
しく粗大な粒子はなく塗装面質は良好で、かつ接液面の
濡れ残りは見られなかった。
【0032】[実施例4]SUS304にて形成したφ
100mmのカップ型回転噴霧頭にて、塗料に対して大
日本インク(株)製のフッ素系界面活性剤F−120を
塗料の固形分に対して0.1%添加した液にて実施例1
と同様の試験を実施した。接液面と塗料との接触角を測
定した結果、それぞれ接触角は18度、20度、25度
であった。
【0033】回転霧化静電塗装装置の30分連続運転を
行った結果、10%、20%、28%液全てにおいて著
しく粗大な粒子はなく塗装面質は良好で、かつ接液面の
濡れ残りは見られなかった。
【0034】比較例1及び実施例1〜4の結果を、表1
にまとめて示す。
【0035】
【表1】
【0036】以上の塗装試験によって、比較例1では、
スペーサ13(図2参照)によって妨げられた塗料流は
そのまま濡れ広がることなく周縁部に達し、接液面上で
濡れ残りを形成した。図3は、噴霧頭の接液面上に濡れ
残りが形成された様子を示す図である。図3中、符号1
9、20が濡れ残りの箇所を指している。これに対し、
実施例1〜4によれば、スペーサ13によって妨げられ
た塗料流は接液面上を速やかに塗れ広がることから、図
3の19、あるいは20が指すような濡れ残りが発生し
なかった。
【0037】さらに、実施例1のアルミニウム製の噴霧
頭、比較例1のSUS製の噴霧頭をそれぞれ用い、濃度
8%の上記塗料を噴霧した際に、噴霧頭の接液面上を流
れる塗料流が液糸となり、さらに微粒化する様子をマイ
クロスコープを用いて撮影した。図4及び図5は、マイ
クロスコープを用いて直接、液糸化及び微粒化現象を観
察した写真であり、図4は実施例1の噴霧頭を用いた装
置、図5は比較例の噴霧頭を用いた装置においてそれぞ
れ撮影した写真である。
【0038】実施例によれば、塗料流が接液面上で均一
に濡れ広がり、濡れ残りを発生させないために、図4に
示すごとく、均一な太さの液糸21が形成され、均一性
の高い微細な粒子が生成されていることが分かった。こ
れに対し、比較例によれば、図5の符号22が指す濡れ
残りに隣接する個所では、著しく太い液糸23が形成さ
れ、そこから切断される粒子の大きさがその他の部分に
て生成される粒子より大きくなり、粒子の均一性が悪化
し、粗大な粒子が生成されていることが分かった。
【0039】以下に、本発明の他の実施例として、図1
及び図2に示した回転霧化静電装置の好ましい変形例を
説明する。
【0040】図6に示す装置は、接液面の周縁部に対し
て略等間隔に切り欠きを設けて周縁部を鋸刃状に形成し
たものである。この装置によれば、接液面周縁部に到達
した塗料は鋸刃状に形成された外周部に導かれ、塗料が
周縁部円周方向に均一な膜を形成し、それぞれの鋸刃2
4先端から液糸を形成する。そのため、噴霧頭の円周方
向にわたって均一な液糸の形成を確実に行うことがで
き、より均一性の高い粒子を形成することができる。
【0041】図7に示す装置は、は接液面の周縁部に半
径方向に略平行かつ略等間隔に邪魔板25を取り付け、
あるいは加工したものである。接液面周縁部に到達した
塗料は邪魔板25によって形成された噴霧頭の円周方向
均一な形状の流路に導かれ、それぞれの流路先端から液
糸を形成する。そのため、塗料は周縁部円周方向に均一
な膜を形成し、噴霧頭の円周方向にわたって均一な液糸
の形成を確実に行うことができ、より均一性の高い粒子
を形成することができる。
【0042】図8は、接液面の周縁部に噴霧頭の半径方
向に対して略平行に略等間隔な溝26を形成したもので
ある。接液面周縁部に到達した塗料は溝26に導かれ、
それぞれの流路先端から液糸を形成する。そのため、塗
料は周縁部円周方向に均一な膜を形成し、噴霧頭の円周
方向にわたって均一な液糸の形成を確実に行うことがで
き、より均一性の高い粒子を形成することができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の回転霧化
静電塗装装置においては、一般的に使用される塗料を高
濃度で用いる場合であっても、界面活性剤を使用せず
に、塗料の噴霧頭接液面に対する接触角を30度以下と
することができ、塗料を不連続に形成された液流出孔か
ら接液面に流出させても、塗料が接液面全体に速やかに
濡れ広がり、周縁部で均一な液膜を形成することによっ
て、均一な太さの液糸が形成されることにより、均一性
の高い粒子が形成される。本発明の回転霧化静電塗装装
置及び方法を感光性印刷板の製造工程に適用することに
より、均一性の高い粒子による塗装が行われ、ムラのな
い感光性印刷版を得ることが可能となり、著しい性能向
上が達成される。
【0044】また、本発明の回転霧化静電塗装方法にお
いては、塗料の噴霧頭接液面に対する接触角を30度以
下とすることにより、塗料の接液面に対する良好な濡れ
性が得られ、塗料が接液面全体に速やかに濡れ広がり、
周縁部で均一な液膜を形成することによって、均一な太
さの液糸が形成されることにより、均一性の高い粒子が
形成される。
【0045】更に、接液面の周縁部に噴霧頭の半径方向
に対して略平行に略等間隔で、噴霧頭の接液面上を流れ
る液体塗料を略均一に分割して半径方向外方向に案内す
る手段を設けること、好ましくは、噴霧頭の接液面周縁
部に対して略等間隔に切り欠きを設けて周縁部を鋸刃状
に形成したり、接液面周縁部に噴霧頭の半径方向に対し
て略平行に略等間隔で、かつ外周に向かうのに従って漸
次巾が拡大する溝を形成したり、接液面周縁部に半径方
向に略平行かつ略等間隔に邪魔板を取り付け、あるいは
加工することで液糸の形成状態を一層均一化させ、より
均一性の高い粒子形成を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験に用いた回転霧化静電塗装装置の回転噴霧
頭の正面図である。
【図2】図1に示す回転霧化静電塗装装置の側面の断面
図である。
【図3】比較例に係る回転霧化静電塗装装置を用いて、
回転噴霧頭の接液面上での塗料の濡れ広がりの不均一を
観察した結果を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例1に係る回転霧化静電塗装装置
を用いて、回転噴霧頭の実際の微粒化状態をマイクロス
コープで観察した結果を示すための、粒子構造を示す写
真である。
【図5】比較例1に係る回転霧化静電塗装装置を用い
て、回転噴霧頭の実際の微粒化状態をマイクロスコープ
で観察した結果を示すための、粒子構造を示す写真であ
る。
【図6】本発明の他の実施例に係り、回転噴霧頭周縁部
を鋸刃状に加工した例を示す斜視図である。
【図7】本発明の他の実施例に係り、回転噴霧頭周縁部
に邪魔板を取り付けた加工例を示す斜視図である。
【図8】本発明の他の実施例に係り、回転噴霧頭周縁部
に溝を加工した例を示す斜視図である。
【図9】従来の回転霧化静電塗装装置を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 回転噴霧頭 2 回転噴霧頭接液面 3 回転噴霧頭周縁部外周 4 液拡散板 4a 凹部(液拡散板液拡散部) 5 液拡散板取り付けボルト 6 噴霧頭取り付けボルト 7 噴霧頭塗料供給部 8 塗料供給ノズル 9 駆動モーター 10 回転軸 11 液流出孔 13 スペーサ 14 フランジ部 17 液供給部内側接液面 18 液供給部外側接液面 19 スペーサによって塗料の濡れ広がりが妨げられた
ことによって発生した接液面濡れ残り 20 スペーサによって塗料の濡れ広がりが妨げられた
ことによって発生した接液面濡れ残り

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転するカップ状あるいはディスク状噴霧
    頭に供給した液体塗料を噴霧頭先端部の周縁部から放出
    して霧化する回転型霧化塗装装置において、前記噴霧頭
    の材質として陽極酸化アルミニウムを用い、前記噴霧頭
    の接液面はシリケート処理を施したことを特徴とする回
    転型霧化塗装装置。
  2. 【請求項2】回転するカップ状あるいはディスク状噴霧
    頭に供給した液体塗料を噴霧頭先端部の周縁部から放出
    して霧化する回転型霧化塗装装置において、前記噴霧頭
    の接液面には酸化チタン光触媒粉末を焼結したことを特
    徴とする回転型霧化塗装装置。
  3. 【請求項3】回転するカップ状あるいはディスク状噴霧
    頭に供給した液体塗料を噴霧頭先端部の周縁部から放出
    して霧化する回転型霧化塗装装置において、前記噴霧頭
    の材質としてアルミニウム粉末を焼結した多孔質体を用
    い、前記噴霧頭の接液面には予め前記液体塗料を含浸し
    たことを特徴とする回転型霧化塗装装置。
  4. 【請求項4】前記接液面の周縁部に前記噴霧頭の半径方
    向に対して略平行に略等間隔で、前記噴霧頭の接液面上
    を流れる前記液体塗料を略均一に分割して半径方向外方
    向に案内する手段を設けたことを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか一に記載の回転型霧化塗装装置。
  5. 【請求項5】前記案内する手段は、前記接液面の周縁部
    に前記噴霧頭の半径方向に対して略平行に略等間隔な切
    り欠きであることを特徴とする請求項4に記載の回転型
    霧化塗装装置。
  6. 【請求項6】前記案内する手段は、前記接液面の周縁部
    に前記噴霧頭の半径方向に対して略平行に略等間隔な邪
    魔板であることを特徴とする請求項4に記載の回転型霧
    化塗装装置。
  7. 【請求項7】前記案内する手段は、前記接液面の周縁部
    に前記噴霧頭の半径方向に対して略平行に略等間隔な溝
    であることを特徴とする請求項4に記載の回転型霧化塗
    装装置。
  8. 【請求項8】回転するカップ状あるいはディスク状噴霧
    頭に供給した液体塗料を噴霧頭先端部の周縁部から放出
    して霧化する静電塗装方法において、前記噴霧頭の接液
    面に対する前記液体塗料の接触角を30度以下とするこ
    とを特徴とする静電塗装方法。
  9. 【請求項9】前記液体塗料にはフッソ系界面活性剤を添
    加したことを特徴とする請求項8に記載の静電塗装方
    法。
  10. 【請求項10】請求項1〜7に記載の回転型霧化塗装装
    置を用いることを特徴とする請求項8又は9に記載の静
    電塗装方法。
JP9181794A 1997-06-23 1997-06-23 回転型霧化塗装装置及びこれを用いた静電塗装方法 Withdrawn JPH1110028A (ja)

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