JPH1098989A - 魚釣用リールのハンドルノブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 柔らかな被覆材を用いても剥離せず、且つソ
フトな感触を持つ魚釣り用リールのハンドルノブを提供
する。 【解決手段】 ハンドルノブ１の基本形状を象るように
成型したインサート２の外側にインサートとは異なる素
材の被覆材３を一体的に被覆成型した二重成型のハンド
ルノブにおいて、インサートには軸方向にハンドルアー
ム取付軸５を貫通取付けし、反対側の側面には取付軸を
囲むように軸方向に一体的に延長する突起２１Ｂを形成
する。インサートにおける少なくとも握り部２１の外側
面に凹部２３を形成して、被覆材は突起に外側から内側
へ折り返すように被せる。少なくとも凹部を厚肉部Ｂと
し、且つ外側面が同面状になるように被覆成型し、更に
インサート側面に突起に被覆した被覆材の周端縁３１を
押さえつけるようにキャップ４を取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は魚釣用リールのハン
ドルノブの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ハンドルノブの基本形状を象るイ
ンサートと、前記インサートの外側に該インサートとは
異なる素材からなる被覆材を一体的に被覆形成した二重
成型のハンドルノブは各種開発されている。ところで被
覆材は一般的に手に持った感触をソフトにするためにイ
ンサートよりも柔らかい素材が用いられている。

【０００３】ところがこのような被覆材は異なる素材の
二重成型で被覆されているためハンドルアームに取付け
て実際に使用したとき、力が入る部分から剥離してしわ
ができたり、そのしわから被覆材が破けてしまうという
ことがある。上記した剥離を防止するのには被覆材を厚
くすることが考えられるが、ハンドルノブの大きさの関
係上単純に厚くすることはできない。インサート自体を
小さくして、その分被覆材を厚くするということも考え
られるがハンドルノブの剛性が損なわれてしまうため現
実的ではない。又、被覆材をしわができない程度の硬さ
のものを使用するとソフトな感触が損なわれてしまうた
めこれも現実的ではない。上記のことから被覆材を厚く
したり、硬くしたりすることができないため、ソフトな
感触を持たせたまま剥離防止を達成するという点におい
て改良の余地がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した従来
事情に鑑みてなされたもので、その課題とするところ
は、柔らかい被覆材を用いても剥離せず、且つソフトな
感触を持つ魚釣用リールのハンドルノブを提供すること
にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明が講じた技術的手段は、ハンドルノブの基本
形状を象るインサートと、前記インサートの外側に該イ
ンサートとは異なる素材からなる被覆材を一体的に被覆
形成した二重成型のハンドルノブにおいて、前記インサ
ートは軸方向にハンドルアーム取付け軸を貫通取付け
し、そのハンドルアーム取付け側とは反対側の側面にハ
ンドルアーム取付け軸を囲むように軸方向へ一体的に延
長する突起を形成すると共に、前記インサートにおける
少なくとも握り部の外側面に凹部を形成して、前記被覆
材は前記インサートにおける突起に外側から内側へ折り
返すように被せると共に、少なくとも前記握り部におけ
る凹部が厚肉部とし、且つ外側面が同面状になるように
被覆成型し、更にインサート側面に前記突起に被せられ
た被覆材の周端縁を押さえ付けるようにキャップを取付
けて構成したことである。

【０００６】上記被覆材の素材はインサートの素材より
も軟らかく、且つ握った感触がソフトなものであり、例
えばエストラマー、ゴムなどが挙げられる。上記インサ
ートにおける凹部は１か所あるいは複数か所いずれでも
よく、又、インサートの１部あるいは全面に凹部を形成
するも任意であるが、その位置として握ったときに最も
力が入る部分である例えば親指で押さえる部分が最適で
ある。

【０００７】上記した手段によると、インサートに被覆
成型される被覆材は突起に被さり、且つ凹部部分が肉厚
にされる。そしてキャップによりインサートにおける突
起に被さった被覆材は押さえ付けられる。これにより凹
部部分の被覆材はインサートと凹凸係合状にされると共
に、突起に被さった部分はキャップによって固定される
ため、ソフトな感触を持たせながら剥離が防止される。
又、インサートにおける凹部部分が肉厚にされるため、
その部分が特にソフトな感触になる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図１乃至図２は本発明に係るハンド
ルノブ１をリールにおけるハンドルアームＡに装備した
状態を示している。

【０００９】上記ハンドルノブ１はハンドルノブ１の基
本形状を象るように成型したインサート２の外側に該イ
ンサート２とは異なる素材からなる被覆材３を一体的に
被覆成型した二重成型にされ、その側面にキャップ４を
取付けて形成されている。又、インサート２の内部に軸
方向にハンドルアーム取付け軸５が貫通取付けされてい
る。

【００１０】上記インサート２はプラスチックなどの樹
脂を用いて成型され、握り部２１と、該握り部２１の側
面中央部に握り部２１と直交する方向に一体的に延長す
る軸部２２とからなる略Ｔ型に形成してある。上記握り
部２１はその側面の全面に凹所２１Ａが形成され、その
凹所２１Ａの端部周囲に軸方向へ一体的に延長する突起
２１Ｂを形成してある。又、前記凹所２１Ａにおける側
壁に前記したキャップの取付け係合凹部２１Ｃを凹設し
てある。更に、握り部２１における軸部２２との付根付
近の表裏面に半円状の凹部２３が形成され、該凹部２３
の軸部２２側は開放されると共に、凹部２３の下面は軸
部２２の外周面と同面にしてある。そして前記軸部２２
には上記したハンドルアーム取付け軸５が貫通する貫通
孔２２Ａが開孔され、この貫通孔２２Ａにハンドルアー
ム取付け軸５を貫通取付けする。

【００１１】上記被覆材３は前記インサート２の素材よ
りも軟らかく、且つ握った感触がソフトなエストラマー
を用いてインサート２に被覆成型され、インサート２に
おける突起２１Ｂに外側から内側へ折り返すように被せ
ると共に、前記凹部２３に厚肉部Ｂを形成し、且つ握り
部２１の外側面が同面状になるようにしてある。そし
て、インサート２側面に前記突起２１Ｂに被せられた被
覆材３の周端縁３１を押さえ付けるようにキャップ４を
取付けている。

【００１２】上記キャップ４は前記した被覆材３を被覆
成型したインサート２の側面と合致する面をインサート
２の側面形状と同形状にすると共に、合致面と対向する
面を湾曲状に形成してある。又、被覆材３の周端縁３１
と接触する押さえ面４１を平面状に形成し、この押さえ
面４１に上記した係合凹部２１Ｃに係合される係合爪４
２を一体形成してある。

【００１３】次にハンドルノブの成型工程を図３乃至図
４に基づいて説明する。先ず、インサート２を成型す
る。（図３）次にインサート２の外側に被覆材３を一体
的に被覆成型し、その後にハンドルアーム取付け軸５を
貫通取付けする。（図４）続いてキャップ４を取付けて
完成する。（図５）

【００１４】尚、ハンドルノブの形状は本実施の形態の
説明中及び図面中では逆Ｔ型にしているが、この形状に
限るものではない。又、上記ハンドルノブは図面中では
両軸受リールに装備した状態を示しているが、両軸受リ
ールに限らずスピニングリールあるいは片軸受リールに
装備してもよい。

【００１５】

【発明の効果】本発明は上記構成により、インサートに
被覆成型される被覆材は突起に被さり、且つ凹部部分が
肉厚にされる。そしてキャップによりインサートにおけ
る突起に被さった被覆材は押さえ付けられる。これによ
り凹部部分の被覆材はインサートと凹凸係合状にされる
と共に、突起に被さった部分はキャップによって固定さ
れるため、ソフトな感触を持たせながら剥離が防止され
る。又、インサートにおける凹部部分が肉厚にされるた
め、その部分が特にソフトな感触になる。従って、従来
の不具合を解消し得る魚釣用リールのハンドルノブを提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るハンドルノブ１の断面図で、リー
ルにおけるハンドルアームに装備した状態を示す。

【図２】図１の（２）−（２）線に沿える断面図。

【図３】インサートの斜視図。

【図４】インサートに被覆材を被覆成型した斜視図。

【図５】ハンドルノブの完成品を示す斜視図。

【符号の説明】

１…ハンドルノブ ２…インサート ３…被覆材
４…キャップ ５…ハンドルアーム取付け軸 ２１…握り部 ２１
Ｂ…突起 ２３…凹部 ３１…周端縁 Ｂ…厚肉部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ハンドルノブの基本形状を象るように成型
   したインサートの外側に該インサートとは異なる素材か
   らなる被覆材を一体的に被覆成型した二重成型のハンド
   ルノブにおいて、前記インサートは軸方向にハンドルア
   ーム取付け軸を貫通取付けし、そのハンドルアーム取付
   け側とは反対側の側面にハンドルアーム取付け軸を囲む
   ように軸方向へ一体的に延長する突起を形成すると共
   に、前記インサートにおける少なくとも握り部の外側面
   に凹部を形成して、前記被覆材は前記インサートにおけ
   る突起に外側から内側へ折り返すように被せると共に、
   少なくとも前記握り部における凹部を厚肉部とし、且つ
   外側面が同面状になるように被覆成型し、更にインサー
   ト側面に前記突起に被せられた被覆材の周端縁を押さえ
   付けるようにキャップを取付けて構成したことを特徴と
   する魚釣用リールのハンドルノブ。