JPH1097260A - 吸音ダクト及びこれを用いた吸音ダクト構造 - Google Patents

吸音ダクト及びこれを用いた吸音ダクト構造

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JPH1097260A
JPH1097260A JP8269126A JP26912696A JPH1097260A JP H1097260 A JPH1097260 A JP H1097260A JP 8269126 A JP8269126 A JP 8269126A JP 26912696 A JP26912696 A JP 26912696A JP H1097260 A JPH1097260 A JP H1097260A
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sound
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absorbing
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JP8269126A
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Kyoichi Watanabe
恭一 渡辺
Koichi Nemoto
好一 根本
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 給排気経路のダクトや内燃機関のダクト等の
全周波数域の騒音を低減させ、吸入抵抗をできるだけ変
化させず、更に低減効果が大きく、シンプルな構造の吸
音ダクト及び吸音ダクト構造を提供する。 【解決手段】 吸音ダクトは、筒状の基ダクト1’と、
この基ダクト1’よりも内径を拡張させた拡張ダクト1
とを通気方向Aに連結して成る。拡張ダクト1内には、
吸音体2が設置されている。吸音体2は、拡張ダクト1
の内部空間の断面積の10〜50%を占有する。上述の
ダクトを設置した吸音ダクト構造である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸音ダクト及びこ
れを用いた吸音ダクト構造に係り、更に詳しくは、吸気
ダクトの吸入抵抗をできるだけ変化させずに低周波数か
ら高周波数までの全周波数域において、優れた吸音特性
を有する吸音ダクト及び吸音ダクト構造に関する。
【0002】
【従来の技術】流体の吸排気システム内の騒音は、送風
機の発生音、ブロアー、高圧弁及びノズル等の気流音、
内燃機関やガス発生機の吸排気音、オイル又はガスバー
ナーの燃焼音を音源としており、この騒音を低減するた
めに、従来、消音器等が用いられている。またダクト内
を流れる流体の速度によっては、高周波領域に周波数特
性を有する気流音が発生するので、この騒音を減衰させ
るために一部でグラスウール等の吸音材も使用されてい
る。
【0003】なお、このような騒音の低減においては、
流体とダクトの抵抗をできるだけ小さくし、音源となる
音響エネルギーを極力減衰させることと、吸音材及び/
又は消音器等を取付けることが重要である。しかしなが
ら、消音器などの構造体は、特定周波数の吸音には効果
があるが、全周波数域において吸音効果を得ることはで
きず、また、吸音材は一般的に比較的高周波数の騒音に
のみ吸音効果を奏するという特色があった。
【0004】ところで、内燃機関の吸気騒音はエンジン
の吸気による脈動を音源とし、500Hz以下の低周波
数領域が主である。この吸気音を低減させるために主と
してレゾネータやサイドブランチ等の吸音構造体を設置
しているが、上記の従来例にもれず、この構造体には特
定周波数に起因する周波数の減衰効果しかないため、多
種の周波数の吸音を行うためには多数の構造体等を設置
する必要があった。
【0005】かかる吸気騒音を低減するために、特開昭
53−148617号公報や実開昭55−167562
号公報には、気化器とエアクリーナとを連結する吸気管
に多数の小孔を設け、更に小孔部の外側に吸音材を装着
したものが開示されている。また、特開昭64−530
55号公報には、内燃機関側とエアクリーナエレメント
側とを仕切る仕切り壁を配置し、この仕切り壁に絞り孔
を設けたものが開示されている。更に、特定周波数の吸
音を意図したレゾネータ(共鳴型消音機)を用いたもの
として、特開昭62−110722号公報には、エレメ
ント室の中心部に配設したレゾネータ内蔵型エアクリー
ナが、特開昭55−60444号公報には、内燃機関の
吸気管圧力変化に応じ、共鳴室容積を変化させる共鳴周
波数可変型レゾネータが、特開平2−19644号公報
には、エンジンの回転数の変化に生ずる吸気圧変化に応
じてレゾネータの容積を制御するものが開示されてい
る。
【0006】更にまた、特開平5−18329号公報に
は、エアクリーナケースや各ダクトに減衰目的のための
バイパスチューブを用いたもの、特開平5−18330
号公報には、特殊な共鳴ダクトをエアクリーナケースに
連通接続し、特定周波数領域で共鳴減衰させるものが開
示されている。なお、特開昭53−14867号公報に
は、吸音材を用い開口端近傍に吸音材を設置したものが
開示されているが、これは上記吸音構造体とは逆に低周
波数にはほとんど効果がないものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、これら
のような従来の吸音構造体にあっては、特定周波数の吸
音には効果があっても、全周波数域の騒音を低減するこ
とは難しいため、十分な吸音性を得るのには限界があ
る。これに対し、多数の構造体を設置して広い周波数域
で吸音を行うようにすると、吸音構造体全体としての構
造が複雑になる等の課題があった。また、特に車両の吸
気系の騒音は、エンジンの回転数に応じ変化はあるもの
の基本的に500Hz以下の低周波数領域の騒音が問題
となっており、この低周波数領域の全域に亘り特に効果
の大きな吸音構造体を得ることが課題となっていた。こ
れと同時に車両のエンジンルーム内はスペースが限られ
ているため、高性能で、コンパクトな構造を達成するこ
とも重大な課題である。
【0008】更に、ダクトの内部に流れる空気によって
引き起こされる騒音は、主として500Hz以下の周波
数領域の共鳴音と、中に形成される比較的高周波数の気
流音である。これら全周波数に亘る幅広い周波数域の騒
音に対する吸音は、従来一つの吸音構造体では困難であ
った。本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑
みてなされたものであり、その目的とするところは、吸
排気経路のダクトや内燃機関のダクト等の騒音を全周波
数域において低減し、吸入抵抗をできるだけ変化させ
ず、更に低減効果が大きく、シンプルでコンパクトな構
造を有する吸音ダクト及び吸音ダクト構造を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、内径を拡張した部位を
ダクトに設け、この拡張ダクト内に特定の吸音体を配設
することにより、上記課題が解決されることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の吸音ダクト構造体は、筒状
の基ダクトと、この基ダクトよりも拡開した筒状の拡張
ダクトとを通気方向に連結して成る吸音ダクトであっ
て、上記拡張ダクトの内部に吸音体を備え、上記吸音体
の上記通気方向に垂直な断面積が、上記拡張ダクトの内
部空間の上記通気方向に垂直な断面積の10〜50%を
占有することを特徴とする。また、本発明の吸音ダクト
構造は、内燃機関の吸気用ダクトにおけるエアクリーナ
ーにより仕切られた吸気口側ダクト又はエンジン側ダク
トに、少なくとも1個の上記吸音ダクトを設置して成る
ことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明の吸音ダクト構造体においては、筒状の
基ダクトと、これを拡開、即ち内径を拡張した拡張ダク
トと、拡張ダクト中に設置された吸音体との特殊な組み
合わせを行うことにした。かかるダクトの内径拡張によ
れば、一種の空洞型消音器が形成されるので、比較的低
周波数の騒音の減衰に効果がある。また、拡張ダクト内
部に設置する上記吸音体としては、基本的な多孔質材料
型吸音形態のものを用いることができ、これによれば、
中・高周波側の吸音に効果が得られる。また、吸音体の
通気方向の長さにも影響を受けるが、このような延在し
た吸音体をダクト内に設置すれば、低周波数域の音圧の
腹をつぶすことができるため、低周波数域における吸音
効果が更に向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の吸音ダクトについ
て詳細に説明する。この吸音ダクトは、上述の如く、筒
状の基ダクトと、この基ダクトよりも内径を拡張させた
拡張ダクトとを通気方向に連結して成り、更に拡張ダク
ト内に吸音体を配設した構造を有する。代表的には、図
1に示すような構造を有するもので、基ダクト1’と拡
張ダクト1とが通気方向Aに連結され、この場合、拡張
ダクト1は基ダクト1’の端部から拡開しており、この
吸音ダクト全体としては、いわゆる段付き形状をなして
いる。また、拡張ダクト1内には支持部3を介して吸音
体2が設置されている。
【0013】ここで、基ダクトの形状は任意であり、例
えば、丸型断面、四角断面、楕円断面等の形状のものを
用いることができる。また、この拡張ダクトの断面形状
も問われない。従って、丸断面の基ダクトに楕円の拡張
ダクトを有する構造、楕円形状の基ダクトに楕円形状の
拡張ダクトを有する構造等、様々な組み合せが有効であ
るが、特に限定されるものではない。更に、通気方向と
垂直な断面において、基ダクトの断面中心(軸)と拡張
ダクトの断面中心(軸)は一致してもしなくてもよい。
従って、基ダクトの外周と拡張ダクトの外周とが一辺で
接しているような極端な配置でもよい。
【0014】また、本発明の吸音ダクトにおいては、拡
張ダクトの両端に基ダクトを連結してもよいが(図1参
照)、この場合、拡張ダクト部の両側に位置する2つの
基ダクトの断面中心も、互いに一致してもしなくてもよ
い。更に2つの基ダクトの断面中心と拡張ダクト部の断
面中心の3つの断面中心が一致しても、2つの断面中心
が一致しても、いずれも一致しなくてもよく、それぞれ
が有効である。拡張ダクトの断面中心と基ダクトの断面
中心との関係は、吸音ダクトを設置するスペースにより
制約を受けるが、目的とする500Hz以下の周波数の
吸音性能には影響がない。しかし、1kHz以上の高周
波数領域においては、上記の基ダクトと拡張ダクトの位
置関係が吸音性能に影響を与え、それぞれ3つのダクト
の断面中心が均等に拡散している状態、例えば、2つの
基ダクトの断面中心が、拡張ダクトの断面中心に対して
ほぼ点対称の位置に存在する状態が吸音性能には良好で
ある。特に2つの基ダクトの断面中心はできるだけ離れ
ているほうが好ましく、例えば、上述の点対称関係をな
す2つの基ダクトの壁面が拡張ダクトの壁面に内接する
配置構成が好ましい。
【0015】これらの位置関係は吸音ダクトを取り付け
る場所のスペースに依存するところが大きい。特に車両
のエンジンルーム内に設置する場合などには、フロント
タイヤハウス形状やバッテリー等の位置により、拡張ダ
クトの断面形状やダクトの中心位置は変化する。また、
拡張ダクトの長さ方向の形状も問われない。従って、例
えば、円柱状、円錐状、四角錐状、開部の部スペースに
合致した形状等、様々なタイプを使用できる。
【0016】なお、空洞型消音器では、消音要素を適切
にモデル化することにより、透過損失TLを理論的に計
算できる。理論式を(1)式に示す。 TL=10log|1+{1/2(m−1/m)sin2kL}2| (1) m:内径の拡張比 k:波長定数 k=2πf/C (f:振動数、C:音
速) L:拡張部長さ (1)式より、拡張ダクトの拡張比を大きくとれば減衰
量が増加し、拡張ダクト部の長さを長くすることによ
り、全周波数域での減衰効果(特に低周波数域に顕著)
が得られることが分かる。しかしながら本発明の吸音ダ
クトは、空洞型消音器の内部に吸音体を設置した構成を
採り、吸音材の効果を理論式で完全には表すことができ
ないため、(1)式だけでは説明がつかない。
【0017】拡張ダクトの内径は、特に限定されない
が、基ダクトの内径の1.1〜3倍にすることが望まし
い。拡張比は減衰量に影響を与え、拡張比の大きいほう
が減衰量が大きいため、吸音効果が大きい。拡張比が
1.1倍よりも小さいと減衰効果が殆どなく、吸音性能
を十分に発現できない。また基ダクトの3倍を超える拡
張比を有する拡張ダクトを備える場合は、体積の関係
上、実現し難い。特に車両のエンジンルーム内に使用す
るには、できるだけ小さなものが望ましく、3倍を超え
る拡張比の拡張ダクトを使用することは好ましくない。
【0018】拡張ダクトの長さは、1〜100cmにす
ることが望ましいが特に限定されない。拡張ダクトの長
さもまた減衰量に影響を与え、長いほど低周波数の減衰
効果が大きく、高周波側にも効果が大きい。拡張ダクト
の長さが1cm未満の吸音ダクトは、拡張比を上げても
消音効果が小さいため、好ましくない。他方、100c
mを超える長さを有する拡張ダクトを備えた吸音ダクト
は、体積の関係上、実現し難い。特に車両のエンジンル
ーム内に使用するには、できるだけ小さなものとするこ
とが望ましく、100cmを超える長さの拡張ダクトを
使用することはできない。拡張ダクトの内径を大きくす
ることは、空洞型消音器を形成させる効果もあり、吸音
性能を向上させるには効果がある。この構成により、吸
音体の効果と空洞型消音器の効果が併合するので、吸音
性能を向上させるのに更に効果がある。
【0019】次に、吸音体について説明する。上述の如
く、拡張ダクトの内部には吸音体を少なくとも1つ設置
する(図1参照)。拡張ダクトの内部空間の断面積に対
する、この吸音体の断面方向の面積率は、10〜50%
になるようにする。この面積率が、10%未満では吸音
性能が低く、吸音ダクトの目標とする吸音性能を得るこ
とができず、他方、50%を超えると、ダクト内の通気
抵抗が高くなり、ダクトとして使用することが困難にな
る。設置される全ての吸音体の断面積の総和が上記範囲
に入っていればよく、断面積比率の低い吸音体を複数個
設置させることも可能であり、この場合は高い吸音効果
を発揮させることができる。吸音体は、吸音材を含んで
構成された構造体(図2〜図8参照)であり、かかる吸
音体をダクト内の気流中に設置することにより、その中
に形成される音圧の強度を効果的に低減させることが可
能である。吸音体の形状は、通気方向に延在する形状が
好ましく、代表的には、円柱や角柱等の柱状をなし、そ
の表面の主たる部位又は内部に吸音材を有している。
【0020】吸音体の長さは、(√3)/4λ〜1/2
λ(λは周波数0.1〜1kHzの音波における波長)
の範囲にあることが好ましい。吸音体の長さは特に低周
波数域の吸音に大きく影響を与え、長いほど減衰効果が
大きくなる。吸収体の長さが100Hzの周波数の1/
2λを超える場合は、吸音体の長さが長すぎるため、現
実のサイズとならないので、使用に際し不都合である。
他方、吸音体の長さが1kHzの(√3)/4λ未満の
場合は、長さが短すぎ十分な吸音性能を得ることが不可
能となるため、好ましくない。
【0021】また、音波周波数が0.1〜1kHzの範
囲にあることを前提としたのは、その範囲の音波(騒
音)に対し、吸音材を吸音体に加工することによって吸
音性能を上げる必要性を有することによる。100Hz
未満の周波数領域では、この吸音体で性能を発揮させる
には、長さが現実レベルを超えて長くなって、実用性が
悪化し、また、自動車用としてもダクト内に収まるサイ
ズからかけ離れてしまう。他方、1kHzを超えた周波
数領域では、吸音材を設置するだけで、ある程度の吸音
性能を得ることが可能であるため、吸音材を意図的に所
定形状に加工する意味が無くなってしまう。
【0022】更に、(√3)/4λ〜1/2λの範囲に
あることを好ましいとしたのは、ダクト内に形成される
定在波の音圧分布のなかで吸音材の効果が特に発揮され
るのが、最大音圧の1/2以上の領域であることによ
る。この長さは周波数毎に異なるが、長さの割合は同じ
であり、(√3)/4λ〜1/2λの範囲内になる。こ
のとき、吸音体の長さが、ある周波数の(√3)/4λ
未満になると効果的に吸音できなくなり、他方、1/2
λを超えると次の音圧の分布にかかるため、効率的でな
くなるため、好ましくない。
【0023】上述の範囲に設定すると、吸音体の長さの
最大長さは、25℃の標準状態で約170cmになる。
実際には、自動車が使用される環境の温度差の内で、吸
音体の長さは約10cm変化するため、これらを鑑みて
実際の最大長さを決定する必要がある。自動車のエンジ
ンルーム内における10cmの寸法差は大きな値なの
で、十分注意が必要である。一方、170cmを超える
長さを有する吸音体を含む吸音ダクトは、車両のエンジ
ンルーム内に設置するのには現実的でない。また、最小
長さは約14cmになる。なお、吸音ダクトが使用され
る温度領域を考慮すれば、さらに短い吸音体を使用する
ことによっても、本発明の目的を達成でき非常に効率的
であるが、特に限定されるものではない。
【0024】また、上記吸音体は、その延在形状の一端
又は両端に空気抵抗を上昇させないためのヘッド部を有
することが好ましい。吸音体はダクト中に設置されるた
め、ダクトの吸入抵抗は不可避的に上昇するが、この吸
音体の流れに対するヘッド部及び/又はテール部の形状
を、先細形状、例えば、円錐、角錐、流線型等にするこ
とにより、通気抵抗を低減させることが可能である。通
気抵抗を特に低減させるためには、ヘッド部は紡錘形と
することが望ましい。なお、上記ヘッド部は、吸音体に
一体又は別体に連結させることができる。
【0025】上述の如く、吸音体の設置により吸入抵抗
が上昇するが、これをできるだけ低減する他の手法とし
ては、ヘッド部と吸音体本体の双方の形状を流線型にす
ることを例示でき(図8参照)、この手法は非常に効果
的である。また、ヘッド部と吸音体本体との連結部の接
合を平滑にすることも通気抵抗の変化をできるだけ小さ
くするために非常に効果的である。更に、ヘッド部を吸
音体の本体に一体化することはコスト面、性能面で有効
である。
【0026】吸音体に含まれる吸音材を構成する繊維
は、平均径が0.1〜60μmの範囲の太さにすること
が好ましい。吸音材の性能は、吸音材を構成する繊維集
合体の平均繊維径に依存し、繊維径が細いほど吸音性能
は高くなる。しかし、細い繊維は一般的でなく、繊維自
体の剛性も小さいため、ダクト内の気流中に設置するの
は困難である。繊維の剛性が小さいと得られる吸音体の
剛性も小さくなり、気流中に設置する構造物としては問
題がある。また、気流中で吸音材中から繊維が抜け易く
なる。以上の点から、0.1μm未満の繊維を用いるこ
とは好ましくない。他方、繊維を太くすると吸音性能が
低下するため、60μmを超える太さの繊維を用いる
と、十分な吸音性能が得られないことがある。
【0027】また、吸音材を構成する繊維は、10cm
未満の短繊維でも、それ以上の長さを有する長繊維でも
よい。吸音性能は構成繊維の長さには依存しないため、
吸音性能を確保するのに繊維長を限定する必要はほとん
どない。しかし、吸音材の製造や吸音材自体の剛性等を
考えるとき、繊維長によっては吸音材の機械的強度が左
右されるため、これらを規定する意味をもつ。このよう
なことから、繊維を吸音材に成形するときには、繊維長
が3〜10cmの範囲にあることが好ましいが、特に限
定されるものではない。3cm未満では繊維長が短すぎ
るため、吸音材に成形することが困難であり、好ましく
ない。また、一般の製造装置では、10cmを超える長
さの繊維を均一に分散させて吸音材を成形することは困
難であり、一部の繊維が吸音材中で片寄った吸音材にな
る可能性が大きく、常に一定の性能を確保することが難
しくなるため、繊維長が10cmを超えるものも、好ま
しくない。
【0028】また、吸音体に含まれる繊維集合体である
吸音材は、織布形態でも不織布形態でもよい。吸音性能
はこの繊維集合体の形態に依存しないためである。しか
し、嵩高性の確保や吸音体の機械的強度の確保には、繊
維集合体の形態が強く影響するため、吸音体を設置する
周りの環境を考慮し、吸音材の形態を決定する必要があ
る。このとき、嵩高性を重視する場合には、不織布形態
が望ましく、機械的強度を重視する場合には織布形態が
望ましいが、特に限定されない。
【0029】また、繊維集合体を構成する繊維は、天然
繊維でも合成繊維でもよい。ここで、繊維の太さや繊維
の単位長さ及び繊維体の分布等を適切に制御でき、常に
同じものを作製でき、均一な密度分布の作製が可能な合
成繊維は、吸音材として特に有効である。更に、吸音材
のリサイクルや、同時一体成形性、形状を維持できる等
のメリットに鑑みると、軟化点の異なる繊維の配合が可
能なポリエステル系繊維は特に有効である。このとき、
ポリエステル繊維としては、溶融紡糸法で製造された平
均径10〜40μmのものが好ましい。溶融紡糸法で製
造されたポリエステル繊維は、最も一般的であり経済的
であるが、この工法では、10μm未満のものを製造す
るのが困難であり、また、繊維の表面積に依存する吸音
性能を確保するためには40μm以下であることが効果
的だからである。
【0030】一方、ポリプロピレン繊維は、超極細繊維
を製造することができ、その繊維の使用は吸音性能向上
のために効果がある。このとき繊維の平均径を1〜15
μmにすることが効果的である。上記の工法では、1μ
m未満のものを製造するのが困難であり、また、経済的
に製造するためには15μm以下にすることが望まし
い。吸音性能的には、メルトブローン法で製造したポリ
プロピレン繊維が、極細繊維を製造しやすいため有効で
あるが、逆に太い繊維の製造が困難であるため、15μ
mを越えると、性能及び経済性の観点から溶融紡糸法で
製造したポリエステル繊維が有効となる。なお、吸音材
そのものの剛性が極細繊維では得られにくいため、ポリ
プロピレン繊維とエステル繊維の2繊維を混合し、吸音
性能と剛性を合わせもつ吸音材としてもよく、気流が強
い箇所に用いる場合などに非常に効果がある。また、上
記繊維の他、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリア
セテート、ポリエチレン、線状ポリエステル、ポリアミ
ド等の合成繊維も使用できるが、特に限定されるもので
はない。
【0031】吸音体を成形する場合には、繊維集合体の
中に軟化点が少なくとも20℃異なる繊維が配合されて
いることが効果的である。その理由は、繊維集合体とし
ての形状を維持させながら、加熱しプレス成形し製品を
作製することを可能にするためである。これよりも軟化
点の差が小さくなると、その軟化点の差に応じて、一部
の繊維のみを軟化させる温度範囲で、その軟化する繊維
をバインダーとし、繊維集合体に形状を付与させること
ができなくなることがある。即ち、繊維体全体が軟化
し、融解することが考えられ、好ましくない。また、ニ
ードルパンチ等の工法を用いて、繊維体を成形し繊維集
合体にしたものも有効である。かかる工法によれば、軟
化点の等しい一種類の繊維のみで不織布を作製すること
が可能であり、比較的高価な軟化点の異なる繊維を用い
ることなく吸音材を形成できる。
【0032】吸音体の面密度は、50〜4000g/m
2の範囲内にすることが好ましい。50g/m2未満では
吸音体としての性能が確保できないことがあり、他方、
4000g/m2を越える領域では、重量及びそれに伴
うコストが増大する割には性能が向上せず効果的でない
ばかりか、この面密度の増加に伴い吸音材自体の通気量
が減少するため、吸音材による壁が形成されてしまい、
騒音の減衰効果がダクトのみのものと大差がなくなるこ
とがあり、好ましくない。
【0033】また、本発明においては、吸音体の一部又
は全部に、平均繊維長10cm以上、平均径1〜30μ
mの合成繊維から成る面密度20〜200g/m2の不
織布から構成される表皮を被覆することが可能であり、
これにより、吸音体からの繊維の抜けを防止し、機械的
剛性を向上し、更には吸音材を保護することができる。
この表皮を構成する繊維としては、繊維長が長ければ長
いほど機械的強度が増すため、長繊維が好ましい。これ
ら繊維は、布状の不織布又は織布に形成されるが、不織
布の場合には、ニードルパンチ製法又は布の一部を熱融
着させて成形する製法が、布の剛性を向上でき、また、
通気性も確保できるため、好ましい。
【0034】また、繊維の平均径を1〜30μmにした
理由は、1μm未満では、機械的な強度が得られず、3
0μmを超えると、布状にした場合のメッシュが荒く、
繊維の抜けを防止する目的からはかけ離れてしまうから
である。面密度を20〜200g/m2にした理由は、
20g/m2未満になると機械的な強度が不足するた
め、表皮材を用いる意味がなくなり、200g/m2
超えると不織布としての通気性が低下し、内部の吸音体
の吸音性能を阻害する恐れがあるからである。
【0035】吸音体は、吸音ダクトの拡張ダクトの内部
であれば任意の場所に設置することができる。これは、
吸音性能が、吸音体の長さや表面積に起因し、ダクト内
の設置位置の影響は小さいからである。従って、同じ断
面積比率の場合でも設置位置の形態は複数存在し、共に
有効であり、特に限定されるものではない。
【0036】本発明の吸音ダクトは、内燃機関、特に車
両用の吸気系内のダクト中に用いるのに有用である。こ
のダクトは、通気抵抗がほぼ一定でダクト上の任意の場
所に設置可能であり、例えば、自動車エンジンの吸気用
ダクトでは、エアクリーナーにより仕切られた吸気口側
又はエンジン側ダクトに、少なくとも1個の吸音ダクト
を配置した吸音ダクト構造として応用できる。このよう
な吸音ダクトや吸音ダクト構造によれば、エンジンの吸
気により発生する吸気音を効率よく吸音できる。更に、
低周波数域のみならず、中・高周波域においても、高い
吸音特性が得られ、極めて効果的な騒音の低減を行うこ
とができる。更に、かかる効果から吸気系に設置された
レゾネータやサイドブランチの一部又は全てを取り除く
ことが可能となる。これは、エンジン内スペースの確保
と、付属部品撤去のコスト低減効果があり、非常に有効
である。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例及び従来例に
より更に詳細に説明する。 (実施例1)拡張ダクト部が、丸断面の基ダクト(10
0φ)に対し拡張比1.5倍、長さ40cmを有し、基
ダクトの断面中心と拡張ダクト部の断面中心が一致して
おり、拡張されたダクト部内に、図2に示す形状1の吸
音体(30φ、30cm)を、断面積比率が約30%に
なるように、拡張ダクト内の断面方向に均等に3つ設置
(0゜、120゜、240゜位置)して吸音ダクトを作
製した(図1参照)。この吸音体は、平均繊維径15μ
mのポリエステル(PET)より構成された面密度10
00g/m2の吸音材を加熱成形し製造した。
【0038】(実施例2)吸音体を図3に示すような円
錐形ヘッド部6を有する形状2とした以外は、実施例1
と同様の操作を繰り返し、本実施例の吸音ダクトを作製
した。
【0039】(実施例3)吸音体を図4に示すような円
錐形ヘッド部及びテール部8を有する形状3とした以外
は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本実施例の吸音
ダクトを作製した。
【0040】(実施例4)吸音体を図5に示すようなヘ
ッド部及びテール部10を有する形状4とした以外は、
実施例1と同様の操作を繰り返し、本実施例の吸音ダク
トを作製した。
【0041】(実施例5)吸音体を図6に示すようなヘ
ッド部及びテール部12を有する形状5とした以外は、
実施例1と同様の操作を繰り返し、本実施例の吸音ダク
トを作製した。
【0042】(実施例6)吸音体を図7に示すようなヘ
ッド部及びテール部14を有する形状6とした以外は、
実施例1と同様の操作を繰り返し、本実施例の吸音ダク
トを作製した。
【0043】(実施例7)吸音体を図8に示すような流
線形形状7とした以外は、実施例1と同様の操作を繰り
返し、本実施例の吸音ダクトを作製した。
【0044】(実施例8)形状1の吸音体(20φ、3
0cm)を断面積比率が約50%となるように拡張ダク
ト内の断面方向均等に1つ設置(中央)した以外は、実
施例1と同様の操作を繰り返し、本実施例の吸音ダクト
を作製した。
【0045】(実施例9)形状1の吸音体(30φ、3
0cm)を断面積比率が約15%となるように拡張ダク
ト内の断面方向均等に6つ設置(0゜、60゜、120
゜、180゜、240゜、300゜位置)した以外は、
実施例1と同様の操作を繰り返し、本実施例の吸音ダク
トを作製した。
【0046】(実施例10)形状1の吸音体(22φ、
15cm)を断面積比率が約30%となるように拡張ダ
クト内の断面方向均等に6つ設置(0゜、60゜、12
0゜、180゜、240゜、300゜位置)した以外
は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本実施例の吸音
ダクトを作製した。
【0047】(実施例11)拡張ダクト長さを130c
m、吸音体の長さを120cmとした以外は、実施例1
と同様の操作を繰り返し、本実施例の吸音ダクトを作製
した。
【0048】(実施例12)吸音体を平均繊維径約2μ
mのポリプロピレン(PP)より構成された面密度10
00g/m2の吸音材を加熱成形し製造した以外は、実
施例1と同様の操作を繰り返し、本実施例の吸音ダクト
を作製した。
【0049】(実施例13)吸音体を構成する吸音材の
面密度を150g/m2とした以外は、実施例1と同様
の操作を繰り返し、本実施例の吸音ダクトを作製した。
【0050】(実施例14)吸音体を構成する吸音材の
面密度を4000g/m2とした以外は、実施例1と同
様の操作を繰り返し、本実施例の吸音ダクト作製した。
【0051】(実施例15)吸音体の表面に、平均繊維
長20cm、平均繊維径約20μmのPET繊維から成
る面密度50g/m2の不織布から形成された表皮を設
置した以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本実施
例の吸音ダクトを作製した。
【0052】(比較例1)形状1の吸音体(20φ、3
0cm)を断面積比率が約60%となるように拡張ダク
ト内の断面方向均等に1つ設置(中央)した以外は、実
施例1と同様の操作を繰り返し、本例の吸音ダクト構造
体を作製した。
【0053】(比較例2)形状1の吸音体(40φ、3
0cm)を断面積比率が約5%となるように拡張ダクト
内の断面方向均等に4つ設置(0゜、90゜、180
゜、270゜位置)した以外は、実施例1と同様の操作
を繰り返し、吸音ダクトを作製したが、通気抵抗が上昇
しすぎてしまい、流量が規定量流れなかったため、実験
をすることができなかった。
【0054】(比較例3)拡張ダクト長さを180c
m、吸音体の長さを5cmとした以外は、実施例1と同
様の操作を繰り返し、本例の吸音ダクトを作製した。
【0055】(比較例4)吸音体の長さを170cmと
した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、吸音ダ
クト構造体を作製したが、吸音体を設置する吸音ダクト
構造体が大きくなりすぎて実験装置に設置することがで
きなかった。
【0056】(比較例5)吸音体を構成する繊維を平均
繊維径0.1μm以下のポリプロピレン(PP)によっ
て構成しようとしたが、繊維に剛性がなく吸音材の不織
布の状態に成形することができなかった。
【0057】(比較例6)吸音体を平均繊維径約65μ
mのPETより構成された面密度1000g/m2の吸
音材を加熱成形し製造した以外は、実施例1と同様の操
作を繰り返し、本例の吸音ダクトを作製した。
【0058】(比較例7)吸音体を構成する吸音材の面
密度を100g/m2とした以外は、実施例1と同様の
操作を繰り返し、本例の吸音ダクト構造体を作製した。
【0059】(比較例8)吸音体を構成する吸音材の面
密度を4500g/m2とした以外は、実施例1と同様
の操作を繰り返し、本例の吸音ダクト構造体を作製し
た。
【0060】(実施例16)実施例1の吸音ダグト構造
を車両のエアクリーナ室の外気側ダクトに接続し、エン
ジンを欠けて各周波数毎の音圧レベルを測定したとこ
ろ、音響加振の結果とほぼ同等の音響効果があることが
確認できた。
【0061】(実施例17)実施例1の吸音構造体を家
屋の送風機付きエアダクト内に使用したところ、通気を
妨げることなく、音響加振の効果とほぼ同等の消音効果
があることが確認できた。
【0062】(従来例)吸気ダクトに300Hzに設定
したレゾネータを設置した。
【0063】(性能評価)上記実施例1〜15、従来例
及び比較例において得られた吸音ダクト構造体につい
て、以下の実験を実施した。上記の各実施例、比較例に
おいて得られた吸音ダクトを、半無響音室に設置した4
気筒エンジンの吸気システム系のエアクリーナーダクト
に、図9に示すように取り付けた。このシステムについ
て、エンジンに連結されたインテークマニホールド側の
音圧と吸気口側の音圧の差である挿入損失(IL)を測
定した。このとき、加振源をスピーカとし吸気口側から
加振する逆配置法でILを測定した。このときの音圧レ
ベル差をdB表示で各周波毎に測定し、100〜300
Hzの低周波、300〜500Hzの中周波及び500
〜1000Hzの高周波数領域で平均をとり表1に記し
た。これらの試験結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】表1より、実施例で作製された各種吸音ダ
クトは、従来例に比べ、低周波数(100〜300H
z)、中周波数(300〜500Hz)及び高周波数
(500〜1000Hz)の領域において、優れた吸音
特性を示し、従来のレゾネータ等に比べ場所を取らず、
取付け性に優れる吸音ダクトであることが確認された。
また、本発明の範囲にない比較例の吸音ダクトは、特に
必要とされる低・中周波数領域の吸音性能(判断基準と
して、この領域で10dBの消音性能がないものは不可
とした。)、更に、スペース的(実際の車両のエンジン
ルーム内スペースに納まらないものは不可とした。)
に、満足な結果を示さないことが確認された。また、吸
音材の形成ができないものも同様に不可とした。
【0066】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、内径を拡張した部位をダクトに設け、この拡張ダク
ト内に特定の吸音体を配設することとしたため、吸排気
経路のダクトや内燃機関のダクト等の騒音を全周波数域
において低減し、吸入抵抗をできるだけ変化させず、更
に低減効果が大きく、シンプルでコンパクトな構造を有
する吸音ダクト及び吸音ダクト構造を提供することがで
きる。即ち、ダクト内を流れる気流による騒音を全周波
数領域で低減するのに効果があり、また、限られたスペ
ースで低周波領域の吸音性能を向上できる吸音ダクトを
提供することができる。このダクトは、建築用としては
もちろんのこと、自動車用など十分スペースのとれない
場所に用いる吸音体として、最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸音ダクトの一例を示す端面及び断面
図である。
【図2】吸音体形状1を示す端面及び断面図である。
【図3】吸音体形状2を示す端面及び断面図である。
【図4】吸音体形状3を示す端面及び断面図である。
【図5】吸音体形状4を示す端面及び断面図である。
【図6】吸音体形状5を示す端面及び断面図である。
【図7】吸音体形状6を示す端面及び断面図である。
【図8】吸音体形状7を示す端面及び断面図である。
【図9】吸音ダクト構造体を吸気系に設置した図であ
る。
【符号の説明】
1 拡張ダクト 1’ 基ダクト 2 吸音体 3 支持部 4 吸音体 5 吸音体 6 ヘッド部 7 吸音体 8 ヘッド部及びテール部 9 吸音体 10 ヘッド部及びテール部 11 吸音体 12 ヘッド部及びテール部 13 吸音体 14 ヘッド部及びテール部 15 吸音体 16 インテークマニホールド 17 エアクリーナ 18 吸音ダクト構造体 19 基ダクト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G10K 11/162 G10K 11/16 A

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の基ダクトと、この基ダクトよりも
    拡開した筒状の拡張ダクトとを通気方向に連結して成る
    吸音ダクトであって、 上記拡張ダクトの内部に吸音体を備え、 上記吸音体の上記通気方向に垂直な断面積が、上記拡張
    ダクトの内部空間の上記通気方向に垂直な断面積の10
    〜50%を占有することを特徴とする吸音ダクト。
  2. 【請求項2】 上記基ダクトを上記拡張ダクトの両端に
    それぞれ連結して成ることを特徴とする請求項1記載の
    吸音ダクト。
  3. 【請求項3】 上記2個の基ダクトの軸が、上記拡張ダ
    クトの内部空間の通気方向に垂直な断面において、上記
    拡張ダクトの軸に対してほぼ点対称の位置に存在するこ
    とを特徴とする請求項2記載の吸音ダクト。
  4. 【請求項4】 上記2個の基ダクトの壁面が、上記拡張
    ダクトの内部空間の通気方向に垂直な断面において、こ
    の拡張ダクトの壁面と内接することを特徴とする請求項
    3記載の吸音ダクト。
  5. 【請求項5】 上記吸音体が上記通気方向に延在し、そ
    の長さが次式 (√3)/4λ〜1/2λ (式中のλは、周波数0.1〜1kHzの音波における
    波長を示す)で規定されることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか1つの項に記載の吸音ダクト。
  6. 【請求項6】 上記吸音体の一端又は両端に、この吸音
    体と一体又は別体に連結された先細形状のヘッド部を有
    することを特徴とする請求項5記載の吸音ダクト。
  7. 【請求項7】 上記先細形状が、錐形、紡錘形又は流線
    形であることを特徴とする請求項6記載の吸音ダクト。
  8. 【請求項8】 上記吸音体が、平均繊維径0.1〜60
    μmの短繊維又は長繊維を主成分とする面密度50〜4
    000g/m2の織布又は不織布である吸音材を含むこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載
    の吸音ダクト。
  9. 【請求項9】 上記吸音材を構成する短繊維又は長繊維
    が、平均繊維径10〜40μmのポリエステル繊維、平
    均径0.1〜10μmのポリプロピレン繊維又はこれら
    の混合材から成ることを特徴とする請求項8記載の吸音
    ダクト。
  10. 【請求項10】 上記吸音体の一部又は全面に、繊維長
    10cm以上、平均繊維径1〜30μmの合成繊維から
    成る面密度20〜200g/m2の不織布から形成され
    る表皮を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれ
    か1つの項に記載の吸音ダクト。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1つの項に
    記載の吸音ダクトを備えた吸音ダクト構造であって、 内燃機関の吸気用ダクトにおけるエアクリーナーにより
    仕切られた吸気口側ダクト又はエンジン側ダクトに、少
    なくとも1個の上記吸音ダクトを設置して成ることを特
    徴とする吸音ダクト構造。
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