JPH1096776A - 車間距離の表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 〔目的〕ドライバーに煩わしさや戸惑いやあせりを感じ
させることなく、追突などの危険を警告できる好適な車
間距離の表示装置を提供する。 〔構成〕先行車両との車間距離を検出する車間距離検出
手段(1,2,3 )と、自車両の車速などの走行状態に基づき
先行車両との安全車間距離を認識する処理部( 1,4,5 )
と、先行車両との検出した車間距離と認識した安全車間
距離とに基づき自車両と先行車両との間に追突の危険度
に応じた色彩の車間領域をヘッドアップ表示するヘッド
アップ表示部(1,6) とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両の衝突警報システ
ムなどに利用される車間距離の表示装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、レーザ光線や電磁波や音波などの
波動を送受信するレーダ装置を利用した衝突警報システ
ムが開発されてきている。この衝突警報システムは、レ
ーザレーダを用いる場合、放射したレーザ光線が反射体
である先行車との間を往復するのに要した伝播所要時間
から先行車との車間距離を検出し、この検出値が自車両
の車速などから算定した安全車間距離以下になると、先
行車両への追突の危険をブザー音などによってドライバ
に警告するようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の衝突警報シ
ステムは、追突の危険がブザー音などで警告されるので
このような警告が頻繁に発生されたり、長時間にわたっ
て発生されたりすると、運転者が煩わしく感じるという
問題がある。また、車間距離がある閾値以下になると唐
突にブザーが鳴り出すので、運転者が戸惑やあせりを感
じる場合も往々にしてある。従って、本発明の目的は、
運転者に煩わしさや戸惑いやあせりを感じさせることな
く、追突などの危険を警告できる好適な車間距離の表示
方法を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明に係わる車間距離
の表示装置は、先行車両との車間距離を検出する車間距
離検出部と、自車両の車速などの走行状態に基づき先行
車両との安全車間距離を認識する処理部と、前記検出し
た先行車両との車間距離と、前記認識した先行車両との
安全車間距離とに基づき、自車両と先行車両間との間に
追突の危険度に応じた色彩の車間領域をヘッドアップ表
示するヘッドアップ表示部とを備えている。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態によれば、前
記危険度に応じた色彩は、交通信号との類推が容易なよ
うに、危険度の高い順に赤色、黄色、緑色が選択され
る。

【０００６】

【実施例】図２は、本発明の一実施例の車間距離の表示
装置の構成を示すブロック図であり、１はデータプロセ
ッサ、２は車間距離検出部、３はレーザ送受光部、４は
入力インタフェース部、５はデータメモリ、６はヘッド
アップ表示部、７はキー入力部である。

【０００７】レーザ送受光部３は自車両のパンパーの裏
側や車室内などの適宜な箇所に設置されており、送光部
から自車両の前方に向けてパルス状のレーザ光線が放射
される。この放射されたレーザ光線は、自車両の前方に
存在する先行車両などの反射体で反射され、レーザ送受
光部３の受光部に受光される。このレーザパルスの送光
は、送受光部の機械的操作などに基づき自車両の前方の
いくつかの異なる方向について行われる。

【０００８】車間距離検出部２は、レーザ送受光部３が
レーザパルスを送光してからその反射パルスを受光する
までに要した伝播所要時間からレーザパルスの伝播距
離、すなわち先行車両との車間距離間などの反射体まで
の距離を検出する。この反射体までの距離の検出は、必
要に応じて、自車両の前方のいくつかの異なる方向につ
いて行われる。車間距離検出部２は上記車間距離の検出
に際して、他の車両が放出したレーザ光線による妨害の
排除や、コーナーリフレクタなど先行車両以外の反射体
からの不要反射光の除去など検出確度を高めるための各
種の処理を、適宜なアルゴリズムに基づいて行う。車間
距離検出部２は、必要に応じて、図示しないナビゲーシ
ョンシステムや、カメラによる車両の前方の光景の撮像
の解析システムなどとの情報交換を行うことにより、先
行車両とこれとの車間距離の検出確度を更に向上させ
る。

【０００９】データプロセッサ１は、車間距離検出部２
が検出した車間距離や方向などの先行車両に関するデー
タを、この車間距離検出部２から受取り、データメモリ
５に格納する。さらに、データプロセッサ１は、車速、
加速度、舵角など自車両の走行状態を示す各種のデータ
と、昼間／夜間の時間帯を示すライトのオン／オフ信号
や、晴天／降雨の天候を示すワイパーのオン／オフ信号
などから成る走行環境信号を入力インタフェース部４を
通して、対応の各種センサや装置から受取り、データメ
モリ５に格納する。

【００１０】データプロセッサ１は、上記各種データの
データメモリ５への格納処理と並行して、自車両の走行
速度などの走行状態から適宜なアルゴリズムに基づき作
成され、データメモリ５に予め登録済みの先行車両との
安全車間距離をデータメモリ５から読出す。この安全車
間距離の算定するためのアルゴリズムとの一つして、例
えば、図３に示すようにものが考えられる。すなわち、
安全車間距離Ｌｓは、自車両の車速Ｖと、時間帯（昼間
／夜間）、天候（晴天／降雨）などの走行環境から決定
され、車速Ｖが増加するほど、また走行環境が悪化する
ほど安全車間距離Ｌｓは大きな値に設定される。

【００１１】データプロセッサ１は、昼夜の時間帯に関
する情報として、前照灯が動作中か否かを示す信号を対
応の制御回路から入力インタフェース部４を介して受け
取る。データプロセッサ１は、天候に関する情報とし
て、ワイパーが動作中か否か、動作中の場合には降雨量
に応じて変更されるどの段階の周期で動作中か、あるい
はフォグランプが点灯中か否かなどを、図示しないワイ
パーやフォグランプなどの制御回路から入力インタフェ
ース部４を介して受け取ることにより走行環境を認識
し、この結果と車速とに基づきデータメモリ５から安全
車間距離を読出す。

【００１２】データプロセッサ１は、図４に例示するよ
うに、自車両の前方の路上に、自車両と同程度の幅と、
検出された車間距離Ｌの長さとを有し、自車両と先行車
両との間を連結する車間領域を設定する。次に、データ
プロセッサは、データメモリ５から読出した安全車間距
離距離と、車間距離検出部２で検出された実際の車間距
離とに基づき、設定済みの車間領域のうち追突の危険度
に応じた異なる色彩の部分領域を決定する。例えば、設
定済みの車間領域のうち、先行車両から安全車間距離Ｌ
ｓ以上離れた自車両の前方の長さ（Ｌ−Ｌｓ）の部分領
域に対して追突の危険度が最も低いことを示す緑色の着
色が行われる。

【００１３】次に、自車両と先行車両との間の車間領域
のうち、先行車両から図って安全車間距離よりも短いが
その70％値（0.7 Ｌｓ）よりも大きな部分領域に対して
追突の危険度が２番目に高いことを示す黄色の着色を行
う。最後に、自車両と先行車両との間の車間領域のう
ち、先行車両から図って全車間距離の70％値よりも短い
部分領域に対して追突の危険度が最高であることを示す
赤色の着色を行う。上記異なる色彩による着色は、対応
の部分領域の枠内の全域を塗り潰すように行ってもよい
し、枠のみを着色するように行ってもよい。

【００１４】データプロセッサ１は、図４に例示した車
間領域を、運転者の目の高さから路上を見た鳥瞰図に変
換し、着色の情報と共にヘッドアップ表示部６の画面メ
モリ６ａに書込む。表示制御部６ｂは、画面メモリ６ａ
に書込まれた表示画像を一定の周期で読出し、液晶表示
パネルなどで構成される二次元発光部６ｃに表示画像の
色と輝度に応じた発光を行わせる。発光部６ｃで発生し
た二次元の発光は、フロントガラス６ｄで反射されて運
転者の目に入射する。運転者は、この反射光を車外に延
長することにより路上に作成される車間領域の虚像を、
図１に例示するように、フロントガラスを通して実際に
見た自車両の前方の光景に重ね合わせた状態で見る。更
に、検出した車間距離が安全車間距離の半分程度になる
と、上記赤色の表示による警報に加えて、表示装置の故
障やわき見運転などに備えて念のため、ブザー音による
警報も発生される。

【００１５】図５は、本発明の他の実施例に係わる車間
距離の表示装置による車間距離の表示方法を説明するた
めの概念図である。この実施例では、（Ａ）に例示する
ように、自車両の前方の路上に、自車両と同程度の幅及
び車間距離の検出値Ｌの長さを有し自車両と先行車両と
の間を連結する車間領域を設定し、検出された車間距離
Ｌが認識された安全車間距離Ｌｓよりも大きい場合に
は、この車間領域の全体にわたって追突の危険度が最も
低いことを示す緑色の着色を行う。

【００１６】（Ａ）の場合よりも車間距離が減少して、
その検出値Ｌが安全車間距離Ｌｓとその70％値の間の値
（0.7 Ｌｓ＜Ｌ≦Ｌｓ）になると、（Ｂ）に示すよう
に、車間領域の全体にわたって追突の危険度が２番目に
高いことを示す黄色の着色が行われる。この（Ｂ）の場
合よりも更に車間距離が減少して、その検出値Ｌが安全
車間距離Ｌｓの70％値未満の値（Ｌ＜0.7 ）になると、
（Ｃ）に示すように、車間領域の全体にわたって追突の
危険度が最高でることを示す赤色の着色が行われる。

【００１７】図４を参照して説明した実施例による表示
方法は、先行車両を基準にして、設定された車間領域の
うち自車両が存在する部分領域について、追突発生の危
険度を高い方から順に赤、黄及び緑の着色で表示するよ
うに構成したものである。すなわち、図４に示すよう
に、自車両が緑色の部分領域に存在していれば追突発生
の危険度が最低になり、自車両が赤色の部分領域に存在
していれば追突発生の危険度が最高になる。

【００１８】これとは逆に、自車両を基準として、設定
された車間領域のうち先行車両の存在する部分領域につ
いて、追突発生の危険度を高い方から順に赤、黄及び緑
の着色で表示することもできる。すなわち、図６に示す
ように、先行車両が緑色の部分領域に存在していれば追
突発生の危険度が最低になり、先行車両が赤色の部分領
域に存在していれば追突発生の危険度が最高になる。

【００１９】上記図４、図５、図６を参照して説明した
３種類の着色方法のうちどれを採用するかは、予め定め
ておくこともできるし、あるいは、ドライバーの好みや
慣れなどに応じて、図２のキー入力部７からのキー入力
や、図示しない切替えスイッチの操作などによって選択
するように構成することもできる。

【００２０】以上、先行車両と自車両との間を連結する
自車両と同程度の幅で車間距離の検出値と同一長さの車
間領域を設定する構成を例示した。しかしながら、自車
両の車速、加速度、舵角、ヨーレイト、タイヤと路面の
摩擦係数の推定値などから自車両の予測走行軌跡を算定
し、この予測走行軌跡に自車両の幅と同程度の幅を与え
たものを、図４、図５、図６に例示したような着色対象
の車間領域として設定する構成を採用することにより、
車道がカーブを描く場合などより実際的な状況に有効に
対処することができる。

【００２１】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
わる車間距離の表示装置は、レーザレーダなどで検出し
た先行車両との車間距離と、自車両の走行状態から認識
した先行車両との安全車間距離とに基づき、自車両と先
行車両間の路上に追突の危険度に応じた赤、黄、緑など
の色彩の車間領域をヘッドアップ表示する構成であるか
ら、ブザーなどで警報を発生する従来装置とは異なり、
運転者に煩わしさを感じさせることなく、追突などの危
険を警告できるという効果が奏される。

【００２２】また、緑色の表示の段階から必ず黄色の表
示の段階を経て、追突への重大な警報となる赤色の表示
が行われるため、ドライバーはブザー音の場合のように
唐突に警報が発せられか時の戸惑いやあせりを感じるこ
とがなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係わる車間距離の表示装置
による表示方法を説明するための図である。

【図２】上記実施例に係わる車間距離の表示装置の構成
を示すブロック図である。

【図３】上記実施例の装置において、自車両の車速と悪
環境と安全車間距離との関係の一例を説明するためのグ
ラフである。

【図４】上記実施例に係わる車間距離の表示装置による
表示方法を説明するための概念図である。

【図５】本発明の他の実施例に係わる車間距離の表示装
置による表示方法を説明するための概念図である。

【図６】本発明の更に他の実施例に係わる車間距離の表
示装置による表示方法を説明するための概念図である。

【符号の説明】

1 データプロセッサ 2 車間距離検出部 3 レーザ送受光部 4 入力インタフェース部 5 データメモリ 6 ヘッドアップ表示部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】先行車両との車間距離を検出する距離検出
   部と、 自車両の車速などの走行状態に基づき先行車両との安全
   車間距離を認識する処理部と、 前記検出した先行車両との車間距離と、前記認識した先
   行車両との安全車間距離とに基づき、自車両と先行車両
   間との間に追突の危険度に応じた異なる色彩の車間領域
   をヘッドアップ表示するヘッドアップ表示部とを備えた
   ことを特徴とする車間距離の表示装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、 前記車間領域は、追突の危険度に応じた異なる着色の部
   分領域が長さ方向に複数表示されることを特徴とする車
   間距離の表示方法。
3. 【請求項３】 請求項１において、 前記車間領域は、追突の危険度に応じた異なる着色の領
   域が長さ方向に一つだけ表示されることを特徴とする車
   間距離の表示方法。
4. 【請求項４】 請求項１乃至３において、 前記危険度に応じた色彩は、危険度の高い順に赤色、黄
   色、緑色が選択されたことを特徴とする車間距離の表示
   装置。
5. 【請求項５】 請求項１乃至４において、 前記車間領域は、自車両と同程度の幅を有する自車両の
   予測走行軌跡であることを特徴とする車間距離の表示装
   置。