JPH1094357A - パン、ケーキ等の焼成用容器及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 火の通りをよくする事によって味が良く、手
早い焼き上がりが得られ、容器に付くことなくパン、ケ
ーキ、菓子等を取り出し或いは食する事ができ、蒸しそ
の他幅広い焼成のできるパン、ケーキ等の焼成用容器及
びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 少なくとも紙とポリエステルフィルムと
が積層されたシート、で形成されたパン、ケーキ等の焼
成用容器１であって、この容器の内側をなすフィルム面
には前記紙に到達する細孔８がレーザーにより多数穿孔
されたこと。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、パン、ケーキ、
菓子等の生地を入れて天火焼き、蒸しなどに用いるパ
ン、ケーキ等の焼成用容器及びその製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】パン、ケーキ、菓子等はその生地（以
下、「パン生地」という）を焼成用容器に入れて天火焼
き、蒸しなど焼成されるのであるが、この焼成用容器の
一つに、紙とフィルムを積層させたシートによる焼成用
容器がある。そして、この容器はフィルムを用いたこと
により保形性に優れている。ただ、それ以前の紙製容器
に較べ、フィルムを積層させた分だけ焼成に時間を用
し、また、パン生地の内部に充分火が通る前に外部が硬
く焼き上がり、まろやかな味とふっくらとした焼き上が
得られ難くなっている。

【０００３】また、フィルムを用いたことにより容器全
体としては通気性が小さくなっている。その為、焼成時
にはパン生地からの蒸気の抜けや油の発散などが、容器
の開口部となるパンの上方のみからなされている。

【０００４】また、この様なフィルムを積層した通気性
の小さい容器では、通気性を必要とする蒸しには用いら
れていない。

【０００５】これに対して、本願出願人は特願平８ー１
８２４５８号の出願にかかる提案をしている。これは、
容器の底部に直径数ｃｍの貫通孔を形成した菓子用容器
を代表的内容としているのであり、この様な容器を天火
に載せてパン生地を焼けば、底部に形成された貫通孔を
通して火の通りが良くなり、これにより味がまろやかに
なるなどの効果が得られている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ただこの様な効果は、
比較的、貫通孔を形成した底部に見られるものの、これ
以外の、容器の周壁部分及び貫通孔以外の底部には火の
通りの向上に、なお、改良が求められていた。また、こ
の底部に貫通孔がある容器では、水気を多く含み流動性
のあるパン生地などに用いようとすると、貫通孔からパ
ン生地が漏れるなどして適さず、よって通常の固さのパ
ン生地に用途が限られていた。また似た様な問題に、湿
り気を含んだ崩れやすい出来上がりの菓子類の場合があ
り、この様な崩れやすい菓子類を底部に貫通孔の空いた
容器で焼成すると、持ち上げたときに貫通孔から中身が
崩れ落ちるなどする為、用いることができなかった。

【０００７】また、フィルムを用いたことにより容器全
体としては通気性が小さくなっている。その為、焼成時
にはパン生地からの蒸気の抜けや油の発散などが、容器
の開口部となるパンの上方のみからなされるため、焼き
上がったパン、ケーキ等の味のまろやかさが、パン、ケ
ーキ等の全体に均一には得られ難かった。

【０００８】また、この様なフィルムを積層した通気性
の小さい容器では、通気性を必要とする蒸しには適して
いなかった。

【０００９】よって、本発明は、火の通りを一層よくす
る事によって、手早い焼き上がりが得られ、容器全体の
均一な通気性を確保することにより味が良く、しかも、
容器に付くことなくパン、ケーキ、菓子等を取り出し或
いは食する事ができ、蒸しその他幅広い焼成のできるパ
ン、ケーキ等の焼成用容器及びその製造方法を提供する
ものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】これらの課題を実現する
ための、焼成用容器に関する各手段と、その容器に対応
する製造の各手段とを、以下、対応させながら説明す
る。

【００１１】（請求項１、請求項６の手段）本願では、
少なくとも紙とフィルムとが積層されたシートで焼成用
容器を形成する事により保形性を確保しながらも、この
容器の内側をなすフィルム面には前記紙に到達する細孔
を多数穿孔することにより、容器全体に均一な通気性が
得られる様にした。細孔とは径の微小な孔であり、よっ
て前記従来技術における直径数ｃｍの貫通孔の様に、開
口面積が明確に視認できるといった大きさではない。紙
は、従来の紙製容器の場合と同様に純白紙が好適である
が、これに限らずグラフト紙、グラシン紙等でもよい。
また、本願において紙とは、紙と同様な通気性の得られ
る代替品を含み、例えば不織布などを含む。フィルム
は、熱可塑性を有して容器の成形に適するものであれば
よく、さらに、焼成時の温度に対して耐久性があればど
の様なものであってもよい。紙とフィルムとの積層は、
接着剤による押し出しラミネーション法、熱圧着による
押し出しラミネーション法、ドライラミネーション法な
どがある。

【００１２】以上の様にして成る焼成用容器は、フィル
ム面から紙に到達する様に穿孔され、しかも紙には通気
性があるので、焼成用容器は全体に通気性が良くなる。
またこれにより、底部からの加熱は勿論の事、従来であ
れば火の通りが弱めであった容器の周壁部分からも充分
火が通る様になっている。また、容器にこの様な細孔を
多数穿孔するので焼き上がりに不均一さを生じることも
なく、火の通りが全体的に均一に向上するので、良好な
焼き上がりが得られる。また、蒸しであれば加熱用の熱
蒸気がパン生地に確実に届き、フィルムが積層された容
器に拘わらず蒸しが可能になる。また、蒸し、天火焼き
の何れにおいても、細孔を設けたことにより、容器の内
外に向かって空気や水蒸気の出入りが活発になり、よっ
て、焼成時には容器とパン、ケーキ等との間に極薄な空
気層が生ずるなどして、パン、ケーキ等の容器離れを容
易にする。

【００１３】また、この様なパン、ケーキ等の焼成用容
器の製造方法は、 （１）前記紙と前記フィルムを積層して前記シートを形
成する工程； （２）前記シートの前記フィルム面に、前記紙に到達す
る前記細孔を多数穿孔する工程； （３）前記細孔を多数穿孔した前記シートを、前記フィ
ルム面が容器内側となる様にして容器形状に熱成形する
工程；を含めることにより実現できる。例えば、積層工
程前に穿孔工程を設けたなら、積層時に接着剤或いは熱
溶融させたフィルムなどで細孔が潰れてしまう、或いは
塞がれてしまう事があるが、上記の製造方法であれば、
その様なことも避けることができる。

【００１４】（請求項２、請求項７の手段）また、紙と
積層するフィルムにはポリエステルフィルムを挙げるこ
とができる。このポリエステルフィルムを用いれば、耐
熱性に優れるので容器の製造過程での加熱に対しても安
定性が得られる。さらに、ポリエステルフィルムは無毒
で対油性、対アルコール性が強いため食べ物を入れる焼
成用容器に適し、透明性にも優れるので積層の相手とな
る紙に模様などを印刷した際にこの模様を隠すこともな
いので好適である。

【００１５】（請求項３、請求項８の手段）また、ラミ
ネーション法は温度や湿度によっても積層の剥がれない
ものがよく、例えば、接着剤を用いるなら焼成時の加熱
に接着が剥がれることなく耐えられる必要がある。ま
た、熱成形によっても積層の維持できるものがよい。こ
れに対しては熱可塑性の接着樹脂による製造方法にて行
うことができる。この方法によれば熱圧ロールなどによ
るプレスで容易にシートが得られる。また、後述するレ
ーザー加工においては、接着樹脂がフィルムと同様に穿
孔可能であるため、この点でも製造が容易になる。さら
に、この様にしてできたシートを熱成形すると、接着剤
が熱可塑性なので出来上がった焼成用容器の保形性が向
上する。また、好適な条件においては接着剤が紙組織に
浸透するので、保形性がより向上する。

【００１６】（請求項４、請求項９の手段）特に、接着
樹脂にポリエチレンフィルムを用いて製造すれば、積
層、熱成形、保形性において優れた焼成用容器が、容易
で正確に製造できる。また、ポリエステルフィルムであ
ればパン、ケーキ等の焼成温度においても溶融して細孔
を潰すなどのこともないので通気性が維持できる。ま
た、ポリエステルであれば焼成時ににじみ出てパン、ケ
ーキ等に付着する様なこともない。

【００１７】（請求項５、請求項１０の手段）また、細
孔はレーザーにより穿孔することができ、しかもレーザ
ーであれば微小な面積に集光できるため、精密な微細加
工が可能である。特に細孔の周囲が平滑に形成されるの
で、容器内面に細孔によるザラザラ感の出てしまうこと
を抑える事ができる。仮に細孔を設けたことにより、容
器内面に加工キズのような微小な凹凸ができザラザラ感
が出てしまうと、この凹凸でパンが容器に付いてしまう
が、レーザーによればこの様な加工キズの凹凸が無いの
で、焼成の過程で膨らもうとするパン生地が底部や周壁
に付いて膨らみに支障が出たりする事もない。また、焼
き上がったパン、ケーキ等の容器離れが一層容易にな
る。また更に、レーザーによれば通気性のある紙には細
孔を穿孔せず、他方、フィルム面は接着剤ごと穿孔する
事ができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】図１は請求項１〜５記載の本願の
焼成用容器１であり、円形の底部２と、底部の周縁に立
設した周壁３とから成る。この焼成用容器１は、図２に
示す様に純白紙４とポリエステルフィルム５を積層した
シート６からなり、これを焼成用容器１の金型で熱成形
したものである。

【００１９】純白紙４には、坪量６５ｇ／ｍ²のものを
用いてある。純白紙４に必要な腰の強さが得られ、また
腰が強すぎることもなく成形に好適だからである。ポリ
エステルフィルム５には１２μｍ厚のものを用いてい
る。やはり腰の強さと、適度な保形性があるからであ
る。また、純白紙４とポリエステルフィルム５の間に
は、積層時に接着剤層として用いられたポリエチレンフ
ィルム７が１３μｍ厚に形成されている。パン、ケーキ
等の焼成時においても接着が維持でき、ポリエチレンフ
ィルム７自身に保形性があるからである。また、焼成用
容器１の内側をなすポリエステルフィルム５のフィルム
面には、純白紙４に到達する細孔８が約２５０〜３５０
μｍの径で穿孔されている。ただ、径はこれに限るもの
ではなく、好ましくは５０〜９００μｍ径の細孔である
のがよい。そして細孔８は約１．６〜１．７ｍｍ間隔の
格子状に配列させて多数穿孔されている。この様にして
成るシートは、透気度が５０００秒／１００ｃｃ以上で
あった。なお、ポリエステルフィルムは更に細かく材質
が分かれているが、その一例として、ポリエチレンテレ
フタレート・フィルムを挙げることができる。

【００２０】この様な、パン、ケーキ等の焼成用容器１
の製造は次の様に行う。まず、純白紙４とポリエチレン
フィルム７とポリエステルフィルム５を、図３に示す様
に配置された３つの原反ロール４ａ、７ａ、５ａからそ
れぞれ繰り出し、下から純白紙４、ポリエチレンフィル
ム７、ポリエステルフィルム５の順に重合させる。重合
させたら、上下２つの熱圧ロール１０の間を通過させて
押し出しラミネートさせ、シート６を形成する。このシ
ート６を後流位置の作業台１１に繰り出し、作業台１１
上方にて下向きに設置されたレーザー穿孔機１２の下を
通過させ、この時、シート上面になるポリエステルフィ
ルムのフィルム面にレーザーが照射される。この様にレ
ーザーが照射されることにより、微小面積の孔が「ポリ
エステルフィルムのフィルム面」から「ポリエチレンの
接着層」にかけて穿孔され、純白紙４に到達する細孔８
が形成される。最後に、このシート６を所定長さの平判
シート６ａに切り分けて、焼成用容器１の素材となるシ
ートの製造工程が終わる。

【００２１】次に、この平判シート６ａを焼成用容器１
の展開形状に裁断するのであり、この実施例においては
円形形状の抜シート６ｂに型抜きする。この抜シート６
ｂを、図４に示す様に純白紙４が下面となる様にして、
焼成用容器の雌型金型１３の上に載置する。載置した
ら、抜シート６ｂの上面から雄型金型１４を当て、抜シ
ート６ｂと共に雌型１３ａの中に押し込む。この時、金
型は加熱されており、よって抜シート６ｂは所望の焼成
用容器１に熱成形される。最後に、この金型から脱型す
れば、本願のパン、ケーキ等の焼成用容器１が完成す
る。

【００２２】以上の様にして得られたパン、ケーキ等の
焼成用容器１を用いれば、パン、ケーキ、菓子等を焼成
する時に、従来なら比較的火の通りが弱かった容器の周
壁３部分であっても目立って火の通りが良くなる。そし
て無論、底部２も良好に火が通るので、全体に良好な焼
き上がりとなる。

【００２３】この焼成用容器１にパン生地を入れて、実
際に天火にて焼成したところ、細孔を穿孔してない従来
の容器で焼成したパンと比較して、焼成時間が２割程度
短くなって早く焼き上げることができた。

【００２４】また、焼き上がったパンはふっくらとして
膨らみが大きく、触ってソフトで、見た目にも美味さを
感じさせる出来映えが得られた。また更に、膨らみが大
きいとイーストの臭いの発散が促進される利点もある。
現に、これを食すると、大変に味が良く、しかも、細孔
を通じて熱が中まで均一に通っているのでパンのどの部
分を食しても等しくおいしく、良い焼き上がりであっ
た。

【００２５】また、容器からパンを取り出す時は、容器
へのくっ付き感が殆どなく、良好な容器離れが得られ
た。従って、当然、容器にパンが付いたりせず、パン等
を取り出した後の容器は、好適なものでは未使用の容器
の様であり、パン屑で汚れた紙容器がテーブルに残る様
なことも無くなる。しかもパンが容器に付かないのであ
れば、従来の様にパンの一部が欠けて落ちる事もなく、
完全な形で取り出すことができ、見た目にも良好であ
る。

【００２６】なお、以上はパンを天火にて焼成した例で
あるが、無論、ケーキ、菓子などにおいても良好な焼き
上がりが得られている。また、蒸しパンなどの蒸しにお
いても良い結果が得られている。また、細孔の大きさや
形状は、焼成する対象に合わせて様々に変えることがで
き、例えば長円或いは切目的な孔であってもよい。ま
た、実施例では、細孔の配列、密度、大きさが均一であ
ったが、これらを変えて火の通りを所望の状態に変える
ことができる。

【００２７】

【発明の効果】以上、請求項１記載のパン、ケーキ等の
焼成用容器によれば、容器全体の通気性が向上し、よっ
て良好な焼き上がりが得られ、例えば、容器の周壁部分
の火の通りが改善されるなどして、パン、ケーキ等の全
体に火の通りが良くなる。その為、焼成時間も短時間と
なる。また、膨らみが大きく、よって容器の開口からの
盛り上がりが良く、さらに、ふっくらとして触るとソフ
トな感触の焼き上がりが可能となる。また、この様なふ
っくらとした焼き上がりは良好な味をもたらす。更にこ
の様な膨らみによってイーストの臭いも発散され易くな
り、また、蒸気の抜けや油の発散などが、パンの上方の
みでなく、容器に囲まれた部分からでも成されるので、
全体にまろやかで、旨みのある味わいが均一に得られ
た。

【００２８】また本願のパン、ケーキ等の焼成用容器
は、天火による焼成のみでなく、蒸しなどにも広く適し
ている。また、容器の底部に貫通孔の類がないので、水
気の多いパン生地であっても、或いは湿り気が多々く崩
れやすい菓子類であっても、この様な貫通孔の類から漏
れ落ちるといった不都合はない。

【００２９】また、パン、ケーキ等を容器から取り出し
或いは直接食する場合に、パン、ケーキ等の容器離れが
容易であり、食べやすく、残った容器も汚れず、あと片
付けが簡単である。

【００３０】請求項２記載のパン、ケーキ等の焼成用容
器によれば、請求項１にかかる効果の他、紙と積層する
フィルムにポリエステルフィルムを用いたので、耐熱性
及び保形性に優れ、さらに、無毒で対油性、対アルコー
ル性が強いため食べ物を入れる焼成用容器に適してい
る。また、透明性にも優れるので容器の内外を同じ色模
様に見せることができ、焼成後の提供用容器としても優
れる。

【００３１】請求項記３載のパン、ケーキ等の焼成用容
器によれば、請求項１及び２にかかる効果の他、シート
を熱成形すると、接着剤が熱可塑性でありこの接着剤自
身に保形性があるので、出来上がった焼成用容器の保形
性が向上する。

【００３２】特に、請求項４記載のパン、ケーキ等の焼
成用容器によれば、請求項３の効果の保形性が一層良好
に得られる。また、パン、ケーキ等の焼成温度において
も、溶融して細孔を潰すなどのこともないので通気性が
維持でき、また、にじみ出てパン、ケーキ等に付着する
様なこともない。

【００３３】請求項５記載のパン、ケーキ等の焼成用容
器によれば、請求項１〜４にかかる効果の他、レーザー
によれば細孔の穿孔が容易になり、また、細孔の周囲が
平滑に形成される。従って、容器の内側が平滑でないと
パン生地の膨らもうとする過程を妨げるが事となるが、
本願の焼成用容器は細孔の周囲が平滑なので、焼成時の
膨らんでゆく過程に連れてパン生地が底部や周壁の内側
を滑る様にしてズレる事ができ、特に周壁を上方にズレ
ることができるので、十分に膨らみ、また、膨らみにム
ラのでる事がない。また、この様に細孔の周囲が平滑で
あるため、焼き上がったパン、ケーキ等を容器から取り
出す時などは、より容易な容器離れが得られる。また、
レーザー加工によれば通気性のある紙には細孔が穿孔さ
れず、通気性のないフィルムや接着剤のみに細孔を穿孔
した容器が得られ、焼成用容器の品質も安定する。

【００３４】また、請求項６記載の焼成用容器の製造方
法によれば、積層工程後に細孔を穿孔するので、細孔が
潰れたり塞がれたりすることなく確実に形成される。し
かも、細孔を紙に到達する様に穿孔したので、紙とフィ
ルムの間に接着層その他所望の層を別途介在させても、
通気性を維持して細孔を穿孔することができる。

【００３５】請求項７記載のパン、ケーキ等の焼成用容
器の製造方法によれば、請求項６にかかる効果の他、紙
と積層するフィルムにポリエステルフィルムを用いたの
で、製造時には、熱加工に対する耐熱性と加工容易性が
得られる。

【００３６】請求項８記載のパン、ケーキ等の焼成用容
器の製造方法によれば、請求項６及び７にかかる効果の
他、容器製造時の温度や湿度によっても積層が剥がれ
ず、熱成形時にも積層が維持できる。

【００３７】特に、請求項９記載のパン、ケーキ等の焼
成用容器の製造方法によれば、請求項８にかかる効果で
ある、容器製造時の温度や湿度によっても積層の剥がれ
ず、熱成形時にも積層の維持できるという効果が、一層
良好に得られる。

【００３８】請求項１０記載のパン、ケーキ等の焼成用
容器の製造方法によれば、請求項６〜９にかかる効果の
他、レーザーで細孔を穿孔するので、精密な微細加工が
可能である。特に細孔の周囲を平滑に保つ事が可能であ
り、フィルム面に加工キズを付けることなく穿孔するこ
とができる。この様に加工キズがないと、焼成したパ
ン、ケーキ等が容器に付き難くなり容器離れが容易にな
るが、この様に容器離れの容易な容器の製造が可能にな
る。また、加工時には、細孔を穿孔しない紙と、紙以外
の穿孔するべきものとの区別分けが容易且つ正確に行え
る。効果例として、フィルム面を接着剤ごと穿孔する事
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本願発明の焼成用容器の斜視図である。

【図２】 図１の焼成用容器に用いるシートの断面図で
ある。

【図３】 図２のシートの製造工程の説明図である。

【図４】 シートから焼成用容器を熱成形する様子の説
明図である。

【符号の説明】

１ パン、ケーキ等の焼成用容器 ２ 底部 ３ 周壁 ４ 純白紙 ５ ポリエステルフィルム ６ シート ７ ポリエステルフィルム ８ 細孔 １０ 熱圧ロール １２ レーザー穿孔機 １３、１４ 金型

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも紙とフィルムとが積層された
   シート、で形成されたパン、ケーキ等の焼成用容器であ
   って、 この容器の内側をなすフィルム面には前記紙に到達する
   細孔が多数穿孔されたことを特徴とするパン、ケーキ等
   の焼成用容器。
2. 【請求項２】 前記フィルムがポリエステルフィルムで
   あることを特徴とする請求項１記載のパン、ケーキ等の
   焼成用容器。
3. 【請求項３】 前記シートは熱可塑性の接着樹脂で積層
   されたことを特徴とする請求項１又は２記載のパン、ケ
   ーキ等の焼成用容器。
4. 【請求項４】 前記接着樹脂がポリエチレンフィルムで
   あることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１に記載
   のパン、ケーキ等の焼成用容器。
5. 【請求項５】 前記細孔はレーザーにより穿孔されたこ
   とを特徴とする請求項１〜４のいずれか１に記載のパ
   ン、ケーキ等の焼成用容器。
6. 【請求項６】 少なくとも紙とフィルムとが積層された
   シート、で形成されたパン、ケーキ等の焼成用容器であ
   って、この容器の内側をなすフィルム面には前記紙に到
   達する細孔が多数穿孔されたパン、ケーキ等の焼成用容
   器の製造方法であって、以下の各工程を含むことを特徴
   とするパン、ケーキ等の焼成用容器の製造方法、 （１）前記紙と前記フィルムを積層して前記シートを形
   成する工程； （２）前記シートの前記フィルム面に、前記紙に到達す
   る前記細孔を多数穿孔する工程； （３）前記細孔を多数穿孔した前記シートを、前記フィ
   ルム面が容器内側となる様にして容器形状に熱成形する
   工程。
7. 【請求項７】 前記フィルムがポリエステルフィルムで
   あることを特徴とする請求項６記載のパン、ケーキ等の
   焼成用容器の製造方法。
8. 【請求項８】 前記シートは熱可塑性の接着樹脂で積層
   されたことを特徴とする請求項６又は７記載のパン、ケ
   ーキ等の焼成用容器の製造方法。
9. 【請求項９】 前記接着樹脂がポリエチレンフィルムで
   あることを特徴とする請求項６〜８のいずれか１に記載
   のパン、ケーキ等の焼成用容器の製造方法。
10. 【請求項１０】 前記細孔はレーザーにより穿孔された
    ことを特徴とする請求項６〜９のいずれか１に記載のパ
    ン、ケーキ等の焼成用容器の製造方法。