JPH1090608A - 顕微鏡装置 - Google Patents

顕微鏡装置

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JPH1090608A
JPH1090608A JP24635496A JP24635496A JPH1090608A JP H1090608 A JPH1090608 A JP H1090608A JP 24635496 A JP24635496 A JP 24635496A JP 24635496 A JP24635496 A JP 24635496A JP H1090608 A JPH1090608 A JP H1090608A
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JP
Japan
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irradiation
light
sample
optical system
light source
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Application number
JP24635496A
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English (en)
Inventor
Masahiko Hirano
雅彦 平野
Takayuki Suga
隆之 菅
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BUNSHI BIO PHOTONICS KENKYUSHO
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
Original Assignee
BUNSHI BIO PHOTONICS KENKYUSHO
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
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Filing date
Publication date
Application filed by BUNSHI BIO PHOTONICS KENKYUSHO, Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK filed Critical BUNSHI BIO PHOTONICS KENKYUSHO
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料上の互いに異なる複数の部位に照射光を
同時に集光照射することができる顕微鏡装置を提供す
る。 【解決手段】 照射用光源10から出力され分岐光学系
20により分岐されて出射した照射光AおよびBは、集
光レンズ31、ダイクロイックミラー35および41な
らびに対物レンズ42を経て、対物レンズ42の視野領
域内にある試料50の2点に同時に照射される。励起用
光源32から出力された励起光Cは、集光レンズ33お
よびバンドパスフィルタ34等を経て、試料50に照射
される。照明用光源45から出力された照明光Dは、集
光レンズ46により試料50に照射される。試料50か
ら発生した蛍光Eおよび透過光Fは、対物レンズ42、
ダイクロイックミラー41、バンドパスフィルタ44お
よび反射鏡61を経て、テレビカメラ62により撮像さ
れ、モニタ部64に表示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顕微鏡下で試料に
照射光を照射することにより、例えば、ケージド試薬の
分解、細胞破壊、光ピンセット、蛍光褪色回復などを行
う顕微鏡装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、顕微鏡下で、試料に照射光を
照射してその試料から発生する散乱光や蛍光を観察する
だけでなく、試料に照射光を照射することにより、ケー
ジド試薬を光分解したり、試料を破壊したり、光ピンセ
ットとして試料の一部を移動させたり、或いは、蛍光褪
色を回復したりすることが行われている。この従来の顕
微鏡では、試料である多数の細胞のうちの1つの細胞ま
たは1つの細胞内の局所などのようにμmレベルの領域
に照射光を照射しようとする場合には、試料観察に使用
する対物レンズを通して照射光を試料表面上に集光照射
している。ここで、照射光は1回の照射時間に試料上の
1点のみに照射される。
【0003】したがって、細胞内の互いに異なる部位そ
れぞれに照射光を照射したい場合や、生体組織内の互い
に異なる細胞それぞれに照射光を照射したい場合には、
照射光の照射毎に、光学系を調整したり、試料を移動し
たりすることが行われている。また、走査装置と組み合
わせて、照射光を順次に又はランダムに走査することも
行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術は、或る1時刻に試料上の1点のみに照射光を照
射するものであって、試料上の複数の部位に同時に照射
光を照射するものではない。すなわち、試料上の複数の
部位それぞれへ照射光を照射しようとする場合には、そ
の複数の部位それぞれに互いに異なる時刻に照射光を照
射することになる。したがって、例えば、ケージド試薬
を用いて異なる2つの細胞それぞれに存在する分子の量
を同時に増加させることはできず、互いに離れた2つの
細胞を同時に破壊することはできず、光ピンセットとし
て複数の部位を同時に移動させることはできず、また、
複数の部位の蛍光褪色を同時に回復することもできな
い。
【0005】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、試料上の互いに異なる複数の部位に照
射光を同時に集光照射することができる顕微鏡装置を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る顕微鏡装置
は、(1) 試料に照射すべき光束を出力する照射用光源
と、(2) 照射用光源から出力された光束を分岐して第1
の照射光および第2の照射光を出力する分岐光学系と、
(3) 第1および第2の照射光それぞれを入力し視野領域
内の試料上の2点それぞれに集光照射させる対物レンズ
と、(4) 対物レンズに入射した試料からの光像を検出す
る検出光学系と、を備えることを特徴とする。この顕微
鏡によれば、試料に照射すべき第1および第2の照射光
は、照射用光源から出力された光束が分岐光学系により
分岐されて出力され、対物レンズに入力し、その視野領
域内の試料上の2点それぞれに集光照射される。対物レ
ンズに入射した試料からの光像は、検出光学系により検
出される。
【0007】試料に照射すべき励起光を出力する励起用
光源と、励起光を試料に照射する励起光学系と、を更に
備え、検出光学系は、試料から発生した蛍光を検出する
こととしてもよい。この場合には、励起用光源から出力
された励起光は、励起光学系を経て、第1および第2の
照射光が照射された試料に照射され、これに伴って試料
から発生した蛍光は、検出光学系により検出される。
【0008】試料に照射すべき照明光を出力する照明用
光源と、照明光を試料に照射する照明光学系と、を更に
備え、検出光学系は、照明光が試料に照射されて発生し
た透過光または散乱光を検出することとしてもよい。こ
の場合には、照明用光源から出力された照明光は、照明
光学系を経て、第1および第2の照射光が照射された試
料に照射され、これに伴って試料から発生した透過光ま
たは反射光は、検出光学系により検出される。
【0009】試料上の第1の照射光の照射位置を調整す
る第1の照射位置調整手段を更に備えてもよいし、これ
に加えて、試料上の第2の照射光の照射位置を調整する
第2の照射位置調整手段を更に備えてもよい。この場合
には、試料上の第1および第2の照射光それぞれの照射
位置が第1および第2の照射位置調整手段それぞれによ
り調整されるので、第1および第2の照射光それぞれを
試料上の所望の位置に照射することができる。
【0010】試料に照射される第1の照射光の強度を調
整する第1の照射強度調整手段を更に備えてもよいし、
これに加えて、試料に照射される第2の照射光の強度を
調整する第2の照射強度調整手段を更に備えてもよい。
この場合には、試料に照射される第1および第2の照射
光それぞれの強度が第1および第2の照射強度調整手段
それぞれにより調整されるので、第1および第2の照射
光それぞれを試料に所望の強度で照射することができ
る。
【0011】第1の照射光の通過および遮断の制御を行
う第1の照射制御手段を更に備えてもよいし、これに加
えて、第2の照射光の通過および遮断の制御を行う第2
の照射制御手段を更に備えてもよい。この場合には、第
1および第2の照射光それぞれの通過および遮断が第1
および第2の照射制御手段それぞれにより制御されるの
で、第1および第2の照射光それぞれを必要な時だけ試
料に照射することができる。
【0012】第1および第2の照射光の双方または何れ
か一方の強度を測定する照射強度測定手段を更に備えて
もよい。この場合には、試料に照射される第1および第
2の照射光それぞれの強度が照射強度測定手段により測
定され監視される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。図1は、本発明に係る顕微鏡装置の構成図であ
る。
【0014】照射用光源10は、試料50に照射すべき
照射光を出射するものであり、例えば、Arイオンレー
ザ光源やNd:YAGレーザ光源などのレーザ光源が好
適に用いられる。分岐光学系20は、この照射用光源1
0から出射された照射光を入力し、照射光Aおよび照射
光Bに2分岐する。なお、この分岐光学系20の具体的
な構成については後述する。分岐光学系20から出射さ
れた照射光AおよびBは、集光レンズ31を経て顕微鏡
本体に入射して、ダイクロイックミラー35を透過し、
ダイクロイックミラー41により反射され、対物レンズ
42に入射する。この対物レンズ42は、試料ステージ
43に置かれた試料50の視野領域内の2点それぞれ
に、照射光AおよびBそれぞれを集光照射する。
【0015】対物レンズ42の視野領域内の試料50の
2点に同時照射された照射光AおよびBそれぞれは、そ
の2点のケージド試薬を同時に光分解したり、試料中の
2点を破壊したり、光ピンセットとして試料の2点を同
時に移動させたり、或いは、蛍光褪色を2点同時に回復
したりするものである。また、照射光AおよびBそれぞ
れは、目的に応じてパルス光でも連続光でもよい。
【0016】一方、励起用光源32は、試料50に含ま
れる蛍光物質を励起するための励起光Cを出射するもの
であり、レーザ光源、キセノンランプ、水銀ランプなど
が好適に用いられる。この励起用光源32から出射され
た励起光Cは、励起光学系を経て試料50に照射され
る。すなわち、励起光Cは、集光レンズ33により集光
され、バンドパスフィルタ34により励起波長成分のみ
が透過され、その後、顕微鏡に入射して、ダイクロイッ
クミラー35により反射され、ダイクロイックミラー4
1により反射され、対物レンズ42に入射する。そし
て、対物レンズ42は、試料ステージ43に置かれた試
料50の視野領域に励起光Cを集光照射し、試料50に
含まれる蛍光物質を励起して蛍光Eを発生させる。ま
た、照明用光源45は、試料50に照射すべき照明光D
を出射するものであり、集光レンズ(照明光学系)46
は、この照明光Dを試料50に集光照射する。
【0017】励起光Cが試料50に照射されて発生した
蛍光E、および、照明光Dが試料50に照射されて透過
した透過光Fそれぞれは、検出光学系により検出され
る。すなわち、蛍光Eおよび透過光Fそれぞれは、対物
レンズ42に入力し、ダイクロイックミラー41を透過
し、バンドパスフィルタ44により所定波長成分のみが
透過され、反射鏡61により反射され、テレビカメラ6
2の撮像面上に結像されて、テレビカメラ62により撮
像される。テレビカメラ62により撮像された蛍光Eま
たは透過光Fの像は、画像処理部63を経てモニタ部6
4に表示され、また、画像処理部63により画像処理
(例えば、蛍光Eの強度分布の疑似カラー化、透過光F
の光像の輪郭強調)された後にモニタ部64に表示さ
れ、さらに、データ解析部65により種々の解析(例え
ば、試料50上の或点で発生した蛍光Eの強度の時間変
化の算出)がなされる。
【0018】以上のように、ダイクロイックミラー35
は、照射光AおよびBを透過させ、励起光Cを反射させ
るものである。ダイクロイックミラー41は、照射光A
およびBならびに励起光Cを反射させ、蛍光Eおよび透
過光Fを透過させるものである。また、対物レンズ42
は、照射光AおよびBそれぞれを試料50の視野領域内
の2点それぞれに集光照射し、励起光Cを試料50の視
野領域に集光照射し、試料50の視野領域から発生した
蛍光Eおよび透過光Fそれぞれを入力してテレビカメラ
62へと導くものである。
【0019】この顕微鏡装置によれば、照射用光源10
から出射され分岐光学系20を経た照射光AおよびB、
励起用光源32から出射された励起光C、ならびに、照
明用光源45から出射された照明光Dそれぞれが試料5
0に照射され、また、試料50から発生した蛍光Eおよ
び透過光Fそれぞれが検出光学系を経てテレビカメラ6
2により撮像されモニタ部64により表示される。
【0020】したがって、例えば、励起用光源32から
励起光Cを出射しないで、照明用光源45から出射され
た照明光Dを試料50に照射するとともに、照射用光源
10から出射され分岐光学系20により分岐された照射
光AおよびBそれぞれを試料50上の2点それぞれに照
射すれば、モニタ部64の表示により、試料50からの
透過光Fにより試料50を観察しながら、照射光Aおよ
びBそれぞれの試料50上の照射位置を確認し調整する
ことができる。
【0021】また、照射用光源10から照射光Aおよび
Bを出射しないで、照明用光源45から出射された照明
光Dを試料50に照射するとともに、励起用光源32か
ら出射された励起光Cを試料50に照射すれば、モニタ
部64の表示により、試料50からの透過光Fにより試
料50を観察しながら、その試料50における蛍光Eの
発生位置を確認することができる。それ故、試料50が
生体試料のように観察中に運動する場合であっても、試
料50における蛍光Eの発生位置や強度分布を正確に確
認することが可能である。
【0022】次に、本発明に係る顕微鏡装置の分岐光学
系20の好適な1例について説明する。図2は、分岐光
学系の1例の構成図である。
【0023】照射用光源10から出射された照射光は、
分岐光学系20に入射して、先ず、ハーフミラー21に
より2分岐される。2分岐された一方の照射光Aは、反
射光22Aにより反射され、シャッタ23Aを経て、減
光フィルタ24Aを所定の透過率で透過し、ハーフミラ
ー26に入射する。また、他方の照射光Bは、反射光2
2Bにより反射され、シャッタ23Bを経て、減光フィ
ルタ24Bを所定の透過率で透過し、ハーフミラー26
に入射する。そして、ハーフミラー26に入射した照射
光AおよびBそれぞれは、一部が反射され、残部が透過
する。ハーフミラー26で透過した照射光Aおよび反射
した照射光Bそれぞれは、分岐光学系20から出射さ
れ、集光レンズ31に入射し、さらに顕微鏡本体に入射
する。
【0024】ここで、反射鏡(照射位置調整手段)22
Aおよび22Bそれぞれは、その傾きを可変に設定する
ことが可能であって、その傾きに応じて、照射光Aおよ
びBそれぞれが試料50上に照射される位置を調整する
ことができる。シャッタ(照射制御手段)23Aおよび
23Bそれぞれは、それが開いているときには照射光A
およびBそれぞれを通過させて試料50上に照射し、閉
じているときには照射光AおよびBそれぞれを遮断し試
料50上に照射させない。これらシャッタ23Aおよび
23Bは、同一タイミングに開閉すれば照射光Aおよび
Bを同時刻に試料50上に照射することができ、また、
必要に応じて、互いに所要時間だけずらして開閉すれば
照射光AおよびBを該所要時間だけずらして試料50上
に照射することができる。また、減光フィルタ(照射強
度調整手段)24Aおよび24Bそれぞれは、照射光A
およびBそれぞれの試料50上に照射される強度を調整
するものである。
【0025】また、ハーフミラー26で反射した照射光
Aおよび透過した照射光Bそれぞれは、分岐光学系20
から出射され、フォトメータ(照射強度測定手段)28
に入射して光量が測定され、その測定値から、試料50
に照射された照射光Aおよび照射光Bそれぞれの強度を
求めることができる。
【0026】次に、本発明に係る顕微鏡装置の分岐光学
系20の好適な他の例について説明する。図3は、分岐
光学系の他の例の構成図である。
【0027】照射用光源10から出射された照射光は、
分岐光学系20に入射して、先ず、1/2波長板29に
より偏光面が回転され、ハーフミラー21により2分岐
される。2分岐された一方の照射光Aは、反射光22A
により反射され、シャッタ23Aを経て、1/2波長板
25Aにより偏光面が回転され、偏光ビームスプリッタ
27に入射する。また、他方の照射光Bは、反射光22
Bにより反射され、シャッタ23Bを経て、1/2波長
板25Bにより偏光面が回転され、偏光ビームスプリッ
タ27に入射する。
【0028】この偏光ビームスプリッタ27は、入射し
た光の偏光方位に応じて光を反射または透過するもので
あり、例えば、誘電体偏光膜を使用したものや、結晶を
使用したグランレーザプリズムなどが用いられる。した
がって、偏光ビームスプリッタ27に入射した照射光A
およびBそれぞれは、一部が反射され、残部が透過す
る。すなわち、偏光ビームスプリッタ27で透過した照
射光Aの第1の偏光成分および反射した照射光Bの第2
の偏光成分それぞれは、分岐光学系20から出射され、
集光レンズ31に入射し、さらに顕微鏡本体に入射す
る。なお、第1および第2の偏光成分とは、一方がp偏
光成分を、他方がs偏光成分を表している。
【0029】ここで、反射鏡(照射位置調整手段)22
Aおよび22Bならびにシャッタ(照射制御手段)23
Aおよび23Bそれぞれは、図2で説明したものと同様
のものである。また、1/2波長板(照射強度調整手
段)25Aおよび25Bそれぞれは、図1の減光フィル
タ24Aおよび24Bそれぞれと同様に、照射光Aおよ
びBそれぞれの試料50上に照射される強度を調整する
ものである。すなわち、1/2波長板25Aから出射さ
れる照射光Aの偏光状態に応じて、偏光ビームスプリッ
タ27で透過する割合が異なり、また、1/2波長板2
5Bから出射される照射光Bの偏光状態に応じて、偏光
ビームスプリッタ27で反射される割合が異なる。この
ように、1/2波長板25Aおよび25Bそれぞれを用
いて試料50に照射される照射光AおよびBそれぞれの
強度を調整する場合には、偏光ビームスプリッタ27に
おける照射光AおよびBそれぞれの損失を抑えることが
可能で、照射光AおよびBそれぞれを試料50に効率よ
く照射することができる。
【0030】また、偏光ビームスプリッタ27で反射し
た照射光Aの第2の偏光成分および透過した照射光Bの
第1の偏光成分それぞれは、分岐光学系20から出射さ
れ、フォトメータ(照射強度測定手段)28に入射して
光量が測定され、その測定値から、試料50に照射され
た照射光Aおよび照射光Bそれぞれの強度を求めること
ができる。
【0031】次に、本発明に係る顕微鏡装置を用いた実
験例について説明する。ここでは、照射光AおよびBそ
れぞれは、ケージド試薬を光分解する分解光として作用
している。
【0032】実験系および実験条件は以下のとおりであ
る。照射用光源10として、Arイオンレーザ光源(波
長351nm、連続発振、電磁シャッタ1/16秒)、
または、Nd:YAGレーザ光源(波長355nm、パ
ルス発振、パルス幅5n秒)を用いた。分岐光学系20
として図2に示す構成のものを採用し、照射用光源10
から出射された光束を分岐光学系20により分岐して照
射光AおよびBとした。対物レンズ42は倍率100倍
のものを用いた。試料50は培養細胞(NG108-15)であ
り、この試料50に、照射光AおよびBそれぞれの照射
に伴って光分解して Ca2+ イオンを放出するケージド試
薬 caged Ca2+ (o-nitrophenyl-EGTA/AM) を導入し、ま
た、 Ca2+ イオンを検出するための蛍光試薬として flu
o-3/AMを導入した。
【0033】試料50上に照射された照射光AおよびB
それぞれのスポットを、対物レンズ42等からなる検出
光学系を経てテレビカメラ62で撮像しモニタ部64で
観察したところ、照射光AおよびBそれぞれの照射径は
約1μmであった。また、反射鏡22Aおよび22Bそ
れぞれの傾きを調整することにより、照射光AおよびB
それぞれの試料50上の照射位置を調整することができ
ることが確認できた。
【0034】互いに異なる2つの細胞それぞれに照射光
AおよびBそれぞれを同時照射した後、励起用光源32
から出射された励起光Cを試料50に照射して、蛍光試
薬から発生した蛍光Eを対物レンズ42等からなる検出
光学系を経てテレビカメラ62で撮像しモニタ部64で
観察したところ、照射光AおよびBそれぞれが照射され
た2つの細胞それぞれではケージド試薬が光分解されて
Ca2+ が増加しているが、それら以外の細胞では Ca2+
が増加していないことが確認できた。また、その後も細
胞に励起光Cを照射し蛍光Eを観察し続けたところ、照
射光AおよびBそれぞれが照射された2つの細胞からの
蛍光Eの強度は次第に減少し、それら以外の細胞からの
蛍光Eは僅かに増加した。これは、照射光AおよびBの
照射により2つの細胞で増加した Ca2+ が、それら以外
の細胞へ拡散していったものと考えられる。
【0035】また、単一の細胞内の2点それぞれに照射
光AおよびBそれぞれを同時照射した後、励起用光源3
2から出射された励起光Cを試料50に照射して、蛍光
試薬から発生した蛍光Eを対物レンズ42等からなる検
出光学系を経てテレビカメラ62で撮像しモニタ部64
で観察したところ、照射光AおよびBそれぞれが照射さ
れた細胞内の2点それぞれではケージド試薬が光分解さ
れて Ca2+ が増加しているが、それら以外の領域では C
a2+ が増加していないことが確認できた。また、その後
も細胞に励起光Cを照射し蛍光Eを観察し続けたとこ
ろ、照射光AおよびBそれぞれが照射された細胞内の2
点からの蛍光Eの強度は次第に減少し、その周辺では蛍
光強度が次第に強くなり、やがて、細胞からの蛍光Eの
発生は均一化していく傾向が認められた。これは、照射
光AおよびBの照射により局所的に増加した Ca2+ がそ
の細胞内に拡散していくことに因るものと考えられる。
【0036】さらに、照明用光源45からの照明光Dを
試料50に照射し、その透過光Fの光像をテレビカメラ
62により撮像しモニタ部64に表示させることで、細
胞の形状を確認するとともに、その細胞中における蛍光
発生位置を確認することができた。
【0037】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく種々の変形と適用が可能である。例えば、図1
に示す実施形態では、照明光Dを試料50に照射して試
料50からの透過光Fを観察する透過型の顕微鏡であっ
たが、試料50からの反射光を観察する反射型の顕微鏡
でもよい。
【0038】また、上記の実験例では、照射光Aおよび
Bは、試料50に導入されたケージド試薬を光分解する
分解光として用いられたが、試料中を破壊したり、光ピ
ンセットとして試料の一部を移動させたり、或いは、蛍
光褪色を回復したりする場合にも、本発明に係る顕微鏡
装置は有効である。なお、照射光AおよびBは、目的に
応じて、その波長や強度、連続出力かパルス出力かが最
適に設定される。
【0039】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり本発明によ
れば、試料に照射すべき第1および第2の照射光は、照
射用光源から出力された光束が分岐光学系により分岐さ
れて出力され、対物レンズに入力し、その視野領域内の
試料上の2点それぞれに集光照射され、一方、対物レン
ズに入射した試料からの光像は、検出光学系により検出
される。このような構成としたので、対物レンズの視野
内の2点に照射光を同時に照射することができるので、
その2点に同時に光刺激を与え、その後の反応を解析す
ることが可能となる。
【0040】また、励起用光源から出力された励起光
は、励起光学系を経て、第1および第2の照射光が照射
された試料に照射され、これに伴って試料から発生した
蛍光は、検出光学系により検出される。このような構成
としたので、第1および第2の照射光が照射された試料
上の位置およびその周辺の領域から発生した蛍光を検出
することができる。
【0041】また、照明用光源から出力された照明光
は、照明光学系を経て、第1および第2の照射光が照射
された試料に照射され、これに伴って試料から発生した
透過光または反射光は、検出光学系により検出される。
このような構成としたので、透過光像により試料を観察
しながら、その試料中の所望位置に第1および第2の照
射光を照射することができ、また、その試料中の蛍光発
生分布を解析することができる。
【0042】したがって、例えば、神経細胞のようにネ
ットワークを構成している細胞群にケージド試薬を導入
し、そのうちの2つの細胞に照射光を同時照射すること
で同時に活性化させ、細胞群内の他の細胞の反応を検出
することができ、そして、このような2つの細胞を同時
に活性化した場合と1つの細胞のみを活性化した場合と
で反応の差異を解析することが可能となる。一般に、生
体内の細胞の活性の制御は、複数の細胞の活動が互いに
影響しあって行われている場合が多く、このように複数
の細胞の間の情報伝達等に関する解析に本発明は有効で
ある。
【0043】また、対物レンズの倍率に依っては、細胞
の大きさよりも照射光の光束径を細くすることができる
ので、1つの細胞内の互いに異なる2点それぞれに同時
に照射光を照射し光刺激を行うことができる。例えば、
1つの細胞内での分子の配置や移動経路あるいは活性状
態が空間的に異なることで、細胞としての機能の発現の
程度や方向性(例えば、突起を伸ばす方向、情報分子を
放出する方向)が決定されると考えられているが、本発
明によれば、ケージド試薬が導入された細胞内の異なる
2点(例えば、細胞膜付近と核内)に同時に照射光を照
射して活性化することで、その細胞の機能を解析するこ
とができる。
【0044】さらに、本発明によれば、試料上の第1お
よび第2の照射光それぞれの照射位置が第1および第2
の照射位置調整手段それぞれにより調整されるので、第
1および第2の照射光それぞれを試料上の所望の位置に
照射することができる。また、試料に照射される第1お
よび第2の照射光それぞれの強度が第1および第2の照
射強度調整手段それぞれにより調整されるので、第1お
よび第2の照射光それぞれを試料に所望の強度で照射す
ることができる。また、第1および第2の照射光それぞ
れの通過および遮断が第1および第2の照射制御手段そ
れぞれにより制御されるので、第1および第2の照射光
それぞれを必要な時だけ試料に照射することがでる。ま
た、試料に照射される第1および第2の照射光それぞれ
の強度が照射強度測定手段により測定され監視される。
このような構成とすることで、第1および第2の照射光
それぞれを、試料上の任意の2点に、任意の強度で、任
意の時刻に照射することができるので、本発明に係る顕
微鏡装置は、上述した細胞の諸機能の解明に極めて有効
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る顕微鏡装置の構成図である。
【図2】分岐光学系の1例の構成図である。
【図3】分岐光学系の他の例の構成図である。
【符号の説明】
10…照射用光源、20…分岐光学系、21…ハーフミ
ラー、22A,22B…反射鏡、23A,23B…シャ
ッタ、24A,24B…減光フィルタ、25A,25B
…1/2波長板、26…ハーフミラー、27…偏光ビー
ムスプリッタ、28…フォトメータ、29…1/2波長
板、31…集光レンズ、32…励起用光源、33…集光
レンズ、34…バンドパスフィルタ、35…ダイクロイ
ックミラー、41…ダイクロイックミラー、42…対物
レンズ、43…試料ステージ、44…バンドパスフィル
タ、45…透過用光源、46…集光レンズ、50…試
料、61…反射鏡、62…テレビカメラ、63…画像処
理部、64…モニタ部、65…データ解析部、A,B…
照射光、C…励起光、D…照明光、E…蛍光、F…透過
光。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に照射すべき光束を出力する照射用
    光源と、 前記照射用光源から出力された光束を分岐して第1の照
    射光および第2の照射光を出力する分岐光学系と、 前記第1および前記第2の照射光それぞれを入力し視野
    領域内の前記試料上の2点それぞれに集光照射させる対
    物レンズと、 前記対物レンズに入射した前記試料からの光像を検出す
    る検出光学系と、 を備えることを特徴とする顕微鏡装置。
  2. 【請求項2】 試料に照射すべき励起光を出力する励起
    用光源と、前記励起光を前記試料に照射する励起光学系
    と、を更に備え、 前記検出光学系は、前記試料から発生した蛍光を検出す
    る、 ことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡装置。
  3. 【請求項3】 試料に照射すべき照明光を出力する照明
    用光源と、前記照明光を前記試料に照射する照明光学系
    と、を更に備え、 前記検出光学系は、前記照明光が前記試料に照射されて
    発生した透過光または散乱光を検出する、 ことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡装置。
  4. 【請求項4】 前記試料上の前記第1の照射光の照射位
    置を調整する第1の照射位置調整手段を更に備える、こ
    とを特徴とする請求項1記載の顕微鏡装置。
  5. 【請求項5】 前記試料上の前記第2の照射光の照射位
    置を調整する第2の照射位置調整手段を更に備える、こ
    とを特徴とする請求項4記載の顕微鏡装置。
  6. 【請求項6】 前記試料に照射される前記第1の照射光
    の強度を調整する第1の照射強度調整手段を更に備え
    る、ことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡装置。
  7. 【請求項7】 前記試料に照射される前記第2の照射光
    の強度を調整する第2の照射強度調整手段を更に備え
    る、ことを特徴とする請求項6記載の顕微鏡装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の照射光の通過および遮断の制
    御を行う第1の照射制御手段を更に備える、ことを特徴
    とする請求項1記載の顕微鏡装置。
  9. 【請求項9】 前記第2の照射光の通過および遮断の制
    御を行う第2の照射制御手段を更に備える、ことを特徴
    とする請求項8記載の顕微鏡装置。
  10. 【請求項10】 前記第1および前記第2の照射光の双
    方または何れか一方の強度を測定する照射強度測定手段
    を更に備える、ことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡
    装置。
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