JPH1086801A - 制動力配分システム - Google Patents

制動力配分システム

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JPH1086801A
JPH1086801A JP24837796A JP24837796A JPH1086801A JP H1086801 A JPH1086801 A JP H1086801A JP 24837796 A JP24837796 A JP 24837796A JP 24837796 A JP24837796 A JP 24837796A JP H1086801 A JPH1086801 A JP H1086801A
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JP
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pressure
control
hydraulic pressure
braking force
hydraulic
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JP24837796A
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Inventor
Hirotaka Oikawa
浩隆 及川
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液圧回路の複雑化、コストアップを招くこと
なく、制動力を理想配分にて制御する。 【解決手段】 マスターシリンダの液圧を検出するセン
サを設ける。センサからの検出結果に基づいて、外部液
圧供給源からホイールシリンダへ供給される制御液圧
を、液圧制御弁によって制御する制御装置ECUを設け
る。制動力を理想配分に近づけるための目標ホイールシ
リンダ圧を、マスターシリンダ圧の昇圧速度に応じて可
変させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両用
ブレーキの液圧を制御する制動力配分システムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ブレーキ液圧制御装置として、外
部液圧供給源を有するものが知られている。この外部液
圧供給源を備えたブレーキ液圧制御装置とは、ブレーキ
ペダルを踏み込んだ際に、マスターシリンダ圧を検出
し、その検出結果から、マスターシリンダ圧に応じて外
部液圧供給源から各車輪のホイールシリンダへ液圧を供
給するものであり、この種のブレーキ液圧制御装置とし
ては、各車輪のホイールシリンダへの外部液圧供給源か
らの液圧をそれぞれ制御することにより、車輪のロック
を防止するアンチロックブレーキシステムが組み込まれ
ているものが知られている。
【0003】ところで、ブレーキをかけた際、車両は前
輪側にかかる荷重が増加し、一方後輪側にかかる荷重が
減少し、後輪が先行してロックする傾向がある。このた
め、上記ブレーキ液圧制御装置において、プロポーショ
ニングバルブを設けた制動力配分制御機能を付加したシ
ステムが開発されている。このプロポーショニングバル
ブは、入力側の液圧が一定値を超えた時に、入力側の液
圧上昇に対して出力側の液圧上昇を予め設定された所定
の割合で抑えるように作動するもので、これをマスタシ
リンダと後輪側のホイールシリンダとを結ぶ液圧回路に
介装することにより、前・後輪の制動力の配分を理想配
分に近づけることができ、後輪先行ロックが防止される
ようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なブレーキ液圧制御装置において、制動力配分制御機能
を付加すべく、プロポーショニングバルブを設けると、
液圧回路の複雑化を招いてしまい、コストがアップして
しまうという問題があった。
【0005】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、ブレーキ液圧制御装置の液圧回路の複雑化を招くこ
となく、低コストにて車輪の制動力を理想配分に制御す
ることが可能な制動力配分システムを提供することを目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の制動力配分システムは、ブレーキペ
ダルの操作によって液圧を発生するマスターシリンダ
と、このマスターシリンダ圧を検出するセンサとを有
し、該センサからの検出信号に応じてホイールシリンダ
へ外部液圧供給源からの制御液圧を作用させるブレーキ
液圧制御装置において、マスターシリンダ圧の昇圧速度
に応じて後輪のホイールシリンダ圧を、前記目標ホイー
ルシリンダ圧へ次第に近づけるべく外部液圧供給源の制
御液圧を制御するコントローラが設けられていることを
特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の制動力配分システ
ムが備えられたブレーキ液圧制御装置の実施の形態を図
によって説明する。図1において、符号1はブレーキペ
ダルであって、このブレーキペダル1の踏み込みによっ
てマスターシリンダ2が液圧を発生するようになってい
る。また符号3は液圧によって制動力を発生するホイー
ルシリンダ、符号4は外部液圧供給源、符号5は前記マ
スターシリンダ2の出力に基づいて前記外部液圧供給源
4からホイールシリンダ3に作用する圧力を調整する液
圧制御弁である。
【0008】前記マスターシリンダ2の出力側の管路に
は、切り換え弁6を介してアキュームレータ7が接続さ
れ、また、フェイルセーフ弁としての切り換え弁8を介
して前記ホイールシリンダ3が接続されている。なお、
符号9、10は液圧を測定するセンサであって、これら
の出力はそれぞれ制御装置ECU30へ供給されるよう
になっている。この制御装置ECU30は、前記センサ
9によって検出された圧力によって、前記液圧制御弁5
を操作するコイル(後に説明する)の駆動電流を制御す
る。
【0009】前記外部液圧供給源4の内部構成を説明す
る。符号4aは液圧ポンプであって、この液圧ポンプ4
aはモータ4cによって駆動されて液圧を発生するよう
になっている。前記液圧ポンプ4aの出力側にはアキュ
ームレータ4bが接続され、発生した高い液圧を蓄える
ようになっている。また液圧ポンプ4aは、リザーバ4
dから吸い上げた液を加圧して液圧制御弁5に供給する
ようになっている。また、符号4Eは、アキュームレー
タ4b内の圧力を検出する圧力センサであり、この圧力
センサ4Eからの検出結果に基づいて、制御装置ECU
30がアキュームレータ4bの圧力が所定値以下となっ
た際に、前記モータ4cを駆動させて液圧ポンプ4aに
よって加圧を行なわせるようになっている。また、符号
4Fは、アキュームレータ4bにおける過剰な液圧をリ
ザーバ4dへ逃がすリリーフ弁である。
【0010】次に、前記液圧制御弁5の構造を説明す
る。符号11はボディーであって、このボディー11の
内部にはバルブ穴12が設けられ、このバルブ穴12に
連通する液圧供給ポート13、ドレーンポート14、出
力ポート15がそれぞれ設けられ図示の位置でバルブ穴
12内に開口している。すなわち前記液圧供給ポート1
3は外部液圧供給源4に接続され、前記ドレーンポート
14はバルブ穴12の両端を互いに連通するとともにリ
ザーバ4dに接続されて大気開放され、前記出力ポート
15はフェイルセーフ弁8を介してホイールシリンダ3
に接続されている。
【0011】前記バルブ穴12には、スプール16が摺
動自在に収容されている。このスプール16は、中央部
が縮径されていて、前記液圧供給ポート13と出力ポー
ト15を連通させるための環状連通溝16aとなってい
る。この環状連通溝16aが設けられていることによ
り、前記液圧供給ポート13とスプール16との間に可
変絞りsが形成され、また、前記ドレーンポート14と
スプール16との間に可変絞りtが形成されている。し
たがってスプール16が図中左方向へ移動することによ
って前記可変絞りsが開くとともに可変絞りtが閉じて
出力ポート15の圧力が増加し、スプール16が図中右
方向へ移動することによって逆に圧力が減少する。
【0012】前記出力ポート15の出力は、前記ホイー
ルシリンダ3へ向かう管路から分岐した管路17を介し
て、液圧制御弁5の一端の反力室18に接続され、この
反力室18内には反力発生手段19が設けられている。
この反力発生手段19は、バルブ穴12の端部にはめ込
まれており、中央に設けられた貫通孔には、前記スプー
ル16の端部の中心から突出するピン20が摺動自在に
挿入されている。さらに、前記反力発生手段19とスプ
ール16との間には、スプール16へ図中右方へ弾性力
を与える手段としての圧縮ばね21が介在させられてい
る。
【0013】また前記圧力制御弁5の他端には、制御力
発生手段22が設けられている。この制御力発生手段2
2は、前記バルブ穴12と同軸状にかつ軸方向に移動可
能に設けられた可動子23と、この可動子23に軸方向
への推進力を与えるべく設けられたコイル24およびヨ
ーク25と、前記可動子23とヨーク25との間に介在
して図中左方へ弾性力を与える圧縮ばね26とから構成
されている。
【0014】なお、符号27は前記出力ポート15の圧
力をフェイルセーフ弁8に与えることによって出力ポー
ト15をホイールシリンダ3へ連通させるべく操作する
管路、符号28は前記出力ポートの圧力を切換え弁6に
与えることによってマスターシリンダ2をアキュームレ
ータ7へ連通させるべく操作する管路である。
【0015】そして、前記外部液圧供給源4のアキュー
ムレータ4bと上記構造の液圧制御弁5の液圧供給ポー
ト13との間の管路には、制御装置ECU30からの信
号によって開閉駆動される液圧通路開閉弁29が設けら
れている。即ち、この液圧通路開閉弁29によって、外
部液圧供給源4から液圧制御弁5への液圧の供給路が開
閉されるようになっている。また、液圧制御弁5の出力
ポート15と前記切り換え弁8との間には、液圧増幅装
置31が設けられている。
【0016】この液圧増幅装置31は、径の異なる二つ
のシリンダ部41a、41bが形成されたシリンダ本体
41と、大径プランジャ部34aと小径プランジャ部3
4bとを有する凸状に形成され、大径プランジャ部34
aが大径シリンダ部41aに、小径プランジャ部34b
が小径シリンダ部41bに、それぞれ摺動可能に配設さ
れたプランジャ本体34とから構成されている。そし
て、この大径シリンダ部41aと大径プランジャ部34
aとによって区画されたスペースが入力側液圧室33と
され、小径シリンダ部41bと小径プランジャ部34b
とによって区画されたスペースが出力側液圧室35とさ
れている。そして、入力側液圧室33には、流路32を
介して液圧制御弁5の出力ポート15が接続され、出力
側液圧室35には、流路36を介して切り換え弁8が接
続されている。
【0017】また、出力側液圧室35には、圧縮スプリ
ングが配設されており、この圧縮スプリングによってプ
ランジャ本体34が大径シリンダ部41a側へ付勢され
ている。
【0018】そして、この液圧増幅装置31の前記入力
側液圧室33に液圧制御弁5を介して外部液圧供給源4
から加圧されたブレーキ液が供給され、その液圧によっ
てプランジャ本体34が図中矢印イ方向へ、圧縮スプリ
ングの付勢力に反して押圧されて摺動される。これによ
り、出力側液圧室35が小径プランジャ部34bによっ
て圧縮され、内部のブレーキ液が、流路36を介して切
り換え弁8へ加圧されて送り出されるようになってい
る。
【0019】ここで、出力側液圧室35から流路36を
介して送り出されるブレーキ液の液圧は、それぞれのプ
ランジャ部34a、34bの面積の比率だけ増加され
る。つまり、入力側液圧室33における液圧Pinと出力
側液圧室35の液圧Poutとの関係は、入力側液圧室3
3の大径プランジャ部34aの受圧面積をAinとし、出
力側液圧室35の小径プランジャ34bの受圧面積をA
outとすると次式にて表すことができる。
【0020】Pout=Ain/Aout・Pin
【0021】即ち、大径プランジャ34a及び小径プラ
ンジャ34bのそれぞれの受圧面積の比率分だけブレー
キ液が加圧されることとなる。
【0022】次いで、上記構成のブレーキ液圧制御装置
の作用を説明する。ブレーキペダル1を踏み込むと、マ
スターシリンダ2から液が押し出され、この圧力がセン
サ9に検出される。そして、制御装置ECU30は、セ
ンサ9によってブレーキ液がマスターシリンダ2から押
し出されたことを検出すると、液圧通路開閉弁29へ制
御電流を供給し、この液圧通路開閉弁29を開き、外部
液圧供給源4と液圧制御弁5との流路を連通させる。ま
た、制御装置ECU30は、前記センサ9により検出さ
れた圧力に基づいて前記コイル24の励磁電流を制御
し、励磁電流に応じて可動子23が図1中左方へ移動
し、これに押されてスプール16が同方向へ移動する。
この移動により、反力スプリング21が圧縮されて図1
中右方への弾性力が発生し、弾性変形量に応じてスプー
ル16に反力を与えるとともに、可変絞りtが閉じて環
状連通路16aとドレンポート14との連通が絶たれ
る。
【0023】前記スプール16がさらに左方へ移動する
と、可変絞りsが開いて環状連通路16aと液圧供給ポ
ート13とが連通され、出力ポート15から高い制動液
圧が液圧増幅装置31の入力側液圧室33へ送り込まれ
る。これにより、この液圧増幅装置31のプランジャ本
体34が、圧縮スプリング37の付勢力に反して、図中
矢印イ方向へ移動し、出力側液圧室35から、前述した
式に基づいて加圧されたブレーキ液が切り換え弁8を介
してホイールシリンダ3へ供給されて車輪が制動され
る。なお、出力ポート15から液圧増幅装置31を介し
て正常に制動液圧が付与された状態では、切り換え弁
6、8がともに図示と反対側に切り換えられているの
で、前記液圧増幅装置31がホイールシリンダ3に接続
され、また、マスターシリンダ2とホイールシリンダ3
とが遮断される一方、液圧がアキュームレータ7に供給
されてブレーキペダル1に適度の操作感が与えられる。
【0024】前述のように出力ポート15と液圧供給ポ
ート13とが連通されると、管路17を介して反力室1
8にも液圧が作用して内圧が上昇し、これにより反力ピ
ン20を反力スプリング21と共に付勢してスプール1
6を可動子23側へ押圧する。このため、スプール16
は可動子23の押圧力が反力ピン20の押圧力に比較し
て大きい場合には図中左方へ摺動するが、小さい場合に
は右側へ摺動する。スプール16が右側へ摺動すると、
可変絞りsが閉じて出力ポート15の液圧供給ポート1
3への連通が遮断され、さらに右方へ摺動すると可変絞
りtが開いて出力ポート15がドレンポート14に連通
される。この結果、反力室18へ作用する液圧も低下す
る。このような動作によれば、スプール16は、最終的
に可動子23と反力ピン20との押圧力がバランスした
時点で停止し、出力ポート15の液圧が励磁電流(マス
ターシリンダ2の圧力)に応じて制御され、同時に、制
御液圧がホイールシリンダ3へ作用して所定の制動力を
発生する。
【0025】そして、上記制動状態から、制動を解除す
べくブレーキペダル1から足を離すと、圧力の低下がセ
ンサ9によって検出され、制御装置ECU30によって
コイル24の励磁電流が制御されて可動子23が図1中
右方へ移動され、スプール16が、反力スプリング21
によって右方向へ移動される。これにより、可変絞りs
が閉じて環状連通路16aと液圧供給ポート13との連
通が絶たれる。さらに、スプール16が右方へ移動され
ると、可変絞りtが開いて環状連通路16aとドレンポ
ート14とが連通され、ホイールシリンダ3から液圧増
幅装置31を介してドレン4dへブレーキ液が戻され
る。このとき、液圧増幅装置31のプランジャ本体34
は、出力側液圧室35に設けられた圧縮スプリングによ
って入力側液圧室33側へ押し戻される。そして、上記
のように、ホイールシリンダ3の液圧が低下されてブレ
ーキが解除され、その液圧の低下がセンサ10によって
検出されると、制御装置ECU30が液圧通路開閉弁2
9を制御して、この液圧通路開閉弁29を閉状態とし、
外部液圧供給源4と液圧制御弁5との流路を遮断させ
る。
【0026】このように、上記実施の形態のブレーキ液
圧制御装置によれば、外部液圧供給源4と液圧制御弁5
との間の流路を、制動時にのみ連通させる液圧通路開閉
弁29を設けたので、非制動時にて、加圧されたブレー
キ液が液圧制御弁5へ送り出され、この液圧制御弁5の
比較的シール性が弱い可変絞りsから漏れることによる
外部液圧供給源4のアキュームレータ4bにおける圧力
低下を防止することができる。即ち、外部液圧供給源4
におけるロスを大幅に低減させることができ、ポンプ4
aの稼働頻度を低くすることができる。また、液圧制御
弁5を介して外部液圧供給源4から送り出されるブレー
キ液の液圧を、機械的にさらに増幅させる液圧増幅装置
31を設けたので、外部液圧供給源4における加圧量を
低減させることができる。これにより、この外部液圧供
給源4のポンプ4aにおける負荷を低減させることがで
きる。
【0027】なお、上記ブレーキ液圧制御装置によれ
ば、液圧制御弁5の出力ポート15からの圧力が上昇し
ない場合、フェイルセーフ作動状態となり、切り換え弁
6、8がそれぞれに設けられたばねなどの機械的手段に
より操作され、いずれも図示の状態に復帰する。この状
態では、マスターシリンダ2とアキュームレータ7の接
続が遮断されてその液圧がホイールシリンダ3に直接作
用するので、マスターシリンダ2からホイールシリンダ
3に至る液圧系の剛性が低下することがなく、したがっ
て、ブレーキの応答性を高く維持することができる。
【0028】また、上記制御装置ECU30は、車輪回
転速度についての検出データに基づいて車輪のスリップ
状態を判定し、この判定結果に基づいて前記コイル24
の励磁電流を増減するアンチスキッド制御、および、ト
ラクション制御を行うことができるようになっている。
【0029】上記の実施の形態では、マスターシリンダ
2の液圧をセンサ9によって検出し、この検出データに
基づいて励磁電流を制御してスプール16を移動させる
ことにより液圧制御弁5の液圧を電気的に制御するよう
にしたが、前記マスターシリンダ2の液圧により直接駆
動されるアクチュエータによってスプール16を移動さ
せることにより、物理作用のみによって液圧を制御する
ようにしてもよい。
【0030】また、上記の実施の形態では出力ポート1
5の液圧を切り換え弁6およびフェイルセーフ弁8に直
接作用させて切り換えるとともに、液圧が加わらない場
合、各バルブに設けられたばねなどの作用によって自動
的に所定の位置に復帰するよう構成したが、液圧をセン
サにより検出し、検出された液圧によって電気的にバル
ブを切り換える方式であってもよいのは勿論である。ま
た、上記実施の形態では、液圧通路開閉弁29及び液圧
増幅装置31をそれぞれ設けたが、これら液圧通路開閉
弁29及び液圧増幅装置31のいずれか一方だけを設け
ても、外部液圧供給源4のポンプ4aの負荷を低減させ
ることができるのは勿論である。
【0031】次に、上記のブレーキ液圧制御装置に設け
られた制動力配分システムの制御の流れを、図2から図
4に示すフローチャート図に沿って説明する。
【0032】まず、各車輪に設けられた車輪速センサ4
4からの検出データに基づいて、制御装置ECU30が
各車輪速を演算し(ステップS1)、これら求められた
車輪速の内の最大のものにフィルタをかけて、模擬車体
速を演算する(ステップS2)。そして、演算された模
擬車体速及び各車輪速から、次式に基づいて各車輪のス
リップ率を算出する(ステップS3)。
【0033】 スリップ率=〔模擬車体速−車輪速〕/模擬車体速
【0034】各車輪のスリップ率が算出されたら、車両
の左右それぞれにおける前後輪のスリップ率差を次式に
基づいて算出する(ステップS4)。
【0035】 スリップ率差=前輪スリップ率−後輪スリップ率
【0036】次に、制御装置ECU30が、制御中フラ
グXに基づいて、制動力配分制御が行われているか否か
を判定する(ステップS5)。ここで、制御中フラグX
が1である場合は制御中と判定され、制御中フラグXが
0である場合は非制御中と判定される。
【0037】ここで、制動力配分制御がまだ行われてい
ないと判定されると、スリップ率差が所定値と比較され
(ステップS6)、このスリップ率差が所定値以上であ
る場合に、制動力配分制御が開始され制御中フラグXが
1とされ(ステップS7)、その時点からタイマYが作
動される(ステップS8)。ここで、このタイマYは、
制御サイクル毎に減算されるもので、作動時では、この
タイマYが所定時間tyとされる。
【0038】そして、このとき制御開始時のリアの目標
ホイールシリンダ圧が図4に示すフローチャート図に沿
って演算される(ステップS9)。まず、マスターシリ
ンダ圧の昇圧速度が、センサ9の検出値に基づいて演算
される(ステップS101)。次に、予めデータとして
設定されているマスターシリンダ圧の昇圧速度と目標ホ
イールシリンダ圧との関係に基づいて、制御開始時のリ
アの目標ホイールシリンダ圧が演算される(ステップS
102)。
【0039】ここで、ステップS102における目標ホ
イールシリンダ圧の算出の概念を説明する。本制御で
は、前、後輪の制動力配分を図5に示すような理想配分
曲線OABになるように、近似的に折線OAB´を目標
に制御している。なお、直線OADは、前、後輪1:1
の配分、すなわちマスタシリンダ圧がそのまま前、後輪
1:1の配分で前、後輪にブーストされてかかる場合を
示し、実質的にマスターシリンダ圧に比例したものと見
なせる。また、後輪制動力に関して、直線OADが理想
配分曲線OABを超えている領域は、制動力配分システ
ムの制御必要領域である。
【0040】これらの点を踏まえた上で、図6の「遅い
ブレーキ」と、図7の「速いブレーキ」との関係につい
て説明すると、図6及び図7中の「スリップ率差が制御
開始しきい値を超える」とは、図5において、直線OA
D(すなわちマスタシリンダ圧)が理想配分曲線OAB
よりも後輪制動力に関して大きくなっているときに、後
輪制動力を理想配分曲線OABに近似させるように後輪
の目標ホイールシリンダ圧として、折線OAB´上の値
を設定することを指すものである。そして、この「遅い
ブレーキ」と、「速いブレーキ」とは、図5で、直線O
AD上を制御サイクルとの関係で、例えばt0,t1,t2
と上昇するかt0´,t1´,t2´と上昇するかにより、
制御開始の必要が判定されたときの後輪のホイールシリ
ンダ圧と、そのときの目標とする後輪のホイールシリン
ダ圧との差が異なってくる。
【0041】本制御は、これに基づくもので、「速いブ
レーキ」は、この制御開始の必要が判定されたときの後
輪のホイールシリンダ圧と、そのときの目標とする後輪
のホイールシリンダ圧との差が大きくなり、図7中実線
(スリップ率差B、リアW/C圧B)にて示すように、
急激な減圧制御により車両挙動が不安定化するので、こ
の不安定化を除去することを目的とするものである。
【0042】そして、ステップS101、S102で
は、図6及び図7中「スリップ率差が制御開始しきい値
を超えた」ときに、いきなり後輪の目標ホイールシリン
ダ圧を図5中Pcに設定しブレーキ液圧制御装置を駆動
するのではなく、次第に後輪のホイールシリンダ圧を目
標ホイールシリンダ圧まで下げるべく、制御開始時の目
標ホイールシリンダ圧を高めに設定するものである。つ
まり、図7中鎖線(スリップ率差C、リアW/C圧B)
に示すように、減圧を緩やかにして、車両挙動の安定化
を図るものである。
【0043】次に、制御装置ECU30は、各車輪毎に
ABS制御中フラグがセットされているか否かを判定
し、ABS制御中フラグがセットされていない場合は、
各車輪のスリップ率に基づいて、各車輪毎にロック傾向
にあるか否かを判定し、ロック傾向にあると判定したと
きには、ABS制御中フラグを1にセットし、このロッ
ク傾向が解消され、ABS制御中フラグが0にリセット
されるまで、現在のホイールシリンダ圧に対して、制御
サイクル毎に減圧、保持、増圧といった目標ホイールシ
リンダ圧を設定する。これに対し、ABS制御中フラグ
がセットされておらず、かつ各車輪のスリップ率に基づ
いて、各車輪毎にロック傾向にあるか否かを判定した結
果が、ロック傾向にないときには、ABS制御による目
標ホイールシリンダ圧は設定しない(ステップS1
0)。
【0044】また、次に、通常のブースタ制御としてセ
ンサ9からの信号に応じた目標ホイールシリンダ圧が演
算される(ステップS11)。
【0045】そして、ABS制御における目標ホイール
シリンダ圧、制動力配分制御における目標ホイールシリ
ンダ圧及びブースタ制御における目標ホイールシリンダ
圧を優先順位を考慮して一つだけ選択して、その目標ホ
イールシリンダ圧となるように、ブレーキ液圧制御装置
が駆動される(ステップS12)。ここで、これら目標
ホイールシリンダ圧の優先順位としては、(ABS制
御)>(制動力配分制御)>(ブースタ制御)の順とな
っている。
【0046】ここで、ABS制御が行われていない場合
は、制動力配分制御における目標ホイールシリンダ圧に
よってブレーキ液圧制御装置が駆動される。これによ
り、後輪は、制動力配分制御の開始時の目標ホイールシ
リンダ圧が作用する。
【0047】そして、次の制御サイクルでは、制動力配
分制御中つまり制御フラグXが1とされていることよ
り、他の制御へ移行し(ステップS5)、タイマYが0
でない場合は(ステップS13)、タイマYの値から1
だけデクリメントされ(ステップS14)、制動力配分
制御の開始時点からn時間(n制御サイクル)経過した
時点における目標ホイールシリンダ圧が例えば、次式に
て演算される(ステップS15)。
【0048】目標ホイールシリンダ圧=(現在の制御サ
イクルにおける目標のホイールシリンダ圧)−(マスタ
シリンダ圧の昇圧速度によって予め設定された所定値)
【0049】ただし、この所定値は、マスターシリンダ
圧の昇圧速度によって、予め設定されたものである。
【0050】次に、制動力配分制御を終了させるか否か
が判定される(ステップS16)。ここで、この判定
は、制御サイクル毎に、スリップ率差が終了判定所定値
(例えば0以下)で、所定時間継続しているか否かに基
づいて行われる。次いで、今回の目標ホイールシリンダ
圧にて制動すべく、ブレーキ液圧制御装置が駆動される
(ステップS12)。
【0051】上記制御サイクルが繰り返し行われ、タイ
マYが0となると(ステップS13)、通常の制動力配
分制御を行う際の目標ホイールシリンダ圧が演算され
(ステップS17)、この通常の目標ホイールシリンダ
圧にて制動すべく、ブレーキ液圧制御装置が駆動される
(ステップS12)。その後、スリップ率差が終了判定
所定値で所定時間継続していることから制動力配分制御
を終了させると判断されると、制御フラグXが0とされ
(ステップS18)、さらにタイマYが0リセットされ
(ステップS19)、通常の目標ホイールシリンダ圧に
て制御すべく、ブレーキ液圧制御装置が駆動され(ステ
ップS12)、スリップ率差が再び所定値以上となるま
で、制動力配分制御が待機状態となる。
【0052】以上、説明したように、上記制動力配分シ
ステムによれば、フロント液圧とリア液圧との配分を極
めて良好に行うことができ、これにより、制動時におけ
る車両の挙動を良好に安定させることができる。また、
上記制動力配分装置は、液圧回路に例えばプロポーショ
ニングバルブ等の高価な部品を用いることなく制動力配
分を行うものであるので、装置の簡略化及び低コスト化
を図ることができる。さらに、制動力配分制御開始時に
おけるリア液圧の目標液圧を、時間経過とともに下げる
ので、液圧変動が大きいために生じる不安定感をなくす
ことができ、乗り心地のさらなる向上を図ることができ
る。
【0053】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の制動力
配分システムによれば、下記の効果を得ることができ
る。請求項1記載の制動力配分システムによれば、フロ
ント液圧とリア液圧との配分を極めて良好に行うことが
でき、これにより、制動時における車両の挙動を良好に
安定させることができる。また、液圧回路に例えばプロ
ポーショニングバルブ等の高価な部品を用いることなく
制動力配分を行うものであるので、装置の簡略化及び低
コスト化を図ることができる。さらに、制動力配分制御
開始時におけるリア液圧の目標液圧を、時間経過ととも
に下げるので、液圧変動が大きいために生じる不安定感
をなくすことができ、乗り心地のさらなる向上を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の制動力配分システムの実施の形態を
説明するブレーキ液圧制御装置の液圧系統図である。
【図2】 本発明の制動力配分システムの実施の形態を
説明する制動力配分制御の流れを説明するフローチャー
ト図である。
【図3】 本発明の制動力配分システムの実施の形態を
説明する制動力配分制御の流れを説明するフローチャー
ト図である。
【図4】 本発明の制動力配分システムの実施の形態を
説明する制動力配分制御の流れを説明するフローチャー
ト図である。
【図5】 前・後輪の制動力の理想配分曲線を説明する
グラフ図である。
【図6】 リアホイールシリンダ圧及び前・後輪のスリ
ップ率差の変化を示すグラフ図である。
【図7】 リアホイールシリンダ圧及び前・後輪のスリ
ップ率差の変化を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 マスターシリンダ 3 ホイールシリンダ 4 外部液圧供給源 9 センサ 30 制御装置ECU(コントローラ)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルの操作によって液圧を発
    生するマスターシリンダと、このマスターシリンダ圧を
    検出するセンサとを有し、該センサからの検出信号に応
    じてホイールシリンダへ外部液圧供給源からの制御液圧
    を作用させるブレーキ液圧制御装置において、 マスターシリンダ圧の昇圧速度に応じて後輪のホイール
    シリンダ圧を、前記目標ホイールシリンダ圧へ次第に近
    づけるべく外部液圧供給源の制御液圧を制御するコント
    ローラが設けられていることを特徴とする制動力配分シ
    ステム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7147571B2 (en) 2004-04-21 2006-12-12 Acushnet Company Transitioning hollow golf clubs
US7942760B2 (en) 2004-04-21 2011-05-17 Cobra Golf Incorporated Transitioning hollow golf clubs
JP2013517988A (ja) * 2010-01-29 2013-05-20 ルノー エス.ア.エス. 車両の経路追跡システム及び方法
JP2016117403A (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 オートリブ日信ブレーキシステムジャパン株式会社 車両用ブレーキ制御装置

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