JPH108358A - 丸編機における編みツール制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 選針部の制御ストロークを短くすることによ
って、多給糸口の設定を可能にする。 【解決手段】 編みツール（２）と同一溝に装着され、
編みツールを制御する揺動片母材（４）と、前記編みツ
ールと前記揺動片母材間に載架されたセレクタージャッ
ク（３）と、前記揺動片母材により揺動自在に支持さ
れ、かつ、被吸着部材（５ａ，５ｂ）を有する少なくと
も１個の揺動片（５）と、前記被吸着部材に対応した、
少なくとも一対の吸着部材（１２ａ、１２ｂ；１２ｃ、
１２ｄ）を有する。前記編みツールは制御カム（７、
８）により制御され、前記セレクタージャックは制御カ
ム（９、１０）により制御され、前記揺動片母材は中間
カム（１０、１１）により制御される。前記揺動片母材
は、円周方向のストローク短縮が可能なように前記セレ
クタージャックと係脱しながら移動する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、丸編機におい
て、編みツール、例えば、シンカー、編針（ラッチ針、
複合針、目移針）、中間部材（ジャック等）、フック部
材等の動作を電磁的に制御し、柄模様を編成するジャカ
ード装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ダイヤル針にピボット連結したジャック
を備えた電磁選択機構が、特公昭４９−３５０９７号に
記載されている。すなわち、回転シリンダーの針溝に装
着され、揺動自在な針移動ジャックで制御される編針
と、前記回転ダイヤルに対向して配置されたニットカム
通路とウエルトカム通路からなるカム機構と、前記針移
動用ジャックを選択的に動かして該ジャックに設けられ
た１組のバットのうち一方を前記カム通路のうち一方に
係合させる機構になっている。

【０００３】また、別の電磁選針装置として、本出願人
自身が出願した特開平２−２８９１５４の発明によれ
ば、同軸的に配した大、小の回転シリンダーと、小シリ
ンダーの溝内に収容された編針およびこの編針を制御す
る制御カムと、編針の直下に設けられた弾性体のバネジ
ャックおよびこのバネジャックが係脱する選択カムと、
大シリンダーの溝内に収容され、半径方向に揺動運動す
る、高さの異なった接極子を有する、２種類のロッキン
グジャックと、前記接極子に対して縦方向に複数段設定
されると共に横方向にも並設された２組の制御電磁石
と、前記ロッキングジャックの上部に対向して配設さ
れ、そのロッキングジャックの位置の固定をする上部の
永久磁石と、前記ロッキングジャックの下部に対向して
配設され、そのロッキングジャックに関する磁力の均衡
を行わせる下部の永久磁石と、大シリンダー上部に配さ
れ、前記バネジャックとロッキングジャック間を橋渡し
て連動する二腕レバーと、前記二腕レバーを内方向へ押
圧するキャンセリングカムと、前記バネジャックの下部
を前記選択カムの係合から外すウエルトの選択を行う
か、もしくは、バネジャックの下部を選択カムに係合さ
せて予めタック／ニットへ移行させるための選択を行う
第１選針手段と、バネジャックの下部を選択カムに係脱
させて後者のタック／ニットを選択する第２選針手段と
からなることを特徴としている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記特公昭４９−３５
０９７号の編機用ダイヤル機構では、ニットとウエルト
の２ポジションだけの選針しか行えない。さらに、電磁
機構からロット部材、摺動部材、摺動体を介して、針移
動用ジャックを選針しているため、応答速度が遅く、編
機の回転数を上げられず、生産効率の低いことが考えら
れる。

【０００５】また、特開平２−２８９１５４は、シリン
ダー側の選針装置としては有効であるが、機構上ダイヤ
ル側の選針装置として使用することは出来なかった。

【０００６】３ポジションの選択を可能にするには、第
１選針部と第２選針部の２箇所の選針部が必要であり、
実用的な多給糸口の電子柄編機を製造するためには、選
針部の制御ストロークを可能な限り小さくしなければな
らず、さらに、ダイヤル側に選針装置を設置するには、
ダイヤル中心方向に向かって、選針部をより小型化する
必要がある。しかし、上記従来の技術では、これらの課
題を解決するのは困難であった。

【０００７】この発明が解決しようとする課題は、選針
部の制御ストロークを短くすることによって、多給糸口
の設定を可能にする電子柄編機を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決しようとする手段】請求項１の発明（第１
実施例）は、 編みツールが移動可能に装着された、丸
編機におけるジャガード編地の制御装置であって、前記
編みツールと同一溝に装着され、編みツールを制御する
揺動片母材と、前記編みツールと前記揺動片母材間に載
架されたセレクタージャックと、前記揺動片母材により
揺動自在に支持され、かつ、被吸着部材を有する少なく
とも１個の揺動片と、前記被吸着部材に対応した、少な
くとも一対の吸着部材と、前記編みツールを制御する制
御カムと、前記セレクタージャックを制御する制御カム
と、前記揺動片母材を制御する中間カムとを有し、さら
に、前記揺動片母材は、円周方向のストローク短縮が可
能なように前記セレクタージャックと係脱しながら移動
することにより３ポジション選択を可能としたことを特
徴とする。請求項３の発明（第３実施例）は、請求項１
の発明に加えて、セレクタージャック制御カムが、タッ
ク位置の頂点付近で、タック上昇部とニット上昇部に２
分割され、出没可能に設置されているニット上昇部と、
ニット位置からウエルト位置へバットが下降する通路に
出没可能に設置されているガードカムからなる、サポー
ト機能を有することを特徴とする。請求項４の発明（第
２実施例）は、編みツールが移動可能に装着された、丸
編機におけるジャガード編地の制御装置であって、前記
編みツール同一溝に装着され、編みツールを制御する揺
動片母材と、前記揺動片母材により揺動自在に支持さ
れ、かつ、被吸着部材を有する少なくとも１個の揺動片
と、前記被吸着部材に対応した、少なくとも一対の吸着
部材と、前記揺動片を下降させる少なくとも１個の揺動
片ダウンワードカムと、前記編みツールを制御する制御
カムと、揺動片母材を制御する中間カムからなることを
特徴とする。

【０００９】

【発明の実施形態】請求項１の発明において、好ましく
は、編みツールは、少なくとも１個のバットと、内径側
上部の半円状のくぼみを有するものとし、セレクタージ
ャックは、少なくとも１個のバットと、外周側下部から
突出する円形の突起部と、内周側下部に突出する逆台形
状の突起部を有するものとし、揺動片母材は、外周部に
設けられた少なくとも２個の逆台形状の第１くぼみと第
２くぼみを有し、前記第１くぼみと前記第２くぼみ間の
三角形状第１山部と、第２くぼみの外周側の三角形状第
２山部を有するものとすることができる。この構成にお
いて、前記くぼみと突起部はピボット的に支点連結さ
れ、前記突起部は、前記第１くぼみと第２山部間を、前
記第１山部と第２山部を上下しながら、移動可能であ
る。また、前記各請求項の発明において、編みツール
は、例えば、回転シリンダーまたはダイヤルに装着さ
れ、単独に動作制御可能な制御手段によって制御される
編針とすることができる。その他、編みツールは、目移
し針、ジャック、シンカー等に幅広く応用することが可
能である。

【００１０】

【実施例】以下、添付の図面に基づいて本発明の実施例
を説明する。

【００１１】＜第１実施例＞図１〜図３は、本発明の第
１実施例に係る編針制御装置の要部である。図１のＡ図
は、カムホルダーに設置した各種カム、アクチュエータ
を示す。また、ダイヤル針２のバット２ａが通過するカ
ムトラックＴ１において、ニット位置のバット２ａの動
作線をＴ１ｋで、タック位置のバット２ａの動作線をＴ
１ｔで、ウエルト位置のバット２ａの動作線をＴ１ｗ
で、それぞれ示し、揺動片母材４のバット４ａが通過す
るカムトラックＴ３において、ダイヤル針をニット選針
する時のバット４ａの動作線をＴ３ｋで、ダイヤル針を
タック選針する時のバット４ａの動作線をＴ３ｔで、ダ
イヤル針をウエルト選針する時のバット４ａの動作線を
Ｔ３ｗで、それぞれ示す。

【００１２】図１のａ図は、図１−Ａのａ−ａ断面にお
ける断面図を示す。図２−Ａは、本発明の装置の編成要
部の断面図を示す。図２−Ｂは、図２−Ａの編みツール
の拡大図である。

【００１３】図２−Ａに示す丸編機の回転シリンダーＣ
Ｙの外周には、シリンダー溝があり、各シリンダー溝に
は少なくとも１種類のシリンダー針ＣＮが設定されてい
る。シリンダーＣＹに対向するカムホルダーＣＨに、取
り付けられている制御カムＣＡの作用により、シリンダ
ー針ＣＮは、シリンダー溝内を縦方向に摺動する。

【００１４】一方、丸編機のニードルダイヤル１にはダ
イヤル溝があり、各ダイヤル溝には、ダイヤル針２が設
定され、ダイヤル針２の内周側上部には、セレクタージ
ャック３が揺動可能に嵌合されている。セレクタージャ
ック３は、ダイヤル針２と揺動片母材４（後述）間に載
架されている。

【００１５】ダイヤル針は、少なくとも１つのバット２
ａを持ち、内径側上部は、半円状のくぼみ２ｂとなって
いる。

【００１６】セレクタージャック３は、少なくとも１個
のバット３ａを持ち、内周側下部には、逆台形状の突起
部３ｃが突出している。前記ダイヤル針のくぼみ２ｂに
対応するように、セレクタージャック３の外周側下部か
ら円形の突起部３ｂが突出し、前記くぼみ２ｂと突起部
３ｂはピボット的に支点連結されている。

【００１７】セレクタージャックの内周方向の針溝には
揺動片母材４が設定され、前記セレクタージャックの突
起部３ｃが、揺動片母材外周部に設けられた少なくとも
２個の逆台形状の第１くぼみ４ｂと第２くぼみ４ｃ間を
移動可能に設定されている。前記揺動片母材４の第１く
ぼみ４ｂと第２くぼみ４ｃ間に三角形の第１山部４ｆ
と、第２くぼみ４ｃの外周側に三角形の第２山部４ｇが
設けられている。この揺動片母材４の上部には、揺動可
能に揺動片５が嵌合されている。

【００１８】前記揺動片母材４は、少なくとも１個のバ
ット４ａを持ち、揺動片母材４の上部は、半円状のくぼ
み４ｅが設けられている。このくぼみ４ｅに対応するよ
うに、揺動片５の下部から円形の突起部５ｅが突出し、
前記くぼみ４ｅと突起部５ｅはピボット的に支点連結さ
れている。揺動片５の左右端部は、左右対称であり、上
方にくさび部５ｃ、５ｄを、くさび部内側に被吸着部５
ａ、５ｂを形成している。左右吸着部５ａ、５ｂ間はく
ぼみ段差５ｆが設けられている。

【００１９】ニードルダイヤル１に対向するカムホルダ
ー６には、ダイヤル針２、セレクタージャック３、揺動
片母材４、揺動片５を制御する制御カムが設けられてい
る。カムホルダー６の外周上部には、編糸を編針に供給
するヤーンキャリアＹＣが設けられている。

【００２０】前記ダイヤル針２のバット２ａは、図１に
示すように、前記カムホルダー６に取り付けられている
アウターガードカム７、ステッチカム８からなるカムト
ラックＴ１に沿ってダイヤルカム溝内を半径方向に摺動
する。ステッチカム８は、編地の粗密を調整するために
半径方向に移動可能に設置されている。

【００２１】前記セレクタージャック３のバット３ａ
は、前記カムホルダー６に取り付けられたキャンセルカ
ム９ａ、キャンセルカム９ｂ、セレクタージャックレー
ジングカム１０からなるカムトラックＴ２に沿ってダイ
ヤル溝内を半径方向に摺動する。

【００２２】前記揺動片母材４のバット４ａは、前記カ
ムホルダー６に取り付けられたセレクタージャックレー
ジングカム１０、揺動片ダウンワードカム１１からなる
トラックＴ３に沿ってダイヤル溝内を半径方向に摺動す
る。

【００２３】前記揺動片５は、カムホルダー６に取り付
けられている揺動片ダウンワードカム１１とインナーガ
ードカム１３によって閉鎖されたカムトラックＴ４に沿
ってダイヤル溝内を揺動する。

【００２４】前記揺動片５に対向して吸着部材１２ａ、
１２ｂ，１２ｃ、１２ｄが前記カムホルダー６に取り付
けられている。予め設定した所定の柄情報によってコン
トローラから出力された信号に基づき、これら吸着部材
１２ａ、１２ｂ，１２ｃ、１２ｄが揺動片５の被吸着部
材５ａ、５ｂを選択的に吸着する。なお、揺動片５が、
吸着部材１２ａ、１２ｂ、１２ｃ、１２ｄに進入する前
に揺動自由な状態状態にある揺動片５を揺動片キャンセ
ルカム９ｃ、９ｄ、９ｅ、９ｆの傾斜面により平行に揃
え、その後揺動片５が吸着部材１２ａ、１２ｂ、１２
ｃ、１２ｄを通過することが望ましい。さらに、吸着部
材１２ａ、１２ｂ、１２ｃ、１２ｄからなるアクチュエ
ータには、出願人自身が出願中の「電磁選針装置及びこ
れを有する編みツール制御装置」（特願平７−２８７８
６３）を使用することが望ましい。

【００２５】次に、図３の各断面図に基づいて、一連の
動作を説明する。ダイヤル針をニット選針する時は、吸
着部材１２ａにコントローラから信号を送り、吸着部材
１２ａに対応した揺動片５の被吸着部５ａを吸着させる
（図３−ｂ＜図１−Ａのｂ−ｂ断面＞参照）。

【００２６】前記被吸着部５ａが吸着部材１２ａを通過
後、揺動片５のくさび部５ｃが揺動片ダウンワードカム
１１の台形断面の第１降り傾斜面１１ａと係合し、揺動
片５は揺動片母材４と共に編機の中心方向に押し出され
る。

【００２７】一方、揺動片母材４の第１くぼみ４ｂに載
架されているセレクタージャック３は、ｃ−ｃ断面にお
いて半径方向に移動できない。このため、セレクタージ
ャックの突起部３ｃは、揺動片母材４の第１山部４ｆを
上昇する。そしてセレクタージャック３のバット３ａ
は、セレクタージャックレージングカム１０の第１上昇
部１０ａと係合し、セレクタージャック３は支点連結し
ているダイヤル針２と共にタック位置まで上昇する（図
３−ｃ＜図１−Ａのｃ−ｃ断面＞参照）。

【００２８】つぎに、吸着部材１２ｃにコントローラか
ら信号を送り、吸着部材１２ｃに対応した揺動片５の被
吸着部５ａを吸着する（図３−ｄ＜図１−Ａのｄ−ｄ断
面＞参照）。

【００２９】前記吸着部５ａが吸着部材１２ｃを通過
後、揺動片５のくさび部５ｃが揺動片ダウンワードカム
１１の台形断面の第２降り傾斜面１１ｂと係合し、揺動
片５は揺動片母材４と共に編機の中心方向に押し出され
る。

【００３０】一方、揺動片母材４の第２くぼみ４ｃに載
架されているセレクタージャック３は、ｆ−ｆ断面にお
いて半径方向に移動できない。このため、セレクタージ
ャックの突起部３ｃは、揺動片母材４の第２山部４ｇを
上昇する。そしてセレクタージャック３のバット３ａ
は、セレクタージャックレージングカム１０の第１上昇
部１０ｂと係合し、セレクタージャック３は支点連結し
ているダイヤル針２と共にさらに上昇する（図４−ｆ＜
図１−Ａのｆ−ｆ断面＞参照）。

【００３１】セレクタージャック３のバット３ａは、セ
レクタージャックレージングカム１０の第１上昇部１０
ｂと係合を続け、さらにダイヤル針と共に、ニット位置
まで上昇する。（図４−ｇ＜図１−Ａのｇ−ｇ断面＞参
照）。

【００３２】ニット位置まで上昇したダイヤル針は、ア
ウターガードカム７とステッチカム８の作用によりウエ
ルト位置まで下降する。

【００３３】ダイヤル針をタック選針する時は、ニット
選針と同様に、タック位置まで上昇した後、吸着部材１
２ｄにコントローラから信号を送り、吸着部材１２ｄに
対応した揺動片５の被吸着部５ｂを吸着する（図３−ｄ
＜図１−Ａのｄ−ｄ断面＞参照）。

【００３４】また、同時にトラックＴ２内に設けられた
キャンセルカム９ａによって、セレクタージャック３の
バット３ａを押し下げ、セレクタージャックの突起部３
ｃは、揺動片母材４の第２くぼみ４ｃにはまり込んだ状
態を維持する。

【００３５】前記被吸着部５ｂが吸着部１２ｄを通過
後、揺動片５の一端である被吸着部５ｂが吸着されたた
め、他端である被吸着部５ａは、第２降り傾斜面１１ｂ
の下を通過する。揺動片母材４の影響を受けないダイヤ
ル針は、タック位置を移動する。（図４−ｉ＜図１−Ａ
のｆ−ｆ断面＞参照）。

【００３６】その後、ダイヤル針は、ステッチカム８の
作用によりウエルト位置まで下降する。

【００３７】ダイヤル針をウエルト選針する時は、吸着
部材１２ｂにコントローラから信号を送り、吸着部材１
２ｂに対応した揺動片５の被吸着部５ｂを吸着する。ま
た、同時にトラックＴ２内に設けられたキャンセルカム
９ｂによって、セレクタージャック３のバット３ａを押
し下げ、セレクタージャックの突起部３ｃは、揺動片母
材４の第１くぼみ４ｂにはまり込んだ状態を維持する。
（図３−ｂ＜図１−Ａのｂ−ｂ断面＞参照）。なお、図
３−ｂは［００２５］における説明で使用したのと同じ
図面である。作図上の限界により、吸着部材１２ａで被
吸着部材５ａを吸着する場合と、吸着部材１２ｂで被吸
着部材５ｂを吸着する場合の違いがこの図３−ｂからは
明瞭でない。

【００３８】前記被吸着部５ｂが吸着部１２ｂを通過
後、揺動片５の一端である被吸着部５ｂが吸着されるた
め、他端である被吸着部５ａは、第１降り傾斜面１１ａ
の下を通過する。揺動片母材４の影響を受けないダイヤ
ル針は、ウエルト位置を移動する。（図４−ｈ＜図１−
Ａのｃ−ｃ断面＞参照）。

【００３９】このようにして、ニット、タック、ウエル
トの３ポジションが選択できる。

【００４０】＜第２実施例＞図５は、本発明第２実施例
に係る編針制御装置の要部のカム、編針、揺動片母材、
揺動片の配列図及び編針、揺動片母材と揺動片の動作線
を示す。

【００４１】この装置では、揺動片５１とその揺動片と
ピボット的に支点連結している揺動片母材４１とその揺
動片母材によって制御されるダイヤル針２１をニットと
ウエルトの２ポジションに選択的に制御することでジャ
カードの編地を編成することができる。

【００４２】すなわち、第１吸着部材１２１ａにおいて
吸着された揺動片５１の第１吸着部５１ａは、揺動片ダ
ウンワードカム１１１の降り傾斜部１１１ａと係合し、
揺動片母材４１と共に下降する。揺動片母材４１の下降
によりその影響を受けないダイヤル針２１の制御バット
２１ａは、アウターガードカム７１と編針レージングカ
ム１４１とステッチカム８１からなるウエルトポジショ
ンＴ１１ｗを通過する。なお、ステッチカム８１は、編
地の粗密を調整するために半径方向に移動可能に設置さ
れている。

【００４３】一方、第２吸着部材１２１ｂにおいて吸着
された揺動片５１は、揺動片ダウンワードカム１１１の
降り傾斜部１１１ａの下部を通過し、揺動片母材４１の
制御バット４１ａが揺動片母材レージングカム１０１の
昇り傾斜１０１ａと係合し、上昇する。揺動片母材４１
の上昇により押し出されたダイヤル針２１の制御バット
２１ａは、編針レージングカム１４１と係合し、ニット
ポジションＴ１１ｋを通過する。このようにして、ウエ
ルトとニットの２ポジションが選択できる。

【００４４】揺動片母材レージングカム１０１及び編針
レージングカム１４１は、スプリング（図示はしていな
い）により支持されているためこれらのカムに異常な外
力が加わったときには、これらのカムは引っ込み、揺動
片母材４１の制御バット４１ａやダイヤル針２１の制御
バット２１ａの破損を最小限にすることができる。

【００４５】編針レージングカム１４１を引き込んだ位
置で固定しておけば、揺動片５１が第１吸着部材１２１
ａに吸着された場合は、ウエルトポジションに選針さ
れ、揺動片５１が第２吸着部材１２１ｂ制御バット２１
ａと編針レージングカム１４１が係合しないため、揺動
片母材が揺動片レージングカムの最高点１０１ｂまで上
昇し、揺動片母材に押し出されたダイヤル針２１は、タ
ックポジションＴ１１ｔを通過する。このように、編針
レージングカムを引き込んだ位置で設定しておけば、ウ
エルトとタックの２ポジションが選択できる。

【００４６】＜第３実施例＞図６は、本発明の第３実施
例に係る編針制御装置の要部であり、第１実施例にサポ
ート機能を追加したものである。

【００４７】セレクタージャックレージングカムは、タ
ック位置の頂点付近で、タック上昇部２０１ａとニット
上昇部２０１ｂに２分割され、ニット上昇部２０１ａは
出没可能に設置されている。

【００４８】ダイヤル針をサポート選針する時は、第１
実施例と同様にタック位置まで上昇したセレクタージャ
ック３は、ニット上昇部２０１ｂをバット３ａと係合し
ない位置へ引き込んで設定し、タック位置を移動する。
さらに、ダイヤル針２はガードカム７５１をバット２ａ
と係合する位置へ出して設定し、ガードカム７５１に沿
ってウエルト位置まで下降する。

【００４９】ダイヤル針２のバット２ａのサポートポジ
ションの動作線をＴ１１１ｓで示す。ダイヤル針２のバ
ット２ａのウエルトポジションの動作線をＴ１１１ｗで
示す。このようなカムの設定にしておけば、サポートポ
ジションとウエルトポジションの２ポジションが選択で
きる。

【００５０】また、ニット上昇部２０１ｂを出した位置
に、ガードカム７５１を引き込んだ位置に設定しておけ
ば、第１実施例と同様に３ポジションの選択ができる。

【００５１】このように、本発明の編針制御装置を使用
することにより、コントローラから出力した柄信号に基
づいて、ニットとタックとウエルト（さらに必要ならサ
ポート）の選択を行い、ジャガード編地を編成すること
ができるのである。

【００５２】本発明は、ダイヤル針を選針する装置に限
られたものではない。シリンダー針、目移し針、ジャッ
ク、シンカー等の編みツールを少なくとも２種類の通路
に選択的に制御する装置に幅広く応用することが可能で
ある。

【００５３】

【発明の効果】

＜第１、３実施例＞本発明の実施例１、３のように、揺
動片を揺動片ダウンワードカム１１１と係合して移動さ
せるための揺動片ダウンワードカムの奥行きストローク
は、セレクタージャックの突起部３ｃが、第１くぼみ４
ｂから第１山部４ｆまで、あるいは第２くぼみ４ｃから
第２山部４ｇまでのストロークと同程度まで減じること
が可能になり、さらに揺動片ダウンワードカムの円周方
向のストロークも狭めることができた。これにより、３
ポジションの選針に必要な第１選針部と第２選針部が小
型化できた。

【００５４】従って、本発明では、前記従来技術（特公
昭５３−１８６５）で２ポジション選針した場合の給糸
口の数と同じで、３ポジションの選針が可能になった。

【００５５】＜第２実施例＞電磁選針装置において、従
来技術（特公昭５３−１８６５など）では、選針ジャッ
クを上昇させて選針していたが、ラッチ針を使用した編
成において、ウエルトポジションからニットポジション
へ上昇する位置では、巻取り装置により巻取り張力がオ
ールドループに掛かり、オールドループが編針のフック
部からラッチを開き、編針のリベット部を通過するが、
この時に最も編針に負荷抵抗が掛かる。このため、編針
を制御する選針ジャックにもこの負荷抵抗が掛かってい
た。

【００５６】本発明では、揺動片母材の制御バット４１
ａがニットポジションＴ１１ｋを通過する時は、揺動片
母材レージングカム１０１と係合し、編針を上昇させる
ため、前記負荷抵抗が揺動片に掛からない。揺動片母材
の制御バット４１ａがウエルトポジションＴ１１ｗを通
過する時は、揺動片ダウンワードカム１１１と係合し、
揺動片母材を下降させるため、揺動片には、揺動片母材
と揺動片の重量の負荷抵抗しか掛からない。

【００５７】このように、揺動片（従来技術では選針ジ
ャック）を下降させて選針する機構となっている本発明
の効果は、揺動片の摩耗や損傷が極めて少ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１〜図３は、本発明の第１実施例に係る編針
制御装置の要部である。図１−Ａは、カムホルダーに設
置した各種カム、アクチュエータを示す。図１−ａは、
図１−Ａのａ−ａ断面における断面図を示す。

【図２】図２−Ａは、本発明の装置の編成要部の断面図
を示す。図２−Ｂは、図２−Ａの編みツールの拡大図で
ある。

【図３】図３−ｂは、図１−Ａのｂ−ｂ断面である。図
３−ｃは、図１−Ａのｃ−ｃ断面である。図３−ｄは、
図１−Ａのｄ−ｄ断面である。図３−ｅは、図１−Ａの
ｅ−ｅ断面である。

【図４】図４−ｆは、図１−Ａのｆ−ｆ断面である。図
４−ｇは、図１−Ａのｇ−ｇ断面である。図４−ｈは、
図１−Ａのｃ−ｃ断面である。図４−ｉは、図１−Ａの
ｆ−ｆ断面である。

【図５】本発明第２実施例に係る編針制御装置の要部の
カム、編針、揺動片母材、揺動片の配列図及び編針、揺
動片母材と揺動片の動作線を示す。

【図６】本発明の第３実施例に係る編針制御装置の要部
であり、第１実施例にサポート機能を追加したものであ
る。

【符号の説明】

２ 編みツール ２ａ バット ２ｂ 半円状のくぼみ ３ セレクタージャック ３ａ バット ３ｂ 円形の突起部 ３ｃ 逆台形状の突起部、 ４ 揺動片母材 ４ｂ 第１くぼみ ４ｃ 第２くぼみ ４ｆ 三角形状第１山部 ４ｇ 三角形状第２山部 ５ 揺動片 ５ａ，５ｂ 被吸着部材 ７，８ 編みツール制御カム ９，１０ セレクタージャック制御カム １０，１１ 揺動片母材制御カム

【手続補正書】

【提出日】平成８年８月２６日

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１２

【補正方法】変更

【補正内容】 図１のＢ図は、図１−Ａのａ−ａ断面における断面図を
示す。図２−Ａは、本発明の装置の編成要部の断面図を
示す。図２−Ｂは、図２−Ａの編みツールの拡大図であ
る。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図１】図１〜図３は、本発明の第１実施例に係る編針
制御装置の要部である。図１−Ａは、カムホルダーに設
置した各種カム、アクチュエータを示す。図１−Ｂは、
図１−Ａ（７）ａ−ａ断面における断面図を示す。

【手続補正４】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図１

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 編みツール（２）が移動可能に装着され
   た、丸編機におけるジャガード編地の制御装置であっ
   て、 前記編みツール（２）と同一溝に装着され、編みツール
   を制御する揺動片母材（４）と、 前記編みツール（２）と前記揺動片母材（４）間に載架
   されたセレクタージャック（３）と、 前記揺動片母材（４）により揺動自在に支持され、か
   つ、被吸着部材（５ａ，５ｂ）を有する少なくとも１個
   の揺動片（５）と、 前記被吸着部材（５ａ，５ｂ）に対応した、少なくとも
   一対の吸着部材（１２ａ、１２ｂ；１２ｃ、１２ｄ）
   と、 前記編みツール（２）を制御する制御カム（７、８）
   と、 前記セレクタージャック（３）を制御する制御カム
   （９、１０）と、 前記揺動片母材（４）を制御する中間カム（１０、１
   １）とを有し、 さらに、前記揺動片母材（４）は、円周方向のストロー
   ク短縮が可能なように前記セレクタージャック（３）と
   係脱しながら移動することにより３ポジション選択を可
   能としたことを特徴とする丸編機における編みツール制
   御装置。
2. 【請求項２】 編みツール（２）は、少なくとも１個の
   バット（２ａ）と、内径側上部の半円状のくぼみ（２
   ｂ）を有し、 セレクタージャック（３）は、少なくとも１個のバット
   （３ａ）と、外周側下部から突出する円形の突起部（３
   ｂ）と、内周側下部に突出する逆台形状の突起部（３
   ｃ）を有し、 揺動片母材（４）は、外周部に設けられた少なくとも２
   個の逆台形状の第１くぼみ（４ｂ）と第２くぼみ（４
   ｃ）を有し、さらに、前記第１くぼみ（４ｂ）と前記第
   ２くぼみ（４ｃ）間の三角形状第１山部（４ｆ）と、第
   ２くぼみ（４ｃ）の外周側の三角形状第２山部（４ｇ）
   を有し、 前記くぼみ（２ｂ）と突起部（３ｂ）はピボット的に支
   点連結され、前記突起部（３ｃ）は、前記第１くぼみ
   （４ｂ）と第２山部（４ｇ）間を、前記第１山部（４
   ｆ）と第２山部（４ｇ）を上下しながら、移動可能であ
   る請求項１記載の装置。
3. 【請求項３】 セレクタージャック制御カム（１０）
   が、タック位置の頂点付近で、タック上昇部（２０１
   ａ）とニット上昇部（２０１ｂ）に２分割され、出没可
   能に設置されているニット上昇部（２０１ａ）と、 ニット位置からウエルト位置へバットが下降する通路に
   出没可能に設置されているガードカム（７５１）からな
   る、サポート機能を有する請求項１記載の装置。
4. 【請求項４】 編みツール（２１）が移動可能に装着さ
   れた、丸編機におけるジャガード編地の制御装置であっ
   て、 前記編みツール同一溝に装着され、編みツールを制御す
   る揺動片母材（４１）と、 前記揺動片母材（４１）により揺動自在に支持され、か
   つ、被吸着部材（５１ａ，５１ｂ）を有する少なくとも
   １個の揺動片（５１）と、 前記被吸着部材（５１ａ，５１ｂ）に対応した、少なく
   とも一対の吸着部材（１２１ａ、１２１ｂ）と、 前記揺動片（５１）を下降させる少なくとも１個の揺動
   片ダウンワードカム（１１１）と、前記編みツールを制
   御する制御カム（７１、８１）と、 揺動片母材（４１）を制御する中間カム（１０１、１１
   １）からなる丸編機における編みツール制御装置。
5. 【請求項５】 編みツールが、回転シリンダー（ＣＹ）
   またはダイヤル（１）に装着され、単独に動作制御可能
   な制御手段によって制御される編針（２；２１）である
   請求項１ないし４記載のいずれか１項に記載の装置。