JPH1081058A - 複写防止媒体及びその作成方法 - Google Patents

複写防止媒体及びその作成方法

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JPH1081058A
JPH1081058A JP8257329A JP25732996A JPH1081058A JP H1081058 A JPH1081058 A JP H1081058A JP 8257329 A JP8257329 A JP 8257329A JP 25732996 A JP25732996 A JP 25732996A JP H1081058 A JPH1081058 A JP H1081058A
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light
copy
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light reflecting
thin film
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JP8257329A
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English (en)
Inventor
Satoshi Kinoshita
聡 木下
Akiko Chiyoda
明子 千代田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カラーコピー機による偽造防止効果のある印刷
物とその作成方法を提供する。 【解決手段】複写防止媒体面に少なくとも2種の反射率
の異なる光反射部によって潜在パターンを形成し、カラ
ーコピー機による複写物で顕在化させる。潜在パターン
の作成方法は、基材11の上に金属薄膜層13を全面に
設け、所定のパターンに従って透過光量を制御する光透
過層12を設ける。あるいは第1の光透過層12−1を
全面に設け、その上に所定のパターンに従って第2の光
透過層12−2を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機を用いて偽
造又は改ざんされた複写物の判別機能を有する複写防止
媒体とその作成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラーコピー機等の複写機の技術
的進歩により、高度な偽造防止策が施されているはずの
銀行券、商品券、株券、債権等の金券、証明書、鑑定
書、入場券、招待券、定期券、並びに、IDカード等の
複写防止媒体の複写物が、市場に出回るようになり、社
会問題となっている。これらの複写機を用いた偽造を抑
制する方法として、従来から、複写防止媒体に、アルミ
粉等からなる銀インキによって、一部の情報を形成する
ことが知られている。この銀インキを用いた複写防止媒
体が、カラーコピー機等の複写機によって、偽造された
としても、光沢感のある銀インキの銀色は、複写物では
再現されない。従って、銀インキの銀色を見ることで、
複写機を用いて偽造された複写物かどうかを判別するこ
とができるため、銀インキには偽造を防止する効果があ
る。また、ホログラムや回折格子の回折構造も、同様
に、複写機で再現できず、複写防止媒体の一部に設けら
れることが行われている。ホログラムや回折格子などの
回折構造は、観察方向や照明方向を変えることで、その
回折光を動的に変化させることができるため、この動的
な変化を確認することにより、回折構造が設けられた複
写防止媒体の真偽を判別することができる。さらに、特
開平7−309062号公報では、ピッチの異なるスク
リーン線数で形成された大きさが異なり、同じ濃度を有
する2種類の網点を、目視では判別できないように隣接
してパターン状に、複写防止媒体に設けることが提案さ
れている。この複写防止媒体が、カラーコピー機等の複
写機で複写されると、複写機の低い解像度によって、2
種類の網点の濃度バランスが崩壊し、パターンが顕在化
するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、銀インキ
は、アルミ等からなる扁平な金属粉を透明なビヒクルに
混合させたものであり、金属粉の扁平面の方向にばらつ
きがある。従って、マクロ的にみると、銀インキの反射
表面は、粗面である。一方、カラーコピー機は、被複写
物の表面の法線に対して45度の角度で光源から光を照
射し、その表面の法線に対して0度方向に設置されてい
る受光部で、その表面からの散乱光を受光し、その受光
強度に応じて、被複写物の情報を再現するものである。
よって、銀インキの反射表面は、カラーコピー機の光源
からの光を散乱反射し、その反射光の一部をカラーコピ
ー機の受光部に入射させる。この入射光の強度に基づい
て、カラーコピー機は、被複写物の銀インキの部分を、
複写物では光沢感のない薄い灰色系の色相に再現する。
しかしながら、このように、銀インキの弱い輝きのある
銀色が、複写物において、薄い灰色に再現されるという
変化は、それ自体、インパクトに欠けるため、人によっ
ては、この変化に気が付かず、複写物を本物の複写防止
媒体と見間違えることもあり、また、この程度の変化で
は、複写機による偽造行為を抑制することができないと
いう問題がある。また、ホログラムや回折格子を複写防
止媒体の一部に設けた場合、前述のカラーコピー機の構
造から、45度の方向から入射した照明光による0度の
方向へのホログラムや回折格子の再生像が、複写物に再
現される。ところで、混雑時における短時間の複写物の
判別作業や、暗がりでの複写物の判別作業においては、
回折構造による回折光の動的な変化が充分に確認でき
ず、複写物を本物の複写防止媒体と見間違えるという問
題がある。さらに、特開平7−309062号公報で提
案されている方法では、複写機の解像度に依存している
ため、複写機の解像度や再現性等の性能向上にともな
い、偽造防止効果が薄れていくことが予想されるという
問題がある。本発明は、前述の問題点を鑑みてなされた
もので、目視のみで真偽判別作業が容易にできる複写防
止媒体とその作成方法の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による複写防止媒
体は、第1の光反射部と第2の光反射部とを含む複写防
止媒体であって、第1の光反射部と第2の光反射部とが
金属薄膜層を有し、金属薄膜層に入射する光の量を制限
する第1の光透過層が、第2の光反射部に形成され、第
1の光反射部に形成されていないため、第1の光反射部
の反射率と第2の光反射部の反射率とを異ならせること
ができる。第1の光反射部が、金属薄膜層に入射する光
の量を制限する第2の光透過層を有していれば、第1の
光反射部の反射率も制御することができる。前記光透過
層に微粒子が含まれていれば、微粒子の種類又は量の選
択によって、反射率を制御することができる。隣接して
設けられた第1の光反射部及び第2の光反射部によっ
て、潜在パターンが形成されていれば、複写物における
第1の光反射部と第2の光反射部との再現状態に差によ
り、潜在パターンが現出する。第1の光反射部及び第2
の光反射部上に、カムフラージュパターンが形成されて
いれば、複写防止媒体における第1の光反射部と第2の
光反射部との反射率の差をカムフラージュすることがで
きる。第1の光反射部及び第2の光反射部上に、個別情
報が形成されていてもよい。また、本発明による複写防
止媒体の作成方法は、第1の光反射部と第2の光反射部
とを有する複写防止媒体の作成方法であって、基材を準
備するステップと、基材上に、金属薄膜層を形成するス
テップと、前記金属薄膜層上の一部に第1の光透過層を
形成するステップと、第1の光透過層が形成されなかっ
た金属薄膜層を第1の光反射部と、第1の光透過層が形
成された金属薄膜層を第2の光反射部とするステップと
するステップとを有するため、第1の光反射部の反射率
と第2の光反射部の反射率とが異なる複写防止媒体を作
成することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面にしたがって、本発明
を詳細に説明する。図1は、本発明による複写防止媒体
の原理を説明するための図である。一般に、複写機で
は、図1に示すように、複写しようとする被複写物の表
面の法線に対して45度の角度方向の光源から光を照射
し、被複写物の表面で反射散乱する光のうち、法線に対
して0度の角度方向に反射する光を、その方向に設けら
れた受光部で受光し、その受光強度を読み取り、それを
再現する方式が採用されている。なお、本出願におい
て、角度をいうときはすべて法線に対する角度とする。
また、被複写物となる複写防止媒体は、多色印刷された
ものが多く、カラーコピー機では、3原色の各成分ごと
に、受光部で受光される被複写物の表面からの反射光の
受光強度が計測され、その受光強度に応じて、被複写物
の濃度階調や色調が再現される。図1(a)は、一般的
な白色紙を被複写物とした場合を示す図である。照明光
は、被複写物の表面で反射散乱され、0度の角度方向に
反射した光のみが受光部に到達し、受光強度が測定され
る。この受光強度に基づいて、被複写物の濃度階調や色
調が、複写物に再現される。一般的な白色紙面の場合、
反射散乱光の分布は、ほぼ均等であり、0度の角度方向
における反射率は、後述する銀インキや金属光沢に比べ
て大きく、複写機によって複写物に白く再現される。一
方、図1(b)は、鏡面のような金属光沢面を被複写物
とした場合を示す図である。45度の角度方向で照射さ
れた照明光は、金属光沢面で、ほとんど−45度の角度
方向に正反射するため、0度に角度方向にある複写機の
受光部は、反射光をほとんど受光しない。従って、金属
光沢面は、複写機によって複写物に黒く再現される。ま
た、図1(c)は、銀インキによる印刷面を、被複写物
とした場合を示す図である。銀インキによる印刷面は、
反射散乱光の分布が、一般の白色紙よりも、正反射方向
に偏っており、一般の白色紙と金属光沢面との中間的な
特性を示すため、0度に角度方向における反射率も、中
間的な値となる。従って、銀インキによる印刷面は、複
写機によって複写物に輝きのない薄い灰色に再現され
る。これら金属光沢面や銀インキによる印刷面の輝き
は、種々の角度方向から照射される光の中の一部が、金
属光沢面や銀インキの金属粉の表面で正反射され、この
反射光が目に入ってくるためである。ところで、カラー
コピー機等の複写機は、その構造上、正反射光を受光す
ることができず、また、正反射面の再現もできないた
め、これらの光沢面を再現できない。ここで、カラーコ
ピー機の45度の角度方向に設けられた光源からの照明
光に対して、被複写物の0度の角度方向の反射光の比
率、すなわち、45度照射、0度反射率(以下、「反射
率45−0」という)を、次式であらわすことができ
る。 反射率45−0 = 0度の反射光量/45度の照射光
量×100
【0006】被複写物の表面に形成された光反射部の反
射率45−0と目視感覚、複写機によって複写物に再現
された光反射部の反射濃度と目視感覚、及び、被複写物
と複写物との差に関する評価を調べた結果を、表1に示
す。
【表1】 以上の計測の試料とした被複写物の光反射部は、アルミ
蒸着面であり、アルミを蒸着する基材の表面粗さを制御
することにより、反射率45−0の異なる光反射部を得
た。被複写物の光反射部の反射率45−0の計測は、マ
クベスプリントコントラストメーター「PCM−2」に
よりビジュアルフィルターを使用した。なお、以下、反
射率45−0の値は、すべて、この装置による測定値で
ある。複写物で再現された光反射部の反射濃度は、マク
ベス反射濃度計RD−918S(ビジュアルフィルタ
ー)型によって計測した。この反射濃度計は、45度の
角度方向から照明光を照射し、0度の角度方向に反射す
る光量を受光し、反射濃度換算を行う。さらに、目視感
覚の欄は、被複写物では光反射部を、複写物では再現さ
れた光反射部を、目視により表現し、また、評価の欄
は、被複写物の光反射部と複写物で再現された光反射部
とを、10人の人間に見せ、一見して、複写物の判別が
つくかどうかを確認し、判別がついた人の数を記載し
た。表1から、被複写物の光反射部が、複写物では輝き
のない黒又は濃い灰色に再現されれば、それらの違いは
明白となるため、誰が見てもその違いに気が付くととも
に、被複写物をよく知らない者であっても、複写物で再
現された黒又は濃い灰色の異常さに気が付くので、この
光反射部が真偽判別の機能を有する。しかしながら、被
複写物に単一の光反射部しかない場合、カラーコピー機
等の複写機で複写する際に、複写濃度をこの光反射部の
複写物での再現色に基づいて調整されると、例えば、光
反射部が灰色に再現され、被複写物を知らない人が、複
写物が複写されたものかどうか明確に判断できない場合
があった。そこで、本発明では、反射率の異なる2種以
上の光反射部を複写防媒体に設けることにより、複写濃
度の調整による偽造を困難にするとともに、複写物にお
ける2種以上の光反射部の再現状態によって、複写物で
あることを目視で明確に判断できるようにしている。
【0007】図2は、本発明による複写防止媒体を示す
平面図である。以下、理解のしやすいように、「第1の
光反射部」が「第2の光反射部」よりも、反射率45−
0が小さいものとして説明する。図2(a)に示すよう
に、複写防止媒体1は、個別情報表示領域Kと潜在パタ
ーン領域Sとから構成されている。個別情報表示領域K
には、例えば、銀行券であれば、金額、シリアルナンバ
ー、製造所名等の文字、及び、人物像、日本銀行印、彩
紋等の図形からなり、複写機で複写されては困る複写防
止媒体自体に特有な個別情報4が、印刷や印字等の適宜
手段で設けられている。また、潜在パターン領域Sに
は、反射率45−0の異なる2種の光反射部、すなわ
ち、第1の光反射部Aと第2の光反射部Bとが隣接して
設けられている。これら光反射部AとBの境界線によっ
て、潜在パターン3が形成されている。潜在パターン3
は、「複写」、「偽物」、「無効」等の警告文字又はマ
ークから、適宜選択すればよい。なお、光反射部AとB
の反射率45−0差は、複写防止媒体における光反射部
AとBの違いを目視で見落とす程度のもので、カラーコ
ピー機等に複写機でその違いを複写物に再現できるよう
に、2〜10パーセントの範囲にあることが好ましく、
3〜5パーセントの範囲が両者のバランスから望まし
い。ここで、光反射部AとBの反射率45−0の差が、
10パーセントを越えると、本物である複写防止媒体1
であっても、目視困難でなければならない潜在パターン
3が顕在化し、目視により容易に見分けられるため、複
写防止媒体を複写物と間違えてしまうことがある。ま
た、光反射部AとBの反射率45−0の差が、2パーセ
ント未満であると、カラーコピー機によって複写された
複写物であっても、両光反射部による反射率差によって
顕在化するはずの潜在パターン3が顕在化せず、複写物
を容易に見分けられないことがある。また、複写防止媒
体1の潜在パターン3を一層見分けにくくするため、微
細な文字、模様、波線等からなるカムフラージュパター
ン5が、潜在パターン3を設ける潜在パターン領域S
に、印刷により形成されている。
【0008】図2(b)は、図2(a)で示されている
複写防止媒体1がカラーコピー機等の複写機で複写され
た複写物2を示す図である。複写物2の個別情報表示領
域K’は、複写防止媒体1の個別情報表示領域Kと、ほ
とんど同じように再現される。一方、複写防止媒体1の
潜在パターン領域Sに対応する複写物2の潜在パターン
領域の再現領域S’において、図2(b)で示すよう
に、第1の光反射部Aの再現領域A’と第2の光反射部
Bの再現領域B’の再現状態の差によって、複写防止媒
体1で目視困難であった潜在パターン3が、複写物2で
は、顕在化し、牽制パターン3’として容易に目視で確
認できるようになる。この潜在パターン3の顕在化は、
複写防止媒体1の特定な部分の濃度や色調の微妙な変化
と異なり、複写防止媒体1で目視困難であったパターン
が複写物で現出するため、インパクトがある。従って、
複写防止媒体1をよく知らない者であっても、複写物を
見るだけで、その異常さがわかるので、この顕在化によ
る、複写物の判定機能は大きな効果がある。
【0009】また、前述したように、アルミ蒸着面など
の金属光沢面は、反射率45−0が30パーセントを越
えて、40〜50パーセントになると、複写物では薄い
灰色に再現されてしまい、複写物の判定機能が低下す
る。しかし、本発明の複写防止媒体のように2種の光反
射部を有することで、反射率45−0が30パーセント
を越えていたとしても、複写物は、再現された光反射部
に薄いカブリが発生した状態となるものの、その中に、
濃度の異なる2つの光反射部の再現領域が見える状態と
なる。なお、光反射部の反射率45−0が30パーセン
トを越えると、光反射部は若干の光沢が感じられる程度
となり、複写防止媒体の全体を見た場合の不自然さが減
少する。
【0010】ここで、潜在パターン3を設ける複写防止
媒体1の場所は、図2(a)の例に限らず、複写防止媒
体1上であれば、どのような位置にあってもよいが、複
写機を用いて偽造された複写物の目に付きやすい場所に
設けることが好ましい。さらに、潜在パターン表示領域
Sと個別情報表示領域Kとは、図2(a)のように、区
画する必要はなく、適宜重なり合ってもよく、個別情報
表示4が、光反射部AとB上に設けられてもよい。
【0011】次に、本発明による複写防止媒体の作成方
法について説明する。図3は、本発明による複写防止媒
体1の潜在パターン領域Sを説明するための模式断面図
である。図3(a)に示す実施形態は、基材11上に、
真空蒸着法により金属薄膜層13を形成し、次に、金属
薄膜層13上の一部分に、金属薄膜層13に入射する光
の量を制限する光透過層12がパターン状に設けられて
おり、光透過層12が形成されている部分を第2の光反
射部B、光透過層12が形成されていない部分を第1の
光反射部Aとしている。第2の光反射部Bに入射する光
は、光透過層12における散乱又は吸収などにより、第
1の光反射部Aに入射する光に比べて、光量が少なくな
る。また、第2の光反射部Bからの反射光は、さらに、
光透過層12の影響を受け、第1の光反射部Aからの反
射光に比べて、よりいっそう光量が少なくなる。基材1
1としては、金属との接着性のよいものであれば使用で
き、例えば、ポリエチレンテレフタレートシートのプラ
スチックシートが使用できる。また、金属との接着性の
悪いものであっても、基材11と金属薄膜層13との間
に、ポリエステル系樹脂等のアンカー層を設けること
で、使用することができる。さらに、上質紙のように、
浸透性があり表面状態が良好でないものについては、塩
化ビニル酢酸ビニル共重合体系の樹脂等による目止め層
を設けてもよい。また、基材11の表面が平滑でない場
合、金属薄膜層13は、基材11の表面粗さに従って、
一定の反射率45−0を持つため、基材11と金属薄膜
層13との間にアンカー層を設け、アンカー層の材料に
加える微粒子の量や粒径で金属薄膜層13の反射率45
−0を制御することができる。光透過層12としては、
金属薄膜層に入射する光の量を制限すれば、透明でも半
透明でもよく、例えば、タルク、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、酸化チタン等の無期顔料、金属せっけん
類、及び、ポリエチレンパウダー等のプラスチックパウ
ダー等の微粒子と、ポリエステル系樹脂などの合成樹脂
との混合物が使用できる。また、染料や顔料等の色料に
よって、光透過層を着色してもよい。なお、光透過層1
2は、金属薄膜層13の上側に設けられるため、透明又
は半透明である必要があるため、微粒子として無機顔料
を添加する場合は、光透過層12の透明性を損なわない
程度の量に留める必要がある。金属薄膜層13として
は、金属反射する材料、例えば、アルミニウムなどの金
属が使用でき、充分に光を反射できる厚さ、例えば、2
00〜1000オングストロームの厚さで形成される。
金属薄膜層13は、真空蒸着法やスパッタリング法等の
薄膜形成手段により、形成することができる。なお、ア
ルミニウム等の金属単体に代えて、硫化亜鉛等の透明で
高い屈折率を有する金属化合物を金属薄膜層13とし
て、使用してもよい。高い屈折率を有する金属化合物
は、界面での屈折率差によって、入射光の一部を正反射
方向に反射するため、金属化合物が形成された部分の複
写物は、形成されていない部分に比べて黒ずんで再現さ
れる。高い屈折率を有する金属化合物は、金属の単体の
ように複写防止媒体が金属光沢を持たず、複写防止媒体
としての自然さが増す。図3(b)に示す実施形態は、
図3(a)の実施形態において、第1の光透過層12−
1と金属薄膜層13との間に、第2の光透過層12−2
を形成したものである。第2の光透過層12−2によっ
て、第1の光反射部Aの反射率が決定されるとともに、
第1の光透過層12−1及び第2の光透過層12−2に
よって、第2の光反射部Bの反射率が決定される。この
ように、第2の光透過層12−2を設けることによっ
て、複写防止媒体の全体の反射率45−0を低減するこ
とができ、違和感の少ない複写防止媒体を作成できる。
なお、第1の光透過層12−1及び第2の光透過層12
−2としては、前述の光透過層12に使用したものを使
用することができる。図3(c)に示す実施形態は、粗
面な(表面粗さの大きい)基材14上に、金属蒸着を行
って金属薄膜層13を形成し、この金属薄膜層13上の
一部にパターン状に第1の光透過層12−1を形成する
ことで、反射率45−0の異なる2種の光反射部、すな
わち、第1の光反射部Aと第2の光反射部Bが得られ
る。この実施形態は、図3(b)の実施形態と同様に、
複写防止媒体の全体の反射率45−0を高めることがで
き、違和感の少ない複写防止媒体を作成できる。粗面な
基材としては、表面が粗面なものであれば使用でき、例
えば、顔料などの微粒子を含む粗面なポリエチレンテレ
フタレートシートのプラスチックシートが使用できる。
また、粗面なプラスチックシートの代わりに、平滑な基
材の表面を粗面化処理したものを使用することもでき
る。
【0012】図4は、完成した複写防止媒体を示す断面
図である。複写防止媒体1は、金属薄膜層13及び第1
の光透過層上に、カムフラージュパターン印刷層15
を、オフセット、シルク等の印刷方法で印刷している。
さらに、ポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂等による
保護層16が設けられている。以上、本発明の実施例に
ついて詳細に説明してきたが、本発明はこれら実施例に
限定されるものではなく、発明の範囲内で種々の変形が
可能である。例えば、光反射部は、2種ではなく、3種
以上であってもよい。また、図示しないが、保護層16
の上又は下に、個別情報印刷層を、印刷や印字などによ
って設けてもよい。さらに、保護層16として、透明イ
ンキや透明プラスチックフィルムを積層してもよく、ポ
リエステル系樹脂やアクリル系樹脂等に染料や顔料を混
入した着色層等を設けてもよい。光透過層を着色する場
合、保護層も同系色で着色すれば、第1の光反射部と第
2の光反射部との差が、目視では認識しづらくなる。
【0013】(実施例1)厚さ188μmの白色ポリエ
チレンテレフタレートシートからなる基材上に、ポリエ
ステル系樹脂からなる透明アンカー剤をグラビア印刷で
1μmの厚さに形成した。次に、このアンカー剤の上
に、アルミニウムを500オングストロームの厚さまで
真空蒸着して、金属薄膜層を設けた。この金属薄膜層上
に、アクリル系樹脂からなるバインダーの100重量部
に対して、マイクロシリカからなる微粒子を10重量部
混合した光透過層を、光透過率が70パーセントになる
ようにオフセット印刷により、「COPY」の文字部を
除く背景部に1.5μmの厚さで設け、「COPY」の
文字状の第1の光反射部とその背景の第2の光反射部と
からなる潜在パターンを形成した。次に、彩紋からなる
カムフラージュパターン印刷層をオフセット印刷で形成
した。さらに、このカムフラージュパターン印刷層上
に、オフセット印刷で保護層を設けて、複写防止媒体を
完成させた。このとき、第1の光反射部の反射率45−
0は、14パーセントであり、第2の光反射部の反射率
45−0は、20パーセントであった。このように作成
された複写防止媒体において、第1の光反射部と第2の
光反射部との境界線からなる潜在パターン「COPY」
を、目視では判別しにくいものであった。また、この複
写防止媒体を、カラーコピー機(CLC500、キャノ
ン製)で複写したところ、潜在パターンである「COP
Y」の文字が顕在化し、複写物であることが容易に識別
できた。
【0014】(実施例2)前述した(実施例1)の金属
薄膜層上に、ポリエステル樹脂からなるバインダーの1
00重量部に対して、ステアリン酸カルシウムからなる
微粒子を5重量部混合して、第2の光透過層の光透過率
が80パーセントになるように、グラビア印刷により、
全面に1μmの厚さに設け、この第2の光透過層上に、
(実施例1)と同様に、光透過層を設け、第2の光透過
層のみが設けられている第1の光反射部と光透過層と第
2の光透過層が設けられている第2の光反射部を形成し
た。このとき、第1の光反射部の反射率45−0は、1
8パーセントであり、第2の光反射部の反射率45−0
は、26パーセントであった。このように作成された複
写防止媒体において、第1の光反射部と第2の光反射部
との境界線からなる潜在パターン「COPY」を、目視
では判別しにくいものであった。また、この複写防止媒
体を、カラーコピー機(CLC500、キャノン製)で
複写したところ、潜在パターンである「COPY」の文
字が顕在化し、複写物であることが容易に識別できた。
【0015】(実施例3)前述した(実施例1)の基材
とアンカー層に代えて、中心線平均粗さ(以下、Raと
する)が0.20μm、厚さ188μmの白色ポリエチ
レンテレフタレートシートからなる基材に、直接、アル
ミニウムを500オングストロームの厚さまで真空蒸着
して、金属薄膜層を設けた。次に、(実施例1)と同様
に、光透過層を設けた。このとき、第1の光反射部の反
射率45−0は、28パーセントであり、また、第2の
光反射部の反射率45−0は、34パーセントであっ
た。このように作成された複写防止媒体において、第1
の光反射部と第2の光反射部との境界線からなる潜在パ
ターン「COPY」を、目視では判別しにくいものであ
った。また、この複写防止媒体を、カラーコピー機(C
LC500、キャノン製)で複写したところ、潜在パタ
ーンである「COPY」の文字が顕在化し、複写物であ
ることが容易に識別できた。
【0016】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明による複写
防止媒体は、金属薄膜層に入射する光の量を制限する第
1の光透過層が、第2の光反射部に形成され、第1の光
反射部に形成されていないため、第1の光反射部の反射
率と第2の光反射部の反射率とを異ならせることができ
るので、複写物における第1の光反射部と第2の光反射
部との再現状態に差が生じ、複写機の濃度調節による偽
造を困難にするとともに、複写物が複写されたものであ
ることを目視で明確に判断でき、複写防止媒体の複写機
による偽造を抑制できるとともに、複写物の使用を防止
することができる。第1の光反射部が、金属薄膜層に入
射する光の量を制限する第2の光透過層を有していれ
ば、第1の光反射部の反射率も制御することができ、第
1の光反射部と第2の光反射部とを、所望の反射率の領
域で、所望の反射率差とすることができる。前記光透過
層に微粒子が含まれていれば、微粒子の種類又は量の選
択によって、容易に、反射率を制御することができる。
潜在パターンが形成されていれば、複写物における第1
の光反射部と第2の光反射部との再現状態に差により、
潜在パターンが現出するため、本物の複写防止媒体を知
らない人であっても、複写物の判別を容易にすることが
できる。カムフラージュパターンが形成されていれば、
複写防止媒体における第1の光反射部と第2の光反射部
との反射率の差をカムフラージュすることができるの
で、本物である複写防止媒体の2つの光反射部の差を目
視で判別しにくすることができる。また、本発明による
複写防止媒体の作成方法は、第1の光反射部と第2の光
反射部とを有する複写防止媒体の作成方法であって、基
材を準備するステップと、基材上に、金属薄膜層を形成
するステップと、前記金属薄膜層上の一部に第1の光透
過層を形成するステップと、第1の光透過層が形成され
なかった金属薄膜層を第1の光反射部とするステップ
と、第1の光透過層が形成された金属薄膜層を第2の光
反射部とするステップとを有するため、第1の光反射部
の反射率と第2の光反射部の反射率とが異なるので、複
写物における第1の光反射部と第2の光反射部との再現
状態に差が生じ、複写機の濃度調節による偽造を困難に
するとともに、複写物が複写されたものであることを目
視で明確に判断でき、複写防止媒体の複写機による偽造
を抑制できるとともに、複写物の使用を防止することが
できる複写防止媒体を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による複写防止媒体の原理を説
明するための図である。
【図2】図2は、本発明による複写防止媒体を示す平面
図である。
【図3】図3は、本発明による複写防止媒体の潜在パタ
ーン領域Sを説明するための模式断面図である。
【図4】図4は、完成した複写防止媒体を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 複写防止媒体 2 複写物 3 潜在パターン 3’ 牽制パターン 4 個別情報 5 カムフラージュパターン 11 基材 12 光透過層 12−1 第1の光透過層 12−2 第2の光透過層 13 金属薄膜層 14 粗面の基材 15 カムフラージュパターン印刷層 16 保護層 A 第1の光反射部 B 第2の光反射部 A’ 第1の光反射部の再現領域 B’ 第2の光反射部の再現領域 K 個別情報表示領域 K’ 個別情報表示領域の再現領域 S 潜在パターン領域 S’ 潜在パターン領域の再現領域

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の光反射部と第2の光反射部とを含
    む複写防止媒体であって、前記第1の光反射部と前記第
    2の光反射部とが金属薄膜層を有し、前記金属薄膜層に
    入射する光の量を制限する第1の光透過層が、前記第2
    の光反射部に形成され、前記第1の光反射部に形成され
    ていないことを特徴をする複写防止媒体。
  2. 【請求項2】 前記第1の光反射部が、前記金属薄膜層
    に入射する光の量を制限する第2の光透過層を有する請
    求項1記載の複写防止媒体。
  3. 【請求項3】 前記光透過層に微粒子が含まれている請
    求項1又は2記載の複写防止媒体。
  4. 【請求項4】 隣接して設けられた前記第1の光反射部
    及び前記第2の光反射部によって、潜在パターンが形成
    されている請求項1から3のいずれか1項記載の複写防
    止媒体。
  5. 【請求項5】 前記第1の光反射部及び前記第2の光反
    射部上に、カムフラージュパターンが形成されている請
    求項1から4のいずれか1項記載の複写防止媒体。
  6. 【請求項6】 前記第1の光反射部及び前記第2の光反
    射部上に、個別情報が形成されている請求項1から5の
    いずれか1項記載の複写防止媒体。
  7. 【請求項7】 第1の光反射部と第2の光反射部とを有
    する複写防止媒体の作成方法であって、 基材を準備するステップと、 前記基材上に、金属薄膜層を形成するステップと、 前記金属薄膜層上の一部に第1の光透過層を形成するス
    テップと、 前記第1の光透過層が形成されなかった前記金属薄膜層
    を第1の光反射部とするステップと、 前記第1の光透過層が形成された前記金属薄膜層を第2
    の光反射部とするステップとを有することを特徴をする
    複写防止媒体の作成方法。
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