JPH1077321A - 樹脂組成物及びこれを活性エネルギー線により硬化させてなる部材 - Google Patents

樹脂組成物及びこれを活性エネルギー線により硬化させてなる部材

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JPH1077321A
JPH1077321A JP5600997A JP5600997A JPH1077321A JP H1077321 A JPH1077321 A JP H1077321A JP 5600997 A JP5600997 A JP 5600997A JP 5600997 A JP5600997 A JP 5600997A JP H1077321 A JPH1077321 A JP H1077321A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学レンズ、光ディスク基板、液晶基板、カ
ラーフィルタ、太陽電池基板、タッチパネル、光学素子
等のガラス基板に代えて、耐薬品性に優れておりガラス
基板より衝撃強度においても優れた樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 非晶質熱可塑性樹脂99〜1重量%と活
性エネルギー線により硬化可能なビス(メタ)アクリレ
ート1〜99重量%とよりなる樹脂組成物及びこれを活
性エネルギー線により硬化させてなる部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐薬品性、耐熱性
の良好なガラス代替用樹脂組成物及び該樹脂組成物を活
性エネルギー線により硬化した部材に関するものであ
り、例えば、透明板、光学レンズ、光ディスク基板、プ
ラスチック液晶基板、プラスチックカラーフィルタ、プ
ラスチック太陽電池基板、タッチパネル、光学素子等に
好適に利用できる。
【0002】
【従来の技術】従来より、ガラス代替用途としては、非
晶質熱可塑性樹脂が透明性の点から使用されてきてい
る。しかしながら、非晶質熱可塑性樹脂は耐薬品性に劣
ること、また耐熱性についてもガラス転移温度以上では
流動してしまうため使用できる範囲が限定されるという
問題がある。そのため、特開平6ー116406号に
は、耐薬品性を改良する目的で非晶質熱可塑性樹脂層の
表面に光硬化性樹脂層を設けたものが提案されている
が、該光硬化性樹脂層が外力等によって傷ついた場合、
溶剤等により容易に膨潤および溶解してしまうという欠
点がある。
【0003】一方、一般に耐熱性改善の目的で熱可塑性
樹脂に過酸化物を添加して、熱可塑性樹脂を架橋する方
法が提案されているが、この場合、樹脂自体を反応させ
るため使用できる樹脂が限定されてしまい、現状ではポ
リエチレン樹脂に使用されているに過ぎず、非晶質熱可
塑性樹脂を架橋することにより耐熱性を向上させること
が困難である。他方、光硬化した樹脂自体は、耐薬品性
に優れているが、耐衝撃性に劣るため成型物が薄物の場
合、割れやすいという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みガラス基板に代えて、透明板、光学レンズ、光ディ
スク基板、プラスチック液晶基板、プラスチックカラー
フィルタ、プラスチック太陽電池基板、タッチパネル、
光学素子等に好適に利用できる樹脂組成物及び部材を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願発明は、非晶質熱可塑性樹脂99〜1重量%と
活性エネルギー線により硬化可能なビス(メタ)アクリ
レート1〜99重量%とよりなる樹脂組成物に関し、ま
た本願発明の請求項6記載の発明は、該樹脂組成物を活
性エネルギー線により硬化させてなる部材に関する。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0006】本発明の樹脂組成物は、非晶質熱可塑性樹
脂と活性エネルギー線により硬化するビス(メタ)アク
リレートとからなる。本発明の非晶質熱可塑性樹脂と
は、X線解析法による結晶化度が5%以下のものであ
り、具体的にはPS(ポリスチレン)、SAN(スチレ
ンーアクリロニトリル共重合体)、PC(ポリカーボネ
ート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PE
S(ポリエーテルスルフォン)、PAR(ポリアリレー
ト)、非晶質ポリオレフィン、PPO(ポリフェニレン
オキサイド)、PVC(ポリ塩化ビニル)、ポリシクロ
ヘキシルメタクリレート、フルオレン共重合ポリエステ
ル等が挙げられる。このうち、非晶質ポリオレフィンは
複屈折が生じ難く、また、吸湿性が小さいため利用可能
な用途が広くなり好ましい。非晶質ポリオレフィンと
は、環状構造を有する重合体であり、その構造、性質よ
り非晶質ポリオレフィンと言える樹脂である。具体的な
非晶質ポリオレフィンの例としては、次のようなものが
挙げられる。
【0007】(A)シクロペンタジエンもしくはその誘
導体とノルボルナジエンもしくはその誘導体との付加反
応物と、ビニル基を有する化合物との共重合体又はその
共重合体の水素添加物である。ここで、ビニル基を有す
る化合物とは、αーオレフィン、1,3ー共役ジエン、
スチレン及びスチレン誘導体から選ばれた不飽和単量体
である。αーオレフィンの具体例としては、エチレン、
プロピレン、ブチレン等が、1,3ー共役ジエンの具体
例としては、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン等
が、スチレン誘導体の具体例としては、oーメチルスチ
レン、mーメチルスチレン、pーメチルスチレン、αー
メチルスチレン、oークロルスチレン、mークロルスチ
レン、pークロルスチレン、oーエチルスチレン、mー
エチルスチレン、pーエチルスチレン、pーメトキシス
チレン、pークロロエチルスチレン、pーメチルーαー
メチルスチレン等が挙げられる。なお、これらは2種類
以上の混合物としても使用することができる。
【0008】(B)ジシクロペンタジエンもしくはその
誘導体とエチレンとの付加反応物と、上記ビニル基を有
する化合物との共重合体又はその共重合体の水素添加
物。 (C)極性基を有するテトラー3ードデセンもしくはそ
の誘導体又は/及び極性基を有するビシクロヘプトー2
ーエンもしくはその誘導体の開環重合体又はこれら開環
重合体の水素添加物。
【0009】(D)極性基を有するテトラー3ードデセ
ンもしくはその誘導体又は/及び極性基を有するビシク
ロヘプトー2ーエンもしくはその誘導体と他の環状オレ
フィンとの開環重合体又はこれら開環重合体の水素添加
物。 以上において、(A)および(B)の非晶質ポリオレフ
ィンとしては、下記一般式(3)で表される非晶質樹脂
が例示できる。
【0010】
【化3】
【0011】[式(3)中、d及びeは互いに異なって
もよく、1以上の整数をそれぞれ示す。R7は水素原
子、炭化水素基又はC648基を表し、R8は水素原
子、炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン化炭化水素基
又はハロゲン原子を示す。炭化水素基はメチル基、エチ
ル基等が挙げられる。また、Yはシクロペンタジエン、
シクロペンタジエン誘導体、ノルボルナジエン、ノルボ
ルナジエン誘導体、ジシクロペンタジエン、ジシクロペ
ンタジエン及びこれらの水素添加物を示す。] ここで、シクロペンタジエンないしその誘導体とノルボ
ルナジエンないしその誘導体との付加反応物の水素添加
物、又はジシクロペンタジエンないしその誘導体とエチ
レンとの付加反応物とは、下記一般式(4)で表される
ものである。
【0012】
【化4】
【0013】[式(4)中、fは0又は1の整数を示
す。gは0又は整数を示す。hは0又は1を示す、R9
〜R26ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に水素原
子、ハロゲン原子及び炭化水素基よりなる群から選ばれ
る原子又は基を表し、R15〜R18は、互いに結合して単
環または多環を形成していてもよく、かつ、該単環また
は多環が二重結合を有していてもよく、また、R23とR
24とで、またはR25とR26とでアルキリデン基を形成し
ていてもよい。]
【0014】以上の式(4)で示される化合物として
は、ビシクロ[2,2,1]ヘプトー2ーエン、テトラ
シクロ[4,4,0,12,5,17,10]ー3ードデセン、
ヘキサシクロ[6,6,1,13,6,110,13,02,7,0
9,14]ー4ーヘプタデセン、オクタシクロ[8,8,
0,12,9,14,7,111,18,113,16,03,8,012,17]ー5
ードコセン、ペンタシクロ[6,6,1,13,6,02,7,
9,14]ー4ーヘキサデセン、ヘプタシクロ[8,8,
0,12,9,14,7,111,18,03,8,012,17]ー5ーエイコ
セン、ペンタシクロ[6,5,1,13,6,02,7,
9,13]ー4ーペンタデセン、ペンタシクロ[6,5,
1,13,6,02,7]ー4,10ーペンタデカジエン、トリ
シクロ[4,3,0,12,5]ー3ーデセン、トリシクロ
[4,4,0,12,5]ー3ーウンデセン、ペンタシ
クロ[7,4,0,12,5,19,12,08,13]ー3ーペンタ
デセン、ヘプタシクロ[8,7,0,13,6,110,17,1
12,15,02,7,0 11,16]ー4ーエイコセン、ペンタシク
ロ[8,4,0,12,5,19,12,08,13]ー3ーヘキサデ
セン、ヘプタシクロ[8,8,0,14,7,111,18,1
13,16,03, 8,012,17]ー5ーヘンエイコセン、イナシク
ロ[10,9,1,14,7,113,20,115,18,02,10,0
3,8,012,21,014,19]ー5ーペンタコセン、ノナシクロ
[10,10,1,15,8,114,21,116,19,02,11,0
4,9,013,22,015,20]ー5ーヘキサコセン等、及びこれ
らの骨格に次のような置換基を有した誘導体が挙げられ
る。置換基として、塩素基、臭素基、フッ素基、メチル
基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ナフチル基、
ブチル基、シクロヘキシル基、エチリデン基、プロピリ
デン基、ベンジル基等が挙げられる。
【0015】次に、(C)の非晶質ポリオレフィンとし
ては、例えば、下記一般式(5)で表される非晶質重合
体が挙げられる。
【化5】
【0016】[式(5)中、j及びkは互いに異なって
もよく0又は1以上の正の整数を示す。また、環状5員
環単位には、ハロゲン原子又は炭化水素基等の置換基を
有していてもよい] 極性基を有するテトラシクロ[4,4,0,12,5,1
7,10]ー3ードデセンもしくは誘導体及び極性基を有す
るビシクロ[2、2、1]ヘプトー2ーエンもしくは誘
導体としては、下記一般式(6)で表されるものであ
る。
【0017】
【化6】
【0018】[式(6)中、mは0又は1を示す。R27
〜R30は互いに異なってもよく、カルボキシル基、アセ
トキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、水素原子、炭化水
素基より選ばれる置換基を表す。RC1〜RC8は互いに異
なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基よ
りなる群から選ばれる。炭化水素基は、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、フェニル基、ナフチル基、ブチル
基、シクロヘキシル基、エチリデン基、プロピリデン
基、ベンジル基等が挙げられる。]
【0019】(D)の非晶質ポリオレフィンとは、前記
一般式(6)と他の環状オレフィンとの開環重合体又は
その水素添加物である。ここで、他の環状オレフィンの
具体例としては、シクロペンテン、シクロオクテン、
1,5ーシクロオクテンタジエン、1,5,9ーシクル
ドデカトリエン等のシクロオレフィン、ビシクロヘプト
ー2ーエン、トリシクロー3ーデセン、トリシクロー9
ーウンデセン、テトラシクロー3ードデセン、ペンタシ
クロー4ーペンタデセン、ペンタシクロー4ーヘキサデ
セン等のポリシクロアルケンが挙げられる。本発明にお
ける非晶質ポリオレフィンは、1種又は2種以上の混合
物を使用してもよい。
【0020】更に、非晶質ポリオレフィンの中でも、
(C)極性基を有するテトラー3ードデセンもしくはそ
の誘導体又は/及び極性基を有するビシクロヘプトー2
ーエンもしくはその誘導体の開環重合体又はこれら開環
重合体の水素添加物と、(D)極性基を有するテトラー
3ードデセンもしくはその誘導体又は/及び極性基を有
するビシクロヘプトー2ーエンもしくはその誘導体と他
の環状オレフィンとの開環重合体又はこれら開環重合体
の水素添加物が、光ディスク基板、プラスチック液晶基
板、プラスチックカラーフィルムター、プラスチック太
陽電池基板、タッチパネル等の部材として使用する際
に、有機物又は無機物の蒸着及び塗布等の加工の際の密
着性が良好であり、特に好ましい。
【0021】この場合、具体的な蒸着とは、SiO、I
TO、SiO2、Al等の薄膜の形成であり、塗布加工
とは、例えばEVOH、PVDC等のバリア性樹脂のコ
ーティングやカラー色素のコーティングが挙げられる。
本発明の樹脂組成物のもう1つの成分は活性エネルギー
線により硬化するビス(メタ)アクリレートである。活
性エネルギー線により硬化するビス(メタ)アクリレー
トは、下記一般式(7)で示され、活性エネルギー線に
より硬化して樹脂となる。
【0022】
【化7】
【0023】[式(7)中、R31及びR32は互いに異な
ってもよく、水素又はメチル基を示す。R33は炭素数5
0以下の脂肪族基、脂環式基、芳香族基及びその基の中
にS、N、O、Si、P、Fから選ばれる元素が含有し
てもよい。] このうち、下記の一般式(1)で示される含イオウビス
(メタ)アクリレート及び一般式(2)で示される脂環
骨格ビス(メタ)アクリレートより選ばれる少なくとも
1種のビス(メタ)アクリレートよりなる組成物が耐薬
品性、剛性等の面で好ましい。なお、「(メタ)アクリ
レート」は、アクリレートないしメタクリレートを総称
するものである。
【0024】
【化8】
【0025】[式(1)中、R1及びR2は、互いに異な
ってもよく、水素原子又はメチル基を示す。R3及びR4
は、互いに異なってもよく、炭素鎖中に酸素原子及び/
又は硫黄原子を有してもよい炭素数1〜6の炭化水素基
を示す。Xはハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル
基及び炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれた置換基
を示し、aは0〜4の整数を示す。但し、aが2以上の
整数の場合には、複数のXは互いに異なってもよい。]
【0026】
【化9】 [式(2)中、R5及びR6は、互いに異なってもよく、
水素原子又はメチル基を示す。bは1又は2を示し、c
は0又は1を示す。]
【0027】上記の一般式(1)に示される含イオウビ
ス(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、例え
ば、p−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)
キシリレン(R1:メチル、R2:メチル、R3:エチレ
ン、R4:メチレン、l:0)、p−ビス(β−アクリ
ロイルオキシエチルチオ)キシリレン、m−ビス(β−
メタクリロイルオキシエチルチオ)キシリレン、m−ビ
ス(β−アクリロイルオキシエチルチオ)キシリレン、
p−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルオキシエチ
ルチオ)キシリレン、p−ビス(β−メタクリロイルオ
キシエチルチオエチルチオ)キシリレン、p−ビス(β
−メタクリロイルオキシエチルチオ)テトラブロムキシ
リレン、m−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチ
オ)テトラクロロキシリレンなどが挙げられる。これら
の化合物は、例えば特開昭62−195357号公報に
示されている手法で合成することができる。
【0028】上記の一般式(2)に示される脂環骨格ビ
ス(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、ビス
(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デ
カン=ジアクリレート、ビス(オキシメチル)トリシク
ロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート、
ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.
2, 6]デカン=アクリレートメタクリレート及びこれ
らの混合物、ビス(オキシメチル)ペンタシクロ[6.
5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=ジアク
リレート、ビス(オキシメチル)ペンタシクロ[6.
5.1.13,6 .02,7.09,13]ペンタデカン=ジメ
タクリレート、ビス(オキシメチル)ペンタシクロ
[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=
アクリレートメタクリレート及びこれらの混合物があ
る。これらのトリシクロデカン化合物及びペンタシクロ
ペンタデカン化合物は、群内及び(又は)群間で2種以
上併用してもよいこれらの化合物は、例えば、特開昭6
2−225508号公報に示されている手法で合成する
ことができる。
【0029】一般式(1)及び(2)で示されるビス
(メタ)アクリレートは、単独もしくは2種以上を併用
して用いることができる。一般式(1)の化合物を単独
で用いる場合、活性エネルギー線により硬化した樹脂組
成物の屈折率は、ナトリウムのD線(589.3nm)
において室温で1.54〜1.65となり、高屈折率を
有する。また、一般式(2)の化合物を単独で用いる場
合は比較的低い屈折率1.47〜1.51となる。従っ
て、一般式(1)及び(2)で示される化合物を2種以
上併用することにより、1.47〜1.65の間で所望
の屈折率を有する活性エネルギー線により硬化した樹脂
組成物を得ることができる。また、以上の一般式(1)
及び(2)で示されるビス(メタ)アクリレートは、そ
れ単独で重合させて使用することができるが、一般式
(8)、(9)及び(10)で示される分子内に2個以
上のチオール基を有するメルカプト化合物より選ばれる
少なくとも1種のメルカプト化合物を配合することによ
り複屈折の低減、適度の靱性を付与することもできる。
【0030】
【化10】 [式(8)中、複数のR34 は互に異っていてもよく、
それぞれメチレン基又はエチレン基を示す。R35 は炭
素鎖中に酸素原子及び/又は硫黄原子を含んでいてもよ
い炭素数2〜15の炭化水素残基を示す。nは2〜6の
整数を示す。]
【0031】
【化11】 [式(9)中、Zは互に異っていてもよく、HS−(C
2 r−(CO)(OCH2 −CH2 s−(CH2
t−を示す。但しrは1〜4の整数、sは1〜4の整
数、tは0〜2の整数をそれぞれ示す。]
【0032】
【化12】 [式(10)中、R36及びR37は、互いに異っていても
よく、炭素数1〜3の炭化水素基を示す。o及びpはそ
れぞれ0又は1を示す。qは1又は2を示す。]
【0033】上記の一般式(8)で示されるメルカプタ
ン化合物は、2〜6価のチオグリコール酸エステル又は
チオプロピオン酸エステルである。具体例としては、例
えばペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピ
オネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグ
リコレート)、トリメチロールプロパントリス(β−チ
オプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス
(チオグリコレート)、ジエチレングリコールビス(β
−チオプロピオネート)、ジエチレングリコールビス
(チオグリコレート)、トリエチレングリコールビス
(β−チオプロピオネート)、トリエチレングリコール
ビス(チオグリコレート)、ジペンタエリスリトールヘ
キサキス(β−チオプロピオネート)、ジペンタエリス
リトールヘキサキス(チオグリコレート)などが挙げら
れる。
【0034】上記の一般式(9)で示される化合物は、
ω−SH基含有トリイソシアヌレートである。具体例と
しては、例えば、トリス[2−(β−チオプロピオニル
オキシ)エチル]トリイソシアヌレート、トリス(2−
チオグリコニルオキシエチル)トリイソシアヌレート、
トリス[2−(β−チオプロピオニルオキシエトキシ)
エチル]トリイソシアヌレート、トリス(2−チオグリ
コニルオキシエトキシエチル)トリイソシアヌレート、
トリス[3−(β−チオプロピオニルオキシ)プロピ
ル]トリイソシアヌレート、トリス(3−チオグリコニ
ルオキシプロピル)トリイソシアヌレートなどが挙げら
れる。上記の一般式(10)で示される化合物はα,ω
−SH基含有化合物である。具体例としては、例えばベ
ンゼンジメルカプタン、キシリレンジメルカプタン、
4,4′−ジメルカプトジフェニルスルフィドなどが挙
げられる。
【0035】更に、このビス(メタ)アクリレートに
は、上記メルカプト化合物のほかにビス(メタ)アクリ
レート100重量部に対して30重量部程度までの量で
ラジカル重合可能な他の単量体を混合して共重合させて
製造することも可能である。この際に用いる他の単量体
としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、フェ
ニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、メタクリロイルオキシメチルテトラ
シクロドデカン、メタクリロイルオキシメチルテトラシ
クロドデセン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、
2,2−ビス[4−(β−メタクリロイルオキシエトキ
シ)フェニル]プロパン、2,2′−ビス[4−(β−
メタクリロイルオキシエトキシ)シクロヘキシル]プロ
パン、1,4−ビス(メタクリロイルオキシメチル)シ
クロヘキサン、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート等の(メタ)アクリレート化合物、スチレ
ン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルス
チレン等の核及び(又は)側鎖置換及び非置換スチレン
などが挙げられる。これらの他の単量体の中でもメタク
リロイルオキシメチルシクロドデカン、2,2−ビス
[4−(β−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニ
ル]プロパン、2,2−ビス[4−(β−メタクリロイ
ルオキシエトキシ)シクロヘキシル]プロパン、1,4
−ビス(メタクリロイルオキシメチル)シクロヘキサ
ン、及びこれらの混合物が特に好ましい。更に、これら
には、少量の酸化防止剤、紫外線吸収剤、染顔料、充填
剤等を含んでいてもよい。
【0036】本発明の樹脂組成物を構成する非晶質熱可
塑性樹脂と活性エネルギー線により硬化するビス(メ
タ)アクリレートとの混合割合は、非晶質熱可塑性樹脂
99〜〜1重量%と活性エネルギー線により硬化するビ
ス(メタ)アクリレート1〜99重量%である。活性エ
ネルギー線により硬化するビス(メタ)アクリレートが
1重量%未満であると耐薬品性の効果が得られず、99
重量%を越えると強靱性が低下するので好ましくない。
好ましくは、活性エネルギー線により硬化するビス(メ
タ)アクリレートが10〜95重量%である。また、非
晶質熱可塑性樹脂の屈折率とビス(メタ)アクリレート
を活性エネルギー線により硬化した樹脂の屈折率との差
が0.05以下、特に0.03以下であることが好まし
い。屈折率の差が0.05を越えると透明性が低下する
ため、このような目的の用途には使用できない傾向にあ
る。なお、この屈折率の測定は、25℃、波長589.
3nm(ナトリウムD線)の条件下での測定結果であ
る。
【0037】本発明の樹脂組成物は、活性エネルギー線
により硬化させて部材となる。活性エネルギー線とは、
紫外線、電子線等が挙げられる。部材の成型方法は、非
晶質熱可塑性樹脂と活性エネルギー線により硬化するビ
ス(メタ)アクリレートとの樹脂組成物の粘度に合わせ
て加工方法を選択することができる。例えば、樹脂組成
物を押出成形した後、活性エネルギー線で硬化すること
により成形する、樹脂組成物を溶媒に溶かしたものをキ
ャストし、溶媒を蒸発させた後、活性エネルギー線で硬
化させることにより成形する、また混合物の流動性が大
きい場合は、直接ロール又はベルトにキャストさせる、
又は研磨ガラス等よりなる少なくとも一面が活性エネル
ギー線を透過可能な2枚の相対する平板を用い、スペー
サー等によりキャビティを形成させ周辺部をシールして
なる注入型に注入して、活性エネルギー線で硬化させる
ことにより成形することができる。
【0038】活性エネルギー線で硬化させた部材が、ア
イゾット衝撃強度0.5kgf・cm/cm以上である
と強靱性に優れ好ましい傾向にあり、また平行光線透過
率が80%以上であると、シート状又はフィルム状部材
として透明性に優れ好ましい傾向にある。活性エネルギ
ー線の照射量は樹脂組成物を硬化させる量であればよ
い。部材は、透明板、光学レンズ、光ディスク基板、プ
ラスチック液晶基板、プラスチックカラーフィルタ、プ
ラスチック太陽電池基板、タッチパネル、光学素子等の
ガラス基板に代えて使用する場合は、シート状又はフィ
ルム状のものが好ましい。この場合、シート状又はフィ
ルム状とは、長尺のものに限らず、短尺の平板状のもの
も含まれる。
【0039】活性エネルギー線が紫外線の場合は、例え
ば、ラジカルを発生する光重合開始剤を添加する公知の
ラジカル重合により硬化させる。光重合開始剤として
は、例えばベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ジエトキシアセ
トフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェ
ニルホスフィンオキシド等が挙げられる。好ましい光開
始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフ
ェニルホスフィンオキシド、ベンゾフェノンである。こ
れら光重合開始剤は2種以上を併用してもよい。
【0040】光重合開始剤の添加量は、ビス(メタ)ア
クリレート100重量部に対し、通常0.01〜1重量
部、好ましくは0.02〜0.3重量部である。光重合
開始剤の添加量が多すぎると、重合が急激に進行し複屈
折の増大をもたらすだけでなく色相も悪化する。また少
なすぎると組成物を充分に硬化させることができなくな
る。 照射する活性エネルギー線の量は、光重合開始剤
がラジカルを発生する範囲であれば任意であるが、極端
に少ない場合は重合が不完全なため硬化物の耐熱性、機
械特性が十分に発現されず、逆に極端に過剰な場合には
硬化物の黄変等の光による劣化を生じるので、モノマー
の組成及び光重合開始剤の種類、量に合わせて200〜
400nmの紫外線を、好ましくは0.1〜200Jの
範囲で照射する。使用するランプの具体例としては、メ
タルハライドランプ、高圧水銀灯ランプ等を挙げること
ができる。
【0041】硬化をすみやかに完了させる目的で、熱重
合を併用してもよい。すなわち光照射と同時に組成物並
びに型全体を通常30〜300℃の範囲で加熱する。こ
の場合は重合をよりよく完結するためにラジカル重合開
始剤を添加してもよいが、過剰な使用は複屈折の増大と
色相の悪化をもたらす。熱重合開始剤の具体例としては
ベンゾイルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカ
ーボネート、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサ
ノエート)等が挙げられ、使用量はモノマー100重量
部に対して1重量部以下が好ましい。更に、本発明にお
いて光照射によるラジカル重合を行った後、硬化物を加
熱することにより重合反応の完結及び重合時に発生する
内部歪を低減することも可能である。加熱温度は、硬化
物の組成やガラス転移温度に合わせて適宜選択される
が、過剰な加熱は硬化物の色相悪化をもたらすため、ガ
ラス転移温度付近かそれ以下の温度が好ましい。
【0042】
【実施例】以下、本発明の内容および効果を実施例によ
り更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えな
い限り以下の例に限定されるものではない。また、樹脂
組成物及び部材の評価は、以下の方法により測定した。 〈平行光線透過率〉実施例及び比較例により得られた部
材を、JISーK7105に準拠し、大きさ5cm×5
cm×1mmの試験片とし、スガ試験機械(株)製のH
GMー2DPを用い、平行光線透過率(%)を測定し
た。
【0043】〈耐薬品性〉実施例及び比較例により得ら
れた部材を大きさ1cm×1cm×1mmの試験片と
し、該試験片を25℃のキシレンに24hr入れ、外観
の腐食、溶解の状況を観察し、外観の変化のないもの:
○、膨潤、白化を生じたもの:△、樹脂が溶解し、形状
をとどめないもの:×、とした。 〈アイゾット衝撃強度(kgf・cm/cm)〉実施例
及び比較例により得られ部材を、JISーK 6911
に準拠し、長さ63.4mm×幅12.7mm×厚さ2
mmの大きさにし(厚さ2mmは1mmを積層して用い
た)機械加工及び研磨を行った試験片を作成し、アイゾ
ット衝撃試験器で測定した。
【0044】製造例1 次のような方法で、極性基を有する非晶性ポリオレフィ
ンを製造した。撹拌機、環流冷却器、三方コックを備え
たフラスコ内を窒素ガスで置換し窒素気流下で、モノマ
ーとして8ーメチルー8ーカルボキシメチルテトラシク
ロー[4.4.0.12,57,10]−3ードデセン10
0重量部、分子量調整剤として1ーヘキセン12.1重
量部、溶媒として1、2ジクロロエタン400重量部を
加え、更に溶媒としてジエチルアルミニウムクロライド
が10重量%であるn−ヘキサン溶液を1.7重量部、
6塩化タングステンが2重量%であるクロロベンゼン溶
液1.8重量部、パラアルデヒドが10重量%である
1、2ジクロロエタン溶液0.1重量部を加え、60℃
で5時間反応させた。
【0045】上記反応物100重量部をテトラヒドロフ
ラン2000重量部に溶解し、これに触媒として活性炭
に担持させたパラジウム(5%濃度パラジウム)10重
量%を加え、仕込み水素圧を150kg/cm2とし、
150℃で4時間水素添加反応をおこなった。冷却後、
容器中の水素ガスを放圧し、更に反応溶液から触媒を濾
過した後メタノールを添加して、水素添加重合体である
極性基を有する非晶性ポリオレフィンを得た。この重合
体の屈折率は1.51、ガラス転移温度Tgは168
℃、固有粘度は0.48dl/g(30℃クロロホルム
中)及び密度は1.06g/cm3であった。
【0046】実施例1 製造例1で重合した極性基を有する非晶性ポリオレフィ
ン100gを塩化メチレン200gに溶かし、その中
に、ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン=ジメタクリレート100g(硬化後の屈
折率1.49)、光開始剤として2,4,6ートリメチ
ルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド(BAS
F社製「ルシリンTPO」)0.05g、ベンゾフェノ
ン0.05gを均一に攪拌混合した後、塩化メチレンを
飛ばして樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を、スペー
サーとして厚さ1mmのシリコン板を用いた光学研磨ガ
ラスの型に注入し、ガラス面上に在る出力80W/cm
のメタルハライドランプにて、40J/cm2のエネル
ギーになるよう約20分間照射した。照射後ガラス型を
離型し硬化物の厚さ1mmの部材を得た。得られた部材
について評価結果を表1に示した。
【0047】実施例2 製造例1で重合した極性基を有する非晶性ポリオレフィ
ン200gを塩化メチレン200gに溶かし、その中
に、ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン=ジメタクリレート800g(硬化後の屈
折率1.49)、光開始剤として2,4,6ートリメチ
ルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド(BAS
F社製「ルシリンTPO」)0.4g、ベンゾフェノン
0.4gを均一に攪拌混合した後、この混合物を窒素雰
囲気中にある金属ベルトにキャストしたシートに、出力
80W/cmのメタルハライドランプにて、上面から4
0J/cm2のエネルギーになるよう約5分間照射し
た。厚さ1mmの硬化したシート(部材)を得た。得ら
れた部材について評価結果を表1に示した。
【0048】実施例3 実施例1において、樹脂組成物を、非晶性ポリオレフィ
ンとして、日本ゼオン(株)製、ゼオネックス450、
屈折率1.53のもの20gをキシレン40gに溶か
し、その中に、ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.
2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート980g
(硬化後の屈折率1.49)、光開始剤として2,4,
6ートリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキ
シド(BASF社製「ルシリンTPO」)0.5g、ベ
ンゾフェノン0.5gに代えたほかは、同例と同様に部
材を得た。得られた部材について評価結果を表1に示し
た。
【0049】実施例4 ポリアリレート樹脂(鐘淵化学(株)製、エリメック、
屈折率1.60)100gを塩化メチレン100gに溶
かし、その中に、p−ビス(βーメタクリロイルオキシ
エチルチオ)キシリレン900g(硬化後の屈折率1.
60)、光開始剤として2,4,6ートリメチルベンゾ
イルジフェニルフォスフィンオキシド(BASF社製
「ルシリンTPO」)0.5g、ベンゾフェノン0.5
gを均一に攪拌混合した後、この混合物を窒素雰囲気中
にある金属ベルトにキャストしたシートに、80℃で乾
燥炉に入れ溶媒を蒸発乾燥させた後、出力80W/cm
のメタルハライドランプにて、上面から30J/cm2
のエネルギーになるよう約5分間照射した。厚さ1mm
の硬化したシート(部材)を得た。得られた部材につい
て評価結果を表1に示した。
【0050】実施例5 実施例1において、樹脂組成物を、ポリメチルメタクリ
レート樹脂(三菱レーヨン(株)製、アクリペットV、
屈折率1.49)50gを塩化メチレン50gに溶か
し、その中に、ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.
2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート950g
(硬化後の屈折率1.49)、光開始剤として2,4,
6ートリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキ
シド(BASF社製「ルシリンTPO」)0.5g、ベ
ンゾフェノン0.5gに代えたほかは、同例と同様に部
材を得た。得られた部材について評価結果を表1に示し
た。
【0051】実施例6 実施例1において、樹脂組成物を、ポリカーボネート
(三菱エンジニアプラスチックス(株)製、ユーピロン
Hー4000、屈折率1.58)50gを塩化メチレン
100gに溶かし、その中に、ビス(オキシメチル)ト
リシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレ
ート950g(硬化後の屈折率1.49)、光開始剤と
して2,4,6ートリメチルベンゾイルジフェニルフォ
スフィンオキシド(BASF社製「ルシリンTPO」)
0.5g、ベンゾフェノン0.5gに代えたほかは、同
例と同様に部材を得た。得られた部材について評価結果
を表1に示した。
【0052】比較例1 製造例1で重合した極性基を有する非晶性ポリオレフィ
ンを40mm押出機に幅400mmのTダイスを取り付
けた設備で、310℃で押出し、150℃に加熱した4
00mmφのロールにキャストして、厚さ1mmのシー
トを得た。得られた部材について評価結果を表1に示し
た。 比較例2 比較例1において、原料をポリカーボネート(三菱エン
ジニアプラスチックス(株)製、ユーピロンHー400
0、屈折率1.58)に代え、270℃で押出し、12
0℃に加熱した400mmφのロールにキャストしたほ
かは、同例と同様に厚さ1000μmのシートを得た。
得られた部材について評価結果を表1に示した。
【0053】比較例3 実施例1において、樹脂組成物を、ビス(オキシメチ
ル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタ
クリレート1000g(硬化後の屈折率1.49)、光
開始剤として2,4,6ートリメチルベンゾイルジフェ
ニルフォスフィンオキシド(BASF社製「ルシリンT
PO」)0.5g、ベンゾフェノン0.5gを均一に混
合攪拌した組成物に代えたほかは、同例と同様に部材を
得た。得られた部材について評価結果を表1に示した。
【0054】
【表1】
【0055】表1中、Aは非晶質熱可塑性樹脂、Bは活
性エネルギー線により硬化可能なビス(メタ)アクリレ
ートを示す。表1より、本願発明の樹脂組成物および該
樹脂組成物よりなる部材は、耐薬品性に優れており、実
施例1と比較例3より、非晶質熱可塑性樹脂のみの部材
に比較して、本発明の樹脂組成物よりなる部材はアイゾ
ット衝撃強さが大きいことがわかる。
【0056】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、ガラス基板に代
えて液晶基板、太陽電池基板、タッチパネル、光学素子
等の基板等に使用するために必要な耐薬品性に優れてお
り、該用途に使用する際、部材に成形するのが容易であ
り、ガラス基板より衝撃強度においても優れている。ま
た、該樹脂組成物のうち、屈折率の差が0.05以下で
あると、耐薬品性に加え、透明性においても良好であ
り、該用途にはより好ましい。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質熱可塑性樹脂99〜1重量%と活
    性エネルギー線により硬化可能なビス(メタ)アクリレ
    ート1〜99重量%とよりなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 非晶質熱可塑性樹脂が非晶質ポリオレフ
    ィンであることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 非晶質ポリオレフィンが極性基を有する
    テトラー3ードデセンもしくはその誘導体又は/及び極
    性基を有するビシクロヘプトー2ーエンもしくはその誘
    導体の開環重合体又はこれら開環重合体の水素添加物で
    ある請求項2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 非晶質ポリオレフィンが極性基を有する
    テトラー3ードデセンもしくはその誘導体又は/及び極
    性基を有するビシクロヘプトー2ーエンもしくはその誘
    導体と他の環状オレフィンとの開環重合体又はこれら開
    環重合体の水素添加物である請求項2記載の樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 活性エネルギー線により硬化可能なビス
    (メタ)アクリレートが下式(1)及び(2)より選ば
    れた少なくとも1種のビス(メタ)アクリレートを含ん
    でなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに
    記載の樹脂組成物。 【化1】 [式(1)中、R1及びR2は、互いに異なってもよく、
    水素原子又はメチル基を示す。R3及びR4は、互いに異
    なってもよく、炭素鎖中に酸素原子及び/又は硫黄原子
    を有してもよい炭素数1〜6の炭化水素基を示す。Xは
    ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数
    1〜6のアルコキシ基から選ばれた置換基を示し、aは
    0〜4の整数を示す。但し、aが2以上の整数の場合に
    は、複数のXは互いに異なってもよい。] 【化2】 [式(2)中、R5及びR6は、互いに異なってもよく、
    水素原子又はメチル基を示す。bは1又は2を示し、c
    は0又は1を示す。]
  6. 【請求項6】 非晶質熱可塑性樹脂の屈折率とビス(メ
    タ)アクリレートを活性エネルギー線により硬化した樹
    脂の屈折率との差が0.05以下であることを特徴とす
    る請求項1ないし5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 非晶質熱可塑性樹脂99〜1重量%と活
    性エネルギー線により硬化可能なビス(メタ)アクリレ
    ート1〜99重量%とよりなる樹脂組成物を活性エネル
    ギー線により硬化させてなる部材。
  8. 【請求項8】 アイゾット衝撃強度が0.5kgf・c
    m/cm以上であることを特徴とする請求項7記載の部
    材。
  9. 【請求項9】 部材がシート状又はフィルム状に成形さ
    れてなり、部材の平行光線透過率が80%以上であるこ
    とを特徴とする請求項7又は8記載の部材。
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